JP6359902B2 - 浚渫システム - Google Patents

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Description

本発明は、貯水池の底に溜まった底泥を水ごと吸引して、底泥を分離回収する浚渫システムに関するものである。
従来、湖沼や堀、人工池、農業用ため池等の貯水池には、土や砂、ゴミ、ヘドロ等の底泥が徐々に堆積してゆく。これら、底泥の堆積は貯水池の水深を浅くして貯水池本来の機能を低下させる他、水質の悪化を引き起こす一因となる。よって、これら底泥を除去する浚渫を定期的に行うことが好ましい。
従来の貯水池の浚渫は、貯水池の水を抜いた上で重機等により行うことが一般的であった。しかしながら、この手法では貯水池への水の遮水と貯水池の水の排水が必要となり、何らかの土木工事が必要であるとともに作業期間が長く、コスト高であるという問題点がある。また、浚渫作業中には貯水池を使用できないという問題点がある。さらに、貯水池の水が抜き取られるため、貯水池に生息する水生動植物が死滅し、貯水池の生態系に多大な悪影響を与えるという問題点がある。
この問題点に対し、本願発明者は下記[特許文献1]に示す湖沼水の浚渫システムに関する発明を行った。この[特許文献1]に記載の発明は、貯水池の水面に浮かべた台船から送水ポンプを吊下げ、この送水ポンプで底泥を吸引し浚渫を行う。このため、貯水池の遮水作業、排水作業が不要で、作業期間の短縮と、抵コスト化とを実現することができる。また、貯水池の水を抜き取ることなく浚渫を行うことが可能なため、貯水池に生息する動植物の生態系を維持することができる。
特開2007−146425号公報
しかしながら、[特許文献1]に記載の発明は、吸引した底泥を主に濾過材と水生植物とで処理しており処理能力の点で更なる改善が望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、吸引した底泥を効率的に分離回収することが可能な浚渫システムを提供することを目的とする。
本発明は、
(1)底泥を攪拌する攪拌羽根26を有するとともに攪拌した底泥を水ごと吸引して底泥スラリとして圧送する送水ポンプ20と、水面に浮いて前記送水ポンプ20を水中に吊下げる台船10と、前記送水ポンプ20が吸引した底泥スラリを搬送する送水ホース12と、前記送水ホース12により搬送された底泥スラリから底泥を分離回収する分離処理装置90と、を有する浚渫システムであって、
前記分離処理装置90は、前記送水ホース12により搬送された底泥スラリから重量物を遠心分離により除去する遠心分離部30と、前記遠心分離部30を通過した底泥スラリから夾雑物を除去する夾雑物選別部40と、前記夾雑物選別部40を通過した底泥スラリと凝集剤とを攪拌し、底泥を凝集沈降させる凝集分離槽50と、前記凝集分離槽50で凝集沈降した底泥を濃縮する濃縮槽60と、前記濃縮槽で濃縮された底泥を脱水するベルトプレス部80と、を有し、
さらに、前記遠心分離部30から前記ベルトプレス部80までの底泥スラリの搬送を前記送水ポンプ20による圧送と自然流下によって行うことを特徴とする浚渫システム100を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)凝集剤が無機中性凝集剤であることを特徴とする上記(1)記載の浚渫システム100を提供することにより、上記課題を解決する
本発明に係る浚渫システムは、底泥の凝集に無機中性凝集剤を用い、これにより得られた濃縮底泥の脱水をベルトプレス部を用いて連続的に行う。このため、極めて高い効率で底泥の分離回収を行うことができる。また、底泥スラリの搬送を送水ポンプの圧送と自然流下で行うため、凝集した底泥が再分散されず、凝集した底泥を高濃度のままベルトプレス部に搬送することができる。
