JP3881034B2 - 大型の容器を保護する装置およびこの装置の製造方法 - Google Patents

Description

本発明は、容器の下側をパレット状に支持する支持体と、この支持体に連結されかつ容器を側方から取り囲む外被体とを備えた、液状充填物、粘性液状充填物、粉末状充填物および粒状充填物を貯蔵および運搬するときに、大型の容器を保護するための装置と、この装置を製造するための方法に関する。
液状充填物、粘性液状充填物、粉末状充填物および粒状充填物を運搬および貯蔵するために、大型の容器が使用される。この容器はほとんどが５００〜１０００リットルの容量を有し、合成樹脂からブロー成形によって作られる。その際、この容器は閉鎖可能の上側の充填口を有し、底の範囲に、遮断機構を備えた排出口を備えている。このような容器を容易にかつ損傷しないように運搬および貯蔵できるようにするために、容器の長方形の底面が、木製、金属製または合成樹脂製のパレット状支持体上に支持される。この支持体上には、容器を側方から取り囲む外被体が配置されている。この外被体は互いに連結された金属製の垂直な棒と水平な棒からなっている。金属製の外被体は特に化学工業と食品分野において不利であり、望まれない。このようなパレットコンテナの場合には、パレットコンテナを保持する、支持体と外被体からなる装置は、不利であると見なされる。というのは、その製作に非常にコストがかかり、外被体が支持体から外れる危険があるからである。更に、格子状の外被体は容器の損傷を防ぐことができない。
そこで、本発明の根底をなす課題は、容易にかつ低コストで製作可能であり、化学的に充分に錆びず、外被体が支持体から外れる危険のない、液状充填物、粘性液状充填物、粉末状充填物および粒状充填物を運搬および貯蔵するための大型の容器を保護するための装置を提供することである。更に、装置は非常に見栄えがよく、容器を良好に保護すべきである。
この課題を解決するために、本発明では、冒頭に述べた種類の装置において、支持体と外被体が合成樹脂によって一体に形成され、緻密な外側層と緻密な内側層と発泡した中間層とからなる３層の壁を有することが提案される。
このように形成された装置は比較的に迅速にかつ低コストで製作可能である。装置はその中に配置された容器に、非常に高い安全性を付与し、見栄えを良くする。外被体が支持体から分離されるという危険は閉め出される。このような装置の重量は比較的に軽量である。
本発明による装置とその製造方法の特徴は請求項２〜１０に記載されている。
次に、図に示した実施の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。
図１は容器を挿入した本発明による装置の正面図、
図２〜９は図１の装置を製作するための設備の製作方法の個々の段階を示す図、
図１０ａは図１の装置の壁の断面図、
図１０ｂと１０ｃはホース状の予備成形パリソンの壁の異なる厚さの層を示す図、
図１０ｄと１０ｅは図１０ｂと１０ｃの予備成形パリソンからなる装置の壁を示す図、
図１０ｆは図１の装置の壁の層条片の範囲の断面図である。
図１にはパレットコンテナ１が示してある。このパレットコンテナは合成樹脂製の容器２を備えている。この容器は液状媒体、粘性液状媒体、粉末媒体または粒媒体、いわゆる充填物を収容する。この容器２は示唆的に示した閉鎖可能な充填口３を備えている。この充填口は容器２の上側範囲にある。容器２は下側範囲に、出口４を備えている。この出口には遮断弁５が挿入されている。容器２は本発明による装置６に収納されている。この装置６は運搬時および貯蔵時に容器を保護する。
この装置６はパレット状の支持体７を備えている。この支持体上に容器２が支持されている。この支持体には、それと一体に製作された外被体８に接続している。この外被体は容器２を側方から取り囲んでいる。図１に示していない特別な被覆要素は、示唆的に示したクランプストラップ９によって、外被体８の壁１０の上側範囲に保持されている。この被覆要素によって、容器２は装置６内で保持されている。外被体８の壁１０と支持体７の壁は三層状に形成され、緻密質の外側層１１を備えている。この外側層は着色されたＵＶ耐性の合成樹脂からなっている（図１０ａ）。外被体８と支持体７の壁１０は更に、外側層１１から離れたところにある、同様に緻密質の合成樹脂製内側層１２を備えている。この合成樹脂は例えば光を通すように形成可能である。その際、内側層１２は発泡合成樹脂製の中間層１３によって外側層１１から分離されている。この中間層１３により、比較的に軽量のきわめて安定した装置６が得られる。
