JP5278885B1 - 農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法および除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】農地土壌に含まれる放射性物質や重金属等の汚染物質の除去を、少ない労力で効率的に行う。
【解決手段】農地に水を供給し、トラクタ2に代かき機3を搭載し、代かき機3よりもトラクタ2の進行方向後方に吸引ノズル4を配置し、吸引ノズル4の先端部23を水の表面よりも下方且つ代かき底面よりも上方に配置して、トラクタ2を走行させ、代かき機3で農地の土壌を撹拌しながら、土壌粒子を含んだ濁水を吸引ノズル4で吸い上げる。
【選択図】図1

Description

本発明は、農地土壌に含まれる放射性物質や重金属等を除去する汚染物質の除去方法および除去装置に関するものである。
東日本大震災による原子力発電所の事故により、放射性セシウム等の放射性物質が農地土壌へ放散しており、食料生産の基盤である農地土壌を安全に保つために、放射性物質の除去は、喫緊の課題となっている。
そのため、農林水産省は、非特許文献1において、「水による土壌撹拌・除去」作業の手順等、農地土壌の放射性物質除去(除染)方法を提示している。
水による土壌撹拌・除去は、水田の表層土壌を水中で撹拌し、土壌粒子を含む濁水を固液分離して、土壌に含まれる放射性物質を除去するものであり、主な手順は以下の通りである。
先ず、除染する範囲のほ場に、元の地盤表面から10cm程度の高さまで水を供給する。次に、トラクタに装着した代かき機で、元の地盤表面から5cm深さまで土壌を撹拌し、撹拌を終えると、土壌粒子を含む濁水をポンプで汲み上げる。
このとき、ポンプによる強制排水だけでは、濁水に混じって排出される土壌成分が少なく、十分な除染効果が得られないため、竹箒等を用いて人力で濁水をポンプの方向へ強制的に押し出す作業を行っている。
農林水産省 農地土壌の放射性物質除去技術(除染技術)作業の手引き 第1版 平成24年3月http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/pdf/120302-01.pdf
しかしながら、上記非特許文献1の除染方法では、土壌を含む濁水を、竹箒や塩ビパイプ等を用いて人力でポンプ側へ送り出すため、作業員の労力負担が大きいうえ、効率が悪い。また、土壌粒子の沈殿により、濁水として吸い上げる土壌粒子の量が不足し、十分な除染効果が得られない。
本発明の目的は、農地土壌に含まれる放射性物質や重金属等の汚染物質の除去を、少ない労力で効率的に行うことにある。
上記問題を解決するため、本発明は、農地に水を供給し、トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、前記吸引ノズルの先端部を前記水の表面よりも下方且つ代かき底面よりも上方に配置して、前記トラクタを走行させ、前記代かき機で前記農地の土壌を撹拌しながら、土壌粒子を含んだ濁水を前記吸引ノズルで吸い上げ、前記吸引ノズルの先端部は、管部から先端に向けて径が広がっていて、先端に前記管部よりも径の大きい吸い込み口が接続されていることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法を提供する。
また、本発明は、農地に水を供給し、トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、前記吸引ノズルの先端部を前記水の表面よりも下方且つ代かき底面よりも上方に配置して、前記トラクタを走行させ、前記代かき機で前記農地の土壌を撹拌しながら、土壌粒子を含んだ濁水を前記吸引ノズルで吸い上げ、前記吸引ノズルの吸い込み口は底面が塞がっており、側面に開口が設けられていることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法を提供する。
また、本発明は、農地に水を供給し、トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、前記吸引ノズルの先端部を前記水の表面よりも下方且つ代かき底面よりも上方に配置して、前記トラクタを走行させ、前記代かき機で前記農地の土壌を撹拌しながら、土壌粒子を含んだ濁水を前記吸引ノズルで吸い上げ、前記吸引ノズルの吸い込み口は、先端の開口が水平方向に向くように90°湾曲した形状であることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法を提供する。
また、本発明は、農地に水を供給し、トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、前記吸引ノズルの先端部を前記水の表面よりも下方且つ代かき底面よりも上方に配置して、前記トラクタを走行させ、前記代かき機で前記農地の土壌を撹拌しながら、土壌粒子を含んだ濁水を前記吸引ノズルで吸い上げ、前記吸引ノズルの吸い込み口は、先端の開口が上向きになるように180°湾曲した形状であることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法を提供する。
さらに、前記吸引ノズルで吸い上げた濁水に含まれる土壌粒子のうち、所定の大きさを超える粗い粒子をサイクロンで分級し、前記粗い粒子を除いた水に凝集剤を添加して残りの土壌粒子を沈殿させ、前記土壌粒子と水とを分離してもよい。そして、前記汚染物質が、重金属または放射性物質であってもよい。
