JPH11343915A - エンジンのアイドル回転数制御装置 - Google Patents

エンジンのアイドル回転数制御装置

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JPH11343915A
JPH11343915A JP11086069A JP8606999A JPH11343915A JP H11343915 A JPH11343915 A JP H11343915A JP 11086069 A JP11086069 A JP 11086069A JP 8606999 A JP8606999 A JP 8606999A JP H11343915 A JPH11343915 A JP H11343915A
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JP
Japan
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control
engine
roughness
ignition timing
air
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JP11086069A
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Inventor
Eiji Nishimura
栄持 西村
Takahisa Ishihara
隆久 石原
Koji Miyamoto
浩二 宮本
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/021Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine
    • F02D41/0235Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine in relation with the state of the exhaust gas treating apparatus
    • F02D41/024Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine in relation with the state of the exhaust gas treating apparatus to increase temperature of the exhaust gas treating apparatus
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P5/00Advancing or retarding ignition; Control therefor
    • F02P5/04Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions
    • F02P5/145Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions using electrical means
    • F02P5/15Digital data processing
    • F02P5/1502Digital data processing using one central computing unit
    • F02P5/1506Digital data processing using one central computing unit with particular means during starting
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイドル回転数のフィードバック制御とラフ
ネス制御とを行うようにしたエンジンに対して、両制御
を調和させることができ制御精度を高めることができる
手段を提供する。 【解決手段】 エンジンシステムAにおいては、エンジ
ン1の冷間始動時には、点火プラグ7の点火時期が大幅
に遅角され、これによりエンジン1の暖機と、触媒コン
バータ27内の三元触媒の昇温とが促進される。そし
て、ECU35によってラフネス制御が行われ、点火時
期の大幅な遅角に起因するトルク変動が抑制され、トル
ク変動が許容範囲内に収められる。ここで、点火時期を
制御量とするアイドル回転数のフィードバック制御の制
御ゲインが、ラフネス制御により点火時期の遅角量に応
じて設定され、これによりフィードバック制御量に対す
るエンジン出力トルクが安定化され、両制御が調和され
て制御精度が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アイドル時にエン
ジン回転数が目標アイドル回転数となるようにアイドル
回転数をフィードバック制御する一方、冷間始動時に点
火時期を大幅に遅角させることにより、排気ガス浄化触
媒の昇温ないしはエンジンの暖機を促進するとともに該
遅角に起因するトルク変動を安定化させるラフネス制御
を行うようにしたエンジンのアイドル回転数制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジンにおいては、
アイドル時にはエンジン回転数が目標アイドル回転数と
なるように、例えば点火時期、空燃比等を変化させるこ
とにより、アイドル回転数をフィードバック制御するよ
うにしている(例えば、特公平7−92037号公報参
照)。ここで、目標アイドル回転数は、エンジンの運転
状態(例えば、エンジン水温、エアコンの動作等)に応
じて、エンストを起こさずかつ不必要に燃料を消費しな
いような適正な値に設定される。なお、特公平7−92
037号公報に開示されているエンジンにおいては、点
火時期を変化させることによりアイドル回転数をフィー
ドバック制御するようにした上で、点火時期のフィード
バック制御量を吸気充填量に応じて調整するようにして
いる。
【0003】他方、自動車用エンジンにおいては、排気
ガスを浄化するために、排気ガス浄化触媒を備えた触媒
コンバータが排気通路に介設される。そして、かかる排
気ガス浄化触媒としては、従来よりHCとCOとNOx
とを同時に浄化することができる三元触媒が広く用いら
れているが、三元触媒は低温時には触媒活性が比較的低
く、排気ガス浄化性能を十分には発揮することができな
いといった特徴をもつ。したがって、排気ガス浄化触媒
として三元触媒を用いた触媒コンバータでは、エンジン
が冷機状態から始動されたとき(冷間始動時)には、エ
ンジン始動後に排気ガス温度を迅速に高め、これにより
排気ガス浄化触媒の昇温(活性化)を促進する必要があ
る。なお、排気ガス浄化触媒を加熱する電気ヒーターを
設けて排気ガス浄化触媒の昇温を促進するといった対応
も考えられるが、このようにすると、コストアップを招
くとともに電力消費量が増大するといった問題が生じ
る。
【0004】また、一般に自動車においては、エンジン
が冷機状態から始動された場合、燃費性能の向上等を図
るといった観点から、ある程度エンジン温度(エンジン
水温)が高まってから発進するのが好ましい。したがっ
て、自動車用エンジンにおいては、エンジン温度を迅速
に高める必要がある。
【0005】そこで、エンジンの冷間始動時には、点火
時期を大幅に遅角させてエンジン温度ないしは排気ガス
温度の上昇を促進するようにしたエンジンシステムが提
案されている(例えば、特開平8−218995号公報
参照)。すなわち、このように点火時期を大幅に遅角さ
せると、燃焼室内の混合気の着火・燃焼により生じた熱
エネルギーの力学的エネルギーへの変換率が低くなり、
その分、エンジン冷却水ないしは排気ガスに伝達される
熱エネルギーが増加し、エンジンの暖機が促進されると
ともに、排気ガスの昇温ひいては排気ガス浄化触媒の昇
温が促進されることになる。
【0006】しかしながら、排気ガス浄化触媒の昇温な
いしはエンジンの暖機を促進するために、点火時期を大
幅に遅角させると、エンジンの出力トルクが低下すると
ともに燃焼性が不安定となるので、低出力時(低負荷・
低回転時)、例えばアイドル時にはトルク変動(ラフネ
ス)が大きくなり、エンジンの円滑な運転が損なわれる
といった問題が生じる。そこで、例えば特開平8−21
8995号公報に開示されたエンジンシステムのよう
な、冷間始動時に排気ガス温度ないしはエンジン温度を
迅速に高めるために点火時期を大幅に遅角させるように
したエンジンシステムでは、所定の低出力領域では、ト
ルク変動が許容限界内に収まるようエンジンの出力トル
クを制御するといったラフネス制御を行うようにしてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば、点
火時期を変化させることによりトルクを変化させてアイ
ドル回転数のフィードバック制御を行う一方、冷間始動
時に点火時期を大幅に遅角させるとともに該遅角に起因
するトルク変動を安定化させるために点火時期を補正し
てラフネス制御を行うようにしたエンジンにおいては、
アイドル回転数のフィードバック制御とラフネス制御と
はいずれも点火時期を制御量とする関係上、両制御を調
和させ、あるいは統一的に把握して制御の効率化を図る
ことが必要となるといった問題がある。なお、アイドル
回転数のフィードバック制御とラフネス制御とを、空燃
比を制御量として行う場合も同様である。
【0008】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、アイドル回転数のフィードバ
ック制御を行う一方、冷間始動時に点火時期を大幅に遅
角させるとともに該遅角に起因するトルク変動を安定化
させるためにラフネス制御を行うようにしたエンジンに
対して、アイドル回転数のフィードバック制御とラフネ
ス制御とを調和させることができ、両制御の制御精度を
高めることができる手段を提供することを解決すべき課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明の第1の態様にかかるエンジンのアイ
ドル回転数制御装置は、(a)アイドル時に、エンジン
の実回転数が目標アイドル回転数となるように、実回転
数と目標アイドル回転数との偏差に基づいて点火フィー
ドバック制御量を求め、該点火フィードバック制御量に
より点火時期を変化させてアイドル回転数をフィードバ
ック制御するアイドル回転数制御手段を備えたエンジン
のアイドル回転数制御装置において、(b)少なくとも
アイドル時に、燃焼に起因するトルク変動状態が許容限
度内に収まるように、該トルク変動状態量に応じて点火
時期を補正してラフネス制御を行うラフネス制御手段が
設けられ、(c)アイドル回転数制御手段が、アイドル
回転数のフィードバック制御における点火フィードバッ
ク制御量を、ラフネス制御手段のラフネス制御量により
変化させるようになっていることを特徴とするものであ
る。
【0010】ここで、エンジンの基本点火時期が最大ト
ルクが得られる点火時期(MBT)よりも遅角側にオフ
セットして設定されている場合は、アイドル回転数制御
手段は、ラフネス制御手段のラフネス制御量が遅角側に
あるときほど、アイドル回転数の点火フィードバック制
御における制御ゲインを小さくするなどといった手法
で、点火フィードバック制御量を変化させるようになっ
ているのが好ましい。また、エンジン冷機時の点火時期
が、最大トルクが得られる点火時期よりも所定量遅角側
に設定されている場合は、アイドル回転数制御手段が、
ラフネス制御手段のラフネス制御量が遅角側にあるとき
ほど、アイドル回転数の点火フィードバック制御におけ
る制御ゲインを小さくするようになっているのが好まし
い。さらに、ラフネス制御量は、トルク変動状態量が小
さいときほど点火時期を遅角側に補正するようになって
いるのが好ましい。なお、エンジンは、エンジン温度
(エンジン水温)に応じて点火時期を補正するようにな
っているのが好ましい。
【0011】一般に、エンジンにおいては、点火時期以
外の条件が同一であれば、点火時期がMBTにあるとき
に出力トルクが最大となり、点火時期がMBTより遅角
すればするほど出力トルクは低下する。そして、点火時
期の遅角量に対する出力トルクの変化率は一定ではな
く、該変化率は遅角側ほど大きくなる(図18、図21
参照)。このため、点火時期を制御量としてアイドル回
転数のフィードバック制御を行う場合、点火時期が遅角
側にあるときほど点火時期の変化に対する出力トルクの
変化量が大きくなる。したがって、アイドル回転数のフ
ィードバック制御における点火フィードバック制御量
(点火時期)ないしは制御ゲインを一定にしたのでは、
点火時期の遅角の度合いによって出力トルクが大きく変
化し、制御精度が悪くなる。そこで、点火時期を制御量
