JP2009260283A - Pcb汚染変圧器の洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

Pcb汚染変圧器の洗浄方法及び洗浄装置 Download PDF

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Abstract

【課題】PCBで汚染された変圧器を効率的に洗浄することができるPCB汚染変圧器の洗浄方法及び洗浄装置の提供。
【解決手段】本発明のPCB汚染変圧器の洗浄方法は、ポリ塩化ビフェニルで汚染されたPCB汚染変圧器から油を抜油する抜油工程と、前記PCB汚染変圧器に、ポリ塩化ビフェニルを実質的に含有していない油を注入する注入工程と、前記PCB汚染変圧器に課電する課電工程とを含むことを特徴とするPCB汚染変圧器の洗浄方法。
【選択図】図7

Description

本発明は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する油を使用した変圧器を洗浄するPCB汚染変圧器の洗浄方法及び洗浄装置に関し、特に、PCBを含有する油が封入された変圧器からPCB汚染油を抜油し、PCBを含有していない、あるいはPCBの含有濃度が規制(基準)範囲内である油を注入して循環あるいは放置させることで、変圧器の内壁及び内部部材に付着あるいは浸透したPCBを洗浄するPCB汚染変圧器の洗浄方法及び洗浄装置に関する。
変圧器などの重電機器中の絶縁油(PCBを使用していないもの)から微量のPCBが検出されて以降、平成15年に国は「低濃度PCB汚染物対策検討委員会」を設置し、微量PCB混入問題の解決に向けた本格的な検討を行っている。微量PCB混入機器は、濃度がppmオーダーと低く、対象機器は多種多量で、ユーザーは中小企業も含め多業種に亘っているという特徴があげられることから、同機器の処理には、国民経済的にも合理的な処理方法が求められる。
現在、国は汚染油の焼却処理を提案し、実証試験ではPCBを含む絶縁油を焼却炉で焼却した場合にダイオキシン類などの生成が環境存在濃度未満であることを確認している。しかし、微量PCB問題の解決には、汚染油の焼却処理の実現と合わせて安価で安全な変圧器などの機器の処理法が必須である。
機器の安価な処理法として、米国では絶縁油の入れ替えが検討されている。PCB汚染変圧器の絶縁油を抜油し、絶縁油を再度注油する処理が、環境保護省による試験を経て2001年に提案されている。但し、これは、単なる入れ替えであって、PCB溶出効果を奏するものではない。一方、我が国においては、PCB汚染変圧器の絶縁油の入れ替え処理について詳細な検討例はない。この理由の1つとして、事実上の日本におけるPCB汚染基準値が油中濃度で0.5mg/kgと世界で最も低濃度であることが挙げられる。即ち、入れ替えに加えて変圧器内部のPCBを絶縁油中に効果的に洗い出す方策が必要である。
既に、PCBで汚染された変圧器等を無害化する方法として、PCBを含有する絶縁油が封入された変圧器にPCBを含有していない絶縁油(新油)を注入して循環させることで、洗浄することが開示されている(例えば、特許文献1〜13)。
しかしながら、特許文献1〜13に記載された方法では、PCBで汚染された変圧器等を効率的に無害化することができなかった。
特開2005−203534号公報 特開2005−203523号公報 特開2005−204907号公報 特開2005−224252号公報 特開2005−177435号公報 特開2005−223002号公報 特開2005−253878号公報 特開2005−276965号公報 特開2005−276964号公報 特開2005−277321号公報 特開2005−294371号公報 特開2006−122767号公報 特開2006−80433号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、PCBで汚染された変圧器を効率的に洗浄することができるPCB汚染変圧器の洗浄方法及び洗浄装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ポリ塩化ビフェニルで汚染されたPCB汚染変圧器から油を抜油する抜油工程と、前記PCB汚染変圧器に、ポリ塩化ビフェニルを実質的に含有していない油を注入する注入工程と、前記PCB汚染変圧器に課電する課電工程とを含むことを特徴とするPCB汚染変圧器の洗浄方法である。
該<1>においては、PCB汚染変圧器が課電されるので、PCBで汚染された変圧器を効率的に洗浄することができる。
<2> 課電工程において、外部加熱、外部冷却、保温、課電電圧の強弱、課電電流の強弱、課電の断続的実施、及び自然放冷の少なくともいずれかを行うことにより、PCB汚染変圧器内の油の温度を変化させる前記<1>に記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法である。
<3> 抜油工程と、注入工程と、課電工程とを、任意の順番で含む前記<1>から<2>のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法である。
<4> 課電工程後に、PCB汚染変圧器から、前記注入された油を抜油する他の抜油工程をさらに含む前記<1>から<3>のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法である。
<5> 課電工程におけるPCB汚染変圧器への課電が、変圧器の温度試験法における返還負荷法、変圧器の温度試験法における等価負荷法、変圧器の温度試験法における実負荷法、電力系統への接続のいずれかを用いて行われる前記<1>から<4>のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法である。
<6> 油の温度が室温から100℃の範囲内である前記<1>から<5>のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法である。
