JP3720396B2 - 感熱転写記録材料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はサーマルヘッドプリンターやレーザー光を利用して、顔料を含有する感熱インキ層を受像シート材料上に熱転写し、面積階調のみで高品質の多階調カラー画像などを形成するための感熱転写記録材料に関し、更に詳しくはドット形状が良好で階調再現性にも優れ、紙への転写性、印刷物近似性に優れた感熱転写記録に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、サーマルヘッドプリンターやレーザー光を使用し、カラー画像を形成する感熱転写記録方式としては、昇華型染料転写方式と熱溶融型転写方式が知られている。
昇華型染料転写方式は、昇華型染料と結合剤とからなる転写層を支持体上に設けた転写シートを受像シートと重ね、転写シートの支持体の裏側からサーマルヘッドにより画像様に熱を与え、昇華型染料を昇華させて受像シートに転写し、受像シート上に画像を形成する方式である。イエロー,マゼンタ,シアンよりなる転写シートを使用することにより、カラー画像を形成することも出来る。
【0003】
しかしながら、昇華型染料方式は以下の欠点を有している。
▲1▼画像の階調表現が主として濃度階調(染料の種か量を制御)を利用するもので有り、写真に類似する階調を好む民生用の一部の目的には適しているが、例えば面積階調のみで階調表現をしている印刷分野で使用されているカラープルーフ用等には適していない。
▲2▼画像形成が染料の昇華を利用しているため、出来上がり画像のエッジシャープネスが不満足であり、又太線に比べ細線のベタ濃度が薄くなる。これらは文字画像の品質に関して重大な欠点となる。
▲3▼画像の耐久性が劣るので、耐熱性や耐光性を要求する分野への展開が限定されている。
▲4▼感熱記録感度が熱溶融型転写方式に比べ低いため、将来期待されている高解像力サーマルヘッドを用いる高速記録材料としては適していない。
▲5▼熱溶融型転写材料に比べ感材が高価である。
【0004】
一方、熱溶融型転写方式は支持体上に顔料や染料などの色材とワックスなどの結合剤からなる熱溶融性の転写層を設けた転写シートを受像シートと重ね、転写シートの支持体の裏側からサーマルヘッドにより画像様に熱を与え、転写層を溶融して受像シート像に融着させて画像を形成させる方式である。
熱溶融型転写方式は昇華型染料転写方式に比べて、▲1▼感熱感度が高い,▲2▼材料が安価である,▲3▼画像の耐光性が優れている等の利点を有しているものの、下記の欠点を有している。
熱溶融転写方式の最大の欠点の1つは、昇華型染料転写方式に比べカラー画像の品質が劣ることに有る。これは、この方式が本来濃度階調による階調再現ではなく、2値記録であることによる。勿論、この2値記録性を改善し、熱溶融転写方式において、多階調のカラー画像を形成することを目的に濃度階調を達成するためのインキ転写層の提案が種々なれてきた。しかしながら、これらの考え方の基本は、サーマルヘッドによる加熱でインキ層の結合剤が溶融して粘度が低下する結果受像シートへの粘着力が増加して転写する特性を利用し、サーマルヘッドの昇温を制御してインキ層内部の凝集破壊を制御し、熱転写記録のガンマ特性を軟調化することに有る。それ故、熱溶融転写方式は昇華染料転写方式に比べ、多階調性の点において劣ることになる。また一般に細線などの画像濃度の再現性も劣る問題点を生じることになる。
【0005】
また熱溶融型転写方式は、通常低融点の結晶性ワックスをインキ層の結合剤として用いているため、記録体中の熱印字の際のニジミにより、解像力の低下あるいは転写定着画像の強度が弱いなどの問題点を有している。更には、結晶性ワックス類は結晶相の光散乱により透明な画像を得難いという欠点を有している。このことはイエロー,マゼンタ,シアンなどの重なりとしてのカラー画像を形成する場合には大きな欠点となる。更に透明性を劣化させる要因としては、インキ層総量に対する顔料比率にも関係が有り、特公昭63−65029号明細書に述べられているごとく、通常着色剤はインキ層の総量に対して20重量部以下で用いられ、これ以上で使用される場合は透明性が低下する。
【0006】
