JP6324182B2 - Pcb汚染機器の洗浄処理の終了判定方法、及び洗浄によるpcb無害化処理の完了判定方法、並びに洗浄後の洗浄液のpcb濃度の予測方法 - Google Patents

Pcb汚染機器の洗浄処理の終了判定方法、及び洗浄によるpcb無害化処理の完了判定方法、並びに洗浄後の洗浄液のpcb濃度の予測方法 Download PDF

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Description

本発明は、PCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法、及び洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法、並びに洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法に関する。
平成14年7月にポリ塩化ビフェニル(PCB)を使用していないはずの変圧器等の重電機器の絶縁油から微量のPCBが検出された。前記PCBの濃度は微量(ppmオーダー)であるが、PCB混入が疑われるPCB汚染機器は多種多量であり、現在600万台程度の膨大な台数存在すると予測され、更に機器保有先が多業種にわたっていることから、PCB汚染機器の安全で経済的な処理の実現が強く望まれている。
国は平成15年に「低濃度PCB汚染物対策検討委員会」を設置して問題解決に向けた検討を始め、平成21年に「中央環境審議会 廃棄物・リサイクル部会 微量PCB混入廃重電機器の処理に関する専門委員会」において微量PCB混入廃電気機器等の処理方策の検討結果をまとめた。骨子として、焼却施設における焼却実証試験の推進や、保管場所において電気機器等の絶縁油を入れ替えて一定期間の課電などによりPCBを除去する方法の技術検証と処理を行う制度上の検討を進めることなどが挙げられている。これを受けて環境省は焼却実証試験を進め、環境大臣による無害化処理認定制度の導入により、PCB汚染物を焼却により無害化する施設が設置され始めている。
一方、新たなPCB除去技術の検証は国として未だ着手されていない。平成23年度から「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」にて検討されてきたPCB廃棄物の処理期限が平成24年に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令」として閣議決定され、事業者によるPCB廃棄物の処分の期間が平成39年3月31日となった。PCB廃棄物の処理期限が明確となったことから、新たなPCB除去技術の検証と制度上の検討が喫緊の課題となっている。
本願出願人は、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、微量PCB汚染変圧器の経済的かつ安全な無害化処理技術として、PCB汚染油を抜油し、PCB非含有洗浄油への入れ替えに続いてPCB非含有洗浄油で前記微量PCB汚染変圧器を洗浄する加熱強制循環洗浄及び課電自然循環洗浄について検討し、既に提案している(特許文献1及び2参照)。
前記加熱強制循環洗浄においては、これまでに小型変圧器及び中型変圧器を用いた試験から洗浄油の加熱循環により、内部部材から洗浄油へのPCBの溶出が促進され、変圧器の容器及び内部部材についてPCB無害化処理基準を満足するまで洗浄できる原理が立証されている。
前記課電自然循環洗浄においては、これまでに小型変圧器及び中型変圧器を用いた試験から課電により内部部材から洗浄油へのPCBの溶出が促進され、変圧器の容器及び内部部材についてPCB無害化処理基準を満足するまで洗浄できる原理が立証されている。
これらの洗浄技術について汚染油の洗浄油への入れ替えに続いて一定期間洗浄を行うサイクルを2回繰り返すことで、微量PCB汚染機器としては比較的高いPCB濃度の汚染機器まで洗浄可能であることも示されている。
更に、前記加熱強制循環洗浄及び前記課電自然循環洗浄について、実際の保管又は設置(使用)場所で微量PCB混入大型変圧器を対象とした実証が行われた。その結果として、PCB汚染機器からPCBで汚染された絶縁油の抜油、洗浄液の注入、一定期間の移動式洗浄装置による加熱強制循環洗浄、又は商用運転による課電自然循環洗浄に加え、洗浄液の抜液の操作を行うことで周辺環境に影響を及ぼすことなく、PCB汚染機器を構成する容器や内部部材について該当するPCB無害化処理における汚染基準未満となるまでPCBの除去が可能であることが実証された。
一方、前記加熱強制循環洗浄及び前記課電自然循環洗浄の実用にあたっては、洗浄後にPCB汚染機器を構成する容器や内部部材が該当するPCB無害化処理の基準を満足することを適切かつ効率的に確認する手段の開発が重要である。
現在では、洗浄後にPCB汚染機器を構成する金属、紙、木等の構成部材の検定分析を行って、PCB無害化処理の基準を満足することを確認することが行われている。しかし、600万台程度の膨大な台数の処理が想定される微量PCB汚染機器においては、機器毎に内部部材を採取し、検定分析を行うことは実現性がなく、その手間や費用が処理の効率や経済性を低下させるばかりでなく、処理期間の長期化を招いてしまう。故に、PCB無害化処理の基準を満足することを効率的に判定する手段が課題解決には不可欠である。
このためには、PCBで汚染されたPCB汚染機器の洗浄工程における何らかの指標により、簡易かつ実用的にPCB汚染機器の洗浄処理の終了と、洗浄後のPCB汚染機器のPCB無害化処理の完了を判定する方法が必要である。そこで、本発明においては、判定の指標として洗浄液のPCB濃度に着目した。即ち、予め洗浄前に洗浄後の洗浄液のPCB濃度を予測し、予測濃度が設定した管理濃度を超えない場合に、PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に洗浄後のPCB汚染機器のPCB無害化処理の完了を判定できることを知見した。よって、PCB汚染機器の仕様や大きさに関わらず、洗浄前に洗浄後の洗浄液のPCB濃度が予測でき、洗浄後のPCB汚染機器がPCB無害化基準を満足することを、汎用的・普遍的に示すことが必要である。
一方、PCB汚染機器の洗浄において、洗浄後のPCB汚染機器の内部に残るPCB量を推定する計算方法が検討されている。例えば、特許文献3では、PCB汚染変圧器を、前記変圧器内部の構成と処理条件による溶出率を考慮して、所定の計算式を用いた計算により処理後の状態を求め、初期のPCB量から処理により溶出したPCB量を差し引いて処理後のPCB量を求める方法が提案されている。この提案の方法は、洗浄処理工程において、PCB除去の程度を推定することに利用されうる。しかしながら、実態としてPCB汚染機器全体としてのPCBの除去の程度と、洗浄液のPCB濃度の相対関係が不明確であることから「PCB汚染機器を洗浄液で洗浄した後、洗浄液のPCB濃度から洗浄処理の終了を判定すること」の指標として洗浄液のPCB濃度が知見されていない。また同様に、PCB汚染機器全体としてのPCB除去の程度と、PCB汚染機器の容器や内部部材などのPCB除去の程度と、洗浄液のPCB濃度の相対関係が不明確であることから「洗浄によるPCB無害化処理を判定すること」の指標として洗浄液のPCB濃度が知見されていない。
したがって、前記提案の方法は、洗浄後のPCB量を算出してPCBを除去する方法にすぎず、PCB汚染変圧器の仕様や大きさに依存しない汎用性のある洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測するものではなく、「PCB汚染機器を洗浄液で洗浄した後、洗浄液のPCB濃度から、洗浄処理の終了を判定すること」、及び「洗浄によるPCB無害化処理を判定すること」は到底できないものである。
特許第4889557号公報 特許第5436889号公報 特許第4898507号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、PCBで汚染されたPCB汚染機器の仕様や大きさに関わらず、前記PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に洗浄によるPCB無害化処理の完了を判定することができる汎用性のある方法と、前記方法を裏付け・実現するために、PCB汚染機器を洗浄液で洗浄する前に洗浄後の洗浄液のPCB濃度を予測することができる汎用性のある方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
本発明のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法は、第1の形態では、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で洗浄した後、洗浄液のPCB濃度から、洗浄処理の終了を判定する。
本発明の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法は、第1の形態では、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で洗浄した後、洗浄液のPCB濃度から、PCB無害化処理の完了を判定する。
本発明の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で洗浄する前に洗浄後の洗浄液のPCB濃度を予測する方法であって、
前記PCB汚染機器を洗浄前の絶縁油のPCB濃度、前記PCB汚染機器の銘板重量、及び前記PCB汚染機器の銘板油量から、下記数式3により洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度を求めることを特徴とする。