また、本発明によれば、上記の農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法において用いられる汚染物質の除去装置であって、トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、前記吸引ノズルの先端部は、管部から先端に向けて径が広がっていて、先端に前記管部よりも径の大きい吸い込み口が接続されていることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去装置が提供される。
また、本発明によれば、上記の農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法において用いられる汚染物質の除去装置であって、トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、前記吸引ノズルの吸い込み口は底面が塞がっており、側面に開口が設けられていることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去装置が提供される。
また、本発明によれば、上記の農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法において用いられる汚染物質の除去装置であって、トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、前記吸引ノズルの吸い込み口は、先端の開口が水平方向に向くように90°湾曲した形状であることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去装置が提供される。
また、本発明によれば、上記の農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法において用いられる汚染物質の除去装置であって、トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、前記吸引ノズルの吸い込み口は、先端の開口が上向きになるように180°湾曲した形状であることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去装置が提供される。
そして、前記吸引ノズルは、トラクタに取り付けられるノズル部と、吸引装置と、これらを連結するホースとを有し、前記ノズル部と前記ホースとは、前記トラクタの移動に応じて回転自在なクランプで接続されていることが好ましい。
本発明によれば、土壌粒子のうち、放射性物質等の汚染物質が含まれる割合が多い細粒子を効率的に回収でき、少量の廃棄物から多くの汚染物質を効率的に除去できるため、廃棄物の減容化が図れる。さらに、簡易な構造で安価に製造できるうえ、作業の人手を削減することができる。
本発明にかかる汚染物質の除去装置の例を示す斜視図である。 図1の吸引ノズルの例を示す正面図である。 土壌の粒度区分と重量分布率との関係を示すグラフである。 土壌の粒度区分と放射能との関係を示すグラフである。 図2の吸引ノズルの先端の底面図である。 吸引ノズルの配置高さを説明する側面図である。 吸引ノズルの配置高さおよび代かき機の撹拌速度による回収土壌粒子の粒度区分毎の重量比を示すグラフである。 吸引ノズル先端の吸い込み口の異なる例を示す正面図である。 吸引ノズル先端の吸い込み口のさらに異なる例を示す正面図である。 吸引ノズル先端の吸い込み口のさらに異なる例を示す正面図である。 本発明にかかる汚染物質の除去方法を実施する設備の例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。
図1は、本発明の除去装置の例を示す。除去装置1は、代かき機3を搭載したトラクタ2と、代かき機3よりもトラクタ2の進行方向後方に取り付けられた吸引ノズル4により構成される。吸引ノズル4は、代かき機3の幅方向に沿って複数列、例えば図示するように3列の筒体11を有するノズル部12と、ノズル部12に接続されたホース13と、ホース13の先端に接続された吸引装置14とで構成される。吸引装置14は、連続吸引および排出が可能な真空バキュームが好ましく、例えば0.2〜0.3m/分の吸引能力のものが用いられる。ノズル部12とホース13とは、回転自在なクランプ15で接続されており、トラクタ2の移動方向に応じてクランプ15が回転することにより、トラクタ2走行時のホース13の捻れを防止する。
図2は、ノズル部12の例を示す。3列の各筒体11は、それぞれ、例えばφ40mmのPVC管からなる管部21の下方の先端部に、異径ソケット22が取り付けられ、先端に向けて内径が例えば100mmに広がるようになっている。異径ソケット22の先端には、さらに吸い込み口23が設けられる。管部21の上側には、管部21の径よりも少し大きい例えば50mmに拡径する異径ソケット24が取り付けられ、その上側にはφ50mmの第2の管部25が接続される。3本の各筒体11のそれぞれの第2の管部25は、継手26a、26b、26c等を介して連結され、さらに、その連結部分からチーズ継手27やカムロックカプラ28等を介して、図1に示すホース13に連結される。図2はノズル部12の一例であるが、このようなノズル部12は、市販されている汎用資材を用いて安価に製造することができ、これを、代かき機3を搭載した既存のトラクタ2に取り付ければ、一般の農家で安価且つ容易に実施できる。
