JP4175184B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気行程と圧縮行程とに分割した燃料噴射で点火栓周りの空燃比を外側の空燃比よりリッチとした成層混合気を形成して燃焼させる排温上昇効果大の排温上昇成層燃焼を行う内燃機関に関し、特に、排温上昇成層燃焼を行う領域を、運転性を損なうことなく拡大できる制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼室内に直接燃料を噴射供給して成層燃焼を行わせる直噴火花点火式内燃機関において、燃料を吸気行程と圧縮行程とで分割して噴射することにより、点火栓周りの空燃比をその外側の空燃比よりリッチな成層混合気を形成して燃焼させる成層燃焼(排温上昇成層燃焼)を行って、HCを低減しつつ排温上昇効果を高めて排気浄化触媒の昇温活性化を促進し、排気浄化性能を向上させたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−73912号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記排温上昇成層燃焼を行う機関では、1回の燃料噴射で燃焼室全体に均質な混合気を形成して燃焼させる均質燃焼と、排温上昇成層燃焼とを切り換えるときに、燃焼切換によるトルク段差を吸収するため、均質燃焼における点火時期を遅角して出力トルクを低下させる制御を行っている。
【0005】
しかしながら、上記燃焼切換を行う部分負荷領域の中でも高回転高負荷領域で燃焼切換を行おうとすると、燃焼切換によるトルク段差が大きすぎて、前記点火時期の遅角制御ではトルク段差を吸収できないため、該燃焼切換が可能な領域、つまり、排温上昇成層燃焼を行うことが可能な運転領域が制約され、排温上昇効果、ひいては排気浄化触媒の昇温活性化促進に限界があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、均質燃焼と排温上昇成層燃焼との切換によるトルク段差が大きな領域でも燃焼切換を可能とすることにより、排温上昇成層燃焼を行える運転領域を拡大し、排気浄化触媒の昇温活性化をより促進することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、均質燃焼と排温上昇成層燃焼との切り換えを、燃焼切換によるトルク段差を無くすための出力トルク変更制御を用いる移行排温上昇成層燃焼を介して行いかつ、前記出力トルク変更制御は、燃焼切換用の異なる制御パラメータを用いる複数種類の制御の中から、排温上昇成層燃焼からの排温上昇効果の落ち込みが燃焼切換の際に小さい制御を選択して使用する構成とした。
【0008】
このようにすれば、燃焼切換によるトルク段差が大きいときは、このトルク段差を吸収できるように異種の出力トルク変更制御の中から必要な出力トルク変更制御を1個ないし複数選択して使用し、かつ、その際排温上昇成層燃焼からの排温上昇効果の落ち込みが小さい制御を優先して使用することで、移行排温上昇成層燃焼中もできる限り高い排温上昇効果を得ながらトルク段差を吸収して、排温上昇成層燃焼を行える運転領域を拡大し、もって排気浄化触媒の昇温活性化を最大限促進することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態のシステム構成を示す図1において、機関1の吸気通路2には吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ3及び吸入空気流量Qaを制御するスロットル弁4が設けられると共に、各気筒の燃焼室に臨ませて、燃料噴射弁5が設けられている。
【0010】
前記燃料噴射弁5は、コントロールユニット50において設定される駆動パルス信号によって開弁駆動され、燃料を燃焼室内に直接噴射供給することができるようになっている。
【0011】
なお、燃焼室に臨んで装着されて、コントロールユニット50からの点火信号に基づいて吸入混合気に対して点火を行う点火栓(点火プラグ)6が、各気筒に設けられている。
【0012】
一方、排気通路7には、排気中の特定成分(例えば、酸素)濃度を検出することによって排気延いては吸入混合気の空燃比を検出する空燃比センサ8(リッチ・リーン出力する酸素センサであっても良いし、空燃比をリニアに広域に亘って検出する広域空燃比センサであってもよい)が設けられ、その下流側には、排気を浄化するため三元触媒9及びNOxトラップ触媒10が順次設けられる。ここで、前記三元触媒9は、ストイキつまり理論空燃比{λ=1、A/F(空気重量/燃料重量)・14.7}近傍において排気中のCO,HCの酸化とNOxの還元を行って排気を浄化し、前記NOxトラップ触媒10は、リーン空燃比において排気中のNOxをトラップし、ストイキ乃至リッチ空燃比になったときにトラップしたNOxを放出還元して処理する。
【0013】
ところで、空燃比センサ8は、三元触媒9の排気上流側に設けられ、かつ熱容量も小さいので、三元触媒9に比べれば、活性化速度は極めて速い。また、空燃比センサ8を電熱ヒータ等により強制的に昇温(活性化)させることもできるから、後述する排温上昇成層燃焼中(触媒9,10の暖機過程中)に、当該空燃比センサ8の検出結果に基づく空燃比フィードバック制御を行うことは可能である。そこで、本実施の形態では、始動後直ちに空燃比センサ8を活性化させて、排温上昇成層燃焼時に、空燃比センサ8の検出値に基づいて、フィードバック制御することもできるし、簡易的にフィードフォワード制御で排温上昇成層燃焼を行ってもよい。