本発明に係る浚渫システムを示す図である。 本発明に係る浚渫システムの送水ポンプ及び台船を示す図である。 本発明に係る浚渫システムの分離処理装置の概要を示す図である。 本発明に係る浚渫システムによる処理水のリン濃度を示すグラフである。 本発明に係る浚渫システムのベルトプレス部を示す図である。 本発明に係る浚渫システムで得られた脱水底泥の植物栽培試験結果を示すグラフである。
本発明に係る浚渫システム100の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1に示す本発明に係る浚渫システム100は、貯水池の底泥を水ごと吸引して底泥スラリとして圧送する送水ポンプ20と、貯水池の水面に浮いて送水ポンプ20を水中に吊下げる台船10と、送水ポンプ20が吸引した底泥スラリを搬送する送水ホース12と、この送水ホース12により搬送された底泥スラリから底泥を分離回収する分離処理装置90と、を有している。また、分離処理装置90は、送水ホース12により搬送された底泥スラリから砂や小石等の重量物を遠心分離により除去する遠心分離部30と、この遠心分離部30を通過した底泥スラリから植物片やゴミ等の夾雑物を除去する夾雑物選別部40と、この夾雑物選別部40を通過した底泥スラリと凝集剤とを攪拌し底泥を凝集沈降させる凝集分離槽50と、この凝集分離槽50で凝集沈降した底泥(凝集底泥)を濃縮する濃縮槽60と、この濃縮槽60で濃縮された底泥(濃縮底泥)を脱水するベルトプレス部80と、を有している。
次に、本発明に係る浚渫システム100の送水ポンプ20と台船10の構成を図2の部分断面図を用いて説明する。本発明に係る浚渫システム100の送水ポンプ20は1%〜20%程度のSS濃度(浮遊物質濃度)のスラリを圧送可能なものであり、モータを内蔵し防水性を有するポンプ本体部21と、このポンプ本体部21の下部に設置されたケーシング22と、このケーシング22内に設置されモータによって回転動作するインペラ23と、ケーシング22の取水口に設置されたカッタ24と、モータによって回転動作し斜め下方を向いた羽根を複数備えた攪拌羽根26と、ケーシング22の下方に延びた脚部28と、を有している。そして、ケーシング22からはホース接続端22aが伸び、このホース接続端22aに送水ホース12の一端が接続する。また、送水ポンプ20の電源ケーブル15aは、送水ホース12に沿って陸上まで延伸され、分離処理装置90側の図示しない送水ポンプ制御盤を介して発電機等の電源に接続される。
送水ホース12は送水ポンプ20と接続可能であれば如何なるものを用いても良いが、内径65mm程度のものを用いることが好ましい。また、送水ホース12にはフロート18が所定の間隔で設置され、電源ケーブル15a(15b)とともに貯水池の水面に支持される。
また、台船10は送水ポンプ20及び作業者を搭載しても貯水池の水面に浮く十分なフロートを備え、台船10の略中央部分には送水ポンプ20を貯水池内に昇降する昇降口11を有している。また、昇降口11の上部には送水ポンプ20を吊下げる櫓14が設置され、この櫓14の上部には送水ポンプ20を昇降する昇降機16が設置されている。尚、昇降機16の電源ケーブル15bは、送水ポンプ20の電源ケーブル15aとともに送水ホース12に沿って陸上まで延伸され図示しない電源に接続される。
次に、分離処理装置90の遠心分離部30、夾雑物選別部40、凝集分離槽50、濃縮槽60の構成を図3を用いて説明する。先ず、分離処理装置90の遠心分離部30は、周知のサイクロン型の遠心分離装置であり、外筒32aと内筒32bとを有している。そして、送水ホース12は分離処理装置90の外筒32aの上部に横方向に向けて接続される。また、外筒32aの下部はホッパ部34となっており、ホッパ部34には開閉コック36aにより開閉する排出口36が設置されている。そして、内筒32bには夾雑物選別部40と繋がる配管5aが接続されている。尚、分離処理装置90の各部を繋ぐ配管5a〜5c及び水配管7a、7bとしては、ホースや金属配管等の周知の配管設備を用いることができる。
