JP2015136756A - ダイヤモンドワイヤーソー - Google Patents

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【課題】切削対象物の抵抗を滑らかな曲面が接するようにして切削ダイヤモンド層の破損を防ぎ、切削対象物と垂直面の接触による小刻みな振動及び騒音も防ぐことができ、摩耗を順次進行させ使用寿命を延長することができるダイヤモンドワイヤーソーを提供する。【解決手段】本発明のダイヤモンドワイヤーソー(1)は、芯のワイヤーロープ(2)に、シャンク(3)とコイル(6)が交互に挿入され、シャンク(3)のいずれかの表面に切削ダイヤモンド層(4)が形成されてビーズ(5)を構成しており、全体が樹脂層(7)で覆われており、シャンク(3)は円筒部(3a)と前方に向かって膨れた曲面形状部(3b)を含み、切削ダイヤモンド層(4)は曲面形状部(3b)の外表面に形成されており、樹脂層(7)はビーズ(5)の後ろに向かって直径が小さくなるよう形成されている。【選択図】図2

Description

本発明はダイヤモンドワイヤーソーに関する。
一般的に、コンクリート構造物の解体作業や、採石場で採石される石、あるいは川に架かる構造物の切断時などにおいて、迅速かつ切削面を均一にするためにワイヤーソーが使用されている。このような従来のワイヤーソー(100)は、図8のように、ダイヤモンドのチップ(103)が円筒状に形成されたシャンク(104)の外周に融着、電気メッキまたはロウ付け工程により固定装着されたビーズ(102)をワイヤー(101)の外周に一定の間隔で設置して、これらのワイヤー(101)を射出成形した樹脂によりビーズ(102)とワイヤー(101)を保護する。このように構成されたワイヤーソー(100)を切断対象物に掛けて回転装置により高速回転させて切削対象物を切断する。特許文献1には被覆樹脂として蛍光塗料を含む樹脂が提案されている。特許文献2にはワイヤー表面の研磨材が固定されるシャンクの本体部を2段以上に形成することが提案されている。
従来ワイヤーのシャンク(104)の長さは10〜12mmが一般的であり、ワイヤー直径4.85mmを使用する場合、ビーズ径は直径10〜11mmを使用し、ワイヤー直径3〜3.2mmを使用する場合、ビーズ径は直径8mmを使用していた。上記寸法の設定理由は、円筒形ビーズによる切削性維持の為には、出来るだけ長い円筒形面積が必要であり、ワイヤーの曲率径の維持の限界であった。
特開平9−234728号公報 特開2009−113198号公報
しかし、上記のような従来のワイヤーソーは、シャンクに段差があり、切削対象物への衝突により過剰な抵抗を受けやすいという問題、ダイヤモンド層が切削対象物に面接触し、ダイヤモンド砥粒の接触圧力を高くできないため切削効率が低い問題、ダイヤモンド層の過剰な摩擦によるワイヤー及び切削物の過剰な発熱の問題、切削時に進行方向にダイヤモンドチップの両側垂直面が切削対象物により過剰な抵抗を受けると、小刻みに振動する問題が発生し、又ワイヤーの振動によりワイヤーの送り速度を最適切削速度に設定出来ないという問題がある。これらの問題により、短時間運転でのワイヤーの破断、ワイヤー及び切削物の異常過熱によるダイヤモンド層の早期劣化により切削対象物切削時のワイヤー寿命の低下による高価なワイヤーソーを交換すること、切削速度の低下による切削時間の延長により切削コストが高騰する問題が生じる。
また、ダイヤモンド層の切削対象物への面接触することに起因し切削時に発生する切削屑を外部に適宜排出するために適切なシャンク長と間隔を置き、又ワイヤーが切削に必要な曲率を得るためにビーズを設置する為の間隔を取る必要があるため、ビーズの数の調節が難しいという問題点があり、ワイヤーの高寿命化、及び切削の高速化のためのビーズ数の増減に限界があった。より具体的には、従来ワイヤーの一般的シャンク長は10mm〜12mmの為、1m当たりのビーズ数は40〜50程度であり、それ以上のビーズ数はワイヤーの適切な曲率を得ることは困難であった。
