JP2006334572A - Pcb混入絶縁油を含有する変圧器の無害化処理方法 - Google Patents

Pcb混入絶縁油を含有する変圧器の無害化処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006334572A
JP2006334572A JP2005166057A JP2005166057A JP2006334572A JP 2006334572 A JP2006334572 A JP 2006334572A JP 2005166057 A JP2005166057 A JP 2005166057A JP 2005166057 A JP2005166057 A JP 2005166057A JP 2006334572 A JP2006334572 A JP 2006334572A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
transformer
pcb
insulating oil
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005166057A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Matsumura
豪 松村
Tatsuya Mori
達矢 森
Shizuo Sasaki
静夫 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichiyo Engineering Corp
Original Assignee
Nichiyo Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichiyo Engineering Corp filed Critical Nichiyo Engineering Corp
Priority to JP2005166057A priority Critical patent/JP2006334572A/ja
Publication of JP2006334572A publication Critical patent/JP2006334572A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/78Recycling of wood or furniture waste

Abstract

【課題】作業員がPCB雰囲気下で作業することなく、安全に変圧器を解体、分別し、部材のリサイクル資源化を図る方法を提供する。
【解決手段】(a)PCB混入絶縁油を含有する変圧器からPCB混入絶縁油を油抜きする工程22、(b)洗浄溶剤を用いて残存PCB混入絶縁油を洗浄除去する工程23、(c)変圧器を洗浄装置に入る大きさに粗解体する工程24、(d)解体単位で一次洗浄する工程25、(e)前記解体単位を、ケース、金属、アルミナ、碍子、電線、コア、木、パッキン、およびその他の部材にそれぞれ分別解体する工程26、(f)前記コアを鉄芯とコイルに分別解体する工程28、(g)前記コイルを前記電線とともに破砕し、銅を紙から分別する工程38、(h)分別された各部材を二次洗浄する工程29,41,42,44、および、(i)洗浄度を判定する工程30、31を含んでなる変圧器の無害化処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、高濃度PCB混入絶縁油(以下、「PCB油」ともいう)を使用している機器よりPCB油を抜き出し、浸漬・循環洗浄し、トランスコア部分を解体し、コア部分を構成する構成部品に解体し、解体された部品を洗浄し、さらに部品を構成する部材をリサイクル資源化するための処理方法に関する。更に詳しくは、PCB混入絶縁油を含有する変圧器(以下、「トランス」ともいう)からPCB油を抜き出した後、構成部品に解体・切断し、洗浄し、変圧器の部品の構成部材であるケース、金属、アルミナ、碍子、電線、鉄芯、コイル、紙、木・プレスボード、パッキン、PCB等に分別し、リサイクル資源化するための処理方法に関する。
PCB(ポリクロロビフェニル)は優れた化学的安定性、熱により分解しにくい、酸化されにくい、酸・アルカリに安定、金属をほとんど腐食しない、水にきわめて溶けにくい、電気絶縁性が良好、高沸点、不燃性などの特性を有していることから、高圧トランス用、高圧コンデンサ用、低圧トランス・コンデンサ用(家電製品、蛍光灯、水銀灯用等)、低圧トランス用(6kVA以下)、柱上トランス用絶縁油等に使用されてきた。しかしながら、PCBの人体への有毒性が明らかになり、1974年までに製造、輸入、開放系用途での使用が禁止された。また、1992年には廃PCB、PCBを含む廃油およびPCB汚染物が「廃棄物処理法」に基づく特別管理産業廃棄物に指定され、事業所等での保管が義務づけられ、トランスをはじめPCB含有機器類の相当数が事業所等で保管されてきた。
さらに、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」によりPCB、PCBを含む廃油などを15年以内に処理することが義務化された。この結果、保管場所に安全に保管されていたPCBが廃棄物処理法に従い、無害化処理が始まっている状況にある(例えば、特許文献1〜4等参照)。
特許文献1には、PCBで汚染されたトランスを無害化処理する実用的な方法が記載されている。この方法は、油抜きしたトランスは、PCB濃度の低いトランスはそのまま乾燥工程へ送るが、PCB濃度の高いトランスは洗浄工程で洗浄処理後、乾燥工程へ送る。乾燥工程で乾燥後、トランスはケースとトランスコアとに解体される。解体後、PCB濃度の低いトランスについては、ケースは電炉、転炉のスクラップ原料にされ、トランスコアは、銅線を切断して鉄芯と分離し、鉄芯はケースと同じく電炉、転炉のスクラップ原料にする。銅線は溶融炉で溶融し、排ガスは熱分解により処理する等の技術である。
また、特許文献2には、少なくとも破砕手段、洗浄手段および乾燥手段が外気から隔離した管理空間の内部に配置されているPCB付着電気機器のリサイクルシステムが記載されている。
また、特許文献3には、PCBを含む絶縁油を使用した配電用柱上変圧器から絶縁油を吸引又は滴下抜油した後、水で洗浄し、更に炭化水素系溶剤で洗浄する配電用柱上変圧器の無害化処理方法が記載されている。
