JP2016140778A - Pcb除去方法およびpcb除去装置 - Google Patents

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淳 黒澤
義一 野口
Giichi Noguchi
義一 野口
和博 信太
Kazuhiro Shinoda
和博 信太
宏樹 沖
Hiroki Oki
宏樹 沖
明 片桐
Akira Katagiri
明 片桐
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Shunji Suzuki
俊二 鈴木
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Masayoshi Yamashita
正芳 山下
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Hirokazu Fukano
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Abstract

【課題】 PCBに汚染された容器からPCBを安全かつ効率的に除去するためのPCB除去方法を提供すること。
【解決手段】 容器1からPCBを除去するPCB除去方法であって、容器1の底部11に、PCBを溶解可能な溶剤を供給し、PCBを溶解させて排出する溶剤洗浄工程と、溶剤洗浄工程の後に、界面活性剤を添加した水溶液を容器1の内面に噴出し、PCBを排出する水溶液洗浄工程と、で主に構成される。溶剤洗浄工程は、容器1の底部11にPCB油が溜まっている場合には、溶剤を供給する前に当該PCB油を排出する。そして、溶剤洗浄工程では、溶剤を容器1の底部11に予め溜まっていたPCBの高さ以上になるまで供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、PCBに汚染された容器(設備、貯槽等を含む、以下容器という)からポリ塩化ビフェニル(以下、PCBという)を除去するためのPCB除去方法およびPCB除去装置に関する。
ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、電気絶縁性が良好で、水には不溶であるが有機溶媒・油にはよく溶解するため、電気機器のトランス、コンデンサの絶縁油、接着剤、ワックス、潤滑油等に使用されてきた。しかし、PCBは、発癌性や皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常等、生体に対する毒性が高く、また、脂肪組織に蓄積しやすい性質があり、現在は製造が禁止されている。このため、PCBの製造が認められていた時期に生産され、使用されていた電気機器等の廃棄物は、そのままの状態で廃棄することはできず、PCBの除去作業が必要となる。従来、このようなPCBの除去には、対象物を洗浄槽に入れ、洗浄用の溶剤に浸漬したり、溶剤を気化し当該気化溶剤の雰囲気に晒したりして洗浄する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
一方、洗浄前の廃棄物は、周囲に汚染が広がらないよう、処理施設へ搬出される前は保管容器内に収納・保管されているものが多い。このような保管容器は、全国に6000以上ある。また、その他にも、過去にPCBを貯蔵していた貯槽が多数存在している。更に、全国のPCB処理施設が操業を終了した際には、PCBに汚染された貯槽や設備が残る。これらの容器等は、形状が多種多様であり、底部には排出しきれなかったPCBが溜まり、天井面や側面にはPCBが付着している。また、容器内の空気中には残留しているPCBや天井面及び側面に付着しているPCBの蒸散によってPCBが滞留しており、その平均PCB濃度は10〜1000μ/m3にものぼる。そのため、これらの容器を破棄する為に解体すると、PCBが直ちに空気中に拡散し、作業環境及び作業従事者に対してPCB汚染をもたらす。
したがって、処理施設へ搬出する前に、保管容器からPCBを除去し、保管容器を開蓋し、収納機器を保管容器から取り出すと共に、保管容器を運搬可能な大きさまで解体する必要がある。
特開2003−145069
ここで、このような保管容器は次の特徴をもつ。
・金属製、プラスティック製の箱型が多く、容器内の気体、液体は、容器内に密封されている。
・保管容器の大きさは、大型の廃棄物を保管していることがあり、保管場所からの搬出、処理施設への搬入の際に、制限寸法を超えるものがある。
・保管容器内の汚染状況は、密閉内に廃棄物を長期間保管していることから、容器内の気相の汚染、底部の液溜まり、天井及び側面には汚染気体の接触、凝縮などにより、全面的に汚染されている。