[数式3]
洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度=
[(内部部材係数×銘板重量×内部部材含油係数×洗浄前の絶縁油のPCB濃度)+(銘板油量2/3×容器残油係数×洗浄前の絶縁油のPCB濃度)]/(銘板油量×絶縁油比重)
ただし、前記数式3中、前記銘板重量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている絶縁油を含むPCB汚染機器の総重量を表す。前記銘板油量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている総油量であり、容器壁面及び容器底面への付着量算出のため油の接触面積を考慮して2/3乗とした。前記内部部材含油係数は、前記PCB汚染機器の内部部材中の油含有量を求める係数を表す。前記内部部材係数は、前記銘板重量から内部部材重量を求める係数を表す。前記容器残油係数は、前記PCB汚染機器から絶縁油を抜油後に前記PCB汚染機器の容器壁面及び容器底面に残存する絶縁油量を算出する係数を表す。
本発明のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法は、第2の形態では、本発明の前記洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法により求めた洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度から、洗浄処理の終了を判定する。
本発明の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法は、第2の形態では、本発明の前記洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法により求めた洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度から、PCB無害化処理の完了を判定する。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、PCBで汚染されたPCB汚染機器の仕様や大きさに関わらず、前記PCB汚染機器を洗浄液で洗浄する前に洗浄後の洗浄液のPCB濃度を予測することができる汎用性のある洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法、及び前記予測方法により、PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に洗浄によるPCB無害化処理の完了を判定する方法を提供することができる。
図1は、本発明の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法の考え方の一例を示す概略図である。 図2は、実測した洗浄油のPCB濃度と、予測した洗浄油のPCB予測濃度との関係を示すグラフである。 図3Aは、実測した洗浄前の絶縁油のPCB濃度(元油PCB濃度)と、予測した洗浄油のPCB予測濃度との関係を示すグラフである。 図3Bは、図3Aの部分拡大図である。 図4は、巻形鉄心を有する外鉄形コアの構造及び銅コイルの構造の一例を示す図面である。 図5は、巻形鉄心を有する内鉄形コアの構造及び銅コイルの構造の一例を示す図面である。
(洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法)
本発明の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で洗浄する前に洗浄後の洗浄液のPCB濃度を予測する方法であって、
前記PCB汚染機器を洗浄前の絶縁油のPCB濃度、前記PCB汚染機器の銘板重量、及び前記PCB汚染機器の銘板油量から、下記数式3により洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度を求めるものである。
[数式3]
洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度=
[(内部部材係数×銘板重量×内部部材含油係数×洗浄前の絶縁油のPCB濃度)+(銘板油量2/3×容器残油係数×洗浄前の絶縁油のPCB濃度)]/(銘板油量×絶縁油比重)
ただし、前記数式3中、前記銘板重量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている絶縁油を含むPCB汚染機器の総重量を表す。前記銘板油量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている総油量であり、容器壁面及び容器底面への付着量算出のため油の接触面積を考慮して2/3乗とした。前記内部部材含油係数は、前記PCB汚染機器の内部部材中の油含有量を求める係数を表す。前記内部部材係数は、前記銘板重量から内部部材重量を求める係数を表す。前記容器残油係数は、前記PCB汚染機器から絶縁油を抜油後に前記PCB汚染機器の容器壁面及び容器底面に残存する絶縁油量を算出する係数を表す。
前記課題を解決するため本発明者らが、加熱強制循環洗浄及び課電自然循環洗浄の開発や実証の段階において鋭意検討を重ねた結果、温度や期間等の洗浄条件を満たし、かつ洗浄後の洗浄液のPCB濃度が所定の範囲となることによって、洗浄後のPCB汚染機器の容器及び内部部材について該当する検定分析を実施し、PCB無害化処理の基準を満足することを確かめ、PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に洗浄後の機器のPCB無害化処理の完了を判定できることを知見した。また、PCB汚染機器を洗浄後の洗浄液のPCB濃度を洗浄前に予測する方法が必要であることを知見した。
そして、前記知見から本発明者らが更に鋭意検討を進めた結果、PCB汚染機器を洗浄前の絶縁油のPCB濃度、PCB汚染機器の銘板重量、及びPCB汚染機器の銘板油量から、前記数式3により洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度を求める方法を見出し、本発明をなすに至った。
本発明の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法は、洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度によるPCB汚染機器の無害化処理の判定の確からしさを示す科学的知見であるばかりでなく、洗浄前に洗浄結果を予測できるので、PCB汚染濃度による効率的な洗浄順位、洗浄液の準備、洗浄液の節約などの洗浄処理の実用上も極めて有用である。
以下に、前記PCB汚染機器を洗浄前の絶縁油のPCB濃度、前記PCB汚染機器の銘板重量、及び前記PCB汚染機器の銘板油量から、洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度を求める方法について説明する。
まず、前記PCB汚染機器の内部部材を含浸している洗浄前の絶縁油に含まれるPCB量は、下記数式1から求めることができる。
[数式1]
内部部材中のPCB量(mg)=銘板重量×洗浄前の絶縁油のPCB濃度×内部部材係数×内部部材含油係数
ただし、前記数式1中、前記銘板重量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている絶縁油を含むPCB汚染機器の総重量を表す。前記内部部材係数は、前記銘板重量から内部部材重量を求める係数を表す。前記内部部材含油係数は、前記PCB汚染機器の内部部材中の油含有量を求める係数を表す。
前記内部部材としては、PCBが含有・付着する部材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記PCB汚染機器が変圧器であれば、鉄心、コイル(巻線)、絶縁材料、冷却用構造材(ラジエータ)、コンサベータ、エレファントなどが挙げられる。
前記洗浄前の絶縁油のPCB濃度は、例えば、高分解能質量分析計(HRGC−HRMS)などにより測定することができる。
前記数式1により、PCB汚染機器の銘板重量から内部部材に含まれる油量を導き、前記内部部材に含まれる油量に洗浄前の絶縁油のPCB濃度を乗ずることで前記内部部材中のPCB量を算出することができる。
次に、前記PCB汚染機器の容器壁面及び容器底面に残存する洗浄前の絶縁油に含まれるPCB量を下記数式2から求めることができる。
[数式2]
容器壁面及び容器底面に残存するPCB量(mg)=銘板油量2/3×洗浄前の絶縁油のPCB濃度×容器残油係数
ただし、前記数式2中、前記銘板油量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている総油量であり、容器壁面及び容器底面への付着量算出のため油の接触面積を考慮して2/3乗とした。前記容器残油係数は、洗浄前の絶縁油の抜油後に容器壁面及び容器底面に残存する油量を算出する係数を表す。
次に、前記数式1及び前記数式2の合計となるPCB量を洗浄時の洗浄液量の目安となる銘板油量と絶縁油比重から求めた洗浄油重量で除することで洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度を下記数式3から求めることができる。前記絶縁油の比重は、0.87である。
[数式3]
洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度=
