JP2002260932A - 変圧器解体処理工程における絶縁油抜き取り方法及び絶縁ケース内洗浄方法 - Google Patents

変圧器解体処理工程における絶縁油抜き取り方法及び絶縁ケース内洗浄方法

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JP2002260932A
JP2002260932A JP2001052490A JP2001052490A JP2002260932A JP 2002260932 A JP2002260932 A JP 2002260932A JP 2001052490 A JP2001052490 A JP 2001052490A JP 2001052490 A JP2001052490 A JP 2001052490A JP 2002260932 A JP2002260932 A JP 2002260932A
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transformer
insulating
insulating oil
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oil
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JP2001052490A
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English (en)
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Isao Onodera
功 小野寺
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HOKURIKU ELECTRIC Manufacturing
Hokuriku Electric Co Ltd
Original Assignee
HOKURIKU ELECTRIC Manufacturing
Hokuriku Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 危険を伴う事無く効果的にPCB等の絶縁油
を抜き取ることが出来る変圧器解体処理工程における絶
縁油抜き取り方法と、絶縁ケース内洗浄方法の提供。 【解決手段】 変圧器本体2の一次端子4又は二次端子
5のいずれか一方を当該端子に流れる電流に十分耐え得
る太さを持った導体6で短絡すると共に、他方の端子へ
電流を供給することにより前記絶縁油3を加熱するため
の熱源として用いることを特徴とする変圧器解体処理工
程における絶縁油抜き取り方法及び絶縁ケース内洗浄方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済不燃性変圧
器からPCB等の絶縁油を抜き取る方法と、その後絶縁
ケース内を洗浄する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不燃性変圧器に用いられたPCB
絶縁油入り変圧器の製造は、当該PCB絶縁油(以下P
CBと記す)の有毒性を鑑みた国の施策により昭和47
年以来中止され、それまで製造されたものや使用中のも
のは国の指導のもとに所有者の厳重な管理下に置かれて
いる。そして、近年、燃焼処理以外に化学的反応による
処理法が案出されたことからPCBの無害化が技術的に
も安全に処理できる見通しがついてきており、今後の効
率的な運用が期待されている。
【0003】通常、使用済みとなった不燃性変圧器は、
後工程の化学処理の手数と費用を考慮して絶縁ケースの
内部に充填されたPCB等の絶縁油を極力抜き取った後
に、絶縁ケースや変圧器本体等の構成部材を分別し、破
砕或いは更に分別し破砕する等の形で前記構成部材の素
材を分別・回収すると共に、その中で洗浄工程を適宜経
るという形の解体処理が行われる。
【0004】絶縁油を抜き取る方法として具体的には、
注油口を開け、排油口にポンプを接続して吸引したり、
注油口から窒素ガスを充填して加圧し、排油口から抜き
取る方法が行われている。そして当該抜き取り作業を終
了した後、当該絶縁ケースを開封して変圧器本体等を取
り出す前に、当該絶縁ケースの内壁や変圧器本体等に付
着した絶縁油を洗浄・除去し、その濃度を後続の人為的
解体作業や環境への悪影響の少ない濃度にまで下げる処
理が行われる。
