JP6309348B2 - 分級装置、汚染水処理システム、及び分級方法 - Google Patents

分級装置、汚染水処理システム、及び分級方法 Download PDF

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本発明は、分級装置、汚染水処理システム及び分級方法に関するものであり、特に、ため池、河川域、湖沼、河口域、海域等の水底土砂から放射性物質が吸着した細粒分を分級する分級装置、汚染水処理システム及び分級方法に関するものである。
放射性物質に汚染された汚染土壌は、最終処分を行うまでに一時的に保管する必要があり、汚染土壌が大量になる程に広大な保管スペースと処分費用が必要となる。そこで、汚染土壌の処分量を圧縮するために、汚染土壌の減容化が望まれている。
一般的に、放射性物質は、粒径75μm以上の粗粒分(礫、砂)よりも、1g当たりの表面積(比表面積)が粗粒分より大きい粒径75μm未満の細粒分(粘土、シルト)に吸着し易いことが知られている。そこで、汚染土壌の減容化を実現するために、汚染土壌の粒子を粒径の大きさに応じて分級し、汚染土壌から汚染物質が吸着した細粒分を選択的に除去するものが知られている。汚染土壌から細粒分を分級するにあたっては、例えば、特許文献1に記載された超音波洗浄装置を用いて、汚染土壌内の粒子を粗粒分と細粒分とを分離し、汚染土壌の減容化を実現している。
特許第5249474号公報
しかしながら、特許文献1記載の超音波洗浄装置を用いて、ため池、河川域、湖沼、河口域、海域等の水底土砂に含まれる放射性物質を除去する場合、水底土砂を陸揚げし、陸上に設置された超音波洗浄装置内に水底土砂を投入して分級した後に、汚染度の少ない粗粒分を再度水底に戻す必要があるため、施工に要する人的負担、時間的負担が非常に重いという問題があった。
また、水底土砂に含まれる放射性物質は、水底の表層部分(例えば、水底面から約10cm)に集中して存在しており、作業効率の観点から、水底土砂は、表層部分を回収するのが望ましい。しかしながら、放射性物質は、水中を浮遊する浮遊物質(suspended solids)として水中で拡散し易く、水底土砂を回収する際に、放射性物質が周囲に不用意に拡散してしまう虞があった。
そこで、水底土砂に含まれる放射性物質を拡散させることなく、水底土砂から放射性物質を効率的に除去するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、水底の土砂から放射性物質が付着した細粒分を分級する分級装置であって、前記水底に着底されて内部に閉鎖領域を形成するケーシングと、前記ケーシングの下方に配置されて、水底土砂を前記閉鎖領域内に浮上させる土砂浮上手段と、前記閉鎖領域内に浮上した前記水底土砂を前記閉鎖領域内で撹拌させる撹拌手段と、前記閉鎖領域内を循環する前記水底土砂を、分級境界粒径以上の粗粒分と分級境界粒径未満の細粒分とに分級する振動ふるいと、を備えている分級装置を提供する。
この構成によれば、水底土砂に含まれる細粒分が、陸上に陸揚げされることなく水中で分級されるため、細粒分の分級を効率的に行えると共に、水中での放射性物質の拡散を抑制することができる。さらに、振動ふるいは、目詰まりすることなく長期に亘って使用可能ため、細粒分の分級を効率的に行うことができる。なお、「分級境界粒径」とは、水底に在置させる粗粒分の粒径の下限値であり、分級境界粒径未満の粒径の細粒分を分級・回収することにより、比表面積が大きい細粒分に吸着された放射性物質が水底土砂から除去される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記閉鎖領域内を浮遊する前記細粒分を含む泥水を吸引する揚水手段を備えている分級装置を提供する。