とするアイドル回転数のフィードバック制御では、点火
時期の遅角の度合いに応じて点火フィードバック制御量
ないしは制御ゲインを設定し、その制御精度を高めるの
が好ましい。
【0012】そして、このエンジンのアイドル回転数制
御装置においては、ラフネス制御により、トルク変動状
態(ラフネス)に応じてラフネス制御量すなわち点火時
期が変化させられる。他方、アイドル回転数の点火フィ
ードバック制御における点火フィードバック制御量(点
火時期)が、上記ラフネス制御量すなわち点火時期の遅
角の度合いに応じて好ましく変化させられる。例えば、
ラフネス制御量(点火時期)が遅角側にあるときほど、
アイドル回転数の点火フィードバック制御における制御
ゲインが小さく設定される。このため、点火フィードバ
ック制御量に対する出力トルクが安定化ないしは一定化
され、アイドル回転数の点火フィードバック制御の制御
精度が高められる。つまり、アイドル回転数の点火フィ
ードバック制御とラフネス制御とを調和させることがで
き、両制御の制御精度を高めることができる。よって、
冷間始動時等において、アイドル回転数を目標アイドル
回転数に高精度で追従させることができ、かつトルク変
動(ラフネス)を許容範囲内に収めつつ排気ガス浄化触
媒の昇温ないしはエンジンの暖機を促進することができ
る。このため、エミッション性能及び燃費性能が大幅に
高められる。
【0013】また、上記エンジンのアイドル回転数制御
装置において、アイドル回転数のフィードバック制御と
ラフネス制御とが、点火時期ではなく空燃比を制御量と
している場合も、アイドル回転数制御手段が、アイドル
回転数のフィードバック制御における空燃比フィードバ
ック制御量(空燃比)を、ラフネス制御手段のラフネス
制御量により変化させるようになっているのが好まし
い。
【0014】かくして、本発明の第2の態様にかかるエ
ンジンのアイドル回転数制御装置は、(a)アイドル時
に、エンジンの実回転数が目標アイドル回転数となるよ
うに、実回転数と目標アイドル回転数との偏差に基づい
て空燃比フィードバック制御量を求め、該空燃比フィー
ドバック制御量により空燃比を変化させてアイドル回転
数をフィードバック制御するアイドル回転数制御手段を
備えたエンジンのアイドル回転数制御装置において、
(b)少なくともアイドル時に、燃焼に起因するトルク
変動状態が許容限度内に収まるように該トルク変動状態
量に応じて空燃比を補正してラフネス制御を行うラフネ
ス制御手段が設けられ、(c)アイドル回転数制御手段
が、アイドル回転数のフィードバック制御における空燃
比フィードバック制御量を、ラフネス制御手段のラフネ
ス制御量により変化させるようになっていることを特徴
とする。
【0015】このエンジンのアイドル回転数制御装置に
おいて、空燃比が、理論空燃比よりリッチ側の最大トル
クが得られる空燃比に対してリーン側に設定されている
場合は、アイドル回転数制御手段が、ラフネス制御手段
のラフネス制御量がリーン側にあるときほど、アイドル
回転数の空燃比フィードバック制御における制御ゲイン
を小さくするようになっているのが好ましい。また、ラ
フネス制御量は、トルク変動状態量が小さいときほど空
燃比をリーン側に補正するようになっているのが好まし
い。
【0016】一般に、エンジンにおいては、空燃比以外
の条件が同一であれば、空燃比が理論空燃比(A/F=
14.7)よりもややリッチ側(おおむね、A/F=1
3)にあるときに出力トルクが最大となり、空燃比がこ
れよりリーンになればなるほど出力トルクは低下する。
そして、空燃比に対する出力トルクの変化率は一定では
なく、該変化率はリーン側ほど大きくなる(図23参
照)。このため、空燃比を制御量としてアイドル回転数
のフィードバック制御を行う場合、空燃比がリーンなと
きほど空燃比の変化に対する出力トルクの変化量が大き
くなる。したがって、アイドル回転数の空燃比フィード
バック制御における空燃比フィードバック制御量ないし
は制御ゲインを一定にしたのでは、空燃比によって出力
トルクが大きく変化し、制御精度が悪くなる。したがっ
て、空燃比を制御量とするアイドル回転数のフィードバ
ック制御では、空燃比に応じて空燃比フィードバック制
御量ないしは制御ゲインを設定し、その制御精度を高め
るのが好ましい。
【0017】そして、この空燃比を制御量とするアイド
ル回転数制御装置においては、ラフネス制御により、ト
ルク変動状態(ラフネス)に応じてラフネス制御量すな
わち空燃比が変化させられる。他方、アイドル回転数の
フィードバック制御における空燃比フィードバック制御
量(空燃比)が、上記ラフネス制御量すなわち空燃比に
応じて好ましく変化させられる。例えば、ラフネス制御
量(空燃比)がリーンなときほど、アイドル回転数の空
燃比フィードバック制御における制御ゲインが小さく設
定される。このため、空燃比フィードバック制御量に対
する出力トルクが安定化ないしは一定化され、アイドル
回転数の空燃比フィードバック制御の制御精度が高めら
れる。つまり、前記の点火時期を制御量とする場合と同
様に、アイドル回転数のフィードバック制御とラフネス
制御とを調和させることができ、両制御の制御精度を高
めることができる。
【0018】本発明の第3の態様にかかるエンジンのア
イドル回転数制御装置は、(a)アイドル運転状態にお
いて、エンジンの実回転数が目標アイドル回転数に収束
するように、実回転数と目標アイドル回転数との偏差に
基づいて点火時期フィードバック制御量の値を決定し、
この点火時期フィードバック制御量によりアイドル点火
時期を決定して点火時期フィードバック制御を実行する
アイドル回転数制御手段を備えたエンジンのアイドル回
転数制御装置において、(b)運転状態に応じて点火時
期を、最大トルクが得られる点火時期よりもリタード側
のリタード補正値に設定する点火時期リタード設定手段
と、(c)アイドル点火時期とリタード補正値とに基づ
いて、点火プラグによる点火を実行する点火実行手段
と、(d)点火時期フィードバック制御量を決定するた
めの制御ゲインを、リタード補正値に基づいて補正する
補正手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0019】このエンジンのアイドル回転数制御装置に
おいて、エンジン温度を検出する手段が設けられている
場合、リタード補正値は、エンジン温度が所定の温度よ
りも低いときに、点火時期が、最大トルクが得られる点
火時期よりも所定量リタード側になるように設定される
ようになっているのが好ましい。ここで、リタード補正
値は、少なくともアイドル時にエンジンの燃焼に起因す
るトルク変動状態が許容限度範囲内に収まるように、検
出されたトルク変動状態量に応じて設定され、検出され
たトルク変動状態量が小さいときに、補正手段は制御ゲ
インを小さい値に補正するようになっているのが好まし
い。また、点火時期リタード設定手段は、検出されたト
ルク変動状態量が小さいときにリタード補正値をリター
ド側に補正し、補正手段は、リタード補正値がよりリタ
ード側に設定されるほど制御ゲインを小さい値に補正す
るようになっていてもよい。さらに、運転状態に基づい
て基本点火時期を設定する手段を備えている場合、点火
実行手段は、基本点火時期とリタード補正値とアイドル
点火時期とにより点火を実行し、補正手段は、基本点火
時期とリタード補正値とにより求まる点火時期がよりリ
タード側に設定されるほど、制御ゲインをより小さい値
に設定するようになっているのが好ましい。
【0020】本発明の第4の態様にかかるエンジンのア
イドル回転数制御装置は、(a)アイドル運転状態にお
いて、エンジンの実回転数が目標アイドル回転数に収束
するように、実回転数と目標アイドル回転数との偏差に
基づいて空燃比フィードバック制御量の値を決定し、こ
の空燃比フィードバック制御量により空燃比を調整する
アイドル回転数制御手段を備えたエンジンのアイドル回
転数制御装置において、(b)運転状態に基づいて空燃
比を、最大トルクが得られる空燃比よりもリーン側のリ
ーン補正値に設定する設定手段と、(c)少なくとも、
空燃比フィードバック制御量とリーン補正値とにより空
燃比制御を行う空燃比制御手段と、(d)アイドル時に
おける空燃比制御手段による空燃比制御における制御ゲ
インを、リーン補正値に基づいて補正する補正手段とが
設けられていることを特徴とするものである。
【0021】このエンジンのアイドル回転数制御装置に
おいては、リーン補正値が、エンジンの燃焼に起因する
トルク変動状態が許容限度範囲内に収まるように、検出
されたトルク変動状態量に応じて設定され、補正手段
が、検出されたトルク変動状態量が小さいときには制御
ゲインを小さい値に設定するようになっているのが好ま
しい。ここで、設定手段は、トルク変動状態量が小さい
ときにはリーン補正値をリーン側の値に設定し、補正手
段は、設定手段により設定されたリーン補正値がリーン
側の値であればあるほど、制御ゲインを小さい値に補正
するようになっているのが好ましい。また、設定手段が
基本空燃比を設定する一方、空燃比制御手段が基本空燃
比とリーン補正値と空燃比フィードバック制御量の値と
により空燃比を制御し、補正手段が、基本空燃比とリー
ン補正値とにより求まる空燃比がよりリーン側に設定さ
れるほど、制御ゲインをより小さい値に補正するように
なっていてもよい。
【0022】本発明の第5の態様にかかるエンジンのア
イドル回転数制御装置は、(a)アイドル時に、エンジ
ンの実回転数が目標アイドル回転数となるように、実回
転数と目標アイドル回転数との偏差に基づいて点火フィ
ードバック制御量を求め、該点火フィードバック制御量
により点火時期を変化させてアイドル回転数をフィード
バック制御するアイドル回転数制御手段を備えたエンジ
ンのアイドル回転数制御装置において、(b)アイドル
時に、燃焼に起因するトルク変動状態が許容限度内に収
まるように、該トルク変動状態に応じてラフネス制御量
を演算して点火時期を補正することにより、トルク変動
におけるラフネス特性を制御する第1のラフネス制御手
段と、(c)アイドル時に、エンジン回転数が目標アイ
ドル回転数となるように、空燃比を変化させてアイドル
回転数をフィードバック制御するとともに、燃焼に起因
するトルク変動状態が許容限度内に収まるように、該ト
ルク変動状態量に応じたラフネス制御量を演算して空燃
比を補正することにより、トルク変動におけるラフネス
特性を制御する第2のラフネス制御手段と、(d)アイ
ドル時において、第1のラフネス制御手段と第2のラフ
ネス制御手段とのうちのいずれか一方を選択して動作さ
せる選択手段とを備えていて、(e)第1のラフネス制
御手段が、アイドル回転数をフィードバック制御すると
きに演算する点火フィードバック制御量を、点火時期に
関連して生成する第1のラフネス制御量に応じて補正
し、(f)第2のラフネス制御手段が、アイドル回転数
をフィードバック制御するときに演算する空燃比フィー
ドバック制御量を、空燃比に関連して生成する第2のラ
フネス制御量に応じて補正するようになっていることを
特徴とするものである。
【0023】このエンジンのアイドル回転数制御装置に
おいては、選択手段が、第1のラフネス制御量と第2の
ラフネス制御量の各値を、それぞれ第1と第2の所定の
閾値と比較し、第1のラフネス制御量が第1の閾値より
大きいときは、第2のラフネス制御手段を動作させるよ
うになっているのが好ましい。また、選択手段が、第1
のラフネス制御量と第2のラフネス制御量の各値を、そ
れぞれ第1と第2の所定の閾値と比較し、第2のラフネ
ス制御量が第2の閾値より大きいときは、第1のラフネ
ス制御手段を動作させるようになっていてもよい。
【0024】上記エンジンのアイドル回転数制御装置
は、排気ガス浄化触媒を備えた触媒コンバータが排気通
路に介設されているエンジンに設けられるのがとくに好
ましい。この場合、エンジンを冷機状態から始動させた
場合等において、排気ガス浄化触媒の昇温を促進するこ
とができ、エミッション性能の向上を図ることができ
る。なお、本発明はラフネス制御を行うエンジンに対し
てとくに有効であるが、ラフネス制御を行わないエンジ
ン、例えばエンジン水温に応じて点火時期を遅角させる
がラフネス制御は行わないエンジンについても有効であ
るのはもちろんである。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態1を具体的に説明する。図1に示すように、
本発明にかかるアイドル回転数制御装置を備えた自動車
用のエンジンシステムAには、ガソリンを燃料とする直
列4気筒型の4サイクルエンジン1が設けられている。
このエンジン1には、詳しくは図示していないが、4つ
の気筒2(1つのみ図示)を備えたシリンダブロック3
と、該シリンダブロック3の上面に組付けられたシリン
ダヘッド4とが設けられている。そして、各気筒2内に
はそれぞれ、往復動可能にピストン5が嵌入され、ピス