<7> 油の温度が30℃から80℃の範囲内である前記<6>に記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法である。
<8> 油の温度の上昇によって注入された油の粘度を低下させ、変圧器を構成する変圧器容器内壁及び内部部材に付着あるいは浸透したポリ塩化ビフェニル自身、またはポリ塩化ビフェニルで汚染された汚染油と、注入された油との交換を促す前記<1>から<7>のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法である。
<9> 注入される油として、燃料油、潤滑油、食用油などに用いられる天然油、電気絶縁油を含む鉱油、又は合成油を使用する前記<1>から<8>のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法である。
<10> 注入される油が、廃油、再生油、化学的処理によりPCBを分解した油、及び物理的処理によりPCBを除去した油のいずれかである前記<9>に記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法である。
<11> 注入される油のPCB濃度が0.5ppm(mg/kg)以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法である。
<12> ポリ塩化ビフェニルで汚染されたPCB汚染変圧器に対し、課電する課電手段を備えることを特徴とするPCB汚染変圧器の洗浄装置である。
<13> 課電手段は、外部加熱、外部冷却、保温、課電電圧の強弱、課電電流の強弱、課電の断続的実施、及び自然放冷の少なくともいずれかを行うことにより、PCB汚染変圧器内の油の温度を変化させる前記<12>に記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置である。
<14> 課電手段によるPCB汚染変圧器への課電が、変圧器の温度試験法における返還負荷法、変圧器の温度試験法における等価負荷法、変圧器の温度試験法における実負荷法、電力系統への接続のいずれかを用いて行われる前記<12>から<13>のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置である。
<15> 油の温度が室温から100℃の範囲内である前記<13>から<14>のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置である。
<16> 油の温度が30℃から80℃の範囲内である前記<15>に記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置である。
<17> 油の温度の上昇によってPCB汚染変圧器に注入された油の粘度を低下させ、変圧器を構成する変圧器容器内壁及び内部部材に付着あるいは浸透したポリ塩化ビフェニル自身、またはポリ塩化ビフェニルで汚染された汚染油と、前記PCB汚染変圧器に注入された油との交換を促す前記<13>から<16>のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置である。
<18> PCB汚染変圧器に注入される油が、燃料油、潤滑油、食用油などに用いられる天然油、電気絶縁油を含む鉱油、又は合成油である前記<17>に記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置である。
<19> PCB汚染変圧器に注入される油が、廃油、再生油、化学的処理によりPCBを分解した油、及び物理的処理によりPCBを除去した油のいずれかである前記<18>に記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置である。
<20> PCB汚染変圧器に注入される油のPCB濃度が0.5ppm(mg/kg)以下である前記<17>から<19>のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置である。
本発明によると、PCBで汚染された変圧器を効率的に洗浄することができるPCB汚染変圧器の洗浄方法及び洗浄装置を提供することができる。
図1Aは、PCB汚染変圧器における内部部材の構造を示す図である(その1)。 図1Bは、PCB汚染変圧器における内部部材の構造を示す図である(その2)。 図1Cは、PCB汚染変圧器における内部部材の構造を示す図である(その3)。 図1Dは、PCB汚染変圧器における内部部材の構造を示す図である(その4)。 図1Eは、PCB汚染変圧器における内部部材の構造を示す図である(その5)。 図1Fは、PCB汚染変圧器における内部部材の構造を示す図である(その6)。 図1Gは、PCB汚染変圧器における内部部材の構造を示す図である(その7)。 図2Aは、図1A及び図1Cの変圧器における外鉄型コアの構造を示す図である(その1)。 図2Bは、図1A及び図1Cの変圧器における外鉄型コアの構造を示す図である(その2)。 図2Cは、図2A及び図2Bにおける銅コイルの構造を示す図である(その1)。 図2Dは、図2A及び図2Bにおける銅コイルの構造を示す図である(その2)。 図3Aは、図1B及び図1D〜図1Gの変圧器における内鉄型コアの構造を示す図である(その1)。 図3Bは、図1B及び図1D〜図1Gの変圧器における内鉄型コアの構造を示す図である(その2)。 図3Cは、図3A及び図3Bにおける銅コイルの構造を示す図である(その1)。 図3Dは、図3A及び図3Bにおける銅コイルの構造を示す図である(その2)。 図4は、返還負荷法を示す図である。 図5は、等価負荷法を示す図である。 図6は、実負荷法を示す図である。 図7は、課電洗浄試験の操作を示す図である。 図8は、返還負荷法に基づいた試験回路を示す図である。 