JP3868381B2 - ワイヤーソー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、コンクリート、石材などの硬脆材料を切断するためのワイヤーソーに関するものであり、特に初期切味に優れ長寿命のワイヤーソーに関する。
【0002】
【従来の技術】
石材やコンクリートを切断する工具の一つとして、図5に示すようなワイヤーソーがある。これは、図6に示すような円筒状の台金7の周囲に超砥粒層2を形成したビーズ1と呼ばれるものを、ワイヤーロープ8に挿通し間隔をおいて固定したものである。超砥粒層2は、ダイヤモンドやCBNなどの超砥粒をメタルボンドなどの結合材で結合させたものである。ワイヤーロープ8にビーズ1を固定する方法としては、台金7の一部を機械的に変形させて固定する方法やワイヤーロープ8とビーズ1の周囲に樹脂やゴムなどの被覆材9を設けて固定する方法などがある。
【0003】
ところで、焼結などの方法により結合材で結合された超砥粒層の表面は超砥粒が結合材の中に埋まり表面には突出していない。そのため、切断前に超砥粒を結合材表面から突出させるいわゆるドレッシングが要る。しかしながら、ワイヤーソーではドレッシング面が円筒状かつ長尺であり、ワイヤーロープの可撓性もあるためドレッシングを行うことは容易ではなく、ドレッシング不足になりやすい。このため切断初期に切れ味不良がしばしば発生していた。また、初期の切れ味を上げるため、切断初期に切り込み量を増して負荷をかけ結合材を摩耗させようとしても、ワイヤーロープの可撓性によってその負荷が逃げてしまいドレッシング効果を与えることが困難であった。
【0004】
解決策としては、ビーズ1個ずつを回転させながらドレッシングする方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、使用初期にビーズ作用面の一部を機能する形状に成形し、各ビーズの初期切断における切断抵抗を減らしてビーズの初期の切れ味を上げる方法もあり、その具体的な形状が図7(a)から(f)に例示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−336751号公報
【特許文献2】
特開2000−233318号公報(第2頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、次のような問題があった。特許文献1の方法によりビーズ作用面のドレッシングを行えば、使用初期の切れ味は向上するが、作用面の超砥粒の突出状態を定常状態にすることは容易ではない。ここで、定常状態とは切断が進行し切れ味が安定した状態での超砥粒の突出状態のことと定義する。定常状態になっていなければ、切れ味が良くても超砥粒が脱落しやすくなり、超砥粒層の摩耗が激しくなる恐れがある。その結果偏摩耗が発生しやすくなり、ワイヤーソーの寿命が短くなる。これは、ワイヤーソーのビーズでは、リング状の超砥粒層の作用面全体を均一に摩耗させることが重要であり、偏摩耗が発生すると切断中にワイヤーソーが自転しにくくなるため、偏摩耗が生じた部分のみが作用することになり、他の部分に切断を進めるに十分な超砥粒層が残っていても使用不能となるためである。また、ワイヤーソーはビーズ数が多いため、ドレッシングのコストが増大するという問題もある。
【0007】
特許文献2の方法では、作用面の一部分に切断機能を持たせるため、図7のようなビーズ形状が例示されている。(a)や(c)では滑らかな形状のため滑りやすく、ドレッシング効果が得難い。(b)では超砥粒層先端の径が大きくなり、先端部が被削材に引っかかりやすく、しかも使用初期には作用面がほとんど被削材と接しない状態になるため、特に鉄筋コンクリートのような被削材を切断する場合、鉄筋に引っかかってワイヤーソーが大きく振れ、その結果、駆動プーリーやガイドプーリーから外れたり、衝撃でビーズが割れたりする問題が発生しやすい。また、(d)では、1つのビーズで2ヶ所の突出部があるため、上記同様に振れが生じやすくなる。さらに、(e)や(f)では作用面の一部分が大きく突出しているため摩耗せずに破砕する恐れがある。いずれにせよ、ビーズと被削材との接触状態が不安定でビーズに振動が発生し、その結果ワイヤーソーの振れが大きくなるため、上記のようなプーリーから外れたりビーズが割れたりする問題が生じ、使用初期から安定した切断を行うことは難しい。
