JP3647925B2 - 感熱転写シートおよび画像形成方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、インキ層を有する感熱転写シートおよびその感熱転写シートを用いる画像形成方法に関し、特に、サーマルヘッドプリンタやレーザ光を用いて、インキ層を受像シート上に、面積階調記録により画像様に転写し、高品質の多階調のカラー画像(フルカラー画像)を形成するために有用な感熱転写シートおよびこれを用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、サーマルヘッドプリンタを使用してカラー画像を形成する感熱転写記録方式としては、昇華型染料転写方式と熱溶融型転写方式とが知られている。
昇華型染料転写方式は、昇華型染料と結合剤とからなる転写層を支持体上に設けた転写シートを受像シートと重ね、転写シートの支持体の裏側からサーマルヘッドにより画像様に熱を与え、昇華型染料を昇華させて受像シートに転写し、受像シート上に画像を形成する方式である。この方法において、イエロー、マゼンタ、シアンの各々の昇華型染料を有する転写シートを使用することにより、カラー画像(フルカラー画像)を形成することも出来る。
【0003】
しかしながら、昇華型染料方式は以下のような欠点を有している。
(1)画像の階調表現が主として濃度階調(染料の種類あるいは量を制御)を利用するもので有り、写真に類似する階調の画像を得ることを目的とする場合には適しているが、例えば面積階調(多値記録)のみで階調表現をする印刷分野で使用されているカラープルーフ用には適していない。
(2)画像形成が染料の昇華を利用しているため、出来上がり画像のエッジシャープネスが充分となりにくく、また太線に比べ細線のベタ濃度が薄くなる傾向がある。これらは文字画像の品質に関して重大な欠点となる。
(3)画像の耐久性が劣るので、耐熱性や耐光性を要求する分野への利用が制限される。
(4)感熱記録感度が熱溶融型転写方式に比べ低いため、将来実用が期待されている高解像力サーマルヘッドを用いる高速記録材料としては適していない。
(5)熱溶融型転写材料に比べ転写材料が高価である。
【0004】
一方、熱溶融型転写方式は、支持体上に顔料や染料などの色材とワックスなどの結合剤からなる熱溶融性のインキ転写層を設けた感熱転写シートを用意し、これを受像シートと重ね、転写シートの支持体の裏側からサーマルヘッドにより画像様に熱を与え、該転写層を溶融して受像シート上に転写融着させて画像を形成する方式である。
熱溶融型転写方式は昇華型染料転写方式に比べて、感熱感度が高い、材料が安価である、また画像の耐光性が優れている等の利点を有しているものの、次のような欠点を有している。すなわち、熱溶融転写方式の大きな欠点は、昇華型染料転写方式に比べカラー画像の品質が劣ることである。これは、この方式による一般的な記録方式が濃度階調記録による階調再現ではなく、二値記録であることによる。勿論、熱溶融転写方式において、二値記録を利用せず、多階調のカラー画像を形成することを目的に、濃度階調記録を達成するためのインキ転写層の改良の提案が種々なされてきた。しかしながら、これらの改良の考え方の基本は、サーマルヘッドによる加熱でインキ層の結合剤が溶融して粘度が低下する結果、受像シートへの粘着力が増加して転写する特性を利用し、サーマルヘッドの昇温を制御して、インキ層内部の凝集破壊を制御し、これによりインキ層の転写量を制御すること、すなわち熱転写記録のガンマ特性を軟調化することによって多階調記録を行なうことに有る。しかし、このような方式を利用しても、熱溶融転写方式は昇華染料転写方式に比べ、多階調性の点において劣っている。また、一般に細線などの画像濃度の再現性についても熱溶融転写方式は劣るとされている。
【0005】
また熱溶融型転写方式では、通常低融点の結晶性ワックスをインキ層の結合剤として用いているため、熱印字の際の感熱転写シート中でのインキのニジミによって、解像力の低下が発生しやすく、また転写画像の定着強度が不充分となりやすいことも問題となる。更には、結晶性ワックス類は結晶相の光散乱により透明な画像を得難いという欠点を有している。このことは、イエロー画像、マゼンタ画像、シアン画像などの重なり画像としてのフルカラー画像を形成する場合には大きな欠点となる。さらに、インキ層総量に対する顔料比率が高い場合にも、このようなフルカラー画像の透明性の低下が発生しやすい。従って、特公昭63−65029号公報に述べられているごとく、通常着色剤はインキ層の総量100重量部に対して20重量部以下で用いられ、これ以上で使用される場合は透明性が低下する。
【0006】
