JP3812154B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス浄化用触媒を有する触媒コンバータが排気通路に配設されたエンジンの制御装置に関し、特に、エンジンの冷間始動時に前記触媒の早期昇温を図るために点火時期を遅角側へ制御する場合におけるエンジンの燃焼安定化の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エンジンの排気ガスを浄化するための触媒コンバータとして、未燃炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等の排気有害成分を浄化可能な三元触媒を有するものが知られている。この三元触媒は所定温度以上の暖機状態で活性化されて十分な浄化機能を発揮するもので、未暖機状態では十分な浄化機能を発揮できない。
【0003】
そこで、従来、例えば特開平8−232645号公報に開示されるように、触媒コンバータの触媒の暖機状態をエンジンの冷却水温に基づいて検出して、その未暖機状態を検出したときにエンジンの点火時期を上死点後まで大幅に遅角させることで、前記触媒の昇温を促進するようにしたエンジンの制御装置が知られている。すなわち、点火時期の大幅な遅角により排気熱損失を大きくして排気ガスの温度を高くすることができ、この高温の排気ガスにより触媒を早期に昇温させて活性化させることができる。
【0004】
また、前記従来のエンジンの制御装置では、点火時期の遅角制御に伴う燃焼状態の不安定化を抑制するために、燃焼室における吸気渦流の生成、吸気流速の向上、点火エネルギの向上等の対策により、混合気の着火性や燃焼性を向上させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来のエンジンの制御装置では、エンジンの燃焼状態が安定限界を超えないように余裕を持って制御する必要があるため、点火時期を最大限に遅角させることはできない。従って、排気ガスの温度をさらに高めて昇温促進効果を向上させる余地が残っている。
【0006】
一方、実車においては、供給される燃料の質(例えば重質度合い)がある程度の範囲でばらついているため、その燃料の質の差異による着火性や燃焼性の変化に起因してエンジンの燃焼安定性が損なわれる虞れがある。そして、エンジンの燃焼状態が安定限界を超えてしまうと、エンジン振動の増大や排気有害成分の急激な増大化を招くという不具合が生じる。
【0007】
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンの実際の燃焼状態を判定して安定限界内にフィードバック制御することで、エンジンの冷間始動時における燃焼安定性を確保しつつ、触媒の昇温促進効果を最大限に高めることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、エンジンの回転変動状態を検出することで、エンジンの実際の燃焼状態を判定するようにした。
【0009】
具体的に、請求項1記載の発明は、排気通路に配設された排気ガス浄化用触媒コンバータの触媒が未暖機状態になっているとき、該触媒の昇温を促進させるように、少なくともエンジンの点火時期を、最大トルクを発生する点火時期から遅角側に変更させる昇温促進制御手段が設けられているエンジンの制御装置を前提とする。そして、エンジンの回転変動状態を検出するラフネス検出手段と、触媒の未暖機状態で、前記ラフネス検出手段により検出される回転変動状態がエンジンの燃焼安定限界内に収まるように、該エンジンの点火時期、空燃比及び燃焼室の吸気流動状態のうち少なくとも点火時期を制御する燃焼制御手段と、エンジン回転数が設定アイドル回転数よりも低い設定始動判定回転数以上に達した状態で、所定の判定時間が経過したとき、エンジンの始動終了状態を判定する始動判定手段とを備えており、前記昇温促進制御手段及び燃焼制御手段は、それぞれ前記始動判定手段によりエンジンの始動終了状態が判定されたときに直ちに制御を開始するものとする。尚、エンジンの回転変動状態としては、例えばクランク角速度の変動を検出すればよい。
【0010】
さらに、前記エンジンの制御装置には、スロットル弁をバイパスしてエンジンへの吸入空気量を増減させる吸入空気量可変手段と、エンジンのアイドル状態を検出するアイドル 状態検出手段と、該アイドル状態検出手段によりエンジンのアイドル状態が検出されたとき、前記吸入空気量可変手段の作動によりエンジン回転数を設定アイドル回転数にフィードバック制御するアイドルフィードバック吸気量制御手段と、前記アイドル状態検出手段によりエンジンのアイドル状態が検出されたとき、点火時期の調整によりエンジン回転数を前記設定アイドル回転数にフィードバック制御するアイドルフィードバック点火時期制御手段と、前記アイドル状態検出手段によりエンジンのアイドル状態が検出され、かつ昇温促進制御手段による点火時期の遅角制御が行われるとき、前記アイドルフィードバック点火時期制御手段によるフィードバック制御量を小さく補正する点火時期フィードバック制御量補正手段とを備える構成とする。
【0011】
この構成によれば、触媒の未暖機状態において、少なくともエンジンの点火時期の遅角側への変更により触媒の昇温を促進する際には、ラフネス検出手段によりエンジンの回転変動状態が検出され、該回転変動状態がエンジンの燃焼安定限界内に収まるように、燃焼制御手段によりエンジンの燃焼制御が行われる。具体的には、燃焼制御手段により、少なくともエンジンの点火時期を進角側に補正することで、エンジンの燃焼状態を安定寄りに制御することができる。
【0012】
このことで、回転変動状態に基づいてエンジンの実際の燃焼状態を正確に判定できるので、燃焼安定限界を越えない範囲で触媒の昇温促進効果が最大になるように点火時期を最大限に遅角させることができ、よって、エンジンの燃焼安定性を確保しつつ触媒の昇温促進効果を最大限に高めることが可能になる。また、エンジンの実際の燃焼状態を判定できるので、燃料の質(例えば重質度合い)が変化して着火性や燃焼性が変化しても、その燃料なりに前記の作用を得ることができる。
【0013】
さらに、前記の点火時期の制御を、始動判定手段によりエンジンの始動終了状態が判定されたとき、直ちに開始するようにしているので、触媒の昇温促進をエンジンの始動直後から実行して、最短時間で触媒を活性化できる。
【0014】
しかも、エンジンが自力で回転する完爆状態になり、設定アイドル回転数よりも低い設定始動判定回転数を越えて吹け上がって、所定時間(例えば1秒程度)が経過したときに、エンジンの始動終了状態を判定するようにしており、エンジンが吹け上がるまでは始動性を最優先した点火時期の制御を行い、エンジンが吹け上がって燃焼状態が安定した後で点火時期を遅角側に変更することができる。
【0015】
また、そうしてエンジンの点火時期を制御することで、エンジンの燃焼状態を十分に安定化させることができるので、同時に、例えば混合気の空燃比を略理論空燃比になるように制御することも可能になり、そのようにすれば、未燃炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)の排出低減が図られる。つまり、触媒の早期昇温とその間の排気有害成分の排出量の低減化との両立が図られる。
【0016】
さらにまた、前記の構成では、エンジンのアイドル状態において、アイドルフィードバック吸気量制御手段による吸入空気量の調整、及びアイドルフィードバック点火時期制御手段による点火時期の調整によりエンジン回転数が設定アイドル回転数にフィードバック制御される。また、点火時期の遅角側への制御により触媒の昇温を促進させるときには、アイドルフィードバック点火時期制御手段によるフィードバック制御量を小さく補正することで、点火時期の制御の干渉に伴うハンチング等の悪影響を低減できる。さらに、応答性の早い点火時期の制御によりエンジンの回転変動を抑制できる。
【0017】
請求項記載の発明では、請求項記載の発明において、エンジン始動後に正常作動可能な活性化状態になって、排気中の酸素濃度に基づいて混合気の空燃比を検出する空燃比センサと、前記空燃比センサによる検出値に基づいて、混合気の空燃比を理論空燃比近傍の所定の目標値になるようにフィードバック制御する空燃比制御手段とを備える構成とする。
【0018】
この構成では、排気通路に空燃比センサを設け、エンジン始動後にセンサ温度が高まり正常作動可能な活性化状態になった後、該空燃比センサによる検出値に基づいて空燃比制御手段により混合気の空燃比をフィードバック制御することで、空燃比制御の精度を高めて、排気有害成分の排出濃度を十分に低減できる。
【0019】
請求項記載の発明では、請求項記載の発明において、エンジン水温が所定以下のエンジン冷機状態で、空燃比制御手段のフィードバック制御量を小さく補正する空燃比フィードバック制御量補正手段を備える構成とする。
【0020】
すなわち、エンジン水温が所定以下のエンジン冷機状態では、昇温促進制御手段による点火時期の遅角制御に伴い、エンジンの燃焼状態が空燃比の変化の影響を受けやすくなるので、微小な空燃比の変動によってもエンジンの回転変動が大きくなる。そこで、この発明では、空燃比フィードバック制御量補正手段によりフィードバック制御量を小さく補正することで、空燃比の変動幅を小さくして、エンジンの回転変動状態の悪化を防止できる
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。尚、説明の便宜のため実施形態と類似の構成を有する参考例について先に説明する。
【0022】
(参考例1)
図1は本発明の参考例1に係るエンジンの制御装置Aを示し、1は直列4気筒4サイクルガソリンエンジンである。このエンジン1は4つのシリンダ(気筒)2,2,…(1つのみ図示する)を有するシリンダブロック3と、該シリンダブロック3の上面に組付けられたシリンダヘッド4と、各シリンダ2内に往復動可能に嵌装されたピストン5とを備え、前記各シリンダ2内にはピストン5及びシリンダヘッド3により囲まれる燃焼室6が区画形成されている。また、7は燃焼室6の上部に臨設された点火プラグで、この点火プラグ7は点火時期の電子制御が可能なイグナイタ等を含む点火回路8に接続されている。
【0023】
さらに、10は前記各シリンダ2の燃焼室6に吸気(空気)を供給する吸気通路で、この吸気通路10の上流端はエアクリーナ11に接続される一方、下流端は吸気弁12を介して燃焼室6に連通されている。前記吸気通路10には、エンジン1に実際に吸入される吸入空気量を検出するホットワイヤ式エアフローセンサ13と、吸気通路10を絞るスロットル弁14と、サージタンク15と、後述のECU35(Electronic Control Unit )からの燃料噴射信号(噴射パルス)を受けて燃料を噴射供給するインジェクタ16とが上流側から順に配設されている。また、前記エアクリーナ11には吸気温度を検出する吸気温センサ17が設けられている。
【0024】
