JP2006021165A - 車載トランスの処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 PCB含有絶縁油が充填された車載トランスから、車載トランス特有の問題を解消し、PCBを効率よく除去できる処理方法を提供することである。
【解決手段】 車載トランスのPCB汚染物からPCBを除去する処理を、車載トランスの予備加熱工程S10と、抜油・予備洗浄工程S20と、外部部品取外し工程S30と、切断・内部部品取り出し工程S40と、破砕前洗浄工程S50と、破砕工程S60と、仕上げ徐染工程S70により行ない、これらの一連の処理工程で、汚れの酷いトランスケースの外表面は溶剤洗浄を行なわず、外表面に残存するPCBを、仕上げ徐染工程S70で真空加熱処理を施すことにより除去するようにしたのである。これらの処理工程により、処理対象外の汚染物の溶剤への混入による配管の詰まり等の設備トラブル等を防止し、長尺で形状が複雑な車載トランスからPCBを効率よく除去することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ポリ塩化ビフェニル(以下、PCBと記す)を含有する絶縁油を充填した電気機器の中、車載トランスに残存するPCBを除去する車載トランスの処理方法に関する。
トランスやコンデンサーなどの電気機器には、絶縁油として、絶縁性に優れ、不燃性で化学的に安定な、有機ハロゲン化合物であるPCBが使用されていた。しかし、PCBは生体濃縮性を有し、人体および環境に対して強い毒性を及ぼすことが明らかになり、製造および使用が禁止されて以来、トランスやコンデンサーなどのPCB汚染物を安全かつ無害化処理することが重要な課題となっている。前記絶縁油は、例えばPCB約60%、トリクロロベンゼン(以下、TCBと記す)約40%の組成でトランスやコンデンサーに充填されており、これらの電気機器から、PCB含有絶縁油を抜油した後に、各種溶剤を液状または蒸気状で使用してPCB汚染物を洗浄し、付着しているPCBを溶剤側に移行させる溶剤洗浄法が、PCB汚染物の処理技術の一つとして知られている。
従来、前記溶剤洗浄法を取り入れた一連の処理工程により、大型トランスやコンデンサー等のPCB汚染物の無害化処理する方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2003−318050号公報([0013]〜[0027]) 特開2003−236493号公報([0011]〜[0028])
しかし、トランスの中でも、新幹線等の電車の車体に搭載された車載トランスは、長さが2.5mにも及ぶ極めて長尺のものであり、さらにラジエータや送風機、送油ポンプが付設されるなどにより形状が複雑なトランスとなっている。しかも、車両に搭載されるという使用環境から、頑丈に製作されており、解体しにくい。また、トランス外面が非常に汚れた状態となっており、汚れが強固に付着していることから容易に汚れが落ちない。そのため、これらの表面を水洗する方法があるが、容器が破損してPCBが漏洩していた場合、PCBが水に混入し、処理が困難になる。また、溶剤を用いて車載トランスの汚れたケース外表面を洗浄する方法もあるが、溶媒に汚れ、例えば、泥や砂が混入し、配管系統の詰まりを引き起こすおそれがあり、洗浄溶剤の再生処理の際にも再生溶媒の品質の低下や再生処理工程での配管の詰まりを引き起こす可能性がある。これらの不具合を無くすためには、余分な工程、例えば、泥除去工程を追加する必要がある。また、車載トランスでは、トランスの蓋とケースとは溶接により接合されており、鉄心およびコイルからなるコア部の取り出しのための、前記トランスケースの切断は、長尺であるため、横向きで行わざるを得ず切断時の残存絶縁油の漏れ等、長尺トランスに特有の問題がある。
そこで、この発明の課題は、PCB含有絶縁油が充填された車載トランスから、車載トランスに特有の問題を解消して、PCBを効率よく除去できる処理方法を提供することである。