また、分離処理装置90の夾雑物選別部40は、底泥スラリ中の夾雑物を取り除く夾雑物選別装置42を有している。この夾雑物選別装置42としては、所定の大きさ以上の夾雑物を取り除くことが可能であれば如何なる装置を用いても良いが、2mm程度のスリットを有する周知のベルトスクリーンを用いることが特に好ましい。また、夾雑物選別部40には流量測定升44を設け、送水ポンプ20が吸引する底泥スラリの流量を確認可能とすることが好ましい。
また、分離処理装置90の凝集分離槽50は、夾雑物選別部40を通過した底泥スラリが流入する内槽50bを有しており、この内槽50bには底泥スラリと凝集剤とを混合攪拌する攪拌装置52が設置されている。また、凝集分離槽50の下部は略円錐形のホッパ部50aとなっており、このホッパ部50aの先側には濃縮槽60と繋がる配管5bが接続されている。また、凝集分離槽50の上部には凝集分離槽50の上澄み水を貯水池に放流する水配管7aが接続されている。
また、分離処理装置90の濃縮槽60は、凝集分離槽50で凝集沈降した凝集底泥を静置してさらに濃縮する機能を有し、上部に凝集分離槽50と繋がった配管5bが接続されている。また、濃縮槽60の下部は略円錐形のホッパ部60aとなっており、このホッパ部60aの先側には濃縮槽60で濃縮された濃縮底泥をベルトプレス部80に送る配管5cが接続されている。また、濃縮槽60の上部には濃縮槽60の上澄み水を貯水池に放流する水配管7bが接続されている。
尚、分離処理装置90は凝集分離槽50、濃縮槽60の上澄み水を一旦貯水して適宜貯水池に放流する水循環槽を有しても良い。この構成によれば、水循環槽に貯水した上澄み水を設備の洗浄等に利用することができる。これにより、水道栓が分離処理装置90の近傍に存在しない場合でも、設備の洗浄等の作業を円滑に行うことができる。また、洗浄に関する水道費用を削減することができる。
次に、本発明に係る浚渫システム100の動作を説明する。先ず、分離処理装置90を浚渫を行う貯水池近傍の陸地に設置する。また、台船10を浚渫を行う貯水池に浮かべる。この台船10には送水ホース12で繋がった送水ポンプ20が設置されている。
次に、台船10に作業者が搭乗し、台船10を浚渫場所に移動させる。そして、竿等の測量器具を用いて浚渫場所の大まかな水深と底泥の厚みを把握する。次に、作業者は昇降機16を操作して送水ポンプ20を貯水池中に投入する。次に、作業者は分離処理装置90側の作業者に対し、送水ポンプ20の稼働を要求する。分離処理装置90側の作業者はこの要求を受けて、送水ポンプ制御盤を操作し送水ポンプ20を稼働する。これにより、ポンプ本体部21内のモータが回転し、インペラ23と攪拌羽根26とが回転動作する。そして、貯水池の水はケーシング22の取水口から吸引され送水ホース12を介して分離処理装置90に圧送される。
次に、台船10側の作業者は昇降機16を操作して送水ポンプ20を貯水池中の適切な位置に保持する。この適切な位置とは、送水ポンプ20の吸引する底泥スラリの濃度が5%〜10%となる位置である。尚、底泥スラリの濃度は分離処理装置90側の作業者が目視等で確認し、適宜、台船10側の作業者に連絡して調整する。
送水ポンプ20が底泥の表層近傍の適切な位置に保持されると、攪拌羽根26が底泥を攪拌するとともに、攪拌羽根26の回転動作によって発生する下向きの水流が底泥を舞い上げる。舞い上げられた底泥はインペラ23の回転動作により貯水池の水ごとケーシング22の取水口から吸引され、底泥スラリとして送水ホース12を介して分離処理装置90に圧送される。このとき、底泥中に混在する落ち葉、枯枝、水生植物の葉茎根、ビニール等のゴミ類は、ケーシング22の取水口に設置されたカッタ24と回転するインペラ23及び攪拌羽根26との間で適度な大きさに破砕される。これにより、これらゴミ類の送水ポンプ20への絡まりや、ケーシング22内や送水ホース12内における目詰りを防止することができる。また、攪拌羽根26は空き缶等の比較的大型で硬質な夾雑物を跳ね飛ばして、これら夾雑物が送水ポンプ20で吸引されることを防止する。尚、底泥が厚い場合には、表層近傍の底泥を浚渫した後、徐々に送水ポンプ20を降下させ底泥を掘り下げるようにして浚渫して行くことが好ましい。