熱溶融転写方式のカラー画像の色再現を改良するためには、種々の提案がなされてきた。例えば、特開昭61−244592号公報(特公平5−13072号公報)には、連続階調性(濃度階調性)を持続した上で透明性、定着画像強度等を改良する目的で、65重量%以上の非晶質ポリマーと離型性物質と着色剤(染料や顔料)よりなる感熱インキ層を有する感熱転写シートが提案されている。この公報には、非晶質ポリマーが65重量%より少ない場合には感熱転写シートの透明性が著しく悪化し、良好なカラー再現性が得られず、特に良好な透明性を得るには、非晶質ポリマーの含有量は70重量%が必要であると述べられている。そして透明性を維持する上での感熱インキ層に含有される着色剤は20重量%が限度であり、また実用上必要な画像濃度や画像強度を得るためには、感熱インキ層の層厚は通常1μm〜20μmが好ましいとされ、実施例では、感熱インキ層の層厚として3μmが採用されている。なお、この公報には、その発明の感熱転写シート(感熱記録材料)は、二値記録や多値記録にも使用できる旨の示唆がある。
しかしながら、本発明者の検討によると、上記の公報に記載の感熱転写シートを用いる連続階調記録も、その濃度階調の連続性および安定性の面で充分に満足できるものとはいえない。一方、上記の感熱転写シートを用いて得られる多値転写画像や二値転写画像においては、充分な濃度階調が得られにくい上に、透明性(特にフルカラー画像の透明性)が充分でなく、またエッジシャープネスについても充分満足できるものとはいえない。
【0007】
一方、感熱転写方式において、面積階調を利用する多値記録(すなわち、面積が種々異なるドットを利用して記録を行なう画像形成、VDS:バリアブル・ドット・システム)で多階調のフルカラー画像を得る方法が既に知られている。そして、この面積階調を利用する多値記録に使用するための感熱転写シートは下記のような特性を有していることが望ましいことも知られている。
(1)各色とも所定の画像濃度が有ること。特にプルーフ用途などの点から最終的に得られるシアン、マゼンタおよびイエロー画像濃度(白色支持体上での再転写画像濃度)はその光学反射濃度がそれぞれ少なくとも1.0以上有ることが必要であり、1.2以上、特に1.4以上であることが望ましいとされている。そして、特にブラックに関しては1.5以上有ることが望ましいとされている。従って、感熱転写シートは、このような高濃度の画像を形成できるものであることが望まれる。
(2)階調再現性に優れていること。
(3)線あるいは点の画像のエッジシャープネスに優れたドット形状を形成できるもの。
(4)転写されたインキ層の透明性が高いこと。
(5)高感度であること。
(6)印刷本紙(通常はコート紙などの白色支持体)に転写された画像が、質感、画像の光沢度等において印刷物に高い近似性を示すこと。
【0008】
なお、近年において感熱転写シートへの熱供給手段としてのサーマルヘッドプリンタの技術的進歩は著しい。そして、サーマルヘッドそのものの高解像力化を可能とし、かつ面積階調で多階調記録を可能にする印字方式としては、特開平4−19163号公報、及び特開平5−155057号公報に記載の副走査分割方式や、「電子写真学会年次大会1992/7/6予稿集」に記載の熱集中型方式などが提案されている。
また、感熱転写シートを用いて転写画像を形成する方法としては、近年、レーザービームを用いる方法、すなわちデジタル画像形成方法が開発されている。この方法は、感熱転写シートのインキ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シートの背面からデジタル信号により変調されたレーザービームを照射し、受像シート上に転写画像を形成する方法(この転写画像は、さらに他のシート上に再転写させることもできる)である。なお、この場合、レーザービームの光エネルギーを高効率で熱エネルギーに変換するために、インキ層と支持体との間に、カーボンブラック層、金属薄膜などからなる光熱変換層を設けることも一般的に行なわれている。そして、さらに、転写画像の画質(特に画像の濃度均一性やエッジシャープネスなど)を向上させるために、インキ層を、溶融転写によることなく、局所的に剥離(離脱)させて受像シートに転写させる、いわゆるアブレーション法も利用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本願出願人は、特に面積階調による多階調転写方式に適した感熱転写シートに関する発明について、既に特許出願した(特願平5−263695号出願)。
上記の特許出願の感熱転写シートを使用することにより、面積階調のみの顔料転写方式で多階調高品質カラー画像やモノクロ画像が得られ、通常の画像形成のみならず印刷分野におけるカラープルーフ、版下原稿あるいは顔料の耐久性を生かして、カード分野や屋外ディスプレー分野やメーターディスプレィ分野などへの展開も可能になった。
【0010】
しかしながら、上記のような優れた性能を有する感熱転写シートにおいても更に改良の余地があり、例えば、転写画像のエッジシャープネス、形成されるドット形状、また階調再現性などについて更なる改良が望ましいことがわかった。またプルーフ用途などの場合には、上記の感熱転写シートを用いて最終的に得られる再転写画像(受像シート上に形成された転写画像を別の印刷本紙に再転写して形成された画像)は、印刷本紙の材料や転写する環境によってその転写性が影響を受け、特に低湿度下では部分的に転写不良が発生する場合があることもわかった。