この構成によれば、揚水手段の吸引力により、細粒分が選別手段を通過し易くなるため、分級に要する時間が短縮されて、細粒分の分級を効率的に行うことができる。さらに、ケーシングの移動、着底、引き抜きの際に、揚水手段がケーシング内の泥水を吸引し続けることにより、ケーシング周辺の浮遊物質がケーシング内に引き込まれるため、放射性物質の不用意な拡散を抑制することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記土砂浮上手段は、前記水底土砂のうち放射性物質を含む表層部分を前記閉鎖領域内に浮上させる分級装置を提供する。
この構成によれば、土砂浮上手段が、放射性物質が多く存在する水底土砂の表層部分を舞い上げることにより、ケーシング内を循環する水底土砂が減量化されるため、細粒分の分級を効率的に行うことができる。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項記載の発明において、互いに固着した前記水底土砂の粒子同士を剥離させる洗浄手段を備えている分級装置を提供する。
この構成によれば、洗浄手段が、互いに固着した細粒分同士を剥離したり、互いに固着した粗粒分と細粒分とを剥離することにより、放射性物質が付着した細粒分が選別手段を通過し易くなるため、分級に要する時間が短縮されて、細粒分の分級を効率的に行うことができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記洗浄手段は、超音波を照射する超音波発信素子及び/又はキャビテーションジェットを吐出するキャビテーションノズルである分級装置を提供する。
この構成によれば、超音波発信素子から照射される超音波、又はキャビテーションノズルから吐出されるキャビテーションジェットが、細粒分同士の固着、及び粗粒分と細粒分との固着を解消することにより、放射性物質が付着した細粒分が選別手段を通過し易くなるため、細粒分の分級を効率的に行うことができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記振動ふるいのメッシュサイズは、前記分級境界粒径に応じて任意に変更可能である分級装置を提供する。
この構成によれば、振動ふるいのメッシュサイズに応じて、振動ふるいを通過する細粒分の粒径が任意に変更されることにより、所望の除染率に応じて、細粒分に付着して水底土砂から除去される放射性物質の濃度が調整可能なため、分級を効率的に行うことができる。
請求項記載の発明は、請求項1乃至の何れか1項記載の発明において、前記土砂浮上手段は、ジェット水流を吐出するジェットノズルである分級装置を提供する。
この構成によれば、ジェットノズルから吐出されるジェット水流で水底土砂を簡便に舞い上げることができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記ジェット水流は、オゾンを含む分級装置を提供する。
この構成によれば、分級後に水底に沈降する粗粒分が好気化され、水底環境を改善することができる。
請求項記載の発明は、請求項1乃至の何れか1項記載の分級装置と、該分級装置で分級された細粒分を固液分離する水処理装置と、固液分離された細粒分を脱水処理して回収する脱水処理装置と、を備えている汚染水処理システム装置を提供する。
この構成によれば、分級装置が水底土砂から細粒分のみを除去するため、放射性物質を含む汚染土壌の処分量を減容化することができる。
請求項10記載の発明は、水底の土砂から放射性物質が付着した細粒分を分級する分級方法であって、前記水底にケーシングを着底させて該ケーシング内に閉鎖領域を形成する工程と、水底土砂を土砂浮上手段を用いて前記閉鎖領域内に浮上させる工程と、前記閉鎖領域内に浮上した水底土砂を撹拌手段を用いて前記閉鎖領域内で撹拌させる工程と、前記閉鎖領域内を循環する前記水底土砂を、振動ふるいを用いて分級境界粒径以上の粗粒分と分級境界粒径未満の細粒分とに分級する工程と、を含む分級方法を提供する。
この構成によれば、水底土砂に含まれる粗粒分が、陸上に陸揚げされることなく水中で分級されるため、細粒分の分級を効率的に行えると共に、水中での放射性物質の拡散を抑制することができる。さらに、振動ふるいは、目詰まりすることなく長期に亘って使用可能ため、細粒分の分級を効率的に行うことができる。