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
即ち、請求項1に係る発明はPCBに汚染された車載トランスの処理方法であって、前記処理方法が、車載トランスの予備加熱工程と、抜油・予備洗浄工程と、外部部品取り外し工程と、前記PCB汚染物の切断工程と、切断されたPCB汚染物の破砕前洗浄工程と、前記PCB汚染物の破砕工程と、破砕・解体されたPCB汚染物の仕上げ除染工程とを備え、これらの一連の処理工程で、前記トランスのケースは破砕前洗浄を行なわず、そのケースに残存するPCBを、前記仕上げ除染工程で真空加熱処理を施すことにより除去することを特徴とする。
上記の各工程で、順次処理を施すことにより、長尺で複雑な外観形状を有する車載トランスを、その各構成部材の材質、形状、大きさ等に応じて効率よくPCB除去処理を行なうことができる。また、泥や砂などによる汚れの酷いトランスのケース表面は溶剤洗浄を行なわず、真空加熱処理によりPCBを除去するため、処理対象としない汚染物の溶剤への混入を防止でき、配管系統の詰まり等の設備トラブルを未然に防止すると共に、溶剤の再生処理の際に再生溶剤の品質の低下を防止することができる。
請求項2に係る車載トランスの処理方法は、前記予備加熱工程で、可撓性を有する電気加熱手段を用いて前記車載トランスを包んで加熱することを特徴とする。
このようにすれば、長尺で、ラジエータの付設などにより、外観形状が複雑な車載トランスを、大掛かりな装置を必要とせずに、簡便に効率よく、内部のPCB含有絶縁油を所望の温度範囲に加熱することができ、円滑に抜油できる。
請求項3に係る車載トランスのPCB除去処理方法は、前記抜油・予備洗浄工程で、予備加熱された車載トランスに充填されたPCB含有絶縁油を抜油した後、前記車載トランスを起立させてさらに抜油を行う事を特徴とする。
このように、起立させてさらに抜油を行うことにより、複雑な配管であっても抜油しやすく、トランス内部に残存するPCB含有絶縁油の回収率を高めることができる。
請求項4に係る車載トランスの処理方法は、前記破砕前洗浄工程で、トランスのコイルユニットの構成部材と、それ以外の構成部材とを分別して浸漬洗浄することを特徴とする。
前記トランスのコイルユニットを構成するコイルや木、プレスボードなどは、PCB含有絶縁油を含浸しており、これらの構成部材を分別して洗浄することにより、構成部材の材質、形状、大きさに応じた、効率のよい洗浄作業を行なうことができる。
請求項5に係る車載トランスの処理方法は、前記破砕工程で、前記破砕前洗浄後のPCB汚染物の切断処理と破砕処理が行なわれ、前記破砕処理では、前記破砕前洗浄後の木と、他のPCB汚染物とを分別して破砕することを特徴とする。
このように、PCB含有絶縁油を含浸している部材および形状が複雑なため洗浄がし難いラジエータを、前記破砕前洗浄後にさらに細かく切断すると、前記仕上げ除染工程でPCBが除去しやすくなる。また、鉄心については、切断した積層体に折り曲げ加工を加えて積層板間に隙間を生じさせることにより、この隙間に洗浄溶剤が容易に侵入して、洗浄効果が高まる。さらに、前記絶縁油の含浸量の多い、コイルユニット構成部材の木は、細かく破砕する方が、PCBを除去しやすいため、他の構成部材と分別することにより、効率的に破砕処理を行なうことができる。
請求項6に係る車載トランスの処理方法は、前記仕上げ除染工程で、前記トランスケースおよび前記ラジエータについては真空加熱処理を施し、PCB汚染物の中で、PCB含有絶縁油を含浸しない構成部材については超音波洗浄処理を、前記絶縁油を含浸する構成部材については攪拌洗浄処理を施すことを特徴とする。
