JPH11280629A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JPH11280629A
JPH11280629A JP10087287A JP8728798A JPH11280629A JP H11280629 A JPH11280629 A JP H11280629A JP 10087287 A JP10087287 A JP 10087287A JP 8728798 A JP8728798 A JP 8728798A JP H11280629 A JPH11280629 A JP H11280629A
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JP
Japan
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engine
ignition timing
roughness
range
rough
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Application number
JP10087287A
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English (en)
Inventor
Koji Miyamoto
浩二 宮本
Takahisa Ishihara
隆久 石原
Eiji Nishimura
栄持 西村
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P5/00Advancing or retarding ignition; Control therefor
    • F02P5/04Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions
    • F02P5/145Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions using electrical means
    • F02P5/15Digital data processing
    • F02P5/1502Digital data processing using one central computing unit
    • F02P5/1506Digital data processing using one central computing unit with particular means during starting
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/021Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine
    • F02D41/0215Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine in relation with elements of the transmission
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    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルクコンバータ付き自動変速機に接続さ
れ、冷間始動時に点火時期を遅角させることにより排気
ガス浄化触媒の昇温を図るようにしたエンジンに対し
て、停車時においても、走行性能を高めつつ排気ガス浄
化触媒を早期に昇温させることができる手段を提供す
る。 【解決手段】 A/T車のエンジンシステムAにおいて
は、冷間始動時には点火時期が大幅に遅角され、触媒コ
ンバータ27の昇温が促進される。ここで、アイドル時
(停車時)において、トルク変動がもともと小さいDレ
ンジでは、トルク変動が比較的大きいNレンジの場合よ
りも点火時期の遅角量が大きくされ、排気ガス浄化触媒
の昇温が促進される。また、非アイドル時には、遅角量
が小さくされ、出力トルクが高められ、走行性能が高め
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータ
付き自動変速機に接続され、冷間始動時に点火時期を遅
角させることにより排気ガス浄化触媒の昇温を促進する
とともに、ラフネス制御によりトルク変動(ラフネス)
を安定化するようにしたエンジンの制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジンにおいては、
排気ガスを浄化するために、排気ガス浄化触媒を備えた
触媒コンバータが排気通路に介設されている。そして、
かかる排気ガス浄化触媒としては、従来よりHCとCO
とNOxとを同時に浄化することができる三元触媒が広
く用いられているが、三元触媒は低温時には触媒活性が
比較的低く、排気ガス浄化性能を十分には発揮すること
ができないといった特徴をもつ。したがって、排気ガス
浄化触媒として三元触媒を用いた触媒コンバータでは、
エンジンが冷機状態から始動されたとき(冷間始動時)
には、エンジン始動後に排気ガス温度を迅速に高め、こ
れにより排気ガス浄化触媒の昇温(活性化)を促進する
必要がある。なお、排気ガス浄化触媒を加熱する電気ヒ
ーターを設けて排気ガス浄化触媒の昇温を促進するとい
った対応も考えられるが、このようにすると、コストア
ップを招くとともに電力消費量が増大するといった問題
が生じる。
【0003】そこで、エンジンの冷間始動時には、点火
時期を大幅に遅角させて排気ガス温度の上昇を促進する
ようにしたエンジンシステムが提案されている(例え
ば、特開平8−218995号公報参照)。すなわち、
このように点火時期を大幅に遅角させると、燃焼室内の
混合気の着火・燃焼により生じた熱エネルギーの力学的
エネルギーへの変換率が低くなり、その分、排気ガスに
伝達される熱エネルギーが増加し、排気ガスの昇温ひい
ては排気ガス浄化触媒の昇温が促進されることになる。
【0004】しかしながら、排気ガス浄化触媒の昇温を
促進するために、点火時期を大幅に遅角させると、エン
ジンの出力トルクが低下するとともに燃焼性が不安定と
なるので、低出力時(低負荷・低回転時)、例えばアイ
ドル時等にはトルク変動(ラフネス)が大きくなり、エ
ンジンの円滑な運転が損なわれるといった問題が生じ
る。そこで、例えば特開平8−218995号公報に開
示されたエンジンシステムのような、冷間始動時に排気
ガス温度を迅速に高めるために点火時期を大幅に遅角さ
せるようにしたエンジンシステムでは、所定の低出力領
域では、トルク変動が許容限界内に収まるようエンジン
の出力トルクを制御するといったラフネス制御を行うよ
うにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、自
動車においては、エンジンの出力トルクは、変速機に伝
達され該変速機で変速された後車輪側に出力される。し
たがって、エンジンの回転状態ないしはトルク変動は、
変速機の状態によって影響を受けることになる。このた
め、エンジンのラフネス制御を行う上においては、変速
機の状態をも考慮する必要がある。そこで、例えば特開
平5−1614号公報には、走行時に目標ラフネス値を
マニュアルトランスミッションのギヤ位置により変更す
るようにしたエンジンの制御装置が開示されている。
【0006】しかしながら、特開平5−1614号公報
に開示された従来のエンジンの制御装置では、マニュア
ルトランスミッション付きの自動車の走行時におけるラ
フネス制御の制御精度は高めることができるものの、近
年普及しているトルクコンバータ付き自動変速機を備え
た自動車、いわゆるオートマチック車(AT車)におけ
るエンジンのラフネス制御にはさほど有効でないといっ
た問題があり、また停車時におけるラフネス制御につい
てはとくに示唆するところはない。
【0007】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、トルクコンバータ付き自動変
速機に接続され、冷間始動時に点火時期を遅角させるこ
とにより排気ガス浄化触媒の昇温を図るようにしたエン
ジンに対して、走行時はもとより停車時においても、燃
費性能及び走行性能を高めつつ、排気ガス浄化触媒を早
期に昇温させることができる手段を提供することを解決
すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明は、(a)排気通路に介設され、排気
ガスを浄化する排気ガス浄化触媒(例えば、三元触媒)
を備えた触媒コンバータと、(b)触媒コンバータが未
暖機状態にあるときには、点火時期を、最大トルクが得
られる点火時期(MBT)よりも遅角側の領域内で遅角
させる点火時期制御手段とが設けられ、(c)エンジン
出力軸が、トルクコンバータを備えた自動変速機に接続
されているエンジンの制御装置において、(d)点火時
期制御手段が、低回転状態において自動変速機が走行レ
ンジ(Dレンジ)にあるときにはニュートラルレンジ
(Nレンジ)にあるときよりも点火時期の遅角量を大き
くするようになっていることを特徴とするものである。
ここで、上記低回転状態としては、例えばがアイドル状
態があげられる。
【0009】一般に、トルクコンバータ付き自動変速機
を備えたAT車では、停車時においてエンジンが同一の
回転数域にある場合でも、エンジンがトルクコンバータ
に接続されるDレンジでは、トルクコンバータに接続さ
れないNレンジに比べて慣性質量が大きくなる。このた
め、DレンジではNレンジに比べてエンジンのトルク変
動が小さくなる。つまり、Dレンジでは、Nレンジに比
べて、トルク変動を増加させることなく点火時期の遅角
量をより大きくすることができ、したがって冷間始動時