トン5とシリンダヘッド4とによって燃焼室6が画成さ
れている。また、各燃焼室6の天井部にはそれぞれ点火
プラグ7が臨設され、この点火プラグ7は、点火時期の
電子制御が可能なイグナイタ等を含む点火回路8に接続
されている。
【0026】さらに、このエンジンシステムAには、各
気筒2の燃焼室6にエア(吸気)を供給するために、大
気中からエアを取り入れる単一の共通吸気通路9と、該
共通吸気通路9からエアを受け入れる各気筒毎の独立吸
気通路10とが設けられている。ここで、共通吸気通路
9の上流端は、エア中のダストを除去するエアクリーナ
11に接続され、下流端はエアの流れを安定させるサー
ジタンク15に接続されている。また、各独立吸気通路
10の上流端はそれぞれサージタンク15に接続され、
下流端はそれぞれ吸気弁12を介して燃焼室6と連通し
ている。
【0027】そして、共通吸気通路9には、エアの流れ
方向(図1中の位置関係では左向き)にみて上流側から
順に、エアの流量(エンジン1に実際に吸入される吸入
空気量)を検出するホットワイヤ式のエアフローセンサ
13と、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応
じて開閉されて共通吸気通路9を絞るスロットル弁14
とが設けられている。また、各独立吸気通路10にはそ
れぞれ、後で説明するECU35(エンジン・コントロ
ール・ユニット)からの燃料噴射信号(噴射パルス)を受
けて燃料を噴射するインジェクタ16(燃料噴射弁)が
設けられている。なお、エアクリーナ11には、吸気温
(エアの温度)を検出する吸気温センサ17が付設され
ている。
【0028】各独立吸気通路10は、その下流端近傍で
は、図示していない第1吸気通路(吸気ポート)と第2吸
気通路10a(吸気ポート)とに分岐され、第1と第2
の両吸気通路の分岐部の上流でインジェクタ16の直上
流には、アクチュエータ18aによって開閉駆動される
開閉弁18(吸気流動強化制御弁)が配設されている。
ここで、開閉弁18は、閉弁時にインジェクタ16側に
吸気を流通させる間隙部が形成されるよう、閉弁時にお
ける上端部側が切欠かれている。開閉弁18が閉じられ
たときには、エアは実質的にこの切欠かれた切欠き部か
ら燃焼室6に供給され、このとき燃焼室6内に強いタン
ブルが生成され、混合気の燃焼性が高められる。
【0029】共通吸気通路9の、スロットル弁14より
上流側の部分と下流側の部分とは、ISC(Idle Speed
Control)バイパス通路20により接続され、該ISC
バイパス通路20には、アクチュエータ21aによって
開閉駆動されて該ISCバイパス通路20を開閉するI
SCバルブ21が設けられている。このISCバルブ2
1の開度を制御することにより、エンジン1のアイドル
回転数が調整されるようになっている。なお、スロット
ル弁14の近傍において共通吸気通路9には、スロット
ル弁14の全閉状態を検出するアイドルスイッチ22
と、スロットル弁14の開度(スロットル開度)を検出
するスロットル開度センサ23とが設けられている。
【0030】さらに、エンジンシステムAには、エンジ
ン1の排気ガスを大気中に排出する排気通路25が設け
られ、この排気通路25は、排気ガスの流れ方向(図1
中の位置関係では左向き)にみて上流端付近では4つに
分岐され、これらの各上流端(排気ポート)はそれぞれ
排気弁24を介して、対応する燃焼室6と連通してい
る。そして、排気通路25には、排気ガスの流れ方向に
みて上流側から順に、排気ガス中の酸素濃度(ひいては
空燃比)を検出するO2センサ26(λO2センサ、リニ
アO2センサ等)と、排気ガスを浄化する触媒コンバー
タ27とが配設されている。O2センサ26は、排気ガ
ス中の酸素濃度に基づいて燃焼室6内の空燃比を検出す
るようになっている。なお、λO2センサは、理論空燃
比(λ=1)付近で出力が急変し、実質的に空燃比が理
論空燃比より高いか低いかを検出する形式のO2センサ
である。また、リニアO2センサは、基本的にはO2濃度
をリニアに検出することができる形式のO2センサであ
るが、とくに理論空燃比付近でのO2濃度の検出精度が
高くなる(すなわち、O2濃度の変化に対する出力変化
が大きい)。触媒コンバータ27は、排気ガス中の炭化
水素(HC)と一酸化炭素(CO)と窒素酸化物(NOx)と
を同時に浄化することができる三元触媒を排気ガス浄化
触媒として用いたものであり、リーン状態でもNOxを
浄化する性能を有するものが用いられている。
【0031】また、エンジン1には、電磁ピックアップ
等からなるクランク角センサ30が設けられている。こ
のクランク角センサ30は、図示していないクランク軸
の端部に取り付けられた被検出用プレート31の外周に
対応する位置に配置され、クランク軸の回転に伴って被
検出用プレート31が回転したときには、その外周部に
設けられた4つの突起部31aの通過に伴ってパルス信
号を出力するようになっている。さらに、エンジン1に
は、ウォータジャケット内の冷却水の温度(エンジン水
温)を検出する水温センサ32が設けられている。
【0032】そして、エンジンシステムAないしエンジ
ン1の各種制御を行うために、マイクロコンピュータ等
からなるECU35(エンジン・コントロール・ユニッ
ト)が設けられている。図2にも示すように、このEC
U35には、エアフローセンサ13、吸気温センサ1
7、アイドルスイッチ22、スロットル開度センサ2
3、O2センサ26、クランク角センサ30、水温セン
サ32等の各出力信号が入力されるようになっている。
他方、ECU35からは、インジェクタ16に対して燃
料噴射を制御する信号(パルス信号)が出力されるととも
に、点火回路8に対して点火時期を制御する信号が出力
され、さらにISCバルブ21のアクチュエータ21a
及び開閉弁18のアクチュエータ18aにも制御信号が
出力されるようになっている。
【0033】具体的にはECU35には、開閉弁18の
アクチュエータ18aを制御する開閉弁制御部36と、
エンジン1のクランク角速度変動状態ないしはトルク変
動状態(以下、これを「ラフネス」ないし「ラフネス
値」という)を検出するラフネス検出部37と、インジ
ェクタ16の燃料噴射量すなわち空燃比を制御する空燃
比制御部38と、点火回路8(点火プラグ7)の点火時
期を制御するとともにアイドル回転数をフィードバック
制御する点火時期制御部39と、ISCバルブ21のア
クチュエータ21aを制御するISC制御部40とが設
けられている。
【0034】以下、ECU35によって実行されるエン
ジンシステムAないしはエンジン1の各種制御の概要を
説明する。すなわち、開閉弁制御部36は、所定の低出
力領域(低負荷・低回転領域)では、各気筒2のアクチ
ュエータ18aに開閉弁18をほぼ閉じさせ、実質的に
切欠き部から燃焼室6にエアを供給させる。例えば、図
15に示すように、この開閉弁18が閉じられる開閉弁
閉弁領域(低出力領域)は、エンジン回転数と、吸気充
填効率(エンジン負荷)と、エンジン水温とに応じて設
定される。なお、この開閉弁閉弁領域は、エンジン回転
数と吸気充填効率とエンジン水温とをパラメータとする
マップを検索することにより設定される。
【0035】この開閉弁閉弁領域では、燃焼室6内には
強いタンブルが形成されて吸気流動が強化され、これに
よって混合気の燃焼性が大幅に高められる。このとき、
開閉弁18の切欠き部を介して燃焼室6に流入する高速
のエアによって、インジェクタ16から噴射された燃料
の気化・霧化が促進され、これによっても混合気の燃焼
性が高められる。他方、エンジン1の運転状態が上記所
定の低出力領域に入っていないときには開閉弁18が開
かれ、燃焼室6に十分な量のエアが供給され、吸気充填
効率ひいてはエンジン出力が高められる。
【0036】ラフネス検出部37は、後で説明するよう
に、エンジン1のラフネス値を検出し、このラフネス値
を空燃比制御部38及び点火時期制御部39に出力す
る。そして、空燃比制御部38及び点火時期制御部39
は、通常の空燃比制御及び点火時期制御を行う一方、後
で説明するラフネス制御(図3〜図8、図25、図29
参照)を行う。
【0037】空燃比制御部38は、基本的には、エアフ
ローセンサ13によって検出される吸入空気量に基づい
て、各燃焼室6に供給される混合気の空燃比が所定の目
標空燃比(例えば、λ=1、A/F=14.7)となる
ようインジェクタ16の燃料噴射量を制御する。そし
て、所定の運転領域では、O2センサ26によって検出
される排気ガス中のO2濃度すなわち実際の空燃比の目
標空燃比に対する偏差に基づいて、空燃比のフィードバ
ック制御を行うようになっている。なお、後で説明する
ように、空燃比制御部38は、エンジン1の冷間始動時
においては、適宜、空燃比(基本値)を変化させる(補
正する)ことによりA/Fラフネス制御を行うようにな
っている。
【0038】点火時期制御部39は、基本的には、次の
式1により、各気筒2の気筒番号(n)の点火時期IG
T(n)を演算し、該点火時期IGT(n)のタイミン
グに気筒番号(n)の点火プラグ7に通電して燃焼室6
内の混合気を着火・燃焼させるようになっている。点火
時期IGT(n)は、所定値よりも大きいときに、点火
時期は進角側に設定されるものとして定義されると、次
の式1であらわされる。 IGT(n)=θBASE+θIDFB+θRTD +θrough(n)……………式1 なお、式1において、nは1〜4の整数であり、それぞ
れエンジン1の4つの気筒の点火順にみた気筒番号に対
応している。例えば、n=1が第1気筒に対応する場合
は、n=2は第3気筒に対応し、n=3は第4気筒に対
応し、n=4は第2気筒に対応する。
【0039】式1において、θBASE は基本点火時期す
なわち点火時期の基本設定値であって、通常は、各気筒
毎にMBT、すなわちエンジン1が最大トルクを出力す
る点火時期(例えば、上死点前10°CA)よりも若干遅
角側に、図示していない基本点火時期設定マップを用い
て、エンジン回転数及び吸気充填効率に応じて設定され
る。なお、この基本点火時期θBASEは、後で説明するよ
うに、アイドル時と非アイドル時(オフアイドル時)と
で、それぞれの運転状態に適するように個別に設定され
る。
【0040】式1において、θIDFBは、アイドル時にお
いてエンジン回転数(アイドル回転数)を目標アイドル
回転数に追従するようフィードバック制御するための点
火時期のフィードバック制御量(補正量)である。例え
ば、図16に示すように、目標アイドル回転数は、エン
ジン水温(エンジン温度)に応じて、エンジン水温の上
昇に伴ってリニアに低下するような特性で設定されてい
る。なお、エンジン1が暖機状態となったとき、例えば
エンジン水温が60°Cを超えたときには、目標アイド
ル回転数は例えば650〜700r.p.m.の範囲内の
一定値とされる。
【0041】例えば、図17に示すように、フィードバ
ック制御量θIDFBは、基本的には、アイドル時における
エンジン回転数(アイドル回転数)の目標アイドル回転
数に対する偏差(図17の横軸)に応じて好ましく設定
される(なお、後記のとおり、フィードバック制御量θ
IDFB決定のための制御ゲインは点火時期の遅角量に応じ
て変化する)。図17から明らかなとおり、例えばアイ
ドル回転数が目標アイドル回転数より高いとき(偏差が
+)にはθIDFBが遅角方向に変化させられ、これにより
エンジン1の出力トルクが低下し、アイドル回転数が低
下して目標アイドル回転数に近づく。他方、アイドル回
転数が目標アイドル回転数より低いとき(偏差が−)に
はθIDFBが進角方向に変化させられ、これによりエンジ
ン1の出力トルクが上昇し、アイドル回転数が上昇して
目標アイドル回転数に近づく。
【0042】例えば、図18に示すように、MBT(出
力トルクが最大となる点火時期)より遅角側では、点火
時期が遅角するほどエンジン1の出力トルクが低下する
ので、このように点火時期を進角又は遅角させることに
よりアイドル回転数を制御することができる。しかしな
がら、このエンジンシステムAないしエンジン1では、
点火時期を制御量とするラフネス制御が行われるので、
ラフネス制御によって点火時期が変化させられる。そこ
で、後で説明するように、ラフネス制御による点火時期
の遅角の度合いに応じて、アイドル回転数のフィードバ
ック制御の制御ゲインを変化させてラフネス制御との調
和を図り、該フィードバック制御の制御精度を高めるよ
うにしている。
【0043】また、式1において、θRTDは昇温促進制
御量であって、エンジン冷却水あるいは排気ガスの温度
を上昇させる目的で、点火時期を遅らせる制御量であ
る。このエンジンシステムAないしエンジン1では、冷
機状態から始動する場合、すなわち冷間始動時には、点
火時期を大幅に遅角させ(例えば、概ね15°CA)、
これにより混合気の燃焼によって生じた熱エネルギの排