さらに、特許文献4には、トランスの絶縁油を抜き取ってその内部を粗洗浄し、真空下で加熱を行い、続いてトランスを解体し、PCBに汚染された有機廃棄物を他の構成材から分離して取り出し、取り出した有機廃棄物を水熱分解処理または超臨界水熱処理するPCBの処理方法が記載されている。
しかし、PCB含有機器の構成部材の無害化処理には、以下に示す問題点が残されている。例えば、変圧器は、ケースおよびコアと呼ばれる鉄芯とコイルから構成されており、コイルの構成部材のリサイクルに当たってPCB油の付着したコイルを焼却すると、絶縁油から有毒ガスを発生し大気汚染の原因となる。PCB油の付着したコイルを焼却することなくそのリサイクルを行うためにはコイルからPCB油を除去するため洗浄作業または真空加熱脱気する必要がある。しかし、コイルには、その内部にまでPCB油が浸透した状態にあるため、変圧器をそのまま洗浄または真空加熱脱気してもPCB油を完全に除去することは困難である。また、コアからPCB油を完全に除去するためには、まず鉄芯とコイルとを分離する解体作業を行って鉄芯およびコイルをそれぞれ個別に洗浄または真空加熱脱気の処理を行う必要がある。
また、変圧器は、ケース、ボルト・ナット等の金属、アルミナ、碍子、電線、鉄芯、コイル等、様々な部品から構成されており、これらの部品についてもそれぞれ個別に洗浄または真空加熱脱気等の処理を行う必要がある。このため、変圧器の構成部品のリサイクルを行うに当たっては、変圧器を前述の各構成部品に解体・分別する必要がある。
とりわけ変圧器を鉄芯とコイルとに分離する解体作業を行うことが必要であるが、変圧器の解体作業の全てを手作業で行うと作業者がPCB油により汚染され、作業時間が膨大になり、作業者への負担やコストが大きいなどの不都合がある。特にPCB油が含まれているので、変圧器の解体作業がさらに困難となり、PCB油が使用された変圧器の構成部材のリサイクルは従来実施されず、ただ保管され続けていた。
特開平9−79531号公報 特開2000−140817号公報 特開2001−246014号公報 特開2002−143825号公報
本発明は、作業員がPCB雰囲気下で作業することなく、PCB混入絶縁油を含有する変圧器を安全に解体し、解体した部品を部材に分別し、各部材をリサイクル資源化できる変圧器の無害化処理方法を提供することを目的とする。
変圧器類に使用される絶縁油中のPCB濃度は、高圧トランス用では、PCBが約60%、トリクロロベンゼン約40%であるが、柱上トランス用では数十ppm以下である。この事実をもとに、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、高濃度PCB油の処理は低濃度PCB油の処理とは異なった方法で行うことが可能であり、しかもその方が合理的で低コストで処理できるとの知見を得た。本発明はこのような知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)PCB混入絶縁油を含有する変圧器を分別解体し、多段洗浄により各部材を無害化して再資源化する変圧器の無害化処理方法であって、
(a)PCB混入絶縁油を含有する変圧器からPCB混入絶縁油を油抜きする工程、
(b)油抜きされた変圧器内に洗浄溶剤を導入して循環し、残存PCB混入絶縁油を洗浄除去する工程、
(c)変圧器を洗浄装置に入る大きさに粗解体する工程、
(d)粗解体された解体単位で一次洗浄する工程、
(e)前記解体単位を、ケース、金属、アルミナ、碍子、電線、コア、木、パッキン、およびその他の部材にそれぞれ分別解体する工程、
(f)前記コアを鉄芯とコイルに分別解体する工程、
(g)前記コイルを前記電線とともに破砕し、比重選別機で銅を紙から分別する工程、
(h)分別された各部材を二次洗浄する工程、および、
(i)前記二次洗浄の後、ケース、金属、アルミナ、碍子、鉄芯、および銅からなる群から選ばれる部材を少なくとも1つ洗浄して洗浄度を判定する工程
を含んでなることを特徴とする変圧器の無害化処理方法、
(2)前記(a)〜(i)の工程を有し、さらに、
(j)前記洗浄度を判定する工程(i)の後、出荷するか、または、洗浄装置に戻し前記二次洗浄工程以降を繰返し実施するかを判定するために判定洗浄液の分析を行う間、各部材を保管する判定待ち保管工程、
(k)各部材をコンテナに入れ替え、払出保管庫に収納する払出・保管工程、および、
(l)各部材を前記払出保管庫から払い出す出荷工程
を含んでなることを特徴とする(1)項記載の変圧器の無害化処理方法、
(3)前記工程(g)で分別された紙を破砕して、二次洗浄し、溶出試験により払い出しの合否の判定を行い、合格であれば出荷し、不合格であれば該二次洗浄以降の工程を繰り返し実施することを特徴とする(1)または(2)記載の変圧器の無害化処理方法、
(4)前記の各部材を、識別子が付与された搬送容器に各部材毎に収納し、搬送容器に付与された識別子の情報と管理システムの処理予約登録とを照合し、前記の各工程間または各処理間を自動搬送機により搬送することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の変圧器の無害化処理方法、
(5)前記の各洗浄工程において、第2石油類又は第3石油類の炭化水素系洗浄剤や有機溶剤を使用して洗浄を行い、使用後の洗浄剤を蒸留再生装置により浄化してPCB混入絶縁油を分離回収し、洗浄剤を繰返し使用することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の変圧器の無害化処理方法、
(6)前記の各工程に用いられる各処理装置の開口部をフードで囲い、フード内を負圧吸引し、活性炭フィルターを経由して雰囲気循環することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の変圧器の無害化処理方法、
(7)前記の各工程のうち排気が発生する工程において、凝縮装置、局所排気吸引装置及び活性炭フィルターを用いて、PCB蒸気含有量を環境規制値未満の濃度に低減して排気することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の変圧器の無害化処理方法、および、
(8)前記の洗浄装置または蒸留再生装置が、PCB漏洩検知装置およびオイルパンを備え、該各装置を減圧下にて運転することを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の変圧器の無害化処理方法
