JP6665730B2 - 断熱容器の製造方法 - Google Patents

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本発明は、断熱容器の製造方法に関するものである。
従来、種々の物質を保温貯留することの可能な断熱容器が知られている。断熱容器として、例えば、保温容器、保冷コンテナまたは冷蔵庫など、様々なものが挙げられる。
特許文献1には、車両用エンジンの冷却水を保温貯留するための断熱容器が記載されている。この断熱容器は、エンジン運転中に温められた冷却水をエンジンが停止した後も保温貯留し、その冷却水を次のエンジン始動時に使用することにより、エンジンの暖機を促進するものである。この断熱容器は、内部容器の外側に、内側バリアフィルム、空隙物質層および外側バリアフィルムを、この順で覆うことで構成されている。バリアフィルムとは、樹脂から形成されたフィルム層と、空気および水蒸気などのガスの流通を遮断可能なガス遮断層とが一体に形成されたシートである。また、この断熱容器は、内部容器から外側に突出する管部の周囲に設けたフランジ部材に対し、内側バリアフィルムおよび外側バリアフィルムを貼り付けている。
特許第4960801号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の断熱容器は、次の(1)から(3)の問題がある。
(1)特許文献1に記載の断熱容器に使用されるバリアフィルムは、フィルム層とガス遮断層とが一体に形成されものであることから、伸縮性に乏しいものである。そのため、内部容器が3次元曲面を有する複雑な形状である場合、そのバリアフィルムに歪みが生じ、その歪みから空気および水蒸気などが空隙物質層の空隙に侵入することが考えられる。したがって、この断熱容器は、空隙物質層の空隙を長期間減圧状態に維持することが困難である。
(2)特許文献1に記載の断熱容器は、内部容器から外側に突出する管部の周囲にフランジ部材を設けていることから、部品点数が多いものとなっている。また、この断熱容器は、フランジを経由した内側バリアフィルムと外側バリアフィルムとの間の熱移動量が大きくなるおそれがある。
(3)特許文献1に記載の断熱容器は、内部容器の外側を、外側バリアフィルムで覆う際、外側バリアフィルムが有するフィルム層の端部同士を貼り合わせている。そのため、その張り合わされたフィルム層の端部が外気に接する状態となる。したがって、この断熱容器は、そのフィルム層の端部から空気および水蒸気などがフィルム層を透過して空隙物質層の空隙に侵入するので、時間の経過と共に空隙物質層の空隙が減圧状態から大気圧に近づく。その結果、この断熱容器は、断熱性能を長期間維持することが困難なものとなる。
本発明は上記点に鑑みて、断熱性能を長期間維持することの可能な断熱容器の製造方法を提供することを目的とする。
請求項に記載の発明は、断熱容器の製造方法の発明である。この製造方法は、内部容器を用意することと、ガスの流通を遮断可能な内ガス遮断層を内部容器の外側に設けることと、複数の空隙を有する空隙物質層を内ガス遮断層の外側に設けることと、空隙物質層の外壁に沿う伸縮性を有する外フィルム層を、空隙物質層の外壁に沿うように設けることと、外フィルム層を設けた後、ガスの流通を遮断可能な外ガス遮断層を外フィルム層の外側に設ける前に、内ガス遮断層の一部が露出するように、少なくとも外フィルム層の一部を取り除くことと、外ガス遮断層を外フィルム層の外側に設け、空隙物質層および外フィルム層を跨いで、内ガス遮断層のうち露出した箇所と外ガス遮断層とを互いに接続し、空隙物質層および外フィルム層を、外ガス遮断層と内ガス遮断層で封止することを含むものである。
これによれば、外気または水蒸気などが内部容器および外フィルム層を透過して空隙物質層に侵入することが防がれる。そのため、この製造方法によれば、空隙物質層を減圧状態で維持することが可能である。したがって、断熱容器の断熱性能を長期間維持することができる。
また、この製造方法では、伸縮性を有する外フィルム層を空隙物質層の形状に沿うように設けた後に、その外側に外ガス遮断層を設けている。したがって、この製造方法によれば、内部容器が複雑な形状であっても、外フィルム層および外ガス遮断層を、その内部容器の形状に沿った形状で覆うことができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる断熱容器の部分断面図である。 図1のII部分の拡大図である。 第1実施形態にかかる断熱容器の断面図である。 図3のIV部分の拡大図である。 図3のV部分の拡大図である。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法を示すフローチャートである。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第2実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第3実施形態にかかる断熱容器の製造方法を示すフローチャートである。 