気ガスあるいはエンジン冷却水への伝達率を高めて、排
気ガス温度の昇温を促進するとともに、エンジン1の暖
機を促進して触媒コンバータ27内の三元触媒の昇温を
促進するようにしている。
【0044】例えば、図19中のグラフG1で示すよう
に、エンジン水温が非常に低い場合を除いて、昇温促進
制御量θRTDはエンジン水温に応じて大幅に遅角側に設
定され、これによって触媒コンバータ27内の三元触媒
の昇温ないしはエンジン1の暖機が促進される。これに
より、エンジンシステムAないしはエンジン1のエミッ
ション性能及び燃費性能が高められる。
【0045】しかしながら、このように点火時期を大幅
に遅角させて触媒コンバータ27内の三元触媒の昇温な
いしはエンジン1の暖機を促進した場合、エンジン1の
出力トルクが比較的低くなるので、燃料の性状(重質か
軽質か)、あるいは燃焼室6内での混合気の燃焼状態の
変動等に起因してクランク角速度変動ないしはトルク変
動(ラフネス)が生じ、エンジン1の円滑な運転が損な
われる場合がある。そこで、式1に示すように、(θ
BASE+θIDFB+θRTD)で演算された基本的な点火時期
(基本値)を、さらにIGラフネス制御量θ
rough(n)、すなわち点火時期制御によりラフネス制御
を行うための制御量であるIGラフネス制御量θ
roug h(n)で補正して、ラフネスを抑制するようにして
いる。なお、このIGラフネス制御量θrough(n)は、
後で説明するラフネス制御ルーチン(図3〜図8)で設
定される。
【0046】かくして、点火時期制御部39は、クラン
ク角センサ30から入力される信号に基づいて、点火時
期IGT(n)になったか否かを判定し、点火時期になっ
た時点で点火回路8に点火プラグ7に通電させ、各気筒
毎に混合気を着火・燃焼させる。なお、ISC制御部4
0は、よく知られた普通のISC制御手法を用いて、I
SCバイパス通路20内を流れるバイパスエアの流量を
制御する。
【0047】ところで、このエンジンシステムAないし
エンジン1においては、前記のとおり、点火時期を大幅
に遅角させることにより、触媒コンバータ27内の三元
触媒の昇温ないしはエンジン1の暖機を促進するように
しているので、低出力領域ではクランク角速度変動ない
しはトルク変動(ラフネス)が生じやすくなり、エンジ
ンの回転安定性が損なわれるおそれがある。そこで、ア
イドル領域ないしは所定の低出力領域(ラフネス制御領
域)では、点火時期あるいは空燃比を補正することによ
り、上記ラフネスを抑制してエンジンの回転安定性を高
めるといったラフネス制御を行うようにしている。
【0048】しかしながら、このラフネス制御と前記の
アイドル回転数のフィードバック制御とは、いずれも点
火時期を制御量とする関係上、両制御を調和させあるい
は統一的に把握して制御の効率化を図り、両制御の制御
精度を高めることが必要である。そこで、エンジンシス
テムAでは、ラフネス制御量(点火時期)が遅角側にあ
るときほどアイドル回転数のフィードバック制御におけ
る制御ゲインを小さくして、フィードバック制御量の変
化に対する出力トルク変化を一定化しアイドル回転数の
フィードバック制御の安定性ないしは精度を高めるよう
にしている。
【0049】なお、図20に示すように、エンジン1の
図示平均有効圧力Piの変動率は、一般的傾向として
は、点火時期が遅角するほど大きくなるが、燃料(ガソ
リン)の性状、例えば重質(燃料の気化・霧化が相対的
に悪い性質)であるか軽質(燃料の気化・霧化が相対的
に良い性質)であるかによって大きく異なる。したがっ
て、燃料の性状によってアイドル回転数のフィードバッ
ク制御の制御安定性が大きく左右される。また、エンジ
ン1の個体差によっても、アイドル回転数のフィードバ
ック制御の制御安定性が左右される。このため、例えば
エンジン水温等に基づいて一義的にアイドル回転数のフ
ィードバック制御における制御ゲインを設定したので
は、制御精度を十分に高めることはできない。しかしな
がら、本発明にかかるアイドル回転数のフィードバック
制御では、前記のように制御の安定性が大幅に高められ
るので、燃料の性状あるいはエンジンの個体差のいかん
にかかわらず、アイドル回転数のフィードバック制御の
制御精度が十分に高められる。
【0050】図21に示すように、点火時期以外の条件
が同一である場合においてMBTより遅角側では、点火
時期が遅角すればするほど、点火時期の遅角量に対する
出力トルクの変化率ΔTは大きくなる。このため、点火
時期を制御量としてアイドル回転数のフィードバック制
御を行う場合、点火時期が遅角側にあるときほど点火時
期の変化に対する出力トルクの変化量が大きくなる。し
たがって、アイドル回転数のフィードバック制御におけ
る制御ゲインを一定にしたのでは、点火時期の遅角の度
合いによって出力トルクが大きく変化し、制御精度が悪
くなる。
【0051】そこで、図22に示すように、アイドル回
転数のフィードバック制御における制御ゲインθ
CFBを、点火時期が遅角側にあるときほど小さくするよ
うにしている。なお、図22では、横軸は点火時期遅角
量を示しており、横軸の右側になるほど、遅角量の値が
大きくなることから、点火時期はより遅れていることに
なることを意味する。これにより、フィードバック制御
量に対する出力トルクが安定化ないしは一定化され、ア
イドル回転数のフィードバック制御の安定性ないしは制
御精度が高められる。つまり、アイドル回転数のフィー
ドバック制御とラフネス制御とを調和させることがで
き、両制御の制御精度を高めることができる。よって、
冷間始動時等において、アイドル回転数を目標アイドル
回転数に高精度で追従させることができ、かつトルク変
動(ラフネス)を許容範囲内に収めつつ排気ガス浄化触
媒の昇温ないしはエンジンの暖機を促進することができ
る。このため、エミッション性能及び燃費性能が大幅に
高められる。
【0052】なお、アイドル回転数のフィードバック制
御とラフネス制御とを、点火時期ではなく空燃比を制御
量として行う場合は、ラフネス制御量(空燃比)がリー
ン側にあるときほど、アイドル回転数のフィードバック
制御における制御ゲインλCF Bを小さくするのが好まし
い。すなわち、図23に示すように、空燃比以外の条件
が同一である場合において空燃比(A/F)がおおむね
13よりリーン側の領域では、空燃比がリーンなときほ
ど、空燃比の変化ΔA/Fに対する出力トルクの変化Δ
Tの割合(出力トルクの変化率)[(ΔT)/(ΔA/
F)]が大きくなる。このため、空燃比を制御量として
アイドル回転数のフィードバック制御を行う場合、空燃
比がリーンなときほど空燃比の変化に対する出力トルク
の変化量が大きくなる。したがって、アイドル回転数の
フィードバック制御における制御ゲインλCFBを一定に
したのでは、空燃比によって出力トルクが大きく変化
し、制御精度が悪くなる。
【0053】そこで、図24に示すように、アイドル回
転数のフィードバック制御における制御ゲインλ
CFBを、空燃比がリーンなときほど小さくするのが好ま
しい。具体的には、図24にその一例を示すように、空
燃比が13未満のリッチな領域では、フィードバック
(F/B)制御ゲインλCFBが一定値に保たれるが、出
力トルクの変化率が次第に大きな負の値に変化してゆく
ところの空燃比が13以上14.4未満の領域では、F
/B制御ゲインλCFBは空燃比が大きくなる(よりリー
ンとなる)につれて減少する。なお、空燃比が14.4
以上のリーンな領域、すなわちおおむね理論空燃比以上
の大きな空燃比領域では、燃焼安定性を確保するために
F/B制御ゲインλCFBを一定にする。空燃比に対する
F/B制御ゲインλC FBを図24に示すような設定とす
ることにより、フィードバック制御量に対する出力トル
クが安定化ないしは一定化され、アイドル回転数のフィ
ードバック制御の制御精度が高められる。つまり、アイ
ドル回転数のフィードバック制御とラフネス制御とを調
和させることができ、両制御の制御精度を高めることが
できる。
【0054】以下、図3〜図8に示すフローチャートに
従って、このラフネス制御の具体的な制御方法を説明す
る。図3〜図8に示すように、このラフネス制御におい
ては、まずステップS1で、クランク角センサ30の出
力信号に基づいて、上死点後のクランク角が104°か
ら174°(ATDC104°CA〜ATDC174°
CA)になるまでの時間間隔T(i)が計測される。続
いてステップS2で、次の式2を用いて、ステップS1
で計測された時間間隔T(i)に基づいて、クランク角
速度ω(i)が算出される。すなわち、ATDC104
°CAからATDC174°CAまでは70°CAであ
るから、 ω(i)=70・106/T(i)……………………………………式2 T(i):時間間隔[マイクロ秒] ω(i):クランク角速度[クランク角(°CA)/
秒] となる。
【0055】ここで、クランク角速度ω(i)の検出を
行うべきクランク角期間の好ましい設定手法について、
図9〜図11に基づいて説明する。図9は、直列4気筒
型の4サイクルエンジンについて、トルク及び角速度の
上死点後のクランク角(ATDC CA)に対する変化
特性の一例を示す図である。図9に示すように、各気筒
における慣性トルク(破線)とガス圧トルク(一点鎖線)と
の合成トルクは、図9中に太い実線で示されているよう
に、正常燃焼時は180°CA間隔で周期的に変化し、
この合成トルクによって回転されるクランク軸の角速度
(実線A)も周期的に変化する。他方、例えば第1気筒に
おいて燃焼状態が不安定になって失火に近い状態が生じ
た場合、エンジンの合成トルクは、図9中に二点鎖線で
示されているように、極めて低くなってしまう。その結
果、クランク角速度は、破線Bで示すように第1気筒の
膨張行程半ばから顕著に低下し、正常燃焼時との差が大
きくなる。また、次に点火される気筒(第3気筒)では、
前回点火された気筒(第1気筒)の影響が残る膨張行程
の全般では角速度が低くなるが、行程が進むに連れて次
第に正常時の値に近づく。
【0056】図10は、燃焼圧と角速度変動(ラフネス
状態)との相関関係を示すグラフである。図10におい
て、横軸は、1つの気筒についての圧縮上死点後(AT
DC)のクランク角(ATDC CA)をあらわし、縦軸
は、当該気筒の燃焼状態(ガス圧)が角速度に及ぼす影響
の度合いを示す相関係数をあらわしている。ここで、相
関係数が正であれば当該気筒の燃焼圧の変動と角速度の
変動との相関性が高いことを意味し、他方負であれば当
該気筒よりもその前気筒の燃焼圧変動の影響が大きいこ
とを意味する。
【0057】そして、図9及び図10から明らかなよう
に、燃焼がほぼ終了するクランク角(ATDC40°C
A程度)から次に点火される気筒の燃焼開始時期付近の
クランク角(ATDC200°CA程度)までの範囲で
燃焼圧と角速度変動との相関性が高く、とくにガス圧ト
ルクが低下してからトルク変曲点(ATDC90°CA
程度)を経た後の、慣性トルクが大きくなる期間X(A
TDC100°CA〜ATDC200°CA)におい
て、相関関係が高くなっている。したがって、例えばA
TDC100°CA〜ATDC200°CAの範囲内で
角速度を検出するようにすれば、この角速度の変動(ラ
フネス状態)に基づいて当該気筒の燃焼状態を精度良く
判定することができる。また、角速度検出時間を十分に
確保するために、角速度検出のためのクランク角期間は
60°CA以上とすることが好ましい。
【0058】そこで、例えば図11に示すように、この
実施の形態では、各気筒のATDC104°CAとAT
DC174°CAとが検出されるように、被検出プレー
ト31の各突起部31aを設け、各気筒におけるATD
C104°CA〜174°CAの70°CAの期間のク
ランク角速度を検出するようにしている。
【0059】次に、ステップS3で、次の式3を用い
て、気筒毎に燃焼状態の判別にとってノイズとなる要素
を除去するためのコムフィルタ処理により、クランク角
速度ω(i)の差分dω(i)、すなわちクランク角速
度変動dω(i)が演算される。なお、気筒の識別は、
図示していないカムシャフトの回転角を検出するセンサ
からの信号に基づいて行われる。 dω(i)=ω(i−4)−ω(i)…………………………………式3 ω(i−4):4回前のクランク角速度演算値 ω(i):今回のクランク角速度演算値
【0060】ここで、燃焼状態の変動以外で角速度変動
を生じさせる要素としては、爆発を加振源とした共振の
影響による角速度変動、車輪や駆動系のアンバランスに
起因する車輪回転に伴う角速度変動、路面からタイヤに
作用する振動の影響による角速度変動等があげられる。
図12に示すように、共振の影響による爆発回転次数成
分のノイズはエンジン回転の0.5次及びその整数倍の
周波数で生じ、アンバランスに起因する車輪回転に伴う
ノイズや路面の影響によるノイズはエンジン回転の0.