前記吸気通路10の下流端部は第1吸気通路(図示せず)と第2吸気通路10aとに分岐され、この第2吸気通路10aにはスワール弁18が配設されている。このスワール弁18は、例えばステッピングモータ等のアクチュエータ18aにより開状態と閉状態とに切替作動され、閉状態では前記第2吸気通路10aを大略閉じて、上流側からの吸気流を殆ど第1吸気通路のみから燃焼室6に供給することにより、該燃焼室6にスワールを生成維持するものである。
【0025】
前記スロットル弁14の上下流は、ISC(Idle Speed Control)用バイパス通路20により接続され、該ISC用バイパス通路20にはこの通路20を開閉するISCバルブ21が設けられており、このISCバルブ21の開度を制御することで、エンジン1のアイドル状態における回転数を制御するようになっている。このバイパス通路20及びISCバルブ21により吸入空気量可変手段が構成される。また、22は前記スロットル弁14の全閉状態を検出するアイドル状態検出手段としてのアイドルスイッチであり、23はスロットル弁14の開度を検出するスロットル開度センサである。
【0026】
一方、25は前記燃焼室6から排気ガスを排出する排気通路で、その上流側は各シリンダ2毎に分岐して、排気弁24を介して燃焼室6に連通される排気マニホルドにより構成されている。また、排気マニホルドよりも下流側の排気通路25の途中には、空燃比を検出するためのO2センサ26が配設され、その下流側には、排気ガスを浄化するための触媒コンバータ27が排気管により前記排気マニホルドに接続されている。前記O2センサ26は、排気ガス中の酸素濃度を基に燃焼室6内の空燃比を検出するもので、理論空燃比で出力が急変するようになっている。また、前記触媒コンバータ27は排気ガス中の未燃炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx )を浄化可能な三元触媒を備えたものであり、好ましくはリーン状態でもNOx を浄化する機能を有するものが用いられる。
【0027】
前記エンジン1には、電磁ピックアップ等からなるクランク角センサ30が設けられている。このクランク角センサ30は、図示しないクランク軸の端部に設けた被検出用プレート31の外周に対応する箇所に配置され、該被検出用プレート31がクランク角の回転とともに回転されたとき、その外周部に突設された突起部31a,31a,…の通過に応じてパルス信号を出力するようになっている。また、前記エンジン1のウォータジャケット(図示せず)に臨んで、冷却水温を検出する水温センサ32が設けられている。
【0028】
35はマイクロコンピュータ等により構成されたエンジンコントロールユニット(ECU)である。このECU35には、図2にも示すように、エアフローセンサ13、吸気温センサー17、アイドルスイッチ22、スロットル開度センサ23、O2センサ26、クランク角センサ30、水温センサ32等からの各出力信号が入力されるようになっている。一方、前記ECU35からは、インジェクタ16に対して燃料噴射を制御する信号(パルス信号)が出力されるとともに、点火回路8に対して点火時期を制御する信号が出力され、さらに、ISCバルブ21のアクチュエータ21a及びスワール弁18のアクチュエータ18a等にも制御信号が出力されるようになっている。
【0029】
前記ECU35は、エンンジ1の冷間始動後に点火時期を燃焼安定限界付近まで最大限に遅角させることで、該エンジン1の燃焼安定性を確保しつつ触媒の早期昇温効果を最大限に高めるように制御を行う。具体的には、前記ECU35は、エンジン1の冷却水温(エンジン水温)及び始動からの経過時間に基づいて触媒の未暖機状態を判定する触媒暖機判定部36と、該触媒暖機判定部36により触媒の未暖機状態が判定されるとき、点火時期を遅角(リタード)させることで、触媒の昇温を促進する点火時期制御部37を備えている。
【0030】
また、前記ECU35は、クランク角速度の変動(回転変動状態)を検出するラフネス検出部38と、該ラフネス検出部38により検出されるクランク角速度変動がエンジン1の燃焼安定限界内に収まるように、前記点火時期制御部37により設定される点火時期を補正する燃焼制御手段としての点火時期補正制御部39とを備え、さらに、該点火時期補正制御部39による補正制御量(後述のラフネス制御量)を学習して、該補正制御量の初期設定値に反映させる学習制御部40と、ISCバルブ21の開度を制御して前記エンジン1への吸入空気量の増大により該エンジンの回転安定性の向上を図るアイドル制御手段としてのISC制御部41とを備えている。
【0031】
尚、前記ECU35は、点火時期の調整によりエンジン回転数が所定のアイドル回転数(設定アイドル回転数)になるようにフィードバック制御するアイドルフィードバック点火時期制御部42(図3参照)と、点火時期制御部37による触媒の昇温促進制御の実行の際に、インジェクタ16に出力する燃料噴射信号のパルス幅の変更により、混合気の空燃比が理論空燃比(14.7)よりもリーン側になるように燃料噴射量を増減制御する燃料噴射制御部(図示せず)とを備えている。この空燃比のリーン側への設定により、排気ガス温度が高められるとともに、HCやCOの排出量の低減が図られる。
【0032】
(点火時期の制御)
前記ECU35によるエンジン1の点火時期の具体的な制御手順を、図3に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0033】
同図におけるステップSA1では、クランク角センサ出力、エンジン回転数、エアフローセンサ出力、エンジン水温、アイドルスイッチ出力、スタータ出力等を読み込み、続くステップSA2では、イグニッションオフでもデータを保持する不揮発性メモリから後述のラフネス制御量の各気筒毎の学習値θstudy (n)を読込む。ここで、nは1〜4の整数で、それぞれエンジン1の4つのシリンダ2,2,…に対応するものである。すなわち、例えばn=1が第1気筒に対応しているとすれば、n=2は第3気筒に、n=3は第4気筒に、またn=4は第2気筒にそれぞれ対応している。
【0034】
前記ステップSA2に続くステップSA3ではエンジン1が始動中か否かを判定する。すなわち、スタ−タモータがオフ状態であるか又はエンジン回転数が所定回転数よりも大きければ、始動中でないと判定して後述のステップSA6に進む一方、スタータモータがオン状態でかつエンジン回転数が所定回転数以下であれば、始動中であると判定してステップSA4に進む。
【0035】
そして、ステップSA4でエンジン始動中の所定の点火時期IGSTを点火時期IGT(n)として算出し、ステップSA5で、エンジン始動中であることを示すフラグFSTA の値を1とした後、後述のステップSA16に進んで各気筒毎に点火プラグ7により点火実行する。これにより、エンジン1が吹け上がって運転状態になる。
【0036】
一方、前記ステップSA4で始動中でないと判定された場合、ステップSA6に進んで、運転状態のエンジン水温が所定温度(例えば60°C)以下であるか否かを判定する。そして、前記所定温度より大きければ触媒が暖機状態にあると判定して後述のステップSA18に進む一方、所定温度以下であればステップSA7に進む。このステップSA7ではフラグFSTA の値が1であるか否かを判定して、FSTA =1であれば、その値をステップSA8で0としてクリアした後、ステップSA9で、設定時間後にオフになる昇温促進時間設定用タイマをオンして、ステップSA11に進む。一方、前記ステップSA7でFSTA =0であれば、ステップSA10に進んで前記タイマがオンかオフかの判定を行い、タイマがオフであれば後述のステップSA20に進む一方、タイマがオンであればステップSA11に進む。つまり、エンジン1が冷機時に始動されて吹け上ってから設定時間が経過するまでの間、触媒が未暖機状態にあると判定して以下のステップSA11〜SA17の制御を実行する。
【0037】
ステップSA11では、点火時期の遅角による触媒の昇温促進制御を実行中であることを示すフラグFRTDの値を1とし、続くステップSA12で、アイドル状態でのエンジン回転数を一定に保持するための点火時期のフィードバック制御量θIDFBの値を0にする。つまり、点火時期の調整によるエンジン回転のアイドルフィードバック制御を禁止する。ステップSA13では、触媒の昇温のために設定する点火時期の遅角側への昇温促進制御量θRTDを、予め設定されたマップから読出す。このマップは、エンジン負荷に対応するエンジンの吸気充填効率及びエンジン回転数に基づいて、前記昇温促進制御量θRTDを種々設定したものである。尚、吸気充填効率は、エアフローセンサ出力から求めた吸入空気量をエンジン回転数で除算してから所定の定数を乗算して算出する。
【0038】
そして、ステップSA14で、クランク角速度の変動(エンジンの回転変動状態)がエンジンの燃焼安定限界内に収まるように点火時期を補正するためのラフネス制御量θrough(n)を各気筒毎に演算し、ステップSA15では、前記各ステップでそれぞれ演算した点火時期のフィードバック制御量θIDFB、昇温促進制御量θRTD、ラフネス制御量θrough(n)に基づいて点火時期IGT(n)を各気筒毎に算出する。すなわち、
IGT(n) = θBASE−θIDFB−θRTD+θrough(n)
となる。ここで、θBASEは点火時期の基本設定値であって、通常は、各気筒毎にエンジン1が最大トルクを出力する所定の点火時期(例えば上死点前10度)よりも僅かに遅角側に、エンジン回転数及び吸気充填効率に対応付けて設定されている。尚、前記ステップSA14におけるラフネス制御量θrough(n)の演算については後述する。
【0039】
ステップSA16では、クランク角センサ30から入力される信号に基づいて、前記ステップSA4又はステップSA15で演算された点火時期IGT(n)になったことの判定を行い、点火時期になればステップSA17で点火プラグ7に通電して各気筒毎に点火実行し、その後リターンする。
【0040】
つまり、エンジン1の冷間始動から設定時間が経過するまでの間、該エンジン1の点火時期を遅角させて(ステップSA13)排気ガス温度を高めることで触媒の昇温を促進するとともに、クランク軸の角速度変動に応じて点火時期を補正することで(ステップSA14)、エンジンを燃焼安定限界内で制御するようにしている。
【0041】
一方、前記ステップSA6でエンジン水温に基づいて触媒が暖機状態にあると判定したときには、ステップSA18及びステップSA19でそれぞれフラグFSTA 及びフラグFRTDをクリアして、ステップSA20に進む。このステップSA20では、アイドルスイッチ22からの信号に基づいてスロットル弁14が全閉状態にあるか否かを判定し、全閉状態であればアイドル状態であるからステップSA21に進んで、現在のエンジン回転数と設定されているアイドル回転数との偏差に基づいて、予め設定されたマップから点火時期のフィードバック制御量θIDFBを読込む。
【0042】
