JP7015080B1 - 浚渫装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型・軽量であり、しかも粒の大きな砂や石の吸い出しが可能な堆積物掘削用ヘッドを提供することにより、狭い場所などでの使用に適した浚渫装置を提供する。【解決手段】堆積物掘削用ヘッド1は、天板付きの筒状ケーシング2と、天板を貫通する高圧水導入口23と、高圧水導入口23から導入される高圧水を高圧水噴射ノズル4に分岐案内する高圧水案内路3と、基端が高圧水案内路3に連通し、先端が筒状ケーシング2の開口から外部に臨んで配置される複数の高圧水噴射ノズル4とを有し、筒状ケーシング2の内壁に沿って高圧水噴射ノズル4が等間隔で配置され、その内側に堆積物吸出用の吸出管5が備えられる。堆積物を吸い出すサンドポンプ7を陸上に配置し、高圧水噴射ノズルから高圧水を噴射しつつ吸出管5から堆積物を吸い出す。【選択図】 図1

Description

この発明は堆積物掘削用ヘッドおよび浚渫装置に関し、より詳細には、砂石の混じった水中の堆積物の浚渫工事に用いる掘削用ヘッドとその掘削用のヘッドを用いた浚渫装置に関する。
従来、海底、川底、湖底などの水底に沈殿する汚泥(スライム)を吸い出す装置として、たとえば特許文献1に示すスライム処理装置が提案されている。
特許文献1に示すスライム処理装置aは、図7に示すように、下端が開口した円筒状のケーシングb内に攪拌羽根dを備えた水中サンドポンプcを備えるとともに、ケーシングbの内周壁に沿って複数の高圧水パイプeが配設され、その先端に高圧水の噴射ノズルfを備えている。
使用にあたっては、スライム処理装置aを水上の台船からクレーンで吊り下げ、目的地点で水中に降ろす。スライム処理装置aが水底に到達すると、攪拌羽根dによって水底のスライム(汚泥)が攪拌されて浮き上がり、水中サンドポンプcの下部に備えられたメッシュ部gから水中サンドポンプc内に吸引され、ダクトhを通って外部に排出される。
その際、水底で硬く固まっている汚泥や粘性の高い汚泥に対しては、噴射ノズルfから噴射される高圧水が作用する。すなわち、高圧水を噴き付けることによって固まっている汚泥をほぐし、ポンプcで吸引して、ダクトhを介して外部に排出している。
特許第4289438号公報
しかしながら、このような従来のスライム処理装置には以下のような問題があった。
(1)従来のスライム処理装置は、ケーシングb内に水中サンドポンプcが備えられているため、スライム処理装置(ケーシングb)が大型化するとともに、装置全体が重くなるという問題があった。
このような装置の大型化、重量化は、スライム処理装置を吊り下げる台船やクレーンの大型化を招くことになるため、たとえば、橋げたが低い(水面と橋げたの間隔が狭い)橋梁付近での浚渫工事に際して、橋げたの下に台船(クレーンを含む)が通らないといった事態が生じ、橋梁付近のスライムの吸出処理(浚渫工事)ができないという問題があった。
(2)また、従来のスライム処理装置は、粒の細かな汚泥の吸出しを目的とした構造のため、砂や石、特に粒の大きな石(たとえば、拳大の大きさの石)を吸い出すことができなかった。そのため、粒の大きな石を取り除くために、スライム処理装置とは異なる装置を用いて別途吸出作業を行う必要があり、浚渫工事の作業工程が増加して作業負担が大きいという問題もあった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、小型・軽量であり、しかも粒の大きな砂や石の吸い出しが可能な堆積物掘削用ヘッドを提供することにより、狭い場所などでの使用に適した浚渫装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る浚渫装置は、
水中における砂石の混じった堆積物を掘削する堆積物掘削用ヘッドと、
可とう性を有する高圧水用ホースを介して上記堆積物掘削用ヘッドの高圧水導入口に高圧水を供給する高圧水供給手段と、
本体部が陸上に配置され、本体部に備えられた吸込口が可とう性を有する吸出用ホースを介して上記堆積物掘削用ヘッドの吸出管の基端に接続されたサンドポンプと、