を提供するものである。
本発明の工程要素は、PCBそのものを除去することを第一義とするが、除去の過程にあって、工程の合理性、作業の容易さ、作業員の安全性の高さ、設備からの有害物蒸散の防止、排気の処理、安全な溶剤の適用、溶剤の回収、低ランニングコスト、臭い等周辺環境への配慮、十分な処理能力、搬送その他処理の自動化、部材の再資源化、再資源化によるコストの回収等あらゆる面に高い配慮がなされており、長年来保管を余儀なくされてきた、PCB含有絶縁油変圧器を処理し、産業廃棄物として、また有価物である金属、銅、碍子等をリサイクルする有効な方法である。
すなわち、本発明の方法は、高濃度PCB含有絶縁油が使用されていた変圧器を、低コストで安全に無害化することができ、部品を構成する部材をリサイクル資源化することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
前述したように、変圧器は、ケース(容器)、金属(本発明においては、ボルト・ナット等を含めるものであって、アルミナ、電線、鉄芯および銅は除かれる)、アルミナ、碍子、電線、鉄芯、コイル、紙、木(プレスボードを含める)、パッキン等、様々な部品から構成されている。本発明の方法は、これらの部品・部材に分別解体し、それぞれ洗浄して無害化し、各部材をリサイクル資源化するものである。
図2は、本発明の方法で処理することのできる変圧器の一例を示す縦断面図である。
変圧器21は炭素鋼鈑などで作られる角容器型のケース1と、ケース1内に収納されるコイル7と金属2と木9、コイル7を貫通する鉄芯6、ケース1に収納される活性アルミナ3、ケース1を貫通する碍子4、碍子4とコイル7を接続する電線5、ケース1の上板と筐体を封じるパッキン10、コイル7の銅を覆う紙8、さらにケース1内には電気絶縁油用および冷却用の絶縁油であるPCB油11が充填されている。これらの部品の解体、部材への分別・洗浄は、下記に示す工程により行われる。
本発明の好ましい一実施態様のフローチャート図を図1に示す。図1に示すように、本発明においては、PCB含有変圧器21は以下の工程を含む工程で処理されることが好ましい。
(1)油抜き工程22、
(2)浸漬・循環洗浄工程23、
(3)粗解体工程24、
(4)一次洗浄工程25、
(5)コア解体工程26
(6)碍子解体工程27
(7)コア切断/解体工程28
(8)二次洗浄工程29、
(9)判定洗浄工程30、
(10)判定待ち保管工程31、
(11)部材毎払出保管工程32、
(12)部材毎出荷工程33、および、
(13)排気処理工程(図示せず)
これらの工程の他に、洗浄剤の再生工程、紙、木、パッキン等を処理する工程、PCB油の無害化処理工程を含むことが好ましい。
上記の(1)油抜き工程から(3)粗解体工程までの各工程のそれぞれは、ボックス化され、あるいはフード化され、外気と作業雰囲気とを遮断できるようにされていることが好ましい。(2)と(4)の洗浄で大部分のPCBを除去することにより、(5)〜(7)の解体・分別工程での作業環境を基準値以下に維持できるようにしている。また、(1)油抜き工程から(11)部材毎払出保管工程内での搬送容器あるいはバスケット等は識別番号が付与され、管理システムに登録された状態にあり、(1)油抜き工程から(11)部材毎払出保管工程までは、管理システムの制御下で各工程の搬送および作業が行われる。
以下、図1を参照して、本発明の好ましい工程の概要を説明する。
(1)油抜き工程22
保管場所より、変圧器21は受け入れられ、受入処理が行われる。トラックが荷受室に進入し、指定場所に停車すると専用移載ハンドが取り付けられた天井クレーン等で、荷降しをし、受入装置指定位置に載置された空パレットに積載する。変圧器21には、搬入された変圧器を識別できるバーコード等が付与されており、バーコード等を専用端末で読取り、管理システムに受入情報を入力する。変圧器の識別は、バーコードにこだわることはなく、変圧器が識別できるのに必要桁数を備えた、穿孔コード、2進コード、数値コード、記号コード等のものであればよい。また、識別番号の付与は、受入時にこだわるものではなく、適宜必要な時期に付与すればよい。
油抜き工程22は、局所排気装置が設置されると共に雰囲気が気流制御され、作業環境が清浄化されている場所で、常法により穴をあけ、油抜きする。変圧器のハンドホール等を利用して、極力PCB開放面積を小さくすることで、PCB雰囲気の漏出の可能性を低減する。抜出されたPCB油11は脱塩素化処理工程34へ送られ、無害な油などに処理される。本発明においては、PCB油の無害化(脱塩素化)処理は、任意の公知の方法で行うことができる。
(2)浸漬・循環洗浄工程23
油抜きの後、PCBの曝露の可能性を低減するために洗浄溶剤を変圧器内に導入・循環しPCBを除去する。まず、変圧器内に洗浄溶剤を注液して、油抜きで抜ききれなかった残油(5%程度)を希釈すると共に、所定時間静置することにより変圧器内面及び内部構造物に付着しているPCB油を洗浄溶剤に移行させて除去する。所定時間経過後、洗浄溶剤を抜き出す。次いで、再度洗浄溶剤を内部構造部材が没するように注液した後、外部に設置している循環ポンプを使用して注液して洗浄溶剤を循環させ、内部構造物に付着・含浸しているPCB油を洗浄溶剤に移行させる。所定時間循環させた後、洗浄溶剤を抜き取る。洗浄溶剤は、後述する一次洗浄工程で用いられるものを用いることができる。
(3)粗解体工程24
変圧器からPCB油を油抜きし、浸漬・循環工程の完了した変圧器は、内部空気を所定時間吸引することにより乾燥される。変圧器は乾燥された後、次工程の一次洗浄で使用されるバスケットに入る大きさに常法により解体される。変圧器がそのままバスケットに入る場合は、ケースとコアに解体するだけでバスケットに収納して次工程に移る。変圧器がバスケットより大きい場合は、ケースとコアに大別した後、それぞれをバスケットに入る大きさまで更に解体する。ケース、コアのそれぞれの搬送容器は、一次洗浄工程に送られ、洗浄される。これらの分別された部材の入った搬送容器等には、分別された部材ごとに適宜バーコード等により識別番号が付与され、管理システムに入力され、管理システムの制御下、搬送容器等毎に、ローラーコンベア等の自動搬送機でそれぞれの工程に搬送される。識別番号は、搬送容器等が使われる前、部材が投入された時点当で、必要に応じ付与すればよい。
(4)一次洗浄工程25