【0014】
また、クランク角センサ11が備えられており、コントロールユニット50では、該クランク角センサ11から機関回転と同期して出力されるクランク単位角信号を一定時間カウントして、又は、クランク基準角信号の周期を計測して機関回転速度Neを検出できるようになっている。
【0015】
そして、機関1の冷却ジャケットに臨んで設けられ、冷却ジャケット内の冷却水温度Twを検出する水温センサ12が設けられている。
また、前記スロットル弁4の開度を検出するスロットルセンサ13(アイドルスイッチとしても機能させることができる)が設けられ、さらに、前記スロットル弁4の開度を、DCモータ等のアクチュエータにより制御することができるスロットル弁制御装置14が備えられている。
【0016】
当該スロットル弁制御装置14は、運転者のアクセルペダル操作量等に基づき演算される要求トルクを達成できるように、コントロールユニット50からの駆動信号に基づき、スロットル弁4の開度を電子制御するものとして構成することができる。
【0017】
前記各種センサ類からの検出信号は、CPU,ROM,RAM,A/D変換器及び入出力インタフェース等を含んで構成されるマイクロコンピュータからなるコントロールユニット50へ入力され、当該コントロールユニット50は、前記センサ類からの信号に基づいて検出される運転状態に応じて、前記スロットル弁制御装置14を介してスロットル弁4の開度を制御し、前記燃料噴射弁5を駆動して燃料噴射量(燃料供給量)を制御し、点火時期を設定して該点火時期で前記点火栓6を点火させる制御を行う。
【0018】
そして、所定運転状態(低・中負荷領域など)で燃焼室内に圧縮行程で燃料噴射して、燃焼室内の点火栓6周辺に可燃混合気を層状に形成して成層燃焼を行うことができ、特に、始動開始から触媒(三元触媒9及びNOxトラップ触媒10、若しくは最低限三元触媒9)が活性化するまでの暖機中は、大気中へのHCの排出を抑制しながら、触媒の早期活性化を図るように、吸気行程と圧縮行程とに分割して燃料噴射を行うことにより、点火栓周りの混合気の空燃比を外側の混合気の空燃比よりリッチとした成層混合気を形成して燃焼させる排温上昇効果大の排温上昇成層燃焼を行う(図2参照)。一方、他の運転状態(高負荷領域など)では燃焼室内に吸気行程で燃料噴射して、シリンダ全体に略均質な混合比の混合気を形成して均質燃焼を行う。
【0019】
このように、運転状態に応じて燃焼状態を切換可能に構成され、前記均質燃焼と排温上昇成層燃焼との切り換えを、燃焼切換によるトルク段差を吸収するための出力トルク変更制御を用いる移行排温上昇成層燃焼を介して行う。特に、本発明では、前記移行排温上昇成層燃焼において、異種の出力トルク変更制御の中から、前記燃焼切換に伴い吸収すべきトルク段差に対して排温上昇成層燃焼からの排温上昇効果の落ち込みが小さい制御を優先して使用する。
【0020】
図3は、コントロールユニット50による始動開始直後の均質燃焼から上記排気浄化触媒9の早期活性化を図るための排温上昇成層燃焼を行い、暖機完了後、他の燃焼に切り換えられるまでの一連の制御のメインフローを示す。
【0021】
ステップ(図では、Sと記してある。以下、同様)1では、キースイッチ16のイグニッション信号がONとなったか(キー位置がイグニションON位置とされたか)否かを判断する。YESであればステップ2へ進み、NOであれば本フローを終了する。
【0022】
ステップ2では、キースイッチ16のスタート信号がONとなったか(キー位置がスタート位置とされたか)否かを判断する。即ち、スターターモータ(図示せず)によるクランキング要求があるか否かを判断する。
【0023】
YESであれば、始動クランキング要求があるとしてステップ3へ進み、NOであれば未だクランキング要求はないと判断して、ステップ1へリターンする。ステップ3では、スターターモータの駆動を開始して、機関1をクランキングする。
【0024】
ステップ4では、始動のための燃料噴射(吸気行程1回の噴射)を行って、均質燃焼を行う。ここで、始動性を考慮して空燃比はリッチに設定されている。
次のステップ5では、触媒(三元触媒9及びNOxトラップ触媒10、若しくは最低限三元触媒9)が活性化していないか否かを判断する。当該判断は、該触媒の温度をセンサを設けて検出し、あるいは、機関の運転履歴から該触媒の温度を推定して、判断することができる。
【0025】
触媒が活性化していなければ(YESであれば)、ステップ6へ進む。
一方、ホットリスタート時など既に触媒が活性化していれば(NOであれば)触媒活性化促進のための制御の必要はないとしてステップ13へ進み、通常時の燃焼形態(均質ストイキ燃焼、均質リーン燃焼、成層リーン燃焼)で燃焼を行わせ、本フローを終了する。
【0026】
ステップ6では、空燃比フィードバック制御条件が成立したかを判定する。空燃比フィードバック制御条件が成立していない場合は、空燃比リッチでの均質燃焼が継続される。
【0027】