第3実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第3実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第3実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第3実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第3実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第3実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第4実施形態にかかる断熱容器の製造方法を示すフローチャートである。 第4実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第4実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第4実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第4実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第4実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第4実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第4実施形態にかかる断熱容器の製造方法の説明図である。 第5実施形態にかかる断熱容器の製造方法を示すフローチャートである。 第5実施形態にかかる断熱容器の断面図である。 第6実施形態にかかる断熱容器の断面図である。 第1比較例の断熱容器の斜視図である。 第1比較例の断熱容器の部分断面図である。 第1比較例の断熱容器の部分断面図である。 第2比較例の断熱容器の部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。第1実施形態の断熱容器1は、曲面を有する三次元立体形状であり、例えば車両の冷却水の保温貯留などに用いられる。
図1および図2に示すように、第1実施形態の断熱容器1は、内部容器2の外側に、内フィルム層3、内ガス遮断層4、空隙物質層5、外フィルム層6および外ガス遮断層7を、この順に備えている。これらの内フィルム層3、内ガス遮断層4、空隙物質層5、外フィルム層6および外ガス遮断層7は、内部容器2の内側に貯留される冷却水を保温するための断熱構造10を構成している。
内部容器2は、内側に冷却水を貯留することの可能な本体部8と、その本体部8から外側に突出する管部9を有している。内部容器2は、例えば樹脂等から形成されている。内部容器2は、上述した断熱構造10により覆われている。
内フィルム層3は、内部容器2の外壁に沿うことの可能な伸縮性を有する材料から形成されている。内フィルム層3は、例えば熱可塑性樹脂から形成することが好ましい。内フィルム層3は、内部容器2の外壁に沿うように設けられ、内部容器2の外壁を覆っている。なお、内フィルム層3は、次に説明する内ガス遮断層4を内部容器2の外壁に直接形成することが可能な場合には、廃止することが可能である。例えば、内ガス遮断層4がめっき加工により形成されるものである場合、内部容器2の外壁が比較的平滑な面であれば、内フィルム層3を廃止することが可能である。
内ガス遮断層4は、空気または水蒸気などのガスの流通を遮断可能な材料から形成されている。内ガス遮断層4は、例えばガラスまたは金属などの無機物から形成される。金属から形成される内ガス遮断層4として、本実施形態ではめっき層が例示される。めっき層は、乾式めっき法または湿式めっき法により、内フィルム層3または内部容器2の形状に沿った三次元立体形状を容易に形成することが可能である。
空隙物質層5は、例えば発泡系断熱材または繊維系断熱材など、複数の空隙を有する周知の断熱材から形成されている。空隙物質層5は、空隙率が高く、熱伝導率の低い材料から形成することが好ましい。これにより、断熱性能を高めることが可能である。また、空隙物質層5は、内部容器2の形状に沿った三次元立体形状に予め形成されていることが好ましい。これにより、次に説明する外フィルム層6で空隙物質層5覆う際に、外フィルム層6に歪みが生じることを抑制することが可能である。空隙物質層5が有する空隙は、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7により、大気圧より低い圧力、すなわち減圧状態で維持されている。なお、空隙物質層5が有する空隙は、真空状態またはそれに近い状態で維持されていることが好ましい。
外フィルム層6は、内フィルム層3と同様に、空隙物質層5の外壁に沿うことの可能な伸縮性を有する材料から形成されている。外フィルム層6は、例えば熱可塑性樹脂から形成することが好ましい。外フィルム層6は、空隙物質層5の外壁に沿うように設けられ、空隙物質層5の外壁を覆っている。
外ガス遮断層7は、内ガス遮断層4と同様に、空気または水蒸気などのガスの流通を遮断可能な材料から形成されている。内ガス遮断層4は、例えばガラスまたは金属などの無機物から形成される。金属から形成される内ガス遮断層4として、本実施形態ではめっき層が例示される。めっき層は、乾式めっき法または湿式めっき法により、空隙物質層5を覆う外フィルム層6の形状に沿った三次元立体形状を容易に形成することが可能である。