における排気ガス浄化触媒の昇温をより促進することが
可能となる。
【0010】そこで、このエンジンの制御装置において
は、このような事情を考慮して、低回転状態ないしはア
イドル状態において、自動変速機がDレンジにあるとき
にはNレンジにあるときよりも点火時期の遅角量を大き
くしている。このため、排気ガス浄化触媒の早期昇温す
なわち早期活性化が図られ、エミッション性能が良好と
なる。
【0011】上記エンジンの制御装置においては、低回
転状態ないしはアイドル状態では、燃焼に起因するトル
ク変動状態(ラフネス)が許容限度内に収まるように点
火時期を補正してラフネス制御を行うラフネス制御手段
が設けられ、該ラフネス制御手段の点火時期の補正にお
ける遅角許容特性が、DレンジではNレンジよりも、遅
角を促進することができる値に設定されているのが好ま
しい。ここで、遅角許容特性としては、トルク変動状態
がそれ以上となったときには遅角を抑制するしきい値を
用いるのが好ましい。このようにすれば、エンジンの回
転安定性を損なうことなく、排気ガス浄化触媒の早期昇
温すなわち早期活性化を図ることができる。さらに、D
レンジでは、トルク変動状態を悪化させることなく点火
時期をより遅角させることができるので、排気ガス浄化
触媒の昇温を一層促進することができる。
【0012】上記エンジンの制御装置においては、基本
点火時期のエンジン温度に対する依存特性がアイドル時
と非アイドル時(オフアイドル時)とで個別に設定さ
れ、アイドル時における上記しきい値が、Dレンジでは
Nレンジよりも大きい(高い)値に設定されているのが
好ましい。なお、この場合、基本点火時期はDレンジで
もNレンジでも同一であるが、点火時期の補正量がDレ
ンジかNレンジかで異なることになる。このようにすれ
ば、Dレンジではしきい値が大きいので点火時期がより
遅角され、トルク変動状態を悪化させることなく、排気
ガス浄化触媒の昇温をさらに促進することができる。
【0013】さらには、上記しきい値が、アイドル時に
おけるDレンジ、アイドル時におけるNレンジ、非アイ
ドル時の順に小さくなっているのが好ましい。一般に、
非アイドル時には、回転数ないしは負荷が大きくなり、
排気ガス量が増加するとともに排気ガス温度が上昇す
る。したがって、点火時期をさほど遅角させなくても排
気ガス浄化触媒の昇温は十分に促進される。他方、非ア
イドル時には、出力要求が高く、このため点火時期の遅
角を抑制して出力トルクを高めるのが好ましい。そこ
で、このエンジンの制御装置では、上記の3つの状態の
うち、非アイドル時にはしきい値を最も小さくして点火
時期の遅角を抑制し、出力トルクを高めて走行性能を高
めるようにしている。
【0014】他方、アイドル時には、通常、自動車は停
止状態にあるので、出力要求は低く出力トルクはさほど
求められない。そこで、アイドル時には可能な限り点火
時期を遅角させて、排気ガス浄化触媒の昇温を促進する
のが好ましい。そして、前記のとおり、Dレンジではト
ルク変動が小さく、Nレンジの場合よりも点火時期をよ
り遅角させてもトルク変動状態は悪化しない。そこで、
このエンジン制御装置では、DレンジでNレンジよりも
しきい値を大きくして点火時期をより遅角させ、排気ガ
ス浄化触媒の昇温を促進するようにしている。かくし
て、走行時はもとより停車時においても、燃費性能及び
走行性能を高めつつ、排気ガス浄化触媒を早期に昇温さ
せることができる。なお、本発明はラフネス制御を行う
エンジンに対してとくに有効であるが、ラフネス制御を
行わないエンジン、例えばエンジン水温に応じて点火時
期を遅角させるが(Nレンジ、Dレンジ、非アイドル毎
に)、ラフネス制御は行わないエンジンについても有効
であるのはもちろんである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。図2に示すように、AT車用のパワート
レインPTにおいては、エンジンシステムA(エンジン
1)のエンジン出力軸から出力されたトルク(エンジン
トルク)が、トルクコンバータB及び歯車式変速機構C
からなる自動変速機Tで変速された後、車輪側に出力さ
れるようになっている。この自動変速機Tは、詳しくは
図示していないが、シフトレバーを操作することによ
り、Pレンジ(駐車レンジ)、Rレンジ(後退レン
ジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)、Dレンジ(走
行レンジ)、2レンジ及び1レンジのうちのいずれか1
つを任意に選択することができるようになっている。ま
た、自動変速機Tには、インヒビタスイッチS(D/N
レンジ検出スイッチ)が付設され、該自動変速機TがD
レンジ又はNレンジにあるときには、該レンジを検出す
ることができるようになっている。
【0016】ここで、シフトレバーをNレンジにセット
したときには、エンジン出力軸は実質的にはトルクコン
バータBないし歯車式変速機構Cには接続されず、エン
ジン1に対する負荷が軽減され、燃費性能が高められる
ようになっている。このNレンジは、通常は停車時に使
用されるレンジである。また、シフトレバーがDレン
ジ、Rレンジ、2レンジ又は1レンジにセットされたと
きには、エンジン出力軸はトルクコンバータBを介して
歯車式変速機構Cに接続され、エンジン出力軸のトルク
は車輪側に伝達される。したがって、ブレーキペダルか
ら足を離せば、該車両は前進又は後退する。しかしなが
ら、ブレーキを踏んでいるときには該車両は停止する。
【0017】図1に示すように、本発明にかかる制御装
置を備えたエンジンシステムAには、ガソリンを燃料と
する直列4気筒型の4サイクルエンジン1が設けられて
いる。このエンジン1には、詳しくは図示していない
が、4つの気筒2(1つのみ図示)を備えたシリンダブ
ロック3と、該シリンダブロック3の上面に組付けられ
たシリンダヘッド4とが設けられている。そして、各気
筒2内にはそれぞれ、往復動可能にピストン5が嵌入さ
れ、ピストン5とシリンダヘッド4とによって燃焼室6
が画成されている。また、各燃焼室6の天井部にはそれ
ぞれ点火プラグ7が臨設され、この点火プラグ7は、点
火時期の電子制御が可能なイグナイタ等を含む点火回路
8に接続されている。
【0018】さらに、このエンジンシステムAには、各
気筒2の燃焼室6にエア(吸気)を供給するために、大
気中からエアを取り入れる単一の共通吸気通路9と、該
共通吸気通路9からエアを受け入れる各気筒毎の独立吸
気通路10とが設けられている。ここで、共通吸気通路
9の上流端は、エア中のダストを除去するエアクリーナ
11に接続され、下流端はエアの流れを安定させるサー
ジタンク15に接続されている。また、各独立吸気通路
10の上流端はそれぞれサージタンク15に接続され、
下流端はそれぞれ吸気弁12を介して燃焼室6と連通し
ている。
【0019】そして、共通吸気通路9には、エアの流れ
方向(図1中の位置関係では左向き)にみて上流側から
順に、エアの流量(エンジン1に実際に吸入される吸入
空気量)を検出するホットワイヤ式のエアフローセンサ
13と、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応
じて開閉されて共通吸気通路9を絞るスロットル弁14
とが設けられている。また、各独立吸気通路10にはそ
れぞれ、後で説明するECU35(エンジン・コントロ
ール・ユニット)からの燃料噴射信号(噴射パルス)を受
けて燃料を噴射するインジェクタ16(燃料噴射弁)が
設けられている。なお、エアクリーナ11には、吸気温
(エアの温度)を検出する吸気温センサ17が付設され
ている。
【0020】各独立吸気通路10は、その下流端近傍で
は、図示していない第1吸気通路(吸気ポート)と第2吸
気通路10a(吸気ポート)とに分岐され、第1と第2
の両吸気通路の分岐部の上流でインジェクタ16の直上
流には、アクチュエータ18aによって開閉駆動される
開閉弁18(吸気流動強化制御弁)が配設されている。
ここで、開閉弁18は、閉弁時にインジェクタ16側に
吸気を流通させる間隙部が形成されるよう、閉弁時にお
ける上端部側が切欠かれている。開閉弁18が閉じられ
たときには、エアは実質的にこの切欠かれた切欠き部か
ら燃焼室6に供給され、このとき燃焼室6内に強いタン
ブルが生成され、混合気の燃焼性が高められる。
【0021】共通吸気通路9の、スロットル弁14より
上流側の部分と下流側の部分とは、ISC(Idle Speed
Control)バイパス通路20により接続され、該ISC
バイパス通路20には、アクチュエータ21aによって
開閉駆動されて該ISCバイパス通路20を開閉するI
SCバルブ21が設けられている。このISCバルブ2
1の開度を制御することにより、エンジン1のアイドル
回転数が制御されるようになっている。なお、スロット
ル弁14の近傍において共通吸気通路9には、スロット
ル弁14の全閉状態を検出するアイドルスイッチ22
と、スロットル弁14の開度(スロットル開度)を検出
するスロットル開度センサ23とが設けられている。
【0022】さらに、エンジンシステムAには、エンジ
ン1の排気ガスを大気中に排出する排気通路25が設け
られ、この排気通路25は、排気ガスの流れ方向(図1
中の位置関係では左向き)にみて上流端付近では4つに
分岐され、これらの各上流端(排気ポート)はそれぞれ
排気弁24を介して、対応する燃焼室6と連通してい
る。そして、排気通路25には、排気ガスの流れ方向に
みて上流側から順に、排気ガス中の酸素濃度(ひいては
空燃比)を検出するO2センサ26(λO2センサ、リニ
アO2センサ等)と、排気ガスを浄化する触媒コンバー
タ27とが配設されている。O2センサ26は、排気ガ
ス中の酸素濃度に基づいて燃焼室6内の空燃比を検出す
るようになっている。なお、λO2センサは、理論空燃
比(λ=1)付近で出力が急変し、実質的に空燃比が理
論空燃比より高いか低いかを検出する形式のO2センサ
