JPS6116168Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のドアベルトライン部に装着
されるモール（以下、ドアモールと称する）を車
体パネルに取付けるためのドアモール取付用クリ
ツプに関する。

従来からすでに提案されているドアモール取付
用クリツプの構造は第２図に示されている。この
第２図は第１図を−線で切断したときの断面
図であり、同図において、符号１は自動車のドア
ベルトライン部に位置するドアモールを示してい
る。すなわち、このドアモール１は、その内側片
１ａがゴムあるいは軟質樹脂性のウエザストリツ
プ２内に嵌入して、該ウエザストリツプ２と一体
化した構造となつている。また、３は自動車ドア
の外面を構成するアウトサイドパネル、４はこの
アウトサイドパネル３の内側に配置された補強板
で、該アウトサイドパネル３と補強板４の各上端
部３ａ，４ａは第４図にも示すように溶接固定さ
れた構造となつている。さらに、５は金属製部材
により形成されたドアモール取付用クリツプで、
第３図において詳細に示すように、その下部５ａ
は、ウエザストリツプ２の下部２ａを挾持し得る
如くＵ字状に折曲形成されていると共に、該下部
５ａの一部は補強板４に穿設した係合孔４ｂ内に
係合してドアモール取付用クリツプ５の抜け防止
を図る突起５ｂを構成している。また、ドアモー
ル取付用クリツプ５の上部５ｃは、アウトサイド
パネル３および補強板４の各上端部３ａ，４ａを
被冠する如く折曲形成されていると共に、その中
央部がアウトサイドパネル３側へ向かつて横
「へ」字状に切り起こし形成され、該切り起こし
部５ｄの屈曲部５ｅがアウトサイドパネル３の上
端部３ａの外面に圧接した構造となつている。そ
して、該屈曲部５ｅと上部内側片５ｆとで、前記
アウトサイドパネル３と補強板４の各上端部ａ，
４ａを挾持することによつて、ドアモール１をア
ウトサイドパネル３に取付けている。

しかしながら、以上のような従来構造にあつて
は、このドアモール取付用クリツプ５が金属製で
あり、しかも、ドアモール１をアウトサイドパネ
ル３に強固に固定するため、ドアモール取付用ク
リツプ５において、その屈曲部５ｅと上部内側片
５ｆ間の間隔寸法を、アウトサイドパネル３と補
強板４の各上端部３ａ，４ａの厚み寸法よりもか
なり小さく設定しているので、ドアモール組付け
時にあつて、前記屈曲部５ｅがアウトサイドパネ
ル３の外面をかじり、これによつて、該アウトサ
イドパネル３の塗装膜をはがしてしまうという欠
点があつた。したがつて、この塗装膜のはがれた
部分に錆が発生し、錆汁の流出により美観が損わ
れたり、さらにはアウトサイドパネル３の腐食が
進んだり、ドアモール取付用クリツプ５自体が腐
食したりして、ドアモール１の保持が困難になる
ことがあつた。一方、ドアモール１をアウトサイ
ドパネル３から取り外す場合、ドアモール取付用
クリツプ５の突起５ｂを補強板４の孔４ａから外
すため、該ドアモール取付用クリツプ５をこじる
必要があり、この結果、補強板４を傷つけて、上
述したと同様な問題が生じていた。

本考案は、このような問題点に着目し、アウト
サイドパネル、補強板の塗装を傷つけることな
く、ドアモールの着脱作業を可能ならしめたドア
モール取付用クリツプを提供することを目的とす
る。

このような目的を達成するために、本考案は、
平板状に形成されたクリツプ基部と、該クリツプ
基部の上端両側位置に設けられた屈曲部を介して
クリツプ基部に連接された一対の挾持片と、該挾
持片の間に配置されかつクリツプ基部より斜め下
方に所定量延設されたモール係合片と、前記クリ
ツプ基部の下側部に前記挾持片と反対側に向かつ
て切り起こし形成されかつ斜め上方に向かつて形
成された係止爪とから構成され、全体を、半硬質
性および可撓性を有する非金属製部材により形成
した構成としたものである。