熱溶融転写方式のカラー画像の色再現を改良するために、種々の提案がなされてきた。例えば特開昭61−244592(特公平5−13072)号明細書中には、連続階調性を持続した上で透明性,定着画像強度等を改良する目的で、少なくとも50重量%以上の非晶質ポリマーと離型性物質と着色剤(染料や顔料)よりなる感熱インキ層の提案がなされている。
該公報においては、先ず透明性に関しては、非晶質ポリマーが50重量%以下では,感熱インキ材料の透明性が著しく悪化し良好なカラー再現性が得られない。特に良好な透明性を示すには、70重量%が必要であると述べられている。また感熱インキ層の膜厚に関しては0.5μm〜50μm、通常は1μmから20μmが好ましいと述べられている。しかしながら、特にプルーフ用途などの点から、画像形成に関してはシアン,マゼンタ,イエローは反射濃度が1.4前後必要であり、特にブラックに関しては1.7前後必要であるにもかかわらず該明細書中には1μm以下の顔料径インキ層膜厚で透明性を維持した上で,どれだけの濃度が得られるかの記載は全くない。更に実施例においても通常のワックス系とほとんど同じくインキ層の膜厚は3μm前後である。すなわち該明細書においては、インキ層の透明性を維持した上で、1.0μm以下の膜厚で光学的反射濃度を1.0以上にするための技術的開示は何等なされていない。
【0007】
一方、サーマルヘッドプリンターの技術的進歩は著しい。サーマルヘッドそのものの高解像力化のみならず面積階調のみで多階調記録を可能にする印字方式としては、特開平4−19163,特開平5−155057号明細書に記載の副走査分割方式や、「電子写真学会年次大会1992/7/6予稿集」に記載の熱集中型方式などが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
感熱転写方式において2値記録の面積階調のみで高多階調のカラー画像を得るための要因としては、材料サイドからは下記の特性が重要である。
▲1▼ 各色とも所定の画像濃度が有ること。
▲2▼ 階調再現性に優れること。
▲3▼ 線あるいは点の画像のエッジシャープネスに優れドット形状が良好であること。
▲4▼ 転写インキ層の透明性が良好であること。
▲5▼ 高感度であること。
▲6▼ 印刷本紙に転写した画像が、質感、画像の光沢度等印刷物近似性に優れること。
【0009】
仮に、面積階調のみの顔料転写方式で上記の要因を従来より大巾に向上、多階調高品質カラー画像やモノクロ画像が達成されるならば、民生用のみならず印刷分野におけるカラープルーフ,版下原稿あるいは顔料の耐久性を生かして、カード分野や屋外ディスプレー分野やメーターディスプレー分野などへの展開も可能になる。
しかしながら、従来の熱溶融転写方式の感材側からの技術開発は、主としてインキ層の低ガンマ特性化であったり、前記要因の独立項目としての改良であり、面積階調のみによる多階調記録方式に適した感熱転写材料はどうあるべきかという提案及び解決手段はなされていない。
本発明の目的はまさにこの解決手段を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、従来の昇華染料感熱転写方式や溶融転写方式に対して、熱接着薄膜剥離方式とでもいうべき方式で、かつ感熱インキ層の粘度を溶融状態で一定範囲内にすることにより、飛躍的に画質(特にドット品質、階調再現性)が良化することを見いだし本発明をなすに至った。
即ち、本発明の目的は、支持体上に着色剤を含む感熱インキ層を設けた記録材料において、該感熱インキの融点又は軟化点が50〜150℃の範囲にあり、粘度が105〜108cPの範囲にあることを特徴とする感熱転写記録材料により達成された。なお、本発明において、上記粘度は感熱インキの融点又は軟化点より30℃高い温度で測定した値である。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、感熱インキの粘度は、105〜108cPの範囲にある。105cP未満では、にじみによるドット形状の不良や印字後感熱転写材料の支持体であるポリエステルフィルムを剥離する際に剥離スジが発生するという問題点がある。108cPを超えると、熱接着性の低下により受像シートへの画像の転写性やアート紙等の紙への転写性が悪化する。
【0012】
本発明の感熱転写材料の支持体としては、従来の溶融転写や昇華転写用支持体として公知の種々の支持体が使用されるが、通常のサーマルヘッド転写感材と同様に厚み5μm前後の裏面に離型処理をほどこしたポリエステルフイルムが特に好ましい。
【0013】