図9Aは、図1Aの変圧器と図1Cの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Aの変圧器の課電期間中の油温、電流及び電圧変化を示すグラフである。 図9Bは、図1Aの変圧器と図1Cの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Cの変圧器の課電期間中の油温、電流及び電圧変化を示すグラフである。 図10Aは、図1Bの変圧器と図1Eの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Bの変圧器の課電期間中の油温、電流及び電圧変化を示すグラフである。 図10Bは、図1Bの変圧器(図1Dの変圧器)と図1Eの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Eの変圧器の課電期間中の油温、電流及び電圧変化を示すグラフである。 図10Cは、図1Dの変圧器と図1Eの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Dの変圧器の課電期間中の油温、電流及び電圧変化を示すグラフである。 図11Aは、図1Fの変圧器と図1G変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Fの変圧器の課電期間中の油温、電流及び電圧変化を示すグラフである。 図11Bは、図1Fの変圧器と図1Gの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Gの変圧器の課電期間中の油温、電流及び電圧変化を示すグラフである。 図12は、課電試験に用いた変圧器から採取した部材を示す図である。 図13は、「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」(平成4年厚生省告示第192号)別表第三の第二(拭き取り試験法)を示す図である。 図14は、「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」(平成4年厚生省告示第192号)別表第三の第三(部材採取試験法)を示す図である。 図15は、「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」(平成4年厚生省告示第192号)別表第四(溶出液試験法)を示す図である。 図16は、図1Aの変圧器の油中PCB濃度変化を示すグラフである。 図17は、図1Bの変圧器の油中PCB濃度変化を示すグラフである。 図18は、図1Cの変圧器の油中PCB濃度変化を示すグラフである。 図19は、図1Dの変圧器の油中PCB濃度変化を示すグラフである。 図20は、図1Eの変圧器の油中PCB濃度変化を示すグラフである。 図21は、図1Fの変圧器の油中PCB濃度変化を示すグラフである。 図22は、図1Gの変圧器の油中PCB濃度変化を示すグラフである。 図23は、PCB処理物の判定基準(廃棄物処理法施行令第2条の4第1項第5号ハ)及び検定方法(廃棄物処理法施行規則第1条の2第4項)を示す図である。
(PCB汚染変圧器の洗浄方法、PCB汚染変圧器の洗浄装置)
以下、本発明のPCB汚染変圧器の洗浄方法及び洗浄装置を説明する。
本発明のPCB汚染変圧器の洗浄方法は、抜油工程と、注入工程と、課電工程と、その他の工程とを含む。
また、本発明のPCB汚染変圧器の洗浄方法において、前記抜油工程と、前記注入工程と、前記課電工程とは任意の順番に行われてもよい。
本発明のPCB汚染変圧器の洗浄装置は、課電手段を備え、さらに必要に応じて、その他の手段を備える。
<変圧器>
変圧器は、主として、外缶容器と、該外缶容器に内装された内部部材(コア)とを備える。
前記コアは、図1A〜図1Gに示すように、外鉄型(図1A及び図1C)と、内鉄型(図1B、図1D〜図1G)とに大別される。
外鉄型コアは、図2A及び図2Bに示すように、1個の鉄芯42と、2個の銅コイル41とで構成されている。ここで、鉄芯42は、薄いケイ素鋼板を巻いた巻鉄芯であり、図2C及び図2Dに示すように、銅コイル41の内側は二次銅線41a(と紙類)であり、銅コイル41の外側は一次銅線41b(と紙類)であった。
外鉄型コアは、図3A及び図3Bに示すように、2個の鉄芯42と、1個の銅コイル41とで構成されている。ここで、鉄芯42は、薄いケイ素鋼板を巻いた巻鉄芯であり、図3C及び図3Dに示すように、銅コイル41の外側及び内側は二次銅線41a(と紙類)であり、コイル中央部は一次銅線41b(と紙類)であった。
<抜油工程>
前記抜油工程は、PCB汚染変圧器から油を抜油する工程である。
具体的には、まず、外缶容器とコアとを分離する。次いで、外缶容器内のPCB汚染油(元油)を、ポンプを用いて金属製タンクに移す。
なお、上述したように、外缶容器内のPCB汚染油をポンプを用いて抜油することに限定されるものではなく、例えば、変圧器の下部に設けられた抜油口からPCB汚染油を抜油してもよい。
<注入工程>
前記注入工程は、PCB汚染変圧器に、ポリ塩化ビフェニルを実質的に含有していない油(ポリ塩化ビフェニルの含有濃度が規制(基準)範囲内である油)を注入する工程である。
具体的には、まず、コアを外缶容器内に設置する。その後、ポリ塩化ビフェニルを実質的に含有していない油を、変圧器に注入する。
ここで、注入される油として、例えば、燃料油、潤滑油、食用油などに用いられる天然油、電気絶縁油を含む鉱油、又は合成油を使用する。なお、ポリ塩化ビフェニルを実質的に含有していない油(ポリ塩化ビフェニルの含有濃度が規制(基準)範囲内である油)とは、現在のところ、ポリ塩化ビフェニルの含有濃度が0.5ppm(mg/kg)以下の油を示す(図23参照)。
また、注入される油が、廃油、再生油、化学的処理によりPCBを分解した油、及び物理的処理によりPCBを除去した油であってもよく、また、油の代わりに油に類する課電乃至通電が可能な溶媒を用いてもよい。
<課電工程(手段)>