・保管容器の強度は、仮保管としての用途から、荷降ろし及び運搬等に耐えられないものがある。
したがって、従来の洗浄方法では、保管容器からPCBを除去するために大量の溶剤を必要とする。また、溶剤の使用料を減らすために、保管容器内を減圧又は加圧するような強度が必要とされる洗浄方法は使用できないことが多い。また、溶剤をスプレーして洗浄する方法も考えられるが、スプレー噴射により生じる静電気が溶剤に引火する可能性があり、保管容器の保管現場で使用するには安全な方法とは言えない。
そこで本発明は、PCBに汚染された容器からPCBを安全かつ効率的に除去するためのPCB除去方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のPCB除去方法は、容器からPCBを除去するための方法であって、前記容器の底部に、前記PCBを溶解可能な溶剤を供給し、前記PCBを溶解させて排出する溶剤洗浄工程と、前記溶剤洗浄工程の後に、界面活性剤を添加した水溶液を前記容器の内面に噴出し、前記PCBを排出する水溶液洗浄工程と、を有することを特徴とする。
なお、前記溶剤洗浄工程は、前記容器の底部にPCB油が溜まっている場合には、前記溶剤を供給する前に当該PCB油を排出する方が好ましい。
また、前記溶剤洗浄工程は、前記溶剤を前記容器の底部に予め溜まっていたPCBの高さ以上になるまで供給する方が好ましい。また、前記溶剤洗浄工程は、前記容器の底部に予め溜まっていた油に含まれるPCBの濃度と比較して排出した溶剤に含まれるPCBの濃度が2%以下になるまで複数回繰り返す方が好ましい。
また、前記水溶液洗浄工程は、水溶液に対する前記界面活性剤の添加量を0〜10%とすれば良い。また、前記水溶液は循環させて再利用しても良い。また、前記水溶液洗浄工程は、全方位に回転するノズルから前記水溶液を噴出して行う方が好ましい。なお、前記ノズルの回転は、前記水溶液の噴出力を利用して行っても良い。
また、本発明のPCB除去装置は、容器からPCBを除去するものであって、前記容器の底部に、前記PCBを溶解可能な溶剤を供給する溶剤供給手段と、界面活性剤を添加した水溶液を前記容器の内面に噴出する水溶液供給手段と、前記容器内の液体を排出するための排出手段と、を具備することを特徴とする。
この場合、前記水溶液供給手段は、全方位に回転するノズルから前記水溶液を噴出するものである方が良い。
また、前記排出手段が排出した水溶液を前記水溶液供給手段へ循環させる循環手段を具備するようにしても良い。
本発明のPCB除去方法及びPCB除去装置は、容器内の底部のみに溶剤を用いるので、溶剤の使用量を節約することができる。また、容器内の天井面や側面の洗浄は、引火性のない水溶液を用いるので、水溶液を噴出させても安全に洗浄を行うことができる。
本発明のPCB除去装置を示す概略構成図である。 実施例1におけるDBPC残存量と抜油溶液の循環回数との関係を示すグラフである。 実施例1における鉱油残存量と抜油溶液の循環回数との関係を示すグラフである。 実施例2における洗浄処理とPCB濃度との関係を示すグラフである。 実施例3における洗浄処理とPCB濃度との関係を示すグラフである。
本発明のPCB除去方法は、容器1からPCBを除去するPCB除去方法であって、容器1の底部11に、PCBを溶解可能な溶剤を供給し、PCBを溶解させて排出する溶剤洗浄工程と、溶剤洗浄工程の後に、界面活性剤を添加した水溶液を容器1の内面に噴出し、PCBを排出する水溶液洗浄工程と、で主に構成される。
ここでPCBとは、一般式C12(10−n)Cl(1≦n≦10)で表されるポリ塩化ビフェニルのことであり、ビフェニルの水素原子が塩素原子で置換された化合物の総称である。
また、容器1とは、PCBを使用する電気機器2等の廃棄物を保管する保管容器や、PCBを貯蔵するための貯蔵容器等、PCBで内面が汚染された容器状のものを指す。このような容器1は、漏洩したPCBが底部11に溜まっていたり、気化等したPCBが天井面12や側面13に付着したりしているため、当該PCBを除去する必要がある。
ここで、界面活性剤を添加した水溶液だけでPCBを大量に溶解することは難しい。また、PCBは液面を離れて気中に拡散するため、容器1に残っているPCBの除去が不十分であると、水溶液洗浄工程におけるPCBの除去効果も低くなり、PCBが容器1内の天井面12や側面13に再付着することがわかった。したがって、水溶液洗浄工程の前に、溶剤でPCBを十分に除去しておく溶剤洗浄工程を有する方が良い。特に、PCB蒸気の比重は空気の約11倍もあることや、垂直上向きの拡散係数が水平方向の拡散係数よりも小さいため、全くの無風状態では平衡濃度相が存在し、PCB蒸気が液面近傍に滞留する。したがって、容器の底部11に溜まっているPCBを溶剤で十分に除去することが効果的である。
