JP3266870B2 - ため池や河川等の底に堆積する水中泥土の浚渫装置 - Google Patents

ため池や河川等の底に堆積する水中泥土の浚渫装置

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JP3266870B2 JP06394699A JP6394699A JP3266870B2 JP 3266870 B2 JP3266870 B2 JP 3266870B2 JP 06394699 A JP06394699 A JP 06394699A JP 6394699 A JP6394699 A JP 6394699A JP 3266870 B2 JP3266870 B2 JP 3266870B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川、用水、湖、
ため池等の底に堆積する水中泥土を浚渫する浚渫装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】河川やため池は、次第に底に水中泥土が
堆積する。堆積した水中泥土は、悪臭等の原因となるば
かりでなく、実際に蓄えることができる水量を減少させ
る。このため、水中泥土が堆積したため池等において
は、貯水量の調節や防災機能等が低下する。この弊害を
防止するために、水中泥土を浚渫して除去する必要があ
る。
【0003】水中泥土を浚渫して除去する装置は、大別
して2種類に分類できる。最も一般的に行われる浚渫
は、グラブ浚渫船やバケット浚渫船で、土砂をすくい取
る装置である。この種の装置は、クレーンの先端にグラ
ブやバケットを連結した台船が使用される。この構造の
装置は、水中泥土を、水から分離して浚渫できる特長が
ある。しかしながら、この装置は、浚渫するときに水が
濁ってしまう欠点がある。
【0004】水中泥土を、水と一緒に一次タンクに吸引
する装置は、水を濁らないようにして浚渫できる特長が
ある。この種の装置は、吸引ホースの先端を、ため池等
の底に移動させて、水と一緒に水中泥土を一次タンクに
吸引する。一次タンクは、真空ポンプで空気を排気して
真空状態として、ここに水中泥土と水とを吸引する。一
次タンクに吸引された水中泥土と水は、次の処理機に移
送されて、水と水中泥土とに分離される。水中泥土を分
離して清澄な状態になった水は、ため池等に戻される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】吸引ホースで水中泥土
を吸引する装置は、水を濁らせないで浚渫できる特長が
あり、ため池の浚渫によく利用されるようになった。た
だ、この種の装置は、水中泥土を、吸引ホースで一次タ
ンクに効率よく吸引するために、水と水中泥土の比率を
特定の範囲に調整することが大切である。理想的な水中
泥土と水の比率は、水中泥土1に対して、水2〜3の割
合、いいかえると、水中泥土に対して2〜3培の水を吸
入して、最も効率よく一次タンクに吸引できる。ところ
が、吸引ホースの先端を、水中泥土に挿入すると、水中
泥土と水は理想的な割合では吸引されない。この状態で
は、水中泥土と水が約2:1の割合で吸引される傾向が
ある。この状態では、水中泥土に対して水の量が少な
く、吸引ホース中を、水中泥土と水とを効率よく移送で
きない。
【0006】この欠点を解消するために、吸引ホースの
先端に、水中泥土を撹拌する羽根を固定した吸引口が開
発されている。この吸引口は、羽根で水中泥土をかき混
ぜるので、水中泥土が拡散された状態となって、吸引ホ
ースに吸引される。したがって、水中泥土に対する水量
を多くできる。ただ、この構造の吸引口は、羽根で撹拌
するために、水を濁らせる欠点がある。羽根で拡散され
た水中泥土の全てを吸引ホースで吸引できないからであ
る。さらに、この構造の吸引口は、ため池の底に、自転
車や洗濯機等の大きな金属製の廃棄物が投入されている
と、羽根が廃棄物に衝突して故障しやすい欠点がある。
また、羽根が廃棄物を移動させて水中泥土を広い範囲に