【0008】
本発明は、以上のような問題点に鑑み、使用初期から安定した切断を行いながら、切断を継続することで超砥粒層の作用面が容易に定常状態にできて初期切れ味に優れ、しかも長寿命のワイヤーソーを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のワイヤーソーは、円筒状の台金の周囲に超砥粒層が形成されたビーズをワイヤーロープに挿通し、前記ワイヤーロープの周囲に間隔をおいて被覆材により固着されたワイヤーソーであり、
前記超砥粒層は、前記ビーズの軸と略平行な作用面と、前記ビーズの軸と略垂直な端面を有し、前記作用面と前記端面との交差部のうち少なくとも前記ワイヤーソーのビーズ回転方向前側の交差部にはテーパー面が形成されている。
【0010】
また、前記ビーズの回転方向前側の交差部にはテーパー面を形成するとともに、さらに前記ビーズの軸と略垂直で前記テーパー面最後端に連続する第2の端面を形成する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のワイヤーソーの実施の形態を図面を用いて説明する。図1は参考例としてワイヤーソーのビーズ形状の一例を示している。なお、図中の矢印はビーズの進行方向言いかえるとワイヤーソーの回転方向を示している。図においてビーズ1の中心寄りには円筒状の台金7があり、この周囲に超砥粒層2が形成されている。超砥粒層2は超砥粒と金属粉末などの結合材材料を混合したものを成形焼結したものであり、台金7より短く形成されて、ビーズ1の進行方向前側および後側に台金7が突出している。
【0012】
超砥粒層2は、ワイヤーソーの回転方向前側、言いかえるとビーズ進行方向前側にビーズ1の軸と略垂直な端面3aと、ビーズの軸と略平行な作用面6を有しており、これらの交差部にテーパー面4aが形成されている。また、ワイヤーソーの回転方向後側にも前側と同様に端面3bを有し、この面と作用面6との公差部にテーパー面4bが設けられている。なお、図3に示したように、ワイヤーソーの回転方向後側のテーパー面4bは無くてもよく、作用面6の長さを適切な長さに設定する上で必要により設ければ良いものである。
【0013】
このような構造とすることで、使用初期にはテーパー面4aと作用面6との交差部xが被削材に食い付くとともにビーズ1の作用面6の長さが定常状態での切断時より短くなるので結合材が容易に摩耗する。よって、超砥粒が容易に突出し、使用初期の切れ味不良が防止され、早期に定常状態にすることができる。また、テーパー面4aが形成されているので、被削材に対して滑らかに接触するようになりワイヤーソーの振れが大きくならない。ビーズ1が被削材に接触する際には、最初にテーパー面4aと作用面6の交差部xが被削材に食付き、その後作用面6で切断を行うことになる。なお、テーパー面4aの角度はビーズ1の軸に対し、30度以上60度以下とするのが好ましい。理由は、この角度が小さすぎると使用初期からテーパー面4aが作用しやすく、実質的に作用面6の長さを短くしていない従来のものに近くなって、テーパー面4aを設ける効果が小さくなり、角度が大きすぎると超砥粒層2の長さと作用面6の長さとの差が小さくなり、使用初期に作用面6を短くして切れ味を向上させるという効果が出にくくなるためである。
【0014】