図示した実施の形態では、外被体８が開口１４を備えている。この開口を通って遮断弁５が突出しているので、容器２から充填物を問題なく排出することができる。更に、図１に示すように、外被体２の外面はエンボス加工部１５を備えることができる。発泡合成樹脂によって形成された中間層１３は必要に応じて、異なる領域に異なる厚さを有することができる。これは装置６の製作時または予備成形パリソンの製作時に問題なく行うことができる。この場合、異なる厚さの個々の層１１，１２，１３を押出し成形するだけでよい。装置６の材料としては、例えば緻密質のポリエチレンと発泡材を備えたポリエチレンを使用することができる。
図１に基づいて説明した装置６は、図２〜９に示すような設備によって製作される。図２〜９は、この設備のいろいろな運転位置を簡単に示している。押出し機の下方に配置されたこの設備は金型２０を備えている（図９）。この金型は２個の金型半部２０ａ，２０ｂと中子２１によって形成されている。その際、各々の金型半部２０ａ，２０ｂは金型キャリア２２ａ，２２ｂによって保持されている。この金型キャリアはそれ自体公知のごとく、図示していない駆動装置によって、図２の位置から矢印２３の方向に、図８に示した位置まで移動または摺動可能である。中子２１は金型半部２０ａ，２０ｂの移動平面の下方にあり、駆動装置２４を介して図２に示すその位置から図７に示す位置に持上げられる。
各々の金型半部２０ａ，２０ｂは揺動可能な上側部分２５（図２）と揺動可能な２個の側方部分２６（図３）を備えている。この上側部分と側方部分はそれぞれ出発位置すなわち基本位置が示してある。図に示していないそれ自体公知の駆動装置を介して、上側部分２５と側方部分２６は図８，９に示す位置に揺動可能である。
ほぼ長方形の横断面を有する中子２１の４つのすべての角にはそれぞれ、拡開要素２７が設けられている。この拡開要素はそれぞれ中子２１の横断面を補っているがしかし、中子とは別々に動くことができる。各々の拡開要素２７は揺動レバー２８によって支持されている。この揺動レバーは中子２１の下方で軸線２９回りに揺動可能である。図３から判るように、それぞれ隣接する２本の揺動レバー２８の拡開要素２７が共通の揺動軸線２９に付設されている。揺動レバー２８の運動、ひいては拡開要素２７の運動のために、図示していない公知の駆動装置がこの揺動レバーと拡開要素に付設されている。この駆動装置によって、揺動レバー２８、ひいては拡開要素２７は図３に示すその位置から図５に示す位置におよびその逆に移動可能である。更に、２本の揺動レバー２９の揺動軸線２９にはそれぞれ、昇降駆動装置３０が付設されている。この昇降駆動装置により、揺動レバー２９、ひいては拡開要素２７は図２に示す位置から図４に示す位置に持上げ可能である。昇降喰装置３０と昇降駆動装置２４は例えば基礎３２の凹部３１に収納されている。
金型２０の上方には２個の締付け要素３３が設けられている。この締付け要素は図示していない駆動装置によって、図２に示す位置から図６に示す位置に揺動可能である。この締付け要素３３の揺動軸線は図示していない。
本発明による装置６の製造の際、設備のすべての部分が図２，３に示す位置を占めることから出発する。先ず最初に、４個の拡開要素２７がその昇降装置３０を介して図２に示す位置から持上げられ、それによって図４から判るように両金型半部２０ａ，２０ｂの間に位置する。これにより、拡開要素２７は、下側位置（図４）にとどまる中子２１から離れる。拡開要素２７を支持する揺動レバー２８が中子２１の上方で図４に示した高さ位置に達するや否や、拡開要素の駆動装置のスイッチが入れられ、それによって拡開要素は図５に示す位置を占めるまで揺動させられる。図４にも拡開要素２７のこの位置が示してある。そして、上述の押出し機からホース状の予備成形パリソン３４設備に供給される。この予備成形パリソンは図示した実施の形態では、図５から判るように円形横断面を有する。この予備成形パリソン３４は図１ａに基づいて既に説明したように、３つの層からなる壁１０を備えている。すなわち、予備成形パリソン３４は緻密な合成樹脂からなる外側層１１と内側装置１２を既に備えている。この両層１１，１２の合成樹脂は同じであってもよいし、異なっていてもよい。外側層１１のために、着色されたＵＶ耐性の合成樹脂、例えばポリエチレンを使用し、内側層１２のために着色していない合成樹脂、例えばポリエチレンを使用すると有利である。中間層１３は発泡合成樹脂、例えばポリエチレンからなっている。このポリエチレンに、発泡遅延剤を添加または配量供給すると有利である。この発泡遅延剤により、予備成形パリソン３４の壁１０の中間層１３は先ず最初は発泡しないかあるいはほとんど発泡しない。