本発明は、上記のような問題点を解決するため、短いシャンク長に切削作用を持つダイヤモンド砥粒を曲面形状をしたシャンク前面にダイヤモンド層として形成し、切削対象物へのシャンク前面の衝突による過剰な抵抗を滑らかな球帯形状により低下させ、且つ曲面形状による大きな表面積に切削ダイヤモンド層を形成し切削効率を上げるとともに切削ダイヤモンド層の過熱や破損を防ぎ、切削対象物とシャンク前面の垂直面の接触による小刻みな振動及び騒音も防ぐことができ、摩耗を順次進行させ使用寿命を延長し、且つ切断速度を高速化することができるダイヤモンドワイヤーソーを提供する。
本発明のダイヤモンドワイヤーソーは、芯のワイヤーロープに、シャンクとコイルが交互に挿入され、前記シャンクのいずれかの表面に切削ダイヤモンド層が形成されてビーズを構成しており、全体が樹脂層で覆われたダイヤモンドワイヤーソーであって、前記シャンクは円筒部と前方に向かって膨れた曲面形状部を含み、前記切削ダイヤモンド層は前記曲面形状部の外表面に形成されており、前記樹脂層は前記ビーズの後ろに向かって直径が小さくなるよう形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ビーズを構成するシャンクは前方が膨らんだ曲面形状部であり、その曲面形状部に切削ダイヤモンド層を形成することにより、切削効率が向上でき、ダイヤモンド層の接触圧力も高くでき、切削対象物の抵抗を受けにくく、滑らかな曲面が接するようにして切削ダイヤモンド層の破損を防ぐことができる。曲面形状の表面積は、円錐形状のものより表面積が大きく出来、また、曲面形状の場合、単位長当たりの表面積が最大となる。さらに、シャンク長を短く出来る。この結果、切削対象物と垂直面の接触による小刻みな振動及び騒音も防ぐことができ、摩耗が順次行われるため、使用寿命を延長することができる。また、シャンク長を短くすることによりビーズの数を多くすることができる。
さらに、樹脂層の形状を進行方向の後ろ側の直径が小さくなるように形成することにより、ビーズを支持すると同時に、切削屑を後方に順次排出することができる。
図1は、本発明の一実施例に係るワイヤーソーの一部を抜粋した斜視図である。 図2は同、部分断面図である。 図3は同、ワイヤーソーの部品組立を示す分離斜視図である。 図4は同、寸法を加えたシャンクの断面図である。 図5は同、切削時の要部拡大断面図である。 図6は、本発明の一実施例に係るワイヤーソーを示した斜視図である。 図7は、本発明の別の実施例に係るシャンクの断面図である。 図8は、従来のワイヤーソーを示す断面図である。
本発明は、コンクリートや石、鉄鋼構造物などを切断できるようにするワイヤーソーに関するものであり、ワイヤーに一定の間隔で配設されているビーズの送り方向側に曲面形状とそれに連続する僅かな直線部に形成することにより、最大表面積を確保し、その曲面に切削ダイヤモンドの層を固定し、曲面で切削する。曲面で切削すると単に切削対象物との引っ掛かりが少なくなるばかりでなく、すくい角ができ、効率のよい切削ができダイヤモンド層の余分な摩擦による過熱を防止。またワイヤー送り速度を従来品に比べて遅くし、接触圧力も高くでき、切削効率を挙げることができる。さらにビーズの数を任意に調整でき、好ましくは従来品よりも密度高く配置できることによりワイヤーの長寿命化、角のある切削物へのシャンクの過大な衝突による引っ掛かりによるワイヤー破断の事故が減少する。また、曲面形状は、同様の効果を持つ円錐形状よりも表面積が大きくできる。