【0005】この種の洗浄法としては、絶縁ケースの内
部に洗浄液(炭化水素系溶剤等)を充満させると共に、
注油口、絶縁ケース内部及び排油口を経る循環経路に洗
浄液を流通させることにより当該絶縁ケース内部の絶縁
油濃度を下げる手法が挙げられる。当該循環経路は、洗
浄液貯留タンクからポンプを用いて絶縁ケースの内部へ
繋がる管路へ洗浄液を供給し、当該循環経路中に設けら
れた洗浄液回収装置を以て使用済洗浄液から絶縁油を分
離して不純物の少ない洗浄液を回収すると共に、絶縁
油、例えば、PCBは金属ナトリウム分散体法により分
解処理を施すこととなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、不燃性
変圧器の処理上の問題点の一つとして、PCB自体が常
温で粘度が高く変圧器のケース内から抜き取りにくいと
いう問題がある。殊に、ポンプで抜き取る手法において
は、ケースの内壁面やコイル等の内部構造物に付着した
PCBの除去は困難を極め、結果として大量のPCBが
ケース内に残留することとなる。また、窒素ガスで加圧
する手法では、ケースの強度が不足していると当該ケー
スが破裂しPCBが飛散する虞もある。
【0007】又、上記洗浄方法にあっては、絶縁ケース
内の注油口から排油口へ向けて液体である洗浄液の流れ
が生じる為、前記注油口から排油口へ向かう最短経路か
ら外れた領域(以下、隅部と記す)に付着した絶縁ケー
ス内部の絶縁油を効率よく除去・洗浄することができな
い。この様な状況は、特に変圧器本体の凹部や放熱器の
内部空間等で顕著であって、ポンプの出力を高めること
で洗浄液の循環圧力及び循環速度を増加させ、前記隅部
に亘る対流を起こし、除去・洗浄効率を高めることも可
能であるが、イニシャルコストやランニングコストが共
に高くなるという問題が生じる。
【0008】その他の手法として、加熱・ガス化した洗
浄液を注油口から注入し、絶縁ケース内部に充満させる
ことによって、変圧器本体や絶縁ケースの内面と接触す
ることで凝縮した洗浄液により絶縁油を排油口から溶出
するという手法もあるが、洗浄液をガス化に至るまでの
加熱という技術的な問題や、ガス化した洗浄液が絶縁ケ
ースの内部から漏れだした際の措置の問題、更には、ガ
ス化した洗浄液の温度によって変圧器の各部に使用され
たガスケット類の変質や破損という問題に加え、前記手
法と同様、コスト高であるという問題がつきまとう。
【0009】本発明は、上記実情に鑑みて成されたもの
であって、危険を伴う事無く効果的にPCB等の絶縁油
を抜き取ることが出来る変圧器解体処理工程における絶
縁油抜き取り方法と、絶縁ケース内洗浄方法の提供を目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明による変圧器解体処理工程における絶
縁油抜き取り方法は、絶縁ケース内に変圧器本体及び絶
縁油を封入した変圧器の解体処理工程での絶縁油抜き取
り方法において、変圧器本体の一次端子又は二次端子の
いずれか一方を当該端子に流れる電流に十分耐え得る太
さを持った導体で短絡すると共に、他方の端子へ電流を
供給することにより前記絶縁油を加熱するための熱源と
して用いることを特徴とする。
【0011】上記課題を解決するために成された本発明
による変圧器解体処理工程における絶縁ケース内洗浄方
法は、絶縁ケース内に変圧器本体及び絶縁油を封入した
変圧器の解体処理工程での絶縁ケース内洗浄方法におい
て、絶縁油を抜き取った絶縁ケース内に洗浄液を充満さ
せ、変圧器本体の一次端子又は二次端子のいずれか一方
を当該端子に流れる電流に十分耐え得る太さを持った導
体で短絡すると共に、他方の端子へ電流を供給すること
により前記洗浄液を加熱するための熱源として用いるこ
とを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による変圧器解体処
理工程における絶縁油抜き取り方法(以下、抜き取り方
法と記す)を図面に基づき説明する。図2は、一般的な
不燃性変圧器の側断面形状を示した例である。当該例
は、鉄心7及びコイル8,9から成る変圧器本体2と、
当該変圧器本体2を保護する絶縁ケース1と、当該変圧
器本体2のコイル8,9から引き出された一次端子4及
び二次端子5と、当該一次端子4及び二次端子5を支持
し当該端子4,5対絶縁ケース1の縁面距離を確保する
為の一次碍子10及び二次碍子11と、当該絶縁ケース
1内に絶縁油3として充填されるPCB3とで構成され
る。
