JP4898507B2 - 微量pcb汚染電気機器のpcb除去方法 - Google Patents

微量pcb汚染電気機器のpcb除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、PCBを含む絶縁油が充填されたPCB汚染電気機器を、解体しないで電気機器内部を洗浄しPCBを除去するPCB除去方法に関する。
平成13年に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」が施行され、PCB及びPCBに汚染された変圧器、コンデンサなどのPCB汚染物は、平成28年までに無害化処理することとなっている。
現在、平成28年までの処理完了に向けて、PCB及びPCB汚染物を無害化処理するための広域処理施設が、全国5ケ所に建設あるいは計画され、一部の施設は既に運転している。
これら広域処理施設で処理されるPCB及びPCB汚染物は、昭和47年までに生産が中止され、昭和49年までに製造・輸入、新規使用が禁じられたもので、それ以降、長期にわたり保管されていた高濃度PCB及び高濃度PCB入り変圧器あるいはコンデンサなどが対象である。
また、その無害化処理技術も、PCBについては金属ナトリウムやアルカリを用いた脱塩素による化学処理などで、PCB汚染物については洗浄法あるいは真空加熱法でのPCBを除去する技術が確立しており、広域処理施設での主たる無害化処理技術として採用されている。
一方、平成14年7月に経産省と環境省から(社)日本電機工業会(以下、JEMAという)に対して、「新油を使用した変圧器などへの微量PCBの混入可能性」について原因究明と機器特定について調査を指示した旨のプレス発表があり、変圧器などの油入電気機器の絶縁油中に微量のPCBが何らかの原因で混入している電気機器などがあることが判った。
JEMAなどの調査によると、0.5〜数十ppmレベルの微量PCBが混入しているPCB汚染電気機器は非常に広範囲に及んでおり、一説では、大容量の変圧器も含んで百万台近くあると推定されている。
この問題に対して、現在、有識者による国レベルでの「低濃度PCB汚染物対策検討委員会」が設置され、この委員会で原因究明、対策などについて議論がなされており、処理の方向性が打ち出される予定である。
しかしながら、このような、絶縁油中に微量のPCBが何らかの原因で混入したPCB汚染電気機器などは、高濃度PCB及び高濃度PCB入りの変圧器あるいはコンデンサなどを対象とした広域処理施設で処理することを想定していない。このため、微量のPCBが混入したPCB汚染電気機器についての広域処理施設での処理は、主に処理能力あるいは経済性の観点から困難で、我が国としての処理技術を確立することが急務となっている。
このような、PCBを含む絶縁油が充填されたPCB汚染変圧器の処理についての、カナダ、米国における代表例を以下に述べる。
例えば、非特許文献1は、MOF除染法(Ontario Ministry of Environment)(オンタリオ環境庁の方法)についての記述があり、その概略内容は、PCBを含む絶縁油を抜いた後、「No.2燃料油」あるいは「トリクロロエチレン」などの洗浄溶剤を満たして浸漬放置し、その後に洗浄溶剤を抜取り、きれいな洗浄溶剤を満たして除染する工程を繰返すものである。
また、非特許文献2では、PCB汚染変圧器の処理には洗浄溶剤(絶縁油も兼ねる)によるレトロフィル(逆充填)が望ましいとされ、PCB汚染変圧器のフラッシングと洗浄溶剤回収とを組み合わせた自動化システムが適用されている。
また、特殊な洗浄溶剤(絶縁油も兼ねる)で変圧器内をフラッシングしつつ、洗浄溶剤を取り換えて変圧器を活かす方法も適用されており、最終的にはシリコーン油で置換する。このレトロフィルによって、PCB代替油(主にシリコーン油が使用されている。)中のPCB濃度は、50ppm以下に再分類される(米国におけるPCB規制値:50ppm以上)。
このように、処理をして再使用する場合には、変圧器を解体しないため、分析可能なものは液サンプルのみとなる。変圧器は、多種の部材による複雑な組立構成物であるため、全ての部材から一様にPCBを溶出することは難しく、溶出処理を重ねる毎に部材間のバラツキは大きくなってくる。