本発明の感熱転写材料の感熱インキ層に含まれる顔料としては、種々の公知の顔料が使用でき、例えばカーボンブラック,アゾ系,フタロシアニン系,キナクリドン系,チオインジゴ系,アンスラキノン系,イソインドリノン系等の顔料が挙げられる。これらは2種類以上組み合わせて使用することも可能であり、また色相調整のため公知の染料を添加してもよい。
【0014】
本発明の感熱転写材料の感熱インキ層に含まれる軟化点が50℃〜150℃の非晶質有機高分子重合体としては、例えばブチラール樹脂,ポリアミド樹脂,ポリエチレンイミン樹脂,スルホンアミド樹脂,ポリエステルポリオール樹脂,石油樹脂,スチレン,αーメチルスチレン,2ーメチルスチレン,クロルスチレン,ビニル安息香酸,ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ,アミノスチレン等のスチレン及びその誘導体,置換体の単独重合体や共重合体,メチルメタクリレート,エチルメタクリレート,ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリル酸,メチルアクリレート,エチルアクリレート,ブチルアクリレート,αーエチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル及びアクリル酸,ブタジエン,イソジエン,イソプレン等のジエン類,アクリロニトリル,ビニルエーテル類,マレイン酸及びマレイン酸エステル類,無水マレイン酸,ケイ皮酸,塩化ビニル,酢酸ビニル等のビニル系単量体の単独あるいは他の単量体等の共重合体を用いることができる。これらの樹脂は2種以上混合して用いることもできる。これらのうち、分散性の観点からブチラール樹脂やスチレン/マレイン酸ハーフエステル樹脂等が好ましい。これら樹脂の軟化点は50℃〜150℃の範囲で選ばれるべきである。150℃を越えると熱記録感度が低く、他方50℃未満では感熱インキ層の耐接着性が劣る。
【0015】
これら感熱インキ層には、熱印字の際の感熱インキ層の支持体からの離型性及び熱感度向上の観点から種々の離型剤や軟化剤を感熱インキ層総量に対して1重量%から20重量%の範囲で加えることも可能である。具体的には、例えばパルミチン酸,ステアリン酸等の高級脂肪酸,ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩類,脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物,脂肪酸アミド類等の脂肪酸誘導体,高級アルコール類,多価アルコール類のエテル等誘導体,パラフィンワックス,カルナバワックス,モンタンワックス,ミツロウ,木ロウ,キャンデリラワックス等のワックス類,粘度平均分子量が約1,000から10,000程度の低分子量ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブチレン等のポリオレフイン類,或いはオレフイン,αーオレフイン類と無水マレイン酸,アクリル酸,メタクリル酸等の有機酸,酢酸ビニル等との低分子量共重合体,低分子量酸化ポリオレフイン,ハロゲン化ポリオレフイン類,ラウリルメタクリレート,ステアリルメタクリレート等長鎖アルキル側鎖を有するメタクリル酸エステル,アクリル酸エステル又はパークロロ基を有するアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル類の単独もしくはスチレン類等のビニル系単量体との共重合体、ポリジメチルシロキサン,ポリジフェニルシロキサン等の低分子量シリコーンレジン及びシリコーン変性有機物質等が挙げられ、1種あるいは2種以上選択して用いることができる。
【0016】
これら感熱インキ層の光学濃度は、先に述べた理由により白色支持体上に転写した際にその反射濃度が1.0以上なければならない。また膜厚は0.2μmから1.0μmの範囲が好ましい。1.0μmよりも大きな厚い感熱インキ層においては、面積階調再現性においてシャドウ部がつぶれやすかったり、ハイライト部がとびやすっかたりして、結果的に階調再現性が劣ることなる。一方、0.2μmより下の膜厚では,所定の濃度を出すことが難しい。これらの薄膜で所定の濃度を出すためには、該感熱インキ層中の顔料が30重量%から70重量%,非晶質有機高分子結合体が25重量%〜60重量%で、必要に応じ添加される離型性物質や軟膜剤の総量が1重量%から15重量%であることが好ましい。顔料比率がこれ以下では上記所定の膜厚で濃度を出すことが難しい。また顔料の粒径は、顔料の70%以上が1.0μm以下であることが必要である。粒径が大きい場合にはカラー再現性時の各色の重なり部の透明性が損なわれ、かつ先の膜厚と濃度の関係の両者を満たすことが困難になる。