拡散して、水を濁らせる欠点がある。
【0007】本発明者は、この欠点を解消するために、
吸引ホースの先端に、高圧水を噴射するノズルを設けた
吸引口を開発した。この吸引口は、羽根で水中泥土を機
械的に撹拌するのに代わって、噴射する水のエネルギー
で水中泥土を拡散する。このため、自転車等の廃棄物に
衝突しても、故障することがない。また、ノズルが水を
噴射する方向を調整して、水の濁りを解消できると考え
ていた。しかしながら、実際には、ノズルから噴射され
る水の水圧を、水中泥土を拡散できる程度に強くする
と、吸引ホースの先端で水中泥土が拡散されて、水が濁
るのを解消できなくなる。また、ノズルから噴射する水
圧を低くすると、水が水中泥土を拡散できなくなって、
吸引ホースに吸引される水中泥土と水の割合を、理想的
な状態にできなくなる。
【0008】本発明は、さらにこの欠点を解決すること
を目的に開発されたものである。本発明の重要な目的
は、水を濁らせることなく、水中泥土を十分に拡散して
吸引ホースを介して効率よく吸引できる、ため池や河川
等の底に堆積する水中泥土の浚渫装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のため池や河川等
の底に堆積する水中泥土の浚渫装置は、移送機1でもっ
て水中の汚泥を水と一緒に吸引し、吸引された汚泥と水
を処理機2に移送し、処理機2でもって汚泥と水を分離
する。水の分離された汚泥は廃棄され、あるいは、別の
用途に利用される。分離された水は、ため池や河川にも
どし、あるいは別のところに排出する。
【0010】さらに、本発明の請求項1の浚渫装置は、
移送機1の吸入端部に遮弊筒6を連結している。遮弊筒
6は、下方を開口して周囲を閉塞してなる筒状である。
さらに、遮弊筒6の内部には、高圧水を噴射して、遮弊
筒6の内部で汚泥を拡散するノズル10を配設してい
る。ノズル10は高圧水ポンプ11に連結している。
【0011】本発明の請求項2の浚渫装置は、移送機1
の吸入量を、ノズル10から噴射される水量よりも大き
くしている。この構造の浚渫装置は、遮弊筒6の内部で
濁った水が外部に流れ出すのを防止して、水中泥土Dを
排出できる。
【0012】本発明の請求項3の浚渫装置は、一次タン
ク3と真空ポンプ4を備える移送機1で汚泥と水を移送
する。真空ポンプ4が一次タンク3の空気を排気して、
水中泥土Dを一次タンク3に吸入させる。
【0013】本発明の請求項4の浚渫装置は、移送機1
に汚泥ポンプ9を使用する。
【0014】さらに、本発明の浚渫装置は、遮弊筒6が
圧力弁13を備える。この圧力弁13は、遮弊筒6の内
圧が設定された圧力よりも低くなると開弁して、遮弊筒
6内に水または空気を流入させて、内圧が異常に低くな
るのを防止する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための浚渫装置を例示するもの
であって、本発明は浚渫装置を下記のものに特定しな
い。
【0016】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0017】図1に示している水中泥土の浚渫装置は、
ため池や河川等の底に堆積している水中泥土Dを水と一
緒に吸引する移送機1と、移送機1で吸引された汚泥と
水を分離する処理機2とを備える。
【0018】移送機1は、汚泥と水を移送できるものが
使用できる。図の移送機1は、一次タンク3と真空ポン
プ4とを備えている。真空ポンプ4が一次タンク3の空
気を排気して減圧すると、汚泥と水とが吸引ホース5を
通過して一次タンク3に吸入される。一次タンク3に吸
入された汚泥と水は、一次タンク3を大気に開放して自
然に流下させて排出できる。また、一次タンク3を加圧
して、汚泥と水を圧送することもできる。この構造の移
送機1は、ふたつの一次タンク3を、交互に吸入と排出
とに切り換えて使用して、連続して汚泥と水とを吸入
し、また、吸入した汚泥と水とを排出できる。
【0019】移送機には、回転するインペラで汚泥と水