本発明は、水底土砂に含まれる放射性物質を拡散させることなく、水底土砂から放射性物質を効率的に除去することができる。
本発明に係る汚染水処理システムの一実施例を示す図。 図1に示す分級装置を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図。 分級方法を示すフローチャート。 分級前後の土粒子の粒径加積曲線を示す図。
本発明に係る分級装置は、水底土砂に含まれる放射性物質を拡散させることなく、水底土砂から放射性物質を効率的に除去するという目的を達成するために、水底の土砂から放射性物質が付着した細粒分を分級する分級装置であって、水底に着底されて内部に閉鎖領域を形成するケーシングと、ケーシングの下方に配置されて、水底土砂を閉鎖領域内に浮上させる土砂浮上手段と、閉鎖領域内に浮上した水底土砂を前記閉鎖領域内で撹拌させる撹拌手段と、閉鎖領域内を循環する水底土砂を、分級境界粒径以上の粗粒分と分級境界粒径未満の細粒分とに分級する振動ふるいと、を備えていることで実現した。
また、本発明に係る分級方法は、水底土砂に含まれる放射性物質を拡散させることなく、水底土砂から放射性物質を効率的に除去するという目的を達成するために、水底の土砂から放射性物質が付着した細粒分を分級する分級方法であって、水底にケーシングを着底させてケーシング内に閉鎖領域を形成する工程と、水底土砂を土砂浮上手段を用いて閉鎖領域内に浮上させる工程と、閉鎖領域内に浮上した水底土砂を撹拌手段を用いて閉鎖領域内で撹拌させる工程と、閉鎖領域内を循環する水底土砂を、振動ふるいを用いて分級境界粒径以上の粗粒分と分級境界粒径未満の細粒分とに分級する工程と、を含むことで実現した。
以下、本発明の実施例に係る汚染水処理システム1について、図面に基づいて説明する。なお、以下において、「上」、「下」の語は、上下方向における上方、下方に対応するものとする。
図1に示すように、本実施例に係る汚染水処理システム1は、ため池、河川域、湖沼、河口域、海域等の水底土砂からセシウム等の放射性物質が付着した細粒分を分級することにより、汚染された水底土砂を洗浄するものである。汚染水処理システム1は、分級装置100と、水処理装置10と、脱水処理装置20と、を備えている。
分級装置100は、ため池、河川域、湖沼、河口域、海域等の水底bに設置される。具体的には、分級装置100は、水面s上を進む小型フロータF(組立台船)で所望の位置に運ばれた後に、クレーン等の昇降装置で水底に降ろされる。なお、分級装置100は、小型フロータFで設置するものに限られず、例えば、陸上に配置したクレーンで所望の位置に吊り降ろしても構わない。また、大きなため池や海上で分級を行う場合には、汚染水処理システム1を小型フロータF上に構築しても構わない。
水処理装置10は、泥水を一時的に貯留する原水槽11を介して分級装置100に連結されている。分級装置100で分級された細粒分を含む泥水は、水処理装置10内で凝集剤と混合されて、固液分離される。細粒分を含む泥水は、後述する泥水槽21に送られ、細粒分を分離した泥水は、処理水槽22に送られる。
脱水処理装置20は、泥水槽21を介して水処理装置10に連結されている。水処理装置10で固液分離された細粒分は、脱水処理装置20で脱水処理された後に、対候性土のうsbに袋詰めされて保管される。また、細粒分と分離された泥水(洗浄水)は、処理後の洗浄水を貯留する処理水槽22を介して、放流される。
高圧ポンプ30は、処理水槽22内に貯留された洗浄水を分級装置100に供給する。
次に、分級装置100について、図2に基づいて説明する。
図2に示すように、分級装置100は、ケーシング110と、土砂浮上手段としてのジェットノズル120と、循環手段としての水中ミキサー130と、選別手段としての振動ふるい140と、揚水手段としての排水ポンプ150と、を備えている。なお、符号160は、落ち葉等の所定の大きさ(例えば、100μm)以上の浮遊物を回収するカゴである。