である。また、リニアO2センサは、基本的にはO2濃度
をリニアに検出することができる形式のO2センサであ
るが、とくに理論空燃比付近でのO2濃度の検出精度が
高くなる(すなわち、O2濃度の変化に対する出力変化
が大きい)。触媒コンバータ27は、排気ガス中の炭化
水素(HC)と一酸化炭素(CO)と窒素酸化物(NOx)と
を同時に浄化することができる三元触媒を排気ガス浄化
触媒として用いたものであり、リーン状態でもNOxを
浄化する性能を有するものが用いられている。
【0023】また、エンジン1には、電磁ピックアップ
等からなるクランク角センサ30が設けられている。こ
のクランク角センサ30は、図示していないクランク軸
の端部に取り付けられた被検出用プレート31の外周に
対応する位置に配置され、クランク軸の回転に伴って被
検出用プレート31が回転したときには、その外周部に
設けられた4つの突起部31aの通過に伴ってパルス信
号を出力するようになっている。さらに、エンジン1に
は、ウォータジャケット内の冷却水の温度(エンジン水
温)を検出する水温センサ32が設けられている。
【0024】そして、エンジンシステムAないしエンジ
ン1の各種制御を行うために、マイクロコンピュータ等
からなるECU35(エンジン・コントロール・ユニッ
ト)が設けられている。図3にも示すように、このEC
U35には、エアフローセンサ13、吸気温センサ1
7、アイドルスイッチ22、スロットル開度センサ2
3、O2センサ26、クランク角センサ30、水温セン
サ32、インヒビタスイッチS(D/Nレンジ検出スイ
ッチ)等の各出力信号が入力されるようになっている。
他方、ECU35からは、インジェクタ16に対して燃
料噴射を制御する信号(パルス信号)が出力されるととも
に、点火回路8に対して点火時期を制御する信号が出力
され、さらにISCバルブ21のアクチュエータ21a
及び開閉弁18のアクチュエータ18aにも制御信号が
出力されるようになっている。
【0025】具体的には、ECU35には、開閉弁18
のアクチュエータ18aを制御する開閉弁制御部36
と、エンジン1のクランク角速度変動状態ないしはトル
ク変動状態(以下、これを「ラフネス」ないしは「ラフ
ネス値」という)を検出するラフネス検出部37と、イ
ンジェクタ16の燃料噴射量すなわち空燃比を制御する
空燃比制御部38と、点火回路8ないしは点火プラグ7
の点火時期を制御する点火時期制御部39と、ISCバ
ルブ21のアクチュエータ21aを制御するISC制御
部40とが設けられている。
【0026】以下、ECU35によって実行されるエン
ジンシステムAないしはエンジン1の各種制御の概要を
説明する。すなわち、開閉弁制御部36は、所定の低出
力領域(低負荷・低回転領域)では、各気筒2のアクチ
ュエータ18aに開閉弁18をほぼ閉じさせ、実質的に
切欠き部から燃焼室6にエアを供給させる。例えば、図
15に示すように、この開閉弁閉弁領域(低出力領域)
は、エンジン回転数と、吸気充填効率(エンジン負荷)
と、エンジン水温とに応じて設定される。なお、この開
閉弁閉弁領域は、エンジン回転数と吸気充填効率とエン
ジン水温とをパラメータとするマップを検索することに
より設定される。
【0027】このとき燃焼室6内には強いタンブルが形
成されて吸気流動が強化され、これによって混合気の燃
焼性が大幅に高められる。このとき、開閉弁18の切欠
き部を介して燃焼室6に流入する高速のエアによって、
インジェクタ16から噴射された燃料の気化・霧化が促
進され、これによっても混合気の燃焼性が高められる。
他方、エンジン1の運転状態が上記所定の低出力領域に
入っていないときには開閉弁18が開かれ、燃焼室6に
十分な量のエアが供給され、吸気充填効率ひいてはエン
ジン出力が高められる。
【0028】ラフネス検出部37は、後で説明するよう
に、エンジン1のラフネス値を検出し、このラフネス値
を空燃比制御部38及び点火時期制御部39に出力す
る。そして、空燃比制御部38及び点火時期制御部39
は、通常の空燃比制御及び点火時期制御を行う一方、後
で説明するラフネス制御(図4〜図10参照)を行うよ
うになっている。
【0029】空燃比制御部38は、基本的には、エアフ
ローセンサ13によって検出される吸入空気量に基づい
て、各燃焼室6に供給される混合気の空燃比が所定の目
標空燃比(例えば、λ=1、A/F=14.7)となる
ようインジェクタ16の燃料噴射量を制御する。そし
て、所定の運転領域では、O2センサ26によって検出
される排気ガス中のO2濃度すなわち実際の空燃比の目
標空燃比に対する偏差に基づいて、空燃比のフィードバ
ック制御を行うようになっている。なお、後で説明する
ように、空燃比制御部38は、冷間始動時には、エンジ
ン1の運転状態に応じて適宜、空燃比をリッチ側に変化
させて触媒コンバータ27内の三元触媒の昇温を促進す
るようになっている。さらに、空燃比制御部38は、エ
ンジン1の冷間始動時に、空燃比(基本値)を変化させ
る(補正する)ことによりA/Fラフネス制御を行うよ
うになっている。
【0030】点火時期制御部39は、基本的には、次の
式1ないしは式1’により、各気筒2の点火時期IGT
(n)を演算し、該点火時期IGT(n)に点火プラグ
7に通電させて燃焼室6内の混合気を着火・燃焼させる
ようになっている。
【数1】 IGT(n)=θBASE −θIDFB −θRTD +θrough(n)………………式1 IGT(n)=θBASE −θIDFB −θRTD +θ'rough(n) ……………式1' なお、式1において、nは1〜4の整数であり、それぞ
れエンジン1の4つの気筒の点火順にみた気筒番号に対
応している。例えば、n=1が第1気筒に対応する場合
は、n=2は第3気筒に対応し、n=3は第4気筒に対
応し、n=4は第2気筒に対応する。
【0031】式1において、θBASE は基本点火時期す
なわち点火時期の基本設定値であって、通常は、各気筒
毎にMBT、すなわちエンジン1が最大トルクを出力す
る点火時期(例えば、上死点前10°であり)よりも若干
遅角側に、図示していない基本点火時期設定マップを用
いて、エンジン回転数及び吸気充填効率に応じて設定さ
れる。なお、この基本点火時期θBASEは、後で説明する
ように、アイドル時と非アイドル時(オフアイドル時)
とで、それぞれの運転状態に適するように個別に設定さ
れる。
【0032】式1において、θIDFBはアイドル時におい
てエンジン回転数(アイドル回転数)を目標アイドル回
転数に追従するようフィードバック制御するための点火
時期のフィードバック制御量(補正量)である。例え
ば、図18に示すように、目標アイドル回転数は、エン
ジン水温(エンジン温度)に応じて、エンジン水温の上
昇に伴ってリニアに低下するような特性で設定されてい
る。なお、エンジン1が暖機状態となったとき、例えば
エンジン水温が60°Cを超えたときには、目標アイド
ル回転数は例えば650〜700r.p.m.の範囲内の
一定値とされる。
【0033】例えば、図19に示すように、フィードバ
ック制御量θIDFBは、アイドル時におけるエンジン回転
数(アイドル回転数)の目標アイドル回転数に対する偏
差に応じて好ましく設定される。図19から明らかなと
おり、例えばアイドル回転数が目標アイドル回転数より
高いとき(偏差が+)にはθIDFBが遅角方向に変化させ
られ、これによりエンジン1の出力トルクが低下し、ア
イドル回転数が低下して目標アイドル回転数に近づく。
他方、アイドル回転数が目標アイドル回転数より低いと
き(偏差が−)にはθIDFBが進角方向に変化させられ、
これによりエンジン1の出力トルクが上昇し、アイドル
回転数が上昇して目標アイドル回転数に近づく。例え
ば、図20に示すように、MBT(出力トルクが最大と
なる点火時期)より遅角側では、点火時期が遅角するほ
どエンジン1の出力トルクが低下するので、このように
点火時期を進角又は遅角させることによりアイドル回転
数を制御することができる。
【0034】また、式1において、θRTDは昇温促進制
御量である。このエンジンシステムAないしエンジン1
では、冷機状態から始動する場合、すなわち冷間始動時
には、点火時期を大幅に遅角させ(例えば、概ね15°
CA)、これにより混合気の燃焼によって生じた熱エネ
ルギのエンジン冷却水あるいは排気ガスへの伝達率を高
めて、エンジン1の暖機を促進するとともに、排気ガス
温度の昇温を促進して触媒コンバータ27内の三元触媒
の昇温を促進するといった触媒昇温促進制御を行うよう
にしている。
【0035】例えば、図21中のグラフG1で示すよう
に、エンジン水温が非常に低い場合を除いて、昇温促進
制御量θRTDはエンジン水温に応じて大幅に遅角側に設
定され、これによってエンジン1の暖機ないしは触媒コ
ンバータ27内の三元触媒の昇温が促進される。これに
より、エンジンシステムAないしはエンジン1のエミッ
ション性能及び燃費性能が高められる。
【0036】しかしながら、このように点火時期を大幅
に遅角させてエンジン1の暖機ないしは触媒コンバータ
27内の三元触媒の昇温を促進した場合、エンジン1の
出力トルクが比較的低くなるので、燃料の性状(重質か
軽質か)、燃焼室6内での混合気の燃焼状態の変動等に
起因してクランク角速度変動ないしはトルク変動(ラフ
ネス)が生じ、エンジン1の円滑な運転が損なわれる場
合がある。そこで、式1又は式1’に示すように、(θ
BASE −θIDFB −θRTD)で演算された基本的な点火時
期(基本値)をさらにIGラフネス制御量θrough(n)
又はθ'rough(n)で補正して、ラフネスを抑制するよう
にしている。なお、このIGラフネス制御量θ
rough(n)又はθ'rough(n)は、後で説明するラフネス
制御ルーチン(図4〜図10)で設定される。
【0037】かくして、点火時期制御部39は、クラン
ク角センサ30から入力される信号に基づいて、点火時