上述した構成により、本実施形態の断熱容器1は、外ガス遮断層7と内ガス遮断層4が、空隙物質層5および外フィルム層6を封止している。これにより、内部容器2に貯留される冷却水から水蒸気などが、内部容器2を形成する樹脂および内フィルム層3を透過して空隙物質層5に侵入することが防がれる。また、外気が外フィルム層6を透過して空隙物質層5に侵入することが防がれる。そのため、空隙物質層5が有する空隙は、減圧状態が維持される。したがって、この断熱容器1は、断熱性能を長期間維持することができる。
また、この断熱容器1は、内フィルム層3が内部容器2の外壁に沿うように設けられており、その外側に内ガス遮断層4としてめっき層が設けられている。空隙物質層5は、内部容器2の形状に沿った形状に形成されている。外フィルム層6が空隙物質層5の外壁に沿うように設けられており、その外側に外ガス遮断層7としてめっき層が設けられている。したがって、断熱容器1は、内部容器2が曲面を有する複雑な三次元立体形状であっても、その外側に形成される断熱構造10を、その内部容器2の形状に沿った形状にすることができる。
次に、断熱容器1の細部の構成について説明する。図3は、断熱容器1の断面形状を模式的に示したものである。なお、図3では、断熱容器1の断面形状を簡略化して記載しているが、断熱容器1の断面形状はこれに限るものではない。また、図3および図4では、管部9を筒状としているが、管部9の形状はこれに限らず、例えばテーパ状または角筒状などであってもよい。
内部容器2は、管部9の先端に開口部11を有している。この開口部11を通じて、本体部8に貯留される冷却水が流入または流出する。
図3および図4に示すように、管部9の径方向外側において、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とは、空隙物質層5および外フィルム層6を跨いで互いに接続されている。詳細には、管部9の先端に設けられた開口部11の周囲において、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とは、空隙物質層5および外フィルム層6を跨いで直接接続されている。
具体的には、内ガス遮断層4は、空隙物質層5および外フィルム層6よりも、管部9の先端側に長く形成されている。また、外ガス遮断層7も、空隙物質層5および外フィルム層6よりも、管部9の先端側に長く形成されている。そして、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とが空隙物質層5および外フィルム層6よりも長く形成された箇所で、その内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とは直接接続している。これにより、空隙物質層5および外フィルム層6は、外ガス遮断層7と内ガス遮断層4によって封止される。したがって、空隙物質層5および外フィルム層6は、外気に露出することが防がれ、且つ、内部容器2に接することが防がれる。
図3および図5に示すように、内部容器2の本体部8の外側に設けられた内フィルム層3は、その端部同士が熱溶着されている。その外側に、めっき加工等により形成された内ガス遮断層4が設けられている。内ガス遮断層4の外側に空隙物質層5が設けられている。空隙物質層5の外側に設けられた外フィルム層6は、その端部同士が熱溶着されている。その外側に、めっき加工等により形成された外ガス遮断層7が設けられている。これにより、空隙物質層5および外フィルム層6は、外ガス遮断層7と内ガス遮断層4によって封止される。したがって、空隙物質層5および外フィルム層6は、外気に露出することが防がれ、且つ、内部容器2に接することが防がれる。
ここで、第1比較例と第2比較例の断熱容器100の構成について説明する。
図36に示すように、第1比較例の断熱容器100は、直方体形状である。図36から図38に示すように、第1比較例の断熱容器100は、内部容器2の外側に、内側バリアフィルム110、空隙物質層5および外側バリアフィルム120を、この順で覆ったものである。内側バリアフィルム110、空隙物質層5および外側バリアフィルム120は、第1比較例の断熱容器100の断熱構造130を構成している。
内側バリアフィルム110とは、内部容器2を覆う前に、樹脂から形成されたフィルム層111と、ガスの流通を遮断可能なガス遮断層112とが一体に形成されたシートである。なお、内側バリアフィルム110のガス遮断層112は、フィルム層111の上にめっき加工がされたものである。外側バリアフィルム120も、内側バリアフィルム110と同様に、内部容器2を覆う前に、フィルム層121とガス遮断層122とが一体に形成されたシートである。
内側バリアフィルム110と外側バリアフィルム120とはいずれも、伸縮性に乏しいものであるので、三次元曲面を有する複雑な形状の内部容器2を覆うことは困難である。
図37に示すように、第1比較例では、内部容器2が有する管部9の周囲に、フランジ部材140が設けられている。フランジ部材140は、筒部141と、その筒部141の軸方向の一方に設けられた第1フランジ部142と、筒部141の軸方向の他方に設けられた第2フランジ部143とを有している。フランジ部材140は、内側バリアフィルム110と外側バリアフィルム120との間に設けられている。内側バリアフィルム110と外側バリアフィルム120とは、フランジ部材140を介して接続している。