【0011】
従って、本発明の目的は、多階調転写方式に適し、上記(1)〜(6)に示すような要件を満たす優れた特性を有する感熱転写シートを提供することであり、特に本発明では、良好なドット形状を有し、階調再現性が良く、また印刷物に近似した画像を与える感熱転写シート、およびこれを用いる画像形成方法を提供することである。
また本発明の目的は、得られる再転写画像がその材質(転写される支持体の材質)や転写環境に左右されることなく、良好な画像特性を示す感熱転写シート、およびこれを用いる画像形成方法を提供することでもある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような良好な性能を有する感熱転写シートを求めて鋭意研究を重ねた結果、従来の昇華染料感熱転写方式や溶融転写方式に対して、本発明の熱接着薄膜剥離方式とでもいうべき方式、すなわち、顔料を高濃度に含有した薄膜インキ層を剥離転写する方式を利用し、かつ感熱インキ層中に含窒素化合物を使用することにより、飛躍的に画質(特にドット品質、階調再現性)を改良でき、また転写環境、転写される支持体の支持体にあまり影響されることなく、良好な転写画像が得られることを見い出し、本発明に到達したものである。
【0013】
本発明は、顔料30〜70重量%そして軟化点が40〜150℃の温度範囲にある非晶質有機高分子重合体25〜65重量%を含む層厚が0.2〜1.0μmの範囲にあるインキ層を有する感熱転写シートであって、該インキ層中の顔料の70重量%以上のものの粒径が0.1〜1.0μmの範囲にあり、さらに0.1〜20重量%の後記の一般式(I)、( II )および( III )のいずれかで表わされるアミド化合物もしくは第四級アンモニウム塩から選ばれる含窒素化合物を含むことを特徴とする感熱転写シートにある。
【0014】
また本発明は、上記の感熱転写シートのインキ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シートの背面からサーマルヘッドを押し当て、受像シート上に光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成される転写画像を形成することからなる画像形成方法にもある。
【0015】
さらに本発明は、上記の感熱転写シートのインキ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シートの背面からサーマルヘッドを押し当て、受像シート上に面積階調で構成される画像を転写し、次いで、該受像シート上の転写画像を、別に用意した白色支持体の上に再転写して、該白色支持体上に光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成された転写画像を形成することからなる画像形成方法にもある。
【0016】
また、本発明は、上記の感熱転写シートのインキ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シートの背面からデジタル信号により変調されたレーザービームを照射し、受像シート上に光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成される転写画像を形成することからなる画像形成方法にもある。
【0017】
本発明は又、上記の感熱転写シートのインキ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シートの背面からデジタル信号により変調されたレーザービームを照射し、アブレーション法により、受像シート上に光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成される転写画像を形成することからなる画像形成方法にもある。
【0018】
本発明は、以下の態様であることが好ましい。
(1)インキ層中の顔料の70重量%以上のものの粒径が0.1〜1.0μmの範囲にある。
(2)インキ層中の含窒素化合物が一般式(I)で表わされるアミド化合物である。
【0019】
【化4】
[式中、R1 は炭素数8〜24のアルキル基を表し、R2 及びR3 はそれぞれ独立に水素原子もしくは炭素数1〜12のアルキル基を表す;ただし、いずれのアルキル基も、エーテル結合を含むか、あるいはヒドロキシ基で置換されていてもよく、また、R2 及びR3 がともに水素原子の場合には、R1 のアルキル基は少なくとも一つのエーテル結合もしくはヒドロキシ基を含む。]
(3)インキ層中の含窒素化合物が一般式(II)で表わされる第四級アンモニウム塩である。
【0020】
【化5】
[式中、R4 は炭素数1〜18のアルキル基或はアリール基を表わし、R5 、R6 およびR7 は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、またはアリール基を表わし、Xは陰イオンを表わす。]
