JP2017164687A - Pcb汚染機器解体方法 - Google Patents

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Hiroki Oki
宏樹 沖
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和博 信太
俊二 鈴木
Shunji Suzuki
俊二 鈴木
廣和 深野
Hirokazu Fukano
廣和 深野
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Abstract

【課題】 PCBに汚染された機器を安全かつ効率的に解体するためのPCB汚染容器解体方法を提供すること。【解決手段】 内部がPCBに汚染された容器状の機器1を解体するためのPCB汚染機器解体方法であって、機器内のPCB濃度を1000ppm以下に低減するPCB低減工程と、機器1を密閉空間内に隔離する隔離工程と、外部と隔離された機器1を解体する解体工程と、で主に構成される。特に、PCB低減工程では気化溶剤抜油方法を用い、解体工程ではダイヤモンドワイヤーソーDを用いる。【選択図】 図5

Description

本発明は、内部がポリ塩化ビフェニル(以下、PCBという)に汚染された容器状の機器(設備、貯槽、保管容器等を含む、以下機器という)を解体するためのPCB汚染機器解体方法に関する。
ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、電気絶縁性が良好で、水には不溶であるが有機溶媒・油にはよく溶解するため、電気機器のトランス、コンデンサの絶縁油、接着剤、ワックス、潤滑油等に使用されてきた。しかし、PCBは、発癌性や皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常等、生体に対する毒性が高く、また、脂肪組織に蓄積しやすい性質があり、現在は製造が禁止されている。このため、PCBの製造が認められていた時期に生産され、使用されていた電気機器等は、そのままの状態で廃棄することはできず、PCBの除去作業が必要となる。従来、このようなPCBの除去には、汚染機器を洗浄槽に入れ、洗浄用の溶剤に浸漬したり、溶剤を気化し当該気化溶剤の雰囲気に晒したりして洗浄する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−145069
このような機器の中には、狭小な場所で保管されているために運び出しが行えないものがある。また、建物の構造上、保管場所からそのままでは運び出しができないものもある。更に、機器自体が大きく、解体しなければ運搬できないものや、PCB処理施設の受け入れ寸法を超えてしまうため、当該処理施設に運び入れができないものもある。
また、洗浄前の汚染機器は、周囲に汚染が広がらないよう、処理施設へ搬出される前は保管容器内に収納・保管されているものが多い。このような保管容器は、全国に6000以上ある。また、その他にも、過去にPCBを貯蔵していた貯槽が多数存在している。このような保管容器は廃棄物を長期間保管していることから、底部の液溜まりの他、容器内の気相の汚染、汚染気体との接触、凝縮に伴う天井及び側面の汚染など、全面的に汚染されている。また、保管容器の強度は、仮保管としての用途から、荷降ろし及び運搬等に耐えられないものがある。更に、保管容器の大きさは、大型の汚染機器を保管していることがあり、保管場所からの搬出、処理施設への搬入の際に、制限寸法を超えるものもある。
したがって、これらの容器を現場で単純に解体すると、PCBが直ちに空気中に拡散し、作業環境及び作業従事者に対してPCB汚染をもたらすという問題があった。
そこで本発明は、PCBに汚染された機器を安全かつ効率的に解体するためのPCB汚染容器解体方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のPCB汚染機器解体方法は、内部がPCBに汚染された容器状の機器を解体するための方法であって、前記機器内のPCB濃度を1000ppm以下、更に好ましくは、500ppm以下に低減するPCB低減工程と、前記機器を密閉空間内に隔離する隔離工程と、外部と隔離された前記機器を解体する解体工程と、を有することを特徴とする。
この場合、前記密閉空間は、外部の気圧より負圧にする方が好ましい。また、前記密閉空間は、外部からの入り口と密閉空間との間を隔離する中間隔離室を有するものである方が好ましい。