前述のように、トランスケースの外表面は汚れが酷く洗浄処理ができなく、真空加熱処理により、PCBを減圧下で、大気圧時のその沸点よりもかなり低い温度で蒸発させて除去することが可能である。また、ラジエータについても、とくに内部形状が複雑であるため、洗浄溶剤が廻りにくく、溶剤による洗浄だけでは洗浄が不十分であっても、前記解体工程で細断した後、真空加熱処理することによりPCBを蒸発、除去することが可能である。さらに、PCB含有絶縁油を含浸する構成部材と含浸しない構成部材とを分別して洗浄することにより、それぞれの部材に適した効率のよい洗浄が可能となる。
この発明では、長尺で形状が複雑であり、頑丈に製作され、しかも使用環境から外表面が非常に汚れた状態の車載トランスから、絶縁油に含有されたPCBを除去するにあたり、上述のように、各処理工程で、それぞれ車載トランスに適した処理方法を採用したので、作業性、作業能率、処理コストのそれぞれ面で効率よくPCB除去を行なうことが可能である。
以下に、この発明の実施形態を添付の図1から図7に基づいて説明する。
図1は、実施形態の車載トランスの処理方法における工程の流れを示したものである。専用コンテナから開梱され、処理前検査を受けた車載トランスは、まず、その内部に充填されたPCB含有絶縁油の流動性を向上させ、抜油しやすくするために、予備加熱工程S10で、前記絶縁油が所要の温度範囲、例えば、40〜100℃に加熱されるように、予備加熱される。この予備加熱は、車載トランス1を、可撓性を有する電気ヒータ2、例えば、マット状ヒータ、またはリボンヒータを多数用いて一種の電気毛布状に形成した面状ヒータを、図2に示すように、ラジエータ3、送油ポンプ4、流量計5や配管6などの外部取り付け部品の外側から車載トランス1の側面全体を包むようにして行なわれる。そして、予め、トランスケース1aの外表面の温度と内部の絶縁油の温度とを対応付けて、絶縁油を前記所望の温度範囲に加熱するためのケース1aの外表面の目標加熱温度を設定し、例えば、前記電気ヒータ2とケース外表面1aとの隙間に挿入した温度計12により測定したケース1aの外表面の温度と目標加熱温度との偏差から、電気ヒータ2の出力が調整される。
また、別の加熱方法としては、図3に示すように、板状ヒータ13の上に車載トランス1を載置し、鋼板の枠体14の内面に断熱材15を取り付けた保温カバーで覆うことにより加熱する方法をとっても良い。また、前記保温カバーと車載トランス1との間に可撓性を有するヒータ(図示省略)を配置しても良い。
前記絶縁油の加熱温度としては抜油を行いやすく、洗浄効率を高める上で、40℃以上が好ましく、さらには50℃以上が好ましく、60°以上がさらに好ましい。また、温度が高すぎると、加熱のために無駄なエネルギーをかけることとなり、洗浄溶剤や絶縁油成分の飛散・蒸発防止の観点からも100℃以下が好ましい。例えば、洗浄溶剤としてNSクリーン(登録商標)などの炭化水素系洗浄剤を利用する場合には、60〜90℃が好ましい。
前記予備加熱を終了後、車載トランスは、抜油・予備洗浄工程S20で、図4(a)に示すように、抜油台に横方向、即ち寝かせた状態に載置され、トランスケースに付設した一方のバルブ16を介してN2ガスを供給しながら、他方のバルブ16aを介して吸引機(図示省略)により吸引することにより、内部のPCB含有絶縁油が抜き取られる。次に、図4(b)に示すように、トランス1を起立させた後、バルブ17を介して更に内部のPCB含有絶縁油が抜き取られる。その後、トランス1を再度倒し、前記バルブの一方を介して、ノルマルパラフィン系炭化水素系溶剤等の洗浄溶剤がトランス内部に供給され、車載トランスの内部が洗浄され、この洗浄溶剤は他方のバルブから排出され、排出洗浄溶剤中のPCB濃度が、一例として50ppm以下となるまでこの予備洗浄が継続される。
前記予備洗浄において、洗浄力を高める観点から洗浄溶剤の温度は60〜100℃が好ましい。予備洗浄の時間は、特に限定されないが、例えば、PCB含有絶縁油を500リットル内部に保持する車載トランスを洗浄する場合、まず、洗浄液を車載トランス内に充填し、2時間放置することにより、PCB含有絶縁油を洗浄溶剤に溶解させ洗浄する。さらにこの洗浄液を抜油し、再度同様の作業を行う。その後、洗浄溶剤を10リットル/minで循環させ、4〜5時間行うのが好ましい。前記循環洗浄において