ステップ6で、空燃比フィードバック制御条件が成立したと判定されたときは、均質燃焼での空燃比をストイキ(理論空燃比)とする空燃比フィードバック制御を開始すると共に、引き続く排温上昇成層燃焼への安定した切り換えを行うため、ステップ7で該空燃比フィードバック制御を所定のディレイ時間継続する。すなわち、排温上昇成層燃焼で燃焼が安定する空燃比範囲は均質燃焼に比較して狭いので、前記空燃比フィードバック制御条件が成立したときの均質燃焼におけるリッチ空燃比のストイキからのズレを考慮し、均質燃焼でのストイキ制御を所定時間以上継続して行って、前記排温上昇成層燃焼で燃焼が安定する空燃比範囲となってから、排温上昇成層燃焼に切り換えるようにする。
【0028】
なお、ステップ6の、空燃比フィードバック制御条件が成立しているか否かの判定は、具体的には、例えば、空燃比センサ8が活性化していること(完爆から所定時間が経過していることで代替してもよい)という条件が成立しているときである。
【0029】
ステップ8では、例えば、運転領域が排温上昇成層燃焼禁止領域(図4)に無いことを確認して、排温上昇成層燃焼の許可を出す。
そして、前記排温上昇成層燃焼の許可条件が成立したと判定された場合は、排温上昇成層燃焼を行わせても良好な着火性・燃焼性延いては機関安定性(機関運転性)等が得られるとして、ステップ9へ進む。
【0030】
一方、NOの場合には、排温上昇成層燃焼を行わせると、燃焼安定性ひいては機関安定性(機関運転性)等が低下する可能性があるので、排温上昇成層燃焼への移行を禁止してステップ13へ進み、通常時の燃焼を行わせ、本フローを終了する。
【0031】
前記排温上昇成層燃焼の許可条件が成立するとステップ9へ進み、前記吸気行程での1回噴射による均質燃焼から吸気行程と圧縮行程とに分割して燃料噴射する排温上昇成層燃焼へトルク段差を吸収する制御を行って、ステップ10で安定した(意図的なトルク変更を行わず、排温の上昇に優れた)排温上昇成層燃焼(以下目的排温上昇成層燃焼という)へ切り換える。ステップ9での本発明にかかる燃焼切換制御については後に詳述する。該排温上昇成層燃焼では、点火栓周りはストイキよりリッチ、その外側はストイキよりリーンな成層混合気が生成され、燃焼が行われる。
【0032】
ステップ11では、上記目的排温上昇成層燃焼へ切り換えられて高い排温上昇効果が得られることにより、再度触媒(三元触媒9及びNOxトラップ触媒10、若しくは最低限三元触媒9)が活性したかを判断し、活性化されたと判断されるまで排温上昇成層燃焼を継続する。
【0033】
ステップ11で触媒が活性化されたと判断されると、ステップ12で前記目的排温上昇成層燃焼からトルク段差を吸収する燃焼切換制御を行って、ステップ13で一回の燃料噴射による通常時の燃焼へ切り換える。
【0034】
次に、前記ステップ9での均質燃焼から排温上昇成層燃焼への燃焼切換制御について詳細に説明する。
前記均質燃焼から排温上昇成層燃焼への切り換えに際し、該燃焼切換に伴うトルク段差を吸収するための出力トルク変更制御を用いる移行排温上昇成層燃焼を行う。ここで、本発明では、上記燃焼切換が行われる運転領域毎に前記トルク段差が相違するので、該トルク段差に応じて適切な出力トルク変更制御を選択して実行する。
【0035】
具体的には、図4,5に示すように、該燃焼切換を行う部分負荷領域の中でも低回転低負荷域ではトルク段差が小さいが、高回転または高負荷になるほどトルク段差が大きくなる。そこで、燃焼切換を行う領域毎に異なる吸収すべきトルク段差に対し、異種の出力トルク変更制御の中から排温上昇成層燃焼からの排温上昇効果の落ち込みが小さい制御を優先して使用する。以下、燃焼切換時の運転領域毎に説明する。
【0036】
低回転低負荷域(ファーストアイドル領域を含む。図4のSTAGE1)
上記のように、このSTAGE1領域では、吸収すべきトルク段差が小さい。まず、均質燃焼で燃焼性を確保できる範囲で点火時期を遅角する制御を行って均質燃焼(吸気行程1回噴射)での出力トルクを減少させる(図6のA’→B’)。均質燃焼の出力トルクは排温上昇成層燃焼(を含む成層燃焼)の出力トルクに比較して大きいので、トルク段差吸収のため、この均質燃焼の点火時期遅角制御は、全てのSTAGE1〜3で行う。
【0037】
このようにして均質燃焼での出力トルクを十分に減少させた後、切換後の排温上昇成層燃焼(以下目的排温上昇成層燃焼という)に対して点火時期を進角させて出力トルクを増大する制御(第1の出力トルク変更制御)を用いた移行排温上昇成層燃焼に切り換える(図6のB’→A)。このようにすれば、この移行排温上昇成層燃焼における出力トルクを、前記減少制御した均質燃焼の出力トルクと等しくなるまで増大させて(増大トルクT1)、トルク段差を吸収することができる。また、該点火時期の進角制御が、排温上昇効果の高い目的排温上昇成層燃焼に対して排温上昇効果の落ち込みを最も小さく抑えることができるので、移行排温上昇成層燃焼の排温上昇効果もできる限り大きくすることができ、HC排出量が増大することもない。
【0038】
均質燃焼から移行排温上昇成層燃焼に切り換えた後、点火時期を徐々に遅角させて安定燃焼性を確保しつつ排温上昇効果を最大限高められる目的排温上昇成層燃焼に収束させる(図6のA→B)。なお、移行排温上昇成層燃焼中のその他の制御値は目的排温上昇成層燃焼と等しい値に固定し、圧縮行程の燃料噴射時期は最大限遅角させ、吸気行程と圧縮行程との燃料噴射量の比(以下燃料噴射量分割比という)は50(%):50(%)とする。これにより、排気浄化触媒の昇温活性化を最大限促進することができる。
【0039】
中回転中負荷域(図4のSTAGE2)