送水ポンプ20によって吸引、圧送された底泥スラリは送水ホース12を通って遠心分離部30の外筒32aに横方向を向けて吐出される。そして、吐出された底泥スラリは外筒32a内を渦を巻いて流下する。このとき、砂や小石等の比較的重い重量物は遠心分離部30の外筒32aに沿って下方へ落下し、遠心分離部30のホッパ部34に堆積する。また、その他の底泥スラリは内筒32bの下端から内筒32b内を通って夾雑物選別部40側へ搬送される。尚、ホッパ部34に堆積した重量物は開閉コック36aを適宜開閉することで排出口36から排出され、廃棄や選別等のしかるべき処理が行われる。
また、遠心分離部30を通過した底泥スラリは配管5aを介して夾雑物選別部40の流量測定升44に吐出され、分離処理装置90側の作業者はこの流量測定升44によって底泥スラリの流量を把握する。そして、送水ポンプ制御盤を操作して底泥スラリが適正な流量となるように送水ポンプ20の回転数を調整する。また、底泥スラリの濃度を目視等で確認し、濃度が適正でない場合、台船10側の作業者に指示して送水ポンプ20の位置調整を行わせる。
流量測定升44を通った底泥スラリは、夾雑物選別部40の夾雑物選別装置42に吐出される。そして、この夾雑物選別装置42において、底泥スラリ中に混入した夾雑物、即ち、カッタ24で破砕されたゴミ類等が選別除去される。尚、本例では夾雑物選別装置42としてベルトスクリーンを用いた例を図示しており、選別された夾雑物はベルトスクリーンの移動によって自動的に排出される。排出された夾雑物は例えばスライダ46上を滑り落ちて、夾雑物集積用袋等に落下し、廃棄等のしかるべき処理に付される。尚、夾雑物選別部40は凝集分離槽50の上方に設置し、この夾雑物選別部40において凝集剤を添加することが好ましい。尚、凝集剤は底泥スラリの流量、濃度に応じて作業者が目視にて判断して適宜添加する。また、凝集剤の添加は自動機によって行っても良い。凝集剤の添加量は底泥(乾燥重量)に対して概ね1wt%前後である。
また、ここで投入する凝集剤としてはカルシウムを主成分とした中性の無機凝集剤を用いる。このカルシウムを主成分とした無機中性凝集剤は、有機高分子等の自然界に存在しない化学物質を含有していない。また、pHを変化させたり、動植物に悪影響を与える成分を含有していない。よって、本発明に係る浚渫システム100は、この無機中性凝集剤を用いることで分離回収した脱水底泥をそのまま植物栽培用の培養土として使用することができる。また、分離した上澄み水をそのまま貯水池に放流することができる。
さらに、カルシウムを主成分とした無機中性凝集剤は底泥スラリ中のリン成分を底泥側に固定する。ここで、図4に、処理前の貯水池の水のリン酸態リン濃度と、凝集分離槽の上澄み水のリン酸態リン濃度と、濃縮槽の上澄み水のリン酸態リン濃度とをそれぞれ示す。図4から、処理前の貯水池の水のリン酸態リン濃度は0.059mg/Lであるのに対し、凝集分離槽の上澄み水のリン酸態リン濃度は0.024mg/Lであり、濃縮槽の上澄み水のリン酸態リン濃度は0.017mg/Lであった。このことから、分離処理装置90の処理により貯水池の水のリン濃度は約1/3に減少することが分かる。これは、水中のリン成分がカルシウムを主成分とした無機中性凝集剤によって底泥側に固定され、底泥とともに除去されたことを意味している。よって、本発明によって得られる脱水底泥には植物栽培に有用なリン成分が含まれるとともに、上澄み水のリン成分は減少し、このリン成分の少ない上澄み水を貯水池に還流することで貯水池の富栄養化を抑制することができる。
夾雑物選別部40を通過した底泥スラリは凝集分離槽50の内槽50bに吐出される。そして、吐出された底泥スラリと凝集剤とは内槽50bに設置された攪拌装置52によって更に混合攪拌される。この凝集剤の効果により底泥スラリ中の泥、ヘドロ等の底泥は凝集し下方のホッパ部50aに沈殿する。そして、沈殿した凝集底泥は凝集分離槽50への新たな底泥スラリの流入によりホッパ部50aに接続された配管5bに押し出され、この配管5bを通って濃縮槽60の上部に吐出する。また、凝集分離槽50の上澄み水は水配管7aを通して貯水池に放流される。