予備成形パリソン３４は図４から明らかである予め設定した長さで、開放した金型２０内に、ひいては両金型半部２０ａ，２０ｂの間に押し出される。その際、４個の拡開要素２７がホース状の予備成形パリソン３４によって取り囲まれる。予備成形パリソン３４が金型２０内の端位置に達するや否や、図６から判るように、予備成形パリソンは締付け要素３３を介して押しつぶされる。それによって、予備成形パリソン３４の押し出された長さはもはや変わらない。続いて、拡開要素２７が図３に示すその出発位置に戻される。この場合、拡開要素は勿論、両金型半部２０ａ，２０ｂの間のその上側の位置、ひいては予備成形パリソン３４内の位置に維持する。拡開要素２７のこの運動時に、予備成形パリソン３４は図６から判るように拡開される。その際、締付け要素３３は図７に示した位置まで所定の寸法だけ下降する。その際、予備成形パリソン３４の下方にある中子２１がその駆動装置２４を介して持上げられ、予備成形パリソン３４に挿入できるように、拡開が行われる。中子２１が図７に示すその上側の端位置を占めたときに、拡開要素２７は中子２１に接触し、中子と共にいわゆる内側の金型本体を形成する。そして、金型２０が閉じられる。そのためには先ず最初に、両金型半部２０ａ，２０ｂが図８に示すその閉鎖位置に移動させられる。その後で、両上側部分２５と４個の側方部分２６が図９から判るように、その閉鎖位置に動かされる。この運動の際、予備成形パリソン３４は締付け要素３３の間にある仕切り３５によって分離される。この時点で、予備成形パリソン３４は専ら金型キャビティ内にある。この金型キャビティの内側は拡開要素２７を備えた中子２１によって、外側は上側部分２５と側方部分を備えた金型半部２０ａ，２０ｂによって画成されている。そのとき、発泡可能は中間層１３の発泡工程が開始される。この発泡工程によって、緻密な合成樹脂からなる外側層１１と内側層１２が金型キャビティの壁に接触する。その際、内側の層１２は中子２１と拡開要素２７に接触する。一方、外側層１１は金型半部２０ａ，２０ｂの上側部分２５と側方部分２６に接触する。設備のこのような構造と上記の方法により、完成した装置６の壁１０は常に、予め定めた正確な壁厚を有する。外側層１１と内側層１２をいわゆる金型キャビティの壁に容易にかつ迅速に接触させるために、金型キャビティを真空にすることができる。そのために、中子２１と金型半部２０ａ，２０ｂの上側部分２５と側方部分２６に、公知の排気口を下降することができる。側方部分２６を適当に形成することにより、凹部１４は金型２０の閉鎖と同時に形成可能である。
このようにして予備成形パリソン３４によって形成された装置６が充分に冷却され、必要に応じて中子２１と、上側部分２５と側方部分２６を備えた金型半部２０ａ，２０ｂが冷却されるや否や、金型２０を開放し、出来上がった装置６を取り出すことができる。その際先ず最初に、上側部分２５と側方部分２６は再び図２，３に示すその出発位置に揺動させられる。そして、両金型半部２０ａ，２０ｂが同様に、図２に示すその出発位置に戻される。そのとき、完成した装置６は拡開要素２７を備えた中子２１上にある。完成した装置６の下側のエッジは例えば周方向に延びる当接条片によって固定保持され、中子３２は拡開要素２７と共に、図２に示すその下側の出発位置に戻される。今や、装置６は完全に露出し、設備から取り外すことが可能である。
異なる密度の発泡中間層１３を得るために、予備成形パリソン３４の壁１０の個々の層１１，１２，１３の厚さを、押出し成形中に異なるように形成することができる。これは図１０ｂ、１０ｃに示してある。図１０ｂはホース状の予備成形パリソン３４の壁１０を示している。この場合、中間層１３と外側層１１と内側層１２が、その長さの設定された区間にわたって厚く押し出されている。出来上がった装置１の壁は図１０ｄに示すように形成される。この場合、中間層１３はくびれ部を有し、このくびれ部の範囲において中間層は強く圧縮されている。