期IGT(n)になったか否かを判定し、点火時期になっ
た時点で点火回路8に点火プラグ7に通電させ、各気筒
毎に混合気を着火・燃焼させる。なお、ISC制御部4
0は、よく知られた普通のISC制御手法を用いて、I
SCバイパス通路20内を流れるバイパスエアの流量を
制御する。
【0038】前記のとおり、このエンジンシステムAな
いしエンジン1では、冷間始動時に、基本的には点火時
期の大幅な遅角により触媒コンバータ27内の三元触媒
の昇温を促進するといった触媒昇温促進制御を行うよう
にしているが、以下これについて説明する。
【0039】このAT車ないしパワートレインPTにお
いては、エンジン1の出力トルクは、トルクコンバータ
B及び歯車式変速機構Cからなる自動変速機Tで変速さ
れた後車輪側に出力される。したがって、エンジン1の
回転状態ないしはトルク変動は、自動変速機Tの状態
(レンジ)によって影響を受けることになる。そこで、
この触媒昇温促進制御では、自動変速機Tのレンジの影
響を考慮して、エンジン1の回転安定性を確保しつつ、
可能な限り点火時期を遅角させて触媒コンバータ27内
の三元触媒の昇温を促進するようにしている。
【0040】具体的には、この触媒昇温促進制御では、
基本的には、冷間始動時において触媒コンバータ27内
の三元触媒が十分に昇温されていないときには、点火時
期を、MBT(最大トルクが得られる点火時期)よりも
遅角側の領域内で遅角させるようにした上で、アイドル
状態で自動変速機TがDレンジにあるときにはNレンジ
にあるときよりも点火時期の遅角量を大きくするように
している。
【0041】すなわち、このパワートレインPTでは、
停車時においてエンジン1が同一の回転数域にある場合
でも、エンジン1がトルクコンバータBないし歯車式変
速機構Cに接続されるDレンジでは、トルクコンバータ
Bないし歯車式変速機構Cに接続されないNレンジに比
べて慣性質量が大きくなる。このため、DレンジではN
レンジに比べてもともとエンジン1のトルク変動が小さ
い。つまり、Dレンジでは、Nレンジに比べて、トルク
変動を増加させることなく点火時期の遅角量をより大き
くすることができ、したがって冷間始動時における排気
ガス浄化触媒の昇温をより促進することが可能となる。
【0042】そこで、この触媒昇温促進制御において
は、このような事情を考慮して、アイドル状態において
は、自動変速機TがDレンジにあるときにはNレンジに
あるときよりも点火時期の遅角量を大きくしている。こ
のため、排気ガス浄化触媒の早期昇温すなわち早期活性
化が図られ、エミッション性能が良好となる。さらに、
非アイドル時(オフアイドル時)には、アイドル時
(N、Dレンジ)よりも点火時期の遅角量を小さくする
ようにしている。つまり、点火時期の遅角量は、アイド
ル時におけるDレンジの場合が最も大きく、次にアイド
ル時におけるNレンジの場合が大きく、非アイドルの場
合は最も小さくなる。つまり、点火時期の遅角量は、例
えば図22に示すような特性で、マップを用いて、エン
ジン回転数と吸気充填量(エンジン負荷)とに応じて設
定される。なお、ECU35内には、例えば図23に示
すような形態で点火時期の遅角量を設定するためのマッ
プが格納されている。
【0043】一般に非アイドル時には、回転数ないしは
負荷が大きくなり、排気ガス量が増加するとともに排気
ガス温度が上昇する。したがって、点火時期をさほど遅
角させなくても触媒コンバータ27内の三元触媒の昇温
は十分に促進される。他方、非アイドル時には、出力要
求が高く、このため点火時期の遅角を抑制して出力トル
クを高めるのが好ましい。そこで、この触媒昇温促進制
御では、非アイドル時には点火時期の遅角量を最も小さ
くして点火時期の遅角を抑制し、出力トルクを高めて走
行性能を高めるようにしている。
【0044】他方、アイドル時には、通常、自動車は停
止状態にあるので、出力要求は低く出力トルクはさほど
求められない。そこで、アイドル時には可能な限り点火
時期を遅角させて、三元触媒の昇温を促進するのが好ま
しい。前記のとおり、Dレンジではもともとトルク変動
が小さいので、Nレンジの場合よりも点火時期を遅角さ
せてもトルク変動状態は悪化しない。そこで、この触媒
昇温促進制御では、DレンジではNレンジよりも遅角量
を大きくして点火時期をより遅角させ、三元触媒の昇温
を促進するようにしている。かくして、走行時はもとよ
り停車時においても、燃費性能及び走行性能を高めつ
つ、三元触媒を早期に昇温させることができる。
【0045】ところで、このエンジンシステムAないし
はエンジン1においては、前記のとおり、点火時期を大
幅に遅角させることにより、触媒コンバータ27内の三
元触媒の昇温を促進するようにしているので、低出力領
域ではクランク角速度変動ないしはトルク変動(ラフネ
ス)が生じやすくなり、エンジンの回転安定性が損なわ
れるおそれがある。そこで、所定の低出力領域(ラフネ
ス制御領域)では、点火時期あるいは空燃比を補正する
ことにより、上記ラフネスを抑制してエンジンの回転安
定性を高めるといったラフネス制御を行うようにしてい
る。
【0046】以下、図4〜図10に示すフローチャート
に従って、このラフネス制御の具体的な制御方法を説明
する。図4〜図10に示すように、このラフネス制御に
おいては、まずステップS1で、クランク角センサ30
の出力信号に基づいて、上死点後のクランク角が104
°から174°(ATDC104°CA〜ATDC17
4°CA)になるまでの時間間隔T(i)が計測され
る。続いてステップS2で、次の式2を用いて、ステッ
プS1で計測された時間間隔T(i)に基づいて、クラ
ンク角速度ω(i)が算出される。
【数2】 ω(i)=70・106/T(i)………………………………………式2 T(i):時間間隔[マイクロ秒] ω(i):クランク角速度[クランク角(°CA)/
秒]
【0047】ここで、クランク角速度ω(i)の検出を
行うべきクランク角期間の好ましい設定手法について、
図11〜図13に基づいて説明する。図11は、直列4
気筒型の4サイクルエンジンについて、トルク及び角速
度の上死点後のクランク角(ATDC CA)に対する
変化特性の一例を示す図である。図11に示すように、
各気筒における慣性トルク(破線)とガス圧トルク(一点
鎖線)との合成トルクは、図11中に太い実線で示され
ているように、正常燃焼時は180°CA間隔で周期的
に変化し、この合成トルクによって回転されるクランク
軸の角速度(実線A)も周期的に変化する。他方、例えば
第1気筒において燃焼状態が不安定になって失火に近い
状態が生じた場合、エンジンの合成トルクは、図11中
に二点鎖線で示されているように、極めて低くなってし
まう。その結果、クランク角速度は、破線Bで示すよう
に第1気筒の膨張行程半ばから顕著に低下し、正常燃焼
時との差が大きくなる。また、次に点火される気筒(第
3気筒)では、前回点火された気筒(第1気筒)の影響
が残る膨張行程の全般では角速度が低くなるが、行程が
進むに連れて次第に正常時の値に近づく。
【0048】図12は、燃焼圧と角速度変動(ラフネス
状態)との相関関係を示すグラフである。図12におい
て、横軸は、1つの気筒についての圧縮上死点後(AT
DC)のクランク角(ATDC CA)をあらわし、縦軸
は、当該気筒の燃焼状態(ガス圧)が角速度に及ぼす影響
の度合いを示す相関係数をあらわしている。ここで、相
関係数が正であれば当該気筒の燃焼圧の変動と角速度の
変動との相関性が高いことを意味し、他方負であれば当
該気筒よりもその前気筒の燃焼圧変動の影響が大きいこ
とを意味する。
【0049】そして、図11及び図12から明らかなよ
うに、燃焼がほぼ終了するクランク角(ATDC40°
CA程度)から次に点火される気筒の燃焼開始時期付近
のクランク角(ATDC200°CA程度)までの範囲
で燃焼圧と角速度変動との相関性が高く、とくにガス圧
トルクが低下してからトルク変曲点(ATDC90°C
A程度)を経た後の、慣性トルクが大きくなる期間X
(ATDC100°CA〜ATDC200°CA)にお
いて、相関関係が高くなっている。したがって、例えば
ATDC100°CA〜ATDC200°CAの範囲内
で角速度を検出するようにすれば、この角速度の変動
(ラフネス状態)に基づいて当該気筒の燃焼状態を精度
良く判定することができる。また、角速度検出時間を十
分に確保するために、角速度検出のためのクランク角期
間は60°CA以上とすることが好ましい。
【0050】そこで、例えば図13に示すように、この
実施の形態では、各気筒のATDC104°CAとAT
DC174°CAとが検出されるように、被検出プレー
ト31の各突起部31aを設け、各気筒におけるATD
C104°CA〜174°CAの70°CAの期間のク
ランク角速度を検出するようにしている。
【0051】次に、ステップS3で、次の式3を用い
て、気筒毎に燃焼状態の判別にとってノイズとなる要素
を除去するためのコムフィルタ処理により、クランク角
速度ω(i)の差分dω(i)、すなわちクランク角速
度変動dω(i)が演算される。なお、気筒の識別は、
図示していないカムシャフトの回転角を検出するセンサ
からの信号に基づいて行われる。
【数3】 dω(i)=ω(i−4)−ω(i)……………………………………式3 ω(i−4):4回前のクランク角速度演算値 ω(i):今回のクランク角速度演算値
【0052】ここで、燃焼状態の変動以外で角速度変動
を生じさせる要素としては、爆発を加振源とした共振の
影響による角速度変動、車輪や駆動系のアンバランスに
起因する車輪回転に伴う角速度変動、路面からタイヤに
作用する振動の影響による角速度変動等があげられる。
図14に示すように、共振の影響による爆発回転次数成
分のノイズはエンジン回転の0.5次及びその整数倍の
周波数で生じ、アンバランスに起因する車輪回転に伴う
ノイズや路面の影響によるノイズはエンジン回転の0.