で表わされる第四級アンモニウム塩である。
(4)インキ層中の含窒素化合物が一般式(III)で表わされる第四級アンモニウム塩である。
【0021】
【化6】
[式中、R8 、R9 、R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基またはアリール基を表わし、R14は炭素数1〜12のアルキレン基を表わし、Xは陰イオンを表わす。]
で表わされる第四級アンモニウム塩である。
【0022】
(5)前記非晶質有機高分子重合体が、ブチラール樹脂あるいはスチレン/マレイン酸半エステル樹脂である。
(6)インキ層の層厚が、0.2〜0.6μmの範囲にある。
【0023】
以下、本発明の感熱転写シートについて説明する。
本発明の感熱転写シートは、前述のように、顔料、軟化点が40℃〜150℃の温度範囲にある非晶質有機高分子重合体、そして含窒素化合物を、それぞれ、30〜70重量%、25〜65重量%、そして0.1〜20重量%含み、膜厚が0.2μm〜1.0μmの範囲に有るインキ層を有する構成である。この本発明の感熱転写シートは、感熱転写により、特に面積階調による多階調の画像(特にフルカラー画像)を形成するのに有利に用いられるが、二値記録にも利用することができることは勿論である。
【0024】
なお、本発明の感熱転写シートにおける含窒素化合物の使用によって、特に良好な転写画像が形成される理由は必ずしも明らかではないが、その転写性については、再転写画像を形成するための印刷本紙(アート紙など)には、通常クレー等のサイズ剤が含有されており、これらのサイズ剤と高い親和性のある含窒素化合物との間で相互作用が生じて転写性が向上し、転写環境の影響が低減されるものと考えられる。
【0025】
本発明の感熱転写シートは、顔料、非晶質有機高分子重合体、そして含窒素化合物を含むインキ層を支持体上に有する。
感熱転写シートの支持体としては、従来の溶融転写や昇華転写用感熱転写シートの支持体として公知の種々の支持体が使用されるが、通常のサーマルヘッド転写シートと同様に裏面に離型処理を施した、厚み5μm前後のポリエステルフイルムが特に好ましい。
【0026】
本発明の感熱転写シートのインキ層に含まれる顔料としては、種々の公知の顔料が使用でき、例えばカーボンブラック、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、イソインドリノン系等の顔料が挙げられる。
これらは二種類以上組み合わせて使用することも可能であり、また色相調整のため公知の染料を添加してもよい。
本発明の感熱転写シートにおいて、薄膜で所定の濃度を出すためには、インキ層中の顔料の含有量は、30重量%〜70重量%(好ましくは、30〜50重量%)である。顔料比率が30重量%未満では上記所定の膜厚で濃度を出すことが困難になる。
また本発明において、顔料の粒径は、顔料の70重量%以上が0.1〜1.0μmの範囲にあることが好ましい。粒径が大きい場合にはカラー再現性時の各色の重なり部の透明性が損なわれやすく、かつ先の層厚と濃度の関係の両者を満たすことが困難になる場合がある。
【0027】
本発明の感熱転写シートのインキ層に含まれる軟化点が40℃〜150℃の非晶質有機高分子重合体としては、例えばブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、石油樹脂、スチレン、αーメチルスチレン、2ーメチルスチレン、クロルスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノスチレン等のスチレン及びその誘導体、置換体の単独重合体や共重合体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、αーエチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル及びアクリル酸、ブタジエン、イソジエン、イソプレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、マレイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレイン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体の単独あるいは他の単量体等の共重合体を挙げることができる。これらの樹脂は二種以上混合して用いることもできる。
これらのうち、分散性の観点からブチラール樹脂やスチレン/マレイン酸半エステル樹脂等が好ましい。これら樹脂の軟化点は40℃〜150℃の範囲で選ばれる。150℃を越えると熱記録感度が低くなり易く、他方40℃未満ではインキ層の耐接着性が劣る傾向にある。
なお、ブチラール樹脂の具体例としては、デンカブチラール#2000−L(重合度:約300)、#4000−1(重合度:約920)(以上、電気化学工業(株)製))、エスレックBX−10(Tg:74℃、重合度:80、アセタール化度:69モル%)、エスレックBL−S(Tg:61℃、エタトル粘度:12cps、以上積水化学(株)製)を挙げることができる。