5次よりも低い低周波数域内で生じる。
【0061】そこで、このステップS3では、コムフィ
ルタ処理によりエンジン回転の0.5次及びその整数倍
の周波数成分を除去することにより、上記3つのノイズ
成分を角速度変動から除去して、クランク角速度変動d
ω(i)を演算するようにしている。すなわち、図13
に示すように、同一気筒におけるクランク角速度の今回
値ω(i)と前回値ω(i−4)との偏差を求めること
により、コムフィルタ処理によりエンジン回転の0.5
次及びその整数倍の周波数成分を除いたクランク角速度
変動dω(i)のデータが得られることになる。
【0062】続いて、ステップS4で、次の式4を用い
て、ハイパスフィルタ処理によりラフネス値dωf
(i)が演算される。つまり、エンジン回転の0.5次
よりも低い周波数成分のノイズを除くために、ステップ
S3で得られたクランク角速度変動dω(i)の8サイ
クル前までのデータに基づいてなまし処理が行われ、ラ
フネス値dωf(i)が演算される。 dωf(i)=k1・dω(i−4)+ k2・(dω(i−3)+dω(i−5))+ k3・(dω(i−2)+dω(i−6))+ k4・(dω(i−1)+dω(i−7))+ k5・(dω(i)+dω(i−8))……………式4 なお、式4において、k1〜k5はなまし係数(定数)
である。
【0063】図14に示すように、このハイパスフィル
タ処理によりエンジン回転の0.5次よりも低い周波数
成分が十分に減衰され除去される。このようにして、各
気筒毎に燃焼状態を高精度に反映したラフネス値dωf
(i)、すなわちクランク角速度変動値ないしはトルク
変動値を得ることができる。
【0064】次に、ステップS5とステップS6とで、
ステップS4で演算されたラフネス値dωf(i)が、
その上限しきい値dωfmaxを超えているか、又はそ
の下限しきい値dωfmin以下であるか、それとも上
限しきい値dωfmax以下の範囲内において下限しき
い値dωfminを超えているかが判定される。ここ
で、上限しきい値dωfmaxは、ラフネス値がこれを
超えるとクランク角速度変動ないしはトルク変動(ラフ
ネス)が非常に大きくなり、エンジン1の円滑な運転が
損なわれるおそれが生じるので、ラフネス値を迅速に減
少させること、すなわち点火時期を進角側に進ませるこ
とが要求される限界値である。この上限しきい値dωf
maxは、エンジン回転数と吸気充填効率(エンジン負
荷)とをパラメータとするマップを検索することによ
り、エンジン回転数と吸気充填効率とに応じて好ましく
設定される。
【0065】他方、下限しきい値dωfminは、ラフ
ネス値がこれ以下になるとクランク角速度変動ないしは
トルク変動が非常に小さくなり、エンジン1の運転が十
分に安定化されているものと考えられ、ラフネス値の抑
制を緩和してもよい、すなわち点火時期を遅らせてもよ
いと考えられる限界値である。この下限しきい値dωf
minは、エンジン回転数と吸気充填効率(エンジン負
荷)とをパラメータとするマップを検索することによ
り、エンジン回転数と吸気充填効率とに応じて好ましく
設定される。
【0066】かくして、ステップS5で、ラフネス値d
ωf(i)が上限しきい値dωfmaxを超えていると
判定された場合は(ステップS5でYES)、ステップ
S7でラフネス大判定フラグF1に1がセットされ、続
いてステップS8でラフネス小判定フラグF2に0がセ
ットされる。
【0067】ステップS5とステップS6とで、ラフネ
ス値dωf(i)が下限しきい値dωfmin以下であ
ると判定された場合は(ステップS5でNO、かつステ
ップS6でYES)、ステップS9でラフネス大判定フ
ラグF1に0がセットされ、続いてステップS10でラ
フネス小判定フラグF2に1がセットされる。
【0068】また、ステップS5とステップS6とで、
ラフネス値dωf(i)が上限しきい値dωfmax以
下の範囲内において下限しきい値dωfminを超えて
いる、つまりラフネス値dωf(i)が上限しきい値d
ωfmaxと下限しきい値dωfminとの間にあると
判定された場合は(ステップS5でNO、かつステップ
S6でNO)、ステップS11でラフネス大判定フラグ
1に0がセットされ、続いてステップS12でラフネ
ス小判定フラグF2に0がセットされる。
【0069】この後、ステップS13で、ラフネス制御
実行条件が成立しているか否かが判定される。このラフ
ネス制御では、次の3つの条件がともに成立したときに
ラフネス制御実行条件が成立しているものと判定し、ラ
フネス制御を実行するようにしている。
【0070】<ラフネス制御実行条件> (1)エンジン始動時において、完爆後、所定時間(例
えば、1秒)を経過していること。なお、ここではクラ
ンキング後においてエンジン回転数が500r.p.m.まで
上昇したときに完爆したものと判定するようにしてい
る。完爆直後は、エンジン1の回転が比較的不安定であ
るので、このようなときにラフネス制御を実行すること
は好ましくないから、上記の所定時間の経過を待つよう
にしている。 (2)エンジン水温が所定温度(例えば、60°C)以
下であること。すなわち、後で説明するエンジン暖機フ
ラグF4が0であること。なお、エンジン暖機フラグF4
は、図8に示すように、ステップS51でエンジン水温
が所定温度K(例えば、60°C)を超えていると判定
されたときにはステップS52で1がセットされ、所定
温度K以下であると判定されたときにはステップS53
で0がセットされるフラグである。エンジン水温が上記
所定温度を超えているときにはエンジン1がすでに暖機
状態にあるので、三元触媒の昇温あるいはエンジン1の
暖機を促進するための点火時期の大幅な遅角は行われ
ず、したがってラフネス制御を行う必要がないからであ
る。 (3)エンジン1の運転状態が、前記の図15中の開閉
弁閉弁領域(吸気流動強化領域)に入っていること。ラ
フネス制御を行うときには、エンジン1の回転安定性を
高めるために、燃焼室6内での混合気の燃焼性を高める
必要があるからである。
【0071】かくして、ステップS13で、ラフネス制
御実行条件が成立していないと判定された場合(N
O)、すなわち前記の各ラフネス制御実行条件の少なく
とも1つが成立しないときには、ラフネス制御を一時的
に停止させ、又は終了させるために、後で説明するステ
ップS32(図6)にスキップする。
【0072】他方、ステップS13で、ラフネス制御実
行条件が成立していると判定された場合(YES)、す
なわち前記のすべてのラフネス制御実行条件が成立して
いるときには、ステップS14が実行される。このステ
ップS14では、エンジン1の運転状態が、点火時期の
制御によりラフネス制御を行うべきIGラフネス制御領
域に入っているか、それとも空燃比(燃料噴射量)の制
御によりラフネス制御を行うべきA/Fラフネス制御領
域に入っているかが判定される。
【0073】このステップS14では、IGラフネス制
御禁止フラグF3が0でありかつエンジン1がアイドル
状態にあるときにはIGラフネス制御を行い、他方IG
ラフネス制御禁止フラグF3が1であるか、又はエンジ
ン1が非アイドル(オフアイドル)状態にあるときには
A/Fラフネス制御を行うようにしている。なお、IG
ラフネス制御禁止フラグF3は、IGラフネス制御にお
けるラフネス制御量(補正量)が最大限進角側となった
ときに1がセット(ステップS20において)されるフ
ラグである。したがって、このIGラフネス制御禁止フ
ラグF3が1であるときには、点火時期の制御によりエ
ンジン1の出力トルクを高めることはできず、したがっ
てIGラフネス制御は実質的に不可能となる。
【0074】かくして、ステップS14で、エンジン1
の運転状態がIGラフネス制御領域に入っていると判定
された場合は(YES)、ステップS15〜ステップS
23でIGラフネス制御量が演算され、又は保持(現状
維持)される。具体的には、まずステップS15でラフ
ネス大判定フラグF1が1であるか否かが判定される。
ラフネス大判定フラグF1が1であると判定された場合
(YES)、すなわちステップS5でdωf(i)>d
ωfmaxの状態が検出されていた場合には、点火時期
を進角させてトルクを増加させるべきであるから、ステ
ップS17で、次の式5を用いて今回の気筒別のIGラ
フネス制御量θrough(i)が演算される。この気筒別
のIGラフネス制御量θrough(i)は、基本的には、
前回の気筒別のIGラフネス制御量θrough(i−1)
を進角側に補正したものである。
【0075】 θrough(i)=θrough(i−1)+ min[K1・(dωf(i)−dωfmax),Δigad]……式5 θrough(i):今回の気筒別のIGラフネス制御量 θrough(i−1):前回の気筒別のIGラフネス制御
量 min[α,β,…]:α、β、…のうちの最小値 K1:比例定数 dωf(i):ラフネス値 dfmax:上限しきい値 Δigad:進角補正量 なお、Δigadは、エンジン回転数及び吸気充填効率
をパラメータとするマップを検索することにより、エン
ジン回転数及び吸気充填効率に応じて好ましく設定され
る。すなわち、Δigadはエンジン回転数(NE)と
吸気充填効率(γ)の関数である。 Δigad=Δigad(NE,γ)……………………………………式6
【0076】ただし、ステップS17では、式5により
演算された気筒別のθrough(i)の演算値が所定の限
界値IMXよりも大きいときには、θrough(i)はI
MXとされる。ここで、限界値IMXは、気筒別のθ
rough(i)の進角側への限界値すなわちリミッタであ
り、θrough(i)がIMXに達したときには、θrough
(i)はこれ以上は進角側に変化させることはできな
い。
【0077】次に、ステップS19で、ステップS17
で演算されたIGラフネス制御量θ rough(i)が限界
値IMXと等しいか否かが判定され、θrough(i)=
IMXであれば(YES)、ステップS20でIGラフ
ネス制御禁止フラグF3に1がセットされる。なお、ス
テップS19でθrough(i)=IMXでなければ(N
O)、ステップS20をスキップする。このIGラフネ
ス制御禁止フラグF3は、IGラフネス制御におけるラ
フネス制御量(補正量)が最大限に進角側となったとき
に1がセットされるフラグであるので、このIGラフネ
ス制御禁止フラグF3が1であるときには、点火時期の
制御によりエンジン1の出力トルクを高めることはでき
ず、IGラフネス制御は実行不可能となる。したがっ
て、このIGラフネス制御禁止フラグF3に1がセット
されたときには、後記のA/Fラフネス制御が実行され
ることになる。この後、制御はステップS44(図7参
照)に進められる。
【0078】前記のステップS15で、ラフネス大判定
フラグF1が1でないと判定された場合は(NO)、ス
テップS16でラフネス小判定フラグF2が1であるか
否かが判定される。ここで、ラフネス小判定フラグF2
が1であると判定された場合(YES)、すなわち、ス
テップS6でdωf(i)≦dωfminであると判定
されていた場合には、点火時期を遅角させてトルクを低
下させるべきであるから、ステップS21で、次の式7
を用いて今回の気筒別のIGラフネス制御量θ
rough(i)が演算される。この気筒別のIGラフネス
制御量θrough(i)は、基本的には、前回の気筒別の
IGラフネス制御量θrough(i−1)を遅角側に補正
したものである。 θrough(i)=θrough(i−1)+ min[K1・(dωf(i)−dωfmax),Δigret]……式7 θrough(i):今回の気筒別のIGラフネス制御量 θrough(i−1):前回の気筒別のIGラフネス制御
量 min[α,β,…]:α、β、…のうちの最小値 K1:比例定数 dωf(i):ラフネス値 dfmax:上限しきい値 Δigret:遅角補正量
【0079】なお、Δigretは、Δigadと同じ
ように、エンジン回転数及び吸気充填効率をパラメータ
とするマップを検索することにより、エンジン回転数及
び吸気充填効率に応じて好ましく設定される。すなわ
ち、Δigretはエンジン回転数(NE)と吸気充填
効率(γ)の関数である。 Δigret=Δigret(NE,γ)………………………………式8 ただし、ステップS21では、式7により演算された気
筒別のθrough(i)の演算値が所定の限界値IMNよ
りも小さいときには、θrough(i)はIMNとされ
る。ここで、限界値IMNは、気筒別のθrough(i)
の遅角側への限界値すなわちリミッタであり、θrough
(i)がIMNに達したときには、θrough(i)はこ
れ以上は遅角側に変化させることはできない。この後、
制御はステップS44に進められる。
【0080】前記のステップS16でラフネス小判定フ
ラグF2が1でないと判定された場合(NO)、すなわ
ちラフネス値が上限しきい値dωfmax以下であり、
かつ下限しきい値dωfminを超えている、つまりラ
フネス値が上限しきい値dωfmaxと下限しきい値d
ωfminとの間にあると判定された場合は、クランク
角速度変動ないしはトルク変動(ラフネス)が、さほど
大きくもなく、また点火時期をさらに遅角させられるほ
どには小さくないので、現在のIGラフネス制御量がそ
のまま保持される。
【0081】すなわち、この場合は、ステップS23
で、前回の気筒別のIGラフネス制御量θrough(i−
1)が今回の気筒別のIGラフネス制御量θ
rough(i)として保持される。この後、制御はステッ
プS44(図7)に進められる。なお、図7のステップ
S44ないしステップS50までの制御手順では、点火
時期θBASEを決定する。
【0082】かくして、ステップS44では、エンジン
の運転状態がアイドル領域に入っているか否かが判定さ
れ、アイドル領域に入っていれば(YES)、ステップ
S45で開閉弁18が閉弁領域(図15参照)に入って
いるか否かが判定され、閉弁領域に入っていれば(YE
S)、ステップS46で基本点火時期θBASEに、開閉弁
18の閉弁時におけるアイドル時用に前もって設定され
ている閉弁時の点火時期基本値θIDCLSがセットされ
る。他方、閉弁領域に入っていなければ(NO)、ステ
ップS47で基本点火時期θBASEに、開閉弁18の開弁
時におけるアイドル時用に前もって設定されている開弁
