JP2015144987A - 汚濁物浮上分離システム - Google Patents
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特許文献2は、濁水中に懸濁している汚濁物を浮遊・凝集させてフロック化し、凝集して大きくなったフロックを今度は沈殿させて固液分離を行って廃棄し、上澄みとなった水を排水するマイクロバブルを利用した水処理装置である。凝集に用いられる凝集剤としては、例えば、無機凝集剤(PAC:ポリ塩化アルミニウム)や高分子凝集剤(ポリアクリルアミド)が挙げられる。
特許文献3は、反応槽内に設置する撹拌羽根5の回転軸6の水面部に、この回転軸6とともに稼動する消泡装置8を設け、消泡装置8は、中心が回転軸6に固定されて平面視が渦巻き状の巻き込み羽根10からなり、この巻き込み羽根10の回転により回転軸付近に浮遊するスカムSを液中へ巻き込み除去するものや、回転軸6に固定されたスカム掻き寄せ用のレーキ11と、このレーキ11の回動軌跡内であって液面に設置したスクリーン12からなり、前記スクリーン上にあるスカムSをレーキ11で圧縮してガスを放出させ、汚泥として沈降させるものである。
しかしながら、特許文献1と2の装置においても、いくつもの槽を順に経由するものであるので、装置が大型化するのみならず、大量に水を使用するという問題を有していた。特許文献3は、汚泥として沈降させるものであるが、汚泥を沈降させると、その回収が難しくなる問題や水との分離作業が難しくなる問題を有する。また、特許文献1〜3のいずれの装置においても、小型化した上で効率良く行なうことは難しかった。すなわち、食品の加工にした水、特に海苔の加工に使用した水などを、浮上槽でマイクロバブルを発生させて浮上させたとしても、その浮遊物を効率的にて浮上した汚濁物汚泥をその水分をできるだけ除去して汚濁物のみを回収しないと、綺麗な上澄み液を回収することができないが、従来装置は、これらを小型化した上で効率良く行なうことは難しかった。
本発明によれば、浮上用水槽とは別の隣接する水量調整槽で、水量調節の堰により上澄み水を配管に排出することにより、浮上用水槽に浮上した汚濁物とは別に効率的に上澄み水を回収することができ、前記浮上用水槽の水と混ざり合うようなことなく回収できる。
本発明によれば、前記樋は前記掻取り手段の下方位置において前記掻取り手段の回転方向において直線状に重ね合わされることから、浮上用水槽に浮上した汚濁物を直線的なラインで樋に効率よく集めることができる。
本発明によれば、前記掻取り手段のゴム板が前記樋の位置まで汚濁物を掻き取って前記樋に落下させると、前記樋を乗り越えるように揺動動作するので、浮上した汚濁物を効率よく掻き取りながら回転動作する。前記ゴム板は、汚濁物との分離特性にも優れる。
本発明によれば、前記水量調節の堰の上下動作により上澄み水の排出量が調整されるが、配管により回収するので、上澄み水は、前記浮上用水槽の水と混ざり合うようなことなく排出される。
本発明によれば、前記攪拌槽で攪拌された水が前記浮上用水槽の中央まで配管により供給されて、仕切り板を介して前記浮上用水槽の中央において汚濁物を上昇させる。
本発明によれば、海苔などの食品加工の際に排出される比重の小さな汚濁物に対してマイクロバブルを付着させて効果的に浮上させることができる。
本発明によれば、海苔の加工の際に排出される比重の小さな汚濁物が原水に含まれるものでも、マイクロバブルを付着させて効果的に浮上させて、本システムにより、水と汚濁物に分離して各々回収することができる。
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、海苔処理ラインにおいて生じた排水(主として海水の排水)を淨化し、これを循環使用できるようにすることを目的とした汚濁物浮上分離システム1に本発明を適用したものである(図1〜図5)。
