JP2001295986A - 真空断熱材およびその製造方法 - Google Patents

真空断熱材およびその製造方法

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JP2001295986A
JP2001295986A JP2000109260A JP2000109260A JP2001295986A JP 2001295986 A JP2001295986 A JP 2001295986A JP 2000109260 A JP2000109260 A JP 2000109260A JP 2000109260 A JP2000109260 A JP 2000109260A JP 2001295986 A JP2001295986 A JP 2001295986A
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vacuum
insulating material
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JP2000109260A
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Fumiaki Aono
文昭 青野
Tomohiro Matsuo
知弘 松尾
Toru Nakazawa
亨 中澤
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Benkan Corp
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Benkan Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種断熱対象物に対し、簡単、かつ確実に緊
密に沿わせることができて断熱効果を向上させることが
できるとともに、断熱施工コストの低下を図ることがで
きる。 【解決手段】 連続気泡を有する熱可塑性樹脂から成る
コア材2をガスバリア性フィルム3から成る外包体4に
より包む。外包体4を真空状態で封止するとともに、コ
ア材2を外包体4と共に断熱対象物の形状に合うように
塑性加工する。内部にゲッター材5を収めることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湾曲面のように平
面以外の形状を有する各種断熱対象物を断熱するために
用い、特に、配管部材を断熱するために用いるのに適す
る真空断熱材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギー資源の枯渇や地球温暖
化ガスの抑制といった問題から、冷蔵庫などの家電製
品、保冷車、住宅などの建築物など、高断熱性と高気密
性といった省エネルギー対策が大変重要な課題である。
【0003】このような課題を解決する手段として真空
断熱材がある。従来の真空断熱材の一例として、ガスバ
リア性ラミネートフィルムから成る外包体の内部に断熱
性を有するコア材を真空状態に収めた構成が知られてい
る。上記コア材としては、高分子材料では連続気泡を持
った硬質ウレタンフォーム、ポリスチレンフォームなど
を用い、無機材料ではパーライト、シラスバルーン、中
空ガラス球などの微粉末状のものや、ガラスウール、ア
ルミナファイバー、シリカファイバーなどの繊維状のも
のを用いる。このようなコア材を外包体内に真空状態で
封止した真空断熱材を用いることにより、真空状態にし
ていない場合に比べて断熱性能を3倍以上向上させるこ
とができる。
【0004】上記のような真空断熱材は曲げ加工が困難
であるため、平板形状のままで用いるのが一般的であ
る。粉末状、繊維状のコア材を用いた真空断熱材におい
ては、多少の曲げ加工を行うことができるが、肉厚を有
することにより、外周面側では外包体が伸ばされ、内周
面側では皺が寄る。そして、この真空断熱材は直径15
0mm以上の円筒の断熱に用いるのであれば、その円筒
面に沿うように曲げることはできるが、この場合におい
ても、前記のように真空断熱材の内周面側には皺が寄
り、円筒との間に隙間を生じて断熱効果に劣るばかりで
なく、曲げ加工可能な真空断熱材の厚みは精々5〜10
mm程度が限界であり、断熱効果に劣る。また、前記真
空断熱材は曲げた状態で開放すると、反力で元の平板状
に戻ってしまうため、得たい形状を維持するには、常に
その形状に拘束しておく必要がある。
【0005】また、硬質ウレタンフォーム、ポリスチレ
ンフォームなどから成るコア材を用いた真空断熱材にお
いては、コア材自体に伸びがほとんどないため、曲げる
ことができず、したがって、曲面等の平面形状以外の形
状の断熱対象物について断熱することはできない。
【0006】従来、前記のような問題を解決するめ、特
開平11−280989号公報に記載されているよう
に、フィルムから成る外包体内に断熱性を有し、複数箇
所に切り込み溝を形成したコア材を真空状態で封止した
真空断熱材が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例の真空断熱
材によれば、切り込み溝の間隔、幅、深さを適切に形成
すれば、この切り込み溝を利用して円筒面に沿うように
湾曲させて内外径の寸法差のずれを吸収することができ
る。しかしながら、前記のような切り込み溝を形成する
作業には手間を要し、また、切り込み溝を相当狭いピッ
チで形成しなければ、曲げた際に多角形状となり、結
局、円筒面と真空断熱材との間に隙間を生じ、断熱性能
が低下することになる。また、一般的に真空断熱材を製
造するには、平板形状のままで真空チャンバー内で外包
体の開放部から真空排気し、所定の真空状態になると外