また、前記解体工程は、ダイヤモンドワイヤーソーを用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のPCB汚染機器解体方法。
また、PCB低減工程の前に、前記機器の内部に溜まっているPCB含有油を排出する抜油工程を有する方が好ましい。
また、前記PCB低減工程は、機器内のPCB含有油を溶剤に溶解して除去するものであって、前記溶剤を加熱して気化させる溶剤気化工程と、気化溶剤を前記機器の内側のみに供給する気化溶剤供給工程と、前記機器から液化した前記溶剤を回収する溶剤回収工程と、を有する気化溶剤循環抜油方法を用いることができる。この場合、前記溶剤気化工程及び前記気化溶剤供給工程は、前記密閉空間の気圧より低い圧力下で行う方が好ましい。
また、前記PCB低減工程の別の方法としては、前記PCB低減工程は、機器内のPCB含有油を溶剤に溶解して除去するものであって、前記機器の底部に、前記PCBを溶解可能な溶剤を供給し、前記PCBを溶解させて排出する溶剤洗浄工程と、前記溶剤排出工程の後に、界面活性剤を添加した水溶液を前記機器の内面に噴出し、前記PCBを排出する水溶液洗浄工程と、を有する水溶液噴射除去方法を用いることができる。この場合、前記溶剤排出工程は、前記容器の底部に予め溜まっていた油に含まれるPCBの濃度と比較して排出した溶剤に含まれるPCBの濃度が2%以下になるまで複数回繰り返す方が好ましい。
本発明のPCB汚染機器解体方法は、PCBに汚染された機器を安全かつ効率的に解体することができる。
本発明に係る抜油工程を示す概略斜視図である。 本発明に係る附属品取り外し工程を示す概略斜視図である。 本発明に係るPCB低減工程を示す概略斜視図である。 本発明に係る隔離工程を示す概略斜視図である。 本発明に係る解体工程を示す概略斜視図である。 気化溶剤循環抜油装置を示す概略構成図である。
本発明のPCB汚染機器解体方法について説明する。本発明のPCB汚染機器解体方法は、内部がPCBに汚染された容器状の機器を解体するためのものである。
ここでPCBとは、一般式C12(10−n)Cl(1≦n≦10)で表されるポリ塩化ビフェニルのことであり、ビフェニルの水素原子が塩素原子で置換された化合物の総称である。
また、容器状の機器1とは、PCBを使用するトランスやコンデンサ等の電気機器等を意味する。また、PCBに汚染されたこれらの機器を保管するための保管容器や、PCBを貯蔵するための貯蔵容器等、PCBで内面が汚染された容器状のものも含む。
PCB汚染機器解体方法の流れは、事前準備、抜油工程(図1)、附属品取り外し工程(図2)、抜油容器搬出工程、PCB低減工程(図3)、隔離工程(図4)、解体工程(図5)、解体機器搬出工程で主に構成される。
事前準備では、事前調査により現場を確認し、搬出計画を立てる。また、当該機器1の保管事業者による、防油堤やフェンスの除去、電気盤等の撤去作業およびマシンハッチの開口、機材搬入の準備を行う。これにより、機器1を効率的かつ経済的に搬出できるようにする。
抜油工程は、機器1の内部にPCB含有油が溜まっているか否かを確認し、PCB含有油が溜まっている場合には、図1に示すように、抜油装置Aを用いてPCB含有油を排出する抜油工程を行う。この際、機器1をジャッキで傾斜させることにより、可能な限り全量抜き取ることが好ましい。機器1内の底部まで残油を回収することにより、後に行うPCB低減工程においてPCBの低減をより効率的に行うことができる。
附属品取り外し工程では、図2に示すように、附属品19を事前に取り外し、後のPCB汚染機器解体工程を容易にする。当該作業は、グローブバックを用い、作業および周囲環境の保全を考慮する。
抜油容器搬出工程では、抜油工程で排出したPCB含有油をドラム缶等の抜油容器に貯留し、当該抜油容器を中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)の処理事業所へ搬出する。この際、抜油容器の保管場所の面積や消防法に適合した保管量を考慮して搬出する。
PCB低減工程は、図3に示すように、機器1内のPCB濃度を1000ppm以下、好ましくは500ppm以下に低減するためのものである。この際、機器1内のPCB濃度は、機器1内に供給し回収した溶剤に含まれる濃度を測定することにより判定する。溶剤に含まれるPCB濃度は、どのように測定しても良いが、例えば、回収した溶剤の屈折率や比重等の特性を測定することにより行えば良い。また、イムノクロマトのような生化学的分析方法を用いても良い。