時の点火時期基本値θIDOPNがセットされる。また、ス
テップS44での判定で、エンジン1の運転状態が非ア
イドル領域であれば(NO)、ステップS48でステッ
プS45と同様に開閉弁18が閉弁領域に入っているか
否かが判定され、閉弁領域に入っていれば(YES)、
ステップS49で基本点火時期θBASEに開閉弁18の閉
弁時における非アイドル時用に前もって設定されている
非アイドル閉時の点火時期基本値θNIDCLSがセットされ
る。他方、閉弁領域に入っていなければ(NO)、ステ
ップS50で基本点火時期θBASEに、開閉弁18の開弁
時における非アイドル時用に前もって設定されている非
アイドル開時の点火時期基本値θNIDOPNがセットされ
る。このエンジンシステムAないしエンジン1では、非
アイドル時にはエンジン出力を高めるために、基本点火
時期θBASEをアイドル時よりも進角側に設定するように
している。また、開閉弁18の閉弁時は切欠き部の影響
により燃焼速度が速くなるため、基本点火時期θBASE
開閉弁18の開弁時よりも遅角側に設定するようにして
いる。そこで、ステップS44〜ステップS50で、ア
イドル時であるか非アイドル時であるかに応じて、また
開閉弁18の開閉状態に応じて個別に基本点火時期θBA
SEを設定するようにしている。
【0083】前記のステップS14で、エンジン1の運
転状態がIGラフネス制御領域に入っていないと判定さ
れた場合(NO)、すなわちA/Fラフネス制御領域に
入っていると判定された場合は、ステップS25〜ステ
ップS31でA/Fラフネス制御量が演算され、又は保
持(現状維持)される(図5参照)。つまり、この場合
は、点火時期を変化させることによりラフネス制御を行
うことが困難ないしは実質的に不可能であるので、空燃
比を変化させることにより出力トルクを増減させてラフ
ネス制御を行う。
【0084】具体的には、まずステップS25でラフネ
ス大判定フラグF1が1であるか否かが判定される。ラ
フネス大判定フラグF1が1であると判定された場合
(YES)、すなわち空燃比(A/F)をリッチ側に変
化させてトルクを増加させるべき場合は、ステップS2
7で、次の式9を用いて今回の気筒別のA/Fラフネス
制御量λrough(i)が演算される。この気筒別のA/
Fラフネス制御量λrough(i)は、基本的には、前回
の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i−1)を
リッチ側に一定量だけ補正したものである。 λrough(i)=λrough(i−1)+KL…………………………式9 λrough(i):今回の気筒別のA/Fラフネス制御量 λrough(i−1):前回の気筒別のA/Fラフネス制
御量 KL:リッチ側ラフネス制御量補正値(一定値)
【0085】ただし、ステップS27では、式9により
演算された気筒別のλrough(i)の演算値が所定の限
界値FMXよりも大きいときには、λrough(i)はF
MXとされる。ここで、限界値FMXは、気筒別のλ
rough(i)のリッチ側への限界値すなわちリミッタで
あり、λrough(i)がFMXに達したときには、λrou
gh(i)はこれ以上はリッチ側に変化させることはでき
ない。この後、制御はステップS39(図7参照)に進
められる。
【0086】前記のステップS25で、ラフネス大判定
フラグF1が1でないと判定された場合は(NO)、ス
テップS26でラフネス小判定フラグF2が1であるか
否かが判定される。ここで、ラフネス小判定フラグF2
が1であると判定された場合(YES)、すなわち空燃
比をリーン側に変化させてトルクを低下させるべき場合
は、ステップS28で、次の式10を用いて今回の気筒
別のA/Fラフネス制御量λrough(i)が演算され
る。この気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i)
は、基本的には、前回の気筒別のA/Fラフネス制御量
λrough(i−1)をリーン側に一定量だけ補正したも
のである。 λrough(i)=λrough(i−1)−KR………………………式10 λrough(i):今回の気筒別のA/Fラフネス制御量 λrough(i−1):前回の気筒別のA/Fラフネス制
御量 KR:リーン側ラフネス制御量補正値(一定値)
【0087】次に、ステップS29で、全気筒ともIG
ラフネス制御量が0であるか否かが判定され、全気筒と
もIGラフネス制御量が0であれば(YES)、ステッ
プS30でIGラフネス制御禁止フラグF3に0がセッ
トされる。なお、少なくとも1つの気筒のIGラフネス
制御量が0でなければ(NO)、ステップS30をスキ
ップする。ステップS30で、このIGラフネス制御禁
止フラグF3に0がセットされたときには、前記のIG
ラフネス制御に復帰することになる。この後、制御はス
テップS39(図7)に進められる。
【0088】前記のステップS26でラフネス小判定フ
ラグF2が1でないと判定された場合(NO)、すなわ
ちラフネス値が上限しきい値dωfmax以下であり、
かつ下限しきい値dωfminを超えていると判定され
た場合は、クランク角速度変動ないしはトルク変動(ラ
フネス)が、さほど大きくもなく、またさほど小さくも
ないので、現在のA/Fラフネス制御量がそのまま保持
される。すなわち、この場合は、ステップS31で、前
回の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i−1)
が今回の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i)
とされる。この後、制御はステップS39に進められ
る。
【0089】ステップS39では、空燃比フィードバッ
ク制御フラグF5が1であるか否かが判定される。この
空燃比フィードバック制御フラグF5は、1がセットさ
れたときには、空燃比を理論空燃比、つまりλ=1にし
ようとする空燃比のフィードバック制御が許可され、0
がセットされたときにはこの空燃比のフィードバック制
御が禁止されるフラグである。このA/Fラフネス制御
においては、少なくとも1つの気筒のA/Fラフネス制
御量λrough(i)が所定の設定値を超えているときに
は空燃比のフィードバック制御を禁止し、全気筒につい
てA/Fラフネス制御量が0となったときに空燃比のフ
ィードバック制御を許可するようにしている。
【0090】かくして、ステップS39で、空燃比フィ
ードバック制御フラグF5が1であると判定されたとき
(YES)、すなわち空燃比のフィードバック制御が許
可された状態にあるときには、ステップS40で、上述
のステップS27、ステップS28で演算されたA/F
ラフネス制御量λrough(i)のうちの少なくとも1つ
の気筒のA/Fラフネス制御量が所定の設定値を超えて
いるか否かが判定される。ここで、少なくとも1つの気
筒のA/Fラフネス制御量が所定の設定値を超えていれ
ば(YES)、空燃比フィードバックによるA/Fラフ
ネス制御ができないために、ステップS41で空燃比フ
ィードバック制御フラグF5に0がセットされ、したが
って空燃比のフィードバック制御が禁止される。他方、
ステップS40で、少なくとも1つの気筒のA/Fラフ
ネス制御量が所定の設定値以下であれば(NO)、ステ
ップS41をスキップし、空燃比フィードバック制御フ
ラグF5が1のまま保持され、したがって空燃比のフィ
ードバック制御が続行される。この後、前記のステップ
S44〜ステップS50が実行される。
【0091】前記のステップS39で、空燃比フィード
バック制御フラグF5が1でないと判定されたとき(N
O)、すなわち空燃比のフィードバック制御が禁止され
た状態にあるときには、ステップS42で全気筒のA/
Fラフネス制御量が0であるか否かが判定される。ここ
で、全気筒のA/Fラフネス制御量が0であれば(YE
S)、空燃比フィードバック制御しても気筒別のA/F
ラフネス制御が実行可能であるので、ステップS43で
空燃比フィードバック制御フラグF5に1がセットさ
れ、したがって空燃比のフィードバック制御が許可され
る。他方、ステップS42で、少なくとも1つの気筒の
A/Fラフネス制御量が0でなければ(NO)、ステッ
プS43をスキップし、空燃比フィードバック制御フラ
グF5が0のまま保持され、したがって空燃比のフィー
ドバック制御が禁止されたままとなる。
【0092】ところで、前記のステップS13で、ラフ
ネス制御実行条件が成立していないと判定された場合
(NO)、すなわち前記の各ラフネス制御実行条件の少
なくとも1つが成立しないときには、ラフネス制御は一
時停止又は終了される。この場合、まずステップS32
で、前記のエンジン暖機フラグF4が1であるか否か、
すなわちエンジン水温が所定温度(例えば、60°C)
を超えているか否かが判定され、エンジン暖機フラグF
4が1でなければ(NO)、ラフネス制御は一時的に停
止され、ステップS33〜ステップS35で、それぞ
れ、気筒別のIGラフネス制御量と、気筒別のA/Fラ
フネス制御量とが保持(現状維持)される。なお、ステ
ップS33では、前回の気筒別のIGラフネス制御量θ
rough(i−1)が今回の気筒別のIGラフネス制御量
θrough(i)とされる。
【0093】この後、前記のステップS39〜ステップ
S50が実行される。しかしながら、この場合、前記の
とおりラフネス制御は一時的に停止されているので、ス
テップS33〜ステップS35で保持された各ラフネス
制御量はラフネス制御に用いられるわけではない。つま
り、ラフネス制御が一時的に停止されたときには、停止
直前における各ラフネス制御量が保持されるが、これら
のラフネス制御量は、この後ラフネス制御が再開される
場合に備えて保持(記憶)されているだけである。
【0094】このように、ラフネス制御実行条件が不成
立となってラフネス制御が一時的に停止された後、ラフ
ネス制御条件が再び成立したときには、保持されている
ラフネス制御量を用いてラフネス制御が再開される。こ
のため、該ラフネス制御が早期に安定化され、したがっ
て該制御の応答性が高められ、トルク変動を許容範囲内
に収めつつ、触媒コンバータ27内の三元触媒の昇温あ
るいはエンジン1の暖機を大幅に促進することができ、
エミッション性能及び燃費性能を高めることができる。
【0095】前記のステップS32で、エンジン暖機フ
ラグF4が1であると判定された場合は(YES)、エ
ンジン1がすでに暖機状態にあり、また触媒コンバータ
27内の三元触媒も十分に昇温されているものと考えら
れるので、ラフネス制御は終了される。しかしながら、
ラフネス制御を急激に(ステップ状に)終了させると、
ラフネス制御量が突然消滅するので、出力トルクが急変
してトルクショックが生じるおそれがある。そこで、こ
の場合、ステップS36〜ステップS38で、それぞ
れ、気筒別のIGラフネス制御量と、気筒別のA/Fラ
フネス制御量とを徐々に小さくして(漸減させる)リセ
ットし、ラフネス制御を比較的緩やかに終了させるよう
にしている。これにより、ラフネス制御終了時のトルク
ショックの発生が防止される。
【0096】かくして、点火時期あるいは空燃比につい
てのラフネス制御量が、前記の図3〜図7に示す制御手
順により決定された後は、図25に示す制御手順に従っ
て、点火時期の最終決定と、燃料噴射量の決定と、燃料
噴射と、点火とが行われる。
【0097】すなわち、図25に示す制御手順では、ま
ずステップS61で、例えば図17に示すような特性を
備えたマップに従って、点火時期フィードバック制御量
θID FBが設定される。次に、ステップS62で、例えば
図26に示すような特性を備えたマップに基づいて、前
述の制御手順に従って演算されたIGラフネス制御量θ
roughの値に対応するフィードバック制御ゲインθCFB
値が決定される。そして、ステップS63では、次の式
11に従って、フィードバック制御量θIDFBが、フィー
ドバック制御ゲインθCFBによって更新される。 θIDFB=θIDFB×θCFB……………………………………………式11
【0098】前述したように、このフィードバック制御
ゲインθCFBは、図26から明らかなとおり、点火時期
の遅角量がより大きい(点火時期の変化量に対する出力
トルクの変化量の割合が大きい)ほど、より小さな値を
とる。したがって、この制御ゲインθCFBは、式11に
従って点火時期フィードバック制御量θIDFBをより小さ
な値に設定する(点火時期フィードバック制御において
大きな出力トルクの変化が発生しないようにする)機能
を有するので、効果的にラフネスが解消されることにな
る。
【0099】次に、ステップS64で、前記の式1(I
GT(n)=θBASE+θIDFB+θRTD+θrough(n))に従
って、点火時期IGTが最終的に決定される。さらに、
ステップS65で、エンジン回転数と吸気充填率とに基
づいて、所定のマップ(図示せず)により基本燃料噴射
量TBASEが計算される。続いて、ステップS66で、例
えば図27に示すような特性を備えたマップに基づい
て、エンジン回転数と目標回転数との偏差(図27の横
軸)に応じて、空燃比フィードバック制御における燃料
噴射補正量TIDFBが決定される。次に、ステップS67
で、例えば図28に示すような特性を備えたマップに基
づいて、空燃比(A/F)ラフネス制御量λroughの値
に応じて、フィードバック制御ゲインλCFBの値が決定
される。
【0100】さらに、ステップS68で、次の式12を
用いて、空燃比フィードバック制御における燃料噴射補
正量TIDFBが更新される。 TIDFB=TIDFB×λCFB……………………………………………式12 前述したように、フィードバック制御ゲインλCFBは、
図28から明らかなとおり、A/Fラフネス制御量λ
roughがより大きいリーン側(空燃比の変化に対する出
力トルクの変化割合が大きい側)ほど、より小さな値を
とる。したがって、フィードバック制御ゲインλ
CFBは、式12に従って空燃比フィードバック制御にお
ける燃料噴射補正量TIDFBをより小さな値に設定する
(空燃比フィードバック制御において大きな出力トルク
の変化が発生しないようにする)機能を有するので、効
果的にラフネスが解消されることになる。
【0101】続いて、ステップS69で、次の式13を
