JP3204820B2 - 感熱転写記録材料及び画像形成方法 - Google Patents
感熱転写記録材料及び画像形成方法Info
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Description
ーで、顔料を含有する感熱インキ層を受像シート材料上
に熱転写し、面積階調のみで高品質の多階調カラー画像
などを形成するための感熱転写記録材料及び画像形成方
法に関するものである。
し、カラー画像を形成する感熱転写記録方式としては、
昇華型染料転写方式と熱溶融型転写方式が知られてい
る。
剤とからなる転写層を支持体上に設けた転写シートを受
像シートと重ね、転写シートの支持体の裏側からサーマ
ルヘッドにより画像様に熱を与え、昇華型染料を昇華さ
せて受像シートに転写し、受像シート上に画像を形成す
る方式である。イエロー、マゼンタ、シアンよりなる転
写シートを使用することにより、カラー画像を形成する
ことも出来る。
の欠点を有している。 画像の階調表現が主として濃度階調(染料の昇華量を
制御)を利用するもので有り、写真に類似する諧調を好
む民生用の一部の目的には適しているが、例えば面積階
調のみで階調表現をしている印刷分野で使用されている
カラープルーフ用等には適していない。 画像形成が染料の昇華を利用しているため、出来上が
り画像のエッジシャープネスが不満足であり、又太線に
比べ細線のベタ濃度が薄くなる。これらは文字画像の品
質に関して重大な欠点となる。 画像の耐久性が劣るので、耐熱性や耐光性を要求する
分野への展開が限定されている。 感熱記録感度が熱溶融型転写方式に比べ低いため、将
来期待されている高解像力サーマルヘッドを用いる高速
記録材料としては適していない。 熱溶融型転写材料に比べ感材が高価である。
料や染料などの色材とワックスなどの結合剤とからなる
熱溶融性の転写層を設けた転写シートを受像シートと重
ね、転写シートの支持体の裏側からサーマルヘッドによ
り画像様に熱を与え、転写層を溶融して受像シート像に
融着させて画像を形成させる方式である。
比べて、感熱感度が高い、材料が安価である、画
像の耐光性が優れている、等の利点を有しているもの
の、下記の欠点を有している。熱溶融転写方式の最大の
欠点の1つは、昇華型染料転写方式に比べカラー画像の
品質が劣ることに有る。これは、この方式が本来濃度階
調による階調再現ではなく、2値記録であることによ
る。勿論、この2値記録性を改善し、熱溶融転写方式に
おいて多階調のカラー画像を形成することを目的に濃度
階調を達成するためのインキ転写層の提案が種々なされ
てきた。しかしながら、これらの考え方の基本は、サー
マルヘッドによる加熱でインキ層の結合剤が溶融して粘
度が低下する結果受像シートへの粘着力が増加して転写
する特性を利用し、サーマルヘッドの昇温を制御してイ
ンキ層内部の凝集破壊を制御し、熱転写記録のガンマ特
性を軟調化することに有る。それ故、熱溶融転写方式は
昇華染料転写方式に比べ、多階調性の点において劣るこ
とになる。又、一般に細線などの画像濃度の再現性も劣
る問題点を生じることになる。
結晶性ワックスをインキ層の結合剤として用いるため、
記録体中の熱印字の際のニジミにより、解像力の低下、
あるいは転写定着画像の強度が弱いなどの問題点を有し
ている。更には、結晶性ワックス類は結晶相の光散乱に
より透明な画像を得難いという欠点を有している。この
ことはイエロー、マゼンタ、シアンなどの重なりとして
のカラー画像を形成する場合には大きな欠点となる。更
に透明性を劣化させる要因としてはインキ層総量に対す
る顔料比率にも関係が有り、特公昭63−65029号
明細書に述べられているごとく、通常、着色剤はインキ
層の総量に対して20重量部以下で用いられ、これ以上
で使用される場合は透明性が低下する。
良するために、種々の提案がなされてきた。例えば特開
昭61−244592(特公平5−13072)号明細
書中には、連続階調性を維持した上で透明性、定着画像
強度、等を改良する目的で、少く共50重量%以上の非
晶質ポリマーと離型性物質と着色剤(染料や顔料)より
なる感熱インキ層の提案がなされている。該公報におい
ては、先づ透明性に関しては、非晶質ポリマーが50重
量%以下では、感熱インキ材料の透明性が著しく悪化
し、良好なカラー再現性が得られない。特に良好な透明
性を示すには70重量%が必要であると述べられてい
る。又、感熱インキ層の膜厚に関しては0.5μmから
50μm、通常は1μmから20μmが好ましいと述べ
られている。
ラー画像形成に関してはシアン、マゼンタ、イエローは
反射濃度が1.4前後必要であり、特にブラックに関し
ては1.7前後必要であるにもかかわらず該明細書中に
は1μm以下の顔料系インキ層膜厚で透明性を維持した
上で、どれだけの濃度が得られるかの記載は全くない。
更に、実施例においても通常のワックス系とほとんど
同じくインキ層の膜厚は3μm前後である。すなわち該
明細書においては、顔料の透明性を維持した上で、1.
