JPH0712292A - 真空断熱材パック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、冷蔵庫などの断熱材として使用可
能な真空断熱材パックに関するもので、安定した性能を
有する真空断熱パックを得ることを目的としたものであ
る。 【構成】 ブロ−成形によって得られたポリマ−アロイ
樹脂をブレンドした樹脂からなる中空成形体容器２と芯
材３とによって構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫などの断熱材と
して使用可能な真空断熱材パックに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、冷蔵庫の断熱箱体に用いられる断
熱材には、発泡断熱材と共に更に断熱性能が良い真空断
熱材パックが併用され、高断熱性を有するようになって
いる。

【０００３】しかしながら、真空断熱材パックを断熱箱
体に取り付ける場合、真空断熱材パックの周縁部と断熱
箱体の壁面との間に空間が生じてしまい、断熱箱体に発
泡断熱材を充填した時に空洞が形成され、これが原因で
収縮が生じ外観品質上問題があった。

【０００４】このような問題点を解決する手段として特
開昭６３−２０３０８９号公報に記載されているものが
ある。

【０００５】特開昭６３−２０３０８９号公報記載の内
容を図３及び図４を用いて説明する。図において１６は
真空断熱材パックでガスバリヤ性を有するラミネ−トフ
ィルム製の容器１７と連続気泡構造を有する芯材１８と
ガスバリヤ性を有するラミネ−トフィルムからなる蓋材
１９から構成されており、前記容器１７と前記蓋材１９
を重ね合わせ双方の平面部でヒ−トシ−ルされている。

【０００６】このような構成からなる前記真空断熱材パ
ック１６を、前記蓋材１９側を接着面として外箱２０の
内面側に取り付けた断熱箱体２２であるので、真空断熱
材パック２２と外箱２０との間に空間が無く、断熱箱体
２２に発泡断熱材２１を充填した時における空洞形成が
無く、収縮の無い安定した製品品質の断熱箱体２２が得
られるというものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の真空断熱材パックの場合、真空成形により容器形状
にする必要がある。

【０００８】真空成形の場合、シ−ト状態から容器形状
に成形するためコ−ナ部などの成形伸び率が大きい部分
は肉厚が薄くなり、バリヤ性が低下してしまう問題があ
った。

【０００９】また、コ−ナ部などの肉厚が確保できる様
な条件で成形を行うためには成形温度を低くする必要が
あり、材料の展延性が悪化するため容器形状を確保する
ことができず、結果として断熱箱体に適用した場合に外
観変形発生などの問題があった。

【００１０】また、従来の真空断熱材パックでは、容器
と蓋材とをヒ−トシ−ルにより取り付けているので真空
断熱材パックのサイズを大型化する場合、ヒ−トシ−ル
部が長くなってしまう。

【００１１】ヒ−トシ−ル部が長くなればフィルムにた
るみなどが発生しやすくなり、その結果、ヒ−トシ−ル
部界面にシワが発生しスロ−リ−クにより断熱性能が著
しく悪化するといった問題があった。

【００１２】また、断熱箱体に適用する場合においても
真空断熱材パックの大型化ができないことから、発泡断
熱材との併用が必要となる。

【００１３】その結果、真空断熱材パックが発泡断熱材
の流動性を阻害し、発泡断熱材の未充填部ができ断熱箱
体としての品質を著しく低下させるといった問題があっ
た。

【００１４】この様な課題解決の手段として、ブロ−成
形により得られた中空成形体容器を用いる方法がある。

【００１５】上記方法によれば、パリソンコントロ−ラ
により伸び率に合わせた肉厚分布を作り出すことがで
き、成形後の容器肉厚の均一化を図ることが可能とな
る。

【００１６】また、ブロ−成形によって得られた中空容
器であるので蓋材とのヒ−トシ−ルが不要となり芯材充
填口のみを密閉すればよく、真空断熱材パックの大型化
においても十分な信頼性を確保することが可能となる。

【００１７】しかし、ブロ−成形を用いてガスバリヤ性
の高い容器を得るためには、バリヤ性の高い樹脂を単独
で使用するか、もしくはパリソンを多層構成にする必要
がある。

【００１８】この様な場合、前者の仕様ではバリヤ性の
高い樹脂を単独で使用するため、非常にコストが高くな
ってしまう問題があった。

【００１９】また後者の場合、飲料水ボトルなどの小型
サイズでは成形可能であるが、大型サイズではパリソン
の押し出し時間が長くなるため半溶融状態にある樹脂同
志が不規則に混ざり合い、バリヤ性が著しく悪化する問
題があった。