前記課電工程(手段)は、前記PCB汚染変圧器に課電する工程(手段)である。前記課電工程において、PCB汚染変圧器内部を発熱させて、PCB汚染変圧器内の油の温度を加熱によって変化させる。油の温度は、室温から100℃の範囲内であり、30℃〜80℃の範囲内であることが好ましい。なお、課電工程における油の昇温速度は、例えば、1〜7(℃/h)となるように設定する。このように、油の温度を制御することにより、洗浄の際の発火を抑制することができる。
課電工程における課電により、PCB汚染変圧器内の油の温度を加熱によって変化させることのみならず、加熱によるPCB汚染変圧器内の油の循環、電磁誘導による部材の振動などの副次的な効果も期待される。
また、前記課電工程におけるPCB汚染変圧器への課電は、変圧器を定格負荷で運転した場合に、機器各部の温度上昇が絶縁の種類によって定められた一定限度内にあることを検証する目的で用いられる変圧器の温度試験方法(例えば、返還負荷法、等価負荷法及び実負荷法のいずれか)、又は、電気系統への接続により行われる。
<<返還負荷法>>
前記返還負荷法は、例えば、図4に示すように、2台の同定格の変圧器を対に接続することにより、負荷を接続することなく、損失分の電力の供給のみで実負荷に相当する電圧と電流を再現できる方法である。この返還負荷法においては、高電圧で定格負荷電流を流すことができると共に、電気使用量・廃熱が少なく、複数台での試験が可能である。なお、図4中の数字は定格負荷電流が流れる順番を示す。
<<等価負荷法>>
前記等価負荷法は、変圧器巻線の一つを短絡し、全損失に相当する負荷損を供給して変圧器油温を上昇させた後、定格電流を通じて、油温を上昇させる方法をいう。例えば、図5に示すように、1次側に低電圧(例えば、100V〜200V)をかけ、2次側で短絡させることにより、変圧器には低電圧で電流が流れる。この場合、電源容量が小さくてすみ、高電圧ではないので、容易に試験が行うことができる。
<<実負荷法>>
前記実負荷法は、実際の負荷をかけて試験を行う方法である。例えば、図6に示すように、1次側に高電圧(例えば、6,000V)で電流を流して、2次側で消費させることにより、変圧器には定格電流が流れる。
<<電気系統への接続>>
前記電気系統への接続は、実際の電気系統に変圧器を接続し、電流値や油の温度を人為的に制御しない方法である。
<その他の工程>
PCB汚染変圧器の洗浄方法として、必要に応じて、抜油工程、注入工程、及び課電工程以外の工程を含んでいてもよい。例えば、課電工程後に、PCB汚染変圧器から、前記注入された油を抜油する他の抜油工程や、ポリ塩化ビフェニルを実質的に含んでいない油を注入する際に油中の塵あい、水分、溶解ガス等をろ過と真空脱気によって充分に除去する浄油工程等が挙げられる。また、抜油工程において、外部加熱乃至保温による油切りを行うこと、課電工程において、外部加熱、外部冷却、保温、課電電圧の強弱、課電電流の強弱、課電の断続的実施、及び自然放冷の少なくともいずれかを行うことも挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではなく、本技術分野において行われるこれらに対する通常の改変及び修飾を含むものとする。
(実施例1)
実施例1では、図7に示すように、課電洗浄試験の操作((1)元油の抜油(抜油工程)、(2)洗浄油(新油)の注入(注入工程)、(3)返還負荷法に基づいた課電洗浄(課電工程)、(4)課電洗浄時のPCB濃度の経時変化観察(課電工程)、(5)銅コイルと鉄芯の採取(部材採取)、(6)容器内壁のふきとり(部材採取))を行った。以下、課電洗浄試験の操作を詳述する。
<変圧器>
PCBで汚染された変圧器としては、東京電力(株)から譲渡された柱上変圧器を使用した(表1、図1A〜図1G)。図1A〜図1Eの柱上変圧器は、10kVAであり、図1F〜図1Gの柱上変圧器は、30kVAであった。
<抜油工程>
PCB汚染油が飛散や漏洩した場合に、床面に浸透しないよう防油堤上に変圧器を載置し、コアを外缶容器から取り外した。次いで、廃油用ドラム缶を用意し、外缶容器内のPCB汚染油を、ポンプを用いてドラム缶に移した。
図1A〜図1Eの柱上変圧器中のPCB汚染油(元油)のPCB濃度は、順に、2.6mg−PCB/kg−油、24mg−PCB/kg−油、25mg−PCB/kg−油、32mg−PCB/kg−油、33mg−PCB/kg−油であり、図1F〜図1Gの柱上変圧器中のPCB汚染油(元油)のPCB濃度は、順に、54mg−PCB/kg−油、84mg−PCB/kg−油であった。
<注入工程>
まず、コアを外缶容器内に設置する。その後、新油(電気絶縁油1種2号、松村石油)を、変圧器に注入し、注油した変圧器に蓋をした。ここで、注入した新油の量は、表1における油量(L)とした。
<課電工程>
新油を注入した変圧器2台を、返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続し、変圧器の定格の電圧及び電流(表1における「定格(kVA)」)で課電を行った。課電時間は1日あたり12時間とし、課電期間中に課電(12時間)を繰り返した。なお、課電していない時間帯は回路に接続したまま放置した。課電時の電圧と電流は自動計測装置により記録し、絶縁油の温度は変圧器内部に設置した温度計により計測した。
加えて、絶縁油中のPCB濃度は、経時的に絶縁油を採取することで、後述するバイオセンサーで測定した(前記(4)課電洗浄時のPCB濃度の経時変化観察)。なお、新油の入れ替え(抜油工程及び注入工程)を2回行う場合には、一旦変圧器を回路から切り離した後、上記の入れ替え操作を実施して再び回路に変圧器を接続して課電を行った。
課電を終了した変圧器は、回路から切り離した後にコアと容器とを分離し、油きりのため一晩放置した。
なお、課電(12時間)を繰り返した日数を課電期間と定義した。
図9Aは、図1Aの変圧器と図1Cの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Aの変圧器の課電期間中の油温、電流及び電圧変化を示すグラフであり、図9Bは、図1Cの変圧器の課電期間中の油温、電流及び電圧変化を示すグラフである。