[(内部部材係数×銘板重量×内部部材含油係数×洗浄前の絶縁油のPCB濃度)+(銘板油量2/3×容器残油係数×洗浄前の絶縁油のPCB濃度)]/(銘板油量×絶縁油比重)
前記数式3における前記「内部部材係数」、前記「内部部材残油係数」、及び前記「容器残油係数」については、実際に各種変圧器を複数台解体し、箇所(コイル、鉄心、容器)、部材(紙類、銅線類、木)別に重量、油含有量、PCB含有・付着量を実測することにより求めることができる。
したがって、本発明の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法によれば、PCB汚染機器の仕様や大きさに関わらず、前記洗浄前の絶縁油のPCB濃度、前記PCB汚染機器の銘板重量、及び前記PCB汚染機器の銘板油量から、前記数式3により、洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度を簡易かつ確実に求めることができる。
本発明の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法は、以下に説明するPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法及び洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法に好適に適用することができる。
また、洗浄計画においては、例えば、洗浄前の絶縁油のPCB濃度を指標として洗浄するPCB汚染機器の順番の設定や必要な洗浄液量の見積もりなどが挙げられる。
また、洗浄時においては、実測するPCB濃度と合わせて洗浄工程の管理や洗浄終了時間の予想にも役立つものである。
また、実用においては、洗浄条件や抜油の均質性が予測値の変動要因であるため注意が必要であるが、一旦変動要因が把握できれば、PCB汚染機器の大きさや仕様に関わらず広く適用することができる。
(PCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法及び洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法)
本発明のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法は、第1の形態では、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で洗浄した後、洗浄液のPCB濃度から、洗浄処理の終了を判定する。
本発明のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法は、第2の形態では、本発明の前記洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法により求めた洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度から、洗浄処理の終了を判定する。
本発明の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法は、第1の形態では、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で洗浄した後、洗浄液のPCB濃度から、PCB無害化処理の完了を判定する。
本発明の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法は、第2の形態では、本発明の前記洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法により求めた洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度から、PCB無害化処理の完了を判定する。
前記第1の形態のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法、及び前記第1の形態の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法において、PCB汚染機器を洗浄液で洗浄した後の洗浄液のPCB濃度としては、実測値であっても予測値であっても構わない。前記予測値の場合には、本発明の前記洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法により求めた洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度であることが好ましい。
前記第1の形態のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法、及び前記第1の形態の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法において、前記PCB汚染機器から絶縁油の抜油と洗浄液の注入とに続いて洗浄するサイクルで、PCB汚染機器を洗浄液で洗浄した後の洗浄液のPCB濃度が0.5ppm以下であれば、PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に、洗浄によるPCB無害化処理が完了していると判定することができる。
前記洗浄後のPCB汚染機器の容器及び内部部材が、PCB無害化基準を満たしていることは、「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」(平成4年厚生省告示第192号)別表第三の第二(拭き取り試験)の判定基準、同別表第三の第三(部材採取試験)の判定基準、及び同別表第四の判定基準をいずれも満たしていることにより確認することができる。
前記第2の形態のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法、及び前記第2の形態の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法において、前記PCB汚染機器から絶縁油の抜油と洗浄液の注入とに続いて洗浄するサイクルで、洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度が0.5ppm以下であれば、PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に、洗浄によるPCB無害化処理が完了していると判定することができる。
この場合、洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度が0.5ppmから導かれる洗浄前の絶縁油のPCB濃度は20.9ppmであり、1回の洗浄サイクルの場合には20.9ppmが判定を適用しうる洗浄前の洗浄液のPCB濃度の上限となる。
前記洗浄後のPCB汚染機器の容器及び内部部材が、PCB無害化基準を満たしていることは、「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」(平成4年厚生省告示第192号)別表第三の第二(拭き取り試験)の判定基準、同別表第三の第三(部材採取試験)の判定基準、及び同別表第四の判定基準をいずれも満たしていることにより確認することができる。
<PCB汚染機器>
前記PCB汚染機器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、小型変圧器、中型変圧器、大型変圧器、超大型変圧器、封じ切り機器(大型ブッシング、OFケーブル)、などが挙げられる。これらの中でも、小型変圧器、中型変圧器、大型変圧器、超大型変圧器が好ましい。
前記小型変圧器とは、銘板重量が1.0t未満のものを意味する。
前記中型変圧器とは、銘板重量が1.0t以上10.0t未満のものを意味する。
前記大型変圧器とは、銘板重量が10.0t以上200t未満のものを意味する。
前記超大型変圧器とは、銘板重量が200t以上のものを意味する。
<<変圧器>>
前記変圧器の構造としては、例えば、(1)鉄心(コア)関連、(2)巻線(コイル)関連、(3)絶縁関連、(4)タップ切換装置、(5)タンク・塗装関連、(6)付属品関連などが挙げられる。
前記(1)鉄心関連としては、例えば、鉄心材料、巻鉄心、積鉄心、鉄心構造がある。
前記鉄心材料としては、例えば、冷間圧延ケイ素鋼帯、方向性ケイ素鋼帯、磁区制御ケイ素鋼帯、アモルファス鉄心材料などが挙げられる。
前記巻鉄心としては、例えば、ノーカット巻心(NC)、ステップジョイント巻心(1TC)、ダブルステップラップジョイント巻心(DSL)などが挙げられる。
前記積鉄心としては、例えば、短冊形積鉄心、額縁形積鉄心、Vノッチ形積鉄心などが挙げられる。
前記鉄心構造としては、例えば、内鉄形と外鉄形がある。
前記内鉄形は、各相の巻線毎に、1つの独立した閉磁路を有するようにした鉄心形式であり、鉄心が巻線の内側にあるような外観となる。
前記外鉄形は、各相の巻線毎に、2つの独立した閉磁路を有するようにした鉄心形式であり、鉄心が巻線の外側にあるような外観となる。
前記(2)巻線関連としては、例えば、巻線材料、巻線の構造がある。
前記巻線材料としては、例えば、ホルマール銅線(又はホルマールアルミニウム線)、ホルマール平角銅線、紙巻平角銅線、電着塗装平角銅線、転位導体、銅条(アルミニウム条)などが挙げられる。
前記巻線の構造としては、例えば、円筒巻線、板状巻線、インターリーブ巻線、同心配置、交互配置などが挙げられる。
前記(3)絶縁関連としては、例えば、絶縁材料、絶縁油がある。
前記絶縁材料としては、例えば、コイル絶縁紙、プレスボード、接着絶縁紙などが挙げられる。