一方、スロットル弁14が全閉状態でなければアイドル状態でないから、ステップSA22に進んでフィードバック制御量θIDFBの値を0とする。続くステップSA23では昇温促進制御量θRTDの値を0とし、ステップSA24ではラフネス制御量θrough(n)の値を0として上述のステップSA15に進み、点火時期IGT(n)を算出する。
【0043】
つまり、冷却水温が所定温度以上であるか(ステップSA6)、又はエンジン始動から設定時間が経過しており(ステップSA10)、触媒が既に暖機状態になったと判定したときには、該触媒の昇温を促進するための制御を終了(ステップSA23,SA24)して通常の制御に移行する。そして、スロットル弁14が全閉状態になっていれば、エンジン回転数をアイドル回転数に保持するように点火時期を調整するアイドルフィードバック点火時期制御を行う(ステップSA20,SA21)。このように点火時期の調整によりエンジン1のアイドル回転を制御することで、エンジン回転数を応答性良くアイドル回転数にフィードバック制御することができる。
【0044】
前記のフローチャート図において、ステップSA3,SA6〜SA10が触媒暖機判定部36に、また、ステップSA13,SA15〜17が点火時期制御部37にそれぞれ対応している。さらに、ステップSA14,SA15が点火時期補正制御部39に、また、ステップSA20,SA21がアイドルフィードバック点火時期制御部42にそれぞれ対応している。
【0045】
(ラフネス制御量の演算)
次に、図3のステップSA14におけるラフネス制御量θrough(n)の演算手順を図4及び図5に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0046】
まず、図4のステップSB1において、初期値1の制御サイクルiをインクリメントする(i=i+1)。続くステップSB2ではクランク角センサ30からの信号の時間間隔T(i)を計測し、ステップSB3では前記計測値T(i)に基づいて所定クランク角期間におけるクランク角速度ω(i)を算出する。
【0047】
ここで、前記クランク角速度ω(i)の検出を行う所定クランク角期間の好ましい設定について図6〜図8に基づいて説明する。
【0048】
図6は直列4気筒4サイクルエンジンについて、クランク角を横軸に、またトルク及び角速度を縦軸に示したものである。すなわち、各シリンダ(気筒)2における慣性トルク(同図に破線で示す)とガス圧トルク(同図に一点鎖線で示す)との合成トルクは、同図に太い実線で示すように正常燃焼時は180度間隔で周期的に変化し、この合成トルクによって回転されるクランク軸の角速度(実線Aで示す)も周期的に変化する。一方、例えば第1気筒において燃焼状態が不安定になって失火に近い状態が生じた場合、エンジンの合成トルクは同図に二点鎖線で示すように極めて低くなってしまう。この結果、クランク角速度は前記第1気筒の膨脹行程半ばから顕著に低下して(破線Bで示す)正常燃焼時との差が大きくなる。また、次の気筒(第3気筒)では、前気筒の影響が残る膨脹行程の前半では角速度が低くなるが、行程が進むに連れて次第に正常時の値に近付く。
【0049】
また、図7は燃焼圧と角速度変動(回転変動状態)との相関関係を示すものであり、横軸には1つの気筒についての圧縮上死点(TDC)後のクランク角(ATDC,CA)を、また、縦軸には当該気筒の燃焼状態(ガス圧)が角速度に及ぼす影響の度合いを示す相関係数をそれぞれ表したものである。すなわち、相関係数が正であれば当該気筒の燃焼圧の変動と角速度の変動との相関が高い一方、負であれば当該気筒よりもその前気筒の燃焼圧変動の影響が大きいことを意味する。
【0050】
そして、前記図6及び図7から明らかなように、燃焼が略終了するクランク角(ATDC40°CA程度)から次気筒の燃焼開始時期付近のクランク角(ATDC200°CA程度)までの範囲で燃焼圧と角速度変動との相関性が高く、特にガス圧トルクが低下してからトルク変曲点(ATDC90°CA程度)を経た後の、慣性トルクが大きくなる期間X(ATDC100°CA〜ATDC200°CA)において、前記相関関係が高くなる。従って、例えばATDC100°CA〜ATDC200°CAの範囲内で角速度を検出するようにすれば、この角速度の変動(回転変動状態)に基づいて当該気筒の燃焼状態を精度良く判定することができる。また、角速度検出時間を十分に確保するために、角速度検出のためのクランク角期間は60°CA以上とすることが好ましい。
【0051】
そこで、例えば図8に示すように、各気筒のATDC104°CAとATDC174°CAとが検出されるように、被検出プレート31の各突起部31a,31,…を設け、各気筒におけるATDC104°CA〜174°CAの70度の期間の角速度を検出するようにしている。このため、図4のステップSB3においては、クランク角速度ω(i)を、
ω(i) = 70×10-6/T(i)
のように演算する。
【0052】
前記ステップSB3に続くステップSB4では、図示しないカムシャフトの回転角を検出するセンサからの信号に基づいて気筒識別を行い、以下のステップSB5,SB6において、気筒毎に、燃焼状態の判別にとってノイズとなる要素を除去しつつ角速度ω(i)の変動を求める。すなわち、燃焼状態の変動以外で角速度変動を生じる要素としては、爆発を加振源とした共振の影響による角速度変動、車輪や駆動系のアンバランスに起因する車輪回転に伴う角速度変動、路面からタイヤに作用する振動の影響による角速度変動等があり、図9に示すように、前記共振の影響による爆発回転次数成分のノイズはエンジン回転の0.5次及びその整数倍の周波数で生じ、前記アンバランスに起因する車輪回転に伴うノイズや路面の影響によるノイズはエンジン回転の0.5次よりも低い低周波数域内で生じる。
【0053】
そこで、図4のステップSB5では、エンジン回転の0.5次及びその整数倍の周波数成分を除去しつつ角速度変動dω(i)を求める。すなわち、同一気筒における角速度の今回値ω(i)と前回値ω(i−4)との偏差を求めることで、図10に示すようにコムフィルタによりエンジン回転の0.5次及びその整数倍の周波数成分を除いた角速度変動dω(i)のデータが得られたことになる。また、ステップSB6では、エンジン回転の0.5次よりも低い周波数成分のノイズを除くために、前記ステップSB5で得られた角速度変動dω(i)の8サイクル前までのデータに基づいて次式のようになまし処理を行う。
【0054】
すなわち、
dωf(i) = a・dω(i)+b・dω(i−1)+
c・dω(i−2)+d・dω(i−3)+
e・dω(i−4)+d・dω(i−5)+
c・dω(i−6)+b・dω(i−7)+
a・dω(i−8)
(但し、a,b,c,d,eはなまし係数)
これにより、図11に示すようにハイパスフィルタによりエンジン回転の0.5次よりも低い周波数成分が十分に減衰されて除かれたことになる。このようにして、各気筒毎に燃焼状態を高精度に反映した角速度変動データdωf(i)を得ることができる。
【0055】
前記ステップSB6に続くステップSB7では、エンジン1の燃焼安定の許容限界に相当する角速度変動データdωf(i)の上限値dωfmax を、エンジン回転数及びエンジン1の吸気充填効率に基づいて予め設定されたマップから読取り、ステップSB8では同様のマップから角速度変動データdωf(i)の下限値dωfmin を読み取る。そして、ステップSB9では、前記ステップSB6で求められた角速度変動データdωf(i)を上限値dωfmax と比較し、該角速度変動データdωf(i)の方が大きければステップSB10に進んで、ラフネス制御量θrough(n)を増大させる場合の所定の制御ゲインθKA(θKA>0)を読出す。続くステップSB11では燃料の重質度合い(燃料の重質留分の含有割合)に応じて前記制御ゲインθKAの値を変更し、この変更後の値をステップSB12でラフネス制御ゲインθK として算出する。
【0056】
一方、前記SB9で角速度変動データdωf(i)が上限値dωfmax 以下の値であれば、ステップSB13に進んで該角速度変動データdωf(i)を下限値dωfmin と比較し、角速度変動データdωf(i)の方が小さければステップSB14に進む。そして、ラフネス制御量θrough(n)を減少させる場合の所定の制御ゲインθKR(θKR>0)を読み出し、ステップSB15に進んでラフネス制御ゲインθK を、θK =−θKRとして算出する。また、前記ステップSB13において、角速度変動データdωf(i)がその下限値dωfmin 以上の値であれば、ステップSB16に進んでラフネス制御ゲインθK を、θK =0として算出する。
【0057】
図4のステップSB12、ステップSB15及びステップSB16に続く図5のステップSB17では、i≦8であるか否かを判定し、i≦8であればステップSB18に進んで、不揮発性メモリから読み込んだ学習値θstudy (n)をそのままラフネス制御量θrough(n)として算出する一方、i>8であればステップSB19に進んで9≦i<13であるか否かを判定する。そして、9≦i<13であればステップSB20に進んで、前記学習値θstudy (n)にラフネス制御ゲインθK を加算してラフネス制御量θrough(n)を算出する一方、i>13であればステップSB21に進んで、同一気筒におけるラフネス制御量θrough(n)の前回値に前記ラフネス制御ゲインθK を加算して、ラフネス制御量θrough(n)の今回値を算出する。
【0058】
つまり、制御の初期のサイクル(i≦8)では学習値θstudy (n)をそのままラフネス制御量θrough(n)とする一方、制御サイクルが進行すれば(i>8)、各気筒毎に前記学習値θstudy (n)に対しラフネス制御ゲインθK を積算して適切なラフネス制御量θrough(n)を演算するようにしている。その際、角速度変動データdωf(i)がその上限値dωfmax よりも大きければ(ステップSB9)、ラフネス制御ゲインθK の値が正値とされ(SB10〜SB12)、ラフネス制御量θrough(n)が増大されて(SB20,SB21)、点火時期IGT(n)がより進角側に補正される。一方、角速度変動データdωf(i)がその下限値dωfmin よりも小さければ(ステップSB13)、ラフネス制御ゲインθK の値が負値とされ(SB14,SB15)、ラフネス制御量θrough(n)が減少されて(SB20,SB21)、点火時期IGT(n)がより遅角側に補正される。
【0059】
ここで、前記ステップSB11における制御ゲインθKAの変更について説明すると、図12に示すフローチャート図のステップSC1では、各気筒毎に角速度変動データdωf(i)がその上限値dωfmax よりも初めて大きくなったか否かを判定する。そして、初めてでなければリターンする一方、初めでであればステップSC2に進んで、所定の制御ゲインθKAに予め設定された設定量θJA(θJA>0)を加算してリターンする。このことで、各気筒におけるラフネス制御量θrough(n)は、図13に示すようにシフトされて急増するので、点火時期IGT(n)は速やかに進角側に補正される