当該工程は、作業および周辺環境の保全を考慮した上で、機器1内のPCB濃度を低減させることができればどのようなものでも良く、例えば、機器内に液体の溶剤を循環させる循環抜油方法、機器を溶剤に浸漬する浸漬抜油方法、水溶液を機器の内面に噴射して洗浄するシャワーリング洗浄方法、機器内に気化溶剤を循環させる気化溶剤循環抜油方法等がある。
このうち、気化溶剤循環抜油方法は、
(1)極小の場所であっても、使用する気化溶剤循環抜油装置の搬入や搬出、組立、操業が容易であること、
(2)使用する溶剤が少量であると共に、使用温度が低いので、消防法等の適用に制限されることがなく、どこでも使用可能であること、
(3)含浸物のコアまで抜油・洗浄ができるので、機器を細かく解体することが可能であり、その後の搬出が容易になること、
等の利点を有するため好ましい。
気化溶剤循環抜油方法は、機器1内のPCBを含有する油(PCB含有油)を溶剤に溶解して除去するためのものであって、溶剤を加熱して気化させる溶剤気化工程と、気化溶剤を機器1の内側のみに供給する気化溶剤供給工程と、機器1から溶剤を回収する溶剤回収工程と、で主に構成される。なお、溶剤気化工程で加熱する溶剤としては、溶剤回収工程で回収した溶剤を循環させて用いることもできる。
まず、気化溶剤循環抜油方法に用いる気化溶剤循環抜油装置Bについて説明する。図6に示すように、気化溶剤循環抜油装置Bは、機器1内のPCB含有油を溶剤によって除去するためのものであって、溶剤を加熱して気化させる蒸発器9と、蒸発器9と機器1とを接続し、気化溶剤を機器1の内側のみに供給する気化溶剤供給流路2と、機器1から溶剤を回収する溶剤回収流路3と、で主に構成される。
溶剤としては、機器1内のPCB含有油を除去でき、かつ当該油よりも沸点の低いものが好ましく、炭化水素系溶剤、ハロゲン系溶剤等を用いることができる。例えば、炭素数が8〜15のアルカン、アルケン、シクロアルカン又はアルケン系溶剤(特に、炭素数が11〜13のアルカンやアルケン系溶剤)や、炭素数が1〜12のハロゲン系溶剤を用いれば良い。具体的には、トランス容器等の機器1内のPCBを洗浄するために、NS−220(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)等を用いることができる。また、その他にも、水、水系溶剤、アルコール等を用いることも可能である。なお、本明細書中で、溶剤とは、機器1内の油と共に回収された溶剤も含まれる。
蒸発器9は、溶剤を加熱して気化させ、気化溶剤を生成するためのものであり、すでに公知の蒸発器を適宜選択すれば良い。また、蒸発器9は溶剤回収流路3と接続されており、機器1内から回収した油を含む溶剤を加熱することになるため、蒸留器としての機能も併せ持つ。したがって、加熱温度は、溶剤と油を蒸留可能な温度に設定することになる。これにより、再生する気化溶剤の純度を良好に保つことができ、後述する混合液回収流路で外部に抜く油濃度の高い溶剤相当量の新溶剤を補給するだけで継続的な循環運転が可能となる。溶剤を加熱するための熱源としては、電気ヒータを用いることができる。また、安全性の観点からは、蒸留器の表面温度は溶剤の発火温度以下に制御するのが好ましい。したがって、例えば、蒸発器9から離れた場所で水を電気ヒータ等で加熱して溶剤の発火温度未満の水蒸気を生成し、この水蒸気を蒸発器9の表面等に供給するスチームヒータを用いても良い。
また、蒸発器9は、溶剤を気化した際に気化溶剤に付随するミストを分離するミスト分離手段を有する方が好ましい。ミストに含まれる油が気化溶剤と共に再度機器1内へ戻るのを防止するためである。ミストの分離は、衝突分離方法、遠心力を利用する方法、濾過分離方法等、公知の方法を用いれば良い。
また、蒸発器9は、溶剤および油の混合液を回収槽41に排出するための混合液回収流路4を設けても良い。これにより、沸点差によって蒸発器9に残留した油の濃度が高い溶剤との混合液を外部に抜き出すことができる。
また、蒸発器9および機器1内を減圧する減圧手段5を設けても良い。減圧手段を設ければ、溶剤を低温で気化させることができる。また、装置内を外部より低圧にするので溶剤が外部に漏洩することがなく、溶剤への引火を防止することができる。減圧手段5としては、蒸発器9および機器1内を減圧できるものであればどのようなものでも良いが、例えば、蒸発器9、機器1、気化溶剤供給流路2のいずれかに減圧用流路51を介して接続される真空ポンプ52を用いれば良い。また、減圧用流路51には当該流路51を開閉するための減圧用開閉弁53が設けられており、減圧用開閉弁53を開閉することにより、蒸発器9および機器1の圧力を調節することができる。