用いて、燃料噴射量TTOT(総量)が決定される。 TTOT=TBASE+TIDFB+λrough………………………………式13 以上の制御手順により、ラフネス制御と回転数フィード
バック制御とが調和された形で、燃料噴射量TTOTと、
点火時期IGTとが適正に決定されることになる。
【0102】この後、ステップS70で、噴射時期(噴
射タイミング)であるか否かが判定される。そして、噴
射時期であれば(YES)、ステップS71で、燃料噴
射量TTOTでもって燃料噴射が行われる。次に、ステッ
プS72で、設定された点火時期(点火タイミング)に
到達したか否かが判定される。そして、点火時期に到達
していれば(YES)、ステップS73で、点火が実行
される。この後、前記のステップS1に復帰する(リタ
ーン)。
【0103】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2を具体的に説明する。なお、実施の形態2にかかる
エンジンシステムないしその制御手法の基本構成(大
半)は、実施の形態1の場合と共通であるので、以下で
は、説明の重複を避けるため、主として実施の形態1と
異なる点についてのみ説明する。
【0104】前記のとおり、実施の形態1では、空燃比
フィードバック制御と点火時期フィードバック制御との
調和を達成するため、点火時期ラフネス制御量θrough
の値、あるいはA/Fラフネス制御量λroughの値に応
じて、フィードバック制御ゲインを設定している(図2
5中のステップS62、ステップS67)。しかしなが
ら、ラフネスは、好ましくは、最終的に点火時期あるい
は燃料噴射量がいかなる値をとるかによって決定される
べきである。例えば、点火時期ラフネス制御量θrough
の値が小さい場合でも、前記の式1に従えば、その他の
制御量(θBASE、θIDFB)の値によっては、点火時期I
GTがトルク変動に影響を与える値となる可能性があ
る。そこで、この実施の形態2では、制御ゲインの設定
を、ラフネス制御量(θrough、λrough等)に基づくの
ではなく、例えば、基本点火時期θ BASEやθRTD等を参
照して決定することにより、制御ゲインを決定する上に
おいて、制御量の最終値により大きな考慮が払われるよ
うにしている。
【0105】図29は、実施の形態2にかかるエンジン
システムにおける部分的な制御手順を示すフローチャー
トである。前記の実施の形態1では、図7に示す制御手
順に続いて、図25のステップS61が実行されるよう
になっているが、この実施の形態2では、図7に示す制
御手順に続いて、図29のステップS101が実行され
る。すなわち、図25に示す制御手順に代えて図29に
示す制御手順が実行される。
【0106】かくして、ステップS101では、次の式
14に従って、点火時期IGT(n)が演算される。 IGT(n)=θBASE+θRTD+θrough(n)…………………式14 式14が、前記の式1と異なる点は、右辺に点火時期フ
ィードバック制御量θ IDFBの項を含まないことである。
しかしながら、点火時期フィードバック制御量θ
IDFBは、次のステップS102で計算される。すなわ
ち、ステップS102では、実施の形態1の場合と同様
に、例えば図17に示すような特性を備えたマップに従
って、点火時期フィードバック制御量θIDFBが設定され
る。
【0107】次に、ステップS103で、例えば図30
に示すような特性を備えたマップに基づいて、前述の制
御手順に従って演算された点火時期IGTの値に対応す
るフィードバック制御ゲインθCFBが決定される。続い
て、ステップS104で、前記の式11(θIDFB=θ
IDFB×θCFB)に従って、点火時期フィードバック制御
量θIDFBが、フィードバック制御ゲインθCFBによって
更新される。
【0108】前述したとおり、このフィードバック制御
ゲインθCFBは、式14及び図30から明らかなよう
に、ラフネス制御量θrough(n)の寄与を含むもので
あり、点火時期IGTが最大トルクが得られる点火時期
よりも遅角側にあればあるほど(出力トルクがより小さ
く、点火時期の変化量に対する出力トルクの変化量の割
合が大きい)、より小さな値をとる。したがって、この
フィードバック制御ゲインθCFBは、式11に従って、
点火時期フィードバック制御量θIDFBをより小さな値に
設定する(点火時期フィードバック制御において大きな
出力トルクの変化が発生しないようにする)機能を有す
るので、効果的にラフネスが解消されることになる。
【0109】次に、ステップS105で、ステップS1
04で決定された点火時期フィードバック制御量θIDFB
等も考慮して、前記の式1(IGT(n)=θBASE+θ
IDFB+θRTD +θrough(n))に従って、点火時期IG
Tが最終的に決定される。続いて、ステップS106
で、エンジン回転数と吸気充填率とに基づいて、所定の
マップ(図示せず)を用いて、基本燃料噴射量TBASE
演算される。
【0110】さらに、ステップS107で、次の式15
に従って、燃料噴射制御量TAが演算される。 TA=TBASE+λrough………………………………………………式15 ここで、留意すべきことは、燃料噴射制御量TAがA/
Fラフネス制御量λrou ghを含んでいることである。続
いて、ステップS108で、実施の形態1の場合と同様
に、例えば図27に示すような特性を備えたマップに基
づいて、エンジン回転数と目標回転数との偏差(図27
の横軸)に従って、空燃比フィードバック制御における
燃料噴射補正量TIDFBが決定される。
【0111】次に、ステップS109で、例えば図31
に示すような特性を備えたマップに基づいて、A/Fラ
フネス制御量λroughを一部に含む燃料噴射制御量TA
応じて、フィードバック制御ゲインλCFBの値が決定さ
れる。続いて、ステップS110で、前記の式12(T
IDFB=TIDFB+λCFB)に従って、A/Fフィードバッ
ク制御における燃料噴射補正量TIDFBが更新される。前
述したとおり、このフィードバック制御ゲインλ
CFBは、図31から明らかなように燃料噴射制御量TA
より小さい(よりリーン側)ほど、より小さな値をと
る。したがって、このフィードバック制御ゲインλCFB
は、式12に従って、A/Fフィードバック制御の燃料
噴射補正量TIDFBをより小さな値に設定する(このフィ
ードバック制御時において大きな出力トルクの変化が生
じないようにする)機能を有するので、効果的にラフネ
スが解消されることになる。次に、ステップS111
で、実施の形態1の場合と同様に、燃料噴射量T
TOT(総量)が、式13(TTOT=TBASE+TIDFB+λ
rough)に従って決定される。以上の制御手順により、
ラフネス制御と回転数フィードバック制御とが調和され
た形で、燃料噴射量TTOTと、点火時期IGTとが適正
に決定されることになる。
【0112】この後、ステップS112で、噴射時期
(噴射タイミング)であるか否かが判定される。そし
て、噴射時期であれば(YES)、ステップS113
で、燃料噴射量TTOTでもって燃料噴射が行われる。次
に、ステップS114で、設定された点火時期(点火タ
イミング)に到達したか否かが判定される。そして、点
火時期に到達していれば(YES)、ステップS115
で、点火が実行される。
【0113】(変形例)前記の実施の形態1及び実施の
形態2では、各気筒別にIGラフネス制御量θ rough
A/Fラフネス制御量λroughとを設定するようにして
いるが、このようにせずに、全気筒に対して1つのラフ
ネス制御量θ’rough及びλ’roughを設定するようにし
てもよい。この全気筒ラフネス制御量とは、次の式16
に示すように、各気筒別に求めたトルク変動量dfω
(i)の平均値を求め、この平均値が大きいときに全気
筒のラフネス制御量θ’rough及びλ’roughを一律に大
きくするものである。なお、式16において、Σはiに
ついての積算である。 Σdfω(i)/Σ1…………………………………………………式16
【0114】なお、この場合、IGラフネス制御量θ’
roughの演算は、ステップS17、ステップS21、ス
テップS23の処理内容(動作)を、それぞれ、IGラ
フネス制御量θ’roughを、進角側に変更する、遅角側
に変更する、保持する、と変更することにより行うこと
になる。また、A/Fラフネス制御量λ’roughの演算
は、ステップS27、ステップS28、ステップS31
の処理内容を、それぞれ、A/Fラフネス制御量λ’
roughを、リッチ側に変更する、リーン側に変更する、
保持する、と変更することにより行うことになる。図6
中の各ステップ(ステップS33、ステップS36、ス
テップS35、ステップS38)についても同様であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる制御装置を備えたエンジンシ
ステムの全体構成図である。
【図2】 図1に示すエンジンシステムに設けられてい
るECUの機能ブロック図である。
【図3】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図4】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図5】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図6】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図7】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図8】 ECUによるラフネス制御におけるエンジン
暖機フラグの設定方法を示すフローチャートである。
【図9】 直列4気筒型の4サイクルエンジンの各気筒
の行程と、クランク角の変化に対するトルク及び角速度
の変化とを示す図である。
【図10】 燃焼圧と角速度変動との相関関係を示す図
である。
【図11】 クランク角検出のための、被検出プレート
及びクランク角センサの概略構成を示す図である。
【図12】 ノイズ的要素による角速度変動を示す図で
ある。
【図13】 検出した角速度のデータからエンジン回転
の0.5次及びその整数倍の成分を除去すべくコムフィ
ルタを通した後の減衰特性を示す図である。
【図14】 図13に示すデータからエンジン回転の
0.5次より低い周波数成分を除去すべくハイパスフィ
ルタを通した後の減衰特性を示す図である。
【図15】 開閉弁の開弁領域及び閉弁領域を、エンジ
ン回転数と吸気充填効率とエンジン水温とをパラメータ
としてあらわした図である。
【図16】 冷間始動時における目標アイドル回転数の
エンジン水温に対する変化特性を示す図である。
【図17】 点火時期のフィードバック制御量のアイド
ル回転数偏差に対する変化特性を示す図である。
【図18】 エンジンの出力トルクの点火時期に対する
依存性を示す図である。
【図19】 点火時期の昇温促進制御量のエンジン水温
に対する変化特性を示す図である。
【図20】 図示平均有効圧力の点火時期(遅角量)に
対する変化特性を、燃料の性状をパラメータとして示し
た図である。
【図21】 エンジンの出力トルクの点火時期に対する
依存性を示す図である。
【図22】 点火時期を制御量とするアイドル回転数の
フィードバック制御の制御ゲインの点火時期遅角量に対
する変化特性を示す図である。
【図23】 エンジン出力トルクの空燃比に対する依存
性を示す図である。
【図24】 空燃比を制御量とするアイドル回転数のフ
ィードバック制御の制御ゲインの空燃比に対する変化特
性を示す図である。
【図25】 実施の形態1において、決定された各種制
御量に基づいて燃料噴射及び点火実行するための制御手
順を示すフローチャートである。
【図26】 実施の形態1において、点火時期ラフネス
制御量に対応して、点火時期フィードバック制御の制御
ゲインを決定するためのマップの特性を示すグラフであ
る。
【図27】 実施の形態1において、回転数偏差に対応
して、空燃比フィードバック制御における燃料噴射補正
量を決定するためのマップの特性を示すグラフである。
【図28】 実施の形態1において、空燃比ラフネス制
御量に対応して、空燃比フィードバック制御の制御ゲイ
ンを決定するためのマップの特性示すグラフである。
【図29】 実施の形態2において、決定された各種制
御量に基づいて燃料噴射及び点火実行するための制御手
順を示すフローチャートである。
【図30】 実施の形態2において、点火時期に対応し
て、点火時期フィードバック制御の制御ゲインを決定す
るためのマップの特性を示すグラフである。
【図31】 実施の形態2において、燃料噴射制御量に
対応して、空燃比フィードバック制御の制御ゲインを決
定するためのマップの特性を示すグラフである。
【符号の説明】
A…エンジンシステム、1…エンジン、2…気筒、3…
シリンダブロック、4…シリンダヘッド、5…ピスト
ン、6…燃焼室、7…点火プラグ、8…点火回路、9…
共通吸気通路、10…独立吸気通路、10a…第2独立
吸気通路、11…エアクリーナ、12…吸気弁、13…
エアフローセンサ、14…スロットル弁、15…サージ
タンク、16…インジェクタ、17…吸気温センサ、1
8…開閉弁、18a…アクチュエータ、20…ISCバ
イパス通路、21…ISCバルブ、21a…アクチュエ
ータ、22…アイドルスイッチ、23…スロットル開度
センサ、24…排気弁、25…排気通路、26…O2セ
ンサ、27…触媒コンバータ、30…クランク角セン
サ、31…被検出プレート、31a…突起部、32…水
温センサ、35…ECU、36…開閉弁制御部、37…
ラフネス検出部、38…空燃比制御部、39…点火時期
制御部、40…ISC制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02P 5/15 E B

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アイドル時に、エンジンの実回転数が目
    標アイドル回転数となるように、実回転数と目標アイド
    ル回転数との偏差に基づいて点火フィードバック制御量
    を求め、該点火フィードバック制御量により点火時期を