図3は、土壌の粒度区分別重量分布率を示し、図4は、粒度区分と放射能との関係を示す。図4より、粒度の小さい粒子に、多くの放射能を有することがわかる。そして、表1に示すように、土壌全体の37重量%にあたる0.075mm(75μm)以下の粒子に、全体の放射能の82%が含まれていた。つまり、75μm以下の細粒子のみ回収すれば、少ない重量の土壌を処理することで、効率的に放射能除去効果が得られる。
Figure 0005278885
したがって、ノズル部12の管部21の径は、所定の大きさ以下の細粒子を含む濁水を吸い上げるために、吸引時の流速が速くなりすぎない太さにする。本実施形態では、前述の図4、表1の結果より、土壌粒子のうち75μm以下の細粒子を含む濁水を吸い上げるように、例えばストークスの式によって、管部21の径や吸引力を設定する。また、ノズル部12の先端部は、異径ソケット22により先端が広がるラッパ状とすることにより、先端部の吸引速さを抑制し、粗い粒子が吸い込まれにくいようにしている。
また、ノズル部12の下方先端の吸い込み口23は、ほ場に残る粗い植物の残渣や雑草等を吸い込んでホース13等を閉塞させないように、例えば図5に示すように、通しボルト31を十字状に配置してもよい。
以上のような除去装置1を用いる場合には、作業を行う範囲において、ほ場の元の地盤Gに対して150mm程度下方まで代かき機3で撹拌し、元の地盤Gに対して250mm程度上方、つまり代かき底面Gに対して400mm程度上方まで水を供給することができる。このとき、ノズル部12の先端の深さは、図6に示すように、水面から200mm〜300mm下方とすることが好ましい。ノズル部12の先端の位置が水面に近すぎると、ほ場の凹凸によっては、ノズル部12の先端が水面よりも上方に出てしまい、空気を吸い込む場合がある。一方、ノズル部12の位置が深すぎると、先端が土壌に接触して粗粒子も吸引され、細粒子を含む濁水を効率的に吸引できない。また、代かき機3で撹拌して生じた濁水中の細粒子が沈殿しないタイミングで濁水を吸引することが好ましく、そのために、ノズル部12は、代かき機3に近接させて配置する。すなわち、ノズル部12の先端部を、トラクタ2の進行方向に対して代かき機3の後方に近接させて配置すれば、トラクタ2走行時に、代かき機3で撹拌された直後の濁水を吸引することができる。
ノズル部12先端の水面からの位置を、水面よりも200mm低い位置(代かき底面Gよりも200mm上方)、水面よりも300mm低い位置(代かき底面よりも100mm上方)の2種類とし、代かき機3の撹拌回転が低速および高速の場合について、吸引ノズル4で吸引される土壌の粒度分布および乾燥土量を測定したところ、表2および図7に示す結果になった。
Figure 0005278885
図7に示すように、回収された土壌のうち0.075mm(75μm)以下の細粒子の重量比については、吸引ノズル4のノズル部12先端の水面からの距離によって差が生じなかった。ただし、表2に示すように、水面から200mm下方の場合に比べて、水面から300mm下方で吸引することにより、土粒子の回収量が約1.7倍に増えた。したがって、ノズル11先端の位置は、水面に対して深い方が好ましい。
図8は、ノズル部12先端部の吸い込み口の異なる形状例を示す。この吸い込み口23aは、底面32が塞がっており、開口33が側面に設けられている。開口33は、円周方向に複数箇所設けてもよい。このように開口33を側面に設けることにより、水中で浮遊している細粒子がノズル部12内に吸い込まれ、沈殿しやすい粗い粒子は吸い込まれにくくなる。
また、図9および図10は、さらに異なる吸い込み口の形状例を示す。図9に示す吸い込み口23bは、先端の開口34が水平方向に向くように90°湾曲した形状であり、図10に示す吸い込み口23cは、開口35が上向きになるように180°湾曲した形状である。いずれも、地盤の底面に沈む粗粒子41は吸い込まれにくく、水中で浮遊している細粒子42が吸い込まれる。
図11は、図1に示す除去装置1に濁水処理システムを取り入れた汚染物質除去システム全体を示す。以下、図11を参照して、汚染物質除去の手順を説明する。
汚染物質除去を行うほ場において、雑草や作物の残渣がある場合には刈り取り、除去作業を行う区画を波板等で囲い、水を供給する。用水としては、河川やため池等の水が用いられる。その中で除去装置1のトラクタ2を走行させ、代かき機3により土壌を撹拌して、土壌粒子の濁水化を行う。濁水には土壌粒子中の細粒子が濃縮され、吸引ノズル4により、スラリーとして回収される。吸引ノズル4の吸引装置14には、清水槽101から冷却水が供給される。吸引ノズル4で吸引されて回収された濁水は、以下に説明するように、粗粒子と細粒子とに分別する分級、および脱水処理が行われる。
吸引ノズル4で吸引された濁水は、原水槽102へ送られ、その後、サイクロン103で分級される。サイクロン103で分級された濁水中の所定の大きさ以下、例えば75μm以下の微粒子は、スパイラル分級機104から、水とともに貯留槽105に向けて溢流し、沈降した75μmを超える粗粒子は排出される。また、吸引された濁水には、土壌粒子に混じって、代かき機3で切断された植物根や雑草等が混入することがあり、装置等の閉塞を防ぐために、粗粒子とともにこれらも排出させる。