粗解体された解体単位は一次洗浄工程で、管理システムの制御下で、自動的に搬送され、洗浄される。洗浄は、減圧下で蒸気洗浄、浸漬洗浄、超音波洗浄、減圧の単位工程を管理システムの制御下で任意の順序・時間を組み合わせることで、部材の特性に合った効率的な洗浄を行う。例えば、特願2004−73936号明細書に記載された多段洗浄方法により行うことができる。
具体的には、浸漬洗浄とは、洗浄槽中に溜められた洗浄液中に対象物を所定時間浸漬させることにより、PCB等の汚染物を溶解除去する方法である。浸漬洗浄では、洗浄槽に供給された洗浄液(溶剤)が用いられる。洗浄液(溶剤)については、炭化水素系の洗浄液(例えばノルマルパラフィン系洗浄液など)の中から洗浄対象物の汚染度や除去するPCBの種類等にあった洗浄液を選択することができる。浸漬洗浄手段には、洗浄槽および回収したPCBを含む溶剤を再生する装置(例えば溶剤洗浄装置と蒸留装置)を備えていることが好ましい。溶剤再生装置を備えることで、新たな溶剤の使用量(補給する溶剤量)を減らすことができる。また、溶剤再生装置は洗浄槽よりも低い位置に設置することが好ましい。このような配置とすることにより洗浄槽から液を抜く際に重力によって溶剤を溶剤再生装置に流下させることができ、ポンプなどの機器を省略することができる。除染効率の点からは、この浸漬洗浄中にバスケット中の洗浄対象物に対して超音波を照射して洗浄効果を高めることが好ましい。
蒸気洗浄について説明する。まず洗浄槽中に洗浄液を蒸発させた蒸気を導入する。この際、洗浄対象物の温度を蒸気の凝縮温度以下とすることにより、洗浄対象物上で洗浄液の蒸気が凝縮する。この凝縮液により対象物表面に付着したPCB等の汚染物を溶解除去する方法を蒸気洗浄という。凝縮時には、蒸気が保有している凝縮潜熱を対象物に移動させる効果があるため、対象物を加熱する効果をもあわせ持つ。
蒸気洗浄手段は、浸漬洗浄から直接洗浄槽へ洗浄液を流入させる手段に加えて、蒸発気化させた洗浄液を洗浄槽へ流入させる手段を有する。洗浄液を蒸発させ、気化させるのに必要な熱量を供給するための蒸気発生手段(蒸気発生器等)が浸漬洗浄から洗浄槽への配管の途中に設置されている。蒸気発生器に供給される熱源は、水蒸気や加熱油などの熱媒体を適宜使用することができる。
減圧は、洗浄槽内部を減圧するために用いられる。真空ポンプは使用する条件(洗浄液に対するポンプの耐性、必要とする真空度等)を満足するポンプを適宜選択することができる。また、より効率的に必要とする真空度に達するように、複数台の真空ポンプを利用することが好ましい。減圧の前後には、気体の洗浄溶剤(洗浄液)を冷却するための冷却器が設置されていることが好ましい。冷却器により液化した溶剤やPCBを溶剤再生装置に送り溶剤を再生利用することができ、また、気体状のPCB量を減少させることにより、後段の排気処理への負荷を低減することができる。
洗浄工程で使用される洗浄溶剤は、第2石油類あるいは、第3石油類から選ばれる炭化水素系洗浄剤や有機溶剤から選ばれる1種類あるいは複数の混合液で十分であり、適宜再生利用性および経済性を考慮して選ばれる。なお、使用後の洗浄剤は、大気圧又は減圧蒸留再生装置などの溶剤再生装置により浄化してPCB混入絶縁油を分離回収し、洗浄剤を繰返し使用・再生利用することができる。
洗浄工程では、好ましくは
a.第1原液による洗浄
b.第1原液による蒸気洗浄
c.第2原液による洗浄
d.第2原液による蒸気洗浄
e.減圧
が行われ、必要に応じてa.〜e.を繰り返して行うこととなる。
洗浄には、第2石油類又は第3石油類から選ばれる炭化水素系洗浄剤や有機溶剤の1種あるいは複数の混合液を洗浄原液として用いる。洗浄機では、先ず第1原液(例えば、NS220P(商品名、(株)ジャパンエナジー製))を洗浄槽に導入し、減圧浸漬洗浄を行う。減圧浸漬洗浄では超音波洗浄を併用し、減圧装置との相乗によって脱気超音波洗浄を行う。鉄芯板を高速で振動させることで表面からの絶縁油の脱着を促進し、かつ振動による流れによって脱着したPCB油を速やかに溶剤中へと拡散させる効果により、洗浄力を高め、絶縁油除去を促進している。第1原液による浸漬洗浄の次には蒸気洗浄を行う。第1原液を蒸発器に導入し、例えば10kPaの減圧下で溶剤(第1原液)を、熱交換器によってスチームで加熱することによって、溶剤を低温で沸騰させ、溶剤蒸気を継続的に発生させ、これを配管によって、洗浄槽に導入し鉄芯板を洗浄・加熱(以下、減圧蒸気洗浄と呼称する)する。
第1原液による浸漬洗浄の次には、より清浄な第2原液(例えば、NS220P(商品名、(株)ジャパンエナジー製))によりリンス洗浄を行う。この洗浄も前記と同様に行われる。
第2原液の浸漬洗浄後は、第2原液洗浄液を原液タンクに戻し、洗浄槽を空状態にした後、第2原液を蒸発器に導入し、蒸気洗浄を行い鉄芯板、洗浄槽壁、付着液体を約135℃まで加熱し、約10分間保持する。この時、洗浄槽内は40〜140Torr(5320〜18620Pa)程度となるように諸条件を設定しておく。
時間制御によって蒸気洗浄が終了した後は、真空ポンプの入口弁を開放し、真空吸引することによって槽内真空度を高め、表面付着液体を過飽和状態とし、再蒸発を発生せしめ、この物理現象によって、鉄芯、バスケット、槽内壁等を乾燥させ、板状体洗浄を完成させる。洗浄剤は、第2石油類あるいは、第3石油類から選ばれる炭化水素系洗浄剤や有機溶剤から選ばれる1種類あるいは数種類の混合剤で十分であり、適宜再生利用性および経済性を考慮して選ばれる。
(5)コア解体工程26
前記の解体単位を常法により、ケース1、金属2、アルミナ3、碍子4、電線5、コア、木(プレスボードを含む)9、パッキン10、およびその他の部材の部材単位に分別解体する。コア解体は任意の方法により行うことができる。
(6)碍子解体工程27
碍子4については碍子の中心を貫通するケーブルがエポキシ樹脂で固定されているので、これを効率的に除去し、碍子部品4(以下、単に碍子という)と電線5とに分別解体する。碍子4の解体は任意の方法により行うことができる。
(7)コア切断/解体工程28
コアは、コア切断/解体工程28に搬送され、更に解体が行われる。コアは、薄板珪素鋼板が多数枚積層された鉄芯6と、絶縁紙やオイルダクト(割り箸様の木、波板等)を挟んで巻回された、一次・二次のコイル7(銅線:絶縁紙、オイルダクト、巻線から構成されるものをコイルと呼称する。)とが相互に鎖状に組み合わされて構成されている。
解体するためには、鉄芯6かコイル7のいずれか一方を切断するが、鉄芯は積層方法が複数種類に渡り、切断個所によっては切断すると後工程に不都合を生じる可能性があるため、本発明ではコイルを切断する方法が好ましい。