濃縮槽60に吐出された凝集底泥は、この濃縮槽60で静置され濃縮槽60の下方のホッパ部60aに沈降してさらに濃縮される。そして、この濃縮底泥は、濃縮槽60への新たな凝集底泥の流入によりホッパ部60aに接続された配管5cに押し出され、この配管5cを通ってベルトプレス部80に搬送される。また、濃縮槽60の上澄み水は水配管7bを通して貯水池に放流される。
次に、本発明に係る浚渫システム100に好適なベルトプレス部80の構成を図5を用いて説明する。本発明に好適なベルトプレス部80は、布製でベルト状の濾布82と、スラリ(濃縮底泥)を濾布82上に堆積させるスラリーダム部81と、濾布82上のスラリの過剰な水分を吸引する吸引部83と、濾布82上のスラリを脱水する脱水部86と、を有している。そして、濾布82を送る搬送ローラ84が回転することで、濾布82はスラリーダム部81と吸引部83と脱水部86とを連続的に移動する。
そして、配管5cから吐出された濃縮底泥はスラリーダム部81に溜まり、この状態で濾布82が一定速度で移動することで濾布82上にほぼ一定の厚みで堆積する。濾布82上に堆積した濃縮底泥は吸引部83に搬送され、この吸引部83によって濾布82の裏面側から過剰な水分が吸引除去される。吸引された水分は排水部89を介して貯水池に放流される。次に、濾布82は脱水部86に搬送される。脱水部86は大ローラ86aと複数の小ローラ86bとで構成される脱水ローラを有し、大ローラ86aが濃縮底泥側に位置し、小ローラ86bが濾布82の裏面側に位置する。そして、濃縮底泥は濾布82ごと脱水ローラ86a、86b間を通され、この脱水ローラ86a、86bの圧接によって脱水される。脱水された水分は排水部89を介して貯水池に放流される。そして、このベルトプレス部80の脱水により、濃縮底泥は含水率が50%〜55%程度の脱水底泥となる。この脱水底泥はスクレイパ87によって剥ぎ取られ、脱水底泥回収袋1等に送られて回収される。
ここで、脱水底泥の植物栽培試験結果を図6に示す。ここでの植物栽培試験は「植物に対する害に関する栽培試験の方法(昭和59年4月18日付け59農蚕第1943号農林水産省農蚕園芸局長通知)」に準拠し、底に孔の空いていない試験容器(内径11.3cm、高さ6.5cm)に貯水池Aで得た脱水底泥、貯水池Bで得た脱水底泥、市販の黒土をそれぞれ等量入れ、各20粒の小松菜種を蒔き、発芽本数と播種25日後の苗の地上部の長さ(草丈)及び湿重量を測定したものである。尚、測定試料は25℃の恒温槽で蛍光灯照明(3500lux)を明暗12時間で交互に照射し栽培を行った。また、測定試料は各土に対して3個ずつ作製し、その平均を取った。さらに、草丈と湿重量の測定は発芽した苗の草丈の高い方から7本を抜き取り、これの平均草丈と総重量とを測定した。
図6(a)に播種からの経過日数と発芽本数の関係を示す。図6(a)から、植物の発芽速度には脱水底泥と市販の黒土とで大きな差は見られず、両者で有意差は存在しないことが解る。また、図6(b)に播種25日後の苗の平均長さと総重量を示す。図6(b)から、苗の平均長さ、総重量ともに脱水底泥で栽培したものの方が市販の黒土で栽培したものよりも高く、脱水底泥は市販の黒土よりも苗の生育が良いことが解る。これらのことから、本発明の浚渫システム100で得られた脱水底泥は、植物栽培に際して阻害要因は存在せず、植物栽培に適していることが解る。これは、本発明の浚渫システム100で得られた脱水底泥が、貯水池の底に溜まった有機物を豊富に含むとともに、前述のように植物栽培に有用なリン成分及び凝集剤のカルシウム成分を含むためと考えられる。また、本発明の浚渫システム100で得られた脱水底泥は、適度に団粒化し保水性に優れ、このことも植物栽培に適する要因と考えられる。
