JP5249474B1 - 超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法 - Google Patents

超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射物質等の汚染物質を粗粒子から効率的に剥離する超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法を提供することを目的とする。
【解決手段】泥水Mを入れる洗浄槽11と、洗浄槽11内に設置され泥水Mを洗浄槽11内で所定の循環方向に沿って混合撹拌する撹拌機12と、洗浄槽11内に配置され泥水Mに超音波を照射する超音波振動素子13とを備え、超音波の有効照射領域Tが、撹拌水流Cの少なくとも一部を循環方向に対して略直角に横断するように設定され、泥水Mに超音波を照射して汚染物質を洗浄処理するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射性物質等の汚染物質を含む汚染土壌から汚染物質を洗浄処理する超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法に関するものであり、特に、汚染土壌を含む泥水に超音波を照射して汚染物質を土粒子から剥離させ、汚染物質の洗浄処理を実現する超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法に関するものである。
放射性物質やダイオキシン類等に汚染された汚染土壌は、最終処分を行うまで中間貯蔵施設内で一時的に保管するまたは焼却処分する必要があり、汚染土壌が大量になる程に広大な保管スペースまたは処分費用を要する。したがって、保管量を圧縮する、または最終処分量を減じるために、汚染土壌の体積を低減すること、すなわち、汚染土壌の減容化が望まれており、このような汚染土壌の減容化の一環として、超音波のキャビテーション効果、加速度効果及び物理化学的反応促進効果を利用して、汚染土壌から汚染物質を除去するものが知られている。
一般的に、汚染物質は、粒径75μm以上の粗粒子(礫、砂)よりも、1g当たりの表面積(比表面積)が粗粒子よりも大きい粒径75μm未満の細粒子(粘土、シルト)に吸着し易いことが知られている。このため、汚染物質の洗浄に用いられる超音波洗浄装置では、粗粒子の表面に直接付着した汚染物質を取り除くか、細粒子を介して粗粒子の表面に間接的に付着した汚染物質を細粒子ごと取り除くかして、超音波洗浄を行っている。
このような汚染物質を洗浄するものとして、汚染物質と液体との混合物を入れる洗浄槽の底部が、下方に行くに従って細くなる断面形状であり、洗浄槽の底部に、洗浄槽内の混合物に向けて第1の方向から超音波を照射する第1超音波振動子と第1の方向からの超音波に重なるようにその第1の方向とは異なる第2の方向から混合物に向けて超音波を照射する第2超音波振動子とを設け、さらに洗浄槽内に混合物を撹拌する撹拌手段を設けた超音波洗浄装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−209916号公報
特許文献1に記載の従来技術は、第1超音波振動子及び第2超音波振動子から夫々照射される超音波は、超音波の直進性により、洗浄槽の底部から水面に向かって略垂直に伝播するため、各超音波が互いに重なり合って十分な振動エネルギーが生じる洗浄槽の中央部分を除き、照射される超音波が洗浄槽全体に不用意に拡散して混合物全体に十分な超音波を照射することが難しく、洗浄処理に要する時間が長期化しがちであった。
また、上述のように超音波の照射強度が洗浄槽内で一様でなく、汚染物質の洗浄処理の進行がばらつくため、均等に洗浄することが困難であり、洗浄槽内で洗浄処理が滞りがちな箇所に別途計測器を設けて、汚染物質の残留濃度を計測する等の作業負担が増える虞があった。