【0013】前記絶縁ケース1は、上面全体が開口して
当該開口部の周縁がフランジ状に側方へ延出している。
そして、当該開口部は、前記一次端子4及び二次端子5
並びに一次碍子10及び二次碍子11を支持したカバー
12で、当該カバー12及びケース本体13の全周縁に
わたる溶接を以て閉鎖されることとなるが、当該フラン
ジ部14の上面にはPCB漏れを防ぐ為のガスケット1
5が、前記カバー12の周縁との間に介在する形で装着
されることから、当該ガスケット15のズレを防止する
ためのリング状のストッパ16,16がフランジ部に倣
って溶着されている。側壁には、放熱器17が突設され
ると共に、上部にはPCB3の注油口18、下部にはP
CB3の排油口19が設けられており、底壁20には支
持固定用のベース21が設けられている。
【0014】本発明による抜き取り方法は、変圧器の絶
縁ケース1の内部からPCB3を抜き取る際における当
該PCB3の粘度を下げることを意図したものである。
PCB3の粘度を下げる手段としては加熱するのが一般
的であり、その手法としても、変圧器全体或いは絶縁ケ
ース1の内部のPCB3を、バーナーや電熱器或いは乾
燥炉等の熱源で直接加熱する手法、或いは加熱された油
を送油ポンプでケース内に注入するという様に間接加熱
する手法が考えられるが、いずれにしても別途熱源が必
要となり、それら熱源及び支持固定設備の必要性もさる
ことながら、当該変圧器に合わせて設定された熱源では
無いために当該熱源の温度コントロールにも技術を要す
る。
【0015】そこで、本発明による抜き取り方法は、図
1の如く変圧器本体2の二次端子5,5を当該二次端子
5,5に流れる二次電流I2に十分耐え得る太さを持っ
た導体6で短絡し、CT22及び電流計で一次側を計測
しながら電源23から一次端子4,4へ定格値の一次電
流I1を供給するものである。場合によっては、変圧器
本体2の一次端子4を当該一次端子4に流れる一次電流
1に十分耐え得る太さを持った導体で短絡し、CT及
び電流計で二次側を計測しながら電源から二次端子4,
4へ定格値の二次電流I2を供給することもある(図示
省略)。この場合も原理的にはほぼ同様である。尚、電
源23としては変圧器の定格周波数を満足する交流電源
を用い、その調整には、インバータ、IVR或いは発電
器など既存の手法を用いれば良い。
【0016】この様に一次端子4へ定格値の一次電流I
1を流すことによって、一次コイル8には定格値の一次
電流I1が流れ、二次コイル9には定格値の二次電流I2
が流れる。その結果、当該定格値の一次電流I1及び定
格値の二次電流I2が流れる一次コイル8及び二次コイ
ル9のインピーダンスが負荷となって発熱し(巻線の銅
損等による発熱)、当該一次コイル8及び二次コイル9
がPCB3を加熱する為の熱源として機能することとな
る。
【0017】上記条件下で一定時間放置すると、PCB
3が加熱され絶縁ケース3を通じてその熱が発散する結
果、変圧器全体の蓄熱量が飽和し、変圧器個々の設計に
基づく一定の温度を以て温度上昇が停止する。この様な
特性により、当該加熱手法によれば、特別な電源を用い
ることなく変圧器全体を極めて容易に加熱することがで
きる。
【0018】即ち、加熱時における温度制御は、一次コ
イル8及び二次コイル9に定格値の一次電流I1及び定
格値の二次電流I2を流した際に交流電力計等で計測し
得る各変圧器固有の損失(銅損)に基づき容易に行うこ
とができ、当該加熱時に用いられる電力量は、加熱に要
した通電時間から算出することができる。また、粘度を
低下させるのに適した温度を得るべくPCB3自体の温
度を計測する為の温度計についても、変圧器に付属した
温度計を流用することができる。
【0019】上記手法は、定格値以上の電流を長時間流
さない限り変圧器を過度に加熱する虞が無く、安全性の
高い作業が可能となるが、加熱時間を短縮する為に一次
コイル8及び二次コイル9へ定格値以上の一次電流I1
及び二次電流I2を流して加熱することも可能である。
定格値以上の一次電流I1及び二次電流I2を流した場合
には、定格電流比の二乗に比例したエネルギーを供給出
来ることとなり、加熱時間短縮に顕著な効果が得られ
る。
【0020】逆に、定格値以下の一次電流I1及び二次
電流I2を流して加熱する場合としては、準備した電源
と変圧器本体のインピーダンス電圧のマッチングが悪い
場合が挙げられるが、上記場合と比較して加熱時間が長
くなるものの機能的には支障がない。また、変圧器の定