とを一緒に移送する汚泥ポンプも使用できる。汚泥ポン
プは、効率よく汚泥と水を移送できる。汚泥ポンプは、
吸入側の揚程が低いので、吸引ホースの先端部に連結し
て、汚泥と水を吸入して移送する。汚泥ポンプは、吸入
した汚泥と水を直接に処理機に移送することもできる。
ただ、汚泥ポンプは、吸入した汚泥と水を一次タンクに
送り、一次タンクから処理機に移送することもできる。
【0020】移送機1は、図2の断面図に示すように、
吸入端部に遮弊筒6を連結している。遮弊筒6は、図2
と図3に示すように、下方を開口して周囲と上面を閉塞
する筒状で、円筒状または多角筒状に形成される。遮弊
筒6は、内径を約80cmφ、高さを約80cmとして
いる。ただし、内径は、たとえば30〜150cm、好
ましくは40〜100cm、さらに好ましくは50〜1
00cmとする。高さは、内径に対して0.5〜2倍と
することもできる。
【0021】遮弊筒6は、自重で底に沈降できるよう
に、鉄やステンレス等の金属製で、厚さを0.5〜2m
mとする。遮弊筒6の上面には、これを吊り上げる吊具
7を固定している。吊具7にフックやワイヤーを連結
し、クレーンやフロートで遮弊筒6を吊り上げて、ため
池や河川等の底に移動させる。
【0022】図2と図4の断面図に示す遮弊筒6は、上
面を上下方向に貫通して、中心に吸入パイプ8を固定し
ている。図2は、移送機を一次タンクと真空ポンプとで
構成する真空ポンプ式の移送ポンプに連結する遮弊筒6
を示している。図4は汚泥ポンプ9である移送機1に連
結する遮弊筒6を示している。真空ポンプ式の移送ポン
プは、吸引ホース5に吸入パイプ8を連結する。汚泥ポ
ンプ9は、吸入側に吸入パイプ8を連結する。
【0023】遮弊筒6に固定している吸入パイプ8は、
上端を吸引ホース5や汚泥ポンプ9に連結して、吸引ホ
ース5を介して吸入した汚泥と水を移送する。図の吸入
パイプ8は、下部を遮弊筒6の内部で下方に延長してい
る。吸入パイプ8の下端は、遮弊筒6の上下の中間に配
設している。吸入パイプ8の下端を、遮弊筒6に内部で
下方に延長している遮弊筒6は、吸入パイプ8を下方に
長く延長するほど、水に対する水中泥土Dの割合が大き
くなる。吸入パイプ8がため池や河川等の底に接近する
からである。反対に、吸入パイプ8の下方への延長量を
短くすると、水に対する水中泥土Dの割合が少なくな
る。吸入パイプ8の下方延長量の最適値は、水中泥土D
と水の割合を1:1〜1:6とする値である。水中泥土
と水の割合は、水中泥土の種類によって最適な値に調整
する。たとえば、水中泥土が、微細な泥やヘドロ等を多
く含む場合には、水の割合を少なくして効率よく吸引で
きる。水中泥土が、泥よりも比重が大きな砂等を多く含
む場合には、水の割合を多くして効率よく吸引できる。
【0024】吸入パイプ8の下方延長量は、ため池や河
川等の底に堆積する水中泥土Dの種類によって、また、
遮弊筒6の高さ等を考慮して最適値に設計する。吸入パ
イプは、必ずしも下端部を遮弊筒の内部で下方に延長す
る必要はなく、遮弊筒の上面に開口することもできる。
【0025】遮弊筒6の内部には、高圧水を噴射して、
遮弊筒6の内部で汚泥を拡散するノズル10を配設して
いる。この図の遮弊筒6は、ひとつのノズル10を配設
しているが、遮弊筒には、複数のノズルを設けることも
できる。ノズル10は、ため池や河川等の底に向かって
高圧水を噴射して、底に堆積する水中泥土Dを拡散させ
る。図の遮弊筒6は、ノズル10を吸入パイプ8の側面
に垂直に固定している。ノズル10の先端は、吸入パイ
プ8の下端よりもさらに下方に突出している。このノズ
ル10は、ため池や河川等の底に接近して、底に堆積し
ている水中泥土Dをより効率よく拡散する。ただし、ノ
ズルは、遮弊筒の内部に傾斜して下向きに高圧水を噴射
させることもできる。また、ノズルの下端を吸入パイプ
の下端と同じ位置とすることも、あるいはまた、ノズル
を遮弊筒の上面に固定することもできる。ノズル10
は、高圧水を直線状に集束して噴射する。高圧水をこの