作用面6は、超砥粒が結合材から突出するようにドレッシングされていても構わないが、ドレッシングにかかるコストや超砥粒の突出状態の制御が容易ではないため、ドレッシングを行っていない状態すなわち超砥粒が突出せず結合材に埋まっていることが好ましい。本発明では、超砥粒層の形状効果により初期切れ味を向上させるものであり、切断を行いながら作用面6を定常状態にすることで、偏摩耗の発生も防止し、長寿命のワイヤーソーとすることができる。ドレッシングを行えば、初期切れ味が向上するものの超砥粒の突出量の制御が困難なため、切れ味不良や超砥粒の急激な摩耗が発生しやすく、しかも、各ビーズのドレッシングのバラツキによって各ビーズにかかる切断抵抗にもバラツキが生じて切断時の振れが大きくなりやすい。なお、作用面の長さは超砥粒層の全長の60%以上90%以下とするのが望ましい。60%以上とするのは使用初期の急激な結合材の摩耗を防止するためであり、90%以下とするのは、使用初期の結合材の摩耗を促進させるためである。
【0015】
以上のようなビーズ1をワイヤーロープ8に挿通し、被覆材9により固定されれば参考例のワイヤーソーとなる。前述のように、超砥粒層2は台金7より短く形成されて、ビーズ1の進行方向前側および後側方向に台金7が突出しているので、切断時に超砥粒層2に抵抗がかかった時にワイヤーロープ8に対してビーズ1が傾こうとするのを抑制でき、被覆材9によりビーズ1とワイヤーロープ8を確実に固着させて被覆材9が剥がれるのを防止するのに効果的である。しかも超砥粒層2の端面3aおよび3bにも被覆材9が固着されることで、より固着力が高くなりビーズ1にかかる抵抗によって被覆材9が剥がれることがない。なお、被覆材9は、熱硬化性加硫ゴムとするのが好ましい。このような被覆材を使用することで、ビーズ1が被削材に接触した時の衝撃に対しても強く、剥がれる恐れがない。この被覆材の硬度は、好ましくはJISA硬度が65以上80以下とする。このような硬度のものとすることにより、ビーズ1をワイヤーロープ8に対して保持するのに必要な強度が確保でき、しかも被削材に対してビーズ1が柔軟に接触することができる。
【0016】
次に本発明のワイヤーソーの形態について、図2を用いて説明する。この形態は、超砥粒層2にビーズ1の軸と略平行な作用面6とビーズ1の軸と略垂直な端面3aがあり、作用面6と端面3aの交差部の内少なくともワイヤーソーの回転方向前側の部分にテーパー面が形成されている点では上述の図1を用いた形態と同じであるが、これに加えビーズ1の軸と略垂直で同テーパー面最後端に連続する第2の端面5aが形成されている。
【0017】
すなわち超砥粒層2は、端面3aと、作用面6の交差部に図2に示すようにテーパー面4aとともに同面の後側に連続する第2の端面5aが形成されている。第2の端面5aもビーズ1の軸と略垂直になっている。また、ワイヤーソーの回転方向後側にも前側と同様に端面3bを有し、この面と作用面6との公差部にテーパー面4bとこのテーパー面4bの前側に連続する第2の端面5bが設けられている。なお、図3に示したように、ワイヤーソーの回転方向後側のテーパー面4bや第2の端面5bが無いものや、あるいはテーパー面4bのみ設けて第2の端面5bのみ無いものとしてもよい。ワイヤーソーの回転方向後側のテーパー面4bや第2の端面5bは、作用面6の長さを適切な長さに設定したり切屑や冷却水を効率よく排出する上で必要により設ければ良いものである。
【0018】
このような構造とすることで、使用初期には第2の端面5aが被削材に食い付き、第2の端面5aと作用面6との交差部yが摩耗し始めるとともにビーズ1の作用面6の長さが定常状態での切断時より短くなるので結合材が容易に摩耗する。よって、超砥粒が容易に突出し、使用初期の切れ味不良が防止され、早期に定常状態にすることができる。また、前述のテーパー面4aのワイヤーソーの振れ抑制の効果に加えて、特に、第2の端面5aが被削材に食い付くため、初期切れ味は上記第2の端面5aの無い場合に比べ良好となる。なお、前述の通りテーパー面4aの角度はビーズ1の軸に対し、30度以上60度以下とするのが好ましい。また、第2の端面5aの半径方向長さwは、超砥粒の平均粒径以下とするのが好ましい。これは、第2の端面5aが被削材に食い付く力が大きくなりすぎないようにするためであり、作用面6の前側の急激な摩耗を防止する。また、半径方向長さwが大きくなると、作用面6の長さが短い状態で切断する時間が長くなり、その結果超砥粒層2の摩耗を早めてしまうため、これを防止する上でも超砥粒の平均粒径以下とするのが好ましい。