【００２０】本発明の目的はブロ−成形材料としてポリ
マ−アロイを用いることによりコストアップやバリヤ性
の悪化といった問題を解決し、真空断熱材パックの大型
化を可能にすることにある。

【００２１】また、大型真空断熱材パックを単独で断熱
箱体に適用することにより、品質の向上を図ろうとする
ものである。

【００２２】

【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために、本発明の真空断熱材パックは、ブロ−成形に
よって得られた中空成形体からなる容器と、前記容器内
部に充填する芯材とからなり、内部を減圧後密閉した真
空断熱材パックにおいて、前記容器を構成する樹脂がポ
リマ−アロイ樹脂とのブレンドによって得られた樹脂か
らなる真空断熱材パックである。

【００２３】また、本発明の真空断熱材パックは、ポリ
マ−アロイ樹脂とのブレンドによって得られた樹脂をブ
ロ−成形した容器と、前記容器内部に充填する芯材とか
らなり、内部を減圧後密閉した真空断熱材パックにおい
て、前記ポリマ−アロイ樹脂の溶融粘度がブレンドする
樹脂の溶融粘度よりも高い樹脂からなる真空断熱材パッ
クである。

【００２４】また、本発明の断熱箱体は、ポリマ−アロ
イ樹脂とのブレンドによって得られた樹脂をブロ−成形
した容器と、前記容器内部に充填する芯材とからなり、
内部を減圧後密閉した真空断熱材パックにおいて、前記
ポリマ−アロイ樹脂の溶融粘度がブレンドする樹脂の溶
融粘度よりも高い樹脂からなる真空断熱材パックを内箱
と外箱との間に設けた断熱箱体である。

【００２５】

【作用】上記構成により、ポリマ−アロイ樹脂とのブレ
ンド樹脂を用いてブロ−成形によって得られた中空成形
体容器であるので高ガスバリヤ性樹脂を単独で使用する
必要がなく、低コスト化が図れるのである。

【００２６】また、ブロ−成形に使用されているポリマ
−アロイ樹脂の溶融粘度が、ブレンドされる樹脂の溶融
粘度よりも高いので、パリソン形成時において溶融粘度
の高いポリマ−アロイ樹脂が中央部形成され、溶融粘度
の低い材料が外側に形成される。

【００２７】その結果、成形品としては多層構造を形成
するため非常に高いガスバリヤ性が得られると共に、ブ
ロ−成形品の大型化が可能となるのである。

【００２８】一方、この様な大型真空断熱材パックを断
熱箱体に適用することにより、断熱材との併用が不要と
なり、品質の安定した断熱箱体を得ることができるので
ある。

【００２９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１、図２、を用
いて説明する。

【００３０】図において１は真空断熱材パックであり、
パリソンコントロ−ラにより成形伸び率に合わせた肉厚
分布をもつパリソンをブロ−成形して得られた中空成形
体の容器２と硬質ウレタンフォ−ムなどを粉砕して得ら
れた断熱性能の優れた芯材３とから構成されている。

【００３１】前記容器２は、エチレン−ビニルアルコ−
ル共重合体樹脂と高密度ポリエチレン樹脂からなるポリ
マ−アロイ樹脂と高密度ポリエチレン樹脂とのブレンド
樹脂を用いており、成形後の構成は、最外層４に１００
μの厚みからなる耐薬品性、成形性に優れたポリプロプ
レン樹脂などの樹脂層５、中層６に１００μの厚みから
なるガスバリヤ性に優れたエチレンビニルアルコ−ル樹
脂などの樹脂層７、最内層８に１００μの厚みからなる
耐薬品性、成形性に優れたポリプロプレン樹脂などの樹
脂層９から構成されている。

【００３２】以上の様な構成からなる容器２の内部に注
入口１０から前記芯材３を充填後内部を減圧し、前記注
入口１０をヒ−トシ−ルなどの方法により密閉すること
によって真空断熱材パック１が得られる。

【００３３】以上の様な構成により、ポリマ−アロイ樹
脂とのブレンド樹脂を適用しているため高ガスバリヤ性
樹脂を単独使用する必要がなく、加えてパリソン押し出
し時による材料同志の混合といった問題が解決され大型
容器のブロ−成形が可能となる。