溶剤洗浄工程では、容器1内の底部11にPCBを含有する油が溜まっている場合には、まず当該PCB油を排出する。次に、容器1内にPCBを溶解可能な溶剤を供給し、容器1内の底部11に残留するPCBを溶剤に溶解する。そして、当該溶剤を容器1から排出することにより、容器1からPCBを除去する。
溶剤の供給は、スプレーする方法も考えられるが、スプレー噴射により生じる静電気が溶剤に引火する恐れある。したがって、安全を考慮すると、溶剤を溶剤供給用ノズル8(溶剤供給手段)から容器1の底部11に、噴出させずにポンプで直接供給する方が好ましい。溶剤の供給は、例えば、溶剤が貯留されている溶剤供給槽81を流路80、四方弁71およびポンプ4を介して溶剤供給ノズル8とつないで行えば良い。
また、溶剤の供給量は、少なくとも容器1の底部11に予め溜まっていたPCBを含有する油の高さ以上にするのが良い。溶剤の供給から排出までの時間は溶剤の種類によって適切な時間を選択できるが、例えば、1時間で排出すれば良い。また、排出した溶剤に含まれるPCBの濃度は、当初容器1の底部11に溜まっていた油に含まれるPCBの濃度と比較して、5%以下、好ましくは2%以下になるまで複数回繰り返す方が好ましい。
溶剤としては、PCBを溶解可能なものであればどのようなものでも良く、炭化水素系溶剤やハロゲン系溶剤等を用いることができる。例えば、炭素数が8〜15のアルカン、アルケン、シクロアルカン又はアルケン系溶剤(特に、炭素数が11〜13のアルカンやアルケン系溶剤)や、炭素数が1〜12のハロゲン系溶剤を用いれば良い。具体的には、NS−230(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)等を用いることができる。なお、本明細書中で、溶剤とは、容器1内のPCBを溶解した後の溶剤も含まれる。
また、上述した油や溶剤の排出は、容器1内の当該液体9を排出できればどのような方法でも良い。例えば、容器1の底部11近傍の側面13に排出用の排出用ノズル3(排出手段)を挿入するための穴を形成し、当該穴から、容器1の底面に対して45度の傾きを持つように排出用ノズル3を挿入する。排出用ノズル3と穴との間の隙間は内部のPCBが漏れないようにシールする。排出用ノズル3は、例えば流路30及び開閉弁71を介してポンプ4と接続し、更に油や溶剤を、流路50を介して廃液回収層5に回収すれば良い。なお、流路30には、更に開閉弁31や排出する液体9の流量を測定する流量計32を設けても良い。
なお、回収された溶剤はそのまま廃棄しても良いが、再度容器1に戻して循環させることも可能である。この場合、図示しないが、回収された溶剤からPCBを除去する除去手段を設けても良い。例えば、特開2012−229359号、特開2012−229360号、特願2012-500601号、特願2012−105307号、および特願2012−152416号等に記載された、シクロデキストリンと有機二塩基酸類とを逐次結合させたシクロデキストリンポリマーを含有する選択固着剤は、PCB類を含むハロゲン化芳香族化合物を選択的に吸着することができるため、除去手段として好適に用いることができる。特にシクロデキストリンと有機二塩基酸類とを逐次結合させ、末端のエステル基をアルコール類、アリールアルコール類、またはフェノール類でキャップしたタイプの選択固着剤を用いることが好ましい。かかる選択固着剤を例えばカラムに充填し、ここに回収した溶剤を接触させると、溶剤からPCBを選択的に固着させることができる。回収した油を該選択固着剤に接触させる際には、0〜0.4MPa程度の圧力、−5℃〜30℃の温度条件下で処理することが好ましい。したがって除去手段は適当な加圧手段および/または加熱手段を更に有していても良い。
水溶液洗浄工程では、例えば、水溶液供給用ノズル6(水溶液供給手段)から界面活性剤を添加した水溶液を噴出する。これにより、容器1内の気体中に気化したPCBを効率良く取り込むことができる。また、水溶液は、容器1内の天井面12及び側面13、容器内に収納されている電気機器2等の外面を伝って容器1内の底部11に到達するまでの間に、天井面12、側面13、電気機器2等の外面に付着するPCBを溶解する。その後、容器1の底部11に溜まった水溶液を容器1から排出することにより、容器1からPCBを除去する。