【0017】
これら顔料の非晶質有機高分子結合体への分散に関しては、適切な溶剤を加えてボールミルをはじめとする、塗料分野で使用される種々の分散方法が適用される。
【0018】
本発明の感熱インキ層は主成分が顔料と非晶質の有機高分子結合体であり、かつ従来のワックス溶融型に比べ顔料比率も高く、通常の溶融型に比べ熱転写時の粘度が102〜103cpsのように低くなることはなく、150℃の温度において少なくとも104cpsよりも高いので、本発明は受像シートの熱接着性、あるいはカラー像作成の場合は感熱インキ層間の熱接着性を利用した薄膜剥離現象タイプの画像形成であるということができる。このことが感熱インキ層の薄層化の効果とあいまって、高解像力性を維持した上でシャドウ部からハイライト部に到る広い階調再現を可能にし、かつエッジシャープネスを良好にし、更に100%の画像の転写を可能にすることにより例えば4ポイントの小さな文字とベタ部の濃度の均一性を再現した。
【0019】
受像シートとしては、熱軟化性の合成紙やあるいはUS4482625,US4766053,US4933258号明細書などに記載の受像シート技術の使用が可能である。これら少なくとも有機高分子結合体を含む受像層を設ける受像シート用支持体としては、紙,ポリエステルフイルム,ポリカーボネートフイルム,ポリプロピレンフイルム,ポリ塩化ビニルフイルム等のプラスチックフイルム等を用いることができる。プルーフ用として使用する場合には、印刷本紙と同じ紙に画像を形成するためにプラスチックフィルム上に形成された転写画像を印刷本紙に再転写して画像を形成させてもよい。以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
【実施例】
実施例1
(感熱転写材料の作成)下記の組成を有する3種の感熱インキ層用塗布液を調製した。
【0021】
上記A,B,Cの顔料分散液各々10重量部に対し、N−ヒドロキシエチル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド0.24重量部、界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)0.01重量部、n−プロピルアルコール60重量部を加え塗布液とし、厚み5μmの裏面に離型処理されたポリエステルフィルム(帝人(株)製)に回転塗布機(ホワイラー)を使用して、乾燥膜厚がAが0.36μm,Bが0.38μm,Cが0.42μmになるように塗布し感熱転写材料を作成した。
得られた感熱インキの粘度は、Aが7.29×106cP、Bが2.20×106cP、Cが3.11×106cPであった。
【0022】
(受像シートの作成)
下記の組成を有する受像第一層及び受像第二層の塗布液を調製した。
(受像第一層用塗布液)
・塩ビ/酢ビ共重合体 25重量部
(MPR−TSL,日信化学(株)製)
・ジオクチルフタレート 12重量部
(DOP,大八化学(株)製)
・界面活性剤 4重量部
(メガファックF−177,大日本インキ化学工業(株)製)
・溶剤 メチルエチルケトン 75重量部
【0023】
(受像第二層用塗布液)
・ポリビニルブチラール 16重量部
(デンカブチラール#2000−L,電気化学工業(株)製)
・N,N−ジメチルアクリルアミド/ブチルアクリレート共重合体 4重量部
・界面活性剤 0.5重量部
(メガファックF−177,大日本インキ化学工業(株)製)
・溶剤 n−プロピルアルコール 200重量部
【0024】
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム支持体上に、回転塗布機を使用して上記受像第一層用塗布液を300rpmで塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥した。得られた受像第一層の膜厚は20μmであった。