排出された75μmよりも大きい粗粒子と植物は、当該汚染物質量を分析し、例えば放射能計測を行って問題がなければ、ほ場に埋め戻すことができる。
貯留槽105に貯留された細粒子のみを含む濁水は、反応槽106で撹拌され、濁水処理槽107へ送られて、高分子凝集剤を添加され、pH調整等が行われた後、濁水処理機108へ送られる。濁水処理機108内で二層分離が行われ、上澄水はリサイクルされ清水槽101へ送られる。細粒子、例えば本実施形態では75μm以下の細粒子を高濃度に含むスラッジは、フィルタープレス等の脱水装置109へ送られて、細粒子の脱水ケーキ化が行われる。脱水後の水を清水槽101へ送ってもよい。
こうして脱水ケーキ化された細粒子には、元のほ場の土壌に含まれる放射性物質の多くが含まれる。本発明では、土壌粒子中の細粒子のみを効率的に回収することができるため、少ない廃棄物で多大な除染効果を得ることができる。
以上のような分級、脱水を行う濁水処理システムは、既存の土壌洗浄システムを利用できる。そして、各機器を例えば10t程度のトレーラに積載し、現場まで運搬して、濁水処理を行うことができる。
本発明によれば、トラクタ2に搭載した代かき機3で代かきをしながら同時に濁水を回収するので、土壌の細粒子が沈殿する前に、効率的に細粒子を回収できる。また、回収した細粒子の分級、脱水が省力化され、トラクタ2の運転手、補助作業者、および濁水処理システムの運転人員を含めて4〜5名で実施できる。
また、本発明は、放射性物質の除去に限らず、鉛、亜鉛、カドミウム、水銀などの重金属の除去も同様に行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明による汚染物質の除去処理を行うほ場A(3m×15m)と、従来の方法で処理を行うほ場B(3m×10m)を、それぞれ波板で囲った。トラクタを最低速度2.6m/分で走行させ、代かきをほ場Aで9回、ほ場Bで3回行って、水田土壌と濁水中の放射性セシウム濃度変化から、除染効果を評価した。尚、ほ場Bにおける従来の方法は、代かき機を搭載したトラクタで代かきを行った後、手箒で人力により濁水をポンプの位置に向けて送り出し、ポンプで濁水を回収するものである。
従来例のほ場Bの除染前の放射性セシウム濃度は2,760Bq/kgで、1回目の代かき除染により放射性セシウム濃度が1,844Bq/kg(除染率33%)に低減し、2回目で1,395Bq/kg(49%)、3回目で936Bq/kg(66%)まで低減した。また、従来例において、回収した濁水から分離した泥の放射性セシウム濃度は、1回目の泥が6,080Bq/kg(2.2倍濃縮)、2回目の泥が4,960Bq/kg(1.8倍濃縮)、3回目の泥が5,490Bq/kg(2.0倍濃縮)であった。濁水の回収を繰り返しても、ほぼ同じ濃縮率で除染されていることが明らかになった。
本発明例のほ場Aの除染前の放射性セシウム濃度は、2,795Bq/kgで、9回の濁水回収により、水田土壌の放射性セシウム濃度は609Bq/kg(除染率78%)と、約1/5に低減した。
ほ場Aにおいて、9回の代かきで吸引した濁水から、脱水ケーキとして1.5mの泥を除去した。0.5mの泥を除去した時点の脱水ケーキ(泥)の放射性セシウム濃度は6,880Bq/kg(2.5倍濃縮)、1.0mの泥を除去した時点の泥の濃度は3,760Bq/kg(1.3倍濃縮)、1.5mの泥を除去した時点の泥の濃度は3,170Bq/kg(1.1倍濃縮)で、脱水ケーキとして排泥する量が増加するにしたがい、放射性セシウム濃度は低下した。回収した濁水の放射性セシウム濃度は、2回目の代かきにより回収した濁水の濃度が最も高く、1,000Bq/L以上であったが、3〜6回目に回収した濁水濃度は700〜800Bq/L、7〜9回目に回収した濁水濃度は400〜500Bq/Lで、代かき回数が増加すると、放射性セシウム濃度が低下した。
以上の結果より、従来の方法では、放射性物質を多く含む細粒子を効率的に回収できず、十分な除染のためには、複数回の代かきおよび濁水の回収作業が必要となる。ところが、人力で濁水の押し出しを行っているため、多大な労力を要する。これに対して、本発明の処理装置を用いれば、少ない労力で効率的に除染を行うことができるうえ、初期(1〜2回目)の代かきで、大きな除染効果が得られることがわかった。
本発明は、土壌に含まれる放射性物質や重金属等の汚染物質を除去する際に適用できる。
1 除去装置
2 トラクタ
3 代かき機
4 吸引ノズル
11 筒体
12 ノズル部
13 ホース
14 吸引装置
15 クランプ

Claims (11)

  1. 農地に水を供給し、
    トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、
    前記吸引ノズルの先端部を前記水の表面よりも下方且つ代かき底面よりも上方に配置して、前記トラクタを走行させ、前記代かき機で前記農地の土壌を撹拌しながら、土壌粒子を含んだ濁水を前記吸引ノズルで吸い上げ、
    前記吸引ノズルの先端部は、管部から先端に向けて径が広がっていて、先端に前記管部よりも径の大きい吸い込み口が接続されていることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法。
  2. 農地に水を供給し、
    トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、