5次よりも低い低周波数域内で生じる。
【0053】そこで、このステップS3では、コムフィ
ルタ処理によりエンジン回転の0.5次及びその整数倍
の周波数成分を除去しつつクランク角速度変動dω
(i)を演算するようにしている。すなわち、図15に
示すように、同一気筒におけるクランク角速度の今回値
ω(i)と前回値ω(i−4)との偏差を求めることに
より、コムフィルタ処理によりエンジン回転の0.5次
及びその整数倍の周波数成分を除いたクランク角速度変
動dω(i)のデータが得られることになる。
【0054】続いて、ステップS4で、次の式4を用い
て、ハイパスフィルタ処理によりラフネス値dωf
(i)が演算される。つまり、エンジン回転の0.5次
よりも低い周波数成分のノイズを除くために、ステップ
S3で得られたクランク角速度変動dω(i)の8サイ
クル前までのデータに基づいてなまし処理が行われ、ラ
フネス値dωf(i)が演算される。
【数4】 dωf(i)=k1・dω(i−4)+ k2・(dω(i−3)+dω(i−5))+ k3・(dω(i−2)+dω(i−6))+ k4・(dω(i−1)+dω(i−7))+ k5・(dω(i)+dω(i−8))………………式4 なお、式4において、k1〜k5はなまし係数(定数)で
ある。
【0055】図16に示すように、このハイパスフィル
タ処理によりエンジン回転の0.5次よりも低い周波数
成分が十分に減衰され除去される。このようにして、各
気筒毎に燃焼状態を高精度に反映したラフネス値dωf
(i)、すなわちクランク角速度変動値ないしはトルク
変動値を得ることができる。
【0056】次に、ステップS5〜ステップS12で、
エンジン1の運転状態(アイドル状態か非アイドル状態
か)ないしは自動変速機Tのレンジ(Dレンジか、Nレ
ンジか)に応じて、ラフネス値dωf(i)の上限しき
い値dωfmaxと下限しきい値dωfminとが設定
(選択)される。
【0057】ここで、上限しきい値dωfmaxは、ラ
フネス値がこれを超えるとクランク角速度変動ないしは
トルク変動(ラフネス)が非常に大きくなり、エンジン
1の円滑な運転が損なわれるおそれが生じるので、ラフ
ネス値を迅速に減少させることが要求される限界値であ
る。他方、下限しきい値dωfminは、ラフネス値が
これ以下になるとクランク角速度変動ないしはトルク変
動が非常に小さくなり、エンジン1の運転が十分に安定
化されているものと考えられ、ラフネス値の抑制を緩和
してもよいと考えられる限界値である。
【0058】図24に示すように、ラフネス値dωf
(i)は経時的に変化するが、上限しきい値dωfma
xを、例えばL1で示すように比較的大きくすると、図
25中にM1で示すように点火時期は速やかに遅角方向
に変化する。すなわち、後で説明するように、ラフネス
値dωf(i)が上限しきい値dωfmaxを超える
と、トルク変動(ラフネス)を迅速に抑制するために点
火時期が進角側に変化させられることになるが、この上
限しきい値dωfmaxが大きいと、ラフネス値dωf
(i)が多少大きくなったくらいでは点火時期がなかな
か進角側に変化させられないので、点火時期が遅角され
やすくなり、結果的に点火時期の遅角量が大きくなる。
【0059】他方、上限しきい値dωfmaxを、例え
ば図24中のL2で示すように比較的小さくすると、図
25中にM2で示すように点火時期はゆるやかに遅角す
る。すなわち、上限しきい値dωfmaxが小さいと、
ラフネス値dωf(i)が頻繁に上限しきい値dωfm
axを超えるようになり、そのつど点火時期が進角側に
変化させられるので、点火時期がなかなか遅角されなく
なり、結果的に点火時期の遅角量が小さくなる。そこ
で、このラフネス制御では、上限しきい値を調節するこ
とにより、点火時期の遅角量を調節するようにしてい
る。なお、上限しきい値dωfmaxを、例えば図24
中のL3で示すように極端に小さくすると、図25中に
3で示すように、点火時期は全く遅角方向に変化せ
ず、発散することになる。
【0060】この上限しきい値dωfmaxは、エンジ
ン回転数と吸気充填効率(エンジン負荷)とをパラメー
タとするマップを検索することにより、エンジン回転数
と吸気充填効率とに応じて好ましく設定される。また、
下限しきい値dωfminも、エンジン回転数と吸気充
填効率(エンジン負荷)とをパラメータとするマップを
検索することにより、エンジン回転数と吸気充填効率と
に応じて好ましく設定される。
【0061】具体的には、まずステップS5で、エンジ
ン1がアイドル状態にあるか否かが比較され、アイドル
状態であれば(YES)、さらにステップS6で自動変
速機TがDレンジであるか否かが判定される。ここで、
Dレンジであると判定された場合(YES)、すなわち
アイドル状態におけるDレンジであれば、ステップS7
とステップS8とで、それぞれ、上限しきい値dωfm
axと下限しきい値dωfminとに、アイドル状態に
おけるDレンジ用の値が設定される。
【0062】他方、ステップS6で、Dレンジでないと
判定された場合(NO)、すなわちアイドル状態におけ
るNレンジであれば、ステップS9とステップS10と
で、それぞれ、上限しきい値dωfmaxと下限しきい
値dωfminとに、アイドル状態におけるNレンジ用
の値が設定される。また、前記のステップS5で、アイ
ドル状態でないと判定された場合(NO)、すなわち非
アイドル状態であると判定された場合は、ステップS1
1とステップS12とで、それぞれ、上限しきい値dω
fmaxと下限しきい値dωfminとに、非アイドル
用の値が設定される。
【0063】ここで、各上限しきい値dωfmaxにつ
いては、アイドル時におけるDレンジ用のdωfmax
(D)が最も大きく、アイドル時におけるNレンジ用の
dωfmax(N)が次に大きく、非アイドル時用のd
ωfmax(O)が最も小さくなっている。 dωfmax(D)>dωfmax(N)>dωfma
x(O) したがって、点火時期の遅角量は、アイドル状態におけ
るDレンジ時が最も大きく、アイドル状態におけるNレ
ンジ時が次に大きく、非アイドル時が最も小さくなる。
前記のとおり、非アイドル時には、回転数ないしは負荷
が大きくなり、排気ガス量が増加するとともに排気ガス
温度が上昇する。したがって、点火時期をさほど遅角さ
せなくても排気ガス浄化触媒の昇温は十分に促進され
る。他方、非アイドル時には、出力要求が高く、このた
め点火時期の遅角を抑制して出力トルクを高めるのが好
ましい。そこで、このラフネス制御では、非アイドル時
には上限しきい値dωfmaxを最も小さくして点火時
期の遅角を抑制し、出力トルクを高めて走行性能を高め
るようにしている。
【0064】他方、アイドル時には、通常、自動車は停
止状態にあるので、出力要求は低く出力トルクはさほど
求められない。そこで、アイドル時には可能な限り点火
時期を遅角させて、三元触媒の昇温を促進するのが好ま
しい。そして、前記のとおり、Dレンジではトルク変動
がもともと小さく、Nレンジの場合よりも点火時期を遅
角させてもトルク変動状態は悪化しない。そこで、この
ラフネス制御では、DレンジでNレンジよりも上限しき
い値dωfmaxを大きくし、点火時期をより遅角させ
て触媒コンバータ27内の三元触媒の昇温を促進するよ
うにしている。
【0065】なお、下限しきい値dωfminの大小関
係も、上限しきい値dωfmaxの場合と同様である。
【0066】次に、ステップS13とステップS14と
で、前記のステップS4で演算されたラフネス値dωf
(i)が、その上限しきい値dωfmaxを超えている
か、又はその下限しきい値dωfmin以下であるか、
それとも上限しきい値dωfmax以下の範囲内におい
て下限しきい値dωfminを超えているかが判定され
る。
【0067】かくして、ステップS13で、ラフネス値
dωf(i)が上限しきい値dωfmaxを超えている
と判定された場合は(ステップS13でYES)、ステ
ップS15でラフネス大判定フラグF1に1がセットさ
れ、続いてステップS16でラフネス小判定フラグF2
に0がセットされる。ステップS13とステップS14
とで、ラフネス値dωf(i)が下限しきい値dωfm
in以下であると判定された場合は(ステップS13で
NO、かつステップS14でYES)、ステップS17
でラフネス大判定フラグF1に0がセットされ、続いて
ステップS18でラフネス小判定フラグF2に1がセッ
トされる。
【0068】また、ステップS13とステップS14と
で、ラフネス値dωf(i)が上限しきい値dωfma
x以下の範囲内において下限しきい値dωfminを超
えていると判定された場合は(ステップS13でNO、
かつステップS14でNO)、ステップS19でラフネ
ス大判定フラグF1に0がセットされ、続いてステップ
S20でラフネス小判定フラグF2に0がセットされ
る。
【0069】この後、ステップS21で、ラフネス制御
実行条件が成立しているか否かが判定される。このラフ
ネス制御では、次の3つの条件がともに成立したときに
ラフネス制御実行条件が成立しているものと判定し、ラ
フネス制御を実行するようにしている。
【0070】<ラフネス制御実行条件> (1)エンジン始動時において、完爆後、所定時間(例
えば、1秒)を経過していること。なお、ここではクラ
ンキング後においてエンジン回転数が500r.p.m.まで
上昇したときに完爆したものと判定するようにしてい
る。完爆直後は、エンジン1の回転が比較的不安定であ
るので、このようなときにラフネス制御を実行すること
は好ましくないからである。
【0071】(2)エンジン水温が所定温度(例えば、