また、図示しないが、機器1内の圧力を検出する圧力検出手段を設けても良い。これにより、機器1や蒸発器9等の内部が減圧されているか否かを予め確認することができる。また、圧力検出手段が検出した情報に基づいて減圧用開閉弁53を制御し、蒸発器9および機器1内の圧力を調節するようにしても良い。また、図示しないが、窒素等のイナートガスを供給できるイナートガス供給タンクと当該タンクと蒸発器9および機器1を接続するイナートガス供給流路と、イナートガス供給流路を開閉するためのイナートガス用開閉弁とを設けても良い。これにより、圧力検出手段が異常な圧力を検知した際に、気化溶剤循環抜油装置Bの運転を停止し、蒸発器9および機器1内にイナートガスを供給することができる。
また、機器1の耐圧性が低い場合には、図示しないが、機器1の外側に密閉空間を形成するための筐体と、当該密閉空間と機器1内の圧力差が小さくなるように調節する調圧手段と、を設けるようにしても良い。筐体は、外圧と内圧の圧力差に耐えられる耐圧性を有していればどのようなものでもよく、例えばステンレス等の金属性のものを用いることができる。また、筐体は、機器1の全部を内包するものでも、耐圧性の低い部分のみを内包するものでも良い。調圧手段としては、例えば筐体と上述した真空ポンプとを接続する調圧用流路と、当該流路を開閉する調圧用開閉弁とで構成すれば良い。
気化溶剤供給流路2は、蒸発器9と機器1とを接続し、蒸発器9で生成した気化溶剤を機器1の内側のみに供給するためのものである。また、気化溶剤供給流路2には、当該流路を開閉するための供給用開閉弁21が配置されている。気化溶剤供給流路2と機器1との接続は、機器1の上部で行うのが良い。また、機器1との接続部はシール部材等で気密に接続される。気化溶剤を機器1の内側のみに供給する理由は、機器1内を均一に洗浄するためである。すなわち、気化溶剤が機器1内に供給され、機器1内側に触れると気化溶剤が冷やされて凝縮し、当該部分の油を洗浄する。また、洗浄された部分は凝縮熱によって加熱される。これにより、機器1内において気化溶剤で洗浄された部分とそうでない部分とで温度分布が生じる。すると、洗浄が行われていないかあるいは洗浄が不十分である温度の低い部分では、供給された気化溶剤が凝縮し易くなるため、機器1内を均一に洗浄することができる。なお、従来のものは、洗浄槽内で機器1の内側と外側の両方を洗浄していたため、機器1内を均一に洗浄することはできない。
また、機器1の洗浄を促進したい所定部分の温度をそれ以外の部分より低く調節するための温調手段を設けるようにしても良い。上述したように、気化溶剤は温度の低い部分ほど凝縮し易くなるため、洗浄を促進したい部分を冷却するか、洗浄を促進したい部分を除くその他の部分を保温又は加熱すれば、機器1内を効果的に洗浄することができるからである。温調手段としては、例えば、洗浄したい部分を機器1の外部から冷却する冷却手段や、洗浄したい部分を除くその他の部分を機器1の外部から保温する保温材、洗浄したい部分を除くその他の部分を加熱する加熱手段を用いれば良い。冷却手段は、空冷や水冷等を任意に選択することができる。また、加熱手段も加熱できるものであればどのようなものでもよく、電気ヒータ等を用いれば良い。具体的には、例えばトランス用容器の場合、容器内のトランスのコア11は洗浄が難しい。したがって、トランス用容器のシェルやラジエータといった洗浄の容易な部分を保温することにより、洗浄の難しいコア11に溶剤を凝縮させ、PCB等の絶縁油を効果的に除去することできる。
溶剤回収流路3は、機器1から溶剤および洗浄された油を回収するためのものである。機器1との接続は、例えば機器1内で凝縮した溶剤が溢出し得る機器1の下部で行えば良い。また、溶剤回収流路3には、溶剤回収流路3を開閉する回収用開閉弁31が配置される。回収された油はそのまま廃棄することもできるが、溶剤回収流路3を蒸発器9と接続し循環させる方が好ましい。また、溶剤回収流路3には、回収した油を一時的に貯留する液抜槽32や、機器1内の溶剤を強制的に抜き出すギア式ポンプ(図示せず)等を設けても良い。
なお、溶剤および油の混合液を回収槽41に排出した場合、排出した分の溶剤を新たに供給する必要がある。これには、図示しないが、減圧下の系内に外部から供給することになる。供給する場所は、機器1、液抜槽32、蒸発器9、気化溶剤供給流路2、溶剤回収流路3のいずれから供給しても良いが、最も温度の低い液抜槽32から供給することが好ましい。