なお、変圧器の定格の電圧及び電流(表1における「定格(kVA)」)で課電を行った。課電時間を1日あたり12時間とし、8日間に亘って課電(12時間)を繰り返した。2台の変圧器において、1日毎の課電終了時の温度は平均で65℃であり、少なくとも55℃〜75℃の範囲内であることが確認された。また、油温変化は30℃〜80℃の範囲内であることが確認された。また、2台の変圧器間で経時的な油温変化に極端な違いがないことも確認した。さらに、課電全期間において、2台の変圧器ともに約200Vの電圧で約40Aの電流が定常的に通電されていることも観察された。
また、図1Bの変圧器と図1Eの変圧器とを試験回路(図8)に接続し、変圧器の定格の電圧及び電流(表1における「定格(kVA)」)で20日間課電を行った。その結果、図10A及び図10Bに示すように、2台の変圧器において、1日毎の課電終了時の温度は約70℃であり、経時的な温度変化に極端な違いがないことが再現された。また、定常的に一定の電圧と電流で通電されていることも再現された。次に、図1Bの変圧器の代わりに図1Dの変圧器を試験回路(図8)に接続し、図1Dの変圧器と図1Eの変圧器とを試験回路(図8)に接続した状態にして、15日間課電を行った。その結果、図10B及び図10Cに示すように、変圧器の取替えを行っても、1日毎の課電終了時の温度は約70℃であり、一定の電圧と電流で通電されていることが再現された。また、油温変化は、30℃〜80℃の範囲内であることも確認された。
さらに、図1Fの変圧器と図1Gの変圧器とを試験回路(図8)に接続し、変圧器の定格電圧及び電流(表1における「定格(kVA)」)で28日間課電を行った。その結果、図11A及び図11Bに示すように、一定の電圧と電流で通電されていたが、油温に若干の変動も観察された。しかしながら、1日毎の課電終了時の温度は、少なくとも60℃から70℃の範囲内であることが確認された。また、油温変化は、30℃〜80℃の範囲内であることも確認された。
<部材採取>
課電工程後に、以下の手順で部材を採取した(図12)。
銅コイルは、コアから切断して採取した。切断した銅コイルからは、接着紙及び絶縁紙などの紙類、一次及び二次銅線を採取した。なお、採取にあたっては、部位(周辺や中心、上部あるいは下部)が偏らないように平均的に行った。
一方、鉄芯については、コアを解体して鉄芯を取り出した後、ケイ素鋼板を切断しながら部位が偏らないように採取した。
容器内壁については、特別管理一般廃棄物及び特定管理産業廃棄物に係る基準の検定方法(平成4年厚生省告示第192号)に記載された別表第三の第二(拭き取り試験法)(図13)に従って分析用試料を採取した。また、拭き取る箇所は重複しないようにした。
<部材分析>
採取した部材の分析は、特別管理一般廃棄物及び特定管理産業廃棄物に係る基準の検定方法(平成4年厚生省告示第192号)に記載された方法に従って前処理及び測定を行った。容器内壁及び鉄芯に付着したPCBは、別表第三の第二(拭き取り試験法)に従って前処理を行った。拭き取り試験では、有機溶媒を含む脱脂綿で金属表面を拭き取るため、壁面の表面に付着したPCBを油成分とともに回収できる。一次及び二次銅線は絶縁紙などの付着物を除去した後に別表第三の第三(部材採取試験法)(図14)に従って前処理を行った。部材採取試験では、PCBが溶解しやすいヘキサンで部材を洗浄するため、部材表面に付着したPCBを回収できる。また、紙類は別表第四(洗浄液試験法)(図15)に従って前処理を行った。別表第四は、部材から水へのPCBの溶出を見積もることを目的とした前処理法である。これらの前処理済み試料は、全て電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフィー(GC/ECD)にてPCBの定量を行った。
<PCB濃度分析>
<<サンプリングラインから採取した油のPCB濃度分析>>
油のPCB濃度分析には、バイオセンサー及びゲル浸透クロマトグラフィー/電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフィー(GPC/GC/ECD)を用いた。
<<<バイオセンサーを用いた油のPCB濃度分析>>>
バイオセンサーを用いた油のPCB濃度分析には、以下の抗体及び担体を用い、PCB濃度分析を行う油には以下の前処理を行った。
バイオセンサーを用いた油のPCB濃度分析には、モノクローナル マウス抗PCB抗体(株式会社住化分析センター製)を使用した。
油の前処理には、シリカゲルの多層カラム(株式会社住化分析センター製)を用いた。詳しくは、上層に発煙硫酸を含浸したシリカゲル、下層に発煙硫酸を含浸していないシリカゲルの二層カラムである。このカラムに0.5gの無水硫酸ナトリウムを重層した後、0.25gの絶縁油を添加し、さらに絶縁油をカラム内に浸透させるため0.2mLのn−ヘキサンを追加で添加した。5分間放置して絶縁油成分の分解を促した後、15mLのn−ヘキサンを添加し、その全量をナス型フラスコに回収した。0.25mLのジメチルスルホキシド(DMSO)を加え、40℃の湯浴中でロータリーエバポレータでn−ヘキサンを除去した。この後、残液をマイクロチューブに移して遠心分離(10,000rpm、1分間)し、DMSO層を0.15mL分取して前処理液とした。
測定には、バイオセンサーの携帯型測定機(住友分析センター社製)を用い、膜型担体を備えた検出セルを使用した。この測定機は、内部電池から電源を得て吸光度測定が可能な装置であり、大きさは15cm×10cm程度で、測定値の液晶表示と内臓メモリへの測定値の記憶、及び外部PCへの出力が可能である。