コアには内鉄型、外鉄型等があり、いずれも切断歯に対しては鉄芯の積層面が前後に対面し、コイルの上下端が上下となるような位置関係にセットし、切断歯によって切断・解体する。解体されたコイル7は、作業場で手作業によって、オイルダクトが分別される。しかし、紙・木の最終処理形態によっては、特に分別しなくても後工程への影響は無い。
コアの解体は任意の方法により行うことができるが、例えば、特開2003−217956号公報に記載された変圧器の解体方法により行うことができる。具体的には、変圧器の鉄芯からコイルを分離する方法として、電動鋸などで鉄芯を側面部に当てて位置決めし、鉄芯に巻回しされているコイルを切断して分離する方法が好ましい。
解体分別された鉄芯6は必要に応じてさらに切断される。鉄芯切断では鉄芯のタイプ(ラップ巻、C型、巻鉄芯、積鉄芯等)によって最適切断場所を油圧切断歯で切断し、一鉄芯を半割2個とする。半割鉄芯は一個ずつ、湾曲矯正装置でほぼ直線状に矯正する。この工程では鉄芯を一枚ずつ高速で捌く動作を加えるため、隙間に付着PCB油の多くを洗浄等により、より多く除去できる特徴を有する。鉄芯の切断は任意の方法により行うことができるが、例えば、特開2003−285224号公報に記載された鉄芯切断方法により行うこともできる。具体的には、鉄芯をターンテーブル等に載置し、鉄芯の内部中空部に設置される中子(上下から押さえる)に対して切断刃をあてがい切断する方法が好ましい。
鉄芯6は、搬送容器等に入れられ、ケース等と同じく、後述の二次洗浄工程29へ送られる。
解体分別されたコイル7は、木(オイルダクト)を除去した後、搬送容器等に入れられ、洗浄される(工程35)。洗浄工程35に使用する洗浄溶剤は、上記一次洗浄工程25で用いられるものと同様である。該コイルを洗浄装置にて洗浄・乾燥する。洗浄方法は特に限定されず、例えば、特開2003−257759号公報に記載された変圧器の巻線処理方法により行うこともできる。具体的には、例えば、洗浄剤にはNS220P(商品名、(株)ジャパンエナジー製)を用い、浸漬洗浄1を12分、浸漬洗浄2を12分、蒸気洗浄を12分、減圧を10分行うことで洗浄できる。
その後、コイルは、上記一次洗浄工程25と同様な方法で洗浄(工程36)された洗浄済みの電線と混ぜられ、破砕され(工程37)、比重選別機により銅と紙に分別される(工程38)。具体的には、コイルを二軸破砕機、低速破砕機、高速破砕機より構成される破砕機で破砕処理し、比重選別機で銅線と絶縁紙に選別する方法が好ましい。破砕工程37では、コイルを破砕機で破砕し、砕片化すると同時に、一次・二次側導体を覆っている絶縁被覆、紙テープ等を効果的に剥離する。導体被覆は剥離しにくい性質があるため、段階的に複数の破砕機を組み合わせる(二軸破砕機、一軸破砕機、高速破砕機の三段の組合せが望ましい)場合は、一軸破砕機でのスクリーン径を20〜50mmとし、最終段の高速破砕機ではスクリーン径を約3mmとするのが好ましい。
コイルは前述したように、銅線・銅帯・銅板の他絶縁紙(クラフト紙)や絶縁布、オイルダクト、固定用糸など絶縁材や冷却用構造材等のPCB含浸性材料から構成されている。ここで、PCB含浸性材料とは、PCBが染み込んだ紙くず、木くず及び繊維くずをいう(なお、PCBが付着した金属くず等をPCB非含浸性材料という)。
破砕後のコイル砕片は定量フィーダーを経由して、比重選別機に投入し、紙・布・糸等を分離し、純度の高い銅を回収する(工程38)。比重選別機は細径穴パンチングメタルを使用したスクリーンを階段状に加工し、このスクリーンを楕円運動させることによって、昇段力を付与しながらスクリーン下側から送風し、軽比重の紙を分離するタイプのものが高い銅純度を与える。取出された銅は、後述の二次洗浄42および判定洗浄30を行う。パンチングメタル穴径は詰り防止、銅の高純度化に多大な影響が考えられるため、選定には十分な検討が必要であるが、直径0.8mmとすると詰りが少なく、銅純度も99.9質量%以上の良い結果が得られている。
搬送容器等には、分別された部材ごとに適宜バーコード等により識別番号が付与され、管理システムに入力され、管理システムの制御下、搬送容器等毎に、ローラーコンベア等の自動搬送機でそれぞれの工程に搬送される。識別番号は、搬送容器等が使われる前、部材が投入された時点等で、必要に応じ付与すればよい。
(8)二次洗浄工程29
各搬送用容器等に分別されたケース1、金属2、活性アルミナ3、碍子4、鉄芯6は、非含浸物二次洗浄工程29で、木9、パッキン10は、含浸物二次洗浄工程39で、管理システムの制御下で、自動的に搬送され、洗浄される。各洗浄方法および装置は一次洗浄工程25で用いられた方法及び装置と同様である。
木9・パッキン10・プレスボード及びその他の部材については、さらにPCBを低減化する必要がある場合は、二次洗浄工程39の後、破砕処理し、再洗浄する(工程40、41)。この際の破砕粒度を2mm程度とすることが好ましく、これにより洗浄後の部材中のPCB濃度をムラなく均一化できる。破砕した部材の洗浄は、例えば、特願2004−77219号明細書に記載された洗浄乾燥方法により行うことができる。具体的には、洗浄液を用いて上記破砕部材を洗浄し乾燥するカゴであって洗浄液の総蒸発熱以上の熱量を蓄熱しうる蓄熱材を設けた洗浄乾燥用カゴで洗浄することが好ましい。
例えば、各部材の二次洗浄の一例を挙げると以下のようになる。ケース、金属、及び碍子についてはそれぞれ、浸漬洗浄1を10分、蒸気洗浄を10分、浸漬洗浄2を10分、蒸気洗浄を30分、減圧を120分行う。木・パッキン・プレスボード及びその他の部材については浸漬洗浄1を20分、浸漬洗浄2を20分、減圧を40分行い、さらに浸漬洗浄1を10分、浸漬洗浄2を10分、蒸気洗浄を15分、減圧を120分行う。各洗浄において洗浄剤は、例えば、NS220P(商品名、(株)ジャパンエナジー製)を用いることができる。
洗浄の終了したケース、金属、アルミナ、碍子、鉄芯(非含浸物二次洗浄工程29)の入った搬送容器等は、管理システムの制御下、自動的に洗浄判定工程30に搬送される。一方、含浸物二次洗浄工程39の洗浄の終了した木9(プレスボードを含む)、パッキン10等の部材は、法令値を下回るかを判定するための判定用の部材サンプリング後、判定待ち保管工程31に送られる。