汚濁物浮上分離システム1は、攪拌槽2と、浮上用水槽3と、水量調整槽7とを主な槽として構成されている。また、加圧水発生装置(マイクロバブル発生装置)8と、浄化した水を貯留させる放流水槽9と、排出される汚泥集積槽5等を備えている。浮上用水槽3の外周に攪拌槽2と水量調整槽7が配置されている。図1は、本システム1の平面図であり、図2は、図1のA―A’線断面図であり、図3は、図1のB―B’線断面図であり、図4は、図1のC―C’線断面図であり、図5は、図1のD―D’線断面図である。
攪拌槽2で攪拌された処理水は、浮上用水槽3の中央まで配管2rにより供給される(図1、符号P2)。攪拌槽2での配管2rの位置は上方にあり、浮上用水槽3の配管2rの位置は、これよりも下方側にあり(浮上用水槽3の中央高さ位置にあり)、ポンプなどは使用されず、自然供給である(図2、図3)。攪拌槽2と浮上用水槽3の水面位置Wは同じ位置になる。
ここで、本実施の形態では、図7と図8に示す第2の実施の形態のように、軸3bに羽根3cは設けられていないが、図7と図8に示すように、羽根3cが取り付けられるものでも良い。本実施の形態では、海苔の加工に使用した水の浄化を目的としており、上記羽根3cがなくとも、後述するマイクバブルを使用して、汚濁物を浮上させて回収できる。
浮上用水槽3の底部には、沈殿物を回収する配管16と、ホッパ15が設けられている。これは、海苔等の浄化作業の過程では沈殿物は特に生じないが、他の食品関係では、作業が終了したときに沈殿物が底部に沈殿することがあり、これを回収するために設けられている。なお、本実施の形態の装置は、沈殿物が生じる食品関係や土木関係にも使用可能であり、そのときには上記配管16とホッパ15は積極的な働きをすることになる。
マイクロバブル発生装置8は、浮上用水槽3の外部に配置され、マイクロバブル発生部に水中ポンプを接続し、該水中ポンプが浮上用水槽3内に配管8rを介して強制的に送液されて、浮上用水槽3の中央に供給される。処理水中の汚濁物は、攪拌槽2でその粒子が凝集した状態となり沈降速度が大の状態となっているため、マイクロバブル(数10μm程度の微細気泡)が発生した処理水が供給される浮上用水槽3では、汚濁物がフロック(懸濁物質の集合物)となって分離する。マイクロバブルが発生した処理水は、浮上用水槽3の高さ中央位置に供給されるが、浮上用水槽3には、仕切り板10が配置されており、これに沿うようにして浮上する。仕切り板10は、マイクロバブルが付着した汚濁物が飛散しないようにするためであり、前記配管2rの外周に位置するように配されている。なお、符号9rは、バブル発生装置8に水を供給する配管である。
ここで、実験例として、海苔の製造に使用した海苔を含む原水を浄化したところ、浮上用水槽3においては、海苔の沈殿は見られなかった。これは、攪拌槽2で凝集剤を投入して攪拌した処理液を、浮上用水槽3に供給してマイクロバブルを付着させると、海苔の浮上する割合が高いことを示すもので、マイクロバブルの付着と浮上(フロック化して浮上させる)効果が高いものであることが分かる。これは、海藻類全般に当てはまるものと考えられる。そして、環境に優しく、人体や生物に対して安全である。なお、マイクロバブルを使用しないと、海苔の浮上する割合が少なく、その回収作業が難しくなる。
本実施の形態の汚濁物浮上分離システム21は、基本的な構成は第1の実施の形態と同じであるが、上記した攪拌槽2から浮上用水槽3に送る配管2rが設けられていないことと、浮上用水槽3と水量調整槽7とを連結する配管7sが設けられておらず、そして、攪拌槽2と浮上用水槽3と水量調整槽7と上方側のみ壁2kで仕切られて下方側では水が行き来する連結状態である点が相違する(図7、図8)。このようにしても、水上に浮上した汚濁物Daを効率的に水と分離して回収することができる。また、浮上用水槽3では、攪拌機3の軸3bの下方側にも羽根15が取り付けられている。