界面活性剤としては、油を溶解可能な非イオン系のものであれば良いが、泡が立ちにくく排水処理が容易なものの方が好ましい。例えば、セドランFF−200(第4石油類)を用いることができる。界面活性剤の水に対する添加量は多い程溶解能力は大きいが多すぎると発泡により容器1からの排水が困難になる。したがって、PCBによる汚染度等により0〜10%(重量%)の範囲で適宜調節すれば良い。例えば添加量が2%のものを使用することができる。
水溶液の供給は、容器1の天井面12や側面13に付着したPCB及び容器1内の気体中のPCBを衝突効果で叩き落とすことができればどのようなものでも良いが、例えば、回転して全方位に水溶液を噴出可能な水溶液供給用ノズル6(水溶液供給手段)を設ければ良い。水溶液供給用ノズル6の回転は電動でも良いし、水溶液の噴出力を利用して回転させるものでも良い。また、水溶液供給用ノズル6は噴射の高さを変えられるように、上下にスライド可能なものを用いても良い。この場合、スライド時に容器1内の気体が漏れることのないシール構造を有する方が好ましい。
水溶液供給用ノズル6への水溶液の供給は、例えば、水溶液が貯留されている新液供給槽7を流路70及び四方弁71を介してポンプ4と接続し、更に流路60を介して水溶液供給用ノズル6と接続して行えば良い。なお、排出用ノズル3から溶剤又は水溶液を回収するための流路及び溶剤や水溶液を供給するための流路に対し、ポンプ4を共通して使用する場合には、図1に示すように四方弁71を用いれば良い。
また、水溶液の供給量は、容器1内のPCBの濃度等を考慮して適宜決定し、開閉弁61や流量計62等を用いて調節すれば良い。
このようにして天井面12、側面13に衝突した水溶液は、側面13を流れ落ちる間に、親油性のミセル吸着によりPCBを取り込み、容器1の底部11に溜まる。また、気相中のPCBも同様に、親油性のミセル吸着によりPCBを取り込み、容器1の底部11に溜まる。よって、余計なエネルギーや高度な設備を必要としない。また、水溶液は引火性がないため、容器1内で噴出させたとしても火災の恐れもない。
容器1の底部11に溜まったPCBを含む水溶液の排出は、水溶液を排出できればどのような方法でも良いが、例えば、上述した排出用ノズル3(排出手段)と廃液回収層5
を流路30、四方弁71、ポンプ4、流路50を介して接続し、回収すれば良い。また、流路50には、更に開閉弁51や排出する液体9の圧力を測定する圧力計52を設けても良い。
なお、回収された水溶液はそのまま廃棄しても良いが、排出手段が排出した水溶液を水溶液供給手段へ循環させる循環手段を用いて再度容器1に戻すことも可能である。この場合、循環手段は、回収された水溶液からPCBを含有する油を除去する除去手段を有していても良い。例えば、コアレッサー等を使用し界面活性剤のミセルを破壊してPCBを容器1外で分離することにより界面活性剤及び水の使用量を大幅に低減させることができる。
[実施例1]
次に、本発明のPCB除去方法における溶剤洗浄と水溶液洗浄の効力を、水よりも油の除去に効果が高いといわれるマイクロバブル水と比較した。なお、実施例では、PCBの代わりにDBPC(2.6ジターシャリーブチル4メチルフェノール)を使用し、トリクロロエチレン(トランスの絶縁油)の代わりに鉱油を使用して、PCB油の模擬溶液とした。DBPCは、重量で鉱油の2%を添加している。
試験方法は、まず、40mm×100mm×3.2mmの鉄製の板にウレタンを塗装した分析用サンプルを用意する。そして、上記PCB模擬溶液(鉱油+DBPC)を表面に塗布した当該分析用サンプルを内寸が700mm×700mm×300mmの容器状の予備試験装置に配置する。
次に、所定の抜油溶液を1循環させるごとに、分析用サンプルを1枚取り出し、表面に残存するPCB模擬溶液の量を測定した。抜油溶液は、溶剤としてNS−230(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)を、水溶液として水にセドランFF−200(第4石油類)を2%混合したものを用いた。また、比較例の抜油溶液としては、マイクロバブル水を用いた。これらの抜油溶液50L(25℃)を20L/minの流量で2.5分間流し1循環とした。循環回数とDBPCの残存量との関係を図2に、循環回数と鉱油の残存量との関係を図3に示す。図2、図3に示すように、界面活性剤を添加した水溶液は、DBPC及び鉱油の除去効果はマクロバブル水と比較して十分に高かった。
Figure 2016140778
次に、本発明のPCB除去方法の実施例を示す。実施例では、容器1として、大きさが幅2m、長さ2.5m、高さ2.5mのスチール製の直方体のものを用いた。PCBの除去は、溶剤洗浄工程を2回行った後、水溶液洗浄工程を4回行った。
