JP3845493B2 - ドアウェザーストリップの取付構造及び取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアサッシュと車体(ボディ)との隙間をシールするドアウェザーストリップの型成形部に埋設されたインサート部材をドアサッシュに固定するドアウェザーストリップの取付構造及び取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4乃至図6に示すように車両のフロントドア1およびリヤドア2のドアサッシュ3,4の周縁には、ドアサッシュ3,4と車体(ボディ)との隙間をシールするドアウェザーストリップ5,6が取り付けられている。
【0003】
ドアウェザーストリップ5はドアサッシュ3に取り付けられる取付基部5aとそれに一体形成され車体開口部周縁に弾接する中空のシール部5bとリップ部5cとからなり、押出成形された直線部D,Dと型成形されたコーナー部Cが接続されてなるものである。また、型成形されたコーナー部Cには、ドアウェザーストリップ5のずれ防止機能としてはたらき、かつドアサッシュ3に垂直に脚部7aが溶接されたTスタッド7の頭部7bに係止する係止部材8が一体形成されたインサート部材9が埋設されている。
係止部材8は略円筒形に形成され、その略円筒形の部分の内側にTスタッド7を挿入させるようにドアウェザーストリップ5を位置させ、係止部材8の係止爪8aをTスタッド部材7の頭部7bに係止させることによってドアウェザーストリップ5はドアサッシュ3に位置決めして取り付けられるようになっている。
なお、ドアウェザーストリップ6もドアウェザーストリップ5と同様の構成をしているのでその説明を省略する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来例においてはコーナー部Cの型成形時に、ゴム加硫温度または/およびゴム射出圧によってインサート部材9に形成された係止部材8が熱変形,圧力変形してドアサッシュ3への取り付けが困難であるという問題がある。特に変形が大きいと係止爪8aが折れる場合もあった。また係止爪8aの表面に流れたゴムを除去する必要もあり手間がかかっていた。
【0005】
そこで本発明の目的は、型成形時の変形が少なく取り付けが容易なドアウェザーストリップの取付構造及び取付方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のドアウェザーストリップの取付構造は、車体開口部周縁に弾接するシール部(5b)が一体形成され、ドアサッシュ(3)に取り付けられるドアウェザーストリップ(5)の型成形部に埋設されたインサート部材(9)をドアサッシュ(3)に固定するドアウェザーストリップの取付構造において、インサート部材(9)とは別体のクリップ(10)を備え、インサート部材(9)に穴(9a)とその穴周りに段差部(9b)をインサート部材(9)に円周方向全体に向かって形成し、クリップ(10)の一端に係止爪(11)を形成しその係止爪(11)を段差部(9b)に係止させてクリップ(10)をインサート部材(9)の穴に嵌合させるとともに、クリップ(10)の他端にスタッド用係止爪(12)を形成しそのスタッド用係止爪(12)に、ドアサッシュ(3)に略垂直に固着したTスタッド(7)の頭部(7b)を係止させてドアウェザーストリップ(5)をドアサッシュ(3)に取り付け、しかも、クリップ(10)は、Tスタッド(7)の頭部(7b)が挿入されかつ保持される略円筒形枠部(13)を係止爪(11)とスタッド係止爪(12)の間に備えることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
なお、上記の課題を解決するための手段に記載された括弧内の記号は図面及び後述する発明の実施の形態に記載された記号に対応するものである。
【0010】
本発明のドアウェザーストリップの取付構造によれば、ドアサッシュに固着されたTスタッドの頭部を係止するための係止爪を有する部材が従来例のようにインサート部材に一体形成されたものではなく、スタッド係止爪としてインサート部材とは別体のクリップに設けられているので、型成形部のその型成形時に、従来例で示したようなゴム加硫温度やゴム射出圧の影響を受けない。したがって、スタッド係止爪は変形しないためスタッド係止爪にTスタッドの頭部を係止させることにより、ドアサッシュにドアウェザーストリップを取り付けることが容易に行える。また従来例で示したような係止爪の表面に流れたゴムを除去するような煩雑な作業も解消される。
また、インサート部材には段差部が形成され、クリップに形成された係止爪が嵌合されるので、インサート部材とクリップ間との結合は強固である。
【0011】
また好ましくは、クリップにはTスタッドの頭部が挿通されかつ保持される略円筒形枠部が係止爪とスタッド係止爪の間に備わるものであるので、頭部が略円筒形枠部に嵌合することで容易に位置ずれすることなくドアサッシュがドアウェザーストリップに取り付けられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、従来例と同一の部分には同一符号を付しその説明を省略する。図1は本発明の実施形態に係るドアウェザーストリップの一部を示す拡大斜視図、図2は図1のB−B線拡大断面図、図3は本発明の実施形態に係るドアウェザーストリップがドアサッシュに取り付けられた状態を示す断面図である。
【0014】