なお、仕切り板10により、浮上用水槽3や攪拌槽2には入り込まないようになる。本実施の形態の仕切り板10は、水量調整槽7に汚濁物が入り込む事態を防止する機能と、攪拌槽2に入り込む事態を防止する機能も有する。仕切り板10は、攪拌槽2で攪拌された水が浮上用水槽3の中央まで供給するための配管2rの外周に位置して配置されている。
2 攪拌槽、2a 攪拌機、2r 配管、
3 浮上用水槽、
5 汚濁物集積槽、
7 水量調整槽、7r 処理水の供給用の配管,7s 上澄み水を回収する配管、
8 マイクロバブル発生装置(加圧水発生装置)、8r,9r 配管、
9 放流水槽、
10 仕切り板、
11 掻取り手段、11a ゴム板、11r 配管、
12 樋、
r1 原水を供給する配管、
W 水量のライン
Claims (8)
- 汚濁物を含む原水を浮上用水槽に送り、浮上用水槽内の水を利用して浮上させて、汚濁物を水から分離して回収する汚濁物浮上分離システムにおいて、汚濁物を含む原水に凝集剤を投入して攪拌する攪拌槽と、汚濁物を浮上させるための浮上用水槽と、これらの水面高さを調整することで上澄み水を分離する水量調整槽とを備え、これらの槽が隣接配置され、前記水量調整槽に、上澄み水を回収する水量調節の堰と、堰を介して上澄み水が集められる配管が配されていることを特徴とする汚濁物浮上分離システム。
- 汚濁物を含む原水を浮上用水槽に送り、浮上用水槽内の水を利用して浮上させて、汚濁物を水から分離して回収する汚濁物浮上分離システムにおいて、汚濁物を含む原水に凝集剤を投入して攪拌する攪拌槽と、汚濁物を浮上させるための浮上用水槽と、これらの水面高さを調整することで上澄み水を分離する水量調整槽とを備え、これらの槽が隣接配置され、前記浮上用水槽に浮上した汚濁物を掻き取る掻取り手段と、掻取り手段で集めた汚濁物を集めて排出する樋を有することを特徴とする汚濁物浮上分離システム。
- 前記浮上用水槽は円筒状であり、この浮上用水槽に浮上した汚濁物を掻き取る掻取り手段と、掻取り手段で集めた汚濁物を落下させて集めて排出する樋とを備え、前記掻取り手段は、前記浮上用水槽に配される中央の軸に連結されて回転し、前記樋は円筒状の浮上用水槽の中央から直線状に配されて、前記掻取り手段の下方位置において前記掻取り手段の回転方向において直線状に重ね合わされることを特徴とする請求項1又は2記載の汚濁物浮上分離システム。
- 前記掻取り手段は、吊り下げられるように連結されて揺動動作するゴム板を備え、このゴム板は、前記樋の位置まで汚濁物を掻き取って前記樋に落下させると、前記樋を乗り越えるように揺動動作することを特徴とする請求項2又は3記載の汚濁物浮上分離システム。
- 前記攪拌槽で攪拌された水が前記浮上用水槽の中央まで配管により供給され、この中央の配管の外周に汚濁物の飛散を防止する仕切り板が配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の汚濁物浮上分離システム。
- 前記水量調整槽に上下動する水量調節の堰が前記水量調整槽を仕切るように配置されるとともに、仕切られる他方側に分離した上澄み水を回収する配管が配されていることを特徴とする請求項1又は2記載の汚濁物浮上分離システム。
- マイクロバブルを発生させるマイクロバブル発生装置を備え、前記浮上用水槽で原水中の汚濁物をフロック化し、該フロック化した汚濁物にマイクロバブルを付着させることで原水中から前記汚濁物を浮上分離させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の汚濁物浮上分離システム。
- 前記汚濁物は海苔を加工した後に排出されるもので、海苔が前記原水に含まれており、この海苔を汚濁物として分離することを特徴とする請求項7記載汚濁物浮上分離システム。
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