格周波数と電源の定格周波数が異なる場合も想定され、
それによって変圧器のインピーダンスが変化して温度上
昇特性が変わることもあるが、上記の如く供給電力量及
び温度の管理を行っておけば機能的には問題がない。交
流電源の波形にあっても、電源から一次側へ流された一
次電流I1によって二次側に電圧が誘起し二次電流I2
流れ得る電源波形であれば、たとえパルス状に発生する
電源であっても同様の効果を得ることが可能である。
【0021】尚、先に示した例は単相変圧器の例である
が、三相変圧器においても電源を三相とすることによっ
て同様の効果を得ることができ、更に三巻線変圧器等の
多巻線変圧器においても電源供給巻線以外の巻線を短絡
することにより同様の効果を得ることができる。また、
加熱対象たる変圧器全体をシートや容器等の保温カバー
で覆うことにより加熱効率が高まり作業時間を短縮する
ことができる。当該保護カバーについては、耐熱性や絶
縁性を兼ね備えた素材であることを要求されることは言
うまでもない。
【0022】上記方法によって粘度が下げられたPCB
3は、注油口18と排油口19を開けることによって当
該排油口19から滞り無く排出されるが、排出速度を上
げる場合には別途ポンプ等を接続することも可能であ
る。この様に抜き取られる絶縁油3としては、当該PC
Bの他にもシリコン絶縁油等が存在する。
【0023】続いて行われる当該例の絶縁ケース1内部
の洗浄工程は、洗浄する絶縁ケース1の内部に炭化水素
系溶剤から成る洗浄液34を封入し加熱しながら洗浄液
34を熱対流により撹拌させるという手法を用いて行わ
れる。具体的には、前記注油口18、絶縁ケース1内部
及び排油口19を経る環状の管路(図示省略)と、前記
絶縁ケース1の内部の絶縁油3を含有した使用済洗浄液
に絶縁油の分離・除去処理を施す洗浄液回収手段(図示
省略)と、当該洗浄液回収手段によって回収された処理
済洗浄液を洗浄液として再びプールし前記管路へ適宜再
供給する洗浄液貯留タンク(図示省略)を具備した洗浄
液循環経路を用いて行われる。
【0024】当該絶縁ケース内洗浄方法は、前記絶縁油
抜き取り工程で採用した変圧器本体2の一次端子4又は
二次端子5のいずれか一方を当該端子に流れる電流に十
分耐え得る太さを持った導体6で短絡し、他方の端子へ
電流を供給する変圧器解体処理工程における絶縁油加熱
手法を、洗浄液加熱手法として採用し、絶縁ケース1の
内部に洗浄液34を充満させると共に、当該絶縁ケース
1に充満された洗浄液34、並びに、当該絶縁ケース1
の内面及び変圧器本体2等に付着した絶縁油3を上記絶
縁油加熱手法と同様の手続きを以て加熱した状態で実施
する。そして、前記絶縁ケース1内の洗浄液34の入れ
替えとその都度一定時間の加熱・洗浄処理を複数回繰り
返し、加熱・洗浄処理後の使用済洗浄液の絶縁油濃度が
人的解体処理に適した安全基準を十分に下回った時点で
当該洗浄工程は一応終了とする。場合によっては、万全
を期してその後何度かの洗浄液34の入れ替えと加熱・
洗浄処理を繰り返す場合もある。
【0025】上記洗浄液加熱手法の実施により、前記絶
縁油加熱手法と同様に、絶縁ケースの内壁に付着した絶
縁油の粘度を低下させ、更に、絶縁ケース内に充満され
た洗浄液を加熱し、その結果、当該洗浄液の絶縁ケース
の隅々に亘る対流が生じ(図3参照)、絶縁油の含有量
の少ない新鮮な洗浄液が絶縁ケース内部の隅々にまで行
き渡ることとなる他、加熱効率や制御特性等についても
前記絶縁油加熱手法と同様に極めて良好なものとなる。
また、加熱対象たる変圧器全体をシートや容器等の保温
カバーで覆うことにより加熱効率が高まり作業時間を短
縮することができる点も前記絶縁油加熱手法と同様であ
る。
【0026】この様に絶縁ケース内部の洗浄工程を終了
した後、絶縁ケースの解体工程が行われる。この例で採
られる変圧器解体処理工程における解体方法は、ケース
本体13の開口部に形成されたフランジ部14とカバー
12との溶接により封鎖された絶縁ケース1の解体方法
において、周縁溶接部24の内側に相当するケース本体
13のフランジ部14とカバー12との重ね合わせ部を
締結手段25でクランプし、変圧器内部に通じる通油口
から、ケース内部の気圧が外部の大気圧よりもわずかに
高い状態であって、且つ内部に残留する絶縁油3を溶断
部から噴出することのない程度の気圧となるように窒素
ガスを供給しつつ前記周縁溶接部24の溶断・除去を行
うことを特徴とする。
【0027】即ち、この例に用いた解体方法は、ケース
本体13とカバー12との周縁溶接部24(図4及び図