また、図38に示すように、内部容器2が有する本体部8の外側において、空隙物質層5の外側に設けられた外側バリアフィルム120は、その端部のフィルム層同士が熱溶着されている。そのため、外側バリアフィルム120のフィルム層121の端部は、外気に接する状態となっている。
上述した第1比較例では、バリアフィルム110、120を使用して断熱構造130を構成している。そのため、第1比較例の断熱容器100は、三次元曲面を有する複雑な形状のものとすることが困難である。
また、第1比較例では、管部9の周囲にフランジ部材140を設けていることから、部品点数が多いものとなっている。また、この断熱容器100は、フランジ部材140を経由した内側バリアフィルム110と外側バリアフィルム120との間の熱移動量が大きくなるおそれがある。
さらに、第1比較例では、図37の矢印A1、A2に示すように、管部9を流れる水蒸気などがその管部9を形成する樹脂から外側バリアフィルム120のフィルム層121を透過して空隙物質層5に侵入するおそれがある。
また、第1比較例では、図38の矢印A3に示すように、外側バリアフィルム120のフィルム層121の端部から空気および水蒸気などが、外側バリアフィルム120のフィルム層121を透過して空隙物質層5の空隙に侵入するおそれがある。そのため、空隙物質層5の空隙を長期間減圧状態に維持することが困難である。
次に、図39に示すように、第2比較例の断熱容器150は、上述した第1実施形態と同様の材料を使用して断熱構造130を構成したものである。すなわち、第2比較例の断熱構造130は、内部容器2の外側に設けた内フィルム層3、内ガス遮断層4、空隙物質層5、外フィルム層6および外ガス遮断層7により構成されている。しかしながら、第2比較例では、管部9の径方向外側において、外フィルム層6と外ガス遮断層7がいずれも、内ガス遮断層4よりも管部9の先端側に長く形成されている。そのため、管部9の外側において、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とは直接接続されておらず、外フィルム層6を介して接続されている。外フィルム層6のうち内ガス遮断層4よりも管部9の先端側に長く形成された箇所は、管部9に接している。そのため、第2比較例では、図39の矢印A4、A5に示すように、管部9を流れる水蒸気などがその管部9を形成する樹脂から外フィルム層6を透過して空隙物質層5に侵入するおそれがある。そのため、空隙物質層5の空隙を長期間減圧状態に維持することが困難である。
上述した第1、第2比較例に対し、第1実施形態の断熱容器1は、次の作用効果を奏する。
(1)第1実施形態では、空隙物質層5および外フィルム層6は、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7により封止されている。
これによれば、外気または水蒸気などが内部容器2および外フィルム層6を透過して空隙物質層5に侵入することが防がれる。そのため、空隙物質層5は、減圧状態で長期間維持される。したがって、この断熱容器1は、断熱性能を長期間維持することができる。
また、断熱容器1は、外フィルム層6が空隙物質層5の外壁に沿うように設けられ、その外側に外ガス遮断層7が設けられる。したがって、断熱容器1は、内部容器2が曲面を有する複雑な三次元立体形状であっても、外フィルム層6および外ガス遮断層7などをその内部容器2の形状に沿った形状にすることができる。
(2)第1実施形態では、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とは、空隙物質層5および外フィルム層6を跨いで互いに接続されている。
これによれば、内部容器2が開口部11など、空隙物質層5を設けられない箇所を有する場合でも、空隙物質層5および外フィルム層6は、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7によって封止される。したがって、この断熱容器1は、車両用の冷却水を保温貯留するための容器など、開口部11を通じて内部と外部との間を液体など流通させる形状のものに適用することができる。
(3)第1実施形態では、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とが空隙物質層5および外フィルム層6よりも長く形成された箇所で、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とは空隙物質層5および外フィルム層6を跨いで互いに接続されている。
これによれば、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7を、空隙物質層5および外フィルム層6よりも長く形成することで、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とを接続することが可能である。
(4)第1実施形態では、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とは、管部9の径方向外側で空隙物質層5および外フィルム層6を跨いで互いに接続されている。