前記絶縁油としては、例えば、JIS C2320−1999(電気絶縁油)に規定された絶縁油Aの1種(鉱油)2号を用いることができる。前記絶縁油の比重は、0.87である。
前記(4)タップ切換装置としては、例えば、タップ板、無電圧タップ切換器、負荷時タップ切換器がある。
前記タップとは、変圧器の受電する電圧が変動した場合、電圧に適合した巻数が選択できるように、巻線の途中から外部へ引き出した引出線を意味する。
前記(5)タンク・塗装関連としては、例えば、タンク(容器)、ラジエータ、塗装がある。
前記容器としては、例えば、円筒形、小判形、角形などが挙げられる。
前記ラジエータとしては、例えば、リブ(フィン)式ラジエータ、パネル式ラジエータ、コルゲート式ラジエータなどが挙げられる。
前記塗装としては、例えば、焼付塗装、自然乾燥塗装、普通塗装、耐塩塗装などが挙げられる。
前記(6)付属部品関連としては、例えば、ブッシング、高圧絶縁キャップ、基礎ボルト、接地端子、排油栓、排油弁、油面計、温度計、防振ゴム、耐震性防振架台、車輪、呼吸器がある。
前記ブッシングとは、隔壁(変圧器のカバー、ケース等)を貫通する導体を通す通路を持ち、この導体を隔壁から絶縁すると共に、シール機能を持たせて支持固定する装置をいう。前記ブッシングには、一次ブッシングと二次ブッシングとがある。
ここで、前記変圧器の一例について説明する。前記変圧器は、外缶容器と、該外缶容器に内装された内部部材とを有し、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記内部部材としては、図4に示す外鉄形コアと、図5に示す内鉄形コアとに大別される。
前記外鉄形コアは、例えば、図4に示すように、1個の鉄心と、2個の銅コイルとで構成されている。前記鉄心は、薄いケイ素鋼板を巻いた巻鉄心であり、前記銅コイルの内側は二次銅線と紙類であり、前記銅コイルの外側は一次銅線と紙類である。
前記内鉄形コアは、例えば、図5に示すように、2個の鉄心と、1個の銅コイルとで構成されている。ここで、前記鉄心は、薄いケイ素鋼板を巻いた巻鉄心であり、前記銅コイルの外側及び内側は二次銅線と紙類であり、前記銅コイルの中央部は一次銅線と紙類である。
本発明のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法、本発明の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法、及び本発明の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法は、いずれも、使用中PCB汚染機器及び使用済みPCB汚染機器の少なくともいずれかの洗浄に用いられることが好ましい。
前記使用中PCB汚染機器とは、現在使用している機器を意味し、洗浄後に使用しない場合も使用を継続する場合も包含する。
本発明のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法、本発明の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法、及び本発明の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法は、いずれも加熱強制循環洗浄及び課電自然循環洗浄の少なくともいずれかに用いられることが好ましい。
これらの中でも、使用中PCB汚染機器の課電自然循環洗浄に用いることが特に好ましい。これは、PCBに汚染されている使用中PCB汚染機器の課電自然循環洗浄においてはPCBを除去した後も機器の余寿命があり、資源リサイクルの観点からも使用の継続が望まれている。それ故、洗浄後にPCB汚染機器の解体により内部部材を採取し、検定分析を行うことは現実的ではない。そこで、特に、前記課電自然循環洗浄の実用にあたっては、洗浄する前に洗浄後の洗浄液中のPCB濃度を予測し、前記予測結果から、PCB汚染機器の洗浄処理の終了を判定し、使用を継続しても再びPCB汚染物となることがないことを担保した上で、洗浄後にPCB汚染機器を構成する容器や内部部材が該当するPCB無害化処理の基準を満足できるか否かを判定できることが必要とされている。
<加熱強制循環洗浄>
前記加熱強制循環洗浄は、PCB汚染機器からPCBを含む絶縁油を抜油し、洗浄液に入れ替え後の前記洗浄液を加温してPCB汚染機器内で強制的に循環させることで、PCB汚染機器の容器内壁、容器底面、及び内部部材に付着していたPCBを洗い出す技術である。
前記加熱強制循環洗浄は、抜油工程と、注入工程と、加熱工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。なお、前記抜油工程と、前記注入工程と、前記加熱工程とは任意の順番で行うことができる。
<<抜油工程>>
前記抜油工程は、PCB汚染機器からPCBを含む絶縁油を抜油する工程である。
前記抜油工程においては、まず、外缶容器と内部部材とを分離する。次いで、前記外缶容器内のPCBで汚染された絶縁油(元油)を、ポンプを用いて金属製タンクに移す。
前記抜油は、上述したように、外缶容器内のPCBで汚染された絶縁油を、ポンプを用いて抜油することに限定されるものではなく、例えば、PCB汚染機器の下部に設けられた抜油口からPCBで汚染された絶縁油を抜油してもよい。
<<注入工程>>
前記注入工程は、PCB汚染機器に、洗浄液を注入する工程である。
前記注入工程は、まず、内部部材を外缶容器内に設置する。次いで、洗浄液を、PCB汚染機器に注入する。
前記洗浄液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、PCBを実質的に含まない油、及びPCBを溶解可能な有機溶剤から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記PCBを実質的に含まない油とは、PCBの含有濃度が規制(基準)範囲内である油を意味し、PCBの含有濃度が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)以下の油を示す。
前記PCBを実質的に含まない油としては、例えば、燃料油、潤滑油、食用油等に用いられる天然油、電気絶縁油を含む鉱油、合成油などが挙げられる。なお、廃油、再生油、化学的処理によりPCBを分解した油、物理的処理によりPCBを除去した油であっても構わない
前記PCBを溶解可能な有機溶剤としては、例えば、第2石油類及び第3石油類から選ばれる炭化水素系洗浄剤などが挙げられる。
<<加熱工程>>
前記加熱工程は、前記注入工程で注入された洗浄液の温度が40℃〜90℃となるように、循環洗浄により該洗浄液を加熱する工程である、
前記循環洗浄の全期間において、循環される油の送液速度(循環流速)は、少なくとも変圧器内の油が1時間に1回以上入れ替わる速度が好ましい。
前記洗浄液の温度は、40℃〜90℃が好ましく、50℃〜90℃がより好ましく、50℃〜70℃が更に好ましい。
前記加熱工程における油の昇温速度は、6℃/hr〜8℃/hrが好ましい。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、例えば、洗浄液を30℃〜40℃に温調する温調工程、洗浄液の温度が40℃〜90℃になるように該洗浄液を加熱して自然冷却した後、再度、洗浄液の温度が40℃〜90℃になるように該洗浄液を加熱する第2の加熱工程、PCB汚染機器にPCBに汚染されてない油、又はPCBの含有濃度が規制(基準)範囲内である油を注入する際に、油中の塵あい、水分、溶解ガス等をろ過と真空脱気によって充分に除去する浄油工程などが挙げられる。
<課電自然循環洗浄>
前記課電自然循環洗浄は、PCB汚染機器からPCBを含む絶縁油を抜油し、洗浄液への入れ替え後にPCB汚染機器を課電することで内部部材の発熱を促し、洗浄液を自然にPCB汚染機器内部で循環させることで、PCB汚染機器の容器内壁、容器底面、及び内部部材に付着していたPCBを洗い出す技術である。
前記課電自然循環洗浄は、抜油工程と、注入工程と、課電工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。なお、前記抜油工程と、前記注入工程と、前記課電工程とは任意の順番で行うことができる。
<<抜油工程>>
前記抜油工程は、前記加熱強制循環洗浄の前記抜油工程と同様である。
<<注入工程>>
前記注入工程は、前記加熱強制循環洗浄の前記注入工程と同様である。
<<課電工程>>
前記課電工程は、前記PCB汚染機器に課電する工程である。
前記課電工程において、PCB汚染機器内部を発熱させて、PCB汚染機器内の洗浄液の温度を加熱によって変化させる。
前記洗浄液の温度は、外気温〜100℃が好ましく、30℃〜80℃がより好ましい。このように、洗浄液の温度を制御することにより、洗浄の際の発火を抑制することができる。
前記課電工程における課電により、PCB汚染機器内の洗浄液の温度を加熱によって変化させることのみならず、加熱によるPCB汚染機器内の洗浄液の循環、電磁誘導による内部部材の振動などの効果も期待される。
前記課電工程におけるPCB汚染機器への課電は、PCB汚染機器が変圧器である場合には、変圧器を定格負荷で運転した場合に、機器各部の温度上昇が絶縁の種類によって定められた一定限度内にあることを検証する目的で用いられる変圧器の温度試験方法(例えば、返還負荷法、等価負荷法、実負荷法)、又は電気系統への接続により行われる。