尚、前記ステップSC2において、角速度変動データdωf(i)に対応づけて設定量θJAの値を、燃料の重質度合いに応じて予め種々設定しておき、前記角速度変動データdω(i)の値が大きいほど、小さいときよりも制御ゲインθKAの値をより大値側に変更するようにしてもよい。このようにすれば、角速度変動の大きさ即ち燃料の重質度合いに応じて点火時期を適切かつ速やかに補正することができる。
【0060】
図5のステップSB18、ステップSB20及びステップSB21に続くステップSB22では、アイドルスイッチ22からの信号に基づいてエンジン1がアイドル状態にあるか否かを判定し、アイドル状態でないと判定されればリターンする一方、アイドル状態であると判定されれば、ステップSB23に進んでラフネス制御量θrough(n)の今回値を予備学習値θIDR (n)として記憶し、続くステップSB24で同一気筒における前記予備学習値θIDR (n)の今回値と前回値とを所定割合で重み付けして加算して、ラフネス制御量θrough(n)の学習値θstudy (n)を算出する。そしてステップSB25で、前記ステップSB24で算出した学習値θstudy (n)により不揮発性メモリ内の学習値を更新する。すなわち、
θstudy (n) = KI・θIDR (n)+
(1−KI){θIDR (n)の前回値}
(但し、KIは重み付け係数)
つまり、冷間アイドル時には、エンンジ1の燃焼状態の変動によるクランク角速度の変動dω(i)を検出し易いため、前記ラフネス制御量θrough(n)が各気筒毎に燃料の質等に応じた適切な値になっている。そこで、その適切なラフネス制御量θrough(n)を学習して、学習値θstudy (n)として記憶保持するようにしている。
【0061】
図4及び図5に示す前記フローチャート図において、ステップSB1〜SB6がラフネス検出部38に、ステップSB7〜SB21が点火時期補正制御部39にそれぞれ対応しており、また、ステップSB22〜SB25が学習制御部40に対応している。
【0062】
(ISC制御)
次に、ISC制御部41による具体的な制御内容を図14に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0063】
同図のステップSD1では、エンジン回転数、エアフローセンサ出力、エンジン水温、アイドルスイッチ出力、スタータ出力等を読込む。続くステップSD2では、前記アイドルスイッチ出力に基づいてスロットル弁14が全閉状態にあるか否かを判定し、全閉状態でなければアイドル状態でないから後述のステップSD14に進む一方、全閉状態であればアイドル状態であるからステップSD3に進んで、エアフローセンサ出力及びエンジン回転数に基づいてエンジン1の現在の吸気充填効率を演算する。
【0064】
続くステップSD4では、アイドル状態であるか否かを示すフラグから前サイクルでアイドル中であったか否かを判定し、前サイクルでアイドル状態であれば後述のステップSD12に進む一方、前サイクルでアイドル状態でなければステップSD5に進む。このステップSD5では、エンジン水温に対応づけて予め設定されたマップから、現在のエンジン水温に対応する目標回転数(設定アイドル回転数)を読み出し、ステップSD6に進んで、昇温促進制御を実行中であるか否かをフラグFRTDの値から判定する。
【0065】
そして、FRTD=1であればステップSD7に進んで、昇温促進制御によりエンジン1の点火時期が遅角側に設定されている場合について、前記ステップSD5で求めたエンジン1の目標回転数に対応する目標充填効率をマップから読出す。一方、FRTD=1でなければステップSD8に進んで、昇温促進制御が行われていない通常の場合について前記マップから目標充填効率を読出す。このマップは、図15に示すようにエンジン1の目標回転数を横軸に、また、目標充填効率を縦軸にそれぞれ種々実験結果に基づいて予め設定したものである。
【0066】
同図において、昇温促進制御が行われている場合の目標充填効率は通常時よりも大きめに設定されている。すなわち、昇温促進制御により点火時期が遅角側に設定されている場合には、エンジン1の燃焼による熱エネルギのクランク軸出力への変換割合が低くなってエンジン1の出力が低下するため、この低下分を補うために、吸入空気量の増大によりエンジン1の吸気充填効率を増大させて所定の吸気充填効率となるように制御する。このことで、アイドルフィードバック点火時期制御部42による制御を禁止(図3のステップSA12)していても、エンジン回転数を目標回転数に保つことができる。その際、吸入空気量の増大によりエンジン回転数を前記アイドル回転数よりも高く制御して、そのことによりエンジン回転の安定化を図るようにしてもよい。
【0067】
前記ステップSD7及びステップSD8に続くステップSD9では、それらの各ステップで求めた目標充填効率になるようにISCバルブ21の開度を制御するためのISC基本制御量DNBASE を、前記目標充填効率に基づいて予め設定したマップから読み出し、続くステップSD10で前記ISC基本制御量DNBASE をそのままISC制御量DN として算出する。そして、ステップSD11でアクチュエータ21aに制御信号を出力して、ISCバルブ21のデューティ制御を行ってリターンする。
【0068】
一方、前記ステップSD4において、前サイクルでアイドル状態であったと判定された場合、ステップSD12に進んで、現在の吸気充填効率と目標充填効率との偏差に対応するISC補正制御量DNEをマップから読出す。このマップは、図16に示すように前記現在の吸気充填効率と目標充填効率との偏差を横軸に、また、ISC補正制御量DNEを縦軸にそれぞれ設定したものであり、偏差が比較的小さい間は、ISC補正制御量DNEの増大即ち給気量の増大により、吸気充填効率を目標充填効率に収束させるように設定されている。そして、ステップSD13に進んで、前記ISC補正制御量DNEをISC基本制御量DNBASE に加算してISC制御量DN を算出し、その後ステップSD11に進んでISCバルブ21のデューティ制御を実行する。
【0069】
また、前記ステップSD2において、スロットル弁14が全閉状態でないことからアイドル状態でないと判定された場合にも、前記ステップSD3〜13と同様、ISCバルブ21のデューティ制御を行うようにする。すなわち、ステップSD14において、昇温促進制御を実行中であるか否かを表すフラグFRTDの値が1であるか否かを判定し、該フラグFRTDの値が1であれば、ステップSD15に進んで、昇温促進制御によりエンジン1の点火時期が遅角側に設定されている場合についての所定のISC基本制御量DBASER を読み出し、このISC基本制御量DBASER をステップSD16でISC制御量DN として算出した後、上述のステップSD11に進む。
【0070】
一方、前記ステップSD14でフラグFRTDの値が1でなければ、ステップSD17に進んで、昇温促進制御が行われていない通常の場合についてのISC基本制御量DBASEを読み出し、このISC基本制御量DBASEをステップSD18でISC制御量DN として算出した後、上述のステップSD11に進む。
【0071】
次に、前記参考例1に係るエンジンの制御装置Aの作用・効果について説明する。
【0072】
この参考例では、エンジン1の冷却水温及び始動からの経過時間に基づいて触媒暖機判定部36により触媒の未暖機状態を判定したとき(図3のSA6,SA10)、点火時期制御部37により前記エンジン1の点火時期IGT(n)を遅角側に制御することで(SA13,SA15)、排気ガス温度を高めて触媒の昇温を促進するようにしている。
【0073】
すなわち、図17に実線で示すように、エンジン1の点火時期を大幅に遅角させて例えば上死点後20度(ATDC20°CA)に設定したときには、膨脹行程の中期以降で気筒内圧力がかなり低下した後に混合気の燃焼がピークに達するようになり(いわゆる後燃え)、このため、燃焼熱エネルギのクランク軸出力への変換率が非常に小さくなるので、排気損失が大幅に増えて排気ガス温度が極めて高くなるのである。尚、前記図17は理論空燃比における吸気下死点後のクランク角(ABDC,CA)と気筒内圧力との関係を示したもので、比較のため、点火時期を上死点(TDC)とした場合の気筒内圧力の変化の様子を一点鎖線で示す。
【0074】
図18は点火時期の変更に対する、排気ガス温度の変化及び図示平均有効圧力Piの変化の様子を示したもので、同図より、点火時期IGT(n)を上死点(TDC)後まで大幅に遅角させることで、排気ガス温度が急激に高まることが分かる。そして、点火時期の遅角量を大きくするほど排気ガス温度を高めて触媒の早期昇温を図れるのであるが、同時に、同図に一点鎖線で示すように平均有効圧力Piの変動率すなわちトルク変動率も上昇してしまい、エンジン1の燃焼安定性が損なわれ易くなる。特に、同図に二点鎖線で示すように、供給される燃料の重質度合いが高い場合には、重質度合いの低い通常の燃料に比べてPi変動率が大きくなっており、エンジン1の燃焼安定性が損なわれる可能性が高い。
【0075】
そこで、この参考例ではラフネス検出部38によりクランク角速度の角速度変動データdωf(i)を検出し(図4のSB2〜SB6)、その検出結果に基づいて点火時期補正制御手段39により点火時期IGT(n)の補正を行うようにした。すなわち、前記角速度変動データdωf(i)がエンジン1の燃焼安定のための許容限界に相当する上限値dωfmax よりも大きければ(ステップSB9)、ラフネス制御量θrough(n)の増大により点火時期IGT(n)をより進角側に補正してエンジン1の燃焼状態を安定寄りに制御する一方、エンジン1の燃焼状態に余裕があって角速度変動データdωf(i)がその下限値dωfmin よりも小さければ(ステップSB13)、ラフネス制御量θrough(n)の減少により点火時期IGT(n)をより遅角側に補正して触媒の昇温促進効果を高めるようにしている。
【0076】
つまり、角速度変動データdωf(i)に基づいてエンジン1の実際の燃焼状態を高精度に判定することができるため、供給される燃料の質が変化して着火性や燃焼性が変化しても、その燃料の質なりにエンジン1の燃焼安定性を確保しつつ、触媒の昇温促進効果を最大限に高めることができる。
【0077】
その際、エンジン1の角速度変動の検出及び点火時期の制御を各気筒毎に行うようにしているので(SB4)、各気筒毎の燃料噴射量、燃焼温度、吸気流動等のばらつきによらず、該各気筒における燃焼状態をそれぞれ高精度に燃焼安定限界付近で制御することができる。このことで、触媒の昇温促進効果を一層高めることができる。
【0078】
また、例えば重質度合いの高い燃料が供給された場合、ラフネス制御ゲインθK に設定量θJAを加算するようにしたので(図12のSC1,SC2)、ラフネス制御量θrough(n)を大値側にシフトして(図13参照)点火時期IGT(n)を進角側に速やかに補正することができる。よって、燃焼制御の開始から速やかにエンジン1の燃焼状態を安定化させることができる。
【0079】