STAGE2領域では、STAGE1領域に比較し回転速度または負荷が大きいのでトルク段差が増大し、前記点火時期進角制御のみを用いた移行排温上昇成層燃焼では出力トルクを、点火時期遅角制御により減少させた均質燃焼の出力トルクまで増大させることが不可能となる。そこで、点火時期進角制御と併用して圧縮行程における燃料噴射時期(以下圧縮行程噴射時期という)の進角制御(第2の出力トルク変更制御)を行う。図7に示すように、目的排温上昇成層燃焼(A点)に対して圧縮行程噴射時期ITを進角すると出力トルクが増大して(C点)トルク段差T2を吸収できる。すなわち、均質燃焼で点火時期遅角制御によって出力トルクを減少させた後(図8のA’→B’)、点火時期進角制御と圧縮行程噴射時期進角制御とを併用した移行排温上昇成層燃焼に切り換える(図8のB’→C)。このようにすれば、増大したトルク段差を、点火時期進角制御による増大トルク分T1と圧縮行程噴射時期進角制御による増大トルク分T2とを合わせた増大トルクで吸収することができる。
【0040】
また、圧縮行程噴射時期の進角は、点火時期進角制御の進角に比較すると目標排温上昇成層燃焼からのトルク増大量に対する排温上昇効果の落ち込み量が大きいが、点火時期進角制御を行いつつ点火時期進角制御だけでは不足するトルク増大量を圧縮行程噴射時期進角制御で補うようにすることで、移行排温上昇成層燃焼中もHC排出量を増大させることなく、できるだけ高い排温上昇効果を得ながら増大したトルク段差を吸収することができる。
【0041】
均質燃焼から上記移行排温上昇成層燃焼に切り換えた後、点火時期及び圧縮行程噴射時期を徐々に遅角させて安定燃焼性を確保しつつ排温上昇効果を最大限高められる目的排温上昇成層燃焼に収束させる(図8のC→B)。なお、移行排温上昇成層燃焼中のその他の制御値は目的排温上昇成層燃焼と等しい値に固定し、吸気行程と圧縮行程との燃料噴射量の比(以下燃料噴射量分割比という)は50(%):50(%)とする。
【0042】
STAGE2において点火時期進角制御と圧縮行程噴射時期進角制御を併用する理由を、さらに、より詳細に(別の観点から)説明する。STAGE1では低回転低負荷なので、圧縮行程での燃料噴射量が少なく噴射期間も短いので、目的排温上昇成層燃焼の圧縮行程噴射時期は燃焼終了を遅らせて排温上昇効果を十分高めるべく十分に遅角された時期に設定されており、移行排温上昇成層燃焼において点火時期を最大限進角制御しても噴射燃料は点火時期までに十分に気化することが可能でスモークの発生を十分防止できる。
【0043】
これに対し、STAGE2領域では、負荷が増大すると圧縮行程での燃料噴射量、噴射期間が増大するので、点火時期までに気化が可能なように噴射時期を早める必要があり、また、回転が増大すると同一の気化時間に要するクランク角期間が増大するため噴射時期を早める必要があり、目的排温上昇成層燃焼における圧縮行程噴射時期をSTAGE1領域より進角させて設定している。この状態で点火時期を進角すると、目的排温上昇成層燃焼における圧縮行程噴射時期を固定したままでは(STAGE1領域より進角させているとはいえ)、点火時期までの気化時間が短くなって噴射燃料が良好に気化されずスモークが許容値を超えてしまう(図9のa参照)。そこで、点火時期の進角制御に応じて圧縮行程噴射時期も進角制御することで点火時期までの気化時間が増大してスモークが許容値以下に抑えつつトルク段差を吸収することができる(図9のb参照)。ここで、圧縮行程噴射時期を進角する代わりに、後述するSTAGE3領域で用いられるように前記分割比を変更して圧縮行程の燃料噴射量割合を減少させる方式としても、噴射燃料量の減少と噴射終了から点火時期までの時間を増大できることにより気化が良好となってスモークの発生を抑制でき、吸気行程の燃料噴射量割合が増大することで点火栓外側の均質混合気の燃焼割合が増大するので出力トルクが増大しトルク段差も吸収できる(図9のc、図12参照)。しかし、排温上昇成層燃焼における排温上昇効果は、主として圧縮行程で噴射された燃料の後期燃焼によって得られるものであるから、圧縮行程の燃料噴射量割合を減少させる方式では、当然ながらトルク増大代に対する排気上昇効果の落ち込み量が、圧縮行程噴射時期の進角制御に比較して大きい(図10,11参照)。そこで、必要なトルク段差を吸収でき、かつ、スモークの発生を抑制できる範囲(その範囲にSTAGE2領域を設定)では、点火時期進角制御と圧縮行程噴射時期進角制御とを用い、燃料噴射量分割比は50(%):50(%)で固定することで、移行排温上昇成層燃焼の排気上昇効果をより高くすることができる。
【0044】
高回転高負荷域(図4のSTAGE3)
STAGE3領域では、STAGE2領域より回転速度または負荷が大きいので、目的排温上昇成層燃焼における圧縮行程噴射時期をSTAGE2領域よりさらに進角させて設定している。したがって、STAGE別の目的排温上昇成層燃焼における圧縮行程噴射時期は、STAGE1では最大遅角位置、STAGE2では大遅角位置、STAGE3では中遅角位置に設定されている。そして、STAGE3では、燃焼切換によるトルク段差がさらに増大して、前記STAGE2のように点火時期進角制御および圧縮行程噴射時期進角制御を併用して移行排温上昇成層燃焼の出力トルクを増大させても、点火時期遅角制御により減少させた均質燃焼の出力トルクまで減少させることが不可能となるか、あるいは圧縮行程噴射時期を最大限進角しても、点火時期がある値を超えて進角されるとスモーク許容値を超えてしまう。