前記電気系統への接続は、実際の電気系統に変圧器を接続し、電流値や油の温度を人為的に制御しないで行う。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、例えば、課電工程後に、PCB汚染機器から、前記注入された洗浄液を抜油する第2の抜油工程、PCBを実質的に含んでいない油を注入する際に油中の塵あい、水分、溶解ガス等をろ過と真空脱気によって充分に除去する浄油工程などが挙げられる。なお、前記抜油工程において、外部加熱乃至保温による油切り工程、前記課電工程において、外部加熱、外部冷却、保温、課電電圧の強弱、課電電流の強弱、課電の断続的実施、及び自然放冷の少なくともいずれかを行う工程なども挙げられる。
本発明のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法及び洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法は、PCB汚染機器を洗浄液で洗浄した後の洗浄液のPCB濃度、又は本発明の前記洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法により求めた洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度から、PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に、洗浄後のPCB汚染機器のPCB無害化処理の完了を判定することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下に示す実施例において、洗浄対象であるPCB汚染機器としては、「小型変圧器」、「中型変圧器」、及び「大型変圧器」を用いた。変圧器に充填されている「洗浄前の絶縁油」を「元油」と称した。また、「洗浄液」を「洗浄油」と称した。
<PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に洗浄後の機器のPCB無害化処理の完了を判定方法及び予測方法の構築に用いた洗浄試験の結果と変圧器情報>
PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に洗浄後の機器のPCB無害化処理の完了を判定する方法及び洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法の構築と検証に用いたPCB無害化処理基準の検定方法を表1にまとめて示した。
下記表2−1及び表2−2に示すとおり、これらの変圧器は、加熱強制循環洗浄又は課電自然循環洗浄にて洗浄されたが、洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法の構築においては、洗浄方式や洗浄サイクルの違いは区別して用いなかった。
<絶縁油と部材の分析法>
表1に示すように、採取した絶縁油と内部部材は、主に特別管理一般廃棄物及び特定管理産業廃棄物に係る基準の検定方法(平成4年厚告192号)13に記載された方法に従って前処理及び測定を行った。
具体的には、元油と洗浄油は別表第二(油中のPCB分析法)、容器内壁及び鉄心は別表第三の第二(拭き取り試験法)、一次及び二次銅線は別表第三の第三(部材採取試験法)、木及び紙類は別表第四(溶出液試験法)に従って分析した。また、木及び紙類は、別途含有試験法15に従って分析した。
<PCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法及び洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法の考え方>
PCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法及び洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法において、PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に洗浄後の機器のPCB無害化処理の完了を判定するには、PCBで汚染された汚染機器の洗浄工程における何らかの指標が必要である。そこで、PCB無害化処理の完了判定の指標として洗浄液のPCB濃度に着目した。即ち、予め洗浄前に洗浄後の洗浄液のPCB濃度を予測し、実際の洗浄液のPCB濃度がこの予測濃度を超えず、かつ洗浄工程の管理濃度として設定する洗浄液のPCB濃度以下である場合に、PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に洗浄後の機器のPCB無害化処理の完了を判定することとなる。何故なら、予測濃度はPCB汚染機器に含まれているPCBの多くが洗浄液に溶解されることを前提に算出されており、その予測濃度は実際の洗浄工程の管理濃度として実測されることから、予測濃度と実測濃度との整合を求める方法として設計されているからである。このためには、以下に示すPCB汚染機器の仕様や大きさに関わらず、洗浄前に洗浄後の洗浄液のPCB濃度が予測でき、洗浄後のPCB汚染機器がPCB無害化基準を満足することを、汎用的・普遍的に示すことが必要である。
<洗浄後の洗浄油のPCB濃度の予測方法の考え方>
洗浄後の洗浄油のPCB濃度は、洗浄対象となる変圧器において元油の抜油後に変圧器内に残った油に含まれるPCBが洗浄後に注油された洗浄油に溶解することで決まる。
注油量は洗浄工程により管理されており、比較的精度良く計量できるため、単純には洗浄後の洗浄油PCB濃度は洗浄に先立って行う抜油後に変圧器内に残る元油量から予測されるPCB量を注油量で除することで求めることができる。
しかし、実際には抜油後に変圧器内に残る元油量からPCB量を予測することは極めて困難である。何故なら、変圧器内に残る元油量を精度良く算出する手段がないからである。そもそも、変圧器に使用されている絶縁油は運用や補修などにより適宜減量や加量されているため、事実上使われている実油量を正確には把握することは極めて困難である。
なお、実油量の目安としては変圧器の設計時の油量である銘板油量が挙げられるが、大型変圧器では運用において油量を油量計で調整する場合が多いため、実油量と銘板油量は必ずしも一致しない。
したがって、銘板油量から洗浄時に計量した抜油量を減算したとしても、変圧器内に残る元油量は正確には求められない。更に、抜油量が不明な抜油済の保管変圧器が洗浄対象となることも容易に想定される。このような場合、抜油量から変圧器内に残る油量を求めることは不可能である。これらの理由から抜油量から変圧器内に残る油量を算出し、PCB量に換算することは現実的でない。
以上により、洗浄前に洗浄後の洗浄油のPCB濃度を予測するためには、根本的な発想の転換が必要となるが、現実的には洗浄前に洗浄後の洗浄油のPCB濃度を予測する情報としては、銘板油量、銘板重量、及び元油PCB濃度しかない。
そこで、これらの情報から、洗浄後の洗浄油のPCB濃度を予測する方法について検討した。基本的には、洗浄後の洗浄油のPCB濃度は元油の抜油後に変圧器内に残った元油に含まれるPCBが洗浄油に溶解することで決まることは変わらない。このため、図1に示すように、元油の抜油後に変圧器内部に残る油量を、内部部材に含浸される元油と、変圧器の容器壁面及び容器底面に残存する元油に大別して予測した。
油量が予測できれば、元油PCB濃度を乗ずることでPCB量を算出することができる。
まず、前記PCB汚染機器の内部部材に含浸している元油に含まれるPCB量を下記数式1aから求めた。
[数式1a]
内部部材中のPCB量(mg)=銘板重量×元油PCB濃度×内部部材係数×内部部材含油係数
ただし、前記数式1a中、前記銘板重量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている絶縁油を含むPCB汚染機器の総重量を表す。前記内部部材係数は、前記銘板重量から内部部材重量を求める係数を表す。前記内部部材含油係数は、前記PCB汚染機器の内部部材中の油含有量を求める係数を表す。
これらの係数から、変圧器の銘板重量から内部部材に含まれる油量を導き、該内部部材に含まれる油量に元油PCB濃度を乗ずることで内部部材中のPCB量を算出した。
次に、変圧器の容器壁面及び容器底面に残存する元油に含まれるPCB量を下記数式2aから求めた。
[数式2a]
容器壁面及び容器底面に残存するPCB量(mg)=銘板油量2/3×元油PCB濃度×容器残油係数
ただし、前記数式2a中、前記銘板油量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている総油量であり、容器壁面及び容器底面への付着量算出のため油の接触面積を考慮して2/3乗とした。前記容器残油係数は、元油の抜油後に容器壁面及び容器底面に残存する油量を算出する係数を表す。
得られた油量に元油PCB濃度を乗ずることで、変圧器の容器壁面及び容器底面に残存するPCB量を算出した。
前記数式1及び前記数式2の合計となるPCB量を洗浄時の洗浄油量の目安となる銘板油量と絶縁油の比重から求めた洗浄油重量で除することで洗浄後の洗浄油のPCB予測濃度を下記数式3aから求めた。
[数式3a]
洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度=
[(内部部材係数×銘板重量×内部部材含油係数×元油PCB濃度)+(銘板油量2/3×容器残油係数×元油PCB濃度)]/(銘板油量×絶縁油比重)
<洗浄油のPCB濃度の予測方法の構築と検証に用いた洗浄試験実績>
洗浄方式としては、加熱強制循環洗浄又は課電自然循環洗浄である。
前記加熱強制循環洗浄は、自作した洗浄装置で行った。
前記課電自然循環洗浄は、仮設及び商用電路に接続して行った。
洗浄油としては、日本工業規格を準ずる電気絶縁油を用いた。