また、比重選別機を経由し高純度で回収された銅は、PCB油を基準値以下(「特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」に示される基準値)まで除去する目的で、二次洗浄(工程42)を行う。二次洗浄工程42は他の部材と同様の洗浄機を用いることによって、搬送容器等に投入された部材は蒸気洗浄、浸漬洗浄、超音波洗浄、減圧が部材毎の適切に設定された時間、自動的かつ効果的に洗浄を行う。銅の二次洗浄は、例えば、洗浄剤としてNS220P(商品名、(株)ジャパンエナジー製)を用い、浸漬洗浄1を10分、蒸気洗浄を10分、浸漬洗浄2を10分、蒸気洗浄を30分、減圧を120分行うことでできる。
(9)判定洗浄工程30
洗浄後の各部材のうち、ケース1、金属2、アルミナ3、碍子4、鉄芯5、銅は部材毎に判定工程へ搬送され、判定洗浄機で判定洗浄される。判定洗浄工程30では、原液槽が1槽のみから構成される洗浄方法及び装置により、洗浄を行う。例えば、浸漬洗浄を30分、蒸気洗浄を30分、減圧を10分で洗浄を行うことができる。
判定洗浄後、判定液を採取し、GC−ECD(電子捕獲型検出器付ガスクロマトグラフィ分析計、例えばGC−14B(商品名、島津製作所製)によるPCB分析で法律基準値以内(「特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」に示される基準値)であるかどうかを判定する。具体的には、判定洗浄後、判定液を採取し、上記GC−14Bにより分析を行い、0.5mg−PCB/kg−判定液 未満であれば合格とすることができる。
判定洗浄後、各部材は判定待ち保管工程31へ送られ、保管庫で保管される。
また、前述の比重選別38で分離された紙8は破砕し(工程43)、バレルに収納して洗浄工程44で、洗浄する。洗浄後の紙は溶出試験等で払い出しの合否を行い合格であれば判定待ち保管工程31に移り、出荷され、不合格であれば洗浄工程44に戻し、以降の工程を繰り返し実施する。
(10)判定待ち保管工程31
判定洗浄後、判定液はガスクロマトグラフィなどの分析計で分析するが、分析時間が長いため、結果が出るまでの間搬送の渋滞を防ぐ目的で、判定待ち保管を行う。判定待ち保管工程31で保管されている各部材は、判定洗浄液の分析結果が合格(0.5mg−PCB/kg−判定液 未満)であれば払出保管工程へ搬送され、保管庫で保管し、傾転装置、パレタイザなどの出荷関連装置でコンテナ・パレット等に収納し随時出荷する。不合格であれば各洗浄装置工程に戻し、洗浄工程以降を繰返し実施する。
判定待ち保管工程の下流側には空気吸い込み口が設けられており、連続的に空気が吸い込まれている。空気の吸い込み量は、各工程の空気清浄度を監視しながら、管理システムの制御下に決定される。吸い込まれた空気は、密閉されたフードを通って、活性炭フィルターを経由し雰囲気循環される。
(11)部材毎払出・保管工程32
払出・保管工程32では、金属2、碍子4、鉄芯6、銅はバスケット反転装置にて専用コンテナへ部材を入替え、払出保管庫へ収納する。紙8、木9、パッキン10はバレルから吸引して専用コンテナへ部材を入替え、払出保管庫へ収納する。
(12)部材毎出荷工程33
出荷は予約管理システムからの払出指令に基づき、順次払出保管庫から部材・数量等要求に応じて払出し、トラックへ荷積みを行う。
(13)排気処理工程
排気処理工程は、油抜き、浸漬・循環洗浄、粗解体などの各工程における排気を処理する工程である(図示せず)。排気処理工程としては、前記の解体等の各工程における処理対象物をフード等に収納して、発生する排気をファンで吸引し活性炭処理して施設外へ排気する工程、または洗浄装置のような装置から圧送された排気を活性炭処理する工程などが挙げられる。前者は、排気をファンで吸引することでフード内が負圧に維持され、排気がフード外に漏洩することなく処理することができる。後者は、真空ポンプ等により排気が圧送されるが、気密性の高いダクトに排気を導入することで系外へ排気を漏洩させることなく排気処理することができる。
上記の工程により、作業員がPCB雰囲気下で作業することなく、PCB混入絶縁油を含有する変圧器を安全に解体し、解体した部品を部材に分別し、各部材をリサイクル資源化することができる。
前述の油抜きされたPCB油は溶剤再生装置によって分離されたPCB油とともに、工程内のタンクで一時保管し、PCB油処理工程の要求によりポンプ等で移送し、本発明には含まれない移送先の処理工程で分解処理し、無害化される。
上記の一連の処理工程において、各工程間あるいは処理間は、各部材毎にバスケットに収納しコンベヤで搬送し移載装置で洗浄装置との間で出し入れし、コンベヤは部材を収容したバスケットに付属するバーコードや符号装置の情報と管理システムの処理予約登録とを照合し、自動搬送を行う。
上記の一連の処理工程において、洗浄装置、判定洗浄装置は第2石油類又は第3石油類の炭化水素系洗浄剤や有機溶剤等を使用し、大気圧又は減圧蒸留再生装置を用いて汚れた洗浄剤を浄化し同時に洗浄剤で除去したPCB混入絶縁油を分離回収し、洗浄剤は繰返し使用する。また、受入保管、コンベヤ等搬送装置、コア解体装置、洗浄装置、破砕機、比重選別機、判定洗浄装置、判定待ち保管庫、等の処理装置のPCB蒸気が暴露される恐れのある部分をフードで囲い、あるいは局所排気装置を設置して、雰囲気を吸引し、オイルスクラバ、活性炭フィルターを経由して排気する。
上記の一連の処理工程における洗浄装置、判定洗浄装置、溶剤再生装置、オイルパン等の排気を発生する工程・場所において、冷水による凝縮装置と局所排気吸引装置及びオイルスクラバ、活性炭フィルターとでPCB蒸気含有量を低減し、排気する。また、上記の一連の処理工程における洗浄装置、蒸留再生装置においては、減圧運転とし、漏れの可能性を極小化し、漏れた場合でも、漏洩検知装置で早期に検出し警報を発する機構を付帯し、漏れがあっても各装置の最低部に装備したオイルパンでPCB混入絶縁油の、外部への拡散を防止する。
本発明の一つの実施の態様を示すフロー図である。 本発明の方法で処理される変圧器の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 ケース
2 金属
3 アルミナ
4 碍子
5 電線
6 鉄芯
7 コイル
8 紙
9 木
10 パッキン
11 PCB油
21 PCB含有変圧器
22 油抜き工程
23 浸漬・循環洗浄工程
24 粗解体工程
25 一次洗浄工程
26 コア解体工程
27 碍子解体工程
28 コア切断/解体工程