包体の開放部を真空中でシールする。したがって、真空
チャンバー内の圧力と真空断熱材の内部圧力とほぼ同じ
圧力であり、真空断熱材は真空チャンバーの外部に取り
出されて初めて外圧(大気圧)がかかるため、外圧を受
けた真空断熱材は切り込み溝を閉じるようにコア材が変
形し、全体が緩やかな湾曲形状となる。これに伴い、本
来、真空封止時に存在した切り込み溝の空間容積が減少
した分、真空断熱材の容積が減少し、内部圧力の上昇、
すなわち、断熱性能の低下を招くなどの問題があった。
【0008】本発明の目的は、前記のような従来の問題
を解決しようとするものであり、湾曲面のように平面以
外の形状を有する各種断熱対象物に対し、簡単に、かつ
確実に、しかも緊密に沿わせることができ、したがっ
て、断熱効果を向上させることができて断熱の信頼性を
向上させることができ、しかも、断熱施工コストの低下
を図ることができるようにした真空断熱材およびその製
造方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の真空断熱材は、連続気泡を有する熱可塑性樹
脂から成るコア材と、ガスバリア性を有するフィルムか
ら成り、前記コア材を包む外包体とを備え、前記外包体
が真空状態で封止され、かつ前記コア材が所定の温度で
断熱対象物の形状に合うように塑性加工されて前記外包
体が前記コア材に密着されたものである。
【0010】本発明の他の真空断熱材は、前記構成にお
いて、外包体の表面に保護カバーを備えたものである。
【0011】本発明の更に他の真空断熱材は、前記各構
成において、内部にゲッター材を有するものである。こ
の場合、コア材に凹部を形成し、この凹部にゲッター材
を挿入し、このゲッター材を通気性を有する保護材によ
り被覆することができる。
【0012】前記外包体はガスバリア性を有するフィル
ムのヒートシールにより形成し、前記ヒートシール部を
含む余剰部を断熱対象物とは反対側に折り曲げることが
できる。
【0013】前記コア材として、ウレタンフォーム、若
しくはポリスチレンフォームを用いることができ、前記
外包体を形成するガスバリア性を有するフィルムとし
て、アルミニウム箔等の金属箔をラミネートしたものを
用いることができる。
【0014】前記コア材は塑性加工時に圧縮成形するこ
とができる。
【0015】前記課題を解決するために本発明の真空断
熱材の製造方法は、連続気泡を有する熱可塑性樹脂から
成るコア材をガスバリア性を有するフィルムから成る外
包体にその開放部から収め、前記外包体内を真空排気
し、前記外包体の開放部を真空状態で封止し、前記コア
材を前記外包体を共に所定温度で加熱して断熱対象物の
形状に合うように塑性加工するようにしたものである。
【0016】本発明の他の製造方法は、前記製造方法に
おいて、外包体を真空状態で封止する前に、コア材およ
び外包体をベーキング処理した後、ゲッター材を内部に
収めるようにしたものである。
【0017】本発明の他の製造方法は、連続気泡を有す
る熱可塑性樹脂から成るコア材をガスバリア性を有する
フィルムから成る外包体にその開放部から収め、この状
態で前記コア材を前記外包体と共に所定の温度で加熱し
て断熱対象物の形状に合うように塑性加工し、この塑性
加工状態を維持して前記外包体内を真空排気し、前記外
包体の開放部を真空状態で封止するようにしたものであ
る。
【0018】本発明の更に他の製造方法は、前記製造方
法において、コア材を塑性加工した後、外包体を真空封
止する前に、前記コア材および外包体のベーキング処理
を行った後、ゲッター材を内部に収めるようにしたもの
である。
【0019】前記ガスバリア性を有するフィルムのヒー
トシールにより外包体を形成し、前記ヒートシール部を
含む余剰部を断熱対象物とは反対側に折り曲げることが
でき、また、前記コア材を塑性加工する際に圧縮成形す
るようにすることができ、また、前記塑性加工時にコア
材のガラス転移点以上の温度で加熱するようにすること
ができる。
【0020】前記のような本発明によれば、ガスバリア
性を有するフィルムから成る外包体内に真空状態で封入
するコア材に連続気泡を有する熱可塑性樹脂を用い、所
定の温度で加熱し、冷却することにより断熱対象物の形
状に合うように塑性加工するので、湾曲面のように平面
以外の形状を有する各種断熱対象に対し、簡単に、かつ
確実に、しかも緊密に沿わせることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1の実
施形態について説明する。図1(a)、(b)はそれぞ
れ本発明の第1の実施形態に係る真空断熱材を示す斜視
図、横断面図、図2ないし図14は同真空断熱材の製造
方法を示す製造工程説明図である。
【0022】図1(a)、(b)に示すように、本実施
形態の真空断熱材1は、連続気泡を有し、断熱性を有す
る熱可塑性樹脂から成るコア材2と、ガスバリア性を有
するフィルム3から成り、コア材2を包む外包体4とを
備え、外包体4が真空状態で封止され、かつコア材2が
所定の温度で断熱対象となる円形のパイプ8の外周面形
状に合うように円筒状に塑性加工されて外包体4がコア
材2に密着されている。この真空断熱材1内には必要に
応じてゲッター材5が収められる。図示例では、コア材
2における外周面側に凹入穴6が形成され、この凹入穴
6にゲッター材5が挿入され、このゲッター材5は凹入
穴6に挿入された保護材7により被覆されている。
【0023】前記コア材2を形成する熱可塑性樹脂とし
ては、硬質ウレタンフォーム、ポリスチレンフォームを
用いることができ、これらは連続気泡を有する内部構造
となっている。特に、曲げ加工を容易に行うには、発泡
素材を繊維状に積層した連続気泡型の硬質ウレタンフォ