洗浄サイクルは、変圧器からの元油の抜油と洗浄油の注油とに続いて洗浄した場合を1回とし、更に洗浄油の抜油と洗浄油の再注油とに続いて再度洗浄を行った場合を2回とした。
洗浄油のPCB濃度は、洗浄サイクル1回目の場合は洗浄完了時の濃度とした。洗浄サイクル2回目の場合はサイクルの1回目と2回目の洗浄完了時の濃度の合計を洗浄油PCB濃度として記載した。
<内部部材係数及び内部部材残油係数の決定>
前記数式3aにおける「内部部材係数」と「内部部材残油係数」を以下のようにして求めた。
まず、これまでに実施した洗浄試験に供試した中小型変圧器(変圧器番号4〜34)と大型変圧器(変圧器番号35〜43)の銘板重量と内部部材重量を整理した。なお、変圧器番号は表2−1及び表2−2で共通とした。
前記内部部材重量は、構成する部材を手作業により解体、分解、分別し、部材毎に全重量を実測するか、一部を実測し、その割合から部材毎に全重量を求めた。
前記大型変圧器の場合は、製造元から製造時に使用した部材毎の重量を入手した。
以上の結果から、中小型変圧器と大型変圧器の合計21台について、内部部材重量と銘板重量の間に正の直線関係が認められた。この関係式から、銘板重量から内部部材重量が求められ、前記数式3aの「内部部材係数」を求めた。
なお、前記内部部材に含まれる油量を実測し、これらの部材に含まれる油量の合計を内部部材含油係数とした。
<容器残油係数の決定>
前記数式3aにおける「容器残油係数」を以下のようにして求めた。
表2−1及び表2−2に示した中小型変圧器と大型変圧器の合計21台について表2−1及び表2−2から該当する実測した元油PCB濃度と銘板油量及び銘板重量を得た。前記数式3aに代入して洗浄後の洗浄油のPCB予測濃度を求めた。これらの洗浄油のPCB予測濃度を同じく表2−1に示した実測した洗浄後の洗浄油PCB濃度と比較した。得られる正の直線関係から、前記数式3aの未知の係数である容器残油係数を求めた。
以上により、洗浄後の洗浄油のPCB予測濃度は、前記数式3aから求めることができた。
<洗浄油PCB濃度における実測値と予測値の比較>
洗浄後の洗浄油のPCB濃度の予測方法の検証のため、前記数式3aから洗浄後の洗浄油のPCB予測濃度を求め、洗浄油又は元油PCB濃度の実測値と比較した。なお、PCB予測濃度は表2−1及び表2−2に示した中小型変圧器と大型変圧器の合計43台について算出した。算出にあたっては表2−1に記載した銘板重量と油量及び元油PCB濃度を前記数式3aに代入した。結果を図2に示した。
図2の結果から、洗浄油のPCB濃度の実測値と、洗浄後の洗浄油のPCB予測濃度との間には、傾き0.9908の正の直線関係が得られ、決定係数は0.7278であった。
同様に、洗浄後の洗浄油のPCB予測濃度と、元油PCB濃度のPCB実測値との関係を調べた。結果を図3A及びその部分拡大図である図3Bに示した。図3A及び図3Bの結果から、両者の間には、正の直線関係が認められ、決定係数は0.9337であった。
<洗浄後のPCB無害化処理基準の検定>
表2−1及び表2−2に示した加熱強制循環洗浄及び課電自然循環洗浄によって洗浄した変圧器の容器及び内部部材は、下記表3に示した特別管理一般廃棄物及び特定管理産業廃棄物に係る基準の検定方法(平成4年厚告192号)13によって検定した。
*測定は表1に示した特別管理一般廃棄物及び特定管理産業廃棄物に係る基準の検定方法(平成4年厚告192号)によって行った。
表3から、全ての変圧器において洗浄後の容器及び内部部材は、該当するPCB無害化処理基準を満足していた。なお、洗浄サイクル2回の場合は、検定は2回目のサイクル終了時の結果である。
以上により、元油PCB濃度、銘板重量、及び油量から、洗浄後の洗浄油のPCB濃度を予測する方法が得られた。前記洗浄後の洗浄油のPCB濃度の予測方法は、洗浄前に洗浄結果の予測や洗浄油の準備や節約に実用上有用である。更に、前記予測方法は、洗浄油中のPCB濃度による無害化処理の判定に確からしさを示すので、極めて有用である。
そこで、前記予測方法から、PCB汚染機器の洗浄処理の終了判定と洗浄によるPCB無害化処理の完了の判定について検討した。
<洗浄油のPCB予測濃度によるPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定と洗浄によるPCB無害化処理の完了判定の検証>
洗浄処理の終了判定とは、洗浄後に変圧器を構成する容器や内部部材が該当するPCB無害化処理の基準を満足することを、洗浄後の洗浄油のPCB濃度から判定することを意味する。また、同時に洗浄処理が終了したことも意味する。
前記洗浄処理の終了判定の成立には、一定の洗浄条件を課した加熱強制循環洗浄又は課電自然循環洗浄において、洗浄油のPCB濃度が変化しなくなる時に、主に以下の点を検証した。
(1)判定する洗浄後の洗浄油のPCB予測濃度の設定
(2)判定した部材のPCB無害化処理基準の確認
(3)判定を適用しうる元油PCB濃度範囲の設定
前記(1)は、表3に示した試験では一部の試行的試験を除いて0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)に設定した。つまり、所定の洗浄条件で一定の洗浄時間が経過した時、洗浄油のPCB濃度が予測した濃度範囲となり、かつ0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)以下である場合に洗浄処理の終了を判定した。
濃度設定の根拠としては、油をPCB無害化処理した場合の基準である0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)が挙げられる。したがって、本発明によると、洗浄油のPCB濃度を予測する方法が提案されたことから、設定根拠がより明確となり、汎用性を備えたとなる。
図3A及び図3Bにおいて、43台の変圧器のうち、実測された洗浄油のPCB濃度が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)を超えた台数は18台であるが、全台とも洗浄油のPCB濃度が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)を超える濃度として予測できた。
一方、実測された洗浄油のPCB濃度が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)以下である台数は25台であるが、24台が洗浄油のPCB濃度が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)未満と予測できた。
実測された洗浄油のPCB濃度が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)である1台のみが、洗浄油のPCB濃度が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)を超える濃度として予測された。これらの実測値と予測値が判定する濃度区分において良く整合することは、PCB汚染機器の洗浄処理の終了と洗浄によるPCB無害化処理の完了の判定の検証であると共に、予測方法の確からしさの検証でもある。
同時に、洗浄完了判定における洗浄油PCB濃度の設定において、種々の仕様や大きさの変圧器に適用する汎用性について説明する根拠ともなる。つまり、洗浄後に変圧器を構成する容器や内部部材が該当するPCB無害化処理の基準を満足する洗浄油のPCB濃度は、油のPCB無害化処理基準に対して測定中のPCB濃度の設定において、試験に供した変圧器の元油PCB濃度117mg−PCB/kg−油(117ppm)を上限に洗浄サイクル2回までは、実施した洗浄条件の範囲において洗浄油中のPCB濃度から洗浄後に変圧器を構成する容器や内部部材が該当するPCB無害化処理の基準を満足することを判定できた。
また、元油の抜油から洗浄油の注油に続いて洗浄を行う洗浄サイクルが1回の場合、洗浄油PCB濃度による無害化処理判定に関する前記(1)〜(3)の根拠が提供された。
前記(1)は、洗浄油のPCB濃度による判定が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)で行われており、その濃度設定根拠は、本発明の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法の検証から前述のとおり示されている。
前記(2)は、表2−1に示した洗浄サイクル1回の場合の実例のとおり、変圧器の大きさや仕様に関わらず、機器を構成する全ての部材について該当するPCB無害化処理基準を満足するまでPCBが除去されていることが確認されている。
洗浄サイクルが1回の場合において、前記(3)の判定を適用しうる元油PCB濃度範囲が予測されたことは極めて重要である。図3A及び図3Bにおいて予測方法から洗浄油のPCB濃度が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)となる場合の元油PCB濃度は20.9mg−PCB/kg−油(20.9ppm)と算出され、洗浄サイクルが1回の場合は同濃度が判定を適用しうる元油PCB濃度の上限となる。
以上により、洗浄サイクルが1回の場合には、本発明の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法から説明される少なくとも元油PCB濃度20.9mg−PCB/kg−油(20.9ppm)程度までの変圧器については、PCB汚染機器の洗浄処理の終了と同時に洗浄後に変圧器を構成する容器や内部部材が該当するPCB無害化処理の基準を満足することを洗浄後の洗浄油のPCB予測濃度から判定できることがわかった。