は、洗浄溶剤の流量を増加させ、洗浄時間を短縮する事が出来る。予備洗浄を終えた後、洗浄油の抜油を行うが、抜油の方法としては、図4(a)に示したように、横置きした状態のまま抜油し、その後、図4(b)に示したように、車載トランスを起立させ更に抜油を行うのが好ましい。この予備洗浄後に、図1に示したように、外部部品取り外し工程S30で、車載トランス本体に取付けられたラジエータ3、送油ポンプ4、流量計5、配管6などの外部部品が取り外され、リード線が切断され、車載トランス本体と外部部品とが分断される。
前記切断・内部部品取り出し工程S40は、図5に示すように、本体切断工程S41と、内部部品取り出し工程S42と、コイルユニット解体工程S43と、部品切断工程S44を含む。本発明において、コイルユニットとは、車載トランス内部に載置されているコイル・プレスボード8等からなるユニット(図2参照)のことを指す。本体切断工程S41では、車載トランス本体を、立向きに載置して、必要に応じてこのトランス本体を垂直軸心回りに回転させながらトランスのケースを横方向からバンドソーで切断して上下のケースに分断する。なお、この車載トランスを立向きにしてトランスケースを横方向から切断する装置については、本発明者らが特願2004−046672で提案している。前記内部部品取り出し工程S42では、切断されたトランスケースの上ケースを取り外し、コイルユニットに装着されている鉄心が取り外された後、コイルユニットが取り出される。前記コイルユニット解体工程S43では、取り出したコイルユニットから、スペーサとして使用された木、リード線と、コイル、プレスボード等の部材とを分別する。部品切断工程S44では、ラジエータやプレスボード等が切断されるが、トランス本体から取り外したラジエータについては、破砕前洗浄工程S50において洗浄しやすいようにラジエータの上下部分を切断するのが好ましい。また、上記プレスボード等についても、破砕前洗浄工程S50の洗浄容器に入るサイズになるように切断するのが好ましい。
前記鉄心は、複数の鋼板が積層されて形成されており、前記内部部品取り出し工程S42でコイルユニットから取り外される。この取り外された積層板の中央部を鋼帯で結束し、鋼帯の結束部の両側から、積層板4に積層方向の力を同一方向に加えるなどして折り曲げる成形処理が施される。この鉄心成形処理により、次工程の破砕前洗浄工程S50で積層板の各鋼板間に洗浄溶剤が侵入することができる隙間を生じ、洗浄効果を高めることができる。なお、この鉄心成形処理については、本発明者らが特願2004−105317で提案している。
前記破砕前洗浄工程S50では、前記ノルマルパラフィン系炭化水素溶剤等の洗浄溶剤を用いて、通常、浸漬洗浄が行なわれる。その際に、効率よく洗浄を行なうために、コイル、プレスボード、木等のPCB含有絶縁油含浸部材と、ラジエータ、リード線等の外部構成部材とを分別して洗浄する。浸漬洗浄は、前記洗浄溶剤の温度が60〜100℃の範囲で行われる。浸漬洗浄には超音波を利用することができ、好ましくは減圧状態で行うのが好ましい。なお、前記部品切断工程S44で切断した上下のトランスケースは、使用環境による外表面の汚れが酷いために、破砕前洗浄は行なわず、後述の仕上げ除染工程S70での真空加熱工程S73での真空加熱処理により、PCB除去が行なわれる。これらの部品について、卒業判定用の洗浄溶剤中に投入し、一定期間放置後、洗浄溶剤中のPCB濃度が50ppm以下になるまで、破砕前洗浄が行われる。
前記内部部品取り出し工程S42の後、本破砕前洗浄を行うことで、取り出された内部部品に付着したPCBの飛散や、PCB汚染の拡大を防ぐことができる。そのため、前記破砕前洗浄は内部部品を取り出した後、すぐに行うことが好ましい。