ケーシング110は、中空の四角柱状に形成された本体部111と、本体部111を載置するベース部112と、を備えている。本体部111は、水面sから水底bまでの水底深さより長く延伸されている。したがって、下部開口部113が下方に向けて水底に設置され、上部開口部114が水面より上方に位置することにより、ケーシング111内に閉鎖領域Rが形成されるようになっている。ベース部112は、水底に一部を埋没するようにして着底される。
ジェットノズル120は、ベース部112内に設置された矩形状のフレーム112aに吊り下げて設けられている。ジェットノズル120は、水底bと略水平、且つジェットノズル120の吐出口が内側を向くようにフレーム112aに対して斜めに配置されている。ジェットノズル120は、高圧ポンプ30から供給されたジェット水流を閉鎖領域R内に吐出する。ジェットノズル120の吐出流量は、閉鎖領域R内に浮上させる水底土砂の量に応じて任意に変更可能である。なお、ジェット水流には、オゾンを含ませるのが好ましい。これにより、分級後に水底に沈降する粗粒分を好気化し、環境改善を図ることができる。
水中ミキサー130は、本体部111の中央下部に配置されている。水中ミキサー130は、放射性物質を含む泥水をケーシング110内で撹拌する撹拌水流を生じさせる。水中ミキサー130が生成する撹拌水流は、ケーシング110内を上下方向に循環する。
振動ふるい140は、有底円柱状に形成されたメッシュかご141と、メッシュかご141を振動させる振動体142と、メッシュかご141と一体に取り付けられて振動体142を載置するフレーム143と、を備えている。振動ふるい140は、本体部111の4隅のうち対角の2隅に一つずつ配置されている。振動体142が振動することによって、メッシュかご141の目詰まりが抑制されている。また、フレーム143が、図示しない防振ゴムを介して本体部111に連結されており、振動体141が発振しても本体部111に振動が伝わらないようになっている。振動ふるい140は、放射性物質の除染目標、即ち、細粒分の分級境界粒径に応じてメッシュサイズを任意に変更可能である。
排水ポンプ150は、メッシュかご141内に配置され、ケーシング110内を循環する細粒分を吸引してメッシュかご141を通過させると共に、メッシュかご141を通過した細粒分を原水槽11に送る。排水ポンプ150は、メッシュかご141に接触しない図示しないフレームに固定されており、振動ふるい140の振動は排水ポンプ150に伝わらない。排水ポンプ150の吸引圧は、ケーシング110内を循環する細粒分を吸引可能な範囲で任意に調整して構わない。
また、分級装置100は、洗浄手段としての超音波発振素子170と、キャビテーションノズル180と、を備えている。超音波発振素子170から照射される超音波と、キャビテーションノズル180から吐出されるキャビテーションジェットとは、固着した粗粒分と細粒分とを分離させると共に、固着した細粒分同士を分離させる。これにより、細粒分が振動ふるい140を通過し易くなる。なお、超音波発振素子170とキャビテーションノズル180とは、必ずしも両方を設ける必要はなく、必要に応じて何れか一方のみを設けても構わない。
超音波発振素子170は、カバー171で覆われた状態で、本体部111の側壁111aに1基ずつ取り付けられている。超音波発振素子170から照射される超音波の周波数は、高いキャビテーション効果が見込める18〜50kHzの間で設定するのが好ましい。超音波発振素子170の設置個数は、除染目標に応じたキャビテーション効果を得るために、適宜調整しても構わない。
キャビテーションノズル180は、水中ミキサー130の外周に8個設けられている。キャビテーションノズル180は、図示しないキャビテーションジェットポンプに接続されており、上方に向かってキャビテーションジェットを吐出するようになっている。
次に、分級装置100を用いた分級方法について、図3に基づいて説明する。