これらの中でも、安全側として評価したPCB収支から支持される元油の上限PCB濃度は、課電自然循環洗浄では極めて重要である。これは、PCBが混入した使用中機器は機器の余寿命があり、資源リサイクルの観点からPCBを除去した後も使用の継続が望まれるためである。前記使用継続には、課電自然循環洗浄後に変圧器の解体により内部部材を採取し、PCB無害化処理の検定分析を行うことはできない。
したがって、洗浄後の洗浄油のPCB濃度から無害化処理の基準を判定する必要があり、その適用上限PCB濃度が洗浄サイクル1回において説明されたことは大きな意義がある。また、適用上限PCB濃度はPCBが完全に洗浄油に洗い出された場合も考慮していることから、使用を継続した場合に再びPCB汚染変圧器とならないことも考慮されている。
以上により、元油PCB濃度、銘板重量及び銘板油量から、洗浄後の洗浄油のPCB濃度を予測する方法が得られた。
本発明のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法、及び本発明の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法、並びに本発明の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法は、実用上の様々な洗浄作業において極めて有用である。
また、洗浄計画においては、例えば、元油PCB濃度を指標に洗浄する変圧器の順番の設定や必要な洗浄油量の見積もりなどが挙げられる。
また、洗浄時においては、実測するPCB濃度と合わせて洗浄工程の管理や洗浄終了時間の予想にも役立つものである。
また、実用においては、洗浄条件や抜油の均質性が予測値の変動要因であるため注意が必要であるが、一旦変動要因が把握できれば、変圧器の大きさや仕様によらずに広く適用することができる。
本発明の態様としては、例えば、以下の通りである。
<1> ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で洗浄した後、洗浄液のPCB濃度から、洗浄処理の終了を判定することを特徴とするPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法である。
<2> 使用中PCB汚染機器及び使用済みPCB汚染機器の少なくともいずれかの洗浄に用いられる前記<1>に記載のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法である。
<3> 加熱強制循環洗浄及び課電自然循環洗浄の少なくともいずれかに用いられる前記<1>から<2>のいずれかに記載のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法である。
<4> 洗浄液が、PCBを実質的に含まない油、及びPCBを溶解可能な有機溶剤から選択される少なくとも1種である前記<1>から<3>のいずれかに記載のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法である。
<5> PCB汚染機器が、小型変圧器、中型変圧器、大型変圧器、及び超大型変圧器から選択される少なくとも1種である前記<1>から<4>のいずれかに記載のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法である。
<6> ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で洗浄した後、洗浄液のPCB濃度から、PCB無害化処理の完了を判定することを特徴とする洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法である。
<7> 使用中PCB汚染機器及び使用済みPCB汚染機器の少なくともいずれかの洗浄に用いられる前記<6>に記載の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法である。
<8> 加熱強制循環洗浄及び課電自然循環洗浄の少なくともいずれかに用いられる前記<6>から<7>のいずれかに記載の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法である。
<9> 洗浄液が、PCBを実質的に含まない油、及びPCBを溶解可能な有機溶剤から選択される少なくとも1種である前記<6>から<8>のいずれかに記載の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法である。
<10> PCB汚染機器が、小型変圧器、中型変圧器、大型変圧器、及び超大型変圧器から選択される少なくとも1種である前記<6>から<9>のいずれかに記載の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法である。
<11> ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で洗浄する前に洗浄後の洗浄液のPCB濃度を予測する方法であって、
前記PCB汚染機器を洗浄前の絶縁油のPCB濃度、前記PCB汚染機器の銘板重量、及び前記PCB汚染機器の銘板油量から、下記数式3により洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度を求めることを特徴とする洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法である。
[数式3]
洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度=
[(内部部材係数×銘板重量×内部部材含油係数×洗浄前の絶縁油のPCB濃度)+(銘板油量2/3×容器残油係数×洗浄前の絶縁油のPCB濃度)]/(銘板油量×絶縁油比重)
ただし、前記数式3中、前記銘板重量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている絶縁油を含むPCB汚染機器の総重量を表す。前記銘板油量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている総油量であり、容器壁面及び容器底面への付着量算出のため油の接触面積を考慮して2/3乗とした。前記内部部材含油係数は、前記PCB汚染機器の内部部材中の油含有量を求める係数を表す。前記内部部材係数は、前記銘板重量から内部部材重量を求める係数を表す。前記容器残油係数は、前記PCB汚染機器から絶縁油を抜油後に前記PCB汚染機器の容器壁面及び容器底面に残存する絶縁油量を算出する係数を表す。
<12> 使用中PCB汚染機器及び使用済みPCB汚染機器の少なくともいずれかの洗浄に用いられる前記<11>に記載の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法である。
<13> 加熱強制循環洗浄及び課電自然循環洗浄の少なくともいずれかに用いられる前記<11>から<12>のいずれかに記載の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法である。
<14> 洗浄液が、PCBを実質的に含まない油、及びPCBを溶解可能な有機溶剤から選択される少なくとも1種である前記<11>から<13>のいずれかに記載の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法である。
<15> PCB汚染機器が、小型変圧器、中型変圧器、大型変圧器、及び超大型変圧器から選択される少なくとも1種である前記<11>から<14>のいずれかに記載の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法である。
<16> 前記<11>から<15>のいずれかに記載の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法により求めた洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度から、洗浄処理の終了を判定することを特徴とするPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法である。
<17> PCB汚染機器から絶縁油の抜油と洗浄液の注入とに続いて洗浄する1回の洗浄サイクルにおいて、洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度が0.5ppm以下であれば洗浄後のPCB汚染機器の容器及び内部部材がPCB無害化基準を満たす前記<16>に記載のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法である。
<18> 洗浄後のPCB汚染機器の容器及び内部部材が、「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」(平成4年厚生省告示第192号)別表第三の第二(拭き取り試験)の判定基準、同別表第三の第三(部材採取試験)の判定基準、及び同別表第四の判定基準をいずれも満たす前記<16>から<17>のいずれかに記載のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法である。
