JPH08290677A - 感熱転写シートおよび画像形成方法 - Google Patents

感熱転写シートおよび画像形成方法

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JPH08290677A
JPH08290677A JP7124454A JP12445495A JPH08290677A JP H08290677 A JPH08290677 A JP H08290677A JP 7124454 A JP7124454 A JP 7124454A JP 12445495 A JP12445495 A JP 12445495A JP H08290677 A JPH08290677 A JP H08290677A
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Japan
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image
transfer sheet
heat
ink layer
sheet
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JP7124454A
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Tamotsu Suzuki
保 鈴木
Mitsuru Yamamoto
充 山本
Toshiaki Endo
俊明 遠藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度であり、転写時の走行音が減少し、階
調再現性が良く、また位置ズレを防止してよりシャープ
な画質の実現が可能な感熱転写シート、およびこれを用
いる画像形成方法を提供する。 【構成】 支持体、離型層、そして顔料及び軟化点が4
0℃〜150℃の温度範囲にある非晶質有機高分子重合
体をそれぞれ30〜70重量%及び25〜65重量%%
含み、層厚が0.2μm〜1.0μmの範囲に有るイン
キ層をこの順に有する感熱転写シート。上記感熱転写シ
ートのインキ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シー
トの背面からサーマルヘッドを押し当て、受像シート上
に光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成される転
写画像を形成することからなる画像形成方法。更に得ら
れた転写画像を別の白色支持体上に再転写して、同様な
濃度の面積階調で構成される再転写画像を得る画像形成
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インキ層を有する感熱
転写シートおよびその感熱転写シートを用いる画像形成
方法に関し、特に、サーマルヘッドプリンタを用いて、
インキ層を受像シート上に、面積階調記録により画像様
に転写し、高品質の多階調のカラー画像(フルカラー画
像)を形成するために有用な感熱転写シートおよびこれ
を用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、サーマルヘッドプリンタを使用し
てカラー画像を形成する感熱転写記録方式としては、昇
華型染料転写方式と熱溶融型転写方式とが知られてい
る。昇華型染料転写方式は、昇華型染料と結合剤とから
なる転写層を支持体上に設けた転写シートを受像シート
と重ね、転写シートの支持体の裏側からサーマルヘッド
により画像様に熱を与え、昇華型染料を昇華させて受像
シートに転写し、受像シート上に画像を形成する方式で
ある。この方法において、イエロー、マゼンタ、シアン
の各々の昇華型染料を有する転写シートを使用すること
により、カラー画像(フルカラー画像)を形成すること
も出来る。
【0003】しかしながら、昇華型染料方式は以下のよ
うな欠点を有している。 (1)画像の階調表現が主として濃度階調(染料の種類
あるいは量を制御)を利用するもので有り、写真に類似
する階調の画像を得ることを目的とする場合には適して
いるが、例えば面積階調(多値記録)のみで階調表現を
する印刷分野で使用されているカラープルーフ用には適
していない。 (2)画像形成が染料の昇華を利用しているため、出来
上がり画像のエッジシャープネスが充分となりにくく、
また太線に比べ細線のベタ濃度が薄くなる傾向がある。
これらは文字画像の品質に関して重大な欠点となる。 (3)画像の耐久性が劣るので、耐熱性や耐光性を要求
する分野への利用が制限される。 (4)感熱記録感度が熱溶融型転写方式に比べ低いた
め、将来実用が期待されている高解像力サーマルヘッド
を用いる高速記録材料としては適していない。 (5)熱溶融型転写材料に比べ転写材料が高価である。
【0004】一方、熱溶融型転写方式は、支持体上に顔
料や染料などの色材とワックスなどの結合剤からなる熱
溶融性のインキ転写層を設けた感熱転写シートを用意
し、これを受像シートと重ね、転写シートの支持体の裏
側からサーマルヘッドにより画像様に熱を与え、該転写
層を溶融して受像シート上に転写融着させて画像を形成
する方式である。熱溶融型転写方式は昇華型染料転写方
式に比べて、感熱感度が高い、材料が安価である、また
画像の耐光性が優れている等の利点を有しているもの
の、次のような欠点を有している。すなわち、熱溶融転
写方式の大きな欠点は、昇華型染料転写方式に比べカラ
ー画像の品質が劣ることである。これは、この方式によ
る一般的な記録方式が濃度階調記録による階調再現では
なく、二値記録であることによる。勿論、熱溶融転写方
式において、二値記録を利用せず、多階調のカラー画像
を形成することを目的に、濃度階調記録を達成するため
のインキ転写層の改良の提案が種々なされてきた。しか
しながら、これらの改良の考え方の基本は、サーマルヘ
ッドによる加熱でインキ層の結合剤が溶融して粘度が低
下する結果、受像シートへの粘着力が増加して転写する
特性を利用し、サーマルヘッドの昇温を制御して、イン
キ層内部の凝集破壊を制御し、これによりインキ層の転
写量を制御すること、すなわち熱転写記録のガンマ特性
を軟調化することによって多階調記録を行なうことに有
