JP3792802B2 - 真空断熱体 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L59/00Thermal insulation in general
    • F16L59/04Arrangements using dry fillers, e.g. using slag wool which is added to the object to be insulated by pouring, spreading, spraying or the like

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱材として使用可能な真空断熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の観点から、冷蔵庫断熱材の発泡剤として使用されているCFC11によるオゾン層破壊が世界的規模で注目されている。
【0003】
この様な背景から新規発泡剤を用いた断熱材の研究が行われており、代替フロンとしてはHCFC141b、非フロン系ではシクロペンタンなどが候補として選ばれつつある。
【0004】
しかしながら、これらの新規発泡剤はいづれもCFC11より気体熱伝導率が大きく、冷蔵庫の断熱性能低下は避けられない状況下にある。一方、将来のエネルギー規制などに対し、冷蔵庫の省エネ化は避けられない問題であり断熱性能向上が達成すべき大きな課題である。
【0005】
以上の様に、フロン対応による断熱性能の低下と省エネ化達成のための断熱性能向上という相反する課題を現状の冷蔵庫は抱えている。
【0006】
この様な相反する課題を解決する一手段として無機粉末を用いた真空断熱体が考案され、その内容が特開昭57−173689号公報に記載されている。その内容は、フィルム状プラスチック容器に単粒子径が1μm以下の粉末を充填し内部を減圧後密閉することにより真空断熱体を得るというものである。
【0007】
効果としては工業化が容易な0.1〜1mmHgの真空度で製造する事ができ、シリカ粒子が微粉末であるため、同じ真空度の場合、真空断熱体の断熱性能がより向上する事を見いだしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
真空断熱体の断熱原理は、熱を伝える空気を排除することである。しかしながら、工業的レベルで高真空にすることは困難であり、実用的に達成可能な真空度は0.1〜10mmHgである。
【0009】
したがって、この真空度で目的とする断熱性能が得られなければならない。
空気が介在して熱伝導が行われる場合の断熱性能に影響をおよぼす物性として平均自由行程がある。平均自由行程とは、空気を構成する分子の一つが別の分子と衝突するまでに進む距離のことで、平均自由行程よりも形成されている空隙が大きい場合は空隙内において分子同士が衝突し、空気による熱伝導が生じるため真空断熱体の熱伝導率は大きくなる。逆に平均自由行程よりも空隙が小さい場合は真空断熱体の熱伝導は小さくなる。これは、空気の衝突による熱伝導がほとんどなくなるためである。
【0010】
したがって、シリカ粉末などの微細な粒径を有する粉末を用いれば空隙が細かくなり、空気の衝突による熱伝導がほとんどなくなる。この結果、真空断熱体の断熱性能が向上する。しかし、従来の構成では、外被材に吸着していた水分などが経時的に発生することによって真空度が悪化し、気体による熱伝導が増大するため真空断熱体の熱伝導率が悪化する問題があった。
【0011】
本発明は上記内容を鑑み、真空断熱体の課題であった、経時による熱伝導率の悪化を抑制しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の真空断熱体は、熱溶着部の端部周縁がSiO 2 によって蒸着されている。
【0013】
したがって、ヒートブリッジの影響を受けずに熱溶着層の端部周縁からのガス侵入を防止でき、真空度の悪化に起因した熱伝導率の悪化を抑制できる。
【0014】
また、本発明の断熱パネルは、外被材の熱溶着部の端部周縁をSiO2で蒸着した真空断熱体とウレタンフォームとを複層している。
【0015】
したがって、ヒートブリッジの影響を受けずに熱溶着層の端部周縁からのガス侵入を防止でき、真空度の悪化に起因した熱伝導率の悪化を抑制できる。その結果、真空断熱体の熱伝導率が悪化し、断熱パネル全体の熱伝導率が悪化するといったことがなく、住宅断熱壁の結露発生やかび発生、腐食による老朽化などといったことが防止できる。