前記破砕工程S60では、前記破砕前洗浄工程S50で洗浄された汚染物が、図6に示すように、切断工程S61で、コイル、プレスボード、紙などのコイルユニット構成部材およびラジエータがさらに分断され、また、コイルユニット構成部材の鉄心も切断される。そして、切断されたコイル、プレスボード、紙などのコイルユニット構成材、破砕工程S62で破砕機により破砕され、また、コイルユニットにスペーサとして用いられた木は、とくにPCB含有絶縁油を含浸しているため、例えば、長さが2mm以下と細かく分断することにより、より確実にPCBを除去することが可能であることから、木のみ分別して、小型の破砕機で破砕される。
前記車載トランスに付設された送油ポンプやバルブ、計器類は、図6に示したように、破砕工程S60で、解体グローブボックスで解体される。
前記仕上げ除染工程S70では、図7に示すように、真空加熱工程S71、超音波洗浄工程S72、攪拌洗浄工程S73で、上述の各工程で処理されたPCB汚染物の種類に応じて、PCBの除去処理が行なわれる。抜油・予備洗浄工程S20で内部を洗浄され、切断・内部部品取り出し工程S40で切断されたトランスケースは、前述のように、表面に残存するPCBを除去するために、真空加熱処理工程S73で真空加熱処理が行われる。この真空加熱処理は、通常、温度が250℃以下、圧力が400Pa以下で20時間以下の時間保持され、このような真空処理により、PCBが蒸発して除去される。同様に、前記破砕工程S60で分断されたラジエータについても、その形状が複雑であるため、真空加熱工程S71で真空処理が施される。
真空加熱により蒸発したPCBは排気として処理される。PCBを含む排気の処理方法としては、例えば、オイルスクラバーを通過させることにより、PCBを含む油分をオイルスクラバーの油中に吸収させ、PCBを含有する油をNa分散体により処理する方法と採用することができる。また、オイルスクラバーでPCBが除去された排気は冷却器及び活性炭を通過させて系外へ排出される。
一方、前記破砕工程S60で、破砕処理が施されたコイル、リード線等、PCB含有絶縁材が内部に染み込まない非含浸部材は、前記グローブボックスで解体されたポンプ、計器、バルブなどの付属部品とともに、超音波洗浄工程S72で超音波洗浄を行なうことによりPCBが除去される。また、超音波洗浄された汚染物の内、リード線についてはその構造上、洗浄が不十分であるおそれがあり、超音波洗浄後、さらに後述する真空加熱処理を行うのが好ましい。
また、破砕されたプレスボード、紙や木などの、PCB含有絶縁油が内部に染み込む含浸部材は、攪拌洗浄工程S73で、例えば、攪拌羽根を用いて溶剤を攪拌した攪拌洗浄によりPCBが除去される。攪拌洗浄により洗浄された汚染物は前述の通り、PCB含有絶縁油が内部に染みこんでいることから、攪拌洗浄の後、さらに後述の真空加熱処理を行うことが好ましい。含浸部材はPCB絶縁油を内部に含んでいるため、攪拌洗浄無しに真空加熱した場合、洗浄が完全に行われずに、部材中にPCBが残存するおそれがある。また、攪拌洗浄に変えて、超音波洗浄を行い、真空加熱処理したとしても、部材が、紙や木であることから超音波洗浄による洗浄効果が低く、洗浄が不十分なものとなり、やはり部材中にPCBが残存するおそれがある。
本発明において、予備洗浄、破砕前洗浄、仕上げ除染で排出されるPCBを含有する洗浄溶剤は、例えば、蒸留工程(図示せず)において蒸留し、洗浄溶剤と、PCB含有油に分離し、PCB含有油はNa分散体を用いて無害化される。この蒸留工程はそれぞれの洗浄工程で排出される洗浄溶剤をまとめて処理することができるが、好ましくはそれぞれの工程ごとで蒸留処理することが好ましい。このように工程ごとに洗浄溶剤を蒸留処理することにより、特に仕上げ除染工程から排出された洗浄溶剤を再生した際に、再生溶剤の品質の低下を防止することができる。さらに、破砕前洗浄工程を経て再生された洗浄溶剤は破砕前洗浄か予備洗浄に使用するのが好ましく、同様に仕上げ除染工程を経て再生された洗浄溶剤は仕上げ除染、破砕前洗浄もしくは予備洗浄工程に使用するのが好ましい。このように、再生された洗浄溶剤についても、溶剤に溶解したPCB油の濃度に応じて再利用する個所を限定することが洗浄効果を高め、汚染物除去効果を高める観点から好ましい。