る。しかし、このような方式を利用しても、熱溶融転写
方式は昇華染料転写方式に比べ、多階調性の点において
劣っている。また、一般に細線などの画像濃度の再現性
についても熱溶融転写方式は劣るとされている。
【0005】また熱溶融型転写方式では、通常低融点の
結晶性ワックスをインキ層の結合剤として用いているた
め、熱印字の際の感熱転写シート中でのインキのニジミ
によって、解像力の低下が発生しやすく、また転写画像
の定着強度が不充分となりやすいことも問題となる。更
には、結晶性ワックス類は結晶相の光散乱により透明な
画像を得難いという欠点を有している。このことは、イ
エロー画像、マゼンタ画像、シアン画像などの重なり画
像としてのフルカラー画像を形成する場合には大きな欠
点となる。さらに、インキ層総量に対する顔料比率が高
い場合にも、このようなフルカラー画像の透明性の低下
が発生しやすい。従って、特公昭63−65029号公
報に述べられているごとく、通常着色剤はインキ層の総
量100重量部に対して20重量部以下で用いられ、こ
れ以上で使用される場合は透明性が低下する。
【0006】熱溶融転写方式のカラー画像の色再現を改
良するためには、種々の提案がなされてきた。例えば、
特開昭61−244592号公報(特公平5−1307
2号公報)には、連続階調性(濃度階調性)を持続した
上で透明性、定着画像強度等を改良する目的で、65重
量%以上の非晶質ポリマーと離型性物質と着色剤(染料
や顔料)よりなる感熱インキ層を有する感熱転写シート
が提案されている。この公報には、非晶質ポリマーが6
5重量%より少ない場合には感熱転写シートの透明性が
著しく悪化し、良好なカラー再現性が得られず、特に良
好な透明性を得るには、非晶質ポリマーの含有量は70
重量%が必要であると述べられている。そして透明性を
維持する上での感熱インキ層に含有される着色剤は20
重量%が限度であり、また実用上必要な画像濃度や画像
強度を得るためには、感熱インキ層の層厚は通常1μm
〜20μmが好ましいとされ、実施例では、感熱インキ
層の層厚として3μmが採用されている。なお、この公
報には、その発明の感熱転写シート(感熱記録材料)
は、二値記録や多値記録にも使用できる旨の示唆があ
る。しかしながら、本発明者の検討によると、上記の公
報に記載の感熱転写シートを用いる連続階調記録も、そ
の濃度階調の連続性および安定性の面で充分に満足でき
るものとはいえない。一方、上記の感熱転写シートを用
いて得られる多値転写画像や二値転写画像においては、
充分な濃度階調が得られにくい上に、透明性(特にフル
カラー画像の透明性)が充分でなく、またエッジシャー
プネスについても充分満足できるものとはいえない。
【0007】一方、感熱転写方式において、面積階調を
利用する多値記録(すなわち、面積が種々異なるドット
を利用して記録を行なう画像形成、VDS:バリアブル
・ドット・システム)で多階調のフルカラー画像を得る
方法が既に知られている。そして、この面積階調を利用
する多値記録に使用するための感熱転写シートは下記の
ような特性を有していることが望ましいことも知られて
いる。 (1)各色とも所定の画像濃度が有ること。特にプルー
フ用途などの点から最終的に得られるシアン、マゼンタ
およびイエロー画像濃度(白色支持体上での再転写画像
濃度)はその光学反射濃度がそれぞれ少なくとも1.0
以上有ることが必要であり、1.2以上、特に1.4以
上であることが望ましいとされている。そして、特にブ
ラックに関しては1.5以上有ることが望ましいとされ
ている。従って、感熱転写シートは、このような高濃度
の画像を形成できるものであることが望まれる。 (2)階調再現性に優れていること。 (3)線あるいは点の画像のエッジシャープネスに優れ
たドット形状を形成できるもの。 (4)転写されたインキ層の透明性が高いこと。 (5)高感度であること。 (6)印刷本紙(通常はコート紙などの白色支持体)に
転写された画像が、質感、画像の光沢度等において印刷
物に高い近似性を示すこと。
【0008】なお、近年において感熱転写シートへの熱
供給手段としてのサーマルヘッドプリンタの技術的進歩
は著しい。そして、サーマルヘッドそのものの高解像力
化を可能とし、かつ面積階調で多階調記録を可能にする
印字方式としては、特開平4−19163号公報、及び
特開平5−155057号公報に記載の副走査分割方式
や、「電子写真学会年次大会1992/7/6予稿集」に記載の
熱集中型方式などが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本願出願人は、特に面
積階調による多階調転写方式に適した感熱転写シートに
関する発明について、既に特許出願した(特願平5−2
63695号出願)。上記の特許出願の感熱転写シート
を使用することにより、面積階調のみの顔料転写方式で
多階調高品質カラー画像やモノクロ画像が得られ、通常
の画像形成のみならず印刷分野におけるカラープルー
フ、版下原稿あるいは顔料の耐久性を生かして、カード
分野や屋外ディスプレー分野やメーターディスプレィ分
野などへの展開も可能になった。
【0010】しかしながら、上記のような優れた性能を
有する感熱転写シートにおいても更に改良の余地があ
り、例えば、感度や階調再現性、また転写時に発生する
走行音(剥離に伴って発生する音)の低減化、更に各色
画像を重ね合わせて多色画像を形成する際の各インキ層
の移行性の違いから生じると思われる位置ずれの防止な
どにおいては、更なる改良が望ましいことがわかった。
このような位置ずれの発生は、最終的に得られる画質の
ボケ(画像のダブリ)となって現れる。
【0011】従って、本発明の目的は、多階調転写方式
に適し、上記(1)〜(6)に示すような要件を満たす
優れた特性を有する感熱転写シートを提供することであ
り、特に本発明では、高感度であり、転写時の走行音が
減少し、階調再現性が良く、また多色画像を形成する際
の各色の重なりの位置ずれが防止され、よりシャープな
カラー画像の実現が可能な感熱転写シート、およびこれ
を用いる画像形成方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な良好な性能を有する感熱転写シートを求めて鋭意研究