これによれば、管部9の径方向外側で内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とを接続することで、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とが接する面積を小さくすることが可能である。そのため、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7との間の熱移動量が小さいものとなる。したがって、断熱容器1の断熱性能を高めることができる。
また、この断熱容器1は、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とが互いに接続する構成であるので、上述した第1比較例のように、フランジを必要としない。したがって、この断熱容器1は第1比較例の技術に比べて部品点数を減らすことができる。
(5)第1実施形態では、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とは、管部9の開口部11の周囲で空隙物質層5および外フィルム層6を跨いで直接接続されている。
これによれば、断熱容器1は、例えば車両用の冷却水を保温貯留するための容器など、開口部11を通じて液体などを流入または流出させる機能を有するものに適用することができる。
(6)第1実施形態では、空隙物質層5が有する空隙は、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7により大気圧より低い圧力で維持されている。
これによれば、断熱容器1の断熱性能を高めると共に、その高断熱性能を長期間維持することができる。
(7)第1実施形態では、外フィルム層6は、熱可塑性樹脂である。
これによれば、内部容器2が曲面などを有する複雑な形状であっても、空隙物質層5の外壁に沿って外フィルム層6を設けることができる。
(8)第1実施形態では、内ガス遮断層4および外ガス遮断層7は、無機物である。
これによれば、内ガス遮断層4および外ガス遮断層7を、例えばガラスまたは金属などの無機物で形成することにより、空気および水蒸気が空隙物質層5の空隙に侵入することが防がれる。したがって、空隙物質層5を減圧状態で長期間維持することができる。
(9)第1実施形態では、内ガス遮断層4および外ガス遮断層7は、めっき層である。
これによれば、内部容器2が曲面などを有する複雑な形状であっても、内ガス遮断層4および外ガス遮断層7を連続して隙間なく形成することができる。
(10)第1実施形態では、断熱容器1は、内部容器2と内ガス遮断層4との間に内フィルム層3を備えている。
これによれば、内部容器2の表面が粗面である場合でも、内部容器2の外側に内ガス遮断層4を設けることができる。
(11)第1実施形態では、空隙物質層5は、内部容器2の形状に対応した形状に予め成形されたものが用いられる。
これによれば、空隙物質層5を比較的硬質の断熱材とすることで、空隙物質層5を減圧する際に、空隙物質層5の体積変化が小さいものとすることが可能である。したがって、空隙物質層5の外壁に密着する外フィルム層6の歪みを抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、断熱容器1の製造方法について説明する。図6は、断熱容器1の製造方法を示すフローチャートである。
まず、内部容器用意工程S10では、樹脂射出成形などにより作られた内部容器2を用意する。
次に、内フィルム層形成工程S20では、いわゆる三次元ラミネート成形法により、内部容器2の外壁に沿って内フィルム層3を設ける。
三次元ラミネート成形法の一例を説明する。図7に示すように、三次元ラミネート成形法は、下ケース20の中に設けられた昇降テーブル21の上に内部容器2を設置する。次に、上ケース22と下ケース20との間に、熱可塑性樹脂から形成されたフィルム23を設置する。続いて、上ケース22内の空間と下ケース20の空間の両方を真空排気し、所定の減圧状態にする。それと共に、上ケース22の中に設けられたヒータ25により、フィルム23を加熱する。
次に、図8に示すように、昇降テーブル21を上昇し、内部容器2の外壁によりフィルム23を上方へ押し上げつつ伸ばす。その後、上ケース22を大気開放し、上ケース22と下ケース20との差圧により、内部容器2の外壁にフィルム23を密着させる。
続いて、図9の矢印Uに示すように、上ケース22と下ケース20とを開き、製品26を取り出す。そして、内部容器2の外壁に設けられたフィルム23のうち、内部容器2の外壁からはみ出た部分を切り取る。これにより、内部容器2の一方の半面にフィルム23が設けられる。
その後、図10に示すように、製品26を上下反転し、昇降テーブル21の上にその製品26を設置する。再び、上ケース22と下ケース20との間にフィルム24を設置し、上記と同様の方法により、内部容器2の他方の半面にフィルム24を設ける。これにより、図11に示すように、内部容器2の外壁に沿って内フィルム層3が設けられる。