まず、ケーシング110を水底に着底させ、ケーシング110内に閉鎖領域Rを形成する(S1)。ケーシング110を水底に着底させる際に、排水ポンプ150がケーシング110内の泥水を吸引し続けることにより、水底の表層部分が、ケーシング110が着底する際の衝撃でケーシング110の外に拡散することを抑制することができる。ケーシング110を水底に着底させる際に、ケーシング110のベース部112は、例えば、水底bに20cmだけ根入れされる。
次に、ジェットノズル120から吐出されるジェット水流が、ケーシング110内で水底土砂を閉鎖領域R内に舞い上げる(S2)。
ジェット水流は、水底から所定量(例えば、水底から10cm)に積層された表層部分を舞い上げるように、吐出流量が設定されるのが好ましい。これにより、放射性物質を多く含む表層部分のみを対象に分級を行うため、効率的に分級に要する時間を短縮することができる。しかしながら、ジェット水流が舞い上げる水底土砂は、表層部分のみに限定されず、除染目標に応じて表層部分を含んで更に多量の水底土砂を舞い上げても構わない。
次に、水中ミキサー130の撹拌水流が、ケーシング110内で水底土砂を循環させる(S3)。撹拌水流は、例えば、ケーシング110内を上下方向に循環するように形成される。
そして、ケーシング110内を浮遊する水底土砂のうち、細粒分がメッシュかご141を通過し、粗粒分はケーシング110内を循環し続ける(S4)。排水ポンプ150をメッシュかご141内に設けることにより、メッシュかご141の近くを浮遊する細粒分が吸引されてメッシュかご141を通過し易くなるため、分級に要する時間を短縮することができる。
水中ミキサー130を所定時間運転させた後に、振動ふるい140を通過した細粒分を回収し、振動ふるい140を通過しなかった粗粒分は、ケーシング110内で沈降させて水底に戻す。
次に、分級装置100を用いて模擬水底土砂を分級した際の粒径加積曲線を図4に示す。図4中の実線は、分級前の模擬水底土砂の粒径加積曲線であり、細鎖線は、分級後の細粒分の粒径加積曲線であり、太鎖線は、分級後にケーシング110内に残留した粗粒分の粒径加積曲線である。図4中のA線は、粒径0.075μmを示し、B線は、粒径0.106μmを示す。なお、粒径の計測は、粒径が0.075mm未満の粒子については、沈降分析を行い、粒径が0.075mm以上の粒子については、フルイ分析を行った。分級の際の各種条件は、ケーシング110の容量を25m3、ジェット水流の吐出量を50L/分、振動ふるい140のメッシュサイズを0.3mm、撹拌時間を10分に設定した。
図4に示すように、分級前の模擬底水底土砂の細粒分含有率が約56%であるのに対して、分級後の粗粒分に含まれるシルト分、粘土分は、約4%であり、ケーシング110内の細粒分は、分級前後で約56%から約4%に著しく低下している。また、分級後の細粒分に含まれるシルト分、粘土分は、約90%となっており、分級装置100を用いて上記条件で行った細粒分の分級境界粒径は、A線とB線とで囲まれた領域、即ち、0.075〜0.106mmの間であることが分かる。
次に、ジェット水流、超音波、及びキャビテーションジェットを用いて放射性物質であるセシウム(Cs)を分級洗浄した効果を表1に示す。表1中のCase1〜4は、均質な底泥のサンプル4つに対して、それぞれ異なる方法で分級を行ったものであり、case1は、ジェット水のみで分級を行った場合であり、case2は、ジェット水と超音波とで分級を行った場合であり、case3は、ジェット水とキャビテーションジェットとで分級を行った場合であり、case4は、ジェット水と超音波とキャビテーションジェットとで分級を行った場合である。
表1に示すように、ジェット水流のみで分級を行う場合であっても、除染率が97.4%に達しており、セシウムを十分に低減できていることが分かる。また、超音波、キャビテーションジェットを用いることにより、ジェット水流のみで分級洗浄を行う場合よりも更にCsを低減できることがわかる。
このようにして、本発明に係る分級装置100は、ケーシング110を水底に着底させて、ケーシング内の閉鎖領域R内で細粒分を分級することにより、水底土砂を陸上等に搬送することなく細粒分の分級を実施できるため、細粒分の分級を効率的に行えると共に、放射性物質の拡散を抑制することができる。