<19> 前記<11>から<15>のいずれかに記載の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法により求めた洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度から、PCB無害化処理の完了を判定することを特徴とする洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法である。
<20> PCB汚染機器から絶縁油の抜油と洗浄液の注入とに続いて洗浄する1回の洗浄サイクルにおいて、洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度が0.5ppm以下であれば洗浄後のPCB汚染機器の容器及び内部部材がPCB無害化基準を満たす前記<19>に記載の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法である。
<21> 洗浄後のPCB汚染機器の容器及び内部部材が、「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」(平成4年厚生省告示第192号)別表第三の第二(拭き取り試験)の判定基準、同別表第三の第三(部材採取試験)の判定基準、及び同別表第四の判定基準をいずれも満たす前記<19>から<20>のいずれかに記載の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法である。

Claims (18)

  1. ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で課電自然循環洗浄により洗浄した後、洗浄液のPCB濃度が0.5ppm以下であれば、洗浄処理の終了を判定することを特徴とするPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法。
  2. 使用中PCB汚染機器及び使用済みPCB汚染機器の少なくともいずれかの洗浄に用いられる請求項1に記載のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法。
  3. 洗浄液が、PCBの含有濃度が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)以下の油、及びPCBを溶解可能な有機溶剤から選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法。
  4. PCB汚染機器が、小型変圧器、中型変圧器、大型変圧器、及び超大型変圧器から選択される少なくとも1種である請求項1から3のいずれかに記載のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法。
  5. ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で課電自然循環洗浄により洗浄した後、洗浄液のPCB濃度が0.5ppm以下であれば、PCB無害化処理の完了を判定することを特徴とする洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法。
  6. 使用中PCB汚染機器及び使用済みPCB汚染機器の少なくともいずれかの洗浄に用いられる請求項5に記載の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法。
  7. 洗浄液が、PCBの含有濃度が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)以下の油、及びPCBを溶解可能な有機溶剤から選択される少なくとも1種である請求項5から6のいずれかに記載の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法。
  8. PCB汚染機器が、小型変圧器、中型変圧器、大型変圧器、及び超大型変圧器から選択される少なくとも1種である請求項5から7のいずれかに記載の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法。
  9. ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む絶縁油が充填されPCBで汚染されているPCB汚染機器を洗浄液で洗浄する前に洗浄後の洗浄液のPCB濃度を予測する方法であって、
    前記PCB汚染機器を洗浄前の絶縁油のPCB濃度、前記PCB汚染機器の銘板重量、及び前記PCB汚染機器の銘板油量から、下記数式3により、加熱強制循環洗浄及び課電自然循環洗浄の少なくともいずれかで洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度を求めることを特徴とする洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法。
    [数式3]
    洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度=
    [(内部部材係数×銘板重量×内部部材含油係数×洗浄前の絶縁油のPCB濃度)+(銘板油量 2/3 ×容器残油係数×洗浄前の絶縁油のPCB濃度)]/(銘板油量×絶縁油比重)
    ただし、前記数式3中、前記銘板重量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている絶縁油を含むPCB汚染機器の総重量を表す。前記銘板油量は、前記PCB汚染機器の銘板に記載されている総油量であり、容器壁面及び容器底面への付着量算出のため油の接触面積を考慮して2/3乗とした。前記内部部材含油係数は、前記PCB汚染機器の内部部材中の油含有量を求める係数を表す。前記内部部材係数は、前記銘板重量から内部部材重量を求める係数を表す。前記容器残油係数は、前記PCB汚染機器から絶縁油を抜油後に前記PCB汚染機器の容器壁面及び容器底面に残存する絶縁油量を算出する係数を表す。
  10. 使用中PCB汚染機器及び使用済みPCB汚染機器の少なくともいずれかの洗浄に用いられる請求項9に記載の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法。
  11. 洗浄液が、PCBの含有濃度が0.5mg−PCB/kg−油(0.5ppm)以下の油、及びPCBを溶解可能な有機溶剤から選択される少なくとも1種である請求項9から10のいずれかに記載の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法。
  12. PCB汚染機器が、小型変圧器、中型変圧器、大型変圧器、及び超大型変圧器から選択される少なくとも1種である請求項9から11のいずれかに記載の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法。
  13. 請求項9から12のいずれかに記載の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法により求めた洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度から、洗浄処理の終了を判定することを特徴とするPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法。
  14. PCB汚染機器から絶縁油の抜油と洗浄液の注入とに続いて洗浄する1回の洗浄サイクルにおいて、洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度が0.5ppm以下であれば洗浄後のPCB汚染機器の容器及び内部部材がPCB無害化基準を満たす請求項13に記載のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法。
  15. 洗浄後のPCB汚染機器の容器及び内部部材が、「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」(平成4年厚生省告示第192号)別表第三の第二(拭き取り試験)の判定基準、同別表第三の第三(部材採取試験)の判定基準、及び同別表第四の判定基準をいずれも満たす請求項13から14のいずれかに記載のPCB汚染機器の洗浄処理の終了判定方法。
  16. 請求項9から12のいずれかに記載の洗浄後の洗浄液のPCB濃度の予測方法により求めた洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度から、PCB無害化処理の完了を判定することを特徴とする洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法。
  17. PCB汚染機器から絶縁油の抜油と洗浄液の注入とに続いて洗浄する1回の洗浄サイクルにおいて、洗浄後の洗浄液のPCB予測濃度が0.5ppm以下であれば洗浄後のPCB汚染機器の容器及び内部部材がPCB無害化基準を満たす請求項16に記載の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法。
  18. 洗浄後のPCB汚染機器の容器及び内部部材が、「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」(平成4年厚生省告示第192号)別表第三の第二(拭き取り試験)の判定基準、同別表第三の第三(部材採取試験)の判定基準、及び同別表第四の判定基準をいずれも満たす請求項16から17のいずれかに記載の洗浄によるPCB無害化処理の完了判定方法。
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