【0019】
【実施例】
(試験例)
本発明の実施例としてのワイヤーソーと参考例および比較例としてのワイヤーソーを製作し、各ワイヤーソーを用いて鉄筋コンクリートの切断試験を行った。切断試験の評価方法としては、高さ1m、幅1.5mの面に直径16mmの鉄筋が42本配置されたコンクリートブロックを切断し、この加工を1cutとした。したがって、1cutの切断面積は1.5mであった。この切断加工を継続し、1cutあたりの切断時間と10cut後の摩耗量および摩耗状況を測定した。寿命については、10cut後の摩耗量を基に超砥粒層がすべて摩耗した場合の切断可能面積を推定し、その面積を推定寿命とした。さらにこの推定寿命をワイヤーソー1mあたりの数値に換算し、ワイヤーソー1mあたりの切断面積を寿命として比較を行った。
【0020】
(切断条件)
機械 :ワイヤーソー小型切断機
駆動源 :油圧モーター(11kw)
テンション :245N
周速 :25m/s
切断面積 :1.5m(1m×1.5m)/1cut
ワイヤーソー長さ:10m
(注)テンションは、メインプーリーを常時引っ張る力とする。
【0021】
参考例1)
図1に示す形状のビーズを製作するため、直径7mm、長さ10mmの鉄製の台金を準備した。次に、粒度40/50(平均粒径0.4mm)のダイヤモンド砥粒とCo−Cu−Snの金属粉末からなるメタルボンド成分とを混合し、成形金型にて加圧成形して、超砥粒層の成形体を製作した。この成形体の穴に台金7をセットし、焼結を行って図1の形状のビーズを製作した。焼結後の超砥粒層の各寸法は、作用面6の部分の直径は10.5mm、長さLは6mm、作用面6の長さLは5mm、テーパー面4aの長さLは0.5mm、テーパー面4aおよび4bの軸に対する角度αは45度である。このビーズを直径4.76mmのワイヤーロープに挿通した後、ゴムの加硫成形用金型にセットし、ゴムを注入しながら加硫を行い、ワイヤーソーを完成させた。各ビーズの間隔は25mmとした。なお、作用面6の表面はドレッシングを行っていないものとした。
このワイヤーソーを用いて切断試験を行った結果、1cut目が54分で切断でき、切断を繰り返すごとに僅かずつ切断時間は短くなって、10cut目では35分で切断できた。徐々に切断時間が短くなる傾向はあるが、最初から安定して切断できた。切断中のワイヤーソーの振れについても少なく、メインプーリーと被削材との間での最大の振れ幅は50mm程度であった。また、寿命については2.0m/mであり、偏摩耗も顕著には見られなかった。
【0022】
(実施例
参考例1と同様の方法にて、図2に示す形状のビーズを製作した。焼結後の超砥粒層の各寸法は、作用面6の部分の直径は10.5mm、長さLは6mm、作用面6の長さLは5mm、テーパー面4aの長さLは0.5mm、第2の端面5aおよび5bの半径方向長さwは0.2mm、テーパー面4aおよび4bの軸に対する角度αは45度である。その他の形状や製作方法については参考例1と同様である。
このワイヤーソーを用いて切断試験を行った結果、1cut目が45分で切断でき、切断を繰り返すごとに僅かずつ切断時間は短くなって、10cut目では35分で切断できた。徐々に切断時間が短くなる傾向はあるが、最初から安定して切断でき、特に1cut目から参考例1のもの以上に短時間で切断できた。切断中のワイヤーソーの振れについても少なく、メインプーリーと被削材との間での最大の振れ幅は70mm程度であった。また、寿命については1.9m/mであり、偏摩耗も顕著には見られなかった。