状態で噴射するノズル10は、ため池や河川等の底に堆
積する水中泥土Dを深く撹拌できる。ただし、ノズル1
0は、高圧水を拡散して噴射することもできる。このノ
ズル10は、底の広い領域で水中泥土Dを拡散できる特
長がある。高圧水を拡散して噴射するノズル10は、吸
入パイプ8よりも下方に突出させてため池や河川等の底
に接近させる。噴射される高圧水でより深く水中泥土D
を拡散するためである。
【0026】ノズル10は高圧水ポンプ11に連結して
いる。高圧水ポンプ11は、ため池や河川等の水を吸入
して、約20kgf/cmの圧力に加圧して、ノズル
10から噴射する。高圧水ポンプ11が水を加圧してノ
ズル10から噴射させる圧力は、たとえば、5〜50k
gf/cmとすることができる。高圧水ポンプ11の
圧力を高くすると、ノズル10から噴射される高圧水で
水中泥土Dをより効率よく、深く撹拌できる。高圧水ポ
ンプ11の圧力を低くすると、高圧水ポンプ11の消費
馬力を少なくできる。したがって、高圧水ポンプ11の
圧力は、消費馬力と水中泥土Dを拡散させる程度とを考
慮して、前述の範囲で用途に最適な圧力とする。たとえ
ば、柔軟な水中泥土Dや比重の小さな水中泥土Dを撹拌
するには、高圧水ポンプ11の圧力を低くする。また、
底に高い状態で沈降する水中泥土Dや、比重の大きな砂
等を多く含む水中泥土Dを撹拌するには、高圧水ポンプ
11の圧力を高くする。
【0027】高圧水ポンプ11が高圧水をノズル10に
供給して、ノズル10から高圧水を噴射して、高圧水で
水中泥土Dが拡散される状態として、移送機1は遮弊筒
6の内部の汚泥と水を吸入する。このとき、移送機1が
遮弊筒6の内部から吸入する水量を、ノズル10が噴射
する高圧水の水量よりも大きくする。この浚渫装置は、
高圧水に拡散されて、遮弊筒6の内部で濁った状態とな
っている汚泥が、遮弊筒6の外部に流れ出すことがな
く、ため池や河川等を全く濁らない状態で浚渫できる特
長がある。
【0028】移送機1の吸入量をノズル10の噴射水量
よりも大きくすると、遮弊筒6は、ため池や河川等の底
に吸着されることになる。移送機1の吸入量を大きくす
るほど、吸着力が強くなる。吸着力が強すぎると、遮弊
筒6をため池や河川等の底で水平方向に移動させるのが
難しくなる。この弊害は、遮弊筒6に圧力弁を連結して
解消できる。圧力弁は、遮弊筒6の内圧が設定された圧
力よりも低くなるときに開弁して、遮弊筒6の外部から
内部に水を流入させる。このため、圧力弁は、遮弊筒6
の内圧が異常に低くなるのを有効に防止できる。
【0029】遮弊筒が圧力弁を備える移送機の一例を図
5に示す。この図の移送機1は、遮弊筒6の内部に汚泥
ポンプ9を配設している。汚泥ポンプ9は、下方に開口
した吸入パイプ8から水中泥土Dと水を吸入する。汚泥
ポンプ9は、排出側を吸引ホース5に連結しており、吸
引ホース5を介して吸入した汚泥と水を移送する。さら
に、この図に示す移送機1は、遮弊筒6の内部に、2本
のノズル10を配設している。2本のノズル10は、汚
泥ポンプ9の両側に配設されており、それぞれのノズル
10から高圧水を噴射して、底に堆積する水中泥土Dを
拡散させる。図に示すノズル10は、2本の先端を遮弊
筒6の中心部に向けているので、この部分をより強く撹
拌できる特長がある。ただ、複数のノズルは、先端を異
なる部分に向けて、広い範囲を撹拌することもできる。
【0030】さらに、この図に示す遮弊筒6は、上面を
貫通して吸入孔14を開口し、ここに圧力弁13を設け
ている。図の遮弊筒6は、上面の2か所に圧力弁13を
設けているが、圧力弁は、遮弊筒の側面に設けることも
できる。さらにまた、圧力弁は、1か所あるいは3か所
以上に設けることもできる。
【0031】圧力弁13は、遮弊筒6に開口された吸入
孔14を閉塞する弁体15と、この弁体15に連結され
た弾性体16とを備える。弁体15は、開口された吸入
孔14よりもやや大きな鍔部を有し、この鍔部を遮弊筒
6の内面に密着させて吸入孔14を閉塞する。弾性体1