ームを用いるのが望ましく、塑性加工時の寸法変化を少
なくするには、発泡素材を格子状に構成した連続気泡型
の硬質ウレタンフォーム、若しくはポリスチレンフォー
ムを用いるのが望ましい。また、コア材2として、プラ
スチック発泡体の粉末、例えば、廃棄冷蔵庫から回収し
た断熱材である硬質ウレタンフォームの粉砕品をガラス
転移点以上の温度で圧縮成形し、得られたパネル状の連
続気泡を有する成形体を用いることもできる。更に、コ
ア材2として、前記プラスチック発泡体に熱反射率に優
れた金属、無機物、マイカフレーク、金属薄膜を被覆し
たプラスチックフィルム、または金属箔を混合し、熱硬
化性樹脂、または熱可塑性樹脂の接着剤によって接着す
るか、前記のように混合したものを前記プラスチック発
泡体のガラス転移点温度以上で圧縮成形した成形体を用
いることもできる。
【0024】前記外包体4を形成するガスバリア性フィ
ルム3としては、アルミニウム箔などの金属箔、プラス
チックフィルムにアルミニウムなどの金属、若しくは酸
化ケイ素などを蒸着したガスバリアフィルムと、このガ
スバリアフィルムを保護するためにガスバリアフィルム
の外面に配置されるプラスチックフィルムと、ガスバリ
アフィルムの内面に配置されるヒートシール可能な熱融
着プラスチックフィルムから成り、これらのフィルムが
ラミネートされている。
【0025】具体的には、ガスバリアフィルム3として
は、アルミニウム、銅などの金属箔やアルミニウム、
銅、銀などを蒸着したプラスチックフィルムを用いるこ
とができる。ガスバリアフィルムを保護し、また、ガス
バリアフィルムに金属箔を用いた場合に存在するピンホ
ールからのガス透過を抑制するためのフィルムとして
は、特に限定されるものではないが、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル、ポ
リエステル、ナイロン、低・中・高密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体
(EVOH)、架橋されたエチレン−ビニルアルコール
共重合体等の変性エチレン−ビニルアルコール共重合体
のフィルム、各種フィルムに酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウム、アルニミウム、銅等を蒸着したフィルムを用いる
のが好ましい。ヒートシール層に用いる熱融着フィルム
としては、ガス透過指数の小さな材料を用いるのが望ま
しく、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアク
リルニトリル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
低・中・高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を用い
ることができる。
【0026】真空封止後のコア材2からの脱ガス、ガス
バリア性フィルム3から成る外包体4およびそのヒート
シール部からの侵入ガスを吸着・吸収して真空の維持を
図るためにゲッター材5を用いる。このゲッター材5と
しては、種々のガス種により適宜選択するのが好まし
い。そして、水分吸着材としては、ゼオライト、酸化ア
ルミニウム、シリカゲル、酸化カルシウム、塩化カルシ
ウム、塩化マグネシウムなどを用いることができ、酸素
吸収材としては、不飽和脂肪酸化合物や不飽和基を有す
る鎖状炭化水素重合物などの不飽和有機化合物などを用
いることができ、また、炭酸ガス吸収材としては、アル
カリ金属、またはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化
物、炭酸塩、有機酸塩、活性炭、モレキュラーシーブス
などの合成ゼオライト、モルデナイトなどの天然ゼオラ
イトを用いることができ、有機ガス吸収材としては、活
性炭、モレキュラーシーブスなどの合成ゼオライト、モ
ルデナイトなどの天然ゼオライトを用いることができ
る。前記ガス成分を総合的に吸着・吸収できる真空断熱
材用に開発されたサエス・ゲッターズ株式会社製のCO
MBOGETTER(商品名)を用いることもできる。
【0027】前記のようにゲッター材5をコア材2内に
収める場合には、ゲッター材5は塑性加工に追従できる
変形可能なものが好ましいが、金属製の容器でカバーさ
れているようなゲッター材5を用いる場合には、塑性加
工時にそのカバーがガスバリア性フィルム3を破損しな
いように、ゲッター材とガスバリア性フィルム3との間
に前記のようにコア材2と同様に、連続気泡、すなわ
ち、通気性を持ち、望ましくは1〜5mm程度の熱可塑
性樹脂などから成る保護材7により被覆することによ
り、ガスバリア性フィルム3の破損を防止することがで
きる。また、保護材7として、その他、各種の通気性お
よび柔軟性を有する材料を用いることもできる。
【0028】本実施形態に係る真空断熱材1の構成の詳
細についてその製造方法と共に説明する。図2に示すよ
うに、コア材2は前記のような材料から成り、幅a、長
さbは断熱対象の円形のパイプ8に対応して所定の寸法
となるように形成するとともに、厚さcは断熱効果(輻
射熱遮断効果)を得ることができるような所望の寸法に
設定する。このコア材2はその両側長手縁に対称的な傾
斜面10が形成され、円筒状に湾曲させた際、傾斜面1
0同士を当接させ、厚みに伴う内周面と外周面の寸法差
を吸収することができるようになっている。コア材2の
所望の1箇所、若しくは複数箇所、図示例では、幅広と
なる外面側の1箇所に凹入穴6が形成されている。一
方、ガスバリア性フィルム3は前記のような材料から成
り、図3に示すように、展開状態で幅dがコア材2の幅