そこで、点火時期進角制御及び圧縮行程噴射時期進角制御に加えて、さらに、圧縮行程の燃料噴射量割合を減少させる制御(圧縮行程分割比減少制御:第3の出力トルク変更制御)を併用して移行排温上昇成層燃焼の出力トルクを増大させる。図12に示すように、目的排温上昇成層燃焼(C点)に対して圧縮行程分割比を減少すると出力トルクが増大して(D点)トルク段差T3を吸収できる。したがって、図13に示すように、高回転高負荷時に最も増大するトルク段差を、これら点火時期進角制御、圧縮行程噴射時期進角制御及び圧縮行程分割比減少制御を併用することで吸収することができる(図13参照)。上述したように、この圧縮行程分割比減少制御は、排温上昇効果の落ち込み量は点火時期進角制御、圧縮行程噴射時期進角制御より増大するが、点火時期進角制御および圧縮行程噴射時期進角制御による出力トルク増加の不足分を補い、かつ(または)、圧縮行程噴射時期進角制御だけではスモーク許容値を超えてしまう分を補うように必要最小限の圧縮行程分割比減少制御を行うことで、当該高回転高負荷域での移行排温上昇成層燃焼における排温上昇効果を最も高い値に維持することができる。
【0045】
このように、燃焼切換が行われる領域(STAGE1〜3)によって異なる吸収すべきトルク段差に対し、異種の出力トルク変更制御の中から目的排温上昇成層燃焼からの排温上昇効果の落ち込みが小さい制御を優先して使用することにより、燃焼切換中も高い排温上昇効果を得ながら目的排温上昇成層燃焼を実行できる領域を拡大することができ、総合的に触媒の早期活性化を最大限促進することができ、ひいては排気浄化性能を最大限高めることができる。
【0046】
図14は、上記均質燃焼から目的排温上昇成層燃焼への燃焼切換制御の(図3のステップ9のサブルーチン)のフローを示す。
ステップ21では、燃焼切換時の運転領域がSTAGE1〜STAGE3のいずれに属するかを判別する。
【0047】
ステップ21でSTAGE1と判別されたときは、ステップ22へ進んで上記のSTAGE1に応じた燃焼切換制御、つまり、均質燃焼での点火時期遅角制御、点火時期進角制御を用いた移行排温上昇成層燃焼を介して目的排温上昇成層燃焼に切り換える制御を行う。
【0048】
ステップ21でSTAGE2と判別されたときは、ステップ23へ進んで上記のSTAGE2に応じた燃焼切換制御、つまり、均質燃焼での点火時期遅角制御、点火時期進角制御及び圧縮行程噴射時期進角制御を用いた移行排温上昇成層燃焼を介して目的排温上昇成層燃焼に切り換える制御を行う。
【0049】
ステップ21でSTAGE3と判別されたときは、ステップ24へ進んで上記のSTAGE3に応じた燃焼切換制御、つまり、均質燃焼での点火時期遅角制御、点火時期進角制御、圧縮行程噴射時期進角制御及び圧縮行程分割比減少制御を用いた移行排温上昇成層燃焼を介して目的排温上昇成層燃焼に切り換える制御を行う。
【0050】
図15は、上記燃焼切換制御時における点火時期制御のフローを示す。このフローは燃焼切換要求の発生により割り込み処理される。
ステップ31では、前記均質燃焼の点火時期遅角制御において遅角される目標点火時期ADVHRを、図16に示すマップから検索する。該マップには、STAGE1〜3毎の移行排温上昇成層燃焼への切換時に最大進角されたときの出力トルクと同一の出力トルクまで減少するように遅角された点火時期が設定されている。
【0051】
ステップ32では、前記STAGE1〜3毎の移行排温上昇成層燃焼への切換時における最大進角位置(MBT)相当の目標点火時期ADVKSMBTを、図17に示すマップから検索する。なお、STAGE1では、圧縮行程噴射時期及び燃料噴射量分割比を目的排温上昇成層燃焼と同一値に固定した状態で、STAGE2では、燃料噴射量分割比を目的排温上昇成層燃焼と同一値に固定した状態での最大進角位置(MBT)相当値に設定され、STAGE3では、圧縮行程噴射時期及び燃料噴射量分割比を変更制御した状態での最大進角位置(MBT)相当値に設定される。
【0052】
ステップ33では、前記STAGE1〜3毎の前記切換直後の移行排温上昇成層燃焼から遅角していって最終的に切り換えられる目的排温上昇成層燃焼の目標点火時期ADVSAを、図18に示すマップから検索する。
【0053】
ステップ34では、前記均質燃焼の点火時期を、前記ステップ31で設定された目標点火時期ADVHRまで徐々に遅角する制御を行う。
前記ステップ35では、前記目標点火時期ADVHRに達したかを判定し、達するまで前記遅角制御を継続する。
【0054】
ステップ35で目標点火時期ADVHRに達したと判定されると、ステップ36へ進んで、前記ステップ32で設定した移行排温上昇成層燃焼の目標点火時期ADVKSMBTまで一気に進角させる。
【0055】
次いで、ステップ37で、前記最大進角された目標点火時期ADVKSMBTから前記ステップ33で設定された目的排温上昇成層燃焼の目標点火時期ADVSAまで徐々に遅角させ、ステップ38で目標点火時期ADVSAに達したかを判定し、達したところで遅角制御を終了する。
【0056】
図19は、上記燃焼切換制御時における圧縮行程噴射時期制御のフローを示す。このフローも燃焼切換要求の発生により割り込み処理される。