上記堆積物掘削用ヘッドを所望の位置に配置させるヘッド搬送手段とを備えており、
上記堆積物掘削用ヘッドは、
下端が開口した天板付きの筒状ケーシングと、
上記天板を貫通して設けられる高圧水導入口と、
上記高圧水導入口に連通し、上記高圧水導入口から導入される高圧水を上記筒状ケーシング内に配置された複数の高圧水噴射ノズルに分岐案内する高圧水案内路と、
基端が上記高圧水案内路に連通し、先端が上記筒状ケーシングの開口から外部に臨んで配置される複数の上記高圧水噴射ノズルとを有してなり、
上記高圧水噴射ノズルが上記筒状ケーシングの内壁に沿って複数配置され、その内側に、先端が上記筒状ケーシングの開口に臨んで配置され、基端が上記天板を貫通して設けられた堆積物吸出用の吸出管を備えており、この吸出管が拳大の大きさの石を吸込める内径を有し、
かつ、上記サンドポンプは、少なくとも上記吸出管から吸い出される堆積物が通過可能な口径を有している
ことを特徴とする。
そして、その好適な実施態様として以下の構成が採用される。
(1)上記サンドポンプの本体部に備えられた吐出口に可とう性を有する吐出用ホースが接続され、該吐出用ホースを介して吸い出した堆積物が外部に排出されることを特徴とする。
(2)上記ヘッド搬送手段は、自走式のクレーンで構成されていることを特徴とする。
(3)上記吸出管は、内径150mm以内の管体で構成されていることを特徴とする
(4)上記複数の高圧水噴射ノズルは上記筒状ケーシング内に等間隔で環状に配置され、この環状に配置された高圧水噴射ノズルの中央に上記吸出管が配置されていることを特徴とする。

本発明によれば、堆積物を吸い出すためのサンドポンプが堆積物掘削用ヘッドとは別体として構成されるので、堆積物掘削用ヘッドを小型・軽量化することができる。そのため、たとえば、橋げたが低い橋梁付近のようにヘッド吊下げ用の台船を導入することが困難な現場にも堆積物掘削用ヘッドを搬入・設置することができ、浚渫工事を実施することができる。
また、本発明によれば、堆積物の吸い出しを行うサンドポンプが陸上に配置され、このサンドポンプと水底との間には、吸出管と吸出用ホースからなる通路しか存在しないので、この通路の径を大きくすることで、砂石を含んだ堆積物(たとえば、拳大の石などを含んだ堆積物)を一度の作業でに吸い出すことができ、浚渫工事を効率よく実施できる。
本発明に係る堆積物掘削用ヘッドの概略構成の一例を示しており、図1(a)は同堆積物掘削用ヘッドの平面図であり、図1(b)は同堆積物掘削用ヘッドの側面図である。 同堆積物掘削用ヘッドの概略構成の一例を示しており、図2(a)は同堆積物掘削用ヘッドの縦断面図であり、図2(b)は同堆積物掘削用ヘッドの底面図である。 本発明に係る堆積物掘削用ヘッドを用いた浚渫装置の概略構成の一例を示す説明図であり、堆積物掘削用ヘッドをクレーンで吊り下げた状態を示している。 同浚渫装置において、堆積物掘削用ヘッドを水底に降ろした状態を示した説明図である。 同浚渫装置において、堆積物掘削用ヘッドが堆積物中に沈み込んだ状態を模式的に示した説明図である。 同浚渫装置において、堆積物掘削用ヘッドによる堆積物の吸い出しプロセスを模式的に示した説明図である。 従来のスライム処理装置の一例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に係る堆積物掘削用ヘッド1は、海底、川底、湖底などの水底に沈殿する堆積物の浚渫工事、特に砂石を含んだ水中の堆積物の掘削に用いる掘削用のヘッドであって、図1および図2に示すように、筒状を呈する筒状ケーシング2と、該筒状ケーシング2内に備えられた高圧水案内路3と、該高圧水案内路3に連通して設けられる高圧水噴射ノズル4と、水底の堆積物を吸い出すための吸出管5とを主要部として備えている。
筒状ケーシング2は、複数(図示例では8本)の高圧水噴射ノズル4,4,…および吸出管5を収容する金属製の筐体であって、円筒状のケーシング本体21と、ケーシング本体21の上部に備えられた天板22とを主要部として構成されており、ケーシング本体21の下端が開口した筒状を呈している。