aよりも広く、また、長さeがコア材2の長さbの倍よ
りも少し長くなるように設定する。
【0029】そして、ガスバリア性フィルム3により外
包体4を形成するが、まず、図4に示すように、ガスバ
リア性フィルム3を長さ方向の中間部で二つ折りにす
る。次に、図5に示すように、折り曲げ部11と直角方
向の両側縁部にその全長に亘ってヒートシール12を施
して折り曲げ部11とは反対側に開放部13を有する外
包体4を形成する。次に、図6(a)、(b)に示すよ
うに、ベーキング炉14内で、外包体4とコア材2をそ
れぞれベーキング処理して外包体4とコア材2から吸着
分子を離脱させる。次に、図7(a)、(b)に示すよ
うに、コア材2の凹入穴6に前記のような材料から成る
ゲッター材5およびコア材2と同様の材料から成る保護
材7を収める。次に、前記のように凹入穴6にゲッター
材5を収め、保護材7で被覆したコア材2を図8に示す
ように外包体4内にその開放部13から挿入する。
【0030】外包体4の開放部13を真空状態で封止す
るには、その一例として、図9に示すような真空封止装
置16を用いる。真空封止装置16は真空チャンバー1
7にバルブ18を介して真空ポンプ19が連通されてい
る。真空チャンバー17内の圧力は圧力計20により計
測される。真空チャンバー17内の底部には支持台21
が設けられ、支持台21上に前記のようにコア材2を収
めた封止前の外包体4が重り22により加圧状態で保持
されるようになっている。真空チャンバー17内には外
包体4の開放部13の端縁部を電気抵抗熱でヒートシー
ルするための一対の加熱部23、24が開閉可能に設け
られている。
【0031】そして、まず、支持台21上にコア材2を
収めた封止前の外包体4を重り22により加圧状態に保
持し、外包体4の開放部13の端縁部を加熱部23、2
4間に挿入する。次に、バルブ18を開放して真空ポン
プ19を駆動し、圧力計20により真空チャンバー17
内の圧力を計測しながら真空チャンバー17内から真空
排気し、これに伴い、外包体4内をその開放部13から
真空排気して真空状態にし、外包体4をコア材2に密着
させる。このとき、外包体4をコア材2より大きく形成
しておくことにより、ヒートシール部12の内方を互い
に密着させるとともに、開放部13を密着させる。この
真空状態において、加熱部23、24により外包体4の
開放部13の開放端縁部にその全長に亘ってヒートシー
ル25を施して真空封止することにより、図10(a)
〜(c)に示すように、外包体4を真空状態で封止し、
真空断熱材1を平板状に構成することができる。
【0032】次に、図11に示すように、外包体4にお
けるヒートシール部25とその内方の密着部およびヒー
トシール部12とその内方の密着部、すなわち、余剰部
をパイプ8とは反対側の面となるコア材2の幅広面側へ
折り曲げる。次に、この平板状の真空断熱材1を恒温槽
(図示省略)内でコア材2を形成する熱可塑性樹脂のガ
ラス転移点以上の温度で加熱した後、図12に示すよう
に、金型26上にほぼU字状溝27の上方開放部を閉塞
するように載せる。次に、平板状の真空断熱材1の長手
方向における中央部を断熱対象のパイプ8、若しくはこ
れと同外径を有するパイプ28によりU字状溝27側へ
押圧し、真空断熱材1をU字状溝27に沿ってほぼU字
状に成形する。
【0033】続いて、パイプ8、若しくはパイプ28と
図13に示すようなロール型29を組み合わせて用い
る。ロール型29は可撓性を有する成形板30の両側長
手縁に固定バー31、32が一体的に設けられ、各固定
バー31、32には固定穴33が対応して形成されてい
る。そして、前記のように真空断熱材1を金型26とパ
イプ8、若しくはパイプ28とによりU字状に成形した
後、真空断熱材1とパイプ8、若しくはパイプ28を金
型26から取り出し、図13、図14に示すように、ロ
ール型29の成形板30を真空断熱材1の外面から円筒
状に湾曲させ、これに伴い、真空断熱材1をパイプ8、
若しくはパイプ28の外周面を被覆するように円筒状に
湾曲させる。この状態で固定バー31、32を突き合わ
せ、固定バー31、32をそれらの固定穴33を利用し
てボルト、ナット等の締着具34により締着する。この
ような真空断熱材1を円筒状に湾曲させた状態を保持
し、真空断熱材1をエアーの吹き付けなどにより強制的
に冷却する。冷却後、締着具34を外し、ロール型29
を外すことにより、図1(a)、(b)に示すように、
コア材2が塑性加工により円筒状に形成されるととも
に、外包体4がコア材2に密着された本実施形態の真空
断熱材1を得ることができる。
【0034】真空断熱材1の成形に際し、加熱して塑性
成形する前にあらかじめ外包体4の余剰部であるヒート
シール部12、25およびその内方の密着部を断熱対象
物側とは反対側に向けて折り返しておくことにより、塑
性成形後において、外包体4の余剰部が成形形状に沿う
ので、真空断熱材1同士を突き合わせ状態で連結する際
の邪魔にならない。また、断熱対象物が高温の流体を流
すのに用いる配管であっても流体の温度による影響を受
け難く、ヒートシール部12、25が加熱されないの
で、ヒートシール部12、25を保護することができて
ヒートシール部12、25からのガスの透過を抑制し、
真空度の低下を防止することができる。
【0035】以上のように構成された真空断熱材1は、
使用に際し、図1(a)、(b)に示すように、円筒状
のパイプ8にその外周面を全周に亘って密着状態で被覆
するように装着する。この真空断熱材1を用いることに
より、断熱効果を向上させることができ、従来の保温・
保冷用断熱材の1/3以下の放散熱量とすることができ
る。したがって、断熱の信頼性を向上させることができ
る。しかも、真空断熱材1は断熱対象物であるパイプ8