【0016】
また、本発明の断熱箱体は、外被材の熱溶着部の端部周縁をSiO2で蒸着した真空断熱体を、外箱もしくは内箱に設けた断熱箱体である。
【0017】
したがって、ヒートブリッジの影響を受けずに熱溶着層の端部周縁からのガス侵入を防止でき、真空度の悪化に起因した熱伝導率の悪化を抑制できる。その結果、真空断熱体の熱伝導率が悪化し、断熱パネル全体の熱伝導率が悪化するといったことがない。
【0018】
この結果、真空断熱体の熱伝導率が悪化することでコンプレッサーの運転率が過剰となり、冷蔵庫の信頼性が低下するといった問題が解決される。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、芯材と、前記芯材を外包する外被材とを備え、前記外被材が、熱溶着層とガスバリヤ層とを有するラミネートフィルム、熱溶着によって袋状にしたものであり、熱溶着部の端部周縁がSiO 2 蒸着されている真空断熱体である。
【0020】
バリヤ層にガスバリヤ性の優れた材料を用いたとしても、熱溶着層からのガス透過ができず、長きに亘って真空断熱体を使用する場合などは、気体による熱伝導が増大してしまう問題がある。
【0021】
本発明は、上記課題を鑑み、熱溶着部の端部周縁をSiO2によって蒸着している。SiO2蒸着は非常に緻密な粒子郡を形成しているため、Al蒸着と同等のガスバリヤ性を有する。これにより、従来、困難であった熱溶着層の端部周縁からのガス透過を抑制することが可能となり、長きの亘って真空断熱体を使用する場合などにおいても、真空断熱体の性能悪化を抑制することが可能となる。
【0022】
また、SiO2は金属結合を形成しないため熱伝導率が小さく、Al蒸着を熱溶着層の端部周縁に適用した時に認められる、ヒートリークによる熱伝導率の急激な悪化がない。
【0023】
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項1に記載の真空断熱体と、ウレタンフォームを複層した断熱パネルである。
【0024】
SiO2蒸着は非常に緻密な粒子郡を形成しているため、Al蒸着と同等のガスバリヤ性を有する。これにより、従来、困難であった熱溶着層の端部周縁からのガス透過を抑制することが可能となり、長きに亘って真空断熱体を使用する場合などにおいても、真空断熱体の性能悪化を抑制することが可能となる。
【0025】
また、SiO2は金属結合を形成しないため熱伝導率が小さく、Al蒸着を熱溶着層の端部周縁に適用した時に認められる、ヒートリークによる熱伝導率の急激な悪化がない真空断熱体を得ることができる。
【0026】
このような真空断熱体とウレタンフォームを複層した構成の断熱パネルでは、真空断熱体の熱伝導率が悪化することによって、断熱パネル全体の熱伝導率が悪化するといったことがなく、長きに亘って使用した場合などに起こる住宅断熱壁の結露発生といったことが防止できる。
【0027】
また、ヒートリークの影響がないことから、断熱壁に局所的な結露が発生するといった問題が解決される。
【0028】
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項1に記載の真空断熱体を、外箱もしくは内箱に設けた断熱箱体である。
【0029】
SiO2蒸着は非常に緻密な粒子郡を形成しているため、Al蒸着と同等のガスバリヤ性を有する。これにより、従来、困難であった熱溶着層の端部周縁からのガス透過を抑制することが可能となり、長きに亘って真空断熱体を使用する場合などにおいても、真空断熱体の性能悪化を抑制することが可能となる。
【0030】
また、SiO2は金属結合を形成しないため熱伝導率が小さく、Al蒸着を熱溶着層の端部周縁に適用した時に認められる、ヒートリークによる熱伝導率の急激な悪化がない真空断熱体を得ることができる。
【0031】
このような真空断熱体を適用した本発明の断熱箱体では、長きに亘って使用した場合においても、真空断熱体の急激な熱伝導率悪化に起因してコンプレッサーの運転率が過剰となり、冷蔵庫の信頼性が低下するといった問題が解決される。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
(実施例1)
図1は真空断熱体の断面図であり、1は真空断熱体であり、セル径150μmの水発泡連通フォームからなる芯材2を120℃の雰囲気で2時間乾燥後、外被材3に充填し、真空度が0.1mmHgとなるように内部を減圧密封したものである。