そこで、放射性物質又はダイオキシン類から成る汚染物質を粗粒子から効率的に剥離するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、放射性物質又はダイオキシン類から成る汚染物質を含む汚染土壌を加水して成る泥水に超音波を照射して前記汚染物質を洗浄処理する超音波洗浄装置において、前記泥水を入れる洗浄槽と、該洗浄槽内に設置され、前記泥水を前記洗浄槽内で所定の循環方向に沿って混合撹拌する撹拌機と、前記洗浄槽内に配置され、前記泥水に超音波を照射する超音波振動素子とを備え、前記超音波を照射可能な有効照射領域は、前記撹拌機の撹拌水流の少なくとも一部を前記循環方向に対して略直角に横断するように設定されている超音波洗浄装置を提供する。
この構成によれば、超音波の有効照射領域、即ち、有害物質を粗粒子から剥離するだけのキャビテーション効果等を奏する振動エネルギーを発揮する領域が泥水の循環水流の一部を横断するように洗浄槽内に局在して形成されると共に、泥水内に拡散した汚染物質が洗浄槽内を循環する度に超音波の有効照射領域を通過し、泥水が繰り返し超音波を受けるため、従来のような超音波を泥水全体に一様に照射する超音波洗浄装置と比較して、汚染物質を剥離するのに十分な振動エネルギーを有する超音波を泥水全体に照射して泥水内の汚染物質を効率的に剥離することができる。
また、泥水全体が確実に超音波を受けるため、汚染土壌の土質に応じて超音波の累積照射時間を設定し、この累積照射時間に達するまで泥水を洗浄槽内で循環させるだけで、泥水内の汚染状態を逐次計測することなく簡便に汚染物質を洗浄することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記洗浄槽は、前記泥水が上昇する上昇領域と前記泥水が沈降する沈降領域とに前記洗浄槽内を仕切る仕切壁を備え、前記上昇領域と前記沈降領域とは、前記仕切壁の上方及び下方で夫々接続されている超音波洗浄装置を提供する。
この構成によれば、洗浄槽内の撹拌水流が交錯することなく形成されていることにより、撹拌機の出力制御によって汚染土壌の洗浄に必要な撹拌水流の循環流速を容易に設定することができる。
請求項3記載の発明は、放射性物質又はダイオキシン類から成る汚染物質を含む汚染土壌を加水して成る泥水に超音波を照射して前記汚染物質を洗浄処理する超音波洗浄方法において、前記汚染土壌を加水して泥水を成す加水工程と、前記泥水を洗浄槽内で所定の循環方向に沿って混合撹拌する撹拌工程と、前記洗浄槽内を循環する泥水に超音波を照射する洗浄工程とを備え、前記洗浄工程で前記洗浄槽内を循環する前記泥水は、前記超音波を照射可能な有効照射領域内を繰り返し通過する超音波洗浄方法を提供する。
この構成によれば、超音波の有効照射領域、即ち、有害物質を粗粒子から剥離するだけのキャビテーション効果等を奏する振動エネルギーを発揮する領域が泥水の循環水流の一部を横断するように洗浄槽内に局在して形成されると共に、泥水内に拡散した汚染物質が洗浄槽内を循環する度に超音波の有効照射領域を通過し、泥水が繰り返し超音波を受けるため、従来のような超音波を泥水全体に一様に照射する超音波洗浄装置と比較して、汚染物質を剥離するのに十分な振動エネルギーを有する超音波を泥水全体に照射して泥水内の汚染物質を効率的に剥離することができる。
また、泥水全体が確実に超音波を受けるため、汚染土壌の土質に応じて超音波の累積照射時間を設定し、この累積照射時間に達するまで泥水を洗浄槽内で循環させるだけで、泥水内の汚染状態を逐次計測することなく簡便に汚染物質を洗浄することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記撹拌工程及び前記洗浄工程で前記洗浄槽内を循環する前記泥水は、前記洗浄槽の上下方向に昇降する環状の撹拌水流で混合撹拌される超音波洗浄方法を提供する。
この構成によれば、洗浄槽内の撹拌水流が交錯することなく形成されていることにより、撹拌機の出力制御によって汚染土壌の洗浄に必要な撹拌水流の循環流速を容易に設定することができる。
請求項1記載の発明は、泥水が超音波の有効照射範囲を繰り返し通過することで、泥水全体に汚染物質を粗粒子から剥離するだけのキャビテーション効果等を奏する超音波を照射可能なため、汚染物質を確実に洗浄するとともに、汚染土壌の土質に応じて事前に設定する最適な超音波の累積照射時間だけ泥水を循環させることにより、汚染物質の残留濃度等を計測することなく簡便に洗浄処理を実現することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えてさらに、撹拌水流が交錯することなく上昇領域と下降領域とで分離されることにより、撹拌機の出力制御によって汚染土壌の土質に応じた撹拌水流の循環流速を容易に設定できるため、効率的な洗浄処理を実現することができる。