処理直後には、この部材間のバラツキが顕著であるため、液を分析してもPCBが検出されず、部材の中に残っているという状態が起こる。このため、アメリカでは、処理後3ヶ月経過してから測定した値についての基準を設けている。
S. Hugh Hawthorne著、"Solvent decontamination of PCB electrical equipment",Ontario Hydro Research Division, CH1740-0/82/0000-0074 $0.75, Conf. Rec. Ind. Commer. Power Syst. Tech. Conf. 1982,pp 74-78 安福幸雄著「アメリカにおけるPCB処理技術の現状を見る」、技術専門誌「OHM」‘88年10月号、76‐80頁
我が国において広域処理施設での処理が困難である事情を勘案すると、上記した海外の「現地において解体しないで洗浄する」技術は、基本的にわが国における処理技術の指針となるものである。
本発明は上述の点を考慮してなされたものであり、電気機器中のPCBを溶剤に抽出して除去するにつき、機器の内部状態を把握しながら安全かつ経済的に除去処理を進めることができる微量PCB汚染電気機器のPCB除去方法を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明では、
PCBを含む絶縁油が充填された電気機器から前記絶縁油を抜取った後、炭化水素系溶剤を注入して、この炭化水素系溶剤に前記電気機器の内部に残留するPCBを溶解させて排出させるPCB汚染電気機器のPCB除去方法において、
下記計算式、
初期油中PCB濃度×重量×残油率(油付着率)×洗浄効率
ここで、初期油中PCB濃度:未処理油中のPCB濃度
重量:変圧器全体または構成部材の重量
油付着率:部材毎および状況により定まる油の付着率(含浸物
1gに滲み込む油量)
洗浄効率:単位洗浄当りのPCBの溶出率
により、前記電気機器内の除去処理の状況を算出し、
この算出結果を確認しながら除去処理を進める
ことを特徴とするPCB汚染電気機器のPCB除去方法、
を提供するものである。
本発明は上述のように、微量のPCBが何らかの原因で混入した電気機器を、基本プロセスにより内部状態を把握しながら洗浄することにより、効率的にPCBを除去することができる。そして、現地において電気機器を解体することがないため、経済性に優れ、洗浄時の温度及び圧力を特別なものとすることなく安全に洗浄することができる。
本発明の処理対象となる、何らかの原因で微量のPCBが混入したPCB汚染電気機器を変圧器について整理すると、(a)変圧器に注入された絶縁油中のPCB濃度は0.5〜数十ppmレベルである、(b)変圧器の大きさは、解体しないと輸送できないものが多い、(c)変圧器の台数は、百万台近くあると推定される、という特徴がある。
本発明では、これらの特徴、および上述の広域処理施設での処理が困難であることを勘案して、現地据付場所あるいは現地保管場所で移動可能な処理装置を用いることにより、変圧器からPCBを含む絶縁油を抜取った後、変圧器の内部を洗浄してPCBを除去する処理を行う。
ここにおいて、変圧器内部の構成と処理条件(溶剤温度や処理時間など)による溶出率を考慮して、所定計算式を用いた計算により処理後の状態を求めるものである。基本的には、初期のPCB量から処理により溶出したPCB量を差し引いて処理後のPCB量を求める。
求め方の詳細を、引き続き変圧器を例として以下に説明する。
まず、初期つまり除去処理前のPCB量は、油量と液中PCB濃度とから求めることができる。このPCBの分布状態は、変圧器を構成する各部材の重量や含浸率から求めることができる。
微量PCBが混入した絶縁油を抜油すると、変圧器内に残る油は、
(1)金属などの非含浸物の表面に付着しているもの、
(2)紙などの含浸物にしみ込んでいるもの、
(3)容器の底部や構造上の隙間などに残っているもの、
の3種類に分けられる。
抜油後に溶剤を注入したとき、残油の溶出度合いは、含浸(あるいは付着)している材質の種類や構成により異なる。この溶出度合いは、溶出処理の条件にも関わっており、これらを併せ考えれば処理による最終状態を既知の値または必要に応じて測定により得た測定値を得、その値を用いた計算により求めることができる。