まず、抗体溶液に絶縁油の前処理液を添加し、PCBと抗体の結合を促した。液中の抗体とPCBの結合の割合は、抗体濃度が一定であるので、PCB濃度に依存する。従って、PCBと結合していない抗体濃度が測定できれば、PCB濃度を算出できる。そこで、結合平衡液を測定セルに送液し、PCBと結合していない抗体を担体上の擬似抗原との結合を利用して捕捉した。この後、抗体の捕捉量は、携帯型測定機に検出セルを装着し、金コロイドの吸収から光学的に電気信号(電圧)として計測した。電気信号は、抗体の捕捉量と相関関係にあることから、最終的に電気信号からPCB濃度を決定した。
抗体は、1%(w/w)牛血清アルブミンを含む生理食塩水(以下、PBS−BSAと略す)で500pMに希釈して用いた。一方、5mLの抗体溶液に上記の方法に従って調製した50μLの前処理液を加えて攪拌し、30分間放置して測定液を調製した。放置時間の間に、検出セルを携帯型測定機に設置して、対照の電圧値を読み取った。この後、同じ検出セルに4mLの測定液を流速8.5mL/minで送液し、続いて1mLのPBS−BSAを流速8.5mL/minで送液して測定セルを洗浄した。測定セルを7,000rpmで5分間遠心し、水切り後に30分間風乾し、再び携帯型測定機に供して電圧値を読み取った。対照と送液後の電圧値から、別途下記の手順で作成する電圧値と対応するPCB濃度の示す校正曲線からPCB濃度を測定した。なお、検出セルは測定毎に使い捨てとした。また、校正曲線を作成する場合には、PCBを含まない未使用絶縁油にカネクロール(KC)の当質量混合液(KC−300、KC−400及びKC−500)を添加した校正用の試料を用いて、上記の手順で測定した。
<<<ゲル浸透クロマトグラフィー/電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフィー(GPC/GC/ECD)を用いた油のPCB濃度分析>>>
GPC/GC/ECDを用いた油のPCB濃度分析を行う油には以下の前処理を行った。
容量50mLのフラスコにn−ヘキサン20mLと濃硫酸10mLを注入した後、絶縁油試料1gを加えた。2時間ゆっくり撹拌して有機物を分解した後、ヘキサン層を分離後10mLの精製水で3回洗浄して、硫酸ナトリウム(無水物)で脱水した。次に、ヘキサン層を0.5mL以下まで濃縮し、GPC溶離液(酢酸エチル:シクロヘキサン=3:7)で10mLにメスアップし前処理液を調製した。
ゲル浸透クロマトグラフィーは、シリカゲル粒子などを利用し、分子量の異なる物質の分離を行う方法である。ここでは、シリカゲル粒子を充填したカラムに、試料を導入し、油成分の分子とPCB分子との分子量の差を利用して両者の分離を行う。具体的には、分解処理済み試料の一定量をGPC装置に注入し、油成分と溶出させた後、PCBを含む画分を分取した。GPC分画条件を以下に示す。また、電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフィー(GC/ECD)によるPCBの定量法は、JISK−0093に従った。
−GPC分画条件−
プレカラム:CLNpak EV−G, 20φ×100mm
分取カラム:CLNpak EV−2000, 20φ×300mm
溶離液:酢酸エチル:シクロヘキサン=3:7
溶離速度:4.2mL/min
<課電によるPCBの溶出>
課電期間における変圧器内部からの絶縁油へのPCB溶出の経時変化を調べた。なお、絶縁油は毎日課電操作が終了した時点で採取し、迅速に測定が可能なバイオセンサーにて絶縁油中の総PCB濃度を求め、その測定結果を翌日の課電操作の目安とした。また、同じ絶縁油をGPC/GC/ECDに供し、総PCB濃度を確定した。
図16は、図1Aの変圧器と図1Cの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Aの変圧器の課電期間中の油中PCB濃度変化を示すグラフであり、図18は、図1Cの変圧器の課電期間中の油中PCB濃度変化を示すグラフである。
図16に示すように、図1Aの変圧器(元油PCB濃度2.6mg−PCB/kg−油)では、全8日間の課電期間中、バイオセンサー並びにGPC/GC/ECDによる油中総PCB濃度は0.3mg−PCB/kg−油未満であった。一方、図18に示すように、図1Cの変圧器(元油PCB濃度25mg−PCB/kg−油)では課電期間の経過に伴い変圧器内部から絶縁油へのPCBの溶出が観察され、バイオセンサー並びにGPC/GC/ECDによる油中総PCB濃度が1.1mg−PCB/kg−油に達した。
図17は、図1Bの変圧器と図1Eの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Bの変圧器の課電期間中の油中PCB濃度変化を示すグラフであり、図19は、図1Dの変圧器と図1Eの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Dの変圧器の課電期間中の油中PCB濃度変化を示すグラフであり、図20は、図1B(図1D)の変圧器と図1Eの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Eの変圧器の課電期間中の油中PCB濃度変化を示すグラフである。
なお、図17、図19及び図20は、以下の操作により得られた結果である。図1Bの変圧器と図1Eの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続して、7日間の課電操作を行った後に再度油入れ替えを行い、課電操作をさらに継続することでPCBの再溶出が見られるかどうか観察した(課電期間20日)。その後、図1Bの変圧器と図1Dの変圧器とを入れ替えた。
図17に示すように、図1Bの変圧器(元油PCB濃度24mg−PCB/kg−油)では、課電期間20日目においても、バイオセンサー並びにGPC/GC/ECDによる油中総PCB濃度は0.3mg−PCB/kg−油未満であった。
図19に示すように、図1Dの変圧器(元油PCB濃度32mg−PCB/kg−油)では、課電期間初期に顕著なPCBの溶出が観察され、課電期間1日目で油中総PCB濃度が0.6mg−PCB/kg−油となった。この後、緩やかな溶出が継続し、課電期間12日目以降に油中総PCB濃度1.0mg−PCB/kg−油で一定となった。この傾向は、バイオセンサー並びにGPC/GC/ECDの両測定結果に見られた。