溶剤洗浄工程では、まず容器1内の底部11に溜まっているPCB油を排出した。当該PCB油に含まれるPCBの濃度は、約600000ppmであった。次に、400Lの溶剤を容器1の底部11に供給した。溶剤は1時間で2回循環させた後に排出した。溶剤としては、NS−230(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)を用いた。
また、水溶液洗浄工程では、3次元回転ノズルを天井面12の適切な位置に4カ所配置し、当該3次元回転ノズルから水溶液を容器1内の天井面12、側面13に噴出した。水溶液は、25L/minの流量で11分間噴出した。また、底部11に溜まった水溶液は、水溶液の供給量と略同量ずつ排出した。水溶液としては、界面活性剤を水に2%添加した水溶液を用いた。界面活性剤としては、セドランFF−200(第4石油類)を用いた。
[実施例2]
実施例1では、PCBを含有する油が漏れて1cm程度溜まっている容器1からPCBを除去した。排出した溶剤又は水溶液に含まれるPCBの濃度を表2及び図4に示す。図4に示すように、本発明のPCB除去方法によって、PCBの濃度が1600ppmまで減少した。
Figure 2016140778
[実施例3]
実施例2では、PCBを含有する油の漏れが少ない容器1からPCBを除去した。排出した溶剤又は水溶液に含まれるPCBの濃度を表3及び図5に示す。図5に示すように、本発明のPCB除去方法によって、PCBの濃度が10ppmまで減少した。
Figure 2016140778
1 容器
2 電気機器
3 排出手段(排出用ノズル)
4 ポンプ
5 廃液回収槽
6 水溶液供給手段(水溶液供給用ノズル)
7 新液供給槽
8 溶剤供給手段(溶剤供給用ノズル)
9 水溶液
11 底部
12 天井面
13 側面

Claims (11)

  1. 容器からPCBを除去するPCB除去方法であって、
    前記容器の底部に、前記PCBを溶解可能な溶剤を供給し、前記PCBを溶解させて排出する溶剤洗浄工程と、
    前記溶剤洗浄工程の後に、界面活性剤を添加した水溶液を前記容器の内面に噴出し、前記PCBを排出する水溶液洗浄工程と、
    を有することを特徴とするPCB除去方法。
  2. 前記溶剤洗浄工程は、前記溶剤を供給する前に前記容器の底部に溜まっているPCB油を排出することを特徴とする請求項1記載のPCB除去方法。
  3. 前記溶剤洗浄工程は、前記溶剤を前記容器の底部に予め溜まっていたPCBの高さ以上になるまで供給することを特徴とする請求項1又は2記載のPCB除去方法。
  4. 前記溶剤洗浄工程は、前記容器の底部に予め溜まっていた油に含まれるPCBの濃度と比較して排出した溶剤に含まれるPCBの濃度が2%以下になるまで複数回繰り返すことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のPCB除去方法。
  5. 前記界面活性剤の添加量は0〜10%とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のPCB除去方法。
  6. 前記水溶液は循環させて再利用することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のPCB除去方法。
  7. 前記水溶液洗浄工程は、全方位に回転するノズルから前記水溶液を噴出して行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のPCB除去方法。
  8. 前記ノズルの回転は、前記水溶液の噴出力を利用して行うことを特徴とする請求項7記載のPCB除去方法。
  9. 容器からPCBを除去するPCB除去装置であって、
    前記容器の底部に、前記PCBを溶解可能な溶剤を供給する溶剤供給手段と、
    界面活性剤を添加した水溶液を前記容器の内面に噴出する水溶液供給手段と、
    前記容器内の液体を排出するための排出手段と、
    を具備することを特徴とするPCB除去装置。
  10. 前記水溶液供給手段は、全方位に回転するノズルから前記水溶液を噴出するものであることを特徴とする請求項9記載のPCB除去装置。
  11. 前記排出手段が排出した水溶液を前記水溶液供給手段へ循環させる循環手段を具備することを特徴とする請求項9又は10記載のPCB除去装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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