天板22には、適所(図示例では1カ所)に筒状ケーシング2内に高圧水を導入するための高圧水導入口23が天板22を貫通して形成されている。天板22の中央には、吸出管5と連通する吸出口24が形成されており、この吸出口24の周囲には、後述する吸出用ホース72を接続するためのホース取付用フランジ25が形成されている。
また、天板22の上面には、フックを使って堆積物掘削用ヘッド1を吊り下げる際にフックと係合させる吊下金具26,26と、滑車を使って堆積物掘削用ヘッド1を吊る下げる際にワイヤを係合させるワイヤシーブ27,27とが備えられている。
高圧水案内路3は、高圧水導入口23に連通して、高圧水導入口23から導入される高圧水を筒状ケーシング2内に配置された複数の高圧水噴射ノズル4,4,…に分岐案内するために設けられた高圧水の流路であって、複数の高圧水噴射ノズル4の基端がそれぞれ接続される環状の分岐管路31と、この分岐管路31と高圧水導入口23とを接続する導入管路32とで構成されており、高圧水導入口23から導入される高圧水が導入管路32から分岐管路31に案内され、分岐管路31から各高圧水噴射ノズル4に供給されるようになっている。
高圧水噴射ノズル4は、高圧水案内路3から供給される高圧水を外部に噴射するためのノズルであって、基端が高圧水案内路3の分岐管路31に連通し、先端が筒状ケーシング2の開口から外部に臨んで配置される。高圧水噴射ノズル4は、筒状ケーシング2の内壁に沿って複数配置される。本実施形態では、8本の高圧水噴射ノズル4,4,…が用いられており、これら8本の高圧水噴射ノズル4が環状の分岐配管31に等間隔で取り付けられている(図2(b)参照)。
高圧水噴射ノズル4の先端41は、基端側に供給される高圧水を高速の水噴流として噴射するノズルで構成されており、この高圧水噴射ノズル4の先端41からウォータジェット状の水流が噴射されるようになっている(図2(a)参照)。
吸出管5は、高圧水噴射ノズル4から噴射される水噴流によって攪拌される堆積物を外部に吸い出すための金属製の管体であって、環状に配置された高圧水噴射ノズル4,4,…の中央に配置される。そして、この吸出管5は、その基端が天板22を貫通して天板22の吸出口24に連通するとともに、先端が筒状ケーシング2の開口に臨んで配置される。つまり、吸出管5の上端は天板22に達する一方、下端は筒状ケーシング2の下端に向かって開口するように配置される。
そして、この吸出管5は、高圧水噴射ノズル4の水噴流によって攪拌し巻き上げられる砂石を含んだ汚泥、より詳細には、最大で拳大程度(10~15cm程度)の大きさの石を含んだ汚泥の吸出しに対応できる口径を有する管体で構成されている。本実施形態では、この吸出管5として内径150mmの管体を用いている。ちなみに、吸出管5の内径が大きければ大きいほど大きな石を通すことができるが、堆積物の吸出しに用いるポンプの吸込能力との関係で管体の内径は150mm以下であることが好ましく、本実施形態では内径150mmの管体を用いている。なお、この吸出管5の下端の開口部には砂石の吸込みを阻害するメッシュなどは配置されておらず、拳大の石も吸いこめるようになっている。
次に、このように構成された堆積物掘削用ヘッド1を用いた浚渫装置100の構成について図3を用いて説明する。
浚渫装置100は、海底、川底、湖底などの浚渫工事を実施するための装置であって、上述した堆積物掘削用ヘッド1と、高圧水供給手段6と、サンドポンプ7と、ヘッド搬送手段8とを主要部として構成される。
高圧水供給手段6は、堆積物掘削用ヘッド1に高圧水を供給するための装置であって、高圧水を吐出する高圧水ポンプ(図示せず)と、高圧水ポンプから吐出される高圧水を堆積物掘削用ヘッド1に供給する高圧水用ホース61とを備えている。
本実施形態では、高圧水ポンプには高圧プランジャポンプが用いられ、近くの水源から水を吸い込んで吐出側から高圧水を吐出するようになっている。また、高圧水用ホース61は可とう性を有するホース、具体的には、高圧水の通水に耐え得る耐圧性を備えた可とう性ホース、たとえば、補強材で補強された樹脂製のホースなどで構成される。