29 (非含浸物)二次洗浄工程
30 判定洗浄工程
31 判定待ち保管工程
32 部材毎払出保管工程
33 部材毎出荷工程
34 脱塩素化処理工程
35,36 洗浄工程
37 破砕工程
38 比重選別工程
39 (含浸物)二次洗浄工程
40 破砕工程
41 再洗浄工程
42 二次洗浄工程
43 破砕工程
44 洗浄工程

Claims (8)

  1. PCB混入絶縁油を含有する変圧器を分別解体し、多段洗浄により各部材を無害化して再資源化する変圧器の無害化処理方法であって、
    (a)PCB混入絶縁油を含有する変圧器からPCB混入絶縁油を油抜きする工程、
    (b)油抜きされた変圧器内に洗浄溶剤を導入して循環し、残存PCB混入絶縁油を洗浄除去する工程、
    (c)変圧器を洗浄装置に入る大きさに粗解体する工程、
    (d)粗解体された解体単位で一次洗浄する工程、
    (e)前記解体単位を、ケース、金属、アルミナ、碍子、電線、コア、木、パッキン、およびその他の部材にそれぞれ分別解体する工程、
    (f)前記コアを鉄芯とコイルに分別解体する工程、
    (g)前記コイルを前記電線とともに破砕し、比重選別機で銅を紙から分別する工程、
    (h)分別された各部材を二次洗浄する工程、および、
    (i)前記二次洗浄の後、ケース、金属、アルミナ、碍子、鉄芯、および銅からなる群から選ばれる部材を少なくとも1つ洗浄して洗浄度を判定する工程
    を含んでなることを特徴とする変圧器の無害化処理方法。
  2. 前記(a)〜(i)の工程を有し、さらに、
    (j)前記洗浄度を判定する工程(i)の後、出荷するか、または、洗浄装置に戻し前記二次洗浄工程以降を繰返し実施するかを判定するために判定洗浄液の分析を行う間、各部材を保管する判定待ち保管工程、
    (k)各部材をコンテナに入れ替え、払出保管庫に収納する払出・保管工程、および、
    (l)各部材を前記払出保管庫から払い出す出荷工程
    を含んでなることを特徴とする請求項1記載の変圧器の無害化処理方法。
  3. 前記工程(g)で分別された紙を破砕して、二次洗浄し、溶出試験により払い出しの合否の判定を行い、合格であれば出荷し、不合格であれば該二次洗浄以降の工程を繰り返し実施することを特徴とする請求項1または2記載の変圧器の無害化処理方法。
  4. 前記の各部材を、識別子が付与された搬送容器に各部材毎に収納し、搬送容器に付与された識別子の情報と管理システムの処理予約登録とを照合し、前記の各工程間または各処理間を自動搬送機により搬送することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の変圧器の無害化処理方法。
  5. 前記の各洗浄工程において、第2石油類又は第3石油類の炭化水素系洗浄剤や有機溶剤を使用して洗浄を行い、使用後の洗浄剤を蒸留再生装置により浄化してPCB混入絶縁油を分離回収し、洗浄剤を繰返し使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の変圧器の無害化処理方法。
  6. 前記の各工程に用いられる各処理装置の開口部をフードで囲い、フード内を負圧吸引し、活性炭フィルターを経由して雰囲気循環することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の変圧器の無害化処理方法。
  7. 前記の各工程のうち排気が発生する工程において、凝縮装置、局所排気吸引装置及び活性炭フィルターを用いて、PCB蒸気含有量を環境規制値未満の濃度に低減して排気することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の変圧器の無害化処理方法。
  8. 前記の洗浄装置または蒸留再生装置が、PCB漏洩検知装置およびオイルパンを備え、該各装置を減圧下にて運転することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の変圧器の無害化処理方法。
JP2005166057A 2005-06-06 2005-06-06 Pcb混入絶縁油を含有する変圧器の無害化処理方法 Pending JP2006334572A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005166057A JP2006334572A (ja) 2005-06-06 2005-06-06 Pcb混入絶縁油を含有する変圧器の無害化処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005166057A JP2006334572A (ja) 2005-06-06 2005-06-06 Pcb混入絶縁油を含有する変圧器の無害化処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006334572A true JP2006334572A (ja) 2006-12-14

Family

ID=37555560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005166057A Pending JP2006334572A (ja) 2005-06-06 2005-06-06 Pcb混入絶縁油を含有する変圧器の無害化処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006334572A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101013598B1 (ko) * 2008-08-11 2011-02-14 주식회사 에스에이치산업 피시비함유 폐 변압기의 처리장치 및 처리방법
JP2012232237A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Zero Japan Kk トランスコア用鉄心の処理方法
JP2013094728A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Pcb汚染フィルム素子の処理装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000140817A (ja) * 1998-11-04 2000-05-23 Tohoku Electric Power Co Inc Pcb付着電気機器のリサイクルシステムおよび有価物のリサイクル製造方法