を重ねた結果、従来の昇華染料感熱転写方式や溶融転写
方式に対して、本発明の熱接着薄膜剥離方式とでもいう
べき方式、すなわち、顔料を高濃度に含有した薄膜イン
キ層を剥離転写する方式を利用し、かつ支持体と感熱イ
ンキ層との間に離型層を設けることにより、飛躍的に感
度、画質(画像のダブリ、階調再現性など)を改良で
き、また転写時の走行音の低減化をも達成できることを
見い出し、本発明に到達したものである。
【0013】本発明は、支持体、離型層、そして顔料及
び軟化点が40℃〜150℃の温度範囲にある非晶質有
機高分子重合体をそれぞれ30〜70重量%及び25〜
65重量%%含み、層厚が0.2μm〜1.0μmの範
囲に有るインキ層をこの順に有する感熱転写シートにあ
る。
【0014】また本発明は、上記の感熱転写シートのイ
ンキ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シートの背面
からサーマルヘッドを押し当て、受像シート上に光学反
射濃度が1.0以上の面積階調で構成される転写画像を
形成することからなる画像形成方法にもある。
【0015】さらに本発明は、上記の感熱転写シートの
インキ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シートの背
面からサーマルヘッドを押し当て、受像シート上に面積
階調で構成される転写画像を転写し、次いで、該受像シ
ート上の転写画像を、別に用意した白色支持体の上に再
転写して、該白色支持体上に光学反射濃度が1.0以上
の面積階調で構成される転写画像を形成することからな
る画像形成方法にもある。
【0016】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)インキ層中の顔料の70重量%以上のものの粒径
が0.1〜1.0μmの範囲にある。 (2)離型層が、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリ塩化ビニルおよびニトロセルロースから
なる群より選ばれる高分子重合体からなる層である。 (3)離型層が、0.01〜10μm(好ましくは、
0.01〜2μm、更に好ましくは、0.05〜1.0
μm)の層厚で形成されている。 (4)インキ層中に含窒素化合物が含有されており、該
含窒素化合物が、一般式(I)で表わされるアミド化合
物である。
【0017】
【化2】 [式中、R1 は炭素数8〜24のアルキル基を表し、R
2 及びR3 はそれぞれ独立に水素原子もしくは炭素数1
〜12のアルキル基を表す;ただし、いずれのアルキル
基も、エーテル結合を含むか、あるいはヒドロキシ基で
置換されていてもよく、また、R2 及びR3 がともに水
素原子の場合には、R1 のアルキル基は少なくとも一つ
のエーテル結合もしくはヒドロキシ基を含む。]
【0018】(5)前記非晶質有機高分子重合体が、ブ
チラール樹脂あるいはスチレン/マレイン酸半エステル
樹脂である。 (6)インキ層の層厚が、0.2〜0.6μmの範囲に
ある。
【0019】以下、本発明の感熱転写シートについて説
明する。本発明の感熱転写シートは、前述のように、支
持体、離型層、そしてインキ層をこの順に積層された構
造を有する。インキ層は、顔料及び軟化点が40℃〜1
50℃の温度範囲にある非晶質有機高分子重合体をそれ
ぞれ、30〜70重量%、及び25〜65重量%含み、
膜厚が0.2μm〜1.0μmの範囲に有る。この本発
明の感熱転写シートは、感熱転写により、特に面積階調
による多階調の画像(特にフルカラー画像)を形成する
のに有利に用いられるが、二値記録にも利用することが
できることは勿論である。以下に、支持体、離型層、そ
してインキ層の順に説明する。
【0020】感熱転写シートの支持体としては、従来の
溶融転写や昇華転写用感熱転写シートの支持体として公
知の種々の支持体が使用されるが、通常のサーマルヘッ
ド転写シートと同様に厚み1〜10μm(例えば、厚み
5μm前後)のポリエステルフイルムが特に好ましい。
【0021】支持体の上に設けられている離型層は、熱
転写の際に、支持体との間で適度な剥離性を示す材料で
構成されていることが好ましい。このような材料として
は、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、あ
るいはスチレンの単独重合体、あるいはこれらの単量体
と他の単量体との共重合体;エチレン共重合体(例、エ
チレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共
重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、エチレン/ア
クリル酸エステル共重合体);ポリエステル樹脂;セル
ロース系樹脂(例、ニトロセルロース);ポリオレフィ
ン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン);ポリアミ
ド;ポリウレタン;ワックス;ポリビニルアルコール;
合成ゴム(例、スチレンブタジエン)、及び塩化ゴムを
挙げることができる。これらの内では、ポリメタクリル
酸メチル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、およ
びニトロセルロースから選ばれるものが好ましい。特
に、ポリメタクリル酸メチル、又はポリ塩化ビニリデン
が好ましい。以上の材料は、単独で使用しても良いし、
あるいは二以上を組み合わせて使用しても良い。
【0022】離型層は、上記の材料を適当な溶剤に溶か
して塗布液を調製し、これを公知の塗布方法を利用して
支持体上に塗布し、乾燥することにより形成することが
できる。用いる溶剤としては、例えば、水、アルコール
系(例、メタノール、エタノール、プロパノール)、炭
化水素系(例、トルエン、キシレン、シクロヘキサ
ン)、ハロゲン化水素系、ケトン系(例、アセトン、メ
チルエチルケトン)、およびエステル系(例、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル)の溶剤を挙げることが
できる。離型層は、通常0.01〜10μm、好ましく
は、0.01〜2μm、更に好ましくは0.05〜1.