以上のように、本発明に係る浚渫システム100は貯水池の水面に浮かべた台船10から送水ポンプ20を吊下げ、この送水ポンプ20で底泥を吸引し浚渫を行う。このため、貯水池の遮水作業、排水作業が不要で、作業期間の短縮を図ることができる。また、抵コストで浚渫作業を行うことができる。また、貯水池の水を抜かないため、貯水池の機能を維持したまま浚渫作業を行うことができる。特に、公園や観光地の池等では、浚渫作業による景観の悪化を最小限に抑えることができる。さらに、貯水池の水を抜き取ることなく浚渫を行うことが可能なため、貯水池に生息する動植物の生態系を維持することができる。
また、本発明に係る浚渫システム100は分離処理装置90を設置して底泥の処理を行うため、従来の重機を使用した浚渫と比較して、省スペースで浚渫作業を行うことができる。また、分離処理装置90は分解して現地にて組立てが可能なため、大型の運搬車両が進入できない貯水池に対しても浚渫作業を行うことができる。
また、本発明に係る浚渫システム100は、底泥の凝集に無機中性凝集剤を用い、また、貯水池からベルトプレス部80までの底泥スラリ等(底泥及び上澄み水)の搬送を送水ポンプ20の圧送と自然流下で行う。このため、凝集底泥、濃縮底泥が再分散されることがなく、濃縮底泥を高濃度のままベルトプレス部80に搬送することができる。そして、本発明に係る浚渫システム100は、濃縮底泥の脱水をベルトプレス部80を用いて連続的に行うため、極めて高い効率で底泥の分離回収を行うことができる。
さらに、本発明に係る浚渫システム100は、凝集剤にカルシウムを主成分とする無機中性凝集剤を用いるため、脱水底泥に動植物に有害な成分が存在しない反面、貯水池の底に溜まった有機物と水中のリン成分、及び凝集剤の主成分であるカルシウムを豊富に含んでいる。よって、本発明に係る浚渫システム100で分離回収された脱水底泥は、栄養成分が豊富な優れた培養土としてそのまま植物栽培に使用することができる。また、本発明に係る浚渫システム100で分離された上澄み水には凝集剤成分が溶出せず、また水のpHを変化させることもない。よって、上澄み水をそのまま貯水池に放流しても生息する動植物に悪影響を与えることがない。さらに、無機中性凝集剤が水中のリン成分を固定して底泥として分離するため、この上澄み水を貯水池に放流することで貯水池のリン濃度は減少し、貯水池の富栄養化を抑制することができる。
尚、本例で示した浚渫システム100の各部の形状、構成、動作機構、配管経路等は一例であり、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
10 台船
12 送水ホース
20 送水ポンプ
26 攪拌羽根
30 遠心分離部
40 夾雑物選別部
50 凝集分離槽
60 濃縮槽
80 ベルトプレス部
90 分離処理装置
100 浚渫システム

Claims (2)

  1. 底泥を攪拌する攪拌羽根を有するとともに、攪拌した底泥を水ごと吸引して底泥スラリとして圧送する送水ポンプと、
    水面に浮いて前記送水ポンプを水中に吊下げる台船と、
    前記送水ポンプが吸引した底泥スラリを搬送する送水ホースと、
    前記送水ホースにより搬送された底泥スラリから底泥を分離回収する分離処理装置と、を有する浚渫システムであって、
    前記分離処理装置は、
    前記送水ホースにより搬送された底泥スラリから重量物を遠心分離により除去する遠心分離部と、
    前記遠心分離部を通過した底泥スラリから夾雑物を除去する夾雑物選別部と、
    前記夾雑物選別部を通過した底泥スラリと凝集剤とを攪拌し、底泥を凝集沈降させる凝集分離槽と、
    前記凝集分離槽で凝集沈降した底泥を濃縮する濃縮槽と、
    前記濃縮槽で濃縮された底泥を脱水するベルトプレス部と、を有し、
    さらに、前記遠心分離部から前記ベルトプレス部までの底泥スラリの搬送を前記送水ポンプによる圧送と自然流下によって行うことを特徴とする浚渫システム。
  2. 凝集剤が無機中性凝集剤であることを特徴とする請求項1記載の浚渫システム。
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