に適合する形状に塑性変形されているので、パイプ8に
対する装着作業を簡単に行うことができ、断熱施工コス
トの低下を図ることができる。
【0036】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図15(a)、(b)は本発明の第2の実施形
態に係る真空断熱材を示し、(a)は塑性加工前の平板
状の状態を示す側面図、(b)は塑性加工後の円筒状の
状態を示す側面図である。
【0037】本実施形態においては、図15(a)、
(b)に示すように、コア材2の両側長手縁に同じ方向
の傾斜面35が形成され、コア材2がこのコア材2を包
む外包体4と共に円筒状に塑性加工された際、傾斜面3
5同士が外包体4を介して突き合わされるように構成さ
れたものである。その他の構成および製造方法について
は上記第1の実施形態と同様であるので、その説明を省
略する。
【0038】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。図16、図17は本発明の第2の実施形態に係
る真空断熱材を示し、図16は一部拡大断面図、図17
は側面図である。
【0039】本実施形態においては、図16、図17に
示すように、外包体4の内面と外面が塩化ビニル等から
成るシート状の保護カバー36と37により被覆され、
外面側の保護カバー37は一側に側方への突出部38が
形成され、コア材2がこのコア材2を包む外包体4と共
に円筒状に塑性加工された後、突出部38が外包体4の
外面に接着されることにより突き合わせ部が突出部38
により被覆されるようになっている。
【0040】前記保護カバー36、37は塑性加工前の
平板状の状態で外包体4の内面と外面とを被覆させてお
くことにより、成形時に外包体4を形成するガスバリア
性フィルム3が外的要因によりピンホールを生じたり、
破損するのを防止することができる。この保護カバー3
6、37は使用条件上、特に制約がなければ、材質な
ど、特に限定されるものではないが、例えば、250〜
500μm程度の厚さの塩化ビニル製のシートを用いる
ことにより、前記のように塑性加工時に外包体4を保護
することができ、更にはこの真空断熱材1を配管に用い
る場合には、施工等に際して外包体4の破損等を防止す
ることができる。
【0041】なお、保護カバー36、37は塑性加工後
に装着してもよく、また、内面側の保護カバー36と外
面側の保護カバー37とで材質を変えてもよい。また、
突出部38はなくてもよい。
【0042】次に、本発明の第4の実施形態について説
明する。図18は本発明の第4の実施形態に係る真空断
熱材を示す側面図である。
【0043】第4の実施形態においては、図18に示す
ように、小径と大径で互いに密着状態に嵌合し得る2本
の真空断熱材1をパイプ8等に順次、密着状態で被覆さ
せることができるように構成されている。そして、内層
の真空断熱材1の突き合わせ部と外層の真空断熱材1の
突き合わせ部が、例えば、位相を180度ずらせて重な
らないように配置されている。その他の構成および製造
方法については上記第1ないし第3の実施形態と同様で
ある。
【0044】本実施形態によれば、内層の真空断熱材1
における突き合わせ部からの放熱を外層の真空断熱材1
により抑制し、断熱効果を一層向上させることができ
る。なお、真空断熱材1は2層に限らず、3層以上の複
数層で順次密着状態に被覆することもできる。
【0045】次に、本発明の第5の実施形態について説
明する。図19は本発明の第5の実施形態に係る真空断
熱材を示す側面図である。
【0046】本実施形態においては、図19に示すよう
に、真空断熱材1aが塑性加工により半円筒状に形成さ
れ、2本の真空断熱材1aが円筒状に組み合わされてパ
イプ8の外周面に密着状態に被覆され、更に、塑性加工
により半円筒状に形成された2本の真空断熱材1aが円
筒状に組み合わされて内層の真空断熱材1aの外周面に
密着状態に被覆されるように構成されている。そして、
内層の真空断熱材1aの突き合わせ部と外層の真空断熱
材1aの突き合わせ部が、例えば、位相を90度ずらせ
て重ならないように配置されている。その他の構成およ
び製造方法については上記第1ないし第3の実施形態と
同様である。
【0047】断熱対象物であるパイプ8に対する真空断
熱材1の周方向の分割数(突き合わせ面)、そこから逃
げる熱を考慮すると、少ない方が好ましいが、本実施形
態のように2分割にし、またはそれ以上に分割数(突き
合わせ面)を増すことにより、施工性を向上させること
ができる。したがって、断熱性能を施工性のバンランス
を考慮し、分割数を適宜選択することができる。また、
前記のように内層の新空断熱体1aの突き合わせ部と外
層の真空断熱材1aの突き合わせ部とをずらせることに
より、内層の真空断熱材1aの突き合わせ部の放熱を外
層の真空断熱材1aにより抑制し、断熱効果を一層向上
させることができる。
【0048】次に、本発明の第6の実施形態について説
明する。図20は本発明の第6の実施形態に係る真空断
熱材を示す側面図である。
【0049】本実施形態においては、図20に示すよう
に、コア材2がこのコア材2を包む外包体4と共に円筒
状に塑性加工され、その長手方向の端面間に熱的絶縁材
39が介在されて密閉されて真空断熱材1bが構成され
たものである。その他の構成および製造方法について前
記第1ないし第5の実施形態と同様である。
【0050】本実施形態によれば、真空断熱材1bの合
わせ部を確実に密閉することができるので、断熱性能を
一層向上させることができる。
【0051】次に、本発明の第7の実施形態について説
明する。図21は本発明の第7の実施形態に係る真空断
熱材を塑性加工している状態を示す斜視図、図22は同