0μmの膜厚で形成する。
【0023】本発明の感熱転写シートのインキ層は、顔
料及び非晶質有機高分子重合体を含む層である。インキ
層に含まれる顔料としては、種々の公知の顔料が使用で
き、例えばカーボンブラック、アゾ系、フタロシアニン
系、キナクリドン系、チオインジゴ系、アンスラキノン
系、イソインドリノン系等の顔料が挙げられる。これら
は二種類以上組み合わせて使用することも可能であり、
また色相調整のため公知の染料を添加してもよい。本発
明の感熱転写シートにおいて、薄膜で所定の濃度を出す
ためには、インキ層中の顔料の含有量は、30重量%〜
70重量%(好ましくは、30〜50重量%)である。
顔料比率が30重量%未満では上記所定の膜厚で濃度を
出すことが困難になる。また本発明において、顔料の粒
径は、顔料の70重量%以上が0.1〜1.0μmの範
囲にあることが好ましい。粒径が大きい場合にはカラー
再現性時の各色の重なり部の透明性が損なわれやすく、
かつ先の層厚と濃度の関係の両者を満たすことが困難に
なる場合がある。
【0024】本発明の感熱転写シートのインキ層に含ま
れる軟化点が40℃〜150℃の非晶質有機高分子重合
体としては、例えばブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリエチレンイミン樹脂、スルホンアミド樹脂、ポリエ
ステルポリオール樹脂、石油樹脂、スチレン、αーメチ
ルスチレン、2ーメチルスチレン、クロルスチレン、ビ
ニル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミ
ノスチレン等のスチレン及びその誘導体、置換体の単独
重合体や共重合体、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステル類及びメタクリル酸、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、αー
エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル及
びアクリル酸、ブタジエン、イソジエン、イソプレン等
のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、マ
レイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレイン酸、
ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体
の単独あるいは他の単量体等の共重合体を挙げることが
できる。これらの樹脂は二種以上混合して用いることも
できる。これらのうち、分散性の観点からブチラール樹
脂やスチレン/マレイン酸半エステル樹脂等が好まし
い。これら樹脂の軟化点は40℃〜150℃の範囲で選
ばれる。150℃を越えると熱記録感度が低くなり易
く、他方40℃未満ではインキ層の耐接着性が劣る傾向
にある。なお、ブチラール樹脂の具体例としては、デン
カブチラール#2000−L(重合度:約300)、#
4000−1(重合度:約920)(以上、電気化学工
業(株)製))、エスレックBX−10(Tg:74
℃、重合度:80、アセタール化度:69モル%)、エ
スレックBL−S(Tg:61℃、エタトル粘度:12
cps、以上積水化学(株)製)を挙げることができ
る。
【0025】本発明の感熱転写シートにおいて、インキ
層中の非晶質有機高分子重合体の含有量は、25〜65
重量%(好ましくは、30〜50重量%)である。
【0026】本発明の感熱転写シートのインキ層には、
更に含窒素化合物が含有されていることが好ましい。含
窒素化合物としては、例えば、前記一般式(I)で表さ
れるアミド化合物、アミン類、後述する一般式(II)ま
たは(III)で表わされる第四級アンモニウム塩類、ヒド
ラジン類、芳香族アミン類、複素環芳香族化合物を挙げ
ることができる。これらのうちでは、前記一般式(I)
で表されるアミド化合物が好ましい。
【0027】以下に、含窒素化合物について更に詳しく
説明する。まず、一般式(I)で表わされるアミド化合
物について詳述する。一般式(I)において、R1 で表
わされるアルキル基は、炭素数8〜18(更に好ましく
は、炭素数12〜18)のアルキル基であることが好ま
しい。R2 で表わされるアルキル基は、炭素数1〜10
(更に好ましくは、炭素数1〜8)のアルキル基である
ことが好ましい。またR3 で表わされるアルキル基は、
炭素数1〜4(更に好ましくは、炭素数1〜3)のアル
キル基が好ましい。R3 は、水素原子であることも好ま
しい。
【0028】一般式(I)で表されるアミド化合物は、
例えばSchotten-Baumann法として知られているように、
アミンのアルカリ水溶液にハロゲン化アシルを添加して
反応させてアシル基を導入する方法により得られる。こ
の場合の反応条件は、アミンのアルカリ水溶液を氷冷
し、この溶液中にハロゲン化アシルを温度が15℃以下
に保つように滴下混合して反応させるような条件が選ば
れる。この際、アミン、アルカリ、ハロゲン化アシルの
当量比が1:1:1になるようにして生成する固体が、
アミド化合物である。
【0029】一方、水に難溶のアミンを使用するとき
は、エーテル溶液とし、アルカリの代わりにトリエチル
アミンに代表される第三アミンを加えた系で反応させる
こともできる。この場合は、アミンとトリエチルアミン
のエーテル溶液にハロゲン化アシルのエーテル溶液を滴
下混合して反応させるような反応条件が選ばれる。この
際、アミン、トリエチルアミン、ハロゲン化アシルの当
量比が1:1:1になるようにする。そして、生成する
固体がアミド化合物である。こうして得られたアミド化
合物は、必要に応じて再結晶による精製を行うことによ
り、より高純度のアミド化合物を得ることができる。
【0030】一般式(I)で表されるアミド化合物を生