このように除去処理と所定の式による計算とを組み合わせれば、変圧器を解体・分別することなく変圧器の除去処理後の内部状態を把握できる。解体・分別をしないことにより、それらに関わる設備や作業が不要となって経済的である上に、変圧器を送配電線に接続した状態で除去処理をメンテナンスと同様に行えば、変圧器の継続使用も可能となる。
変圧器を再使用する場合は、溶剤による変圧器への影響を変圧器絶縁油に対して行う規格試験により予め調べ、問題とならない混入濃度以下になるように絶縁油を注入する必要があり、この混入量も上記計算の中で求めることができる。
処理により生ずる部材その他によるPCB濃度の不均衡は、液に浸した状態で放置した場合には、時間の経過とともに緩和され、充分な時間の経過後には平衡した状態になる。
この計算に必要なパラメータは、変圧器の種類によっていくつかに分かれる。これは、変圧器の種類により、部材構成比が大きく違うものがあるからである。
また、計算に使用するパラメータのうちのいくつかは、対象となる変圧器の容量により変動する。例えば、容量が大きくなるに連れて重量比率が増す変圧器容器などがそれに当たる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る処理プロセスを示す工程図であり、図2は、本発明に用いる装置構成を示した説明図である。以下、処理プロセスの各ステップを図1に基き説明することとし、その各工程に使用する機器につき図2により説明する。
処理プロセスとしては、PCB汚染変圧器1の排油弁4に、抜取り配管14、抜取りポンプ6及び排油貯槽7を接続し、抜取りポンプ6を起動してPCB汚染変圧器1からPCBを含む絶縁油2を抜油する(図1、ステップS1)。抜油したPCBを含む絶縁油2は、排油貯槽7に貯める。
このとき、PCBの除去効率を向上するには、PCB汚染変圧器1からの抜油率を高めることが有効で、その方法として、抜油後にPCB汚染変圧器1のハンドホール5などから抜油ノズル9を挿入し、残油を上述と同様に排油貯槽11に回収する(図1、ステップS2)。抜油により回収したPCBを含む絶縁油2は、別途、排油処理施設に搬入され無害化処理される。
次に、PCB汚染変圧器1に、洗浄溶剤注入配管15、洗浄溶剤貯槽12、加温循環装置11、循環ポンプ10を接続し、排気配管17及び排気処理装置18を接続した上で、循環ポンプ10を起動して溶剤貯槽12の洗浄溶剤13をPCBで汚染した変圧器1内に注入し(図1、ステップS3)、溶剤を循環またはポンプを止めて浸漬する(図1、ステップS4)。排油貯槽7、洗浄溶剤貯槽12は蒸留装置19に接続するように構成してもよい。
このとき放出される排気ガスは、排気処理装置18内の活性炭あるいは光触媒などで構成された排気処理装置18を通すことで、排気ガス中のPCBを分解、除去して環境への放出を防止する。ただし、排気配管17および排気処理装置18は省略することもある。
ここで、洗浄に使用する溶剤13は、石油系溶剤を採用する。これらの洗浄溶剤10は、危険物に分類されるものの、低毒性で溶解力および安定性に優れ、取扱いが容易であり、実証データから洗浄効果に優れることが分っており、且つ経済性が良い。しかも、引火点以下の温度および大気圧状態で洗浄できるため、安全性にも優れている。
次に、上述の循環洗浄終了後に抜取りポンプ6を起動してPCB汚染変圧器1から洗浄溶剤13を排油貯槽7に回収し、貯める(図1、ステップS5)。
上述の溶剤注入、洗浄から抜油までの工程を数回繰返し(図1、ステップS3−S5)、PCB汚染変圧器1内の部材3の洗浄効果をさらに高めることができる。
そして、変圧器1を継続使用する場合は、図1におけるステップS6ないしS9に示す、加湿循環/乾燥、脱気注油(ステップS6)、絶縁油適合性検証(ステップS7)、変圧器改造時の性能検証(ステップS8)、そして、運転(ステップS9)へと移行していく。
以上のPCBを除去するための基本プロセス、及びシステム構成により洗浄効果を高めて、部材3中のPCBを洗浄溶剤13中に効率的に回収し除去することができる。
このようにPCBが除去された状態というのは、通常は解体して分析することにより把握するが、本発明では、これを計算により把握する。この計算について、以下に説明する。
図3は、本発明による処理に伴う変圧器の内部状態の変化を表した説明図である。対象となる微量のPCBが混入した変圧器1において、除去処理前の状態では、変圧器1内にある油中のPCB濃度は均一である(状態101)。抜油して状態102のようになると、微量PCB混入油は各構成部材中に残される。