ステップ41では、均質燃焼から移行排温上昇成層燃焼へ切換直後の目標圧縮行程噴射時期ITKSを図20に示したマップから検索する。ここで、上述したようにSTAGE1では、該圧縮行程噴射時期の進角制御を行わないので、移行排温上昇成層燃焼への切換直後の圧縮行程噴射時期は、目的排温上昇成層燃焼における圧縮行程噴射時期と同一の値に設定され、STAGE2,3では、それぞれの目的排温上昇成層燃焼における圧縮行程噴射時期に対して必要なトルク増大分を確保するように進角された圧縮行程噴射時期に設定されている。
【0057】
ステップ42では、最終的に切り換えられる目的排温上昇成層燃焼の目標圧縮行程噴射時期ITSAを、図21に示すマップから検索する。上述したようにSTAGE1では最遅角され、STAGE2では大きく遅角され、STAGE3では中程度に遅角された噴射時期に設定されている。
【0058】
ステップ43では、均質燃焼から移行排温上昇成層燃焼への切換タイミングになったかを判定する。具体的には前記均質燃焼の遅角制御が終了して移行排温上昇成層燃焼へ切り換えるタイミングによって判定する。
【0059】
そして、切換タイミングになったときにステップ44へ進んで、吸気行程と圧縮行程とに分割された移行排温上昇成層燃焼に切り換え、その圧縮行程噴射時期をステップ41で設定された目標圧縮行程噴射時期ITKSに制御する。
【0060】
ステップ45では、圧縮行程噴射時期を徐々に遅角させ、ステップ46で目標圧縮行程噴射時期ITSAに達したかを判定し、達したところで遅角制御を終了する。
【0061】
図22は、上記燃焼切換制御時における圧縮行程分割比制御のフローを示す。このフローも燃焼切換要求の発生により割り込み処理される。
ステップ51では、均質燃焼から移行排温上昇成層燃焼へ切換直後の目標圧縮行程分割比KPARTKSを図23に示したマップから検索する。ここで、上述したようにSTAGE1及びSTAGE2では、該圧縮行程分割比の減少制御を行わないので、目的排温上昇成層燃焼における目標圧縮行程分割比(例えば50%)と同一の値に設定され、STAGE3では、目的排温上昇成層燃焼における目標圧縮行程分割比に対して必要なトルク増大分を確保するように減少された目標圧縮行程分割比(例えば40〜30%)に設定されている。
【0062】
ステップ52では、最終的に切り換えられる目的排温上昇成層燃焼の圧縮行程分割比KPARTSA(例えば50%)を設定する。なお、目的排温上昇成層燃焼が行える領域を、より拡大するため、目的排温上昇成層燃焼においても高回転高負荷領域で圧縮行程分割比を小さめに設定するようにしてもよい。
【0063】
ステップ53では、均質燃焼から移行排温上昇成層燃焼への切換タイミングになったかを前記同様に判定する。
そして、切換タイミングになったときにステップ54へ進んで、移行排温上昇成層燃焼に切り換え、その圧縮行程分割比をステップ51で設定された目標圧縮行程分割比KPARTKSに制御する。
【0064】
ステップ55では、圧縮行程分割比を徐々に増大させ、ステップ56で目標圧縮行程分割比KPARTSAに達したかを判定し、達したところで分割比の増大制御を終了する。
【0065】
次に、図3のステップ12での目的排温上昇成層燃焼から一回の燃料噴射による通常時の燃焼への燃焼切換について説明すると、通常時の燃焼として均質燃焼(均質ストイキ燃焼及び均質リーン燃焼。ただし、一般的に目的排温上昇成層燃焼から均質リーン燃焼に切り換える際は、一旦均質ストイキ燃焼を介して均質リーン燃焼に切り換える)と圧縮行程1回燃料噴射の成層リーン燃焼があり、成層リーン燃焼への切換は、概略的には圧縮行程分割比を徐々に増大させて100%にすればよく、均質燃焼へ切り換える場合は、前記均質燃焼から目的排温上昇成層燃焼へ切り換える場合と全く逆の経過を辿る。
【0066】
すなわち、STAGE1では目的排温上昇成層燃焼から点火時期を徐々に進角させて移行排温上昇成層燃焼の最大進角位置となったときに、同一出力トルクとなるように一気に大きく遅角して均質燃焼に切り換え、次いで最大進角位置MBTまで徐々に点火時期を進角させる。STAGE2では目的排温上昇成層燃焼から点火時期及び圧縮行程噴射時期を徐々に進角させ、点火時期が移行排温上昇成層燃焼の最大進角位置となったときに、同一出力トルクとなるように一気に大きく遅角して均質燃焼に切り換え、次いで最大進角位置MBTまで徐々に点火時期を進角させる。STAGE3では目的排温上昇成層燃焼から点火時期及び圧縮行程噴射時期を徐々に進角させると共に圧縮分割比を徐々に減少させ、点火時期が移行排温上昇成層燃焼の最大進角位置となったときに、同一出力トルクとなるように一気に大きく遅角して均質燃焼に切り換え、次いで最大進角位置MBTまで徐々に点火時期を進角させる。
【0067】
図24〜図26は、STAGE1〜3における燃焼切換時の各種状態量の変化の様子を示す。これらの図では、均質燃焼から排温上昇成層燃焼への切換と排温上昇成層燃焼から均質燃焼への切換は、同一STAGE(同一負荷領域)で行われた場合を示しているが、異なるSTAGEとなった場合は、異なる出力トルク変更制御の組み合わせで切換が行われる。
【0068】
以上示した実施形態では、移行排温上昇成層燃焼における出力トルク変更制御として、単位トルク増加分に対する排温上昇効果の高い順から点火時期進角制御、圧縮行程噴射時期進角制御、圧縮行程分割比減少制御を順次追加して用いるものを示したが、必ずしもかかる方式に限定されない。
【0069】