成させるために使用するアミン及びハロゲン化アシルの
具体的な組み合わせとしては、表1に示されるものが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
【表1】 表1:アミン及びハロゲン化アシルの組み合わせの例 ──────────────────────────────────── ハロゲン化アシル アミン ──────────────────────────────────── CH3(CH2)5 CH( OH)(CH2)10COCl H2 NC24 0H CH3(CH2)5 CH( OH)(CH2)10COCl NH3 n−C919COCl CH3 NH2 n−C1531COCl CH3 NH2 n−C1735COCl CH3 NH2 n−C1735COCl C25 NH2 n−C1735COCl n−C49 NH2 n−C1735COCl n−C613NH2 n−C1735COCl n−C817NH2 n−C1735COCl H2 NC24 OC24 OH n−C1735COCl (CH3)2 NH n−C1735COCl (C25)2 NH ────────────────────────────────────
【0032】また、生成されるアミド化合物を示す一般
式(I)におけるR1 、R2 およびR3 の具体的な組み
合わせとしては、表2に示されるものが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0033】
【表2】 表2:R1 〜R3 の具体的組み合わせの例 ──────────────────────────────────── R123 ──────────────────────────────────── CH3(CH2)5 CH(OH)(CH2)1024 OH H CH3(CH2)5 CH(OH)(CH2)10 H H n−C919 CH3 H n−C1531 CH3 H n−C1735 CH3 H n−C173525 H n−C1735 n−C49 H n−C1735 n−C613 H n−C1735 n−C817 H n−C173524 OC24 OH H n−C1735 CH3 CH3 n−C17352525 ────────────────────────────────────
【0034】次に、一般式(II)で表わされる第四級ア
ンモニウム塩について述べる。
【0035】
【化3】 [式中、R4 は炭素数1〜18のアルキル基或はアリー
ル基を表わし、R5 、R6 およびR7 は、それぞれ独立
に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキ
ル基、またはアリール基を表わし、Xは陰イオンを表わ
す。] 一般式(II)において、R4 で表わされるアルキル基、
そしてR5 、R6 及びR7 で表わされるアルキル基は、
それぞれ炭素数1〜12(更に好ましくは、炭素数1〜
8)のアルキル基が好ましい。またアリール基として
は、例えば、フェニル基そしてナフチル基を挙げること
ができる。上記アルキル基およびアリール基は、置換基
を有していても良い。Xで表わされる陰イオンとして
は、ハロゲンイオンが好ましく、特に塩素イオン、臭素
イオンが好ましい。本発明において、一般式(II)で表
わされる第四級アンモニウム塩の例としては、アンモニ
ウムクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミ
ド、トリエチルメチルアンモニウムクロリドなどを挙げ
ることができる。
【0036】次に、一般式(III)で表わされる第四級ア
ンモニウム塩について述べる。
【0037】
【化4】 [式中、R8 、R9 、R10、R11、R12およびR13は、
それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜
12のアルキル基またはアリール基を表わし、R14は炭
素数1〜12のアルキレン基を表わし、Xは陰イオンを
表わす。] 上記一般式(III)で表わされる第四級アンモニウム塩
は、いわゆるビスタイプの第四級アンモニウム塩であ
り、その例としては、ヘキサメトニウムブロミド[すな
わち、ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウムブ
ロミド)]を挙げることができる。
【0038】本発明で用いられるアミン類としては、例
えば、シクロヘキシルアミン、トリオクチルアミン、エ
チレンジアミンを挙げることができる。本発明で用いら
れるヒドラジン類としては、例えば、ジメチルヒドラジ
ンを挙げることができる。本発明で用いられる芳香族ア
ミン類としては、例えば、p−トルイジン、N,N−ジ
メチルアニリン、N−エチルアニリンを挙げることがで
きる。本発明で用いられる複素環芳香族化合物として
は、例えば、N−メチルピロール、N−エチルピリジニ
ウムブロミド、イミダゾール、N−メチルキノリニウム
ブロミド及び2−メチルベンゾチアゾールを挙げること
ができる。
【0039】本発明に用いられる前記含窒素化合物は、
インキ層中に、0.1〜20重量%(好ましくは、1〜
10重量%)含有されている。また前記含窒素化合物の
使用量は、通常、感熱転写シート1m2 当たり0. 00
1g〜2gであり、好ましくは0. 01g〜0. 5gで
ある。
【0040】本発明の感熱転写シートのインキ層には、
熱印字の際のインキ層の支持体からの離型性及び熱感度
向上の観点から種々の離型剤や軟化剤をインキ層中に2
0重量%以下の量で加えることも可能である。具体的に
は、例えばパルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪
酸、ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩類、脂肪酸エ