サンドポンプ7は、堆積物掘削用ヘッド1で掘削した堆積物を吸い出すためのポンプであって、本実施形態では、このサンドポンプ7として、本体部71が陸上に配置される横型のサンドポンプが用いられている。サンドポンプ7の本体部71には、図示しない吸込口と吐出口とが備えられており、吸込口側には、基端が当該吸込口に接続され、先端が堆積物掘削用ヘッド1の吸出口24(吸出管5の基端)に接続された吸出用ホース72が接続され、吐出口側には、基端が当該吐出口に接続され、先端が吸い出した堆積物の貯留場所、たとえば、貯泥池、貯泥タンクなどに到達するように配設された吐出用ホース73が接続され、これにより、堆積物掘削用ヘッド1から吸い出される砂石を含む汚泥が、吸出用ホース72および吐出用ホース73を経由して堆積物の貯留場所に搬送されるようになっている。つまり、本実施形態では、サンドポンプ7は、堆積物の吸出用と搬送時の中継用の二つの用途のポンプとして機能するように構成されている。
これに関連して、サンドポンプ7には、少なくとも堆積物掘削用ヘッド1の吸出管5から吸い出される堆積物が通過可能な口径を有し、かつ、高揚程のポンプが用いられる。本実施形態では、吸込側・吐出側の口径がそれぞれ200mm、最大揚物径150mm、揚程0~22m(たとえば15m)、揚水量1~4m3 /min(たとえば3m3 /min)のサンドポンプが用いられる。また、このほか、図示しないが、サンドポンプ7を直列に複数台接続することでサンドポンプ7の能力を高めることができる。たとえば、同等の能力を持ったサンドポンプ7を2台接続することで、能力(揚程)を2倍に増やすことができる。
また、吸出用ホース72および吐出用ホース73は、いずれも可とう性を有するホース、具体的には、内部に汚泥を通しても破れることがない強靭で耐圧性のある可とう性のホース、たとえば、補強材で補強された樹脂製のホースなどで構成される。なお、吸出用ホース72および吐出用ホース73の内径は、いずれも吸出管5やサンドポンプ7の仕様に応じて適宜選択されるが、本実施形態では、内径150~160mm程度のホースが好適に採用される。
ヘッド搬送手段8は、積物掘削用ヘッド1を所望の位置に配置させるための装置であって、本実施形態では、このヘッド搬送手段8として自走式のクレーン(図示例では、ラフタークレーン)81が用いられている。
自走式クレーン81は、クレーン操作および運転操作を行う運転席を備えた車両部82と、車両部82上に設けられたクレーンのアームを構成する伸縮ジブ83と、伸縮ジブ83の先端に取り付けられた吊り下げ用のフック84(図示例では、主巻フック84aと補巻フック84bの2基のフックを備えている)とを主要部として備えている。
伸縮ジブ83は周知のとおり伸縮可能な構造を備えており、この伸縮ジブ83が車両部82上に旋回可能に、かつ、ジブの傾斜角の調節ができるように取り付けられている。主巻フック84aおよび補巻フック84bは、それぞれジブの先端にワイヤロープ85a,85bによって吊り下げられており、これらワイヤーロープ85a,85bを図示ない巻上装置によって巻き上げ/巻き戻すことにより、フック84の高さ位置を調節できるようになっている。なお、本実施形態では、後述するように、重荷重用の主巻フック84aで堆積物掘削用ヘッド1を吊り下げ、補巻フック84bで高圧水用ホース61および吸出用ホース72を吊り下げるようにしている(図3参照)。
次に、このように構成された浚渫装置100を使った浚渫工事について図3から図6を用いて説明する。
浚渫工事の実施にあたっては、図3に示すように、浚渫工事を実施する水域近くに自走式クレーン81を移動させる。なお、図において、符号Wは浚渫工事を行う水域を示している。
自走式クレーン81の移動が完了すると、次に、堆積物掘削用ヘッド1に高圧水用ホース61と吸出用ホース72を接続し、堆積物掘削用ヘッド1を使用可能な状態に準備する。具体的には、まず、図示しない高圧水ポンプとサンドポンプ7を適所に配置する。そして、高圧水用ホース61の基端を高圧水ポンプの吐出側に接続し、先端を堆積物掘削用ヘッド1の高圧水導入口23に接続する。また、吸出用ホース72の基端をサンドポンプ7の吸込口に接続し、先端を堆積物掘削用ヘッド1の吸出口24に接続する。さらに、吐出用73の一端をサンドポンプ7の吐出口に接続し、他端を堆積物の貯留場所に配置して、ホース類の接続を完了する。