請求項3記載の発明は、泥水が超音波の有効照射範囲を繰り返し通過することで、泥水全体に汚染物質を粗粒子から剥離するだけのキャビテーション効果等を奏する超音波を照射可能なため、汚染物質を確実に洗浄するとともに、汚染土壌の土質に応じて超音波の累積照射時間だけ泥水を循環させることにより、汚染物質の残留濃度等を計測することなく簡便に洗浄処理を実現することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えてさらに、撹拌水流が交錯することなく上昇領域と下降領域とで分離されることにより、撹拌機の出力制御によって汚染土壌の土質に応じた撹拌水流の循環流速を容易に設定できるため、効率的な洗浄処理を実現することができる。
本発明に係る超音波洗浄装置の一実施例を示す説明図。 図1に示す超音波洗浄装置を図1紙面左側から視た説明図。 図1に示す超音波洗浄装置を図1紙面右側から視た説明図。 図1に示す超音波洗浄装置を図1紙面上側から視た説明図。 洗浄槽及び超音波振動素子の寸法関係を示す模式図。 本発明に係る超音波洗浄装置を用いた洗浄システムを示す模式図。 汚染土壌の洗浄処理結果を示す図。
本発明は、放射性物質又はダイオキシン類から成る等の汚染物質を含む汚染土壌から汚染物質が付着した細粒子を土粒子から効率的に剥離するという目的を達成するために、放射性物質又はダイオキシン類から成る汚染物質を含む汚染土壌を加水して成る泥水に超音波を照射して前記汚染物質を洗浄処理する超音波洗浄装置において、前記泥水を入れる洗浄槽と、該洗浄槽内に設置され、前記泥水を前記洗浄槽内で所定の循環方向に沿って混合撹拌する撹拌機と、前記洗浄槽内に配置され、前記泥水に超音波を照射する超音波振動素子とを備え、前記超音波を照射可能な有効照射領域は、前記撹拌機の撹拌水流の少なくとも一部を前記循環方向に対して略直角に横断するように設定して実現した。
また、放射性物質又はダイオキシン類から成る汚染物質を含む汚染土壌から汚染物質が付着した細粒子を土粒子から効率的に剥離するという目的を達成するために、放射性物質又はダイオキシン類から成る汚染物質を含む汚染土壌を加水して成る泥水に超音波を照射して前記汚染物質を洗浄処理する超音波洗浄方法において、前記汚染土壌を加水して泥水を成す加水工程と、前記泥水を洗浄槽内で所定の循環方向に沿って混合撹拌する撹拌工程と、前記洗浄槽内を循環する泥水に超音波を照射する洗浄工程とを備え、前記洗浄工程で前記洗浄槽内を循環する前記泥水が、前記超音波を照射可能な有効照射領域内を繰り返し通過することで実現した。
以下、本発明の実施例に係る超音波洗浄装置について、図1乃至図5を参照して説明する。
本実施例に係る超音波洗浄装置10は、汚染土壌を加水して成る泥水Mを入れる洗浄槽11と、洗浄槽11内に設置されて泥水Mを洗浄槽11内で所定の循環方向に沿って混合撹拌する撹拌機12と、洗浄槽11内に配置されて泥水Mに超音波を照射する超音波振動素子13とを有している。
洗浄槽11は、略長方体の槽本体部11aと、下方に向かうに従って細くなる槽底部11bとで構成されている。なお、槽本体部11aの形状は、略直方体に限定されるものではなく、泥水Mを循環可能な形状であれば如何なるものであっても構わない。
撹拌機12は、スクリュー12aが駆動する際に生じる撹拌水流Cを図1中の矢印の向きに循環するようにスクリュー12aを傾かせた状態で、槽底部11bに立設されている。なお、本実施例における撹拌水流Cの循環方向の向きは、図1紙面に対して水平に設定しているが、図1紙面に対して平行に設定しても構わない。
超音波振動素子13は、図4の紙面上下方向に槽本体部11aを横断して設けられる仕切壁11cの側面11csと、この仕切壁11cの側面11csに対向する洗浄槽11の内側面11asとに夫々1つずつ互いに設けられている。2つの超音波振動素子13、13は、400mm角に夫々形成されており、互いに約600mmだけ離隔して配設されている。超音波振動素子13から照射される超音波の周波数は、高いキャビテーション効果が見込める18〜50kHzの間で設定するのが好ましい。