ステル類もしくはその部分ケン化物、脂肪酸誘導体、高
級アルコール類、多価アルコール類のエテル等誘導体、
パラフィンワックス、カルナバワックス、モンタンワッ
クス、ミツロウ、木ロウ、キャンデリラワックス等のワ
ックス類、粘度平均分子量が約1、000から10、0
00程度の低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブチレン等のポリオレフイン類、或いはオレフイン、
αーオレフイン類と無水マレイン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸等の有機酸、酢酸ビニル等との低分子量共重合
体、低分子量酸化ポリオレフイン、ハロゲン化ポリオレ
フイン類、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタク
リレート等長鎖アルキル側鎖を有するメタクリル酸エス
テル、アクリル酸エステル又はパーフロロ基を有するア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル類の単独もし
くはスチレン類等のビニル系単量体との共重合体、ポリ
ジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等の低
分子量シリコーンレジン及びシリコーン変性有機物質
等、更には長鎖脂肪族基を有するアンモニウム塩、ピリ
ジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、或いは同様に長
鎖脂肪族基を有するアニオン、ノニオン界面活性剤、パ
ーフロロ系界面活性剤等を挙げることができる。これら
は、一種あるいは二種以上選択して用いることができ
る。
【0041】前記の顔料の非晶質有機高分子重合体への
分散に関しては、適切な溶剤を加えてボールミルをはじ
めとする、塗料分野で使用される種々の分散方法が適用
される。得られた分散液に、含窒素化合物、離型剤等を
加え、塗料を調製し、そしてこのようにして調製した塗
料を公知の方法で離型層上に塗布し、インキ層を形成す
ることができる。
【0042】本発明の感熱転写シートのインキ層は、層
厚が0.2μm〜1.0μm(好ましくは、0.2〜
0.6μm)の範囲にある。1.0μmよりも厚いイン
キ層の層厚では、面積階調再現性においてシャドウ部が
つぶれやすかったり、ハイライト部がとびやすかったり
して、結果的に階調再現性が劣ることなる。一方、層厚
が0.2μm未満では、目的の濃度を出すことが難しく
なる。
【0043】本発明の感熱転写シートのインキ層は主成
分が顔料と非晶質の有機高分子重合体であり、かつ従来
のワックス溶融型に比べ顔料比率も高く、通常の溶融型
に比べ熱転写時の粘度が102 〜103 cpsのように
低くなることはなく、150℃の温度において少なくと
も104 cpsよりも高い。このため、本発明の感熱転
写シートを用いた感熱転写による画像形成方法は、受像
シートへの熱接着性、あるいはカラー画像作成の場合は
インキ層間の熱接着性を利用した薄膜剥離現像タイプの
画像形成であるということもできる。このことがインキ
層の薄層化の効果とあいまって、高解像力性を維持した
上でシャドウ部からハイライト部に至る広い階調再現を
可能にし、かつエッジシャープネスを良好にし、更に1
00%の画像の転写を可能にする。これにより、例えば
4ポイントの小さな文字とベタ部の濃度の均一性さえも
再現することができる。
【0044】本発明の画像形成方法で利用する受像シー
トとしては、熱軟化性の合成紙やあるいは米国特許第4
482625号、同第4766053号、及び同第49
33258号各明細書などに記載の有機高分子重合体を
含む熱接着層を設けた受像シート技術の使用が可能であ
る。これら少なくとも有機高分子重合体を含む熱接着層
を設けた受像シートの支持体としては、紙、あるいはポ
リエステルフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリ
プロピレンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム等のプラ
スチックフイルム等を用いることができる。また、プル
ーフ用として使用する場合には、印刷本紙と同じ紙に画
像を形成するためにプラスチックフィルム上に形成され
た転写画像を印刷本紙に再転写して画像を形成させても
よい。
【0045】次に、本発明の画像形成方法について説明
する。本発明の画像形成方法は、前記構成を有する感熱
転写シート、及び前記のような受像シートを用いて、サ
ーマルヘッドプリンタを利用して実施することができ
る。サーマルヘッドプリンタを利用する場合には、本発
明の感熱転写シートのインキ層の上に前記のような受像
シートを重ね、感熱転写シートの背面からサーマルヘッ
ドを押し当て、印字した後、該転写シートの支持体を受
像シートから剥離することにより実施され、これによ
り、受像シート上にその光学反射濃度が1.0以上の面
積階調による転写画像を形成することができる。また、
上記のようにして得られた受像シート上の転写画像を更
に、別に用意した印刷本紙となる白色支持体に重ね、こ
の状態で加圧、加熱処理することによって、白色支持体
上に再転写画像を得ることができる。これにより、その
光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成される再転
写画像を形成することができる。上記の画像形成方法
は、具体的には、従来から感熱転写シートを用い、サー
マルヘッドプリンタを利用した画像形成方法として知ら
れている方法を利用して実施することができる。
【0046】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。 [実施例1] (離型層の作成)ポリメタクリ酸メチルの5重量%の溶