60°C)以下であること。すなわち、後で説明するエ
ンジン暖機フラグF4が0であること。なお、エンジン
暖機フラグF4は、図10に示すように、ステップS6
0でエンジン水温が所定温度K(例えば、60°C)を
超えていると判定されたときにはステップS61で1が
セットされ、所定温度K以下であると判定されたときに
はステップS62で0がセットされるフラグである。エ
ンジン水温が上記所定温度を超えているときにはエンジ
ン1がすでに暖機状態にあるので、エンジン1の暖機あ
るいは三元触媒の昇温を促進するための点火時期の大幅
な遅角は行われず、したがってラフネス制御を行う必要
がないからである。
【0072】(3)エンジン1の運転状態が、前記の図
17中の開閉弁閉弁領域(吸気流動強化領域)に入って
いること。ラフネス制御を行うときには、エンジン1の
回転安定性を高めるために、燃焼室6内での混合気の燃
焼性を高める必要があるからである。
【0073】かくして、ステップS21で、ラフネス制
御実行条件が成立していないと判定された場合(N
O)、すなわち前記の各ラフネス制御実行条件の少なく
とも1つが成立しないときには、ラフネス制御を一時的
に停止させ、又は終了させるために、後で説明するステ
ップS40にスキップする。
【0074】他方、ステップS21で、ラフネス制御実
行条件が成立していると判定された場合(YES)、す
なわち前記のすべてのラフネス制御実行条件が成立して
いるときには、ステップS22が実行される。このステ
ップS22では、エンジン1の運転状態が、点火時期の
制御によりラフネス制御を行うべきIGラフネス制御領
域に入っているか、それとも空燃比(燃料噴射量)の制
御によりラフネス制御を行うべきA/Fラフネス制御領
域に入っているかが判定される。
【0075】このステップS22では、IGラフネス制
御禁止フラグF3が0でありかつエンジン1がアイドル
状態にあるときにはIGラフネス制御を行い、他方IG
ラフネス制御禁止フラグF3が1であるか、又はエンジ
ン1が非アイドル(オフアイドル)状態にあるときには
A/Fラフネス制御を行うようにしている。なお、IG
ラフネス制御禁止フラグF3は、IGラフネス制御にお
けるラフネス制御量(補正量)が最大限進角側となった
ときに1がセットされるフラグである。したがって、こ
のIGラフネス制御禁止フラグF3が1であるときに
は、点火時期の制御によりエンジン1の出力トルクを高
めることはできず、したがってIGラフネス制御は実質
的に不可能となる。
【0076】かくして、ステップS22で、エンジン1
の運転状態がIGラフネス制御領域に入っていると判定
された場合は(YES)、ステップS23〜ステップS
32でIGラフネス制御量が演算され、又は保持(現状
維持)される。具体的には、まずステップS23でラフ
ネス大判定フラグF1が1であるか否かが判定される。
ラフネス大判定フラグF1が1であると判定された場合
(YES)、すなわち点火時期を進角させてトルクを増
加させるべき場合は、ステップS25で、次の式5を用
いて今回の気筒別のIGラフネス制御量θrough(i)
が演算される。この気筒別のIGラフネス制御量θ
rough(i)は、基本的には、前回の気筒別のIGラフ
ネス制御量θrough(i−1)を進角側に補正したもの
である。
【0077】
【数5】 θrough(i)=θrough(i−1)+ min[K1・(dωf(i)−dωfmax),Δigad]…………式5 θrough(i):今回の気筒別のIGラフネス制御量 θrough(i−1):前回の気筒別のIGラフネス制御
量 min[α,β,…]:α、β、…のうちの最小値 K1:比例定数 dωf(i):ラフネス値 dfmax:上限しきい値 Δigad:進角補正量 なお、Δigadは、エンジン回転数及び吸気充填効率
をパラメータとするマップを検索することにより、エン
ジン回転数及び吸気充填効率に応じて好ましく設定され
る。
【0078】ただし、式5により演算された気筒別のθ
rough(i)の演算値が所定の限界値IMXよりも大き
いときには、θrough(i)はIMXとされる。ここ
で、限界値IMXは、気筒別のθrough(i)の進角側
への限界値すなわちリミッタであり、θrough(i)が
IMXに達したときには、θrough(i)はこれ以上は
進角側に変化させることはできない。
【0079】次に、ステップS26で、次の式6を用い
て今回の全気筒のIGラフネス制御量θ'rough(i)が
演算される。この全気筒のIGラフネス制御量θ'rough
(i)は、基本的には、前回の全気筒のIGラフネス制
御量θ'rough(i−1)を進角側に補正したものであ
る。なお、IGラフネス制御(点火時期制御)におい
て、気筒別のIGラフネス制御量θrough(i)と、全
気筒のIGラフネス制御量θ'rough(i)とは、選択的
ないしは択一的に用いられる。
【数6】 θ'rough(i)=θ'rough(i−1)+ min[K1・(dωf(i)−dωfmax)、Δigad]…………式6 θ'rough(i):今回の全気筒のIGラフネス制御量 θ'rough(i−1):前回の全気筒のIGラフネス制御
量 min[α,β,…]:α、β、…のうちの最小値 K1:比例定数 dωf(i):ラフネス値 dfmax:上限しき値 Δigad:進角補正量
【0080】このステップS26でも、式6により演算
された全気筒のθ'rough(i)の演算値が限界値IMX
よりも大きいときには、θ'rough(i)はIMXとされ
る。したがって、θ'rough(i)がIMXに達したとき
には、θ'rough(i)はこれ以上は進角側に変化させる
ことはできない。
【0081】次に、ステップS27で、ステップS26
で演算された全気筒のIGラフネス制御量θ'
rough(i)が限界値IMXと等しいか否かが判定さ
れ、θ'rough(i)=IMXであれば(YES)、ステ
ップS28でIGラフネス制御禁止フラグF3に1がセ
ットされる。なお、θ'rough(i)=IMXでなければ
(NO)、ステップS28をスキップする。このIGラ
フネス制御禁止フラグF3は、IGラフネス制御におけ
るラフネス制御量(補正量)が最大限に進角側となった
ときに1がセットされるフラグであるので、このIGラ
フネス制御禁止フラグF3が1であるときには、点火時
期の制御によりエンジン1の出力トルクを高めることは
できず、IGラフネス制御は実行不可能となる。したが
って、このIGラフネス制御禁止フラグF3に1がセッ
トされたときには、後記のA/Fラフネス制御が実行さ
れることになる。この後、制御はステップS52に進め
られる。
【0082】前記のステップS23で、ラフネス大判定
フラグF1が1でないと判定された場合は(NO)、ス
テップS24でラフネス小判定フラグF2が1であるか
否かが判定される。ここで、ラフネス小判定フラグF2
が1であると判定された場合(YES)、すなわち点火
時期を遅角させてトルクを低下させるべき場合は、ステ
ップS29で、次の式7を用いて今回の気筒別のIGラ
フネス制御量θrough(i)が演算される。この気筒別
のIGラフネス制御量θrough(i)は、基本的には、
前回の気筒別のIGラフネス制御量θrough(i−1)
を遅角側に補正したものである。
【数7】 θrough(i)=θrough(i−1)−Δigret…………………………式7 θrough(i):今回の気筒別のIGラフネス制御量 θrough(i−1):前回の気筒別のIGラフネス制御
量 Δigret:遅角補正量
【0083】なお、Δigretは、エンジン回転数及
び吸気充填効率をパラメータとするマップを検索するこ
とにより、エンジン回転数及び吸気充填効率に応じて好
ましく設定される。ただし、式7により演算された気筒
別のθrough(i)の演算値が所定の限界値IMNより
も小さいときには、θrough(i)はIMNとされる。
ここで、限界値IMNは、気筒別のθrough(i)の遅
角側への限界値すなわちリミッタであり、θ
rough(i)がIMNに達したときには、θrough(i)
はこれ以上は遅角側に変化させることはできない。
【0084】次に、ステップS30で、次の式8を用い
て今回の全気筒のIGラフネス制御量θ'rough(i)が
演算される。この全気筒のIGラフネス制御量θ'rough
(i)は、基本的には、前回の全気筒のIGラフネス制
御量θ'rough(i−1)を遅角側に補正したものであ
る。
【数8】 θ'rough(i)=θ'rough(i−1)−Δigret]……………………式8 θ'rough(i):今回の全気筒のIGラフネス制御量 θ'rough(i−1):前回の全気筒のIGラフネス制御
量 Δigret:遅角補正量
【0085】このステップS30でも、式8により演算
された全気筒のθ'rough(i)の演算値が限界値IMN
よりも小さいときには、θ'rough(i)はIMNとされ
る。したがって、θ'rough(i)がIMNに達したとき
には、θ'rough(i)はこれ以上は遅角側に変化させる
ことはできない。この後、制御はステップS52に進め
られる。
【0086】前記のステップS24でラフネス小判定フ
ラグF2が1でないと判定された場合(NO)、すなわ
ちラフネス値が上限しきい値dωfmax以下であり、
かつ下限しきい値dωfminを超えていると判定され
た場合は、クランク角速度変動ないしはトルク変動(ラ
フネス)が、さほど大きくもなく、また点火時期をさら
に遅角させられるほどには小さくないので、現在のIG