さらに、アイドル状態におけるラフネス制御量θrough(n)を学習して、この値により学習値(ラフネス制御量の初期設定値)を更新するようにしているので(図5のSB22〜SB25)、一度学習した後は、エンジン1の燃焼制御の開始から直ちに燃料の質等に応じた適切な制御を行うことができる。よって、エンジンの燃焼状態を始動直後から安定化させることができる。
【0080】
加えて、アイドル状態では、ISC制御部41による吸入空気量の制御(図14のSD7)によって所定のアイドル回転数に保持することができる。
【0081】
さらにまた、この参考例では、触媒コンバータ27は、エンジン1の排気通路25における排気マニホルドよりも下流側に設けられ、該排気マニホルドから離れて排気管を介して接続されているので、排気管を介さずに直接排気マニホルドに取り付けたものに比べて、暖まり難いものである。そのため、上述の如く排気温度を高めて触媒の暖機を促進できることは極めて有効な作用効果を有する。言い換えると、上述の如き制御により排気系の設計における自由度が向上するので、例えば、排気マニホルドの設計により排気効率を高めて、エンジン出力を向上させることが可能になる。
【0082】
(参考例2)
図19は本発明の参考例2に係るエンジンの制御装置Aを示し、参考例1と同一の構成要素については同一符号を付している。この制御装置Aにおけるエンジンコントロールユニット(ECU)50は、参考例1のECU35と同様に、エアフローセンサ13、吸気温センサー17、アイドルスイッチ22、スロットル開度センサ23、O2センサ26、クランク角センサ30、水温センサ32等からの各出力信号が入力される一方、インジェクタ16、点火回路8、ISCバルブ21及びスワール弁18の各アクチュエータ21a,18a等に制御信号を出力するようになっている。
【0083】
また、前記ECU50は、参考例1と同様に、エンンジ1の冷間始動後に点火時期を遅角させる触媒の早期昇温制御を行う一方、供給される燃料の重質度合いが所定以上高いいわゆる重質燃料である場合には、点火時期の遅角を大幅に抑制してエンジン1の燃焼安定化を優先するようになっている。
【0084】
具体的には、前記ECU50は、前記参考例1と同様、触媒暖機判定部36と、点火時期制御部37と、ラフネス検出部38と、ISC制御部41と、アイドルフィードバック点火時期制御部42と、燃料噴射制御部とを備え、さらに、前記ラフネス検出部38による検出結果に基づいて、供給される燃料が重質燃料であるか否かを判定する重質度合い判定手段としての重質燃料判定部51と、該重質燃料判定部51により燃料の重質度合いが所定以上高いと判定されたとき、点火時期の遅角量を予め設定した小さめの値に抑制する抑制制御部52とを備えている。
【0085】
尚、この参考例2に係るエンジンの制御装置Aのその他の構成は参考例1の場合と同様なのでその説明は省略する。
【0086】
(点火時期の制御)
前記ECU50によるエンジン1の点火時期の具体的な制御手順を、図20に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0087】
同図におけるステップSE1〜SE4では、参考例1の点火時期の制御(図3参照)におけるステップSA1〜SA5と同様の制御によりエンジン始動中の所定の点火時期IGSTを点火時期IGT(n)として算出する。また、ステップSE5〜SE9では、前記参考例1のステップSA6〜SA10と同様の制御により、触媒の未暖機状態を判定して、ステップSE10以降の制御を行う。
【0088】
すなわち、ステップSE10ではフラグFRTDの値を1とし、ステップSE11では点火時期のフィードバック制御量θIDFBの値を0とし、続くステップSE12では、触媒の昇温促進のために設定する点火時期の遅角側への昇温促進制御量θRTDを算出する。そして、ステップSE13では、ステップSE11で設定した点火時期のフィードバック制御量θIDFBと、ステップSE12で設定した昇温促進制御量θRTDと、点火時期の基本設定値θBASEとに基づいて点火時期IGT(n)を算出し、続くステップSE14,SE15で各気筒に点火実行する。
【0089】
IGT(n) = θBASE−θIDFB−θRTD
尚、前記ステップSE12における昇温促進制御量θRTDの演算については後述する。
【0090】
一方、前記ステップSE5でエンジン水温に基づいて触媒が暖機状態にあると判定された場合には、ステップSE16に進んで以降ステップSE21まで、前記参考例1と同様の制御を行う。
【0091】
前記のフローチャート図において、ステップSE2,SE5〜SE10が触媒暖機判定部36に、ステップSE12,SE13が抑制制御部52にそれぞれ対応している。また、ステップSE13〜SE15が点火時期制御部37に、ステップSE18,SE19がアイドルフィードバック点火時期制御部42にそれぞれ対応している。
【0092】
(点火時期の遅角量の演算)
次に、図20のステップSE12における昇温促進制御量θRTDの演算手順を図21に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0093】
同図におけるステップSF1〜SF6では、参考例1の場合のステップSB1〜SB6と同様にして(図4参照)、クランク角速度の角速度変動データdωf(i)を算出する。そして、ステップSF7では、エンジンの燃焼安定の許容限界を僅かに越える角速度変動である重質判定値dωffmax をマップから読出す。この重質判定値dωffmax は、エンジン1の回転数及び吸気充填効率に対応づけて種々の値が前記マップに設定されているもので、前記角速度変動データdωf(i)が重質判定値dωffmax を越えた大変動時には、エンジン1の燃焼状態がかなり不安定になっていると判定される。
【0094】
続いてステップSF8では、制御サイクルが所定回数Lに達したか否かの判定を行い、i≧Lであれば後述のステップSF12に進む一方、i<LであればステップSF9に進んで、角速度変動データdωf(i)と重質判定値dωffmax とを比較する。そして、角速度変動データdωf(i)が重質判定値dωffmax よりも大きければ、ステップSF10で初期値0のカウンタをインクリメントする(m=m+1)一方、角速度変動データdωf(i)が重質判定値dωffmax 以下であればそのままでステップSF11に進む。このステップSF11では、エンジン1に供給される燃料が重質度合いの比較的低い通常の燃料であって、点火時期を比較的大きく遅角させる場合の所定の遅角量θNOR (θNOR >0)を昇温促進制御量θRTDとして算出して、その後リターンする。つまり、制御の初期のサイクル(i≦L)においては、通常の燃料に対応する制御を行うとともに、燃焼状態の悪化による角速度の大変動の回数をカウントする。
【0095】
一方、前記ステップSF8でi≧LになればステップSF12に進んで、カウント値mを予め設定した判定カウント値cと比較し、m<cであれば角速度の大変動の回数が少ないので、供給される燃料は通常の燃料であると判定してステップSF11に進む。一方、m≧cであれば、角速度の大変動の回数が多いので、供給される燃料は重質燃料であると判定する。そして、ステップSF13に進んで、触媒の昇温促進よりもエンジン1の燃焼安定性を優先するために、点火時期の遅角量を抑制する場合の所定の遅角量θJUS (θNOR >θJUS >0)を昇温促進制御量θRTDとして算出してリターンする。
【0096】
つまり、図22に示すように、所定サイクル(L)までの角速度の大変動の回数(角速度の大変動の発生割合)をカウントして、このカウント値に基づいて燃料が重質燃料であるか否かを判定するようにしており、供給される燃料が重質燃料であれば、点火時期をあまり遅角させないようにしてエンジン1の燃焼安定性を優先するようにしている。
【0097】
したがって、この参考例2では、参考例1と同様にして触媒の未暖機状態を判定したとき(SE5,SE9)、点火時期制御部37によりエンジン1の点火時期IGT(n)を遅角側に設定することで(SE11,SE13)、排気ガス温度を高めて触媒の昇温を促進することができる。
【0098】
その際、クランク角速度変動データdωf(i)に基づいてエンジン1の実際の燃焼状態を高精度に判定することができるため(SF8〜SF12)、この判定結果に基づいて供給される燃料が重質燃料であるか否かを判定することができる。そして、燃料が重質燃料であれば、通常の燃料に比べて混合気の着火性や燃焼性が悪くなるので、触媒の昇温促進を抑制して(SF13)エンジンの燃焼安定化を優先する。このことで、重質燃料が供給された場合でも、エンジンの燃焼状態の不安定化に起因する排気有害成分のの急激な増大化を防止することができる。
【0099】
(実施形態)
図23は本発明の実施形態に係るエンジンの制御装置Aを示し、参考例1又は2と同一の構成要素については、同一符号を付している。この制御装置Aにおけるエンジンコントロールユニット(ECU)55は、実施形態1又は2のECU35,50と同様に、エアフローセンサ13、吸気温センサー17、アイドルスイッチ22、スロットル開度センサ23、O2センサ26、クランク角センサ30、水温センサ32等からの各出力信号が入力される一方、インジェクタ16、点火回路8、ISCバルブ21及びスワール弁18の各アクチュエータ21a,18a等に制御信号を出力するようになっている。
【0100】
また、前記ECU55は、参考例1又は2と同様に、エンンジ1の冷間始動後に点火時期を遅角させる触媒の早期昇温制御を行うものであるが、この実施形態の特徴として、その制御をエンジン1の始動直後から開始するようにしている。さらに、前記ECU55は、インジェクタ16の開弁時間を調整して、混合気の空燃比を略理論空燃比(A/F=14.7)にフィードバック制御するとともに、スワール弁18を作動させて燃焼室6にスワールを生成維持させるようにしている。
【0101】
具体的に、前記ECU55は、前記参考例1と同様、触媒暖機判定部36と、点火時期制御部37と、ラフネス検出部38と、点火時期補正制御部39と、アイドルフィードバック吸気量制御手段としてのISC制御部41と、アイドルフィードバック点火時期制御部42(図25参照)と、空燃比制御手段としての燃料噴射制御部56とを備え、さらに、エンジン1の始動終了状態を判定する始動判定部57と、エンジン水温が所定以下のエンジン冷機状態でスワール弁18を閉じる燃焼制御手段としてのスワール弁制御部58とを備えている。
【0102】
尚、この実施形態に係るエンジンの制御装置Aのその他の構成は参考例1又は2の場合と同様なので、その説明は省略する。
【0103】
(点火時期の制御)
前記ECU55によるエンジン1の点火時期の具体的な制御手順を、図24及び図25に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0104】