【0034】
芯材3は、水発泡連通フォームに限定されるものではなく、シリカやパーライトなどの粉末材料や、珪酸カルシウムなどを用いても良い。
【0035】
図2は外被材3の拡大断面図であり、最外層4に12μmの厚みからなるポリエチレンテレフタレート樹脂を、ガスバリヤ層5にはAl蒸着を施した12μmの厚みからなるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を用い、かつ、Al蒸着層を熱溶着層6側に設けており、熱溶着層6には50μmの厚みからなる高密度ポリエチレン樹脂を用いている。
【0036】
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂は、エチレン含有量が12モル%のものを用いているが、特に限定されるものではなく、真空断熱体の性能によって適宜エチレン含有量を変えることができる。
【0037】
以上のような構成からなる真空断熱体1は、ガスバリヤ層5に設けたAl蒸着層が熱溶着層6側に位置する。したがって、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂に吸湿した水分が真空雰囲気中に脱離する場合においても、Al蒸着層によって水分の透過が抑制される。
【0038】
この結果、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂に吸湿した水分の影響によって真空度が悪化し、気体による熱伝導率の増大に起因して真空断熱体の熱伝導率が悪化するといった問題が解決される。
【0039】
また、Al蒸着層によって水分の透過が抑制されることから、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂のエチレン含有量を低減させることも可能となり、ポリビニルアルコール樹脂比率の増大によって、ガスバリヤ性をさらに向上させることが可能となる。
【0040】
なお、外被材の最外層に用いる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂に限定されることはなく、ナイロン樹脂やポリプロピレン樹脂、およびポリ塩化ビニルなどを用いることができる。
【0041】
また、熱溶着層に用いる樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂に限定されることはなく、低密度ポリエチレン樹脂やポリアクリルニトリル樹脂ポリアクリルニトリル樹脂を適用することができる。好ましは、耐薬品性に優れ、かつ、ガスバリヤ性にも優れた高密度ポリエチレン樹脂やポリアクリルニトリル樹脂が適している。
【0042】
図3は外被材3熱溶着部の端部周縁10にSiO2蒸着11を施した状態を示している。
【0043】
真空断熱体は熱溶着層にてヒートシールを行い密閉するが、この時、熱溶着層が熱劣化する。この結果、経時的に熱溶着層からガスが侵入し、真空度の悪化に起因して真空断熱体の熱伝導率が悪くなる。
【0044】
しかし、ガスバリヤ性に優れたSiO2蒸着を熱溶着部の端部周縁に施すことにより、熱劣化した熱溶着層からのガス侵入を防止することができる。
【0045】
以上のことから、本発明の構成からなる真空断熱体を用いることにより、経時的に熱溶着層からガスが侵入し、真空度の悪化に起因して真空断熱体の熱伝導率が悪くなるといった問題が解決できる。
【0046】
また、SiO2の熱伝導率が非常に小さいことから、Al蒸着を適用した場合に問題となるヒートリークがなく、熱伝導率を悪化させずに優れた信頼性を有する真空断熱体を得ることが可能となる。
【0047】
(実施例
は断熱パネルの断面図であり、断熱パネル12は、硬質ウレタンフォーム13と実施例1によって得られた真空断熱体1とによって構成される。
【0048】
このような構成からなる断熱パネル12は、真空断熱体1のガスバリヤ層に設けたAl蒸着層が熱溶着層側に位置するため、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂に吸湿した水分が、真空雰囲気中に脱離する場合においても、Al蒸着層によって水分の透過が抑制される。
【0049】