続いて、内ガス遮断層形成工程S30では、めっき加工により、内フィルム層3の外側に内ガス遮断層4を設ける。めっき加工の一例として、乾式めっき法または湿式めっき法が採用される。図12に示すように、乾式めっき法のうち、例えば蒸着法を採用した場合、ケース30の内側に設けられた支持部31に製品26を設置した後、そのケース30の内部を真空状態とする。続いて、ケース30の内側に設けた金属材料32を蒸発させる。これにより、その金属蒸気33が製品26に到達し、内フィルム層3の上に堆積することで、内ガス遮断層4が形成される。乾式めっき法として、上述した蒸着法の他にも、イオンプレーディング法、スパッタリング法など、種々のめっき加工を採用することができる。
また、図13に示すように、湿式めっき法のうち、例えば無電解めっき法を採用した場合、容器34のめっき液35の中に製品26を浸漬する。これにより、めっき液に含まれる還元剤の酸化によって放出される電子により、内フィルム層3の上に内ガス遮断層4が形成される。湿式めっき法として、上述した無電解めっき法の他にも、電気めっき法など、種々のめっき加工を採用することができる。
次に、空隙物質層設置工程S40では、図14に示すように、内部容器2の外壁に沿う形状に成形された断熱材27、28を用意する。そして図14の矢印V、Wに示すように、その用意した断熱材27、28を、内ガス遮断層4の外側に取り付ける。これにより、図15に示すように、空隙物質層5が設けられる。
次に、外フィルム層形成工程S50では、図16に示すように、上述した三次元ラミネート成形法により、空隙物質層5の外壁に沿って外フィルム層6を設ける。三次元ラミネート成形法は、所定の減圧状態で行われるので、空隙物質層5が有する空隙も所定の減圧状態となる。
次に、外ガス遮断層形成工程S60では、図17に示すように、上述しためっき加工により、外フィルム層6の外側に外ガス遮断層7を設ける。これにより、断熱容器1が製造される。
以上説明したように、第2実施形態の製造方法では、内ガス遮断層形成工程S30の際、内部容器2の外側を内ガス遮断層4で覆う。また、外ガス遮断層形成工程S60の際、外フィルム層6の外側を外ガス遮断層7で覆う。したがって、空隙物質層5および外フィルム層6は、外ガス遮断層7と内ガス遮断層4で封止される。
これによれば、外気または水蒸気などが内部容器2および外フィルム層6を透過して空隙物質層5に侵入することが防がれる。そのため、この製造方法によれば、空隙物質層5を減圧状態で維持することが可能である。したがって、断熱容器1の断熱性能を長期間維持することができる。
また、この製造方法では、伸縮性を有する外フィルム層6を空隙物質層5の形状に沿うように設けた後に、その外側に外ガス遮断層7を設けている。したがって、この製造方法によれば、内部容器2または空隙物質層5が複雑な形状であっても、外フィルム層6および外ガス遮断層7を、その内部容器2または空隙物質層5の形状に沿った形状にすることができる。
さらに、この製造方法では、外フィルム層形成工程S50が所定の減圧状態で行われるので、外フィルム層6を空隙物質層5の外壁に密着させると同時に、空隙物質層5を減圧することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第2実施形態で説明した製造方法の一部の工程を変更したものであり、その他の工程については第2実施形態と同様であるため、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図18のフローチャートに示すように、第3実施形態は、第2実施形態に対し、空隙物質層設置工程S40の後で、且つ、外フィルム層形成工程S50の前にカバー設置工程S41を含む点が異なっている。また、第3実施形態は、第2実施形態に対し、外フィルム層形成工程S50の後で、且つ、外ガス遮断層形成工程S60の前にカバー取り外し工程S51を含む点が異なっている。
第3実施形態では、内部容器2の管部9の外側に断熱構造10を形成する方法に特徴を有している。図19から図24は、内部容器2の管部9のうち開口部11側の一部を示した断面図である。
図19に示すように、内ガス遮断層形成工程S30が行われた後、内部容器2の管部9の外壁には、内フィルム層3と内ガス遮断層4とが設けられている。
続いて、図20に示すように、空隙物質層設置工程S40が行われると、内ガス遮断層4の外側に空隙物質層5が設けられる。
次に、図21に示すように、カバー設置工程S41では、後の工程で外ガス遮断層7と内ガス遮断層4とを接続しようとする箇所で、内ガス遮断層4の上にカバー材40を設置する。なお、カバー材40は、内ガス遮断層4の形状に沿うような形状のものが好ましい。
続いて、図22に示すように、外フィルム層形成工程S50では、上述した三次元ラミネート成形法などにより、空隙物質層5およびカバー材40の上に亘って外フィルム層6を設ける。
次に、図23に示すように、カバー取り外し工程S51では、管部9からカバー材40を取り外す。このとき、カバー材40と共に、外フィルム層6のうちカバー材40の上に被さっている部分61を取り除く。これにより、カバー材40により覆われていた内ガス遮断層4が露出する。なお、管部9からカバー材40を取り外す前に、外フィルム層6のうちカバー材40に隣接する箇所に切り込みを入れておくことが好ましい。これにより、外フィルム層6を所望の箇所で取り除くことが可能となる。
続いて、図24に示すように、外ガス遮断層形成工程S60では、内ガス遮断層4のうち露出した箇所の上から外フィルム層6の上に亘り、外ガス遮断層7を形成する。これにより、外ガス遮断層7と内ガス遮断層4とは、空隙物質層5および外フィルム層6を跨いで直接接続する。