ホース類の接続が完了すると、次に、堆積物掘削用ヘッド1を自走式クレーン81のフック84で吊り上げる。具体的には、クレーン81の主巻フック84aを堆積物掘削用ヘッド1の吊下金具26に係合して堆積物掘削用ヘッド1を吊り上げ可能な状態にするとともに、補巻フック84bを高圧水用ホース61および吸出用ホース72の先端付近に係合させ、これらホース類61,72が堆積物掘削用ヘッド1とともに吊り上げられるようにする。
このようにして堆積物掘削用ヘッド1の吊り上げ準備が完了すると、次に、クレーン81を操作して堆積物掘削用ヘッド1を浚渫工事の実施場所(施工位置)に移動させ、堆積物掘削用ヘッド1を所定の高さ位置まで降下させる。具体的には、図4に示すように、堆積物掘削用ヘッド1が浚渫対象となる堆積物Sの上に載置されるようにヘッド1を水中に降ろす。
堆積物掘削用ヘッド1を堆積物上に配置すると、次に、高圧水ポンプを駆動し、高圧水用ホース61に高圧水を供給する。高圧水用ホース61に供給された高圧水は、高圧水導入口23から堆積物掘削用ヘッド1内に導入され、高圧水案内路3を通って分岐管路31に接続された高圧水噴射ノズル4に導かれ、高圧水噴射ノズル4からジェット水流となった高圧水が筒状ケーシング2の外部に向かって、つまり、筒状ケーシング2の下端から下向きに噴射される。
このように筒状ケーシング2の下端から高圧水が噴射されると、この噴射によって堆積物掘削用ヘッド1の周囲にある堆積物Sが掘削される。すなわち、堆積物掘削用ヘッド1の周囲に堆積している堆積物Sはジェット水流によって崩され、掘り下げられる。それに伴って、堆積物掘削用ヘッド1は、図5に示すように、堆積物S内に沈み込んでゆく。
堆積物掘削用ヘッド1が堆積物S内に沈み込むと、次にサンドポンプ7を起動する。サンドポンプ7の起動にあたっては、まず、図示しない真空ポンプを使用して吸出管5および吸出用ホース72内に残留する空気を排出する。そして、空気排出後にサンドポンプ7を起動し、堆積物Sの吸い出しを開始する。
すなわち、高圧水噴射ノズル4から高圧水を噴射して堆積物Sの掘削を行いながら、サンドポンプ7によって吸出管5の周囲にある堆積物(高圧水によって掘削された堆積物)Sの吸い出しを開始する(図6参照)。これにより、高圧水噴射ノズル4から噴射される高圧水によって堆積物掘削用ヘッド1の周囲にある堆積物Sが次々と掘削される一方で、掘削された堆積物Sは順次吸出管5から吸い出され、サンドポンプ7を経由して堆積物の貯留場所に排出されるようになる。その後は堆積物掘削用ヘッド1の位置を適宜移動させながら、浚渫対象となる堆積物Sがなくなるまで堆積物掘削用ヘッド1の位置を変えながら浚渫工事を実施することにより、堆積物Sが除去される。
このように、本発明に係る浚渫装置100を用いた浚渫工事によれば、堆積物掘削用ヘッド1がサンドポンプを内蔵しない構造とされているので、サンドポンプを内蔵する構造の掘削用ヘッドに比べて小型・軽量化できる。そのため、小型のクレーンや台船で堆積物掘削用ヘッド1を吊り下げることができるようになり、たとえば、橋げたが低い橋梁付近のような場所にも堆積物掘削用ヘッド1を搬入して浚渫工事を実施することができるようになる。
また、堆積物Sを吸い出すサンドポンプ7を陸上に配置したことで、堆積物掘削用ヘッド1内の構造がシンプルになり、吸出管5として内径の大きな管体を使用することができる。そのため、粒の大きな砂や石、特に粒の大きな石(たとえば、拳大の大きさの石)の吸い出しができ、これにより一度の工事で泥、砂、石を取り除くことができて、浚渫工事の作業工程の増加を防止でき、作業負担の少ない工事方法を提供することができる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、筒状ケーシング2を円筒状に構成した場合を示したが、天板6を備える構造であれば、楕円の筒状、矩形の筒状など、断面形状が円形以外の形状の筒体で構成してもよい。要は、筒状ケーシング2の内壁に沿って高圧水噴射ノズル4が配置され、さらにその内側に吸出管5を配置できる形状であればよい。