さらに上記受像第一層上に、回転塗布機を使用して受像第二層用塗布液を200rpmで塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥した。得られた受像第二層の膜厚は2μmであった。
【0025】
まずシアンの感熱転写材料と受像シートを重ね、副走査分割法によるサーマルヘッド記録装置により印字した。この原理は75μm×50μmのヘッドを50μm方向に微小送り3μmピッチでオンオフすることにより、面積階調のみの多段階変調を行う方式である。このシアンの感熱転写材料をのポリエステルフィルムを剥離し、受像シート上に面積階調のみよりなる画像を形成させた。次にマゼンタの感熱転写材料をシアン画像が形成されている受像シート上に重ね、位置を合わせて同様に印字し、該転写材料のポリエステルフィルムを剥離することにより受像シート上にマゼンタ画像、さらに同様にしてイエロー画像を形成させ、受像シート上に面積階調のみよりなるカラー画像を形成させた。
次にカラー画像が形成された受像シートをアート紙と重ね、4.5Kg/cm2の圧力,130℃,4m/secのスピードで熱ローラーを通した後、受像シートのポリエステルフィルムを剥がし、インク画像がのった受像第二層をアート紙上にカラー画像形成させた。このカラー画像は、リス原稿から作成したケミカルプルーフ(カラーアート,富士写真フィルム(株)製)とカラー画像の近似性が非常に良好であった。なおこの際の各単色の反射濃度は下記の通りであった。
光学濃度(ベタ部)
シアン 1.54
マゼンタ 1.44
イエロー 1.55
また4Pの文字の濃度をミクロデンシトメーターで測定したが、ベタ部の濃度と同様であった。また階調再現性は5〜95%が再現され、ゴミによる欠陥、にじみによるドット形状の不良もなく良好であった。更に紙の凹凸に追随した表面がマット化され、表面光沢が印刷物に非常に近似した画像であった。
【0026】
比較例1
実施例1の感熱転写材料に、トリフェニルフォスフェートを0.60重量部追添した以外は同様にして、感熱転写材料A’、B’及びC’を作成した。得られた感熱インキの粘度は、A’が5.30×104cP、B’が2.43×104cP、C’が4.11×104cPであった。この感熱転写材料を用いて実施例1と同様にして評価を行ったところ、ドットのにじみ、剥離筋が発生し、更に階調再現性も不良で、実用に耐えないものであった。
【0027】
比較例2
(感熱転写材料の作成)下記の組成を有する3種の感熱インキ層用塗布液を調製した。
【0028】
上記D,E,Fの顔料分散液各々10重量部に対し、界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)0.01重量部、n−プロピルアルコール60重量部を加え塗布液とした。以下、実施例1と同様にして評価を行った。ここで、得られた感熱インキの粘度は、Dが1.02×109cP、Eが7.72×108cP、Fが9.56×108cPであった。
評価結果は、受像シートへの転写性が不良で、ドットの欠け等の形状不良が発生した。また、アート紙への転写を行ったところ、転写画像のアート紙への接着が悪く、簡単に剥離してしまうという問題があった。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば面積階調のみで、画像のエッジシャープネスも含めたドット形状が良好で、階調再現性、紙等への転写性及び印刷物近似性に優れた記録材料が得られる。
Claims (1)
- 支持体上に着色剤を含む感熱インキ層を設けた感熱転写材料と、受像シートからなる感熱転写記録材料において、前記感熱転写材料は、30〜70重量%の顔料と25〜60重量%の軟化点が150℃以下の非晶質有機高分子重合体を含み膜厚が0.2μmから1.0μmの範囲に有る感熱インキ層を有し、該感熱インキ層中の顔料としてマゼンタ顔料(C.I.PR.57:1)またはシアン顔料(C.I.PB.15:4)を含み、該感熱インキの融点又は軟化点が50〜150℃の範囲にあり、粘度が105〜108cPの範囲にあり、かつマゼンタ及びシアンの感熱転写材料の転写画像の光学濃度が白色支持体上でいずれも1.44以上である感熱転写材料と、受像層を設けた受像シート(但しガラス転移点(Tg)が100℃以上の受像層を設けた受像シートを除く。)からなることを特徴とする感熱転写記録材料。
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