同図におけるステップSG1では、クランク角センサ出力、エンジン回転数、エアフローセンサ出力、エンジン水温、アイドルスイッチ出力、スタータ出力等を読み込み、続くステップSG2,SG3では、エンジン1の始動終了判定を行う。具体的に、ステップSG2では、エンジン回転数が始動判定回転数(例えば500rpm)を越えたか否かを判別し、越えたYESならばエンジン1が完爆状態になったと判定して、ステップSG3に進む一方、越えていないNOならばステップSG4に進んで、エンジン始動時初期の所定の点火時期IGST1(例えば圧縮上死点前5°CA)を点火時期IGT(n)として算出し、後述のステップSG22(図25参照)に進んで各気筒毎に点火実行する。
【0105】
一方、ステップSG3では、エンジン1が完爆状態になってから所定の判定時間(例えば、1秒間)が経過したか否かを判別し、判定時間が経過していてYESであればエンジンの始動終了状態を判定して、ステップSG5に進む一方、判定時間の経過前でNOであれば、ステップSG6に進んで、始動時進角のための所定の点火時期IGST2(例えば圧縮上死点前20°CA)を点火時期IGT(n)として算出し、後述のステップSG22に進む。
【0106】
つまり、エンジン1の始動時には、図26(a),(b)にそれぞれ示すように、クランキングから完爆状態になるまでは通常運転時と略同様の点火時期(例えば圧縮上死点前6°CA)とし、その後、完爆状態になってエンジン1が吹け上がって燃焼状態が安定するまでの間、点火時期をMBT(Minimum advance for Best Torque)の近くまで進めるようにしている。
【0107】
前記ステップSG3でエンジン始動終了状態と判定して進んだステップSG5では、エンジン水温が所定以下(例えば60°C以下)のエンジン冷機状態であるか否かを判定する。そして、エンジン冷機状態でないNOならば触媒が暖機状態にあると判定して、参考例1と同様に触媒暖機時の制御を実行する。(図3参照)一方、エンジン冷機状態であるYESであれば、ステップSG7に進む。
【0108】
前記ステップSG7では、エンジン1がアイドル状態になっていて、かつエンジン回転数が冷機状態の目標回転数(設定アイドル回転数)以下であるか、そうでないかを判定する。ここで、前記アイドル状態とは、スロットル弁14が全閉になっていて、かつ車両が停止中(車速=0)の状態とする。また、前記エンジン冷機状態の目標回転数は、図26(a)に一点鎖線で示すように、始動時のエンジン水温に応じて最初は高め(例えば1200rpm)に設定され、エンジン水温の上昇と共に徐々に低くされて、状態でなくなれば、エンジン暖機状態における通常の目標回転数(例えば650rpm)に収束するようになっている。
【0109】
そして、ステップSG7では、点火時期の調整によるエンジン回転数のフィードバック制御、即ちアイドルフィードバック点火時期制御を実行するか否かを判定する。具体的には、エンジン1がアイドル状態になっていてかつエンジン回転数が目標回転数以下であるYESならば、ステップSG8に進んで、アイドルフィードバック点火時期制御を実行することを示す点火時期フィードバックフラグFIDFBの値を1とする。一方、それ以外の場合でNOであれば、ステップSG9に進み、前記点火時期フィードバックフラグFIDFBの値を0にする。このことで、図26(a),(b)に示すように、エンジン回転数が目標回転数以下になったときに、アイドルフィードバック点火時期制御が開始される。
【0110】
前記ステップSG8又はステップSG9に続いて、ステップSG10では、ラフネス制御を行うか否かを判定する。具体的には、エンジン1がアイドル状態になっていてかつ後述の如くスワール弁18が閉状態になっているYESならば、ステップSG11に進んで、ラフネス制御量θrough(n)を各気筒毎に演算する一方、それ以外の場合でNOであれば、ステップSG12に進み、ラフネス制御量θrough(n)=0とする。そして、図25に示すステップSG13に進む。
【0111】
尚、前記ステップSG11におけるラフネス制御量θrough(n)の演算は参考例1と同様に行う。
【0112】
図25に示すステップSG13では、エンジン1の運転状態に対応する点火時期のベース値を、エンジンの吸気充填効率及びエンジン回転数に基づいて予め設定したマップから読み出す。続くステップSG14では、触媒の昇温促進のための点火時期の遅角側への制御量(昇温促進制御量)θRTDをエンジン水温に基づいて予め設定したマップから読み出す。このマップは、昇温促進制御量θRTDをエンジン水温に対応づけて設定したもので、例えば、エンジン水温が0〜20°Cでは水温の上昇とともに昇温促進制御量θRTDが徐々に増大し、エンジン水温が20〜40°Cで昇温促進制御量θRTDが最大値となった後、エンジン水温が40〜60°Cでは、水温の上昇とともに昇温促進制御量θRTDが徐々に減少するように設定されている。
【0113】
続いて、ステップSG15では、前記各ステップでそれぞれ演算したベース制御量θBASE、昇温促進制御量θRTD、ラフネス制御量θrough(n)に基づいて要求点火進角値θREを各気筒毎に算出する。すなわち、
θRE = θBASE−θRTD+θrough(n)
となる。
【0114】
続いて、ステップSG16では、点火時期フィードバックフラグFIDFBの値を判別し、FIDFB=1でYESならばステップSG17に進む一方、FIDFB=0でNOならばステップSG20に進む。そして、ステップSG17では、現在のエンジン回転数からアイドル状態における目標回転数を減算して得られる回転数偏差に基づいて、表1に示すマップから点火時期の基本補正値を読込む。この基本補正値は回転数偏差量が大きいほど大きな値に設定されている。
【0115】
【表1】
続いて、ステップSG18では、前記ステップSG15で演算した要求点火進角値θREに基づいて、表2に示すマップからアイドルフィードバック点火時期制御における補正ゲインを読込む。この補正ゲインは、前記要求点火進角値θREに基づく点火時期が遅角側(負の側)にずれるほど、小さな値になるように設定されている。
【0116】
【表2】
そして、ステップSG19では、前記各ステップでそれぞれ演算した基本補正値及び補正ゲインを互いに乗算して、フィードバック制御量θIDFBを算出する。一方、前記ステップSG16で、FIDFB=0でNOと判定されて進んだステップSG20では、点火時期のフィードバック制御は行わないので、フィードバック制御量θIDFB=0として、前記ステップSG21に進む。このステップSG21では、前記各ステップで求めた要求点火進角値θREからフィードバック制御量θIDFBを減算して、点火時期IGT(n)を演算する。すなわち、
IGT(n) = θRE−θIDFB
となる。
【0117】
続いて、ステップSG22では、クランク角センサ30から入力される信号に基づいて、前記ステップSG4、SG6又はステップSG21で演算された点火時期IGT(n)になったことの判定を行い、点火時期になればステップSG23で点火プラグ7に通電して各気筒毎に点火実行し、その後リターンする。
【0118】
つまり、エンジン1の始動中は点火時期を進めて始動性を確保する一方、触媒が見暖機状態になっていて、始動終了状態が判定されたときには(ステップSG2,SG3)、直ちに点火時期の遅角制御による触媒の昇温促進を実行する。その際、エンジン回転数を所定のアイドル回転数に保持するように点火時期を調整するアイドルフィードバック点火時期制御を行うが(ステップSG17〜SG21)、前記点火時期の遅角制御量が大きいほど、アイドルフィードバック点火時期制御のフィードバック補正量を小さくして、制御干渉を低減している。
【0119】
前記図24及び図25に示すローチャート図において、ステップSG2,SG3が始動判定部57に、ステップSG5が触媒暖機判定部36に、また、ステップSG14,SG15,SG21〜23が点火時期制御部37にそれぞれ対応している。また、ステップSG11,SG15が点火時期補正制御部39に、また、ステップSG17〜SG21がアイドルフィードバック点火時期制御部42にそれぞれ対応しており、特に、ステップSG18は点火時期フィードバック制御量補正手段59に対応している。
【0120】
(燃料噴射量の制御)
次に、燃料噴射制御部56による燃料噴射量の具体的な制御手順を、図27に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0121】
同図におけるステップSH1では、O2センサ出力、エンジン回転数、エアフローセンサ出力、スタータ出力等を読込み、続くステップSH2でエンジン1がクランキング中か否かを判定する。そして、クランキング中でないNOならばステップSH5に進む一方、クランキング中でYESであればステップSH3に進んで、エンジン始動時の所定期間であることを示す始動判定フラグFSTの値を1とし、続くステップSH4で、エンジン始動時の所定の噴射パルス幅TSTを噴射パルス幅Ta(n)として算出して、後述のステップSH15に進む。前記噴射パルス幅TSTは、混合気の空燃比が十分にリッチ側になってエンジンの良好な始動性が確保されるような値に設定されている。尚、点火時期の制御と同様、nは1〜4の整数で、それぞれエンジン1の4つのシリンダ2,2,…に対応するものである。
【0122】
一方、前記ステップSH2でクランキング中でないNOと判定されて進んだステップSH5では、前記始動判定フラグFSTの値を判別する。そして、FST=1でないNOならば後述のステップSH10に進む一方、FST=1であればステップSH6に進み、このステップSH6において、エンジン1の始動後増量値Cs及びエンジン水温に対応する水温増量値Cwを演算する。前記始動後増量値Csは、予め設定した初期値(例えば20%)から制御サイクル毎に一定の値を減算して求める。また、前記水温増量値Cwは、エンジン水温に基づいて予め設定したマップから読み出すもので、エンジン始動後の水温上昇に伴い前記始動後増量値Csと同様に徐々に減少する。
【0123】
前記ステップSH6に続くステップSH7では、前記始動後増量値Cs及び水温増量値Cwをそれぞれ所定のしきい値Cs0,Cw0と比較して、両方共にしきい値よりも小さいYESならばステップSH8に進み、前記始動判定フラグFSTをクリアして(FST=0)、ステップSH9に進む。一方、前記始動後増量値Cs及び水温増量値Cwのうちの少なくとも一方がしきい値Cs0,Cw0よりも大きいNOであれば、始動判定フラグFSTをクリアせずに、ステップSH9に進む。そして、ステップSH9では、前回の制御サイクルにおける噴射パルス幅を始動後増量値Cs及び水温増量値Cwにより補正して、今回の噴射パルス幅Ta(n)とし、後述のステップSH15に進む。つまり、エンジン1の始動後しばらくの間は、燃料増量により混合気の空燃比をリッチ側に補正して、燃焼安定化を図っている。
【0124】
これに対し、前記ステップSH5においてFST=1でないNOと判定されて進んだステップSH10では、エンジン1がフィードバック運転領域にあるか否かを判定する。例えば、エンジン1の運転領域が、排気温の上昇を抑制するために燃料を増量するエンリッチ領域以外であり、かつ燃料カット領域以外であって、さらに、前記エンジン1の運転状態が加速運転状態又は減速運転状態のいずれでもなく、加えて、エンジン水温が所定以上(例えば20°C以上)であれば、エンジン1がフィードバック運転領域にあるYESと判定して、ステップSH11に進む。一方、エンジン1がフィードバック運転領域にないNOと判定すればステップSH13に進む。