図20に示すように、図1Eの変圧器(元油PCB濃度33mg−PCB/kg−油)では、課電期間20日目に油中総PCB濃度が0.3〜0.4mg−PCB/kg−油となり、PCBの溶出が観察された。しかし、35日まで課電操作を継続してもPCB濃度の増加は観察されなかった。
図21は、図1Fの変圧器と図1Gの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続した場合の、図1Fの変圧器の課電期間中の油中PCB濃度変化を示す図であり、図22は、図1Gの変圧器の課電期間中の油中PCB濃度変化を示す図である。
なお、図21及び図22は、以下の操作により得られた結果である。図1Fの変圧器と図1Gの変圧器とを返還負荷法に基づいた試験回路(図8)に接続して、14日間の課電操作を行った後に再度油入れ替えを行い、課電操作をさらに継続することでPCBの再溶出が見られるかどうか観察した(課電期間28日)。
図21に示すように、図1Fの変圧器(元油PCB濃度54mg−PCB/kg−油)では、課電期間14日目において、GPC/GC/ECDによる油中総PCB濃度で1.0mg−PCB/kg−油となり、この後、2回目の油入れ替えを行って課電操作を14日間継続したところ、バイオセンサー並びにGPC/GC/ECDによる油中総PCB濃度は0.3mg−PCB/kg−油未満であった。
図22に示すように、図1G(元油PCB濃度84mg−PCB/kg−油)では、課電期間14日目において、GPC/GC/ECDによる油中総PCB濃度で1.3mg−PCB/kg−油となり、この後、2回目の油入れ替えを行って課電操作を14日間継続したところ、バイオセンサー並びにGPC/GC/ECDによる油中総PCB濃度は0.3mg−PCB/kg−油未満であった。
以上の結果から、課電により変圧器内部のPCBを入れ替え後の絶縁油に溶出するには2週間程度の期間が必要であることが分かった。
<課電によるPCB洗浄効果>
課電後の容器内壁及び部材へのPCB付着量を測定した。測定結果を表2に示す。
変圧器の容器内壁や部材のPCB汚染は、特別管理一般廃棄物及び特定管理産業廃棄物に係る基準の検定方法(平成4年厚生省告示第192号)によって検定されている。この検定方法は、本来化学的なPCB無害化処理を行った部材が対象であるが、PCB洗浄効果の指標として適用した。
図1Aの変圧器(元油PCB濃度2.6mg−PCB/kg−油)に8日間の課電操作を行った場合、課電操作後の一次及び二次銅線へのPCB付着量は、0.01mg−PCB/kg−部材未満であった。PCB無害化処理における部材採取試験の検定基準は0.01mg−PCB/kg−部材以下であり、銅線には基準を超えるPCBの付着は認められなかった。紙類からのPCB溶出量は、0.003mg−PCB/kg−検液未満であった。PCB無害化処理における紙くずの検定基準は0.003mg−PCB/kg−部材以下であり、紙類からは基準を超えるPCBの溶出は認められなかった。容器内壁及び鉄芯へのPCB付着量は、0.1μg−PCB/100cm−表面積未満であった。PCB無害化処理における部材採取試験の検定基準は0.1μg−PCB/100cm−表面積以下であり、容器内壁及び鉄芯には基準を超えるPCBの付着は認められなかった。
図1Cの変圧器(元油PCB濃度25mg−PCB/kg−油)に8日間の課電操作を行った場合、容器内壁、一次及び二次銅線へのPCB付着量並びに紙類からのPCB溶出量については、PCB無害化処理において該当する検定基準以下であった。しかしながら、鉄芯へのPCB付着量は0.2μg−PCB/100cm−表面積であり、PCB無害化処理における検定基準を超過するPCB付着量が認められた。PCBが残存した理由としては、同じ課電期間であった図1Aの変圧器に比べて元油PCB濃度が高く、PCBの洗浄・除去に時間を要することが考えられた。また、図1Cの変圧器では課電終了時の絶縁油中のPCB濃度は、バイオセンサーとGPC/GC/ECDで1.1mg−PCB/kg−油であり、PCB無害化処理における絶縁油の検定基準である0.5mg−PCB/kg−油を超過していた。
図1Dの変圧器(元油PCB濃度32mg−PCB/kg−油)に15日間の課電操作を行った場合、一次及び二次銅線へのPCB付着量、並びに紙類からのPCB溶出量については、PCB無害化処理において該当する検定基準以下であった。しかしながら、容器内壁及び鉄芯へのPCB付着量はPCB無害化処理における検定基準と同じ0.1μg−PCB/100cm−表面積であった。また、図1Dの変圧器では課電終了時の絶縁油中のPCB濃度は、バイオセンサーで1.2mg−PCB/kg−油、GPC/GC/ECDで1.0mg−PCB/kg−油であり、PCB無害化処理における絶縁油の検定基準である0.5mg−PCB/kg−油を超過していた。
図1Bの変圧器(元油PCB濃度24mg−PCB/kg−油)、図1Eの変圧器(元油PCB濃度33mg−PCB/kg−油)、図1Fの変圧器(元油PCB濃度54mg−PCB/kg−油)及び図1Gの変圧器(元油PCB濃度84mg−PCB/kg−油)について部材分析を行った。その結果、全ての変圧器について、容器内壁及び鉄芯へのPCB付着量は、0.1μg−PCB/100cm−表面積未満であった。同様に、一次及び二次銅線へのPCB付着量も0.01mg−PCB/kg−部材未満であり、紙類からのPCB溶出量は、0.003mg−PCB/kg−検液未満であった。これらの測定結果は、PCB付着量と溶出量において、該当する部材のPCB無害化処理における検定基準以下であった。なお、課電終了時の絶縁油中のPCB濃度も、いずれの変圧器においてバイオセンサー並びにGPC/GC/ECDの測定結果から、PCB無害化処理における絶縁油の検定基準である0.5mg−PCB/kg−油以下であった。
以上より、課電による変圧器のPCB洗浄には、2週間程度の課電期間と油入れ替えを組み合わせることが有効であると考えられた。