6参照)を、全周にわたってアークエアガウジングやア
ークプラズマ切断機で除去する手法であるが、変圧器内
部の絶縁油3を抜き取る際に開いた通油口、即ち注油口
18又は排油口19のいずれか一方を閉じていずれか他
方から窒素ガスを供給しつつ行う。窒素ガス供給に当た
っては、気圧センサ26により常時絶縁ケース内部の気
圧の監視を行い、ケース内部の気圧が外部の大気圧より
もわずかに高い状態であって、しかも内部に残留する絶
縁油3を溶断部から噴出することのない程度の気圧(約
1キロパスカル〜10キロパスカル程度)を維持し得る
構成とする。
【0028】具体的には、前記絶縁ケース内への窒素ガ
スを供給する管路31と、当該管路31への窒素ガスの
供給量を電気的に調整し得る弁27と、絶縁ケース内の
圧力に応じてアラームを発するアラーム発生器28を設
けると共に、前記絶縁ケース内の気圧の昇降を検出する
センサ26の動作に基づき前記絶縁ケース内への窒素ガ
スの供給量を制御する弁の開閉調整手段29、及び一定
値以下への絶対圧力の低下や一定値以上の相対圧力の低
下を受けてアラームを発させたりするアラーム制御手段
30を具備する窒素ガス供給装置32を用いて作業にあ
たれば良い(図5参照)。
【0029】また、切断の進展に伴う熱ひずみによって
フランジ部14やカバー12の周縁部が捲れ、ケース本
体13とカバー12との間に介在するガスケット15が
機能できなくならないように、ケース本体13のフラン
ジ部14とカバー12との重ね合わせ部であって周縁溶
接部24の内側に当たる部分をシャコ万力等の締結手段
25で適宜クランプしつつ行うのが便宜である(図7参
照)。尚、この作業においては、上記アークエアガウジ
ングやアークプラズマ切断機のトーチ33を手作業で操
作しても良いし、絶縁ケースを所定の位置に支持するベ
ースを設けた上で、ロボットアームの様な支持手段によ
る自動溶断作業を行っても良い。
【0030】上記記載に基づく作業を行うことにより、
フランジ部14溶断時の熱ひずみで絶縁ケース本体13
とカバー12間の封鎖部が開いたとしても十分な制御が
為されたケース内部の窒素ガスの圧力で当該窒素ガスが
噴出し、溶断炎や溶断熱の絶縁ケース1内部への入り込
みを阻止することとなる。また、前記アラームを以て熱
ひずみの拡大に起因した急激な内部圧力低下を検出した
場合には、前記締結手段25によるクランプ間隔を狭め
るという様に、速やかな対応を施すことが可能となる。
尚、単に炎の発生を避ける手法としては、前記フランジ
部14の油圧ダイセットを用いた切断も挙げられる。
【0031】この様な解体方法を採用した背景には、変
圧器解体処理工程の態様によっては、ケース本体13の
開口部に形成されたフランジ部14とカバー12との溶
接により封鎖された絶縁ケース1を、内壁等に絶縁油を
付着させたままの状態で開封する場合があるからであ
る。内部に残留した絶縁油を散乱させることなく再び開
くには、溶接箇所であるフランジ部14を切除しなけれ
ばならない。そこで、具体的には、カーボン電極と圧搾
空気を用いたアークエアーガウジングにより溶接面を溶
かしながら吹き飛ばす方法や、アークプラズマ切断機で
切断するという方法、或いはグライダー等によって周縁
溶接部を削り取る方法が採られているというのが従来で
あった。
【0032】しかしながら、上記方法では、フランジ部
14を切除する際に切断部から絶縁油が漏れ出たり、当
該絶縁ケース1の内部に残留する絶縁油が切断時の炎や
熱の侵入によって変質する虞もあり、作業環境上極めて
重大な問題となる。そこで作業環境を維持しつつ安全に
且つ容易に変圧器の絶縁ケース1を開くことが出来る絶
縁ケース解体方法の提供が求められたのである。
【0033】上記変圧器解体処理工程における絶縁ケー
ス解体方法によれば、フランジ部14における周縁溶接
部24を切除する際に切断部から絶縁油が漏れ出ること
もなく、溶断炎の絶縁ケース1内部への入り込みを阻止
することによって絶縁ケース1の内部に残留した絶縁油
を熱変質させることもない。よって、作業環境を維持し
つつ安全に且つ容易に変圧器の絶縁ケース1を開くこと
が出来ることとなる。
【0034】
【発明の効果】以上のごとく本発明による変圧器解体処
理工程における絶縁油抜き取り方法によれば、PCB絶
縁油入りの変圧器に内蔵された変圧器本体そのものを熱
源として用いることができる為、熱源その他の設備・装
置を別途準備する必要がなく、安価且つ容易にPCBを