【００３４】また、ポリマ−アロイ樹脂の溶融粘度が、
ブレンドされる樹脂の溶融粘度よりも大きいので、パリ
ソン形成時において溶融粘度の高いポリマ−アロイ樹脂
が中央部形成され、溶融粘度の低い材料が外側に形成さ
れる。

【００３５】この結果、中空成形体容器を成形した場合
に多層構造が形成されており、優れたガスバリヤ性を有
することが可能となるのである。

【００３６】図２において、１１は断熱箱体であり内箱
１２と外箱１３と前記内箱１２と前記外箱１３の空間部
１４に設けられた真空断熱材パック１５からなってい
る。

【００３７】以上の様な構成によって、真空断熱材パッ
ク１５の単層構造であるため、真空断熱材パックが発泡
断熱材の流動性を阻害することによって未充填部が形成
され断熱性能が悪化し、断熱箱体の品質を著しく低下さ
せるといった問題が解決されるのである。

【００３８】

【発明の効果】以上のように本発明の真空断熱材パック
は、ブロ−成形によって得られた中空成形体からなる容
器と、前記容器内部に充填する芯材とからなり、内部を
減圧後密閉した真空断熱材パックにおいて、前記容器を
構成する樹脂がポリマ−アロイ樹脂とのブレンドによっ
て得られた樹脂からなる真空断熱材パックであるので、
高ガスバリヤ性樹脂を単独使用する必要がなく、低コス
ト化が図れるのである。

【００３９】また、ポリマ−アロイ樹脂とのブレンドに
よって得られた樹脂をブロ−成形した容器と、前記容器
内部に充填する芯材とからなり、内部を減圧後密閉した
真空断熱材パックにおいて、前記ポリマ−アロイ樹脂の
溶融粘度がブレンドする樹脂の溶融粘度よりも高い樹脂
である真空断熱材パックであるので、パリソン形成時に
おいて溶融粘度差により溶融粘度が大きくガスバリヤ性
の高いポリマ−アロイ樹脂が中央部に形成され、溶融粘
度の低い材料が外側に形成される。

【００４０】その結果、成形品としては多層構造を形成
するため非常に高いガスバリヤ性が得られると共に、ブ
ロ−成形品の大型化が可能となるのである。

【００４１】また、本発明の断熱箱体は、ポリマ−アロ
イ樹脂とのブレンドによって得られた樹脂をブロ−成形
した容器と、前記容器内部に充填する芯材とからなり、
内部を減圧後密閉した真空断熱材パックにおいて、前記
ポリマ−アロイ樹脂の溶融粘度がブレンドする樹脂の溶
融粘度よりも高い樹脂である真空断熱材パックを内箱と
外箱との間に設けた断熱箱体であるので、大型真空断熱
材パックの適用が可能となり発泡断熱材との併用が不要
となる。

【００４２】その結果、真空断熱材パックが発泡断熱材
の流動性を阻害することによって未充填部が形成され断
熱性能が悪化し、断熱箱体の品質を著しく低下させると
いった問題が解決されるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における真空断熱材パックの
断面図

【図２】本発明の一実施例における断熱箱体の断面図

【図３】従来の真空断熱材パックの断面図

【図４】従来の断熱箱体の断面図

【符号の説明】

１ 真空断熱材パック ２ 容器 ３ 芯材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブロ−成形によって得られた中空成形体
   からなる容器と、前記容器内部に充填する芯材とからな
   り、内部を減圧後密閉した真空断熱材パックにおいて、
   前記容器を構成する樹脂がポリマ−アロイ樹脂とのブレ
   ンドによって得られた樹脂である真空断熱材パック。
2. 【請求項２】 ポリマ−アロイ樹脂とのブレンドによっ
   て得られた樹脂をブロ−成形した容器と、前記容器内部
   に充填する芯材とからなり、内部を減圧後密閉した真空
   断熱材パックにおいて、前記ポリマ−アロイ樹脂の溶融
   粘度がブレンドする樹脂の溶融粘度よりも高い樹脂であ
   る真空断熱材パック。
3. 【請求項３】 ポリマ−アロイ樹脂とのブレンドによっ
   て得られた樹脂をブロ−成形した容器と、前記容器内部
   に充填する芯材とからなり、内部を減圧後密閉した真空
   断熱材パックにおいて、前記ポリマ−アロイ樹脂の溶融
   粘度がブレンドする樹脂の溶融粘度よりも高い樹脂であ
   る真空断熱材パックを内箱と外箱との間に設けた断熱箱
   体。