例えば、本実施形態ではSTAGE2領域で点火時期を最大限進角(移行排温上昇成層燃焼のMBTまで)させつつ、圧縮行程噴射時期進角制御を併用したが、エンジン機種等によっては、点火時期を最大限進角させてもトルク増大代が小さかったり、点火時期までに気化が十分行われずスモーク許容値を超えてしまう場合もある。したがって、そのような場合には点火時期進角量を小さくして圧縮行程噴射時期の方を大きく進角させ、さらには、圧縮行程噴射時期進角制御のみでトルク段差を吸収させるようにすることもできる。
【0070】
STAGE1の低回転低負荷領域での移行排温上昇成層燃焼における出力トルク変更制御も、一般的には最も排温上昇効果の落ち込みが小さいので点火時期進角制御を採用するのが望ましいが、点火時期進角制御によるトルク増大代が極端に小さかったり、僅かな進角制御でスモーク許容値を超えてしまうような場合は、点火時期進角制御を行わず圧縮行程噴射時期進角制御を行うようにすればよい。
【0071】
つまり、本発明において吸収すべきトルク段差に対して排温上昇成層燃焼からの排温上昇効果の落ち込みが小さい制御を優先して使用するとは、適正な燃焼を確保できる中で排温上昇効果の落ち込みが小さい制御を選択することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシステム構成図。
【図2】本発明における排温上昇成層燃焼の吸気行程及び圧縮行程での燃料噴射による混合気形成の様子を示す断面図。
【図3】同上メインルーチンの後半を示すフローチャート。
【図4】燃焼切換時に異なる燃焼切換制御が行われる運転領域を示す図。
【図5】上記異なる運転領域毎に相違する燃焼切換によるトルク段差を示す図。
【図6】低回転低負荷領域(STAGE1)での燃焼切換時の点火時期制御による発生トルクの変化を示す図。
【図7】移行排温上昇成層燃焼における圧縮行程噴射時期進角制御によるトルク段差解消効果を示す図。
【図8】中回転中負荷領域(STAGE2)での燃焼切換時の点火時期制御による発生トルクの変化を示す図。
【図9】上記圧縮行程噴射時期進角制御による負荷変化に対するスモーク回避効果を示す図。
【図10】上記圧縮行程噴射時期進角制御による排温上昇効果の落ち込み量を示す図。
【図11】移行排温上昇成層燃焼における圧縮行程分割比減少制御による排温上昇効果の落ち込み量を示す図。
【図12】移行排温上昇成層燃焼における圧縮行程分割比減少制御によるトルク段差解消効果を示す図。
【図13】高回転高負荷領域(STAGE3)での燃焼切換時の点火時期制御による発生トルクの変化を示す図。
【図14】均質燃焼から目的排温上昇成層燃焼へ切換時のメインフローを示すフローチャート。
【図15】同上燃焼切換時の点火時期制御ルーチンを示すフローチャート。
【図16】均質燃焼の点火時期遅角制御において遅角される目標点火時期ADVHRを設定するためのマップ。
【図17】移行排温上昇成層燃焼切換時の目標点火時期ADVKSMBTを設定するためのマップ。
【図18】目的排温上昇成層燃焼切換後の目標点火時期ADVSAを設定するためのマップ。
【図19】同上燃焼切換時の圧縮行程噴射時期制御ルーチンを示すフローチャート。
【図20】移行排温上昇成層燃焼切換時の目標圧縮行程噴射時期ITKSを設定するためのマップ。
【図21】目的排温上昇成層燃焼切換時の目標圧縮行程噴射時期ITSAを設定するためのマップ。
【図22】同上燃焼切換時の圧縮行程分割比制御ルーチンを示すフローチャート。
【図23】移行排温上昇成層燃焼切換時の目標圧縮行程分割比KPARTKSを設定するためのマップ。
【図24】STAGE1における燃焼切換時の各種状態量の変化の様子を示すタイムチャート。
【図25】STAGE2における燃焼切換時の各種状態量の変化の様子を示すタイムチャート。
【図26】STAGE3における燃焼切換時の各種状態量の変化の様子を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1…機関
4…スロットル弁
5…燃料噴射弁
6…点火栓
7…排気通路
8…空燃比センサ
9…三元触媒
10…NOxトラップ触媒
11…クランク角センサ
12…水温センサ
13…スロットルセンサ
16…キースイッチ
50…コントロールニット

Claims (12)

  1. 機関運転状態に応じた燃焼形態として、燃焼室全体に均質な混合気を形成して燃焼させる均質燃焼と、吸気行程と圧縮行程とに分割した燃料噴射によって点火栓周りの混合気の空燃比を外側の混合気の空燃比よりリッチとした成層混合気を形成して燃焼させる排温上昇効果大の排温上昇成層燃焼と、を含む内燃機関の制御装置であって、
    前記均質燃焼と排温上昇成層燃焼との切り換えを、燃焼切換によるトルク段差を無くすための出力トルク変更制御を用いる移行排温上昇成層燃焼を介して行い、かつ、前記出力トルク変更制御は、燃焼切換用の異なる制御パラメータを用いる複数種類の制御の中から、排温上昇成層燃焼からの排温上昇効果の落ち込みが燃焼切換の際に小さい制御を選択して使用することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記機関の負荷または回転速度が小さい運転領域での燃焼切換時は、第1の出力トルク変更制御を使用し、前記機関の負荷または回転速度が大きい運転領域での燃焼切換時は、移行排温上昇成層燃焼に排温上昇成層燃焼からの排温上昇効果の落ち込みが第1の出力トルク変更制御より大きい第2の出力トルク変更制御を含んで使用することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記