【0023】
(実施例
実施例と同様の方法にて、図2に示す形状のビーズを製作した。実施例1と異なる点は、テーパー面4aおよび4bの軸に対する角度αであり、それぞれが20、30、60、70度のものを製作した。
このワイヤーソーを用いて切断試験を行った結果、切断時間については20度のものを除いて実施例とほぼ同様の傾向であったが、20度のものは端面3aの部分でも被削材への食付きが見られ、初期からテーパー面4aが切断に作用したため、1cut目の切断時間が55分となって、他のものより時間を要した。また、切断中のワイヤーソーの振れについては、実施例と同様に少なかった。寿命については70度以外のものは実施例と同等であったが、70度のものは超砥粒層2が摩耗して作用面6の長さが本来のLの長さである6mmで作用する時間が少なく、1.7m/mであった。偏摩耗はいずれも顕著には見られなかった。
【0024】
(実施例
実施例と同様の方法にて、図2に示す形状のビーズを製作した。実施例と異なる点は、第2の端面5aおよび5bの半径方向の長さwであり、それぞれが0.1mm、0.4mm、0.5mm、0.6mmのものを製作した。
このワイヤーソーを用いて切断試験を行った結果、切断時間については0.1mmのものを除いて実施例とほぼ同様の傾向であったが、0.1mmのものは初期からテーパー面4aの一部が切断に作用したため、1cut目の切断時間が52分となって、他のものより時間を要した。また、切断中のワイヤーソーの振れについては、実施例と同様に少なかった。寿命については0.1mmと0.4mmのものも実施例と同等であったが、0.5mmと0.6mmのものは初期の摩耗が少し早くなり、それぞれ1.7m/mと1.6m/mであった。偏摩耗は顕著には見られなかった。
【0025】
(比較例1)
参考例1と同様の方法にて、図6に示す形状のビーズを製作した。焼結後の超砥粒層の各寸法は、作用面6の部分の直径は10.5mm、長さLは6mmであり、台金7の寸法や製作方法は参考例1と同様である。
このワイヤーソーを用いて切断試験を行った結果、1cut目が130分と非常に時間がかかり、切れ味が悪いため切断中のワイヤーソーの振れが大きく、メインプーリーと被削材との間での最大の振れ幅は400mm程度となり、ガイドプーリーから外れるトラブルが度々発生した。そして、2cut目にさらに切れ味が低下したため、作用面6の状態を確認したら超砥粒が目つぶれしており、使用不可能となった。
【0026】
(比較例2)
比較例1と同様のビーズを製作し、最後に作用面6のドレッシングを行った。ドレッシングの方法は、作用面6をGC砥石で削り結合材を摩耗させることで行った。超砥粒が粒径の1/3程度突出する状態になるようドレッシングを行った。
このワイヤーソーを用いて切断試験を行った結果、1cut目が94分と非常に時間がかかり、切断を繰り返すごとに僅かずつ切断時間は短くなったが、6cut目くらいまでは参考例1や実施例1のものに比べて時間がかかり、作用面6の状態が定常状態にならなかった。切断中のワイヤーソーの振れは特に使用初期で大きく、メインプーリーと被削材との間での最大の振れ幅は200mm程度であった。また、寿命については2.0m/mで参考例1や実施例1のものと同等であり、偏摩耗も顕著には見られなかった。
【0027】
(比較例3)
参考例1と同様の方法にて、図6に示す形状のビーズを製作した。焼結後の超砥粒層の各寸法は、作用面6の部分の直径は10.5mm、長さLは5mmであり、台金7の寸法や製作方法は参考例1と同様である。なお、作用面6は比較例2と同様にドレッシングを行った。