真空断熱材を組み合わせた状態を示す斜視図である。
【0052】本実施形態においては、図21、図22に
示すように、エルボの断熱被覆に用いる例を示し、下型
40と上型41を用いて平板状の真空断熱材1cが断熱
対象物であるエルボの外径に適合する内径を有し、2分
割型になるように塑性加工されている。そして、2つの
真空断熱材1cがエルボの外周面に密着状態に装着され
るように構成されている。
【0053】上記各実施形態における真空断熱材1は、
外包体4を真空状態で封止した後、塑性加工を行うよう
にしている。ところで、塑性加工による加熱時にコア材
2からの脱ガス、外包体4からの透過侵入ガスなどによ
り真空断熱材1内のガス圧が上昇する。このとき、前記
のように真空断熱材1内にゲッター材5を収めておくこ
とにより、それらのガスを吸収・吸着することができる
ので、真空断熱材1内の圧力上昇を実質的に防止するこ
とができる。しかしながら、前記のように塑性加工の時
点で発生するガスによりゲッター材5の効力を消耗する
と、その後の使用に際して長期間に亘って当初の真空状
態を維持し難い。そこで、本発明の他の実施形態とし
て、図示していないが、コア材2を外包体4にその開放
部13から挿入し、外包体4を真空化して封止する前の
状態において、コア材2を外包体4と共に所定の温度で
加熱して塑性加工し、コア材2および外包体4のベーキ
ング処理を行った後、内部にゲッター材5を収め、外包
体4を真空化して封止するようにし、ゲッター材5のガ
ス吸収・吸着能力の消耗を防止して長期間に亘って当初
の真空状態を維持するようにすることもできる。
【0054】本発明の他の実施形態として、図示してい
ないが、塑性成形する際の加熱した状態で、コア材2を
圧縮成形することもできる。この成形方法の一例とし
て、図13、図14に示すロール型29と同様の構成
で、成形板30を形成しようとする円筒状の真空断熱材
1の周長より短い幅となるように設定すればよい。
【0055】本実施形態によれば、コア材2における連
続気泡の孔径を小さくすることができるので、気体分子
の対流を抑制し、断熱性能を一層向上させることができ
る。
【0056】本発明の更に他の実施形態として、図示し
ていないが、コア材2を所望の形状に塑性加工した後、
ゲッター材5と共に外包体4にその開放部13から挿入
し、外包体4を真空排気してコア材2に密着させ、この
真空状態で開放部13を封止するようにしてもよい。
【0057】なお、本発明の真空断熱材は上記各実施形
態の形状に限定されるものではなく、所望の金型、治具
等を用いることにより、所望の断熱対象物の形状に適合
するように形成することができる。そして、上記各実施
形態においては勿論のこと、所望の形状に形成する場合
においても、板状に真空化した後、若しくは真空化前の
いずれの状態で所望の形状に塑性加工してもよい。この
ほか、本発明は、その基本的技術思想を逸脱しない範囲
で種々設計変更することができる。
【0058】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)外包体4を形成するためのガスバリア性フ
ィルム3として東洋アルミニウム株式会社製のアルミラ
ミネートフィルムを用いた。このアルミラミネートフィ
ルムは、15μmのナイロンから成るフィルムと、12
μmのポリエチレンテレフタレートから成るフィルム
と、6μmのアルミニウム箔と、50μmの高密度ポリ
エチレンから成るフィルムが順次積層され、内面側、す
なわち、真空側が高密度ポリエチレンフィルムとなるよ
うにした。コア材2は、日清紡株式会社製の発泡素材が
繊維状に積層した連続気泡型の硬質ウレタンフォームを
用いた。コア材2は、厚さcが15mmのものを幅aが
350mm、長さbが1000mmとなるように切断
し、両側長手縁の傾斜面の傾斜角を10度に設定した。
このコア材2に幅広面から凹入穴6を1箇所に形成した
(図2参照)。一方、前記ガスバリア性フィルム3を二
つ折りにし、折り曲げ部11と直角方向の両側端部にヒ
ートシール12を施して開放部13を外包体4を形成し
た(図4、図5参照)。次に、コア材2と外包体4をそ
れぞれ160℃と80℃で1時間、ベーキング処理を行
った(図6(a)、(b)参照)。
【0059】次に、コア材2の凹入穴6にゲッター材5
として、サエス・ゲッターズ株式会社製のCOMBOG
ETTER(商品名)と、コア材2と同じ材料で厚さ3
mmに切り出した保護材7を収めて、ゲッター材5に保
護材7を被せた(図7(a)、(b)参照)。次に、外
包体4にその開放部13からゲッター材5を収めたコア
材2を挿入した(図8参照)。このコア材2を収めた外
包体4を株式会社エヌ・ピー・シー製の真空封止装置1
6の真空チャンバー17内で1Paまで真空排気した
後、開放部13の端縁部に加熱部23、24でヒートシ
ール25を施し、真空封止して真空断熱材1を平板状に
形成した(図9、図10(a)〜(c)参照)。この平
板状の真空断熱材1のヒートシール部12、25を含む
余剰部を真空断熱材1の幅広面側へ折り曲げ(図11参
照)、恒温槽内において、コア材2のガラス転移点以上
の温度である140℃で加熱した後、金型26と外径8
9.1mmのステンレス製のパイプ28を用いて真空断
熱材1をほぼU字状に成形し(図12参照)、続いて、
ロール型29を用いて真空断熱材1をパイプ28の外周
に巻き付け、円筒状に固定し、この状態で強制的にエア
ーで冷却した(図13、図14参照)。この冷却により
円筒状に塑性加工した真空断熱材1を得ることができ
た。この真空断熱材1は、その内径が約90mm、長さ
が1000mm、厚さが12.5mmであり、厚みが約
17%減少した。
【0060】前記のようにして製造された円筒型の真空