以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を
説明する。

第５図は本考案に係るドアモール取付用クリツ
プを採用した自動車用ドアの一部断面図、第６図
は本考案のドアモール取付用クリツプの斜視図で
ある。第５図において、符号１はドアモール、２
はウエザストリツプ、３はアウトサイドパネル、
４は補強板で、該補強板４とアウトサイドパネル
３との間には、第７図に詳細に示すように、アウ
トサイドパネル３の上端部３ａにおいて、補強板
４との溶接部以外の箇所３ｂを凹設することによ
つて、該補強板４との間に隙間６が設けられてい
る。また、前記補強板４の適宜位置には係合孔４
ｂが穿設され、該係合孔４ｂの上部にはアウトサ
イドパネル３と反対方向に突出された突部４ｃが
設けられている。一方、符号７はドアモール取付
用クリツプで、該ドアモール取付用クリツプ７
は、平板状に成るクリツプ基部７ａ、一対の挾持
片７ｂ，７ｃ、モール係合片７ｄおよび係止爪７
ｅとから構成されており、全体を、半硬質性およ
び可撓性を有する非金属製部材、本実施例にあつ
ては合成樹脂により一体に形成されている。この
ドアモール取付用クリツプ７の構造をさらに詳述
するに、クリツプ基部７ａは前記隙間６内に挿入
できるよう形成されていると共に、前記一対の挾
持片７ｂ，７ｃは、クリツプ基部７ａの上端両側
位置に設けられた屈曲部７ｆ、７ｇを介して前記
クリツプ基部７ａに連接され、該クリツプ基部７
ａと略平行な状態に設けられている。そして、該
挾持片７ｂ，７ｃの平担面部７b′，７c′（７c′は
図示せず）とクリツプ基部７ａの外側面７a′間の
間隔寸法は、前記アウトサイドパネル３の上端部
３ａの厚み寸法よりいく分小さめに設定されてお
り、したがつて、前記挾持片７ｂ，７ｃとクリツ
プ基部７ａとで前記アウトサイドパネル３の上端
部３ａを強固に挾持できることとなり、これによ
つて、ドアモール取付用クリツプ７のアウトサイ
ドパネル３への装着が成る。また、前記挾持片７
ｂ，７ｃの間には、モール係合片７ｄが設けられ
ており、このモール係合片係合片７ｄは、下端部
７d′に向かうにしたがつてクリツプ基部７ａと離
れる如く斜め下方に所定量延設されている。すな
わち、前記モール係合片７ｄは、ドアモール１を
アウトサイドパネル３に装着したときに、その下
端部７d′が、ドアモール１の外側片１ｂの下端部
において内側に折曲形成された折曲部１ｃと係合
できる位置まで延設されている。さらに、前記ク
リツプ基部７ａの下側部には、前記挾持片７ｂ，
７ｃとは反対側に向かつて切り起こし形成された
係止爪７ｅが設けられており、該係止爪７ｅは、
前記補強板４の係合孔４ｂに係入できる如く斜め
上方に向かつて形成されている。この係止爪７ｅ
と係合孔４ｂとの係合によつて、前記ドアモール
取付用クリツプ７のアウトサイドパネル３からの
抜け防止を図つている。なお、ドアモール１とウ
エザストリツプ２とは一体成形品であり、該ウエ
ザストリツプ２の内側壁２ｂの下端位置には、前
記補強板４の突部４ｃと係合する突部２ｃが設け
られている。

したがつて、今、ドアモール１をアウトサイド
パネル３に取付ける場合は、まず、前記隙間６内
にドアモール取付用クリツプ７のクリツプ基部７
ａを所定位置まで挿入し、該クリツプ基部７ａと
挾持片７ｂ，７ｃを利用してドアモール取付用ク
リツプ７をアウトサイドパネル３に取付ける。そ
して次に、ドアモール１自体の持つ弾性およびド
アモール取付用クリツプ７の係合片７ｄの持つ弾
性を利用して、該ドアモール１の屈曲部１ｃとド
アモール取付用クリツプ７のモール係合片７ｄお
よびウエザストリツプ２の突部２ｃと補強板４に
設けた突部４ｃとをそれぞれ係合させることによ
つて、ドアモール１とウエザストリツプ２の組立
体を、アウトサイドパネル３に固定する。これに
よつて、ドアモール１の取付作業は完了する。