本発明のダイヤモンドワイヤーソーは、長さ方向に長い芯のワイヤーロープに、シャンクとコイルが交互に挿入されており、前記シャンクは円筒部と前方に向かって膨れた曲面形状部を含み、前記切削ダイヤモンド層は前記曲面形状部の外表面に形成されており、前記ビーズの切削ダイヤモンド層は前方に向かって膨れた曲面を有し、樹脂層は前記ビーズの後ろに向かって直径が小さくなるよう形成されている。これにより、ビーズと樹脂層は全体として膨出形又ダイヤモンドワイヤーソーは水滴形であり、切削対象物の抵抗を従来のようにシャンクの垂直面に受けずに滑らかな曲面が接するようにして切削ダイヤモンド層の破損を防ぐことができる。また、従来の切削対象物と垂直面の衝突による小刻みな振動及び騒音も防ぐことができ、摩耗が順次行われるため、使用寿命を延長することができる。又、ビーズによる被切削物への引っ掛かりが減少する為、切断スタート時の過剰な抵抗がワイヤーにかからないことによりワイヤーに適度な張力をかけることができる。従って従来のワイヤーでの切断作業前に被切削物の角部分に切削溝を作る作業の必要が無くなる。
前記において、芯のワイヤーロープに挿入できるビーズのシャンク長は8mm以下が好ましく、さらに好ましくは4〜8mm以下である。このようにすると60〜150p/m(1m当たりの数)とすることができる。もちろん60p/m未満にすることは容易にできる。従来品はシャンク長が10mm以上であり40〜50p/mのものが限界であった。また本発明のビーズと樹脂層の最大直径は10〜15mmが好ましく、さらに好ましくは10〜12mmである。この点、従来のワイヤーは、シャンク長さ11〜12mmであり、11mmの場合はワイヤー1m当たり11×40=440mm、12mmの場合は12×50=600mmであった。これに対して本発明のワイヤーはシャンク長さを4〜8mmにできるので、8mmの場合ワイヤー1m当たり8×60=480mm、4mmの場合4×150=600mmとなり、60〜150p/mとすることができる。
本発明においては、上記ビーズとビーズの間にコイル(スプリング)を含む。コイル(スプリング)はワイヤーロープに挿入され、ビーズ間の適正距離を維持し、切削時に切削対象物から伝わる切削抵抗を緩和し、被切削対象物とワイヤーとの接触によるワイヤーロープの破損を防止する。コイル(スプリング)は、ビーズが切削時に切削対象物から伝わる切削抵抗によって後ろに押される過剰な荷重を弾性力によって吸収する。
前記シャンクの曲面形状部は、前方に向かって半球状又は弾丸状である曲面形状が好ましい。断面で見ると半円状、半楕円状又は半長円状である。これにより、切削ダイヤモンド層も同様に前方に向かって半円状に形成でき、シャンクの単位長当たりの表面積が円錐形や円筒状と比較して大きな表面積が確保でき、切削効率をさらに上げることができる。前記切削ダイヤモンド層は、シャンクの曲面形状部の外部表面に金属結合材層を介して固着される。前記金属結合材層は電気メッキ法、融着、ロウ付け法又は真空ロウ付け法を採用するのが好ましい。これにより、曲面形状部であってもダイヤモンド層を形成できる。また、前記形状のシャンクにすることにより、短いシャンク長で大きな表面積を持ったダイヤモンド層が形成可能である。
前記シャンクは、曲面形状部と、この曲面形状部の前方又は後方に円筒部を含む。これにより、ワイヤーロープに強固に固定できる。円筒部にはワイヤーロープが挿入されるため、曲面形状部表面の切削ダイヤモンド層に切削抵抗が掛かっても、円筒部によって支えることができ、切削ダイヤモンド層が動くことは防止される。好ましくは、曲面形状部の前方に円筒部を一体化した形状である。前記シャンクの曲面形状部の内部は中空であり、中空内には、コイルが挿入され、さらに樹脂が充填されていることが好ましい。これにより、短いシャンク、コイルとワイヤーロープとの強固な固定一体化ができ、またワイヤー1m当たりに装着するビーズ数を増加させることが可能となる。
前記樹脂層は、ビーズの背面から後方に向かって径が細くなるように形成された傾斜部を有するのが好ましい。これにより、切削ダイヤモンド層によって切断された切削屑は、逃げ角を形成した傾斜部に集まって外部に排出が容易になり、また切削ダイヤモンド層が切断するための前面と上面が露出しやすくなる。