機関の負荷または回転速度が大きい運転領域での燃焼切換時は、移行排温上昇成層燃焼に前記第1の出力トルク変更制御と第2の出力トルク変更制御とを併用してトルク段差を吸収することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記第1の出力トルク変更制御は、移行排温上昇成層燃焼における点火時期を、排温上昇成層燃焼における点火時期より進角させる制御を含み、前記第2の出力トルク変更制御は、移行排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射時期を、排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射時期より進角させる制御を含む請求項2または請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記第1の出力トルク変更制御は、移行排温上昇成層燃焼における点火時期を、排温上昇成層燃焼における点火時期より進角させる制御を含み、前記第2の出力トルク変更制御は、移行排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射量に対する吸気行程の燃料噴射量の割合を、排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射量に対する吸気行程の燃料噴射量の割合より大とさせる制御を含む請求項2〜請求項4のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記第1の出力トルク変更制御は、移行排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射時期を、排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射時期より進角させる制御を含み、前記第2の出力トルク変更制御は、移行排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射量に対する吸気行程の燃料噴射量の割合を、排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射量に対する吸気行程の燃料噴射量の割合より大とさせる制御を含む請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記機関の負荷または回転速度が大きい運転領域での燃焼切換時は、前記第2の出力トルク変更制御を使用し、前記機関の負荷または回転速度がさらに大きい運転領域での燃焼切換時は、移行排温上昇成層燃焼に排温上昇成層燃焼からの排温上昇効果の落ち込みが第2の出力トルク変更制御より大きい第3の出力トルク変更制御を含んで使用することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記機関の負荷または回転速度がさらに大きい運転領域での燃焼切換時は、移行排温上昇成層燃焼に前記第1または第2の出力トルク変更制御の少なくとも一方の出力トルク変更制御と第3の出力トルク変更制御とを併用してトルク段差を吸収することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記第1の出力トルク変更制御は、移行排温上昇成層燃焼における点火時期を、排温上昇成層燃焼における点火時期より進角させる制御を含み、前記第2の出力トルク変更制御は、移行排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射時期を、排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射時期より進角させる制御を含み、前記第3の出力トルク変更制御は、移行排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射量に対する吸気行程の燃料噴射量の割合を、排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射量に対する吸気行程の燃料噴射量の割合より大とさせる制御を含む請求項7または請求項8に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記燃焼切換時に、均質燃焼と移行排温上昇成層燃焼との間のトルク段差を吸収するように均質燃焼における出力トルクを低下させる制御を行うことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記均質燃焼における出力トルクを低下させる制御は、点火時期を遅角する制御であることを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記複数種類の出力トルク変更制御は、点火時期制御、移行排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射時期、および移行排温上昇成層燃焼における圧縮行程の燃料噴射量に対する吸気行程の燃料噴射量の割合の制御であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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