ラフネス制御量がそのまま保持される。
【0087】すなわち、この場合は、ステップS31
で、前回の気筒別のIGラフネス制御量θrough(i−
1)が今回の気筒別のIGラフネス制御量θ
rough(i)とされる。続いて、ステップS32で、前
回の全気筒のIGラフネス制御量θ'rough(i−1)が
今回の全気筒のIGラフネス制御量θ'rough(i)とさ
れる。この後、制御はステップS52に進められる。
【0088】かくして、ステップS52では、エンジン
の運転状態がアイドル領域に入っているか否かが判定さ
れ、アイドル領域に入っていれば(YES)、ステップ
S53で開閉弁18が閉弁領域(図17参照)に入って
いるか否かが判定され、閉弁領域に入っていれば(YE
S)、ステップS54で基本点火時期θBASEに、開閉弁
18の閉弁時におけるアイドル時用の点火時期基本値が
セットされる。他方、閉弁領域に入っていなければ(N
O)、ステップS55で基本点火時期θBASEに、開閉弁
18の開弁時におけるアイドル時用の点火時期基本値が
セットされる。また、ステップS52での判定で、エン
ジン1の運転状態が非アイドル領域であれば(NO)、
ステップS56でステップS53と同様に開閉弁18が
閉弁領域に入っているか否かが判定され、閉弁領域に入
っていれば(YES)、ステップS57で基本点火時期
θBASEに開閉弁18の閉弁時における非アイドル用の点
火時期基本値がセットされる。他方、閉弁領域に入って
いなければ(NO)、ステップS58で基本点火時期θ
BASEに、開閉弁18の開弁時における非アイドル時用の
点火時期基本値がセットされる。このエンジンシステム
Aないしエンジン1では、非アイドル時にはエンジン出
力を高めるために、基本点火時期θBASEをアイドル時よ
りも進角側に設定するようにしている。また、開閉弁1
8の閉弁時は切欠き部の影響により燃焼速度が速くなる
ため、基本点火時期θBASEを開閉弁18の開弁時よりも
遅角側に設定するようにしている。そこで、ステップS
52〜ステップS58で、アイドル時であるか非アイド
ル時であるかに応じて、また開閉弁18の開閉状態に応
じて個別に基本点火時期θBASEを設定するようにしてい
る。この後、ステップS1に復帰して、制御が続行され
る。
【0089】ところで、前記のステップS22で、エン
ジン1の運転状態がIGラフネス制御領域に入っていな
いと判定された場合(NO)、すなわちA/Fラフネス
制御領域に入っていると判定された場合は、ステップS
33〜ステップS39でA/Fラフネス制御量が演算さ
れ、又は保持(現状維持)される。つまり、この場合
は、点火時期を変化させることによりラフネス制御を行
うことが困難ないしは実質的に不可能であるので、空燃
比を変化させることにより出力トルクを増減させてラフ
ネス制御を行う。
【0090】具体的には、まずステップS33でラフネ
ス大判定フラグF1が1であるか否かが判定される。ラ
フネス大判定フラグF1が1であると判定された場合
(YES)、すなわち空燃比(A/F)をリッチ側に変
化させてトルクを増加させるべき場合は、ステップS3
5で、次の式9を用いて今回の気筒別のA/Fラフネス
制御量λrough(i)が演算される。この気筒別のA/
Fラフネス制御量λrough(i)は、基本的には、前回
の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i−1)を
リッチ側に一定量だけ補正したものである。
【数9】 λrough(i)=λrough(i−1)+KL……………………………式9 λrough(i):今回の気筒別のA/Fラフネス制御量 λrough(i−1):前回の気筒別のA/Fラフネス制
御量 KL:リッチ側ラフネス制御量補正値(一定値)
【0091】ただし、式9により演算された気筒別のλ
rough(i)の演算値が所定の限界値FMXよりも大き
いときには、λrough(i)はFMXとされる。ここ
で、限界値FMXは、気筒別のλrough(i)のリッチ
側への限界値すなわちリミッタであり、λrough(i)
がFMXに達したときには、λrough(i)はこれ以上
はリッチ側に変化させることはできない。この後、制御
はステップS47に進められる。
【0092】前記のステップS33で、ラフネス大判定
フラグF1が1でないと判定された場合は(NO)、ス
テップS34でラフネス小判定フラグF2が1であるか
否かが判定される。ここで、ラフネス小判定フラグF2
が1であると判定された場合(YES)、すなわち空燃
比をリーン側に変化させてトルクを低下させるべき場合
は、ステップS36で、次の式10を用いて今回の気筒
別のA/Fラフネス制御量λrough(i)が演算され
る。この気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i)
は、基本的には、前回の気筒別のA/Fラフネス制御量
λrough(i−1)をリーン側に一定量だけ補正したも
のである。
【数10】 λrough(i)=λrough(i−1)−KR……………………………式10 λrough(i):今回の気筒別のA/Fラフネス制御量 λrough(i−1):前回の気筒別のA/Fラフネス制
御量 KR:リーン側ラフネス制御量補正値(一定値)
【0093】次に、ステップS37で、全気筒ともA/
Fラフネス制御量が0であるか否かが判定され、全気筒
ともA/Fラフネス制御量が0であれば(YES)、ス
テップS38でIGラフネス制御禁止フラグF3に0が
セットされる。なお、少なくとも1つの気筒のA/Fラ
フネス制御量が0でなければ(NO)、ステップS38
をスキップする。ステップS38で、このIGラフネス
制御禁止フラグF3に0がセットされたときには、前記
のIGラフネス制御に復帰することになる。この後、制
御はステップS47に進められる。
【0094】前記のステップS34でラフネス小判定フ
ラグF2が1でないと判定された場合(NO)、すなわ
ちラフネス値が上限しきい値dωfmax以下であり、
かつ下限しきい値dωfminを超えていると判定され
た場合は、クランク角速度変動ないしはトルク変動(ラ
フネス)が、さほど大きくもなく、またさほど小さくも
ないので、現在のA/Fラフネス制御量がそのまま保持
される。すなわち、この場合は、ステップS39で、前
回の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i−1)
が今回の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i)
とされる。この後、制御はステップS47に進められ
る。
【0095】ステップS47では、空燃比フィードバッ
ク制御フラグF5が1であるか否かが判定される。この
空燃比フィードバック制御フラグF5は、1がセットさ
れたときには空燃比のフィードバック制御が許可され、
0がセットされたときには空燃比のフィードバック制御
が禁止されるフラグである。このA/Fラフネス制御に
おいては、少なくとも1つの気筒のA/Fラフネス制御
量が所定の設定値を超えているときには空燃比のフィー
ドバック制御を禁止し、全気筒についてA/Fラフネス
制御量が0となったときに空燃比のフィードバック制御
を許可するようにしている。
【0096】かくして、ステップS47で、空燃比フィ
ードバック制御フラグF5が1であると判定されたとき
(YES)、すなわち空燃比のフィードバック制御が許
可された状態にあるときには、ステップS48で少なく
とも1つの気筒のA/Fラフネス制御量が所定の設定値
を超えているか否かが判定される。ここで、少なくとも
1つの気筒のA/Fラフネス制御量が所定の設定値を超
えていれば(YES)、ステップS49で空燃比フィー
ドバック制御フラグF5に0がセットされ、したがって
空燃比のフィードバック制御が禁止される(オープン制
御が行われる)。他方、ステップS48で、全気筒のA
/Fラフネス制御量が所定の設定値以下であれば(N
O)、ステップS49をスキップし、空燃比フィードバ
ック制御フラグF5が1のまま保持され、したがって空
燃比のフィードバック制御が続行される。この後、前記
のステップS52〜ステップS58が実行された後、ス
テップS1に復帰して制御が続行される。
【0097】前記のステップS47で、空燃比フィード
バック制御フラグF5が1でないと判定されたとき(N
O)、すなわち空燃比のフィードバック制御が禁止され
た状態にあるときには、ステップS50で全気筒のA/
Fラフネス制御量が0であるか否かが判定される。ここ
で、全気筒のA/Fラフネス制御量が0であれば(YE
S)、ステップS51で空燃比フィードバック制御フラ
グF5に1がセットされ、したがって空燃比のフィード
バック制御が許可される。他方、ステップS50で、少
なくとも1つの気筒のA/Fラフネス制御量が0でなけ
れば(NO)、ステップS51をスキップし、空燃比フ
ィードバック制御フラグF5が0のまま保持され、した
がって空燃比のフィードバック制御が禁止されたままと
なる。この後、前記のステップS52〜ステップS58
が実行された後、ステップS1に復帰して制御が続行さ
れる。
【0098】ところで、前記のステップS21で、ラフ
ネス制御実行条件が成立していないと判定された場合
(NO)、すなわち前記の各ラフネス制御実行条件の少
なくとも1つが成立しないときには、ラフネス制御は一
時停止又は終了される。この場合、まずステップS40
で、前記のエンジン暖機フラグF4が1であるか否か、
すなわちエンジン水温が所定温度(例えば、60°C)