このワイヤーソーを用いて切断試験を行った結果、1cut目が57分で切断でき、切断を繰り返すごとに僅かずつ切断時間は短くなって、10cut目では35分で切断できた。切断時間に関しては、参考例1と同等であり、使用初期の作用面6の長さが同等であるため、同じ傾向になったと考えられる。切断中のワイヤーソーの振れは使用初期は小さく、メインプーリーと被削材との間での最大の振れ幅は60mm程度であったが、後半になって振れ幅が大きくなり150mm程度になった。また、寿命については1.4m/mで、偏摩耗が顕著に見られ、偏摩耗が発生したあたりから振れ幅が大きくなった。
【0028】
(比較例4)
参考例1と同様の方法にて、超砥粒層の形状が図7(d)に示す形状のビーズを製作した。焼結後の超砥粒層の各寸法は、作用面6の部分の最大直径は10.5mm、最小直径が8mm、長さLは6mmであり、台金7の寸法や製作方法は参考例1と同様である。ただし、超砥粒層の成形体は一体で成形できなかったので、算盤玉状のもの2つを台金7に周囲に組み込み、焼結時に接合させて一体化させた。
このワイヤーソーを用いて切断試験を行った結果、1cut目が48分で切断でき、切断を繰り返すごとに僅かずつ切断時間は短くなって、10cut目では36分で切断できた。切断時間に関しては、実施例と同等であったが、特に使用初期に切断中のワイヤーソーの振れが大きく、メインプーリーと被削材との間での最大の振れ幅は300mm程度でガイドプーリーからワイヤーソーが外れるトラブルが発生した。後半になって振れ幅は小さくなってきたが、それでも150mm程度までにしかならなかった。また、寿命については1.3m/mで、偏摩耗が顕著に見られた。
【0029】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のワイヤーソーは、使用初期から切断時間が短く、終始安定した切断ができ、偏摩耗の発生も少なくワイヤーソーの寿命も向上する。また、最初から安定した切断ができるのでワイヤーソーの振れ幅も少なく、安全に切断ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例のワイヤーソーに使用するビーズの一例を示す正面図。
【図2】 本発明のワイヤーソーに使用するビーズの例を示す正面図。
【図3】 図1に示すビーズの変形例を示す正面図。
【図4】 図2に示すビーズの変形例を示す正面図。
【図5】 ワイヤーソーの構造を示す部分断面を含めた正面図。
【図6】 従来のワイヤーソーに使用するビーズの一例を示す正面図。
【図7】 従来のワイヤーソーに使用するビーズの別の例を示す正面図。
【符号の説明】
1 ビーズ
2 超砥粒層
3a ビーズの進行方向前側の端面
3b ビーズの進行方向後側の端面
4a ビーズの進行方向前側のテーパー面
4b ビーズの進行方向後側のテーパー面
5a ビーズの進行方向前側の第2の端面
5b ビーズの進行方向後側の第2の端面
6 作用面
7 台金
8 ワイヤーロープ
9 被覆材
α ビーズの軸とテーパー面のなす角度

Claims (4)

  1. 円筒状の台金の周囲に超砥粒層が形成されたビーズをワイヤーロープに挿通し、前記ワイヤーロープの周囲に間隔をおいて被覆材により固着されたワイヤーソーにおいて、
    前記超砥粒層は、前記ビーズの軸と略平行な作用面と、前記ビーズの軸と略垂直な端面を有し、前記作用面と前記端面との交差部のうち少なくとも前記ワイヤーソーの回転方向前側の交差部にはテーパー面とともに、前記ビーズの軸と略垂直で前記テーパー面最後端に連続する第2の端面を形成することを特徴とするワイヤーソー。
  2. 前記テーパー面の角度は、ビーズの軸心に対して30〜60度であることを特徴とする請求項1記載のワイヤーソー。
  3. 前記第2の端面の半径方向長さは、超砥粒の平均粒径以下である請求項または2に記載のワイヤーソー。
  4. 前記作用面は、初期の状態において超砥粒が突出せず結合材に埋まっていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のワイヤーソー。
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