断熱材1を外径89.1mmのステンレス製のパイプに
装着し、雰囲気温度20℃一定の恒温槽の中で、95℃
の温水をパイプの中に循環させ、そのときのパイプと円
筒型の真空断熱材1の外表面温度、雰囲気温度から、成
形後の円筒型の真空断熱材1の熱伝導率を計算した。図
23に経過時間による熱伝導率の変化を示した。熱伝導
率は0.005〜0.006W/m.K程度で安定して
おり、長期に亘って熱伝導率の変化は見られなかった。
また、その値は、塑性成形前に測定した熱伝導率とほぼ
同じ値を示しており(0.0054W/m.K 英弘精
機株式会社製のオートラムダで計測)、塑性成形によっ
て得られた円筒型の真空断熱材1の熱伝導率は、塑性成
形前とほとんど変わらない性能を維持していることを確
認することができた。
【0061】また、前記のようにして製造された円筒型
真空断熱材1を配管の断熱材として用いた場合の放散熱
量を、従来より配管用の断熱材として用いられている独
立気泡型の硬質ウレタンフォームと比較した。比較例
は、円筒型真空断熱材1と同様の長さ1000mm、厚
さ15mmで外径89.1mmのパイプに対応するもの
を用いた。評価方法としては、外径89.1mmのステ
ンレスパイプに実施例1、比較例ともに同条件で装着
し、95℃の温水をパイプ内に12時間循環させた後、
パイプの両端を温水が漏れないように密閉し、更に、密
閉した両端に厚さ40mmの盲用の独立気泡型硬質ウレ
タンフォームを被せ、パイプ全体を断熱した。そのパイ
プ内の温度を時間経過とともに測定し、経過時間ととも
に生じる温度低下から、それぞれの断熱配管の放散熱量
を試算して、比較した。その結果、円筒型真空断熱材1
の放散熱量は、従来の独立気泡型硬質ポリウレタンフォ
ームの1/3以下であった。したがって、円筒型真空断
熱材1を配管用の断熱材として用いることにより、従来
より薄い断熱層で、より高い断熱性能をもった配管の断
熱が可能であることがわかった。
【0062】(実施例2)コア材2として、クラボウ株
式会社製の発泡素材が格子状に構成された連続気泡型の
硬質ウレタンフォームを用い、塑性加工前の平板状の真
空断熱材1の寸法が幅374mm、長さ1000mm、
厚さ15mmとなるように設定した(両側長手縁は実施
例1と同様に10度の角度で傾斜させた。)。また、コ
ア材2のベーキング温度を120℃にした以外は、実施
例1と全く同条件で円筒型に塑性加工した。その結果、
内径約90mm、長さ1000mm、厚さ15mmの円
筒型真空断熱材1を得ることができた。この円筒型真空
断熱材1の熱伝導率を実施例1と同様に測定した結果、
0.006〜0.007W/m.K程度で安定してお
り、長期に亘って熱伝導率の変化は見られなかった。ま
た、塑性成形前の熱伝導率は0.0066W/m.Kで
あり、塑性加工前後における変化は見られなかった。
【0063】(実施例3)実施例2と同じ塑性加工前の
平板状の真空断熱材1を用い、塑性成形時に外側から圧
縮成形するように加工することにより、厚みを約15%
薄くした(約12.8mm)円筒型真空断熱材1を作製
し、実施例2と同様の熱伝導率の評価を行った。その結
果、0.005〜0.006W/m.K程度となり、実
施例2よりも14〜17%程度小さくなり、熱伝導率の
低減化を可能にした。
【0064】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、ガスバリ
ア性を有するフィルムから成る外包体内に真空状態で封
入するコア材に連続気泡を有する熱可塑性樹脂を用い、
所定の温度で加熱し、冷却することにより断熱対象物の
形状に合うように塑性加工するので、湾曲面のように平
面以外の形状を有する各種断熱対象に対し、簡単に、か
つ確実に、しかも緊密に沿わせることができる。したが
って、断熱効果を向上させることができて断熱の信頼性
を向上させることができ、しかも、断熱施工コストの低
下を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る真空断
熱材を示す斜視図、(b)は(a)の横断面図である。
【図2】同真空断熱材の製造工程説明用でコア材を示す
斜視図である。
【図3】同真空断熱材の製造工程説明用で外包体を形成
するガスバリア性フィルムを示す斜視図である。
【図4】同真空断熱材の製造工程説明用でガスバリア性
フィルムを折り曲げた状態を示す斜視図である。
【図5】同真空断熱材の製造工程説明用でガスバリア性
フィルムにより形成した開放部を有する外包体を示す斜
視図である。
【図6】(a)、(b)は同真空断熱材の製造工程説明
用でそれぞれコア材、外包体をベーキング処理する状態
を示す説明図である。
【図7】(a)、(b)は同真空断熱材の製造工程説明
用でそれぞれコア材にゲッター材を納めた状態を示す斜
視図、要部拡大断面図である。
【図8】同真空断熱材の製造工程説明用でコア材を外包
体に収めた状態を示す斜視図である。
【図9】同真空断熱材の製造工程説明用でコア材を収め
た外包体を封止する状態を示す説明図である。
【図10】(a)は同真空断熱材の製造工程説明用で平
板状の真空断熱材を形成した状態を示す斜視図、(b)
は(a)のXb−Xb矢視断面図、(c)は(a)のX
c−Xc矢視断面図である。
【図11】同真空断熱材の製造工程説明用で外包体の余
剰部を折り曲げた状態を示す斜視図である。
【図12】同真空断熱材の製造工程説明用で平板状の真
空断熱材を塑性加工している途中のほぼU字形状態を示
す斜視図である。
【図13】同真空断熱材の製造工程説明用でU字状の真
空断熱材を円筒状に塑性加工する前の状態を示す斜視図
である。
【図14】同真空断熱材の製造工程説明用でU字状の真
空断熱材を円筒状に塑性加工した状態を斜視図である。