以上説明したように、第3実施形態では、外ガス遮断層形成工程S60の前に、内ガス遮断層4が露出するように、外フィルム層6の一部を取り除く。その後、外ガス遮断層形成工程S60の際、内ガス遮断層4のうち露出した箇所と外ガス遮断層7とを互いに接続する。
これによれば、内側容器が管部9を有する場合でも、空隙物質層5および外フィルム層6を、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7によって封止することが可能である。したがって、この製造方法によれば、例えば車両用の冷却水を保温貯留するための容器など、液体など流通させるための管部9を有する断熱容器1を製造することができる。
また、第3実施形態では、カバー設置工程S41の際、外ガス遮断層7と内ガス遮断層4とを接続しようとする箇所で、内ガス遮断層4の上にカバー材40を設置する。また、カバー取り外し工程S51の際、カバー材40を取り外すと共に外フィルム層6のうちカバー材40の上に被さる部分を取り除き、内ガス遮断層4を露出させる。
これによれば、カバー材40を用いることにより、内ガス遮断層4が露出するように外フィルム層6の一部を容易に取り除くことが可能である。したがって、空隙物質層5および外フィルム層6を跨いで、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7とを接続させることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態も、第2実施形態で説明した製造方法の一部の工程を変更したものであり、その他の工程については第2実施形態と同様であるため、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図26および図27に示すように、第4実施形態は、第2実施形態に対し、内フィルム層形成工程S20と外フィルム層形成工程S50の際、管部9側とその反対側からフィルム23、24を被せている点が異なっている。
また、図25のフローチャートに示すように、第4実施形態は、第2実施形態に対し、外フィルム層形成工程S50の後で、且つ、外ガス遮断層形成工程S60の前に、不要部カット工程S52を含む点が異なっている。
第4実施形態においても、内フィルム層形成工程S20と外フィルム層形成工程S50は、三次元ラミネート成形法により行われる。ただし、第4実施形態では、図26の矢印Bに示すように、内フィルム層形成工程S20の際、内部容器2の管部9側からフィルム23を被せている。
図27に示すように、内部容器2の管部9側から被せられたフィルム23と、内部容器2の管部9とは反対側から被せられたフィルム24とは、内部容器2の本体部8の外側で、その端部同士が熱溶着されている。これにより、内部容器2の外側に内フィルム層3が設けられる。
図28に示すように、内ガス遮断層形成工程S30では、めっき加工により、内フィルム層3の外側に内ガス遮断層4を設ける。
図29に示すように、空隙物質層設置工程S40では、内ガス遮断層4の外側に空隙物質層5が設けられる。
図30に示すように、外フィルム層形成工程S50では、内フィルム層形成工程S20と同様に、内部容器2の管部9側と、その反対側からフィルム29、291を被せられる。そして、内部容器2の管部9側から被せられたフィルム29と、内部容器2の管部9とは反対側から被せられたフィルム291とは、内部容器2の本体部8の外側で、その端部同士が熱溶着されている。これにより、空隙物質層5の外側に外フィルム層6が設けられる。
その後、不要部カット工程S52では、図30の二点鎖線C1で示したように、管部9の途中で、内フィルム層3、内ガス遮断層4および外フィルム層6の一部が切断される。これにより、図31に示すように、外フィルム層6により遮蔽されていた内ガス遮断層4が露出する。
続いて、図32に示すように、外ガス遮断層形成工程S60では、外フィルム層6の上から露出した内ガス遮断層4の上に亘り、外ガス遮断層7を形成する。なお、外ガス遮断層7は、露出した内フィルム層3の上に亘って設けてもよい。これにより、外ガス遮断層7と内ガス遮断層4とは、空隙物質層5および外フィルム層6を跨いで互いに直接接続する。
以上説明したように、第4実施形態では、外ガス遮断層形成工程S60の前に、内ガス遮断層4が露出するように、内フィルム層3、内ガス遮断層4および外フィルム層6の一部を取り除く。その後、外ガス遮断層形成工程S60の際、外ガス遮断層7と内ガス遮断層4とを互いに接続する。これによれば、空隙物質層5および外フィルム層6を、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7によって封止することが可能である。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態による断熱容器1の製造方法は、内部容器2を内側バリアフィルム110、空隙物質層5および外側バリアフィルム120で覆った後に、外ガス遮断層7を形成するものである。なお、内側バリアフィルム110と外側バリアフィルム120は、第1比較例で説明したものと同様に、樹脂から形成されたフィルム層111、121と、ガスの流通を遮断可能なガス遮断層112、122とが一体に形成されたシートである。