超音波振動素子13の設置個数については、本実施例では、2つの超音波振動素子13を設けているが、汚染物質を粗粒子から剥離するのに十分なキャビテーション効果を得られればいくつ設けて良く、1つであっても、3つ以上であっても構わない。また、超音波振動素子13の配置位置については、互いに対向する槽本体部11aの内側面に夫々設けても構わない。
これにより、これら2つの超音波振動素子13、13の表面から夫々生じる直進流に起因して、2つの超音波振動素子13、13の間に、汚染物質を粗粒子から剥離するのに十分な振動エネルギーが存在する超音波の有効照射領域Tが形成される。この超音波の有効照射領域Tは、2つの超音波振動素子13、13の間を流れる撹拌水流Cの循環方向に対して略直角に横断するように設定される。
なお、符号14は、超音波振動素子を覆うカバーである。カバー14内で清水を循環させることにより、超音波振動素子13を冷却している。
洗浄槽11は、槽本体部11aを横断して設けられる仕切壁11cを介して、泥水Mが上昇する上昇領域RTと泥水Mが沈降する沈降領域STとに仕切られている。
これにより、洗浄槽11内を循環する撹拌水流Cが交錯することを防止し、一度剥離した汚染物質が再び粗粒子に付着することを抑制することができる。
また、2つの超音波振動素子13、13は、上昇領域RT内に夫々設けられている。
これにより、超音波を受けて泥水M内に拡散した汚染物質が撹拌水流Cの循環方向と逆行することなく水面に浮上するため、汚染物質の混入を更に抑制することができる。
洗浄槽11の槽底部11bには、撹拌終了後に洗浄済みの土壌を排出する排出口11dが設けられている。洗浄槽11の排出口11dには、洗浄槽11の上下方向に延びるハンドル11eを回転させることによって開閉自在な開閉蓋11fと、泥水Mを排水するためのバルブ11gとが取り付けられている。
次に、汚染物質を洗浄する超音波洗浄方法について説明する。
まず、本実施例においては、汚染土壌を加水し、濃度を27.3wt%に調整した1.2m3の泥水Mを洗浄槽11内に投入する。泥水Mは、洗浄槽11内で汚染土壌を投入した後に洗浄槽11内で加水したものであっても、予め加水調整された汚染土壌を洗浄槽11に投入したもののいずれであっても構わない。なお、泥水の濃度を30wt%程度の高濃度に設定することで、処理水を大幅に低減することができる。
次に、撹拌機12のスクリュー12aを回転させ、洗浄槽11内を図1の矢印の向きに循環する撹拌水流Cを生じさせる。撹拌機12の吐出流速を1.3m/sに設定すると、洗浄槽11内における撹拌水流Cの平均流速は0.22m/sとなり、撹拌水流Cは、洗浄槽11内を約9.5秒で1周循環する。撹拌水流Cの流量Qは、撹拌機12のスクリュー12aに接続された図示しないインバータにより調整可能であり、泥水Mの濃度や汚染土壌の土質(粗粒子及び細粒子の構成比率等)に応じて任意に設定することができる。
なお、泥水Mが水面で跳ねる程度に撹拌水流Cの流速が大きくなると、泥水M内にエアーが混入して超音波のキャビテーション効果が低減するため、循環水流Cの流速は、粗粒子を浮上させると共に水面で泥水Mが跳ねない範囲に設定するのが好ましい。
次に、2つの超音波振動素子13、13間に形成された超音波の有効照射領域T内に泥水Mを順次通過させる。この際、超音波の有効照射領域T内を通過する汚染物質は、1.6秒間に亘って超音波を受け、超音波のキャビテーション効果により粗粒子の表面から剥離する。
そして、泥水Mを洗浄槽11内で循環させて、超音波の有効照射領域Tを繰り返し通過させることにより、泥水M内の汚染物質の拡散状況にかかわらず、泥水M全体に超音波を照射して汚染土壌を洗浄することができる。
なお、本実施例では、撹拌機12を連続的に駆動し撹拌水流Cの流速を略一定に維持した状態で泥水Mに超音波を照射しているが、撹拌機12は、超音波が泥水M全体に照射される程度に撹拌水流Cを生じさせるものであれば良く、例えば、撹拌水流Cが十分に大きくなった後に撹拌機12を停止させても構わない。
次に、汚染物質の洗浄に要する洗浄時間について図5を参照して説明する。
泥水Mが超音波の有効照射領域Tを通過する際に、泥水Mに照射される超音波の照射時間tは、超音波振動素子13の長さをl、超音波の有効照射領域Tにおける図5紙面垂直方向の横断面積をdとすると、t=dl/Qである。