【図15】(a)は本発明の第2の実施形態に係る真空
断熱材を形成する塑性加工前の状態を示す側面図、
(b)は塑性加工後の同真空断熱材を示す側面図であ
る。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る真空断熱材を
形成する塑性加工前の状態を示す一部拡大断面図であ
る。
【図17】同真空断熱材を示す側面図である。
【図18】本発明の第4の実施形態に係る真空断熱材を
示す側面図である。
【図19】本発明の第5の実施形態に係る真空断熱材を
示す側面図である。
【図20】本発明の第6の実施形態に係る真空断熱材を
示す側面図である。
【図21】本発明の第7の実施形態に係る真空断熱材を
塑性加工している状態を示す斜視図である。
【図22】同真空断熱材を示す斜視図である。
【図23】本発明の実施例1に係る真空断熱材の経過時
間による熱伝導率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c 真空断熱材 2 コア材 3 ガスバリア性フィルム 4 外包体 5 ゲッター材 12 ヒートシール部 13 開放部 16 真空封止装置 25 ヒートシール部 26 金型 29 ロール型 36 保護カバー 37 保護カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中澤 亨 東京都大田区山王2丁目5番13号 株式会 社ベンカン内 Fターム(参考) 3H036 AA01 AB03 AB18 AB25 AB29 AC02 AE02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続気泡を有する熱可塑性樹脂から成る
    コア材と、ガスバリア性を有するフィルムから成り、前
    記コア材を包む外包体とを備え、前記外包体が真空状態
    で封止され、かつ前記コア材が所定の温度で断熱対象物
    の形状に合うように塑性加工されて前記外包体が前記コ
    ア材に密着された真空断熱材。
  2. 【請求項2】 外包体の表面に保護カバーを備えた請求
    項1記載の真空断熱材。
  3. 【請求項3】 内部にゲッター材を有する請求項1また
    は2記載の真空断熱材。
  4. 【請求項4】 コア材に凹部が形成され、この凹部にゲ
    ッター材が挿入され、このゲッター材が通気性を有する
    保護材により被覆された請求項3記載の真空断熱材。
  5. 【請求項5】 外包体がガスバリア性を有するフィルム
    のヒートシールにより形成され、前記ヒートシール部を
    含む余剰部が断熱対象物とは反対側に折り曲げられた請
    求項1ないし4のいずれかに記載の真空断熱材。
  6. 【請求項6】 コア材がウレタンフォーム、若しくはポ
    リスチレンフォームである請求項1ないし5のいずれか
    に記載の真空断熱材。
  7. 【請求項7】 外包体を形成するガスバリア性を有する
    フィルムがアルミニウム箔等の金属箔をラミネートして
    ある請求項1ないし6のいずれかに記載の真空断熱材。
  8. 【請求項8】 コア材が塑性加工時に圧縮成形されてい
    る請求項1ないし7のいずれかに記載の真空断熱材。
  9. 【請求項9】 連続気泡を有する熱可塑性樹脂から成る
    コア材をガスバリア性を有するフィルムから成る外包体
    にその開放部から収め、前記外包体内を真空排気し、前
    記外包体の開放部を真空状態で封止し、前記コア材を前
    記外包体と共に所定の温度で加熱して断熱対象物の形状
    に合うように塑性加工するようにした真空断熱材の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 外包体を真空状態で封止する前に、コ
    ア材および外包体をベーキング処理した後、ゲッター材
    を内部に収めるようにした請求項9記載の真空断熱材の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 連続気泡を有する熱可塑性樹脂から成
    るコア材をガスバリア性を有するフィルムから成る外包
    体にその開放部から収め、この状態で前記コア材を前記
    外包体と共に所定の温度で加熱して断熱対象物の形状に
    合うように塑性加工し、この塑性加工状態を維持して前
    記外包体内を真空排気し、前記外包体の開放部を真空状
    態で封止するようにした真空断熱材の製造方法。
  12. 【請求項12】 コア材を塑性加工した後、外包体を真
    空封止する前に、前記コア材および外包体のベーキング
    処理を行った後、ゲッター材を内部に収めるようにした
    請求項11記載の真空断熱材の製造方法。
  13. 【請求項13】 ガスバリア性を有するフィルムのヒー
    トシールにより外包体を形成し、前記ヒートシール部を
    含む余剰部を断熱対象物とは反対側に折り曲げるように
    した請求項9ないし12のいずれかに記載の真空断熱材
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 コア材を塑性加工する際に圧縮成形す
    るようにした請求項9ないし13のいずれかに記載の真
    空断熱材の成形方法。
  15. 【請求項15】 塑性加工時にコア材のガラス転移点以
    上の温度で加熱するようにした請求項9ないし14のい
    ずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
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