液(トルエン/メチルエチルケトン=80/20(容積
比)の混合溶媒)を調製した。これを離型層形成用の塗
布液とした。得られた塗布液を厚み5μmのポリエステ
ルフィルム(帝人(株)製)に回転塗布機(ホワイラ
ー)を使用して、乾燥層厚が0. 2μmになるように塗
布、乾燥し、離型層を形成した。
【0047】(感熱転写シートの作成)それぞれ下記の
組成を有する四種類のインキ層用顔料・非晶質有機高分
子重合体分散液A、B、CおよびDを調製した。 ポリビニルブチラール 12重量部 (デンカブチラール#2000−L、電気化学工業(株)製) 顔料 (単位:重量部) A B C D シアン顔料(C. I. PB. 15:4) 12 − − − マゼンタ顔料(C. I. PR. 57:1) − 12 − − イエロー顔料(C. I. PY. 14) − − 12 − ブラック顔料(CB−100) − − − 15.6 分散助剤 0. 8重量部 (ソルスパースS−20000、ICIジャパン(株)製) 溶剤(n−プロピルアルコール) 110重量部
【0048】上記のA、B、C、およびDの分散液の各
々10重量部に対して、N−ヒドロキシエチル−12−
ヒドロキシステアリン酸アミドを0. 24重量部、そし
てシクロヘキサノン20重量部、およびメチルエチルケ
トン40重量部を加えて塗布液A、B、C、およびDと
し、前記の離型層の上に回転塗布機(ホワイラー)を使
用して、乾燥層厚が、塗布液Aが0. 36μm、塗布液
Bが0. 38μm、塗布液Cが0. 42μm、そして塗
布液Dが0. 40μmになるようにそれぞれ塗布し、シ
アン感熱転写シート、マゼンタ感熱転写シート、イエロ
ー感熱転写シート、そしてブラック感熱転写シートをそ
れぞれ作成した(サンプル1)。使用したシアン顔料の
粒度(粒径)分布を図1に、マゼンタ顔料の粒度分布を
図2に、そしてイエロー顔料の粒度分布を図3に示す。
なお、ブラック顔料の粒度分布は、上記のものとほぼ同
じであった。
【0049】[実施例2]実施例1の離型層の作成にお
いて、ポリメタクリル酸メチルの代わりに、ポリ塩化ビ
ニリデンを使用した以外は、同様にしてそれぞれの色に
対応する感熱転写シートを作成した(サンプル2)。
【0050】[比較例1]実施例1の感熱転写シートの
作成において、離型層を設けなかった以外は、同様にし
てそれぞれの色に対応する感熱転写シートを作成した
(比較対照のサンプル)。
【0051】(受像シートの作成)下記の組成を有する
受像第一層形成用の塗布液及び受像第二層形成用の塗布
液を調製した。 受像第一層用塗布液 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 25重量部 (MPR−TSL、日信化学(株)製) ジブチルオクチルフタレート 12重量部 (DOP、大八化学(株)製) 界面活性剤 4重量部 (メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) 溶剤(メチルエチルケトン) 75重量部
【0052】 受像第二層用塗布液 ポリビニルブチラール 16重量部 (デンカブチラール#2000−L、電気化学工業(株)製) N, N−ジメチルアクリルアミド/ブチル アクリレート共重合体 4重量部 界面活性剤 0. 5重量部 (メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) 溶剤(n−プロピルアルコール) 200重量部
【0053】厚さ100μmのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム支持体の上に、回転塗布機を使
用して上記の受像第一層形成用塗布液を300rpmで
塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥した。得ら
れた受像第一層の層厚は20μmであった。さらに受像
第一層の上に、回転塗布機を使用して受像第二層用塗布
液を200rpmで塗布し、100℃のオーブン中で2
分間乾燥した。得られた受像第二層の層厚は2μmであ
った。
【0054】[サーマルヘッドを利用した画像形成およ
びその評価]前記で得た感熱転写シート(サンプル1〜
2および比較対照サンプル)と受像シートとを用い、以
下の手順で画像形成方法を実施した。まず、シアン感熱
転写シートと受像シートとを重ね合せ、副走査分割法に
よるサーマルヘッド記録装置により感熱印字した。この
原理は75μm×50μmのヘッドを50μm方向に、
微小送り3μmピッチでオンオフすることにより、面積
階調のみの多段階記録を行う方式である。次いで、シア
ン感熱転写シートのポリエステルフィルム(支持体)を
剥離し、受像シート上に面積階調のみよりなる画像を形
成させた。次にマゼンタ感熱転写シートを、シアン画像
が形成されている受像シートの上に重ね合せ、位置を合
わせて同様に印字し、該マゼンタ転写シートのポリエス
テルフィルムを剥離することにより、受像シート上にマ
ゼンタ画像を形成した。さらに同様にしてマゼンタ画像
の上に、イエロー画像を形成させ、そしてさらに同様に
してイエロー画像の上に、ブラック画像を形成させ受像
シート上に面積階調のみよりなるカラー画像(フルカラ
ー画像)を形成した。
【0055】次に、カラー画像が形成された上記受像シ
ートを、アート紙と重ね合せ、4.5kg/cm2 の圧
力、130℃、4m/秒のスピードで熱ローラーを通し
たのち、受像シートのポリエステルフィルムを剥がし取
って、転写インク画像を載せた受像第二層をアート紙上
に残し、カラー画像を得た。なお、得られたカラー画像
における各単色の反射濃度は下記の通りであった。 光学濃度(ベタ部) シアン 1. 53 マゼンタ 1. 43 イエロー 1. 58
【0056】以上の画像形成に際して、印字走行時に発
生する音(走行音)について10人による官能評価を行