これと反対に、図１０ｃは、中間層１３と外側層１１と内側層１２がその長さの設定された区間にわたって薄く押出し成形されているホース状の予備成形パリソン３４の壁１０を示している。それによって、壁１０の厚さが予め設定されているときに、中間層１３は、図１０ｅから判るように、閉じた金型２０内で強く発泡することができる。図１０ｅには、完成した装置１の壁１０が示してある。
更に、図１ｂに示すように、装置６をその外被体８の範囲において垂直に延びる可視条片１２ａによって形成することができる。これは例えば、予備成形パリソン３４の押出し成形時に、光を通す合成樹脂からなる狭い縦方向条片を一緒に押し出すことによって行うことができる。内側層１２が光を通す、すなわち着色されていない合成樹脂からなっている場合には、図１０ｆに示すように、この可視条片１２ａを内側層１２の材料で作ることができる。外被体８内の可視条片は、容器２の充填度合いを知らせる。これは勿論、容器２が光を通す合成樹脂からなっているかあるいは同様に可視条片を備えていることが前提になる。この可視条片は外被体８の可視条片と重なるようにしなければならない。

Claims (9)

1. 容器の下側をパレット状に支持する支持体と、この支持体に連結されかつ容器を側方から取り囲む外被体とを備えた、液状充填物、粘性液状充填物、粉末状充填物および粒状充填物を貯蔵および運搬するときに、大型の容器を保護するための装置の製造方法であって、合成樹脂製の３層の壁を有する、予め定めた長さのホース状の予備成形パリソンが、開放した金型内に押し出され、そして変形される方法において、
   緻密な外側層と緻密な内側層と発泡可能な中間層を備えた予備成形パリソンが、垂直に配置された少なくとも３個の棒状の拡開要素を介して押し出され、予備成形パリソンが拡開要素の適当な拡開運動によって所定の寸法だけ拡げられ、閉鎖可能な金型と共に金型キャビティを画成する中子が、拡開された予備成形パリソン内に下側から挿入され、金型が閉鎖され、予備成形パリソンの壁の緻密な内側層と緻密な外側層が、中間層の発泡時に金型キャビティの壁に接触させられることを特徴とする方法。
2. 拡開要素が、押し出された予備成形パリソン内に下側から移動させられることを特徴とする請求項１記載の方法。
3. 金型および中子から金型キャビティが真空引きされることを特徴とする請求項１または２記載の方法。
4. 中子およびまたは金型に冷却媒体が供給されることを特徴とする請求項１〜３の少なくとも一つに記載の方法。
5. 拡開要素が変形工程中に中子の一部を形成することを特徴とする請求項１〜４の少なくとも一つに記載の方法。
6. 予備成形パリソンが可視条片と共に押し出されることを特徴とする請求項１〜５の少なくとも一つに記載の方法。
7. 容器の下側をパレット状に支持する支持体と、この支持体に連結されかつ容器を側方から取り囲む外被体とを備えた、液状充填物、粘性液状充填物、粉末状充填物および粒状充填物を貯蔵および運搬するときに、大型の容器を保護するための装置において、
   支持体（７）と外被体（８）が合成樹脂によって一体に形成され、緻密な外側層（１１）と緻密な内側層（１２）と発泡した中間層（１３）とからなる３層の壁（１０）を有することと、
   外被体（８）が垂直に延びる可視条片（１２ａ）を備えていることと、
   内側層（１２）が光を通す合成樹脂からなり、可視条片（１２ａ）が内側層（１２）の材料によって形成されていることと、
   を特徴とする装置。
8. 外側層（１１）がＵＶ耐性の着色された合成樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項７に記載の装置。
9. 内側層（１２）と外側層（１１）が、所定の範囲において、それ以外の範囲とは異なる壁厚を有し、中間層（１２）が、この所定の範囲において、それ以外の範囲とは異なる密度を有することを特徴とする請求項７または８に記載の装置。

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