【0125】
そして、ステップSH11では、O2センサ26が活性化しているか否かを判定し、活性化しているYESならばステップSH12に進んで、O2センサ26からの出力信号に基づいて混合気の空燃比を理論空燃比にフィードバック制御するための空燃比フィードバック補正値Cfbを演算する。一方、O2センサ26が活性化していないNOならばステップSH13に進み、Cfb=0とする。続いて、ステップSH14では、各気筒毎にインジェクタ16に出力する噴射パルス幅Ta(n)を演算する。すなわち、
Ta(n) = KGKF×{1+Cfb }×Ce
となる。尚、KGKFはインジェクタ流量係数で、Ceは吸気充填効率である。
【0126】
そして、前記ステップSH14に続くステップSH15では、クランク角センサ30からの信号に基づいて各気筒毎に燃料噴射タイミングになったことの判定を行い、噴射タイミングになれば、ステップSH16でインジェクタ16の作動により燃料噴射を実行し、その後リターンする。
【0127】
つまり、図26(c)に示すように、エンジン1が完爆状態になって吹け上がってからしばらくの間は、始動後増量値Cs及び水温増量値Cwに応じて混合気の空燃比がリッチ側に補正され(ステップSH6〜SH9)、その後、O2センサ26が活性化すれば(ステップSH11)、該O2センサ26からの信号に基づくフィードバック制御に移行するようにしている。
【0128】
(フィードバック補正値の演算)
次に、前記ステップSH12における空燃比フィードバック補正値Cfbの演算について、図28〜図30に基づいて詳細に説明する。
【0129】
まず、O2センサ26の出力特性を説明すると、図28に示すように、前記O2センサ26の出力(起電力)は、排気中の酸素濃度が混合気の理論空燃比に対応する量であるときに基準値E1になるが、それよりも濃い場合(リッチ側)には急増する一方、それよりも薄い場合(リーン側)には急減するようになっている。つまり、前記Oセンサ26の出力は、混合気の空燃比が理論空燃比であるときを境に反転する。
【0130】
そこで、図29に示すフローチャート図において、ステップSJ1では、O2センサ26からの出力Eを理論空燃比に対応する基準値E1と比較して、E>E1でなければステップSJ5に進む一方、E>E1 であればステップSJ2に進む。このステップSJ2では、前サイクルでO2センサ26の出力Eが基準値E1以下であったか否かの判定を行い、基準値以下であったのであればステップSJ3に進み、空燃比フィードバック補正値Cfbの前回値から比較的大きめの制御ゲインCpを減算して、今回値を算出する。一方、前記出力Eが基準値E1以下でなかったのであればステップSJ4に進んで、空燃比フィードバック補正値Cfbの前回値から比較的小さめの制御ゲインCIを減算して、今回値を算出する。
【0131】
つまり、図30に示すように、O2センサ出力Eが基準値E1よりも大きい間は、制御サイクル毎に空燃比フィードバック補正値Cfbから制御ゲインCp,CIを減算する。このことで、噴射パルス幅Ta(n)が短くなって燃料噴射量が減少し、混合気の空燃比がリーン側へ補正されて、その結果、前記O2センサ26の出力Eが低下して基準値E1に近付くのである。
【0132】
また、混合気の空燃比が理論空燃比以下の値から理論空燃比よりも大きい値に変化したり、また、理論空燃比よりも大きな値から理論空燃比以下の値に変化して、O2センサ26の出力Eが基準値E1を挟んで反転したときには、制御ゲインCpにより空燃比フィードバック補正値Cfbの値を急速に変化させる。一方、前記起電力値Eが反転しないときには、前記空燃比フィードバック補正値Cfbの値を制御ゲインCIにより緩やかに変化させるようにしている。
【0133】
一方、前記ステップSJ2でE>E1でないと判定されて進んだステップSJ5では、前記ステップSJ2〜SJ4と同様に、空燃比フィードバック補正値Cfbを算出する。すなわち、前回の制御サイクルで起電力Eが基準値E1よりも大きかったか否かの判定を行い、E>E1だったのであればステップSJ6に進み、空燃比フィードバック補正値Cfbの前回値に制御ゲインCp を加算して、今回値を算出する一方、E>E1でなかったのであればステップSJ7に進み、空燃比フィードバック補正値Cfbの前回値に制御ゲインCIを加算して、今回値を算出する。
【0134】
つまり、O2センサ出力Eが基準値E1よりも小さい間は、燃比フィードバック補正値Cfbに制御ゲインCp,CIを加算してその値を増大させる。このことで、混合気の空燃比がリッチ側へ補正される結果、前記O2センサ26の出力Eが増大して、基準値E1に近付くのである。また、前記O2センサ26の出力Eが基準値E1を挟んで反転したときには、空燃比フィードバック補正値Cfbの値を急速に変化させる一方、前記出力値Eが反転しないときには、前記空燃比フィードバック補正値Cfbの値を緩やかに変化させるようにする。
【0135】
このように、O2センサ26からの出力信号に基づいてインジェクタ16の燃料噴射量をフィードバック制御することで、図26(c)に示すように、混合気の空燃比は理論空燃比を挟んでリッチ側及びリーン側の両側に周期的に変化し、そのことによって、触媒の浄化せいのうを有効に引き出すことができる。
【0136】
上述のフィードバック補正値の演算における制御ゲインCp,CIの値は、図31に示すように、空燃比フィードバック制御量補正手段60によりエンジン水温に応じて切替えられるようになっている。すなわち、同図のステップSK1では、エンジン水温が所定以下(例えば60°C以下)か否かを判定し、所定以下でYESならばステップSK2に進み、制御ゲインCp,CIの値を、低水温時用の予め小さな値に設定する。一方、エンジン水温が所定以下でないNOならば、ステップSK3に進み、前記低水温時用の値よりも大きな高水温時用の値に設定する(図26(e)参照)。
【0137】
すなわち、エンジン水温が所定以下のエンジン冷機状態では燃料の気化霧化が不十分になるので、制御の時間遅れが増大して制御性が低下するが、この実施形態では、制御ゲインCp,CIを小さく補正することで、制御の不安定化を防止できる。従って、混合気の空燃比は、図26(c)に示すように理論空燃比を挟んでリッチ側及びリーン側の両側に周期的に変化するが、エンジン冷機状態ではその振れ幅は相対的に小さくなっている一方、エンジン水温が高まってエンジン冷機状態でなくなれば、前記振れ幅は相対的に大きくなる。
【0138】
(スワール弁の制御)
次に、スワール弁制御部58によるスワール弁18の具体的な制御手順を、図32に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0139】
まず、同図におけるステップSL1では、アイドル状態になっているか否かを判定する。すなわち、スロットル弁14が全閉になっていて、かつ車両が停止中(車速=0)であれば、アイドル状態でYESと判定してステップSL2に進む一方、アイドル状態でないNOならばステップSL5に進む。前記ステップSL1でアイドル状態と判定されて進んだステップSL2では、エンジン水温が所定以下(例えば60°C以下)であるか否かを判定し、エンジン水温が所定以下のエンジン冷機状態でYESであればステップSL3に進んで、アクチュエータ18aの作動によりスワール弁18を閉状態にさせる。一方、エンジン冷機状態でないNOならばステップSL4に進み、スワール弁18を開状態にさせる。
【0140】
このことで、エンジン水温が所定以下のエンジン冷機状態では、図26(f)に示すようにスワール弁18が閉状態とされ、エンジン1の各気筒毎の燃焼室6でスワールが生成維持されて、燃料と吸気との混合が促進される。このことにより、エンジン冷機状態におけるに燃料の気化霧化の悪化を補って、着火性を良好に維持できる。
【0141】
一方、前記ステップSL1でアイドル状態でないNOと判定されて進んだステップSL5では、例えば図33に示すようなスワール弁作動マップをサーチする。このマップは、エンジン水温、エンジン回転数、及び吸気充填効率に基づいて、スワール弁18の開閉作動を予め規定したもので、スワール弁18は、相対的に低水温側、低回転側、及び低負荷側(吸気充填効率の低い側)で閉状態にされるようになっている。具体的に、前記ステップSL5では現在のエンジン水温及びエンジン回転数に基づいてマップをサーチし、対応する吸気充填効率をしきい値として読み込んで、ステップSL6に進む。
【0142】
ステップSL6では、エンジン1の現在の吸気充填効率を前記ステップSL5で読み込んだしきい値と大小比較して、現在の吸気充填効率がしきい値よりも小さいYESならば、前記ステップSL3に進んで、スワール弁18を閉状態にさせる一方、現在の吸気充填効率がしきい値以上でNOならば、ステップSL7に進んで、スワール弁18を開状態にさせる。
【0143】
すなわち、アイドル状態以外では、エンジン水温、エンジン回転数及びエンジン1の負荷状態に基づいてスワール弁18の開閉制御をしており、エンジン冷機状態では燃料の気化霧化の悪化を補うために、スワール弁18を閉じてスワールを生成維持することで、燃料及び吸気の混合を促進する。一方、高回転域では吸気量を十分に確保するために、また、高負荷域ではエンジン1の出力を十分に確保するために、それぞれスワール弁18を開状態にする。
【0144】
尚、この実施形態においては、ISC制御部41によるISCバルブ21の作動制御は、参考例1の場合(図14参照)と概ね同様に行われる。すなわち、図26(d)に示すように、エンジン1が完爆状態になって吹け上がるまでは、ISCバルブ21は全開状態にされていて、その後、エンジン回転数が冷機状態における目標回転数以下になったとき、即ちアイドルフィードバック点火時期制御を開始するのと同時に、前記実施形態1のISC制御手順と同様の制御手順により、エンジン回転数を目標回転数にフィードバック制御するようにしている。
【0145】
したがって、この実施形態によれば、エンジン1の始動後にエンジン水温が所定以下で触媒が未暖機状態になっていると判定されたとき(SG5)、参考例1と同様に、エンジン1の点火時期を制御して、燃焼安定性を確保しつつ触媒の昇温を促進することができる。しかも、その点火時期制御をエンジン1の始動終了後、直ちに開始することで、触媒の活性化を最短時間で実現できる。
【0146】
また、エンジン回転数が始動判定回転数に達してから所定の判定時間が経過したときにエンジン1の始動終了状態を判定するようにして、エンジン1が完爆状態になって吹け上がるまでは始動性を最優先した点火時期制御を行い、その後、燃焼状態が安定した後に、触媒の昇温を促進する制御を行っているので、最短時間での触媒の活性化を図りつつ、エンジン1の良好な始動性を確保できる。
【0147】