6は、弁体15が吸入孔14を閉塞する方向に、弁体1
5を弾性的に付勢している。図に示す弾性体16は、コ
イルスプリングで、一端を弁体15に、他端を遮弊筒6
に連結している。弾性体13には、遮弊筒の内圧が下が
っていない通常時において、弁体15を遮弊筒6の内面
に密着させて吸入孔14を閉塞した状態に保持できる弾
性力を有するものを使用する。
【0032】この圧力弁13は、遮弊筒6の内圧が所定
の圧力よりも低くなると、弁体15が遮弊筒6の内面か
ら離れて開弁状態となる。圧力弁13が開弁されると、
吸入孔14から水が流入して、内圧が異常に低くなるの
が阻止される。このとき、遮弊筒6は、ため池や河川等
の底に吸着される力が弱くなるので、ため池や河川等の
底に吸着することなく、スムーズに水平方向に移動でき
る。さらに、圧力弁13は、遮弊筒6の内圧が所定の圧
力よりも高くなると、弁体15が弾性体16に引かれ
て、遮弊筒6の内面に密着して吸入孔14を閉塞する。
このとき、圧力弁13は閉弁状態となって水の流入が阻
止される。このため、水中泥土Dが撹拌された濁水が、
遮弊筒6の内部から外部に流出することなく、水が濁る
のを確実に防止できる。
【0033】ただ、浚渫場所であるため池や河川等が浅
くて、遮弊筒の上面が水面よりも上方に出る場合には、
圧力弁から空気を流入させて内圧が異常に低くなるのを
阻止する。このときも、遮弊筒は、ため池や河川等の底
に吸着することなく、スムーズに持ち上げて水平方向に
移動できる。
【0034】圧力弁13の開弁圧は、吸入孔14の開口
面積と弾性体16の弾性力で決定される。吸入孔14の
開口面積を大きくすると圧力弁13の開弁圧は小さくな
り、開口面積を小さくすると開弁圧は大きくなる。ま
た、弾性体16の弾性力を大きくすると開弁圧が大きく
なり、弾性力を小さくすると開弁圧は小さくなる。した
がって、圧力弁13の開弁圧は、これ等を考慮して最適
値に設定する。圧力弁13の開弁圧は、理想的には、遮
弊筒6の内圧が低くなって遮弊筒6の吸着力が大きくな
ると、弁体15が速やかに遮弊筒6の内面から離れて、
遮弊筒6を底に吸着させることなく、スムーズに水平方
向に移動できる値である。
【0035】さらに、図に示す遮弊筒6は、圧力弁13
の吸入孔14の上方にカバー17を配設している。この
カバー17は、下方を開口して上方を閉塞した筒状をし
ており、側面に複数の貫通孔を開口している。カバー1
7は、これ等の貫通孔を水の流入口18としている。こ
のカバー17は、圧力弁13が開弁されて遮弊筒6の内
部に水が流入するときに、大きな異物が侵入するのを防
止して、圧力弁13が正常に開閉できるようにしてい
る。
【0036】ただ、移送機1の吸入量をノズル10の噴
射水量にほぼ等しくし、あるいは、移送機1の吸入量を
ノズル10の噴射水量よりもわずかに多くして、遮弊筒
6がため池や河川等の底に吸着されるのを防止すること
もできる。ただし、移送機1の吸入量をノズル10の噴
射水量よりも少なくすると、吸入量と噴射量の差に相当
する水が、遮弊筒6から外部に漏れて、まわりを多少濁
らせる。
【0037】移送機1がため池や河川等の底から排出し
た汚泥と水は、一次タンク3から、あるいは一次タンク
を通過することなく、直接に処理機2に移送される。処
理機2は、供給される汚泥と水を蓄える貯溜タンク12
を備えている。貯溜タンク12に蓄えている汚泥と水
に、汚濁排水浄化処理剤を添加して、汚泥を凝集させて
水から分離する。汚濁排水浄化処理剤には、たとえば、
有限会社ウエストパル社製のパルクリーンを使用する。
パルクリーンは汚泥と水に対して100ppmの添加量
で、汚泥を凝集させて水と分離できる。
【0038】処理機2で、水から分離された汚泥は、集
積されて廃棄され、あるいは、別の用途に利用される。
処理機2で汚泥を分離して清澄な状態になった水は、た
め池や河川等に戻し、あるいは別のところに排出する。
【0039】
【発明の効果】本発明のため池や河川等の底に堆積する
水中泥土の浚渫装置は、水を濁らせることなく、水中泥