樹脂層は、弾性樹脂であるのが好ましい。弾性樹脂であればワイヤーロープに様々なストレスが掛かっても破壊しにくい。樹脂層は、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム、ウレタン又は熱硬化性エラストマーが好ましい。場合によっては熱可塑性エラストマーも使用できる。また樹脂層の外周には凹部が形成されてもよい。これにより樹脂成形性を上げることができる。樹脂層は射出成形により形成するのが好ましい。なお、ビーズの後ろ側の傾斜面を有する樹脂層も、シャンク内部に充填される樹脂も、ビーズ全体を覆う樹脂も同一の樹脂であることが好ましい。このようにすると、1回の射出成形により成形できる。
熱硬化性エラストマーとしては、一例としてスチレン系,オレフィン系,塩化ビニル系,ウレタン系,エステル系,アミド系,塩素化ポエチレン系,Syn−1,2−ポリブタジエン系,Trans−1,4−ポリイソプレン系,フッ素系等の熱硬化性エラストマーが挙げられる。熱硬化性エラストマーには任意の着色剤、安定剤、紫外線防止剤、強化繊維などが添加されていても良い。
前記切削ダイヤモンド層を覆う樹脂層は、切削時には徐々に剥がれて曲面状の切削ダイヤモンド層が露出し、切削対象物を切削する。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を詳細に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本発明のワイヤーソー(1)は、図1〜図3に示すように、芯のワイヤーロープ(2)に、シャンク(3)とコイル(6)をシャンクの曲面形状の中空部内部にまで交互に挿入し、全体は樹脂層(7)で覆った構造である。シャンク(3)は円筒部(3a)と、前記円筒部の後ろ側につながり、前方に向かって膨れた断面が円形の曲面形状部(3b)とした。切削ダイヤモンド層(4)は、シャンク(3)の曲面形状部(3b)の外表面に形成した。切削ダイヤモンド層(4)はビーズ(5)の前方に向かって膨れた曲面を有し、コイル(6)表面の樹脂層(7)はビーズ(5)の後ろに向かって直径が小さくなる傾斜面とした。
上記ワイヤーロープ(2)は、長さ方向に長く延長されて、従来切断対象物にワイヤー位置決めの為に形成される切削ボールや切削溝を必要とせずにワイヤーソー(1)を切断位置にかけた後、回転装置に装着して位置決めに必要なテンションをワイヤーに与え、回転力を利用して、切断対象物を切断する。ワイヤーソー(1)は進行方向Aに向かって右又は左に旋回しながら切断対象物を切断する。
上記のビーズ(5)は、図2のように、ワイヤーロープ(2)の外周に多数が一定の間隔で配設されているシャンク(3)と、そのシャンク(3)に取り付けられる切削ダイヤモンド層(4)で構成されている。
上記のシャンク(3)は、ワイヤーソー(1)の切削進行方向の前方に所定の長さ、例えば1〜8mmの長さの円筒部(3a)とし、この円筒部(3a)にワイヤーロープ(2)を挿入した。前記円筒部(3a)の他端には、円筒部(3a)の直径よりも比較的大径(例えば直径10〜11mm)に形成され、断面が円形の曲面形状部(3b)とした。曲面形状部(3b)は半球状又は弾丸状の曲面形状である。
切削ダイヤモンド粒子(ふるい分け法による平均直径0.3〜1.0mm、本実施例においては平均直径0.6mm)は、ビーズ(5)を構成するシャンク(3)の曲面形状部(3b)の外側表面に金属結合材層を介して固着した。前記金属結合材層はニッケルとし、真空ロウ付け法により形成した。これにより、切削ダイヤモンド層(4)を曲面形状部(3b)と同じように湾曲させて形成できた。
図4はシャンク(3)の断面図である。ワイヤーロープ直径3.0〜3.2mmのタイプと直径4.8mmタイプのものに分けて一例の寸法を示すと次の表1の通りとなる。表1におけるアルファベット符号は図4のアルファベット符号のことである。
Figure 2015136756