本発明の実施形態に係るドアウェザーストリップ5は、従来例と同様にドアサッシュ3に取り付けられる取付基部5aと,取付基部5aに一体形成され、車体開口部周縁に弾接する中空のシール部5bと,取付基部5aに一体形成されたリップ部5cとからなり、型成形部となるコーナー部Cにはドアウェザーストリップ5のずれ防止機能としてはたらく板状で略L字形のインサート部材9が埋設されている。
【0015】
特に本発明の実施形態に係るドアウェザーストリップ5は、従来例と異なり、インサート部材9とは別体のクリップ10を備え、インサート部材9に丸穴9aとその穴周りにクリップ10保持用の段差部9bがインサート部材9に円周方向全体に向かって形成されている。また、クリップ10の一端に係止爪11が形成されその係止爪11を段差部9bに係止させてクリップ10をインサート部材9の丸穴9aに嵌合させるようにするとともに、クリップ10の他端にはスタッド用係止爪12が形成されそのスタッド用係止爪12に、ドアサッシュ3に略垂直に脚部7aが溶接により固着されたTスタッド7の頭部7bを係止するようにしている。
【0016】
クリップ10は、Tスタッド7の頭部7bが挿通されかつ保持される略円筒形枠部13を係止爪11とスタッド係止爪12の間に備えるものであり、頭部7bが略円筒形枠部13に嵌合することで容易に位置ずれすることなくドアサッシュ3がドアウェザーストリップ5に取り付けられるようになっている。
ここで、クリップ10の材質は例えばポリアミドであり、インサート部材9の材質はガラス補強ポリアミドである。
【0017】
次に、ドアウェザーストリップの取付方法について説明する。
型成形部のコーナー部Cにインサート部材9が埋設されたドアウェザーストリップ5のその型成形時にインサート部材9に上述した段差部9bと丸穴9aを形成する。なお、図1に示すように型成形時の生ゴム注入方向Pは一方向である。そして、係止爪11が形成された別体クリップ10をインサート部材9の段差部9bに嵌合させた後、クリップ10に設けられたスタッド係止爪12にドアサッシュ3に固着したTスタッド7の頭部7bを係止させることによってドアサッシュ3に対するドアウェザーストリップ5の取り付けが完了する。
【0018】
このように、ドアサッシュ3に固着されたTスタッド7の頭部7bを係止するための係止爪を有する部材が従来例のようにインサート部材9に一体形成されたものではなく、スタッド係止爪12としてインサート部材9とは別体のクリップ10に設けられているので、型成形部となるコーナー部Cのその型成形時に、ゴム加硫温度やゴム射出圧の影響を受けることはなく、そのことにより変形しないためスタッド係止爪12にTスタッド7の頭部7bを係止させることにより、ドアサッシュ3にドアウェザーストリップ5を取り付けることが容易に行える。
【0019】
【発明の効果】
以上のとおり本発明のドアウェザーストリップの取付構造によれば、インサート部材とは別体のクリップに設けられたスタッド係止爪はインサート部材の型成形時に変形しないためスタッド係止爪にTスタッドの頭部を係止させることにより、ドアサッシュにドアウェザーストリップを取り付けることが容易に行える。また従来例で示したような係止爪の表面に流れたゴムを除去するような煩雑な作業も解消される。また、インサート部材には段差部が形成され、クリップに形成された係止爪が嵌合されるので、インサート部材とクリップ間との結合は強固である。
【0020】
また好ましくは、クリップにはTスタッドの頭部が挿通されかつ保持される略円筒形枠部が係止爪とスタッド係止爪の間に備わるものであるので、頭部が略円筒形枠部に嵌合することで容易に位置ずれすることなくドアサッシュがドアウェザーストリップに取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るドアウェザーストリップの一部を示す拡大斜視図である。
【図2】図1のB−B線拡大断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るドアウェザーストリップがドアサッシュに取り付けられた状態を示す断面図である。
【図4】車両の外観を示す側面図である。
【図5】従来例に係るドアウェザーストリップの一部を示す拡大斜視図である。
【図6】図5のA−A線拡大断面図である。
【符号の説明】
1 フロントドア
2 リヤドア
3 ドアサッシュ
4 ドアサッシュ
5 ドアウェザーストリップ
5a 取付基部
5b 中空シール部
5c リップ部
6 ドアウェザーストリップ
7 Tスタッド
7a 脚部
7b 頭部
8 係止部材
8a 係止爪
9 インサート部材
9a 丸穴
9b 段差部
10 クリップ
11 係止爪
12 スタッド用係止爪
13 略円筒形枠部
C 型成形されたコーナー部
D 押出成形された直線部
Claims (1)
- 車体開口部周縁に弾接するシール部が一体形成され、ドアサッシュに取り付けられるドアウェザーストリップの型成形部に埋設されたインサート部材を前記ドアサッシュに固定するドアウェザーストリップの取付構造において、前記インサート部材とは別体のクリップを備え、インサート部材に穴とその穴周りに段差部をインサート部材に円周方向全体に向かって形成し、クリップの一端に係止爪を形成しその係止爪を前記段差部に係止させてクリップをインサート部材の穴に嵌合させるとともに、クリップの他端にスタッド用係止爪を形成しそのスタッド用係止爪に、ドアサッシュに略垂直に固着したTスタッドの頭部を係止させてドアウェザーストリップをドアサッシュに取り付け、しかも、前記クリップは、前記Tスタッドの頭部が挿入されかつ保持される略円筒形枠部を前記係止爪とスタッド係止爪の間に備えることを特徴とするウェザーストリップの取付構造。
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