JPS6225529Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は自動車のドアアウタパネルの上面に
ドアガラスアウタウエザストリツプを有するドア
ベルトモールの取付け構造の技術分野に属する。

而して、この考案は自動車のドアアウタパネル
の上面にドアガラスアウタウエザストリツプを予
め一体的に付設したドアベルトモールをクリツプ
によりワンタツチで取付ける構造において、ドア
アウタパネルの上部内側に対する係合爪を、又、
ドアガラスアウタウエザストリツプ付のベルトモ
ールに対する挾持用のＪ形のフツクを内向にして
クリツプに一体的に有するベルトモールのドアア
ウタパネルへの取付け構造に関する考案であり、
特にクリツプのドアパネルへの押えパネルの下端
から外方に向けドアアウタパネル内側下端縁に対
して引き抜き防止の係合爪が一体的に形成され、
一方、押えパネルの下端から同じく一体的に係合
爪から逆方向の内向に形成されたＪ形のフツクに
対してガラスアウタウエザストリツプへの部分が
オーバーハングして上延し、クリツプ端に触れな
いようにしたドアガラスアウタウエザストリツプ
付のベルトモールの組付け構造に係る考案であ
る。

〈従来技術〉 周知の如く、自動車のドアパネルとウインドと
の間に昇降して開閉されるウインドシールドガラ
スに対して雨風に対するシールや騒音侵入防止の
ため、例えば、実開昭55−66815号公報考案等の
ようにクリツプのウエザストリツプが内外から設
けられている取付け構造があるが、ドアガラスア
ウタウエザストリツプを一体的に付設しているド
アベルトモールを介してのドアアウタパネルに対
するクリツプによる取付け構造には次の如き問題
があつた。

即ち、例えば、第１、２図に示す様に、ドアガ
ラス１に対するドアガラスアウタウエザストリツ
プ２をドアベルトモール３に予め一体化したもの
を下向爪４を有する金属製クリツプ５に固定挟持
させて上部内側に穿設した爪孔６を有するドアア
ウタパネル７の上面に取付けるに該クリツプ５の
爪４を該ドアアウタパネル７の爪孔６に挿入して
挟持取付けするようにしていた。

又、第３、４図に示す様に、ドアアウタパネル
７の内側面に穿設した爪孔６′に別製の樹脂成形
による鏃形のクリツプ５′を介してドアガラスア
ウタウエザストリツプ２，２付きのベルトモール
３をドアアウタパネル７上面に取付けるようにし
ている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 さりながら、上述前者のドアガラスアウタウエ
ザストリツプ２付のドアベルトモール３固定用の
クリツプ５は金属製のため、取付けに際し金属爪
４が爪孔６や、その近傍のアウタパネル７を傷つ
けたり、塗装をいためたりする虞があり、又、ド
アガラスアウタウエザストリツプ２付きのベルト
モール３を強引に上向に引くと、爪４が下向であ
るため取り外され、盗難に遭う虞れがある等の難
点もあつた。

又、後者はクリツプ５′の弾性のため、ドアパ
ネル７や塗装に対するダメージは防がれるもの
の、取付け時にドアベルトモール３とクリツプ
５′が別体であることから作業性が悪い欠点があ
り、ドアアウタパネル７に爪孔６′を穿設する工
程数が増加してコストアツプにつながる不具合が
あつた。

この考案の目的は上述従来技術に基づくドアア
ウタウエザストリツプ付きのドアベルトモールの
ドアアウタパネルに対する取付けの問題点を解決
すべき技術的課題とし、クリツプのワンタツチ組
付けで作業性が良く、ドアパネルをいためず、簡
単には取り外しが出来ないようにして自動車産業
における組付技術利用分野に益する優れた車輌の
ドアベルトモールの取付け構造を提供せんとする
ものである。

〈問題点を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は前述問題点を解決す
るために、ドアガラスアウタウエザストリツプ付
きのベルトモールをその剛性を介して樹脂クリツ
プをドアパネルに対する押えパネルと内向Ｊ形の
フツクとの間に該フツクの弾性を利用して挿入挟
持し、而して、クリツプの押えパネルの下端から
外向の係合爪がドアアウタパネルの下縁に係止
し、上方への引き抜きを防止し、又、ドアベルト
モールの先端がドアアウタパネル外面に係止して
押えパネルと協働してドアアウタパネルに挟着
し、一方、内向Ｊ形フツクがアウタウエザストリ
ツプの下部にアンダーハングされてクリツプとの
係合部を上方、及び、内方からカバーして挾持す
るようにして通常では容易に取り外しが出来ない
ようにし、樹脂クリツプで軽量化が図れ、ドアベ
ルトモールのクリツプに対する組み付けを含め、
それらのドアアウタパネルへの取付け作業がワン
タツチで出来るようにした技術的手段を講じたも
のである。

〈実施例〉 次に、この考案の実施例を第５図以下の図面に
基づいて説明すれば以下の通りである。尚、第１
〜４図と同一態様部分は同一符号を用いて説明す
るものとする。

第５〜８図に示す実施例において、５１はプラ
スチツク樹脂成形製品のクリツプであり、ドアア
ウタパネル７に対する押えパネル９は側面視方形
に形成され、その下端からは彎曲した内向（車内
向）にＪ形のフツク１０が一体成形され、先端に
プロテクタ１１を有するドアベルトモール３に予
め添着されたガラスアウタウエザストリツプ２の
下端部２′がオーバーハングしてカバーされるよ
うに反転して押えパネル９の背面に近接するよう
に成形されている。