0μm以下の膜厚で、光学的反射濃度が少く共1.0以
上にするための技術的開示は何等なされていない。
進歩は著しい。サーマルヘッドそのものの高解像力化の
みならず面積階調のみで多階調記録を可能にする印字方
式としては特開平4−19163号、特開平5−155
057号明細書に記載の副走査分割方式や、「電子写真
学会年次大会 1992/7/6 予稿集」に記載の熱集中型方式
などが提案されている。
2値記録の面積階調のみで高多階調性のカラー画像を得
るための要因としては、材料サイドからは下記の特性が
重要である。 各色共所定の画像濃度が有ること。 材料サイドとして高解像力であること。 線あるいは点の画像のエッジシャープネスが良好で
あること。 画素面積の大小に関係なく線あるいは点の濃度が均
一なこと。 各々の転写インキ層の透明性が良好であること。 高感度であること。 形成された画像強度が強いこと。 色再現性が良好なこと。
の要因を従来より大巾に向上し、多階調高品質カラー画
像やモノクロ画像が達成されるならば、民生用のみなら
ず印刷分野におけるカラープルーフ、版下原稿、あるい
は顔料の耐久性を活かして、カード分野や屋外ディスプ
レー分野やメーターディスプレー分野などへの展開も可
能になる。
材側からの技術開発は、主としてインキ層の低ガンマ特
性化であったり、前記要因の独立項目としての改良であ
り、面積階調のみによる多階調記録方式に適した感熱転
写材料はどうあるべきかという提案及び解決手段はなさ
れていない。本発明の目的はまさにこの解決手段を提案
することにある。
重ねた結果、従来の昇華染料感熱転写方式や熱溶融転写
方式に対して、熱接着薄膜剥離方式とでもいうべき方式
がこの目的に非常にかなっていることを見い出し、更に
この方式において感熱インキ層の膜厚が従来よりより薄
層であることが必要であることを見い出し本発明をなす
に到った。即ち、本発明の目的は、30〜70重量部の
顔料と25〜60重量部の軟化点が50℃〜150℃の
ブチラール樹脂及びスチレン/マレイン酸ハーフエステ
ル樹脂のうち少く共1種を含み、膜厚が0.2μmから
1.0μmの範囲に有る実質的に透明な感熱インキ層を
有し、該感熱インキ層中の顔料の70%以上の粒径が
1.0μm以下であり、かつ転写画像の光学反射濃度が
白色支持体上で少く共1.0以上有ることを特徴とする
感熱転写記録材料、及びそれを用いた画像形成方法によ
り達成された。以下、本発明を詳細に説明する。
は従来の溶融転写や昇華転写用支持体として公知の種々
の支持体が使用されるが、通常のサーマルヘッド転写感
材と同様に厚み5μm前後の裏面に離型処理をほどこし
たポリエステルフィルムが特に好ましい。
まれる顔料としては種々の公知の顔料が使用でき、例え
ばカーボンブラック、アゾ系、フタロシアニン系、キナ
クリドン系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、イソ
インドリン系などの顔料が挙げられる。これらは2種以
上組み合わせて使用することも可能であり、又色相調整
のため公知の染料を添加しても良い。
は、後に述べる本発明の特徴である分散性の観点から、
ブチラール樹脂及びスチレン/マレイン酸ハーフエステ
ル樹脂のうち少く共1種が含まれる。これら樹脂の軟化
点は50℃〜150℃の範囲で選ばれるべきである。1
50℃を越えると熱記録感度が低く、他方50℃未満で
はインキ層の耐接着性が劣る。
層の支持体からの離型性及び熱感度向上の観点から種々
の離型剤や軟化剤をインキ層総量に対して1重量%から
20重量%の範囲で加えることも可能である。具体的に
は、例えばパルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪
酸、ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩類、脂肪酸エ