この結果、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂に吸湿した水分の影響によって真空度が悪化し、気体による熱伝導の増大に起因して真空断熱体の熱伝導率が悪化することで、断熱パネル全体の熱伝導率が悪くなるといった問題が解決される。
【0050】
また、高温多湿の環境下にて住宅断熱壁に適用した場合、外気の水分がウレタンフォーム内を拡散して室内の壁にカビなどを発生させたり、木材を腐らせるといった問題が多く認められるが、本発明の断熱パネルを適用することにより、ウレタンフォーム内部を拡散してきた水分が蒸着層によって遮断されるため、上記のような課題が解決される。
【0051】
また、断熱パネル12に適用される真空断熱体1は、熱溶着部の端部周縁10にSiO2蒸着11を施した外被材を有している。
【0052】
SiO2蒸着はガスバリヤ性に優れ、かつ、熱伝導率が小さいため、熱溶着部の端部周縁に施すことにより、ヒートリークの影響を受けずに熱劣化した熱溶着層からのガス侵入を防止することができる。
【0053】
このような特徴を有する真空断熱体を適用した本発明の断熱パネルでは、真空断熱体の熱伝導率が悪化することで、断熱パネル全体の熱伝導率が悪くなるといった問題が解決される。
【0054】
この結果、住宅断熱壁として本発明の断熱パネルを適用した場合において、断熱パネルの熱伝導率が経時的に悪化し、壁面に結露が発生するといった問題が解決される。
【0055】
(実施例
は断熱箱体の断面図であり、断熱箱体14は、外箱15と内箱16と硬質ウレタンフォーム13と実施例1によって得られた真空断熱体1とによって構成され、真空断熱体1は外箱15の内面に取り付けられている。
【0056】
本発明の断熱箱体14に適用する真空断熱体1は、外被材3のバリヤ層に適用するエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂の吸湿水分の影響によって真空度が悪化し、気体による熱伝導の増大に起因して真空断熱体の熱伝導率が悪くなるといったことがない。
【0057】
したがって、本発明の構成からなる冷蔵庫では、長きに亘って使用した場合においても、真空断熱体の急激な熱伝導率悪化に起因してコンプレッサーの運転率が過剰となり、冷蔵庫の信頼性が低下するといった問題が解決される。
【0058】
また、断熱箱体14に適用される真空断熱体1は、熱溶着部の端部周縁10にSiO2蒸着11を施した外被材を有している。
【0059】
SiO2蒸着はガスバリヤ性に優れ、かつ、熱伝導率が小さいため、熱溶着部の端部周縁に施すことにより、ヒートリークの影響を受けずに熱劣化した熱溶着層からのガス侵入を防止することができる。
【0060】
このような特徴を有する真空断熱体を適用した本発明の断熱箱体では、真空断熱体の熱伝導率が悪化することで、コンプレッサーの運転率が過剰となり、冷蔵庫の信頼性が低下するといった問題が解決される。
【0061】
なお、ガスバリヤ層5のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂に、オレイン酸を充填、混練した場合は、オレイン酸の側鎖にあるカルボキシル基は酸素との酸化反応性に富み、ヒドロペルオキシドを形成する。このため、自動酸化反応が起こり、酸素吸着能力が低下しない。したがって、長きに亘って真空断熱体を使用する際、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂が吸湿してガスバリヤ性が悪化してもオレイン酸が選択的に酸素を吸着するため、真空度の悪化が小さく、真空断熱体の熱伝導率の悪化を抑制できる。エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂に、オレイン酸を充填、混練する量は、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂に対し重量比で1%である。なお、オレイン酸の他に、大豆油や綿実油などの不飽和脂肪酸を酸素吸着剤として用いても同様の効果が得られる。
【0062】