又、該押えパネル９の下端からは外向きにドア
アウタパネル７の内側下縁に対する支持爪１２が
同じく一体成形されて延出されている。

而して、当該実施例においてはドアアウタパネ
ル７は第１図に示す様に、内側に在来態様と同様
の爪孔６を穿設される工程によるものを対象とさ
れるが、第５，６図に示す様に、押えパネル９の
外面がフラツトであるため、取付けに際しては特
に支障はない。

上述構成において、第７図に示す様に、ドアベ
ルトモール３の剛性とフツク１０の弾性を利用し
て第８図に示す様に、予め一体化されたドアガラ
スアウタウエザストリツプ２付きのドアベルトモ
ール３をクリツプ５１の押えパネル９とフツク１
０の間に挿入して挟持させる。

而して、このようにしてクリツプ５１に取付け
たドアベルトモール３の外端をプロテクタ１１を
介してドアアウタパネル７の外側面に押圧添接さ
せると共にクリツプ５１の押えパネル９の弾性を
介して下端の外向係合爪１２をしてドアアウタパ
ネル７の内側下縁に係合させる。

そのため、第７図に示す様に、ドアベルトモー
ル３の外側オーバーハング部と押えパネル９とに
より該ドアベルトモール３はドアアウタパネル７
にも挟着する。

したがつて、このようにして取付けた後はドア
ベルトモール３を上方に強く引いても、係合爪１
２がドアアウタパネル７の下縁に対して係合して
いることにより抜け止めは確実にされる。

上述実施例は在来の爪孔６を有するドアアウタ
パネル７に対する取付け態様であるが、第９，１
０図に示す実施例の様に、ドアアウタパネル７に
爪孔を形成させずに取付けることが出来ることも
勿論である。

したがつて、当該態様ではドアアウタパネル７
に対する爪孔の穿設工程が省略されることにな
る。

而して、修理、交換等のためドアベルトモール
３、或は、ドアガラスアウタウエザストリツプ２
の取外しに際してはドアガラス１を所定に外し、
クリツプ５１を矢印Ａに示す様に内側向に強く引
き、係合爪１２のドアアウタパネル７の内側の下
縁に対する係合を外し取り除くようにしたり、或
は、ドアガラスアウタウエザストリツプ２とドア
ガラス１との間から特殊な治具を挿入してクリツ
プ５１の弾性を利用し係合爪１２を同じく内向に
曲げて係合を解き、クリツプ５１を取外すように
すれば良い。

尚、この考案の実施態様は上述各実施例に限る
ものでないことは勿論であり、例えば、押えパネ
ルの下端より外延して突出する係合爪の先端を上
向にカールさせたり、又、該係合爪とフツクのい
づれか、或は、双方に対し内外方向にスリツトを
入れたり、分割したりする等種々の態様が採用可
能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、ドアガラスアウタウ
エザストリツプ付のドアベルトモールのドアアウ
タパネルの上面への取付け構造において、基本的
にクリツプを樹脂製にしたことにより、軽量化が
出来る効果があり、更に、取付けに際し、ドアア
ウタパネルやその塗装を傷つけることがなく、し
たがつて、発錆を誘発しない効果があるうえに、
容易にワンタツチで組み付け作業が行えるため作
業性が良い効果がある。

又、クリツプの下から内向にＪ形クリツプを一
体的に形成し、その反転部をしてガラスアウタウ
エザストリツプの下部をオーバーハングさせる形
状にしたために、該Ｊ形部によりガラスアウタウ
エザストリツプ類を押圧状態で挟持支承すること
が出来、又、クリツプとの係合部を外したり、ず
らしたりしないようにすることが出来、盗難等の
虞を抑止出来る効果がある。

更に、クリツプの押えパネルの下端から外向に
ドアアウタパネルの内側下縁に対する係合爪を一
体成形、突出成形させたことにより、該係合爪が
下側からドアアウタパネルに対し係合掛止され、
その結果、取付け後は通常の上向の引抜力によつ
ては取外すことが出来ず、盗難防止対策とされる
効果がある。

而して、クリツプは樹脂製であり、係合爪、ク
リツプを有するだけなので、成形もし易くコスト
ダウンが図れるメリツトもある。

又、樹脂製クリツプであるので、交換時等ガラ
スを外して内側からの取り外しは容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図はドアアウタパネルの上部部分斜視図、
第２，３図は従来技術に基づくドアベルトモール
のドアアウタパネルへの組付け態様の断面図、第
４図は第３図のドアアウタパネルの上部部分の斜
視図、第５図以下はこの考案の実施例の説明図で
あり、第５，６図は１実施例のクリツプの前面と
背面の斜視図、第７図は同組付け断面図、第８図
は同ドアガラスアウタウエザストリツプ付ベルト
モールの一体斜視図、第９図は第７図相当の他の
実施例の断面図、第１０図は第９図のドアアウタ
パネルの上部部分の斜視図である。 ７……ドアアウタパネル、５１……クリツプ、
１２……係合爪、３……ドアベルトモール、９…
…押え面、１０……フツク、２，２′……ドアガ
ラスアウタウエザストリツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輌のドアアウタパネルの上部の内側部に対す
   る係合爪をクリツプに一体的に有しているドアベ
   ルトモールの取付構造において、前面のドアアウ
   タパネルの内側面に当接するフラツトな押え面を
   有する押えパネルの下端に外向に該ドアアウタパ
   ネルの内側下端縁に対する係合爪が一体形成され
   て設けられると共に該係合爪に内向に設けられた
   Ｊ形のフツクがドアガラスアウタウエザストリツ
   プの下部にオーバーハングして該ドアガラスアウ
   タウエザストリツプを挾持する形状に一体成形さ
   れていることを特徴とする樹脂製の車輌のドアベ
   ルトモールの取付け構造。