ステル類もしくはその部分ケン化物、脂肪酸アミド類等
の脂肪酸誘導体、高級アルコール類、多価アルコール類
のエステル等誘導体、パラフインワックス、カルナバワ
ックス、モンタンワックス、ミツロウ、木ロウ、キヤン
デリラワックス等のワックス類、粘度平均分子量が約
1,000から約10,000程度の低分子量ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフイ
ン類、或いはオレフイン、α−オレフイン類と無水マレ
イン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の有機酸、酢酸ビ
ニル等との低分子量共重合体、低分子量酸化ポリオレフ
イン、ハロゲン化ポリオレフイン類、ラウリルメタクリ
レート、ステアリルメタクリレート等長鎖アルキル側鎖
を有するメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル又
はパーフロロ基を有するアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル類の単独もしくはスチレン類等のビニル系
単量体との共重合体、ポリジメチルシロキサン、ポリジ
フエニルシロキサン等の低分子量シリコーンレジン及び
シリコーン変性有機物質等、更には長鎖脂肪族基を有す
るアンモニウム塩、ピリジニウム塩等のカチオン性界面
活性剤、或いは同様に長鎖脂肪族基を有するアニオン、
ノニオン界面活性剤、パーフロロ系界面活性剤等、から
1種以上選択して用いることができる。
べた理由により、白色支持体上に熱転写した際にその反
射濃度が1.0以上なければならない。又膜厚は0.2
μmから1.0μmの範囲が好ましい。1.0μmより
も大きな厚いインキ層においては面積階調のみによる階
調再現性において、シャドウ部がつぶれやすかったり、
ハイライト部がとびやすかったりして、結果的に階調再
現性が劣ることになる。一方、0.2μmより下の膜厚
では、所定の濃度を出すことが難しい。
は、該インキ層中、顔料が30重量部から70重量部、
ブチラール樹脂及びスチレン/マレイン酸ハーフエステ
ル樹脂のうち少く共1種が25重量〜60重量部で、必
要に応じ添加される離型性物質や軟膜剤の総量が1重量
部から15重量部であることが好ましい。顔料比率がこ
れ以下では上記所定の膜厚で所定の濃度を出すことが難
しい。又顔料の粒径は顔料の70%以上が1.0μm以
下であることが必要である。粒径が大きい場合にはカラ
ー再現時の各色の重なり部の透明性が損なわれ、かつ先
の膜厚と濃度の関係の両者を満たすことが困難になる。
/マレイン酸ハーフエステル樹脂のうち少く共1種への
分散に関しては適切な溶剤を加えて、ボールミルを初め
とする塗料分野で使用される種々の分散方法が適用され
る。
チラール樹脂及びスチレン/マレイン酸ハーフエステル
樹脂のうち少く共1種であり、かつ従来のワックス溶融
型に比べ、顔料比率も高く、通常の溶融型に比べ熱転写
時の粘度が102〜103cpsのように低くなることはな
く、150℃の温度において少く共104cpsよりも高い
ので、本発明は、受容シートの熱接着性、あるいはカラ
ー像作成の場合はインキ層間の熱接着性を利用した薄膜
剥離現像タイプの画像形成であるということができる。
このことがインキ層の薄層化の効果と相いまって、高解
像力性を維持した上で、シャドウ部からハイライト部に
到る広い階調再現を可能にし、かつエッジシャープネス
を良好にし、更に100%の画像の転写を可能にするこ
とにより、例えば4ポイントの小さな文字とベタ部の濃
度の均一性を実現した。
あるいはUS4482625、US4766053、U
S4933258号明細書などに記載の受像シート技術
の使用が可能である。これらブチラール樹脂及びスチレ