    前記吸引ノズルの先端部を前記水の表面よりも下方且つ代かき底面よりも上方に配置して、前記トラクタを走行させ、前記代かき機で前記農地の土壌を撹拌しながら、土壌粒子を含んだ濁水を前記吸引ノズルで吸い上げ、
    前記吸引ノズルの吸い込み口は底面が塞がっており、側面に開口が設けられていることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法。
  3. 農地に水を供給し、
    トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、
    前記吸引ノズルの先端部を前記水の表面よりも下方且つ代かき底面よりも上方に配置して、前記トラクタを走行させ、前記代かき機で前記農地の土壌を撹拌しながら、土壌粒子を含んだ濁水を前記吸引ノズルで吸い上げ、
    前記吸引ノズルの吸い込み口は、先端の開口が水平方向に向くように90°湾曲した形状であることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法。
  4. 農地に水を供給し、
    トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、
    前記吸引ノズルの先端部を前記水の表面よりも下方且つ代かき底面よりも上方に配置して、前記トラクタを走行させ、前記代かき機で前記農地の土壌を撹拌しながら、土壌粒子を含んだ濁水を前記吸引ノズルで吸い上げ、
    前記吸引ノズルの吸い込み口は、先端の開口が上向きになるように180°湾曲した形状であることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法。
  5. 前記吸引ノズルで吸い上げた濁水に含まれる土壌粒子のうち、所定の大きさを超える粗い粒子をサイクロンで分級し、前記粗い粒子を除いた水に凝集剤を添加して残りの土壌粒子を沈殿させ、前記土壌粒子と水とを分離することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法。
  6. 前記汚染物質が、重金属または放射性物質であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法。
  7. 請求項1、5、6のいずれかに記載の農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法において用いられる汚染物質の除去装置であって、
    トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、
    前記吸引ノズルの先端部は、管部から先端に向けて径が広がっていて、先端に前記管部よりも径の大きい吸い込み口が接続されていることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去装置。
  8. 請求項2、5、6のいずれかに記載の農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法において用いられる汚染物質の除去装置であって、
    トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、
    前記吸引ノズルの吸い込み口は底面が塞がっており、側面に開口が設けられていることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去装置。
  9. 請求項3、5、6のいずれかに記載の農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法において用いられる汚染物質の除去装置であって、
    トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、
    前記吸引ノズルの吸い込み口は、先端の開口が水平方向に向くように90°湾曲した形状であることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去装置。
  10. 請求項4、5、6のいずれかに記載の農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法において用いられる汚染物質の除去装置であって、
    トラクタに、代かき機と、前記代かき機よりも前記トラクタの進行方向後方に吸引ノズルとを搭載し、
    前記吸引ノズルの吸い込み口は、先端の開口が上向きになるように180°湾曲した形状であることを特徴とする、農地土壌に含まれる汚染物質の除去装置。
  11. 前記吸引ノズルは、トラクタに取り付けられるノズル部と、吸引装置と、これらを連結するホースとを有し、
    前記ノズル部と前記ホースとは、前記トラクタの移動に応じて回転自在なクランプで接続されていることを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の農地土壌に含まれる汚染物質の除去装置。
JP2012115080A 2012-05-18 2012-05-18 農地土壌に含まれる汚染物質の除去方法および除去装置 Active JP5278885B1 (ja)

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