JP2001246014A (ja) * 2000-03-03 2001-09-11 Kansai Tech Corp 配電用柱上変圧器の無害化処理方法及び装置
JP2001278408A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 解体用搬送台車及びそれを用いた解体処理プラント
JP2003053316A (ja) * 2001-08-21 2003-02-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 有害物質処理システム
JP2003117517A (ja) * 2001-10-11 2003-04-22 Nippon Steel Corp Pcb汚染物の処理方法
JP2003285041A (ja) * 2002-01-22 2003-10-07 Shinko Pantec Co Ltd Pcb汚染物の処理方法
JP2003315326A (ja) * 2002-04-24 2003-11-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 有害物質分析方法
JP2003318050A (ja) * 2002-04-22 2003-11-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 大型トランスの処理方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000140817A (ja) * 1998-11-04 2000-05-23 Tohoku Electric Power Co Inc Pcb付着電気機器のリサイクルシステムおよび有価物のリサイクル製造方法
JP2001246014A (ja) * 2000-03-03 2001-09-11 Kansai Tech Corp 配電用柱上変圧器の無害化処理方法及び装置
JP2001278408A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 解体用搬送台車及びそれを用いた解体処理プラント
JP2003053316A (ja) * 2001-08-21 2003-02-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 有害物質処理システム
JP2003117517A (ja) * 2001-10-11 2003-04-22 Nippon Steel Corp Pcb汚染物の処理方法
JP2003285041A (ja) * 2002-01-22 2003-10-07 Shinko Pantec Co Ltd Pcb汚染物の処理方法
JP2003318050A (ja) * 2002-04-22 2003-11-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 大型トランスの処理方法
JP2003315326A (ja) * 2002-04-24 2003-11-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 有害物質分析方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101013598B1 (ko) * 2008-08-11 2011-02-14 주식회사 에스에이치산업 피시비함유 폐 변압기의 처리장치 및 처리방법
JP2012232237A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Zero Japan Kk トランスコア用鉄心の処理方法
JP2013094728A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Pcb汚染フィルム素子の処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6031406B2 (ja) Pcb廃棄物処理施設の解体撤去方法
JP5199851B2 (ja) 紙素子からのイソプロピルアルコールの除去装置
JP3766623B2 (ja) Pcb汚染物の処理方法
JP2006334572A (ja) Pcb混入絶縁油を含有する変圧器の無害化処理方法
JP3777941B2 (ja) 配電用柱上変圧器ケースの無害化処理方法
JP2002248455A (ja) 有害物質処理システム及びpcb処理方法
JP2006289288A (ja) Pcb混入絶縁油を含有する柱上変圧器の無害化処理方法
JP2000140817A (ja) Pcb付着電気機器のリサイクルシステムおよび有価物のリサイクル製造方法
JP3762329B2 (ja) Pcb汚染物の処理方法
JP4898507B2 (ja) 微量pcb汚染電気機器のpcb除去方法
JP4733525B2 (ja) Pcb廃棄物の処理方法
JP2017164687A (ja) Pcb汚染機器解体方法
JP2002370073A (ja) 洗浄装置
JP2005261993A (ja) Pcb汚染物の処理システム及び方法
JPH04188711A (ja) 再生油使用変圧器の除染方法及び除染装置
JP4402990B2 (ja) 含浸性物質の洗浄乾燥方法及びこれに用いる洗浄乾燥用かご
JP2012232277A (ja) Pcb汚染廃電気機器の処理装置
JP2005040691A (ja) 軽質部材と重質部材との分別処理装置及びその方法
JP5839938B2 (ja) Pcb汚染フィルム素子の処理装置
JP2001179231A (ja) Pcb含有コンデンサの処理方法
JP4295565B2 (ja) 有害絶縁油の回収方法
JP5038640B2 (ja) Pcb廃棄物無害化処理設備
JP2002282812A (ja) Pcb汚染電気機器の無害化処理方法
JP2003318050A (ja) 大型トランスの処理方法
JP2003279542A (ja) 有害物質汚染物の処理卒業判定システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110104