ン/マレイン酸ハーフエステル樹脂のうち少く共1種を
含む熱接着層を設ける受像シート用支持体としては、
紙、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム
などのプラスチックフィルムなどを用いることができ
る。プルーフ用として使用する場合には、印刷本紙と同
じ紙に画像を形成するためにプラスチックフィルム上に
形成された転写画像を印刷本紙に再転写して画像を形成
させても良い。以下、本発明を実施例をもって説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
ステアリン酸アミド0.24g、n−PrOH60gを加え
塗布液とし、裏面に離型処理された厚み5μmのポリエ
ステルフィルム(帝人KK製)に乾燥膜厚Aが0.36
μm、Bが0.38μm、Cが0.42μmになるよう
に塗布し感熱転写材料を作成した。
上に下記処方の塗布液を乾燥膜厚5μmになるように塗
布した。 ポリエチレンイミン(日本触媒化学工業KK SP-200) 36g ブチラール樹脂(積水化学工業KK FPD-1) 162g n−プロピルアルコール 970g メチルセロソルブ 170g
ね、副走査分割法によるサーマルヘッド記録装置(試作
実験機)により印字した。この原理は75μm×50μ
mのヘッドを50μm方向に微小送り3μmピッチでオ
ン−オフすることにより面積階調のみの多段階変調を行
う方式である。このAの感熱転写シートを剥離し、受像
シート上に面積階調のみよりなるシアン画像を形成させ
た。次にBの感熱転写シートをシアン画像が形成されて
いる受像シートに重ね位置を合わせて同様に印字し、該
転写シートを剥離することにより受像シート上にマゼン
タ画像、同様にして更にイエロー画像を形成させ、受像
シート上に面積階調のみよりなるカラー画像を形成させ
た。
をアート紙と重ね130℃ 4Kg/cmの圧で4m/sec の
熱ローラーを通した後受像シートのポリエステルフィル
ムを剥がしアート紙上にカラー画像を形成させた。この
カラー画像はリス原稿から作成したケミカルプルーフ
(富士フイルム(株)製、商品名カラーアート)とカラ
ー画像の近似性が非常に良好であった。なおこの際の各
単色の反射濃度は下記の通りであった。 又、4ポイントの文字の濃度をミクロデンシトメーター
で測定したがベタ部の濃度と同様であった。階調再現性
は5%〜95%が再現された。
溶融転写感材を用いて、印字した場は、合階調再現性に
おいてシャドウ部はつぶれ、ハイライト部は飛び70〜
20%の範囲しか再現されなかった。
指定カット紙B100型番CVPB100 KK社の合成紙を受像
シートとして用い直接印字しても同様に良好なカラー画
像を得た。
る、画質の優れたカラー画像を得ることができる。
表す。塗布層の透過率は90%であった。
を表す。塗布層の透過率は80%であった。
を表す。塗布層の透過率は70%であった。図1〜3に
おいて、横軸は粒子径(μm)、左縦軸は各粒径の粒子
の%、右縦軸は累積%である。
Claims (2)
- 【請求項1】 30〜70重量部の顔料と25〜60重
量部の軟化点が50℃〜150℃のブチラール樹脂及び
スチレン/マレイン酸ハーフエステル樹脂のうち少く共
1種を含み、膜厚が0.2μmから1.0μmの範囲に
有る実質的に透明な感熱インキ層を有し、該感熱インキ
層中の顔料の70%以上の粒径が1.0μm以下であ
り、かつ転写画像の光学反射濃度が白色支持体上で少く
共1.0以上有ることを特徴とする感熱転写記録材料。 - 【請求項2】 サーマルヘッドプリンターを用いて、請
求項1に記載の感熱転写記録材料の感熱インキ層を受像
シート材料に熱転写し、面積階調のみで画像を形成する
画像形成方法。
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