また、最外層4のポリエチレンテレフタレート樹脂に、合成ゼオライトからなる水分吸着剤を充填、混練した場合は、真空断熱体1を多湿雰囲気下で使用した場合においても最外層に充填されたゼオライトが水分を吸着するため、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂が吸湿してガスバリヤ性が悪化し、真空断熱体の熱伝導率が悪くなるといった問題が解決される。ポリエチレンテレフタレート樹脂に、合成ゼオライトからなる水分吸着剤を充填、混練する量は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂に対し重量比で1%である。なお、水分吸着剤としては合成ゼオライトに限定されるものではなく、物理吸着剤としてはシリカやアルミナ粉末でも同様の効果が得られ、また、科学吸着では、水酸化リチウムや水酸化バリウムなどの粉末も使用できる。実生産での取り扱い性を考慮すると、物理吸着の方が活性度が低く、適している。また、水分による影響をより低減するためには、最外層のポリエチレンテレフタレート樹脂に、Al蒸着を施せば更に効果がある。
【0063】
また、ガスバリヤ層5のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂の表面をポリ塩化ビニリデン樹脂で被覆した場合は、ポリ塩化ビニリデン樹脂が官能基として側鎖にCl基を有し、疎水性であるため吸湿性が低いので、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂が吸湿してガスバリヤ性が悪化し、真空断熱体の熱伝導率が悪くなるといった問題が解決される。また、ポリ塩化ビニリデン樹脂は結晶化度が高く、緻密な分子構造をしていることから炭酸ガスに対しても優れたガスバリヤ性を示す。この結果、酸素や窒素ガスに対する高いガスバリヤ性だけでなく、炭酸ガスに対しても優れたガスバリヤ性を持つ真空断熱体が得られる。ポリ塩化ビニリデン樹脂の被覆厚さは、例えば20μmである。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明の真空断熱体は、熱溶着部の端部周縁がSiO 2 によって蒸着されている。
【0065】
したがって、ヒートブリッジの影響を受けずに熱溶着層の端部周縁からのガス侵入を防止でき、真空度の悪化に起因した熱伝導率の悪化を抑制できる。
【0066】
また、本発明の断熱パネルは、外被材の熱溶着部の端部周縁をSiO2で蒸着した真空断熱体とウレタンフォームとを複層している。
【0067】
したがって、ヒートブリッジの影響を受けずに熱溶着層の端部周縁からのガス侵入を防止でき、真空度の悪化に起因した熱伝導率の悪化を抑制できる。その結果、真空断熱体の熱伝導率が悪化し、断熱パネル全体の熱伝導率が悪化するといったことがなく、住宅断熱壁の結露発生やかび発生、腐食による老朽化などといったことが防止できる。
【0068】
また、本発明の断熱箱体は、外被材の熱溶着部の端部周縁をSiO2で蒸着した真空断熱体を、外箱もしくは内箱に設けた断熱箱体である。
【0069】
したがって、ヒートブリッジの影響を受けずに熱溶着層の端部周縁からのガス侵入を防止でき、真空度の悪化に起因した熱伝導率の悪化を抑制できる。その結果、真空断熱体の熱伝導率が悪化し、断熱パネル全体の熱伝導率が悪化するといったことがない。
【0070】
この結果、真空断熱体の熱伝導率が悪化することでコンプレッサーの運転率が過剰となり、冷蔵庫の信頼性が低下するといった問題が解決される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明は実施例1による真空断熱体の断面図
【図2】 本発明の実施例1による外被材の詳細断面図
【図3】 本発明の実施例1による外被材の詳細断面図
【図4】 本発明の実施例2による断熱パネルの断面図
【図5】 本発明の実施例3による断熱箱体の断面図
【符号の説明】
1 真空断熱体
2 芯材
3 外被材
4 最外層
5 ガスバリヤ層
6 熱溶着層
0 熱溶着部の端部周縁
11 SiO2蒸着
12 断熱パネル
13 硬質ウレタンフォーム
14 断熱箱体
15 外箱
16 内箱

Claims (3)

  1. 芯材と、前記芯材を外包する外被材とを備え、前記外被材が、熱溶着層とガスバリヤ層とを有するラミネートフィルム、熱溶着によって袋状にしたものであり、熱溶着部の端部周縁がSiO 2 蒸着されている真空断熱体。
  2. 請求項1に記載の真空断熱体と、ウレタンフォームとを複層した断熱パネル。
  3. 外箱と、内箱と、前記外箱と内箱とによって形成される空間に発泡断熱材を充填した断熱箱体において、前記外箱もしくは内箱の内面に、請求項1に記載の真空断熱体を設けた断熱箱体。
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