また、回収した溶剤の特性を検出する特性検出手段6を設けても良い。例えば、回収した溶剤の屈折率や比重等の特性を測定することにより、溶剤に含まれるPCB等の油の濃度を検出することができる。また、イムノクロマトのような生化学的分析方法を用いても良い。また、特性検出手段6が検出した情報に基づいて気化溶剤循環抜油装置Bの作動を停止するようにすることも可能である。また、PCB等を抜油する場合には、特性検出手段は、溶剤をグローブボックス内において安全に採取できる方が好ましい。
このように構成される気化溶剤循環抜油装置Bは、構成が簡単であるため、容易に分解・組立を行うことができる。また、機器1や作業現場等の状況に合わせて、気化溶剤供給流路2、溶剤回収流路3、混合液回収流路4、減圧手段5、特性検出手段6、蒸発器9等の配置を自由に変更することができるため、極小の場所でも設置や操業を容易に行うことができる。
次に、気化溶剤循環抜油方法を気化溶剤循環抜油装置Bの動作と共に説明する。気化溶剤循環抜油方法は、機器1内の油を溶剤に溶解して除去するためのものであって、溶剤を加熱して気化させる溶剤気化工程と、気化溶剤を前記機器1の内側のみに供給する気化溶剤供給工程と、前記機器1から前記溶剤を回収する溶剤回収工程と、で主に構成される。なお、溶剤気化工程で加熱する溶剤としては、溶剤回収工程で回収した溶剤を循環させて用いることができる。
溶剤気化工程では、蒸発器9内に溶剤を供給し、蒸発器9を加熱して溶剤を気化する。加熱は、電気ヒータで行っても、スチームヒータ等で水蒸気を用いて行っても良い。加熱する温度は、回収した溶剤から油と溶剤を蒸留によって分離できる温度や、発火温度等を考慮して適宜決定すれば良い。
また、溶剤気化工程では、溶剤を加熱する前に、減圧手段5を用いて蒸発器9内および機器1内を大気圧より低い圧力に減圧する方が好ましい。これにより、溶剤を低温で気化させることができる。また、蒸発器9内で気化した気化溶剤には、ミスト状の溶剤が含まれているため、これをミスト分離手段によって分離するのが好ましい。
気化溶剤供給工程は、供給用開閉弁21を開放し、蒸発器9内で生成した気化溶剤を機器1の内側のみに供給する。気化溶剤が機器1内に供給され、機器1内側に触れると気化溶剤が冷やされて凝縮し、当該部分の油を洗浄する。また、洗浄された部分は凝縮熱によって加熱される。これにより、機器1内において気化溶剤で洗浄された部分とそうでない部分とで温度分布が生じる。すると、洗浄が行われていないかあるいは洗浄が不十分である温度の低い部分では、供給された気化溶剤が凝縮し易くなり、機器1内を均一に洗浄することができる。
また、気化溶剤供給工程は、機器1のうち油を除去したい部分の温度をそれ以外の部分より低く調節しながら行うようにしても良い。上述したように、気化溶剤は温度の低い部分ほど凝縮し易くなるため、洗浄を促進したい部分を冷却するか、洗浄を促進したい部分を除くその他の部分を保温又は加熱すれば、機器1内を効果的に洗浄することができるからである。
なお、気化溶剤供給工程では、気化溶剤を機器1内に供給し内部の洗浄を行ううちに、機器1の温度が上昇する。すると、気化溶剤の凝縮する速度が遅くなる。したがって、機器1を冷却する冷却工程を設けても良い。冷却は、所定時間ごとに行ってもよいし、容器の温度が一定温度以上に達した際に行うようにしても良い。
溶剤回収工程では、前記機器1から抜油槽32に前記溶剤を回収する。溶剤の回収は、機器1からギア式ポンプ等で強制的に回収するものでも良いし、装置の運転休止時や冷却工程時に機器1内を常圧に戻すことによって自然に流して回収しても良い。
回収された溶剤は、蒸発器9に戻されて再加熱され、蒸留によって溶剤のみが気化される。したがって、蒸発器9には、油の濃度が高い溶剤との混合液が残留する。この混合液は、混合液回収流路4を介して回収槽41に回収される。
また、溶剤回収工程では、特性検出手段6を用いて回収した溶剤の特性を検出し、機器1の洗浄具合を確認したり、抜油を終了するための目安としたりすることもできる。
なお、PCB低減工程で用いる気化溶剤循環抜油装置B等の装置と機器との接続部分(排油弁や排気弁等)には、グローブバッグを取り付け、作業および周囲環境の保全を考慮する。