そして、泥水Mが洗浄槽11を1周循環までの時間Tiは、次式のとおりである。
Ti=T12+T23+T34+T41
=(D12・L12+D23・L23+D34・L34+D41・L41)/Q
ここで、T12〜T41は、図5に示す泥水Mが循環経路Rの各点(S1〜S4)間を移動するまでに要する時間であり、D12〜D41は、循環経路Rの各点(S1〜S4)間の横断面積であり、L12〜L41は、循環経路Rの各点(S1〜S4)間の距離である。
泥水M内の汚染物質を粗粒子から剥離までに必要な超音波の照射時間をα、泥水M内の汚染物質が超音波の有効照射領域Tを通過する通過回数をNとすると、α=t×Nである。
したがって、泥水M全体を洗浄するまでに要する洗浄時間Tsは、泥水M全体をN回循環させる間の超音波の累積照射時間と等しく、Ts=Ti×Nとなる。
このように、泥水Mを超音波の有効照射領域T内を繰り返し通過させることにより、泥水M全体に汚染物質を粗粒子から剥離させるだけのキャビテーション効果を奏する超音波を照射可能なため、超音波の累積照射時間を調整するだけで、簡便に汚染物質を洗浄することができる。
上述したように、超音波の有効照射領域Tが泥水Mの循環水流Cの一部を覆うように洗浄槽11内で局在して形成されると共に、泥水M内に拡散した汚染物質が洗浄槽11内を循環する度に超音波の有効照射領域Tを横断し、泥水Mが繰り返し超音波を受けるため、汚染物質を剥離するのに十分な振動エネルギーを有する超音波を泥水M全体に照射して泥水M内の汚染物質を効率的に剥離することができるとともに、汚染土壌の土質に応じて超音波の累積照射時間Tsを設定し、この累積照射時間Tsに達するまで泥水Mを洗浄槽11内で循環させるだけで、泥水M内の汚染状態を逐次計測することなく簡便に汚染物質を洗浄することができる。
次に、本発明の超音波洗浄装置10を用いた汚染土壌の洗浄システム1について、図6を参照して説明する。
本洗浄システム1は、上述した超音波洗浄装置10と、汚染土壌から粘土を分級除去する分級タンク20と、分級タンク20から排出されるシルト及び粗粒子を超音波洗浄装置10に搬送するコンベヤ30と、超音波洗浄装置10から排出された洗浄済み土壌を所定の場所に搬送するスクリューコンベヤ40とを備えている。
上述した分級タンク20は、汚染土壌を加水調整した泥水M’を入れるタンク本体21と、タンク本体21の側壁に設けられるキャビテーションジェットポンプ22及び流量可変ジェットポンプ23と、タンク底部に設けられる開閉自在の蓋体24とを備えている。
キャビテーションジェットポンプ22は、図示しないキャビテーションノズルで生じるキャビテーションを含むキャビテーションジェット水を吐出する。このキャビテーションジョット水を泥水M’に吹き付けることにより、泥水M’内で粒子同士が付着しているような場合であっても、粒子同士を引き剥がして、粘土がシルトや粗粒子に付着したまま沈降堆積することを防止している。
流量可変ジェットポンプ23は、図示しないインバータにより流量を変更可能な流量可変ジェット水を吐出し、分級タンク20内を流れる上昇水流の流速を一定に維持している。
分級タンク20内の汚染土壌は、タンク底部に沈降したシルト及び粗粒子と、タンク本体21からオーバーフローした細粒分を含む泥水とに分級される。タンク本体21からオーバーフローした細粒分を含む泥水は、上部排出口25から排出され、必要に応じて、固液分離処理して減容化し、袋詰めして保管される。シルト及び粗粒子は、タンク底部の蓋体24を開くことにより、下部排出口26を通じて、タンク下方に排出される。
スクリューコンベヤ40は、超音波洗浄装置10の洗浄処理を終えて超音波洗浄装置10から排出された粗粒子を図示しない回収袋まで搬送する。回収袋に集められた粗粒子は、袋詰め脱水される。この粗粒子は、汚染物質の残留濃度が許容値以下であることを確認した後に再利用することも可能である。
本洗浄システム1を用いた汚染土壌の洗浄処理の効果として、汚染物質としての放射性物質を含む汚染土壌を洗浄した結果を図7に示す。なお、本発明の洗浄対象としての汚染物質は、ダイオキシン類等であっても構わない。