を超えているか否かが判定され、エンジン暖機フラグF
4が1でなければ(NO)、ラフネス制御は一時的に停
止され、ステップS41〜ステップS43で、それぞ
れ、気筒別のIGラフネス制御量と、全気筒のIGラフ
ネス制御量と、気筒別のA/Fラフネス制御量とが保持
(現状維持)される。
【0099】すなわち、ステップS41では、前回の気
筒別のIGラフネス制御量θrough(i−1)が今回の
気筒別のIGラフネス制御量θrough(i)とされる。
ステップS42では、前回の全気筒のIGラフネス制御
量θ'rough(i−1)が今回の全気筒のIGラフネス制
御量θ'rough(i)とされる。また、ステップS43で
は、前回の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i
−1)が今回の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough
(i)とされる。
【0100】この後、前記のステップS47〜ステップ
S58が実行された後、ステップS1に復帰する。しか
しながら、この場合、前記のとおりラフネス制御は一時
的に停止されているので、ステップS41〜ステップS
43で保持された各ラフネス制御量はラフネス制御に用
いられるわけではない。つまり、ラフネス制御が一時的
に停止されたときには、停止直前における各ラフネス制
御量が保持されるが、これらのラフネス制御量は、この
後ラフネス制御が再開される場合に備えて保持(記憶)
されているだけである。
【0101】このように、ラフネス制御実行条件が不成
立となってラフネス制御が一時的に停止された後、ラフ
ネス制御条件が再び成立したときには、保持されている
ラフネス制御量を用いてラフネス制御が再開される。こ
のため、該ラフネス制御が早期に安定化され、したがっ
て該制御の応答性が高められ、トルク変動を許容範囲内
に収めつつ、エンジン1の暖機あるいは触媒コンバータ
27内の三元触媒の昇温を大幅に促進することができ、
エミッション性能及び燃費性能を高めることができる。
【0102】前記のステップS40で、エンジン暖機フ
ラグF4が1であると判定された場合は(YES)、エ
ンジン1がすでに暖機状態にあり、また触媒コンバータ
27内の三元触媒も十分に昇温されているものと考えら
れるので、ラフネス制御は終了される。しかしながら、
ラフネス制御を急激に(ステップ状に)終了させると、
ラフネス制御量が突然消滅するので、出力トルクが急変
してトルクショックが生じるおそれがある。そこで、こ
の場合、ステップS44〜ステップS46で、それぞ
れ、気筒別のIGラフネス制御量と、全気筒のIGラフ
ネス制御量と、気筒別のA/Fラフネス制御量とを徐々
に小さくして(漸減させる)リセットし、ラフネス制御
を比較的緩やかに終了させるようにしている。これによ
り、ラフネス制御終了時のトルクショックの発生が防止
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる制御装置を備えたエンジンシ
ステムの全体構成図である。
【図2】 図1に示すエンジンを含むパワートレインの
模式図である。
【図3】 図1に示すエンジンシステムに設けられてい
るECUの機能ブロック図である。
【図4】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図5】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図6】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図7】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図8】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図9】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図10】 ECUによるラフネス制御におけるエンジ
ン暖機フラグの設定方法を示すフローチャートである。
【図11】 直列4気筒型の4サイクルエンジンの各気
筒の行程と、クランク角の変化に対するトルク及び角速
度の変化とを示す図である。
【図12】 燃焼圧と角速度変動との相関関係を示す図
である。
【図13】 クランク角検出のための、被検出プレート
及びクランク角センサの概略構成を示す図である。
【図14】 ノイズ的要素による角速度変動を示す図で
ある。
【図15】 検出した角速度のデータからエンジン回転
の0.5次及びその整数倍の成分を除去すべくコムフィ
ルタを通した後の減衰特性を示す図である。
【図16】 図15に示すデータからエンジン回転の
0.5次より低い周波数成分を除去すべくハイパスフィ
ルタを通した後の減衰特性を示す図である。
【図17】 開閉弁の開弁領域及び閉弁領域を、エンジ
ン回転数と吸気充填効率とエンジン水温とをパラメータ
としてあらわした図である。
【図18】 冷間始動時における目標アイドル回転数の
エンジン水温に対する変化特性を示す図である。
【図19】 点火時期のフィードバック制御量のアイド
ル回転数偏差に対する変化特性を示す図である。
【図20】 エンジンの出力トルクの点火時期に対する
依存性を示す図である。
【図21】 点火時期の昇温促進制御量のエンジン水温
に対する変化特性を示す図である。
【図22】 点火時期の遅角量のエンジン回転数及び吸
気充填効率に対する特性を示す図である。
【図23】 点火時期を設定するためのマップを示す図
である。
【図24】 ラフネス値の経時変化及び上限しきい値を
示す図である。
【図25】 点火時期の遅角特性の上限しきい値に対す
る依存性を示す図である。
【符号の説明】
A…エンジンシステム、B…トルクコンバータ、C…歯
車式変速機構、S…インヒビタスイッチ、T…自動変速
機、1…エンジン、2…気筒、3…シリンダブロック、
4…シリンダヘッド、5…ピストン、6…燃焼室、7…
点火プラグ、8…点火回路、9…共通吸気通路、10…
独立吸気通路、10a…第2独立吸気通路、11…エア
クリーナ、12…吸気弁、13…エアフローセンサ、1
4…スロットル弁、15…サージタンク、16…インジ
ェクタ、17…吸気温センサ、18…開閉弁、18a…
アクチュエータ、20…ISCバイパス通路、21…I
SCバルブ、21a…アクチュエータ、22…アイドル
スイッチ、23…スロットル開度センサ、24…排気
弁、25…排気通路、26…O2センサ、27…触媒コ
ンバータ、30…クランク角センサ、31…被検出プレ
ート、31a…突起部、32…水温センサ、35…EC
U、36…開閉弁制御部、37…ラフネス検出部、38
…空燃比制御部、39…点火時期制御部、40…ISC
制御部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路に介設され、排気ガスを浄化す
    る排気ガス浄化触媒を備えた触媒コンバータと、 上記触媒コンバータが未暖機状態にあるときには、点火
    時期を、最大トルクが得られる点火時期よりも遅角側の
    領域内で遅角させる点火時期制御手段とが設けられ、 エンジン出力軸が、トルクコンバータを備えた自動変速
    機に接続されているエンジンの制御装置において、 上記点火時期制御手段が、低回転状態において上記自動
    変速機が走行レンジにあるときにはニュートラルレンジ
    にあるときよりも点火時期の遅角量を大きくするように
    なっていることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】 上記低回転状態がアイドル状態であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 上記低回転状態では燃焼に起因するトル
    ク変動状態が許容限度内に収まるように点火時期を補正
    してラフネス制御を行うラフネス制御手段が設けられて
    いて、 上記ラフネス制御手段の点火時期の補正における遅角許
    容特性が、走行レンジではニュートラルレンジよりも、
    遅角を促進することができる値に設定されていることを
    特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの制御装
    置。
  4. 【請求項4】 上記遅角許容特性が、トルク変動状態が
    それ以上となったときには遅角を抑制するしきい値であ
    ることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの制御装
    置。
  5. 【請求項5】 基本点火時期のエンジン温度に対する依
    存特性がアイドル時と非アイドル時とで個別に設定さ
    れ、 アイドル時における上記しきい値が、走行レンジではニ
    ュートラルレンジよりも大きい値に設定されていること
    を特徴とする請求項4に記載のエンジンの制御装置。
  6. 【請求項6】 上記しきい値が、アイドル時における走
    行レンジ、アイドル時におけるニュートラルレンジ、非
    アイドル時の順に小さくなっていることを特徴とする請
    求項5に記載のエンジンの制御装置。
JP10087287A 1998-03-31 1998-03-31 エンジンの制御装置 Pending JPH11280629A (ja)

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