41 銅コイル
41a 二次銅線
41b 一次銅線
42 鉄芯

Claims (20)

  1. ポリ塩化ビフェニルで汚染されたPCB汚染変圧器から油を抜油する抜油工程と、
    前記PCB汚染変圧器に、ポリ塩化ビフェニルを実質的に含有していない油を注入する注入工程と、
    前記PCB汚染変圧器に課電する課電工程とを含むことを特徴とするPCB汚染変圧器の洗浄方法。
  2. 課電工程において、外部加熱、外部冷却、保温、課電電圧の強弱、課電電流の強弱、課電の断続的実施、及び自然放冷の少なくともいずれかを行うことにより、PCB汚染変圧器内の油の温度を変化させる請求項1に記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法。
  3. 抜油工程と、注入工程と、課電工程とを、任意の順番で含む請求項1から2のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法。
  4. 課電工程後に、PCB汚染変圧器から、前記注入された油を抜油する他の抜油工程をさらに含む請求項1から3のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法。
  5. 課電工程におけるPCB汚染変圧器への課電が、変圧器の温度試験法における返還負荷法、変圧器の温度試験法における等価負荷法、変圧器の温度試験法における実負荷法、電力系統への接続のいずれかを用いて行われる請求項1から4のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法。
  6. 油の温度が室温から100℃の範囲内である請求項1から5のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法。
  7. 油の温度が30℃から80℃の範囲内である請求項6に記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法。
  8. 油の温度の上昇によって注入された油の粘度を低下させ、変圧器を構成する変圧器容器内壁及び内部部材に付着あるいは浸透したポリ塩化ビフェニル自身、またはポリ塩化ビフェニルで汚染された汚染油と、注入された油との交換を促す請求項1から7のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法。
  9. 注入される油として、燃料油、潤滑油、食用油などに用いられる天然油、電気絶縁油を含む鉱油、又は合成油を使用する請求項1から8のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法。
  10. 注入される油が、廃油、再生油、化学的処理によりPCBを分解した油、及び物理的処理によりPCBを除去した油のいずれかである請求項9に記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法。
  11. 注入される油のPCB濃度が0.5ppm(mg/kg)以下である請求項1から10のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄方法。
  12. ポリ塩化ビフェニルで汚染されたPCB汚染変圧器に対し、課電する課電手段を備えることを特徴とするPCB汚染変圧器の洗浄装置。
  13. 課電手段は、外部加熱、外部冷却、保温、課電電圧の強弱、課電電流の強弱、課電の断続的実施、及び自然放冷の少なくともいずれかを行うことにより、PCB汚染変圧器内の油の温度を変化させる請求項12に記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置。
  14. 課電手段によるPCB汚染変圧器への課電が、変圧器の温度試験法における返還負荷法、変圧器の温度試験法における等価負荷法、変圧器の温度試験法における実負荷法、電力系統への接続のいずれかを用いて行われる請求項12から13のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置。
  15. 油の温度が室温から100℃の範囲内である請求項13から14のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置。
  16. 油の温度が30℃から80℃の範囲内である請求項15に記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置。
  17. 油の温度の上昇によってPCB汚染変圧器に注入された油の粘度を低下させ、変圧器を構成する変圧器容器内壁及び内部部材に付着あるいは浸透したポリ塩化ビフェニル自身、またはポリ塩化ビフェニルで汚染された汚染油と、前記PCB汚染変圧器に注入された油との交換を促す請求項13から16のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置。
  18. PCB汚染変圧器に注入される油が、燃料油、潤滑油、食用油などに用いられる天然油、電気絶縁油を含む鉱油、又は合成油である請求項17に記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置。
  19. PCB汚染変圧器に注入される油が、廃油、再生油、化学的処理によりPCBを分解した油、及び物理的処理によりPCBを除去した油のいずれかである請求項18に記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置。
  20. PCB汚染変圧器に注入される油のPCB濃度が0.5ppm(mg/kg)以下である請求項17から19のいずれかに記載のPCB汚染変圧器の洗浄装置。
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