図33のフローチャートに示すように、内部容器用意工程S10では、内部容器2を用意する。図34に示すように、内部容器2は、直方体形状であれば、後の工程で、内部容器2を内側バリアフィルム110および外側バリアフィルム120で覆うことに好適である。次に、内側バリアフィルム設置工程S25では、内部容器2を内側バリアフィルム110で覆う。
続いて、空隙物質層設置工程S40では、空隙物質層5を内側バリアフィルム110の外側に設ける。次に、外側バリアフィルム設置工程S55では、空隙物質層5を外側バリアフィルム120で覆う。このとき、内部容器2の外側の所定の箇所Xにおいて、外側バリアフィルム120は、その端部のフィルム層121同士が熱溶着される。
続いて、外ガス遮断層形成工程S60では、めっき加工により、外側バリアフィルム120の外側の所定の箇所Xに外ガス遮断層7を設ける。外ガス遮断層7は、少なくとも外側バリアフィルム120の端部のフィルム層121同士が熱溶着された箇所に設ければよい。
上述した第5実施形態では、外側バリアフィルム120のフィルム層121の端部が、外ガス遮断層7によって覆われる。そのため、外側バリアフィルム120のフィルム層121の端部から空気および水蒸気などが空隙物質層5の空隙に侵入するおそれが払拭される。そのため、空隙物質層5の空隙を長期間減圧状態に維持することができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態は、第5実施形態の変形例である。第6実施形態では、内部容器用意工程S10で用意される内部容器2は、曲面を有する形状である。そのため、内側バリアフィルム設置工程S25および外側バリアフィルム設置工程S55の際、その内側バリアフィルム110または外側バリアフィルム120が有するガス遮断層112、122に亀裂C2が生じるおそれがある。
そこで、第6実施形態では、外ガス遮断層形成工程S60の際、めっき加工により、外側バリアフィルム120の外側全体に外ガス遮断層7を設ける。これにより、外側バリアフィルム120が有するガス遮断層122に亀裂C2が生じた場合でも、その上から再び、外ガス遮断層7を設けることで、外気または水蒸気などが外側バリアフィルム120を透過して空隙物質層5に侵入することが抑制される。そのため、空隙物質層5の空隙を長期間減圧状態に維持することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、車両の冷却水の保温貯留などに用いられる断熱容器1について説明した。これに対し、他の実施形態では、断熱容器1は、例えば保冷用コンテナまたは冷蔵庫など、種々の用途に用いることが可能である。
例えば、上記実施形態では、内ガス遮断層4と外ガス遮断層7との間に形成される密封された空間に、空隙物質層5および外フィルム層6を設けた。これに対し、他の実施形態では、その空間に、空隙物質層5および外フィルム層6に加え、その他の層を設けてもよい。
例えば、上記実施形態では、内部容器2を樹脂から形成されるものとした。また、内部容器2は、曲面を有する三次元立体形状であるとした。これに対し、他の実施形態では、内部容器2は、樹脂以外に、金属などから形成されたものでもよい。また、内部容器2は、単純な直方体形状のものであってもよい。
1 断熱容器
2 内部容器
4 内ガス遮断層
5 空隙物質層
6 外フィルム層
7 外ガス遮断層

Claims (3)

  1. 内部容器(2)を用意すること(S10)と、
    ガスの流通を遮断可能な内ガス遮断層(4)を前記内部容器の外側に設けること(S30)と、
    複数の空隙を有する空隙物質層(5)を前記内ガス遮断層の外側に設けること(S40)と、
    前記空隙物質層の外壁に沿う伸縮性を有する外フィルム層(6)を、前記空隙物質層の外壁に沿うように設けること(S50)と、
    前記外フィルム層を設けた後、ガスの流通を遮断可能な外ガス遮断層(7)を前記外フィルム層の外側に設ける前に、前記内ガス遮断層の一部が露出するように、少なくとも前記外フィルム層の一部を取り除くこと(S51、S52)と、
    前記外ガス遮断層を前記外フィルム層の外側に設け、前記空隙物質層および前記外フィルム層を跨いで、前記内ガス遮断層のうち露出した箇所と前記外ガス遮断層とを互いに接続し、前記空隙物質層および前記外フィルム層を、前記外ガス遮断層と前記内ガス遮断層で封止すること(S60)を含む断熱容器の製造方法。
  2. 前記外フィルム層を設ける前に、前記外ガス遮断層と前記内ガス遮断層とを接続しようとする箇所で、前記内ガス遮断層の上にカバー材(40)を設置すること(S41)と、
    前記外フィルム層を設ける際、前記空隙物質層および前記カバー材の上に亘って前記外フィルム層を設けること(S50)と、
    前記外フィルム層を設けた後、前記外ガス遮断層を設ける前に、前記カバー材を取り外すと共に前記外フィルム層のうち前記カバー材の上に被さる部分を取り除き、前記内ガス遮断層の一部を露出させること(S51)を含む請求項に記載の断熱容器の製造方法。
  3. 前記外フィルム層を前記空隙物質層の外壁に沿うように設けることは、大気圧より低い圧力に減圧された空間で行われる請求項1または2に記載の断熱容器の製造方法。
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