また、各洗浄工程に使用される溶剤としては炭素数11〜15の炭化水素溶剤であるノルマルパラフィンやイソパラフィンが好ましく、特に炭素数14のノルマルパラフィンが好ましい。これらの溶剤を使用することによりPCBの除去率及び溶剤の回収率を高くでき、また引火点が高いことから洗浄の際に、処理温度を高くしても安全に洗浄を行うことが出来る。
この発明は、新幹線等の電車の車体に搭載された車載トランスから、PCB含有絶縁油を抜き取り、その構成部材のPCB汚染物からPCBを除去する、作業性および作業効率、処理コスト面ですぐれた処理方法として利用することができる。
この発明の実施形態のPCB除去処理の流れを示す説明図である。 実施形態の車載トランスの予備加熱方法を模式的に示す説明図(断面図)である。 他の実施形態の予備加熱方法を模式的に示す説明図(側面図)である。 (a)実施形態のトランスの抜油方法を示す説明図である(トランス横置き)。(b)同上(トランス縦置き) 実施形態の切断・内部部品取出し工程の詳細を示す説明図である。 実施形態の破砕工程の詳細を示す説明図である。 実施形態の仕上げ除染工程の詳細を示す説明図である。
符号の説明
1・・・車載トランス
1a・・・トランスケース
2・・・電気ヒータ
3・・・ラジエータ
4・・・送油ポンプ
5・・・流量計
6・・・配管
7・・・鉄心
8・・・コイル・プレスボード
9・・・木
10・・・コンサベータ
11・・・ブッシング
12・・・温度計
13・・・ヒータ
14・・・枠体
15・・・断熱材

Claims (6)

  1. 車載トランスのPCB汚染物からPCBを除去する車載トランスの処理方法であって、前記処理方法が、車載トランスの予備加熱工程と、抜油・予備洗浄工程と、外部部品取り外し工程と、前記PCB汚染物の切断工程と、切断されたPCB汚染物の破砕前洗浄工程と、前記PCB汚染物の破砕工程と、破砕されたPCB汚染物の仕上げ除染工程とを備え、これらの一連の処理工程で、前記トランスのケースは破砕前洗浄を行なわず、ケースに残存するPCBを、前記仕上げ除染工程で真空加熱処理を施すことにより除去することを特徴とする車載トランスの処理方法。
  2. 前記予備加熱工程で、可撓性を有する電気加熱手段を用いて前記車載トランスを包んで加熱することを特徴とする請求項1に記載の車載トランスの処理方法。
  3. 前記抜油・予備洗浄工程で、予備加熱された車載トランスに充填されたPCB含有絶縁油を、前記車載トランスを寝かした状態で抜油した後、さらにこの車載トランスを垂直に起立させて抜油することを特徴とする請求項1または2に記載の車載トランスの処理方法。
  4. 前記破砕前洗浄工程で、トランスのコアユニットの構成部材と、それ以外の構成部材とを分別して浸漬洗浄することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車載トランスの処理方法。
  5. 前記破砕工程で、前記破砕前洗浄後のPCB汚染物の切断処理と破砕処理が行なわれ、前記破砕処理では、前記破砕前洗浄後の木と、他のPCB汚染物とを分別して破砕することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車載トランスの処理方法。
  6. 前記仕上げ除染工程で、前記トランスケースおよび前記ラジエータについては真空加熱処理を施し、PCB汚染物の中で、PCB含有絶縁油を含浸しない構成部材については超音波洗浄処理を、前記絶縁油を含浸する構成部材については攪拌洗浄処理を施すことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車載トランスの処理方法。

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