ここで、状態103に示すように溶剤Sを注入すると、徐々にPCBが溶け出して状態104になる。溶け出したPCBを含む溶剤Sを抜油すると、状態105となり、注油−溶出−抜油を繰り返すことによって変圧器1内部のPCB量を減らすことができる。
除去処理後に変圧器を継続して使用する場合には、除去処理に使用する溶剤について変圧器の絶縁油として必要な規定値を満たすことが可能な混入濃度の上限値を予め試験によって求めておき、この上限値以下になるまで溶剤Sを除去する。この後、変圧器1内に絶縁油を注入する。この状態のまま充分に長い時間が経てば、変圧器1内の油のPCB濃度は再び平衡に達して均一にPCBが除去された状態となる(状態106)。
一方、変圧器を除却する場合は、抜油した状態で処理を終了する。
図4は、図3の状態105における変圧器1内部の詳細図である。変圧器1の内部には、紙などの絶縁物と銅などの金属とを積層した部材3(例えば、コイル3aや鉄心3bなどの金属を積層した芯、その他に木やプレスボードなどの多くの部材)が含まれており、それぞれが種類毎に異なる割合で油を含んでいる。
このため、処理により溶出するPCBの割合も部材の種類や構造によって異なり、処理を繰り返した後に排油弁4から抜油すると濃度に分布ができる。そこで、容器底部に残る油2aに関する残油率とか容器内面に付着する油2bに関する油付着率や、部材による洗浄効率などを導入して計算すると、処理に伴う変圧器内部の状態を求めることができる。
すなわち、下記残留濃度計算式、
初期油中PCB濃度×重量×残油率(油付着率)×洗浄効率
ここで、初期油中PCB濃度:未処理油中のPCB濃度
重量:変圧器全体または構成部材の重量
油付着率:部材毎および状況により定まる油の付着率(含浸物1
gに滲み込む油量)
洗浄効率:単純洗浄当りのPCBの溶出率
による計算を行う。
この残留濃度計算式による計算により、最終的に残留しているPCBの濃度も求めることができる。処理の途中経過を求めることも可能であるため、処理の指針として使用することができる。
これらの処理は、変圧器などの通常の油入換えメンテナンスとほぼ同様の処理であり、これをメンテナンスと同時に行うことで稼働中の変圧器への負担を軽減することができる。
(計算例)
次に具体的機器について変圧器を例にとり、上記残留濃度計算式を用いてPCB濃度を算出してみる。
1.処理対象変圧器
総重量;21500kg
油量;6600L
中身重量;10500kg
初期油中PCB濃度;35mg/kg
2.処理条件
洗浄溶剤;HC370(東ソー社製)
洗浄時間;24時間(1回当たり)
洗浄温度;60度(洗浄液循環中)
3.部材構成比の計算
部材構成比は、これまでの測定結果より表1のように求められる。
Figure 0004898507
4.処理後の残留PCB量の計算
処理毎のPCB残留量は、上記2.の処理条件の場合に表2のように求められる。
Figure 0004898507
これを元に上記残留濃度計算式により油中PCB濃度を計算すると、残留PCB量は表3のようになる。
Figure 0004898507
5.処理回数の決定
上記表3より3回で、目標の0.5以下となることが分かる。
(その他の処理)
前述したように、機器内の残留PCBの一つとして、抜油した後に容器底に残る油があり、これを減らすことでPCBの残量を減らすことができる。抜油用のバルブは機器の下部に設けられていることが多いが、底面には設けられていないため、多少の残量が出る。ノズルを挿入してこれを回収することで、残量を減らすことができる。
以上の処理により、PCBを含んだ絶縁油と溶剤との混合物が回収される。この混合物を蒸留分離すると、溶剤のみと絶縁油にPCBを含んだものとに分離できる。絶縁油およびPCBは、両者を分離せずに無害化処理施設へ運ぶ。このため、PCBは初期の濃度より濃くなることがなく、濃縮したPCBを扱わないので安全性が高くなる。
処理後に変圧器を再使用するためには、溶剤を抜いた後に変圧器に本来使われている絶縁油を注入する。溶剤の変圧器への影響は予め定められた試験により調べ、問題の無いレベルになるまで洗浄溶剤を取り除く。取り除く方法としては、抜油または共洗いがある。