隔離工程は、図4に示すように、解体工程時における万が一の汚染に備えて、グリーンハウスCを設置し、機器をグリーンハウスCの密閉空間内に隔離する工程である。密閉空間内は、PCB処理施設におけるレベル3区域と同等の環境設定とする。当該密閉空間内は、汚染が外部に広がるのを防止するため、外部の気圧より負圧にすることが好ましい。また、図示しないが、外部と密閉空間内を作業員が出入りする際に、汚染が外部に広がるのを防止するため、外部からの入り口と密閉空間との間には、それぞれを隔離するための中間隔離室を有する方が好ましい。
解体工程は、隔離工程で外部と隔離された機器を所望の大きさに解体するものである。後に行う解体機器搬出工程において、解体した機器1aを搬出する際の出入り口やハッチの大きさ、エレベーターの大きさや積載重量等を考慮して、機器1を所望の大きさに解体する。解体方法は、機器1を所望の大きさに安全に解体できるものであればどのようなものでも良いが、好ましくはダイヤモンドワイヤーソーを用いるのが良い。ダイヤモンドワイヤーソーDは、切断面の温度上昇が少なくダイオキシン類の発生を防止することができるという利点がある。また、火花の発生等がないため引火の危険性がないという利点がある。更に、機材が小さく持ち運びに優れているため、狭小な空間でも切断を効率的に行うことができるという利点もある。
解体機器搬出工程は、解体後の機器を密閉容器Eに入れて保管場所から管轄PCB処理施設まで搬送するものである。解体した機器は、それぞれ鉄や銅などの金属類、紙類および木材など、材質ごとに区分し、密閉容器Eに収納する。密閉容器Eは、管轄PCB処理施設の処理工程である真空加熱分離装置に直接入れることができると共に、保管場所からの搬出可能な寸法にするのが好ましい。
A 抜油装置
B 気化溶剤循環抜油装置
C グリーンハウス
D ダイヤモンドワイヤーソー
E 密閉容器
1 機器
2 気化溶剤供給流路
3 溶剤回収流路
4 混合液回収流路
5 減圧手段
6 特性検出手段
9 蒸発器
11 コア
21 供給用開閉弁
31 回収用開閉弁
32 液抜槽
41 回収槽
51 減圧用流路
52 真空ポンプ
53 減圧用開閉弁

Claims (9)

  1. 内部がPCBに汚染された容器状の機器を解体するためのPCB汚染機器解体方法であって、
    前記機器内のPCB濃度を1000ppm以下に低減するPCB低減工程と、
    前記機器を密閉空間内に隔離する隔離工程と、
    外部と隔離された前記機器を解体する解体工程と、
    を有することを特徴とするPCB汚染機器解体方法。
  2. 前記密閉空間は、外部の気圧より負圧にすることを特徴とする請求項1記載のPCB汚染機器解体方法。
  3. 前記密閉空間は、外部からの入り口と密閉空間との間を隔離する中間隔離室を有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のPCB汚染機器解体方法。
  4. 前記解体工程は、ダイヤモンドワイヤーソーを用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のPCB汚染機器解体方法。
  5. PCB低減工程の前に、前記機器の内部に溜まっているPCB含有油を排出する抜油工程を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のPCB汚染機器解体方法。
  6. 前記PCB低減工程は、前記機器内のPCB濃度を500ppm以下に低減するものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のPCB汚染機器解体方法。
  7. 解体後の前記機器を密閉容器に入れて搬送する解体機器搬送工程を更に有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のPCB汚染機器解体方法。
  8. 前記PCB低減工程は、機器内のPCB含有油を溶剤に溶解して除去するものであって、
    前記溶剤を加熱して気化させる溶剤気化工程と、
    気化溶剤を前記機器の内側のみに供給する気化溶剤供給工程と、
    前記機器から液化した前記溶剤を回収する溶剤回収工程と、
    を有するものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のPCB汚染機器解体方法。
  9. 前記溶剤気化工程及び前記気化溶剤供給工程は、前記密閉空間の気圧より低い圧力下で行うことを特徴とする請求項8記載のPCB汚染機器解体方法。
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