土を十分に拡散して、効率よく吸引できる特長がある。
それは、本発明の浚渫装置が、移送機の吸入端部に、下
方を開口して周囲を閉塞してなる筒状の遮弊筒を連結し
ており、遮弊筒の内部には、高圧水を噴射して、遮弊筒
の内部で汚泥を拡散するノズルを配設しているからであ
る。この構造の浚渫装置は、ため池や河川等の底の浚渫
する部分を、遮弊筒で閉塞する状態として吸引できるの
で、遮弊筒の外側の水を濁らせることなく、水中の汚泥
を水と一緒に吸引できる特長がある。さらに、本発明の
浚渫装置は、遮弊筒の内部に、高圧水を噴射して汚泥を
拡散するノズルを配設しているので、浚渫部分の水中泥
土を、遮弊筒の内部で拡散させて、効率よく吸収できる
特長がある。とくに、この装置は、高圧水で水中泥土を
拡散させるので、ため池や河川の底に種々の異物があっ
ても、装置を損傷することなく、水中泥土を拡散できる
特長もある。
【0040】さらに、本発明の浚渫装置は、遮弊筒の内
部で高圧水を噴射して汚泥を拡散させるので、移送機が
吸引しやすい理想の状態に水中泥土を拡散して吸引でき
る特長もある。すなわち、本発明の浚渫装置は、遮弊筒
の内部における水中泥土の拡散状態を、移送機が最も効
率よく吸引できる状態に調整することにより、水中泥土
と水とを理想の割合で吸引できる。このため、本発明の
浚渫装置は、装置全体に負担をかけることなく、極めて
効率よく水中泥土を吸引して、能率よく浚渫作業できる
特長が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の浚渫装置の概略図
【図2】図1に示す浚渫装置の遮弊筒の拡大断面図
【図3】図2に示す遮弊筒の一部断面平面図
【図4】本発明の他の実施例の浚渫装置の移送機の断面
【図5】本発明の他の実施例の浚渫装置の移送機の断面
【符号の説明】
1…移送機 2…処理機 3…一次タンク 4…真空ポンプ 5…吸引ホース 6…遮弊筒 7…吊具 8…吸入パイプ 9…汚泥ポンプ 10…ノズル 11…高圧水ポンプ 12…貯溜タンク 13…圧力弁 14…吸入孔 15…弁体 16…弾性体 17…カバー 18…流入口 D…水中泥土

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移送機(1)でもって水中の汚泥を水と一
    緒に吸引し、吸引された汚泥と水を処理機(2)に移送し
    て、処理機(2)でもって汚泥を水から分離するようにし
    てなるため池や河川等の底に堆積する水中泥土の浚渫装
    置において、 移送機(1)の吸入端部に、下方を開口して周囲を閉塞し
    ている筒状の遮弊筒(6)を連結しており、この遮弊筒(6)
    の内部には、高圧水を噴射して、遮弊筒(6)の内部で汚
    泥を拡散するノズル(10)を配設しており、ノズル(10)が
    高圧水ポンプ(11)に連結され、さらに、遮弊筒(6)が圧
    力弁(13)を備えており、遮弊筒(6)の内圧が所定の圧力
    よりも低くなると圧力弁(13)が開弁して遮弊筒(6)内に
    水または空気を流入させるようにしてなることを特徴と
    するため池や河川等の底に堆積する水中泥土の浚渫装
    置。
  2. 【請求項2】 移送機(1)の吸入量が、ノズル(10)から
    噴射される水量よりも大きい請求項1に記載されるため
    池や河川等の底に堆積する水中泥土の浚渫装置。
  3. 【請求項3】 移送機(1)が一次タンク(3)と真空ポンプ
    (4)を備え、真空ポンプ(4)で一次タンク(3)の空気を排
    気して、水中泥土(D)を一次タンク(3)に吸入する請求項
    1に記載されるため池や河川等の底に堆積する水中泥土
    の浚渫装置。
  4. 【請求項4】 移送機(1)が汚泥ポンプ(9)である請求項
    1に記載されるため池や河川等の底に堆積する水中泥土
    の浚渫装置。
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