芯のワイヤーロープ(2)にシャンク(3)とコイル(6)を交互に挿入した後、射出成形機により樹脂層(7)を形成した。樹脂層(7)はコイル(6)の表面と後のシャンク(3)の円筒部(3a)の表面まで、後ろに向かって直径が小さくなる傾斜面を有するように充填した。このとき前記曲面形状部(3b)の内部空間にも樹脂層(7)を充填した。
上記樹脂層(7)は、ビーズ(5)とビーズ(5)との間に形成されており、ワイヤーロープ(2)に取り付けられたビーズ(5)の理解のため、図2のように前方に位置する前方ビーズ(5a)と後方に位置する後方ビーズ(5b)に区別して説明する。
前記樹脂層(7)は前が広く後が細い直径でビーズ(5)を覆って成形した。切削ダイヤモンド層(4)によって切断された切削屑は、後方の傾斜部に集まって外部に排出が容易になった。樹脂層(7)は切削対象物と接触した後は切削ダイヤモンド層(4)の表面の部分は無くなり、切削ダイヤモンド層(4)の前面と上面が露出して切削対象物を切削する(図5)。
上記樹脂層(7)の外側表面に形成された凹部(8)は、ワイヤーソー(1)製造時ワイヤーロープ(2)とビーズ(5)とコイル(6)を固定したピンがシート状のゴム原料(7)が固化するとき、抜けて形成される。ピンを使用しない場合、凹部(8)は形成されない。
これらの樹脂層(7)の材質は、弾性のある材料で形成するのが好ましく、好ましい材質はゴム、ウレタン又は熱硬化性エラストマーである。本実施例では合成ゴムを使用した。
上記コイル(6)は、圧縮可能なスプリングで構成され、ワイヤーロープ(2)に挿入した。これらのコイル(6)は、ビーズ(5)とビーズ(5)の適正な距離を維持するために設置され、また、切削時に切削対象物から伝わる切削抵抗を緩和するために組み込まれている。コイル(スプリング)は、ばね用ステンレス鋼線、ピアノ鋼線等のばね用鋼線を巻いた圧縮ばねを使用する。好ましいばね鋼線の太さは0.5〜1.3mmが好ましく、コイルの長さはビーズのピッチによって任意に選択する。
このようなコイル(6)は、上記のシャンク(3)の後端に一端が支持され、他端はシャンク(3)の円筒部(3a)の内側に設置されて組み込まれる。
このように構成されたワイヤーソーの切削作業は次のとおりである。まず、切断対象物に切削ボールや切削溝を形成する事無く、図6のように、円形の輪に用意されたワイヤーソー(1)を切断位置及び回転装置に装着し保持可能なワイヤー張力を掛けて切断位置を確定させ、切断作業を準備する。
その後、回転装置により徐々にワイヤー送り速度を増加作動すると、ワイヤーソー(1)が回転している前方にある前方ビーズ(5a)の切削ダイヤモンド層(4)が切断対象物の設定位置を正確に切断するようになる。この時に発生する切粉は、樹脂層(7)の傾斜部から外側に向かって排出される。
本実施例のワイヤーは切削物への引っ掛かりを無くす構造になっているため、切断位置を確定するための切削ボールや切削溝を作ってワイヤー位置を確定することを省き、位置設定に必要なワイヤー張力を切断当初より設定出来、かつスロースタートによりワイヤーの切断位置のズレが生ずることを防止できる。
この時、前方ビーズ(5a)が切断対象物に過度に接触すると、切断対象物には抵抗が発生するが、この時に発生する切削抵抗によって前方ビーズ(5a)が後ろに押されると、支持の役割をするコイル(6)がわずかに圧縮され、切削抵抗に対応してビーズ(5)の破損が防止される。
このように、切削ダイヤモンド層(4)をシャンク(3)の前方曲面状部(3b)に付着させることにより、高価な切削ダイヤモンド層(4)の破損を防止し、切削力を向上させ、同時に使用寿命を延長する便利なワイヤーソー(1)を提供できる。
図5は切削時の要部拡大断面図である。ワイヤーソー(1)は進行方向Aに向かって旋回されながら進み、切削ダイヤモンド層(4)は切削対象物(10)に対してすくい角を持って曲面で切削する。このため切削効率は極めて高い。切削屑(9a,9b)は後方の樹脂層(7)の傾斜面に溜まり、左右いずれかの方向に落下して排除される。このようにして切削溝(11)が形成され、連続して切削作業続けるといずれは切削対象物を切断できる。実際の金属切削物の切削面には、ダイヤモンド層によって切削された切断マークが表れるが、従来ワイヤーのそれよりも深い切断紋(刃物切削で言うナイフマークが現出している。