加熱し粘度を低下させることができるのみならず、当該
加熱の際には、変圧器本体の特性を十分に利用すること
ができる。
【0035】即ち、本来変圧器は、一次コイル、二次コ
イル、接続導体及び鉄心からの発熱を極力抑える様に設
計されると共に、いったん発熱したエネルギーは、絶縁
ケースの放熱器を以て効率的に発散される様にも設計さ
れている。その様な構造が当該絶縁油の加熱という用途
においては、一次コイルや二次コイルから成る熱源から
発生された熱は絶縁油を加熱することはもとより、当該
絶縁油が充填された絶縁ケース等を介して変圧器全体を
加熱し、周り回って絶縁油の全体を均一に加熱すること
となるので、変圧器の内部に存在する絶縁油の粘度が均
一に下がり、たとえ絶縁ケース内部のコイルをはじめと
する各種構造物やその隙間に付着した絶縁油であって
も、絶縁油全体として滞り無く排油できることとなる。
【0036】上記変圧器本体の熱源としての機能は、絶
縁ケース内洗浄方法を実施する際の熱源としても用いる
ことができ、加熱された洗浄液が変圧器の冷却系を加熱
系として循環し絶縁ケースの内部隅々まで行き渡り、細
部に付着した絶縁油を効率よく溶出させることにより、
絶縁ケースの内面及び変圧器本体等を確実に洗浄するこ
とができる。洗浄液循環経路及び熱源の構成から送液ポ
ンプ等可動装置が不要となるので安全に且つ安価に洗浄
処理を行うことが可能となる。また、熱源として制御が
行い易いという前記利点は言うに及ばず、洗浄液として
使用した溶剤の引火・発火温度との関係で加熱温度や印
可電圧等が問題であれば、変圧器本体の高圧側を短絡し
低圧側から電圧を印可するなど防爆対応が容易であると
いう利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による変圧器解体処理工程における絶縁
油抜き取り方法及び絶縁ケース内洗浄方法に用いる熱源
の説明図である。
【図2】一般的な変圧器の一例を示す側断面図である。
【図3】本発明による変圧器解体処理工程における絶縁
ケース内洗浄方法の実施状況の一例を示す説明図であ
る。
【図4】図2の溶接部拡大図である。
【図5】本発明による変圧器解体処理工程における絶縁
ケース解体方法に用いる窒素ガス供給装置の一例を示す
説明図である。
【図6】周縁溶接部の溶断時における状況を示す要部拡
大図である。
【図7】周縁溶接部の溶断時における状況を示す要部拡
大図である。
【符号の説明】
1 絶縁ケース,2 変圧器本体,3 絶縁油,4 一
次端子 5 二次端子,6 導体,7 鉄心 8,9 コイル,10 一次碍子,11 二次碍子,1
2 カバー,13 ケース本体,14 フランジ部,1
5 ガスケット,16 ストッパ,17 放熱器,18
注油口,19 排油口,20 底壁,21 ベース,
22 CT,23 電源,24 溶接部,25 締結手
段,26 気圧センサ,27 弁,28 アラーム発生
器 29 開閉調整手段,30 アラーム制御手段,31
管路,32 窒素ガス供給装置,33 トーチ 34 洗浄液

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁ケース(1)内に変圧器本体(2)
    及び絶縁油(3)を封入した変圧器の解体処理工程での
    絶縁油抜き取り方法において、変圧器本体(2)の一次
    端子(4)又は二次端子(5)のいずれか一方を当該端
    子に流れる電流に十分耐え得る太さを持った導体(6)
    で短絡すると共に、他方の端子へ電流を供給することに
    より前記絶縁油(3)を加熱するための熱源として用い
    ることを特徴とする変圧器解体処理工程における絶縁油
    抜き取り方法。
  2. 【請求項2】 絶縁ケース(1)内に変圧器本体(2)
    及び絶縁油(3)を封入した変圧器の解体処理工程での
    絶縁ケース内洗浄方法において、絶縁油(3)を抜き取
    った絶縁ケース(1)内に洗浄液(34)を充満させ、
    変圧器本体(2)の一次端子(4)又は二次端子(5)
    のいずれか一方を当該端子に流れる電流に十分耐え得る
    太さを持った導体(6)で短絡すると共に、他方の端子
    へ電流を供給することにより前記洗浄液(34)を加熱
    するための熱源として用いることを特徴とする変圧器解
    体処理工程における絶縁ケース内洗浄方法。
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