さらに、点火時期の遅角制御により触媒の昇温促進を図るときにも、アイドルフィードバック点火時期制御及びアイドルフィードバック吸気量制御により、エンジン回転数を安定的に保持しつつ、エンジン水温の上昇とともに徐々に低下させるようにしているので、車両の乗員の自然なフィーリングを損なうことがない。しかも、前記アイドルフィードバック点火時期制御におけるフィードバック制御量を小さく補正することで、点火時期の制御の干渉に伴うハンチング等の悪影響を低減できる。
【0148】
加えて、この実施形態では、排気通路25にO2センサ26を配設し、エンジン始動後に前記O2センサ26が正常作動可能な活性化状態になったとき、該O2センサ26からの出力信号に基づいて混合気の空燃比を略理論空燃比にフィードバック制御するようにしている。このことにより、混合気の空燃比を高精度に理論空燃比に制御できるので、触媒が未暖機状態であってもHCやCOの排出量を低減できる。
(他の実施形態)
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。例えば、前記実施形態では触媒の未暖機状態をエンジン水温に基づいて判定するようにしているが、これに限らず、例えば排気通路25における触媒コンバータ27の近傍に温度センサを設けて、直接、触媒の未暖機状態を判定するようにしてもよい。
【0149】
さらに、前記実施形態では、回転変動状態の検出及び点火時期の制御を、各気筒毎に行うようにしているが、これに限らず、全部の気筒をまとめて制御するようにしてもよい。
【0150】
また、前記参考例2では、供給される燃料が重質燃料であると判定したときに、点火時期の遅角量を抑制することでエンジン1の燃焼安定化を図るようにしているが、これに限らず、重質燃料が供給される場合にはエンジン1の昇温促進のための点火時期の遅角を行わないようにしてもよい。
【0151】
さらにまた、前記実施形態において、触媒の昇温促進制御をエンジン水温が所定温度(例えば0°C〜−7°Cの範囲の設定温度)以上のときにのみ実行するようにしてもよい。そのようにすれば、例えば寒冷地等における極低温状態のエンジン始動時で燃料の気化霧化が極めて悪い場合には、燃焼状態の安定化を最優先することができ、エンジン1の燃焼状態が不安定になった場合の排気有害成分の急増等の不測の不具合を未然に防止できる。
【0152】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明におけるエンジンの制御装置によれば、触媒の未暖機状態で、少なくともエンジンの点火時期を遅角側に変更して触媒の昇温を促進するとき、エンジンの実際の回転変動状態を検出して、その回転変動状態に応じてエンジンの燃焼状態を制御することで、エンジンの燃焼安定性を確保しつつ点火時期を最大限に遅角させて、触媒の昇温促進効果を最大限に高めることができる。また、その効果を燃料の質に依らず得ることができる。さらに、エンジンの始動終了後、直ちに触媒の昇温促進のための制御を開始して、最短時間で触媒を活性化できるとともに、エンジンの良好な始動性を確保できる。
【0153】
加えて、触媒の早期昇温とその間の排気有害成分の排出量の低減化との両立が可能になるとともに、点火時期の制御の干渉に伴うハンチング等の悪影響を低減しつつ、応答性の早い点火時期の制御によりエンジンの回転変動を抑制できる。
【0154】
請求項記載の発明によれば、空燃比センサの検出値に基づいてフィードバック制御することで、空燃比制御の精度を高めて、排気有害成分の排出濃度を十分に低減できる。
【0155】
請求項記載の発明によれば、エンジン冷機状態で空燃比センサのゲインを小さく補正することで、空燃比フィードバック制御の不安定化を防止できる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1に係るエンジンの制御装置を示す全体構成図である。
【図2】 前記参考例1のECUの機能ブロック図である。
【図3】 点火時期の制御手順を示すフローチャート図である。
【図4】 ラフネス制御量の演算における、角速度変動の検出とラフネス制御ゲインの設定を示すフローチャート図である。
【図5】 ラフネス制御量の積分演算と、学習制御とを示すフローチャート図である。
【図6】 4気筒4サイクルエンジンの各気筒の行程と、クランク角の変化に対するトルク及び角速度の変化を示す説明図である。
【図7】 燃焼圧と角速度変動との相関関係を示す説明図である。
【図8】 クランク角検出のための、被検出プレート及びクランク角センサの概略構成を示す図である。
【図9】 ノイズ的要素による角速度変動を示す図である。
【図10】 検出した角速度のデータからエンジン回転の0.5次及びその整数倍の成分を除去する処理を行った後のデータを示す図である。
【図11】 前記データからエンジン回転の0.5次より低い周波数成分を除去するハイパスフィルタとしての処理を行った後のデータを示す図である。
【図12】 燃料の重質度合いに対応してラフネス制御ゲインを変更する手順を示すフローチャート図である。
【図13】 前記ラフネス制御ゲインの変更によるラフネス制御量のシフトを示す説明図である。
【図14】 ISC制御の制御手順を示すフローチャート図である。
【図15】 目標回転数に対応する目標充填効率を、通常運転時と昇温促進制御時とのそれぞれについて設定したマップの例を示す説明図である。
【図16】 吸気充填効率の偏差に応じて吸入空気量を変更するためのISCバルブの制御量を設定したマップの例を示す説明図である。
【図17】 点火時期を大幅に遅角させたときの、気筒内圧力のクランク角に対する変化特性を表したグラフである。
【図18】 排気ガス温度及びPi変動率の点火時期に対する変化特性を表したグラフである。
【図19】 本発明の参考例2に係る図2相当図である。
【図20】 参考例2に係る図3相当図である。
【図21】 参考例2における、角速度変動の検出及び昇温促進制御量θRTDの演算を示すフローチャート図である。
【図22】 参考例2における、初期の制御サイクルでの角速度変動の様子を示した説明図である。
【図23】 本発明の実施形態に係る図2相当図である。
【図24】 実施形態における、点火時期制御の前半の制御手順を示すフローチャート図である。
【図25】 実施形態における、点火時期制御の後半の制御手順を示すフローチャート図である。
【図26】 エンジン始動直後のエンジン回転数、点火時期、空燃比等の変化を相関づけて表したタイムチャート図である。
【図27】 燃料噴射制御の制御手順を示すフローチャート図である。
【図28】 O2 センサの出力特性を示す説明図である。
【図29】 空燃比フィードバック補正値の演算手順を示すフローチャート図である。
【図30】 空燃比フィードバック補正値の変更とO2 センサ出力との対応関係を示した説明図である。
【図31】 空燃比フィードバック制御における制御ゲインの切替手順を示すフローチャート図である。
【図32】 スワール弁の開閉制御の手順を示すフローチャート図である。
【図33】 スワール弁作動マップの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
14 スロットル弁
20 バイパス通路(吸入空気量可変手段)
21 ISCバルブ(吸入空気量可変手段)
22 アイドルスイッチ(アイドル状態検出手段)
25 排気通路
26 O2センサ(空燃比センサ)
27 触媒コンバータ
36 触媒暖機判定部(触媒暖機判定手段)
37 点火時期制御部(昇温促進制御手段)
38 ラフネス検出部(ラフネス検出手段)
39 点火時期補正制御部(燃焼制御手段)
40 学習制御部(学習制御手段)
41 ISC制御部(アイドル制御手段、アイドルフィードバック吸気量制御手段)
42 アイドルフィードバック点火時期制御部
51 重質燃料判定部(重質度合い判定手段)
52 抑制制御部(抑制制御手段)
56 燃料噴射制御部(空燃比制御手段)
57 始動判定部(始動判定手段)
58 スワール弁制御部(燃焼制御手段)
59 点火時期フィードバック制御量補正手段
60 空燃比フィードバック制御量補正手段

Claims (3)

  1. 排気通路に配設された排気ガス浄化用触媒コンバータの触媒が未暖機状態になっているとき、該触媒の昇温を促進させるように、少なくともエンジンの点火時期を、最大トルクを発生する点火時期から遅角側に変更させる昇温促進制御手段が設けられているエンジンの制御装置において、
    エンジンの回転変動状態を検出するラフネス検出手段と、
    触媒の未暖機状態で、前記ラフネス検出手段により検出される回転変動状態がエンジンの燃焼安定限界内に収まるように、該エンジンの点火時期、空燃比及び燃焼室の吸気流動状態のうち少なくとも点火時期を制御する燃焼制御手段と、
    エンジン回転数が設定アイドル回転数よりも低い設定始動判定回転数以上に達した状態で、所定の判定時間が経過したとき、エンジンの始動終了状態を判定する始動判定手段と、を備え、
    前記昇温促進制御手段及び燃焼制御手段は、それぞれ前記始動判定手段によりエンジンの始動終了状態が判定されたときに直ちに制御を開始するように構成されており、
    さらに、スロットル弁をバイパスしてエンジンへの吸入空気量を増減させる吸入空気量可変手段と、
    エンジンのアイドル状態を検出するアイドル状態検出手段と、
    前記アイドル状態検出手段によりエンジンのアイドル状態が検出されたとき、前記吸入空気量可変手段の作動によりエンジン回転数を設定アイドル回転数にフィードバック制御するアイドルフィードバック吸気量制御手段と、
    前記アイドル状態検出手段によりエンジンのアイドル状態が検出されたとき、点火時期の調整によりエンジン回転数を前記設定アイドル回転数にフィードバック制御するアイドルフィードバック点火時期制御手段と、
    前記アイドル状態検出手段によりエンジンのアイドル状態が検出され、かつ昇温促進制御手段による点火時期の遅角制御が行われるとき、前記アイドルフィードバック点火時期制御手段によるフィードバック制御量を小さく補正する点火時期フィードバック制御量補正手段とを備えていることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1において、
    エンジン始動後に正常作動可能な活性化状態になって、排気中の酸素濃度に基づいて混合気の空燃比を検出する空燃比センサと、
    前記空燃比センサによる検出値に基づいて、混合気の空燃比を理論空燃比近傍の所定の目標値になるようにフィードバック制御する空燃比制御手段とを備えていることを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 請求項において、
    エンジン水温が所定以下のエンジン冷機状態で、空燃比制御手段によるフィードバック制御量を小さく補正する空燃比フィードバック制御量補正手段を備えていることを特徴とするエンジンの制御装置
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