本実施例のワイヤー直径4.8mmのダイヤモンドワイヤーソーと図8に示す同一径の従来品を比較すると、次の表2に示すようになる。なお、切削対象物は縦3m、横1.5m、配筋率8%の鉄筋コンクリートとし、ダイヤモンドワイヤーソーの長さ20mとした。
Figure 2015136756
以上のとおり、本発明の実施例品は従来品に比べて、ビーズ密度を高く、切削対象物との接触圧力とワイヤー張力を高く、送り速度を遅くできる。この結果、発熱が低いため冷却水は不要であり、鉄筋切断時の火花の発生もなく、振動もないダイヤモンドワイヤーソーとすることができた。この結果、寿命特性も大幅に向上できた。
(実施例2)
図7に示すシャンク(13)を用いた以外は実施例1と同様にダイヤモンドワイヤーソーを作製した。このシャンク(13)は円筒部(13a)が曲面形状部(13b)の内面に形成されており、曲面形状部(13b)の外側表面には切削ダイヤモンド層(14)が形成されている。そして円筒部(13a)にワイヤーロープ(2)を挿入する。得られたダイヤモンドワイヤーソーの特性は実施例1とほぼ同様であった。
本発明のダイヤモンドワイヤーソーは、コンクリート構造物の解体作業や、採石場で採石される石、あるいは川に架かる構造物の切断時、金属の切断、原子力発電所の切断解体作業などを水を使用せずに切断するために有用である。
1 ワイヤーソー
2 ワイヤーロープ
3,13 シャンク
3a,13a 円筒部
3b,13b 曲面形状部
4,14 切削ダイヤモンド層
5 ビーズ
6 コイル
7 樹脂層
8 凹部
9a,9b 切削屑
10 切削対象物
11 切削溝
A 進行方向

Claims (9)

  1. 芯のワイヤーロープに、シャンクとコイルが交互に挿入され、前記シャンクのいずれかの表面に切削ダイヤモンド層が形成されてビーズを構成しており、全体が樹脂層で覆われたダイヤモンドワイヤーソーであって、
    前記シャンクは円筒部と前方に向かって膨れた曲面形状部を含み、
    前記切削ダイヤモンド層は前記曲面形状部の外表面に形成されており、
    前記樹脂層は前記ビーズの後ろに向かって直径が小さくなるよう形成されていることを特徴とするダイヤモンドワイヤーソー。
  2. 前記シャンクの曲面形状部は、前方に向かって半球状又は弾丸状である請求項1に記載のダイヤモンドワイヤーソー。
  3. 前記シャンクの円筒部は、曲面形状部の前方又は後方に一体化されている請求項1又は2に記載のダイヤモンドワイヤーソー。
  4. 前記樹脂層は前記ビーズの後ろに向かって傾斜面に形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のダイヤモンドワイヤーソー。
  5. 前記切削ダイヤモンド層は、シャンクの曲面形状部の外部表面に金属結合材層を介して固着されており、前記金属結合材層は電気メッキ、融着、ロウ付け又は真空ロウ付けにより形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のダイヤモンドワイヤーソー。
  6. 前記シャンクの曲面形状部の内面部には、樹脂層の樹脂が充填されている請求項1〜5のいずれかに記載のダイヤモンドワイヤーソー。
  7. 前記樹脂層は、弾性樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載のダイヤモンドワイヤーソー。
  8. 前記樹脂層は、ゴム、ウレタン及び熱硬化性エラストマーから選ばれる少なくとも一つである請求項1〜7のいずれかに記載のダイヤモンドワイヤーソー。
  9. 前記シャンク長は8mm以下である請求項1〜8のいずれかに記載のダイヤモンドワイヤーソー。
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