    変化させてアイドル回転数をフィードバック制御するア
    イドル回転数制御手段を備えたエンジンのアイドル回転
    数制御装置において、 少なくともアイドル時に、燃焼に起因するトルク変動状
    態が許容限度内に収まるように、該トルク変動状態量に
    応じて点火時期を補正してラフネス制御を行うラフネス
    制御手段が設けられ、 上記アイドル回転数制御手段が、アイドル回転数のフィ
    ードバック制御における上記点火フィードバック制御量
    を、上記ラフネス制御手段のラフネス制御量により変化
    させるようになっていることを特徴とするエンジンのア
    イドル回転数制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジン温度に応じて点火時期を補正す
    るようになっていることを特徴とする請求項1に記載の
    エンジンのアイドル回転数制御装置。
  3. 【請求項3】 基本点火時期が、最大トルクが得られる
    点火時期よりも遅角側にオフセットして設定されてい
    て、 上記アイドル回転数制御手段が、上記ラフネス制御手段
    のラフネス制御量が遅角側にあるときほど、アイドル回
    転数の点火フィードバック制御における制御ゲインを小
    さくするようになっていることを特徴とする請求項1に
    記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  4. 【請求項4】 エンジン冷機時の点火時期が、最大トル
    クが得られる点火時期よりも所定量遅角側に設定されて
    いて、 上記アイドル回転数制御手段が、上記ラフネス制御手段
    のラフネス制御量が遅角側にあるときほど、アイドル回
    転数の点火フィードバック制御における制御ゲインを小
    さくするようになっていることを特徴とする請求項2に
    記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  5. 【請求項5】 上記ラフネス制御量は、上記トルク変動
    状態量が小さいときほど点火時期を遅角側に補正するよ
    うになっていることを特徴とする請求項3又は4に記載
    のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  6. 【請求項6】 アイドル時に、エンジンの実回転数が目
    標アイドル回転数となるように、実回転数と目標アイド
    ル回転数との偏差に基づいて空燃比フィードバック制御
    量を求め、該空燃比フィードバック制御量により空燃比
    を変化させてアイドル回転数をフィードバック制御する
    アイドル回転数制御手段を備えたエンジンのアイドル回
    転数制御装置において、 少なくともアイドル時に、燃焼に起因するトルク変動状
    態が許容限度内に収まるように該トルク変動状態量に応
    じて空燃比を補正してラフネス制御を行うラフネス制御
    手段が設けられ、上記アイドル回転数制御手段が、アイ
    ドル回転数のフィードバック制御における上記空燃比フ
    ィードバック制御量を、上記ラフネス制御手段のラフネ
    ス制御量により変化させるようになっていることを特徴
    とするエンジンのアイドル回転数制御装置。
  7. 【請求項7】 空燃比が、理論空燃比よりリッチ側の最
    大トルクが得られる空燃比に対してリーン側に設定され
    ていて、上記アイドル回転数制御手段が、上記ラフネス
    制御手段のラフネス制御量がリーン側にあるときほど、
    アイドル回転数の空燃比フィードバック制御における制
    御ゲインを小さくするようになっていることを特徴とす
    る請求項6に記載のエンジンのアイドル回転数制御装
    置。
  8. 【請求項8】 上記ラフネス制御量は、上記トルク変動
    状態量が小さいときほど空燃比をリーン側に補正するよ
    うになっていることを特徴とする請求項7に記載のエン
    ジンのアイドル回転数制御装置。
  9. 【請求項9】 アイドル運転状態において、エンジンの
    実回転数が目標アイドル回転数に収束するように、実回
    転数と目標アイドル回転数との偏差に基づいて点火時期
    フィードバック制御量の値を決定し、この点火時期フィ
    ードバック制御量によりアイドル点火時期を決定して点
    火時期フィードバック制御を実行するアイドル回転数制
    御手段を備えたエンジンのアイドル回転数制御装置にお
    いて、 運転状態に応じて点火時期を、最大トルクが得られる点
    火時期よりもリタード側のリタード補正値に設定する点
    火時期リタード設定手段と、 上記アイドル点火時期と上記リタード補正値とに基づい
    て、点火プラグによる点火を実行する点火実行手段と、 上記点火時期フィードバック制御量を決定するための制
    御ゲインを、上記リタード補正値に基づいて補正する補
    正手段とを備えていることを特徴とするエンジンのアイ
    ドル回転数制御装置。
  10. 【請求項10】 エンジン温度を検出する手段が設けら
    れ、 上記リタード補正値は、エンジン温度が所定の温度より
    も低いときに、点火時期が、最大トルクが得られる点火
    時期よりも所定量リタード側になるように設定されるよ
    うになっていることを特徴とする請求項9に記載のエン
    ジンのアイドル回転数制御装置。
  11. 【請求項11】 上記リタード補正値は、少なくともア
    イドル時にエンジンの燃焼に起因するトルク変動状態が
    許容限度範囲内に収まるように、検出されたトルク変動
    状態量に応じて設定され、検出されたトルク変動状態量
    が小さいときに、上記補正手段は上記制御ゲインを小さ
    い値に補正するようになっていることを特徴とする請求
    項9に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  12. 【請求項12】 上記点火時期リタード設定手段は、検
    出されたトルク変動状態量が小さいときに上記リタード
    補正値をリタード側に補正し、上記補正手段は、上記リ
    タード補正値がよりリタード側に設定されるほど上記制
    御ゲインを小さい値に補正するようになっていることを
    特徴とする請求項10に記載のエンジンのアイドル回転
    数制御装置。
  13. 【請求項13】 さらに運転状態に基づいて基本点火時
    期を設定する手段を備えていて、 上記点火実行手段は、基本点火時期とリタード補正値と
    アイドル点火時期とにより点火を実行し、 上記補正手段は、基本点火時期とリタード補正値とによ
    り求まる点火時期がよりリタード側に設定されるほど、
    上記制御ゲインをより小さい値に設定するようになって
    いることを特徴とする請求項9に記載のエンジンのアイ
    ドル回転数制御装置。
  14. 【請求項14】 アイドル運転状態において、エンジン
    の実回転数が目標アイドル回転数に収束するように、実
    回転数と目標アイドル回転数との偏差に基づいて空燃比
    フィードバック制御量の値を決定し、この空燃比フィー
    ドバック制御量により空燃比を調整するアイドル回転数
    制御手段を備えたエンジンのアイドル回転数制御装置に
    おいて、 運転状態に基づいて空燃比を、最大トルクが得られる空
    燃比よりもリーン側のリーン補正値に設定する設定手段
    と、 少なくとも、上記空燃比フィードバック制御量と上記リ
    ーン補正値とにより空燃比制御を行う空燃比制御手段
    と、 アイドル時における上記空燃比制御手段による空燃比制
    御における制御ゲインを、上記リーン補正値に基づいて
    補正する補正手段とが設けられていることを特徴とする
    エンジンのアイドル回転数制御装置。
  15. 【請求項15】 上記リーン補正値は、エンジンの燃焼
    に起因するトルク変動状態が許容限度範囲内に収まるよ
    うに、検出されたトルク変動状態量に応じて設定され、 上記補正手段は、検出されたトルク変動状態量が小さい
    ときには制御ゲインを小さい値に設定するようになって
    いることを特徴とする請求項14に記載のエンジンのア
    イドル回転数制御装置。
  16. 【請求項16】 上記設定手段が、トルク変動状態量が
    小さいときには上記リーン補正値をリーン側の値に設定
    し、 上記補正手段が、上記設定手段により設定された上記リ
    ーン補正値がリーン側の値であればあるほど、上記制御
    ゲインを小さい値に補正するようになっていることを特
    徴とする請求項15に記載のエンジンのアイドル回転数
    制御装置。
  17. 【請求項17】 上記設定手段が基本空燃比を設定する
    一方、空燃比制御手段が基本空燃比とリーン補正値と空
    燃比フィードバック制御量の値とにより空燃比を制御
    し、 上記補正手段が、基本空燃比とリーン補正値とにより求
    まる空燃比がよりリーン側に設定されるほど、上記制御
    ゲインをより小さい値に補正するようになっていること
    を特徴とする請求項14に記載のエンジンのアイドル回
    転数制御装置。
  18. 【請求項18】 排気ガス浄化触媒を備えた触媒コンバ
    ータが排気通路に介設されているエンジンに設けられて
    いることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1つに
    記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  19. 【請求項19】 アイドル時に、エンジンの実回転数が
    目標アイドル回転数となるように、実回転数と目標アイ
    ドル回転数との偏差に基づいて点火フィードバック制御
    量を求め、該点火フィードバック制御量により点火時期
    を変化させてアイドル回転数をフィードバック制御する
    アイドル回転数制御手段を備えたエンジンのアイドル回
    転数制御装置において、 アイドル時に、燃焼に起因するトルク変動状態が許容限
    度内に収まるように、該トルク変動状態に応じてラフネ
    ス制御量を演算して点火時期を補正することにより、ト
    ルク変動におけるラフネス特性を制御する第1のラフネ
    ス制御手段と、 アイドル時に、エンジン回転数が目標アイドル回転数と
    なるように、空燃比を変化させてアイドル回転数をフィ
    ードバック制御するとともに、燃焼に起因するトルク変
    動状態が許容限度内に収まるように、該トルク変動状態
    量に応じたラフネス制御量を演算して空燃比を補正する
    ことにより、トルク変動におけるラフネス特性を制御す
    る第2のラフネス制御手段と、 アイドル時において、上記第1のラフネス制御手段と第
    2のラフネス制御手段とのうちのいずれか一方を選択し
    て動作させる選択手段とを備えていて、 上記第1のラフネス制御手段が、アイドル回転数をフィ
    ードバック制御するときに演算する点火フィードバック
    制御量を、点火時期に関連して生成する第1のラフネス
    制御量に応じて補正し、 上記第2のラフネス制御手段が、アイドル回転数をフィ
    ードバック制御するときに演算する空燃比フィードバッ
    ク制御量を、空燃比に関連して生成する第2のラフネス
    制御量に応じて補正するようになっていることを特徴と
    するエンジンのアイドル回転数制御装置。
  20. 【請求項20】 上記選択手段が、上記第1のラフネス
    制御量と第2のラフネス制御量の各値を、それぞれ第1
    と第2の所定の閾値と比較し、上記第1のラフネス制御
    量が上記第1の閾値より大きいときは、上記第2のラフ
    ネス制御手段を動作させるようになっていることを特徴
    とする請求項19に記載のエンジンのアイドル回転数制
    御装置。
  21. 【請求項21】 上記選択手段が、上記第1のラフネス
    制御量と第2のラフネス制御量の各値を、それぞれ第1
    と第2の所定の閾値と比較し、上記第2のラフネス制御
    量が上記第2の閾値より大きいときは、上記第1のラフ
    ネス制御手段を動作させるようになっていることを特徴
    とする請求項19に記載のエンジンのアイドル回転数制
    御装置。
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JP11086069A Pending JPH11343915A (ja) 1998-03-31 1999-03-29 エンジンのアイドル回転数制御装置

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JP (1) JPH11343915A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2805569A1 (fr) * 2000-02-24 2001-08-31 Peugeot Citroen Automobiles Sa Systeme de regulation du ralenti d'un moteur a essence de vehicule automobile
KR20020058847A (ko) * 2000-12-30 2002-07-12 이계안 차량의 아이들 제어방법
US6655350B2 (en) 2000-07-28 2003-12-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Idle speed control system and control method for internal combustion engine
JP2012092753A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置

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