図7は、表1に示すような分級タンク20で粘土を分級除去した試料(シルト、礫、砂)に対して水16Lを加えた泥水Mについて、NaIシンチレーション検出器を用いて、超音波の照射時間(0分、3分、6分、9分、12分、15分)に応じた放射性物質(Cs−134、Cs−137)の残留濃度を示すものである。
Figure 0005249474
図7に示すように、超音波照射時間が6分に至った時点で、泥水M内に含まれる放射性物質の残留濃度は下限に達しており、超音波照射時間を6分以上増やしても放射性物質の除去効果に変化はみられない。すなわち、上述した土質の汚染土壌に対しては、超音波の累積照射時間を約6分に設定することにより、約59%の放射性物質を除去することができる。なお、他の土質の汚染土壌に対しては、超音波の照射時間を適宜調整することで、洗浄処理の短縮化を実現することができる。
なお、本洗浄システムでは、超音波洗浄装置10の上流側に分級タンク20を設けて超音波洗浄装置10による洗浄処理の効率化を実現しているが、超音波洗浄装置10に分級処理していない土砂、即ち、粘土、シルト及び粗粒子を含む汚染土壌を直接投入しても構わない。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなることができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
本発明は、汚染物質が吸着しがちな細粒子を粗粒子から剥離することで、汚染物質の洗浄を実現することが不可欠な砂質土壌の分級に適用可能であるのみでなく、固形物から汚染物質を剥離することで洗浄可能なガレキ又は植物にも適用可能である。
10 ・・・ 超音波洗浄装置
11 ・・・ 洗浄槽
11a・・・ 槽本体部
11b・・・ 槽底部
11c・・・ 仕切壁
11d・・・ 排出口
11e・・・ ハンドル
11f・・・ 開閉蓋
11g・・・ バルブ
12 ・・・ 撹拌機
12a・・・ スクリュー
13 ・・・ 超音波振動素子
14 ・・・ カバー
20 ・・・ 分級タンク
21 ・・・ タンク本体
22 ・・・ キャビテーションジェットポンプ
23 ・・・ 流量可変ジェットポンプ
24 ・・・ 蓋体
25 ・・・ 上部排出口
26 ・・・ 下部排出口
30 ・・・ コンベヤ
40 ・・・ スクリューコンベヤ
C ・・・ 撹拌水流
M ・・・ 泥水
RT・・・ 上昇領域
ST・・・ 沈降領域
T ・・・ 超音波の有効照射領域

Claims (4)

  1. 放射性物質又はダイオキシン類から成る汚染物質を含む汚染土壌を加水して成る泥水に超音波を照射して前記汚染物質を洗浄処理する超音波洗浄装置において、
    前記泥水を入れる洗浄槽と、
    該洗浄槽内に設置され、前記泥水を前記洗浄槽内で所定の循環方向に沿って混合撹拌する撹拌機と、
    前記洗浄槽内に配置され、前記泥水に超音波を照射する超音波振動素子とを備え、
    前記超音波を照射可能な有効照射領域は、前記撹拌機の撹拌水流の少なくとも一部を前記循環方向に対して略直角に横断するように設定されていることを特徴とする超音波洗浄装置。
  2. 前記洗浄槽は、前記泥水が上昇する上昇領域と前記泥水が沈降する沈降領域とに前記洗浄槽内を仕切る仕切壁を備え、
    前記上昇領域と前記沈降領域とは、前記仕切壁の上方及び下方で夫々接続されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波洗浄装置。
  3. 放射性物質又はダイオキシン類から成る汚染物質を含む汚染土壌を加水して成る泥水に超音波を照射して前記汚染物質を洗浄処理する超音波洗浄方法において、
    前記汚染土壌を加水して泥水を成す加水工程と、
    前記泥水を洗浄槽内で所定の循環方向に沿って混合撹拌する撹拌工程と、
    前記洗浄槽内を循環する泥水に超音波を照射する洗浄工程とを備え、
    前記洗浄工程で前記洗浄槽内を循環する前記泥水は、前記超音波を照射可能な有効照射領域内を繰り返し通過することを特徴とする超音波洗浄方法。
  4. 前記撹拌工程及び前記洗浄工程で前記洗浄槽内を循環する前記泥水は、前記洗浄槽の上下方向に昇降する環状の撹拌水流で混合撹拌されることを特徴とする請求項3に記載の超音波洗浄方法。

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