処理に使用する溶剤は、PCBと分離して再使用するため、沸点範囲がPCBに重ならないことが必要である。
変圧器を再使用するためには、変圧器内部の温度上昇を規定値以内に保つ必要がある。また、溶剤の引火点を超えない温度で洗浄することにより、安全性が高まる。このため、洗浄中の温度は80度以下とする。
本発明を適用するPCB除去の基本プロセスを示すフローチャート。 図1に示したプロセスの適用対象である変圧器およびその関連システムの構成を示す図。 PCB除去処理に伴う変圧器内部の状態変化を表す模式図。 除去処理直後の変圧器内部のPCBの分布状態を示す図。
符号の説明
1・・・・PCB汚染変圧器
2・・・・PCBを含む絶縁油
3・・・・変圧器内部構成物
4・・・・排油バルブ
5・・・・ハンドホール
6・・・・抜取りポンプ
7・・・・排油貯槽
8・・・・排油または廃溶剤
9・・・・抜油ノズル
10・・・循環ポンプ
11・・・加温循環装置
12・・・溶剤貯槽
13・・・溶剤
14・・・抜取り配管
15・・・洗浄溶剤注入配管
16・・・洗浄溶剤循環配管
17・・・真空排気配管
18・・・排気処理装置
19・・・変圧器の初期状態
20・・・初期の油を抜油した状態
21・・・石油系溶剤
22・・・溶剤を注入した状態
23・・・PCBが溶出した溶剤
24・・・溶剤にPCBが溶出した状態
25・・・PCBが溶出した溶剤を抜油した状態
26・・・各部材に溶け込んだPCBが溶出して均質化した状態
27・・・排油弁
28・・・コイル
29・・・芯
30・・・容器内残油
31・・・容器壁面に付着した油

Claims (7)

  1. PCBを含む絶縁油が充填された電気機器から前記絶縁油を抜取った後、炭化水素系溶剤を注入して、この炭化水素系溶剤に前記電気機器の内部に残留するPCBを溶解させて排出させるPCB汚染電気機器のPCB除去方法において、
    下記計算式、
    初期油中PCB濃度×重量×残油率(油付着率)×洗浄効率
    ここで、初期油中PCB濃度:未処理油中のPCB濃度
    重量:変圧器全体または構成部材の重量
    油付着率:部材毎および状況により定まる油の付着率(含浸物
    1gに滲み込む油量)
    洗浄効率:単位洗浄当りのPCBの溶出率
    により、前記電気機器内の除去処理の状況を算出し、
    この算出結果を確認しながら除去処理を進める
    ことを特徴とするPCB汚染電気機器のPCB除去方法。
  2. 請求項1記載のPCB汚染電気機器のPCB除去方法において、
    前記計算式には、前記電気機器の構成と、処理条件に伴う溶出率を使用し、
    前記電気機器の種類および容量による微小な変更を加えて洗浄回数を変更する
    ことを特徴とするPCB汚染電気機器のPCB除去方法。
  3. 請求項1記載のPCB汚染電気機器のPCB除去方法において、
    除去処理中に、予め定められた洗浄回数毎に洗浄後の洗浄液中のPCB濃度を測定し、前記算出結果と比較して、除去処理にフィードバックすることを特徴とするPCB汚染電気機器のPCB除去方法。
  4. 請求項1記載のPCB汚染電気機器のPCB除去方法において、
    除去処理に使用した洗浄溶剤は、絶縁油およびPCBの混在した液と分離して再使用し、この分離の際に絶縁油とPCBとは分離しないことを特徴とするPCB汚染電気機器のPCB除去方法。
  5. 請求項1に記載のPCB汚染電気機器のPCB除去方法において、
    除去処理後に前記電気機器を継続して使用する場合には、除去処理に使用する溶剤について前記電気機器の絶縁油として必要な規定値を満たすことが可能な混入濃度の上限値を予め試験によって求め、
    前記上限値以下になるまで洗浄溶剤を除去する
    ことを特徴とするPCB汚染電気機器のPCB除去方法。
  6. 請求項1記載のPCB汚染電気機器のPCB除去方法において、
    前記炭化水素系溶剤は、沸点が250度以下であることを特徴とするPCB汚染電気機器のPCB除去方法。
  7. 請求項1に記載のPCB汚染電気機器のPCB除去方法において、
    前記溶剤を80℃以下に加温して循環することを特徴とするPCB汚染電気機器のPCB除去方法。
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