った。また、得られたカラー画像に対して、感度、階調
再現性、そして見当精度について評価した。感度は、得
られた画像のグレースケール部分の濃い、薄いで判断し
た(即ち、同じ出力で記録した場合、感度が高いとその
部分のドットが大きくなり、網点画像の濃度が高くな
る)。評価は、感度、走行音および階調再現性について
は、以下のような相対評価で行った。すなわち、比較対
照のサンプルを用いて得られたカラー画像を標準(C
C)に、以下の基準で評価した。 AA BB 感度:比較対照に比べ非常に高い。 比較対照に比べ高い。 階調再現性:比較対照に比べ非常に良好。 比較対照に比べ良好。 走行音:比較対照に比べ非常に小さい。 比較対照に比べ小さい。 また、見当精度については、A3サイズの画面の四隅に
トンボの入った画像を出力し、各色間のズレ量を測定
し、その平均値を求め、評価した。結果を表3に示す。
【0057】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 離型層の構成 感度 階調 走行音 見当精度 再現性 (μm) ──────────────────────────────────── サンプル1 ポリメタクリル酸メチル AA AA AA 20 サンプル2 ポリ塩化ビニリデン AA AA AA 30 ──────────────────────────────────── 比較対照 離型層なし CC CC CC 50 サンプル ────────────────────────────────────
【0058】上記表3の結果から、離型層を設けること
により、感度、階調再現性などの性能が改良されると共
に、走行音も低減され、また位置ズレも少なく、画質の
高いカラー画像を得ることができることがわかる。さら
に、得られたカラー画像は、紙の凹凸に追随した画像表
面がマット化され、表面光沢が印刷物に非常に近似した
画像であった。
【0059】
【発明の効果】本発明の離型層を有する感熱転写シート
は、離型層を設けたことにより、インキ層の移行性が向
上するため、非常に高感度になる。また本発明の離型層
を有する感熱転写シートを用いることにより、画像形成
時の走行音の低減化が図れる。また得られる転写画像
は、面積階調のみで構成され、優れた階調再現性を有し
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたシアン顔料の粒度分布を示す
グラフである。グラフの横軸は粒子径(μm)を、そし
て左縦軸は各粒径の粒子の%、そして右縦軸は累積%を
示す。
【図2】実施例1で用いたマゼンタ顔料の粒度分布を示
すグラフである。グラフの表示方法は図1と同じであ
る。
【図3】実施例1で用いたイエロー顔料の粒度分布を示
すグラフである。グラフの表示方法は図1と同じであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7416−2H B41M 5/26 J B41J 3/20 115D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体、離型層、そして顔料及び軟化点
    が40℃〜150℃の温度範囲にある非晶質有機高分子
    重合体をそれぞれ30〜70重量%及び25〜65重量
    %%含み、層厚が0.2μm〜1.0μmの範囲に有る
    インキ層をこの順に有する感熱転写シート。
  2. 【請求項2】 インキ層中の顔料の70重量%以上のも
    のの粒径が0.1〜1.0μmの範囲にある請求項1に
    記載の感熱転写シート。
  3. 【請求項3】 離型層が、ポリメタクリル酸メチル、ポ
    リ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル及びニトロセルロー
    スからなる群より選ばれる高分子重合体からなる層であ
    る請求項1に記載の感熱転写シート。
  4. 【請求項4】 インキ層中に、更に含窒素化合物が含有
    されており、該含窒素化合物が一般式(I): 【化1】 [式中、R1 は炭素数8〜24のアルキル基を表し、R
    2 及びR3 はそれぞれ独立に水素原子もしくは炭素数1
    〜12のアルキル基を表す;ただし、いずれのアルキル
    基も、エーテル結合を含むか、あるいはヒドロキシ基で
    置換されていてもよく、また、R2 及びR3 がともに水
    素原子の場合には、R1 のアルキル基は少なくとも一つ
    のエーテル結合もしくはヒドロキシ基を含む。]で表わ
    されるアミド化合物である請求項1に記載の感熱転写シ
    ート。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の感熱転写シートのイン
    キ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シートの背面か
    らサーマルヘッドを押し当て、受像シート上に光学反射
    濃度が1.0以上の面積階調で構成される転写画像を形
    成することからなる画像形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の感熱転写シートのイン
    キ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シートの背面か
    らサーマルヘッドを押し当て、受像シート上に面積階調
    で構成される転写画像を転写し、次いで、該受像シート
    上の転写画像を、別に用意した白色支持体の上に再転写
    して、該白色支持体上に光学反射濃度が1.0以上の面
    積階調で構成される転写画像を形成することからなる画
    像形成方法。
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