また、上述した実施形態では、高圧水噴射ノズル4として8本のノズルが備えられた場合を示したが、高圧水噴射ノズル4は筒状ケーシング2の内壁に沿って等間隔で配置される構造であれば配設本数は適宜変更することができる。
また、上述した実施形態では、ヘッド搬送手段8として自走式のクレーンを用いた場合を示したが、堆積物掘削用ヘッド1を所望の位置に配置できるものであれば、自走式クレーン以外の搬送手段(たとえば、移動可能な台船による吊り下げ方式など)を用いることも可能である。また、上述した実施形態では堆積物掘削用ヘッド1をクレーンで吊り下げる場合を示したが、ヘッド1に備えられたワイヤーシーブ27,27を使って吊り下げてもよい。
さらに、上述した実施形態ではサンドポンプ7として、吸込側・吐出側の口径が200mm、最大揚物径150mm、揚程0~22m、揚水量1~4m3 /minの横型のサンドポンプを用いた場合を示したが、少なくともこれと同程度またはそれ以上の能力があるポンプであれば他の形態のポンプを用いてもよいのは勿論である。
1 堆積物掘削用ヘッド
2 筒状ケーシング
22 天板
23 高圧水導入口
24 吸出口
25 ホース取付用フランジ
26 吊下金具
3 高圧水案内路
31 分岐管路
32 導入管路
4 高圧水噴射ノズル
5 吸出管
6 高圧水供給手段
61 高圧水用ホース
7 サンドポンプ
71 本体部
72 吸出用ホース
73 吐出用ホース
8 ヘッド搬送手段
81 自走式クレーン
83 伸縮ジブ
84a 主巻フック
84b 補巻フック
100 浚渫装置

Claims (5)

  1. 水中における砂石の混じった堆積物を掘削する堆積物掘削用ヘッドと、
    可とう性を有する高圧水用ホースを介して前記堆積物掘削用ヘッドの高圧水導入口に高圧水を供給する高圧水供給手段と、
    本体部が陸上に配置され、本体部に備えられた吸込口が可とう性を有する吸出用ホースを介して前記堆積物掘削用ヘッドの吸出管の基端に接続されたサンドポンプと、
    前記堆積物掘削用ヘッドを所望の位置に配置させるヘッド搬送手段とを備えており、
    前記堆積物掘削用ヘッドは、
    下端が開口した天板付きの筒状ケーシングと、
    前記天板を貫通して設けられる高圧水導入口と、
    前記高圧水導入口に連通し、前記高圧水導入口から導入される高圧水を前記筒状ケーシング内に配置された複数の高圧水噴射ノズルに分岐案内する高圧水案内路と、
    基端が前記高圧水案内路に連通し、先端が前記筒状ケーシングの開口から外部に臨んで配置される複数の前記高圧水噴射ノズルとを有してなり、
    前記高圧水噴射ノズルが前記筒状ケーシングの内壁に沿って複数配置され、その内側に、先端が前記筒状ケーシングの開口に臨んで配置され、基端が前記天板を貫通して設けられた堆積物吸出用の吸出管を備えており、この吸出管が拳大の大きさの石を吸込める内径を有し、
    かつ、前記サンドポンプは、少なくとも前記吸出管から吸い出される堆積物が通過可能な口径を有している
    ことを特徴とする浚渫装置。
  2. 前記サンドポンプの本体部に備えられた吐出口に可とう性を有する吐出用ホースが接続され、該吐出用ホースを介して吸い出した堆積物が外部に排出されることを特徴とする請求項に記載の浚渫装置。
  3. 前記ヘッド搬送手段は、自走式のクレーンで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の浚渫装置。
  4. 前記吸出管は、内径150mm以内の管体で構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の浚渫装置。
  5. 前記複数の高圧水噴射ノズルは前記筒状ケーシング内に等間隔で環状に配置され、この環状に配置された高圧水噴射ノズルの中央に前記吸出管が配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の浚渫装置。
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