また、分級装置100を用いた汚染水処理システム1は、分級装置が水底土砂から細粒分のみを除去するため、除去土量を減容化することができる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなることができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
1 ・・・ 汚染水処理システム
10・・・ 水処理装置
11・・・ 原水槽
20・・・ 脱水処理装置
21・・・ 泥水槽
22・・・ 処理水槽
30・・・ 高圧ポンプ
100・・・ 分級装置
110・・・ ケーシング
111・・・ 本体部
111a・・・(本体部の)側壁
112・・・ ベース部
112a・・・(ベース部の)フレーム
113・・・ 下部開口部
114・・・ 上部開口部
120・・・ ジェットノズル
130・・・ 水中ミキサー
140・・・ 振動ふるい
141・・・ メッシュかご
142・・・ 振動体
143・・・ (振動体の)フレーム
150・・・ 排水ポンプ
160・・・ 浮遊物回収カゴ
170・・・ 超音波発信素子
171・・・ カバー
180・・・ キャビテーションノズル

Claims (10)

  1. 水底の土砂から放射性物質が付着した細粒分を分級する分級装置であって、
    前記水底に着底されて内部に閉鎖領域を形成するケーシングと、
    前記ケーシングの下方に配置されて、水底土砂を前記閉鎖領域内に浮上させる土砂浮上手段と、
    前記閉鎖領域内に浮上した前記水底土砂を前記閉鎖領域内で撹拌させる撹拌手段と、
    前記閉鎖領域内を循環する前記水底土砂を、分級境界粒径以上の粗粒分と分級境界粒径未満の細粒分とに分級する振動ふるいと、
    を備えていることを特徴とする分級装置。
  2. 前記閉鎖領域内を浮遊する前記細粒分を含む泥水を吸引する揚水手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の分級装置。
  3. 前記土砂浮上手段は、前記水底土砂のうち放射性物質を含む表層部分を前記閉鎖領域内に浮上させることを特徴とする請求項1又は2記載の分級装置。
  4. 互いに固着した前記水底土砂の粒子同士を剥離させる洗浄手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の分級装置。
  5. 前記洗浄手段は、超音波を照射する超音波発信素子及び/又はキャビテーションジェットを吐出するキャビテーションノズルであることを特徴とする請求項4記載の分級装置。
  6. 前記振動ふるいのメッシュサイズは、前記分級境界粒径に応じて任意に変更可能であることを特徴とする請求項記載の分級装置。
  7. 前記土砂浮上手段は、ジェット水流を吐出するジェットノズルであることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の分級装置。
  8. 前記ジェット水流は、オゾンを含むことを特徴とする請求項記載の分級装置。
  9. 請求項1乃至の何れか1項記載の分級装置と、
    該分級装置で分級された細粒分を固液分離する水処理装置と、
    固液分離された細粒分を脱水処理して回収する脱水処理装置と、
    を備えていることを特徴とする汚染水処理システム。
  10. 水底の土砂から放射性物質が付着した細粒分を分級する分級方法であって、
    前記水底にケーシングを着底させて該ケーシング内に閉鎖領域を形成する工程と、
    水底土砂を土砂浮上手段を用いて前記閉鎖領域内に浮上させる工程と、
    前記閉鎖領域内に浮上した水底土砂を撹拌手段を用いて前記閉鎖領域内で撹拌させる工程と、
    前記閉鎖領域内を循環する前記水底土砂を、振動ふるいを用いて分級境界粒径以上の粗粒分と分級境界粒径未満の細粒分とに分級する工程と、
    を含むことを特徴とする分級方法。
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