一方、ドアモール１をアウトサイドパネル３か
ら外す場合は、従来のドアモール取付用クリツプ
５のように、その突起５ｂを補強板４の係合孔４
ｂから外すために、ドアモール取付用クリツプ５
自体をこじる必要はなく、係止爪７ｅを車両内側
より押すことにより、該係止爪７ｅと補強板４の
係合孔４ｂとの係合を簡単に外すことができるの
で、後は、ドアモール１を上方に持ち上げること
によつて、アウトサイドパネル３から容易に取り
外すことができる。

なお、前記隙間６の構成は、アウトサイドパネ
ル３の上端部３ａにおいて、補強板４との溶接部
以外の箇所３ｂを凹設することによつて設けられ
ているが、別にこれに限定されるものではなく、
例えば第８図に示すように、補強板４の上端部４
ａにおいて、アウトサイドパネル３との溶接部以
の箇所４ｃを凹設することによつて構成してもよ
いことは勿論である。また、上述した実施例で
は、ドアモール取付用クリツプ７を合成樹脂材に
より形成しているが、半軟質ゴムにより形成して
も上述した実施例と同等な効果を有するのは勿論
である。

以上説明したように本考案に係るドアモール取
付用クリツプによれば、平板状に形成されたクリ
ツプ基部と、該クリツプ基部の上端両側位置に設
けられた屈曲部を介してクリツプ基部に連接され
た一対の挾持片と、該挾持片の間に配設されかつ
クリツプ基部より斜め下方に所定量延設されたモ
ール係合片と、前記クリツプ基部の下側部に前記
挾持片等が反対側に向かつて切り起こし形成され
かつ斜め上方に向かつて形成された係止爪とから
構成され、全体を、半軟質性および可撓性を有す
る非金属製部材により形成した構成としてので、
ドアモールをアウトサイドパネルに対して強固に
取付けることができるのみならず、該ドアモール
脱着時に、従来のようにアウトサイドパネル、補
強板の塗膜をはがすことはなくなり、したがつて
錆の発生もないので、自動車の美観を損うような
こともないという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の概略側面図、第２図は第１図
を−線で切断したときの一部断面図、第３図
は従来のドアモール取付用クリツプの斜視図、第
４図はアウトサイドパネルと補強板の一部斜視
図、第５図は本考案に係るドアモール取付用クリ
ツプを採用した自動車ドアの一部断面図、第６図
は本考案のドアモール取付用クリツプの斜視図、
第７図および第８図は本考案のアウトサイドパネ
ルと補強板の各実施例を示す一部斜視図である。 １……ドアモール、１ｂ……外側片、１ｃ……
折曲部、３……アウトサイドパネル、４……補強
板、３ａ，４ａ……上端部、４ｂ……係合孔、６
……隙間、７……ドアモール取付用クリツプ、７
ａ……クリツプ基部、７ｂ，７ｃ……挾持片、７
ｄ……モール係合片、７d′……下端部、７ｅ……
係止爪、７ｆ，７ｇ……屈曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアモールをアウトサイドパネルおよび補強板
   に装着されるドアモール取付用クリツプにおい
   て、アウトサイドパネルと補強板との上端部位置
   に設けられた隙間内に挿入できる如く形成された
   平板状のクリツプ基部と、該クリツプ基部の上端
   両側位置に設けられた屈曲部を介してクリツプ基
   部に連接された一対の挾持片と、該挾持部の間に
   配設されかつ下端部がドアモールの外側片下端部
   に設けられた折曲部に係合できる如くクリツプ基
   部より斜め下方に延設されたモール係合片と、前
   記クリツプ基部の下側部に前記挾持片と反対側に
   向かつて切り起こし形成されかつ補強板に設けた
   係合孔内に係入し得る如く斜め上方に向かつて形
   成された係止爪とから構成され、全体を、半硬質
   性および可撓性を有する非金属製部材により形成
   されたことを特徴とするドアモール取付用クリツ
   プ。