【0028】
本発明の感熱転写シートにおいて、インキ層中の非晶質有機高分子重合体の含有量は、25〜65重量%(好ましくは、30〜50重量%)である。
【0029】
本発明で用いられる含窒素化合物としては、例えば、前記一般式(I)で表されるアミド化合物、アミン類、前記一般式(II)または(III)で表わされる第四級アンモニウム塩類、ヒドラジン類、芳香族アミン類、複素環芳香族化合物を挙げることができる。これらのうちでは、前記一般式(I)で表されるアミド化合物および前記一般式(II)または(III)で表わされる第四級アンモニウム塩が好ましい。
【0030】
以下に、含窒素化合物について更に詳しく説明する。
まず、一般式(I)で表わされるアミド化合物について詳述する。
一般式(I)において、R1 で表わされるアルキル基は、炭素数8〜18(更に好ましくは、炭素数12〜18)のアルキル基であることが好ましい。R2 で表わされるアルキル基は、炭素数1〜10(更に好ましくは、炭素数1〜8)のアルキル基であることが好ましい。またR3 で表わされるアルキル基は、炭素数1〜4(更に好ましくは、炭素数1〜3)のアルキル基が好ましい。R3 は、水素原子であることも好ましい。
【0031】
一般式(I)で表されるアミド化合物は、例えばSchotten-Baumann法として知られているように、アミンのアルカリ水溶液にハロゲン化アシルを添加して反応させてアシル基を導入する方法により得られる。この場合の反応条件は、アミンのアルカリ水溶液を氷冷し、この溶液中にハロゲン化アシルを温度が15℃以下に保つように滴下混合して反応させるような条件が選ばれる。この際、アミン、アルカリ、ハロゲン化アシルの当量比が1:1:1になるようにして生成する固体が、アミド化合物である。
【0032】
一方、水に難溶のアミンを使用するときは、エーテル溶液とし、アルカリの代わりにトリエチルアミンに代表される第三アミンを加えた系で反応させることもできる。この場合は、アミンとトリエチルアミンのエーテル溶液にハロゲン化アシルのエーテル溶液を滴下混合して反応させるような反応条件が選ばれる。この際、アミン、トリエチルアミン、ハロゲン化アシルの当量比が1:1:1になるようにする。そして、生成する固体がアミド化合物である。こうして得られたアミド化合物は、必要に応じて再結晶による精製を行うことにより、より高純度のアミド化合物を得ることができる。
【0033】
本発明のアミド化合物を生成させるために使用するアミン及びハロゲン化アシルの具体的な組み合わせとしては、表1に示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
【表1】
【0035】
また、生成されるアミド化合物を示す一般式(I)におけるR1 、R2 およびR3 の具体的な組み合わせとしては、表2に示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
【表2】
【0037】
次に、一般式(II)で表わされる第四級アンモニウム塩について述べる。
一般式(II)において、R4 で表わされるアルキル基、そしてR5 、R6 及びR7 で表わされるアルキル基は、それぞれ炭素数1〜12(更に好ましくは、炭素数1〜8)のアルキル基が好ましい。またアリール基としては、例えば、フェニル基そしてナフチル基を挙げることができる。上記アルキル基およびアリール基は、置換基を有していても良い。Xで表わされる陰イオンとしては、ハロゲンイオンが好ましく、特に塩素イオン、臭素イオンが好ましい。
本発明において、一般式(II)で表わされる第四級アンモニウム塩の例としては、アンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、トリエチルメチルアンモニウムクロリドなどを挙げることができる。
次に、一般式(III)で表わされる第四級アンモニウム塩は、いわゆるビスタイプの第四級アンモニウム塩であり、その例としては、ヘキサメトニウムブロミド[すなわち、ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウムブロミド)]を挙げることができる。
【0038】
本発明で用いられるアミン類としては、例えば、シクロヘキシルアミン、トリオクチルアミン、エチレンジアミンを挙げることができる。
本発明で用いられるヒドラジン類としては、例えば、ジメチルヒドラジンを挙げることができる。
本発明で用いられる芳香族アミン類としては、例えば、p−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルアニリンを挙げることができる。
本発明で用いられる複素環芳香族化合物としては、例えば、N−メチルピロール、N−エチルピリジニウムブロミド、イミダゾール、N−メチルキノリニウムブロミド及び2−メチルベンゾチアゾールを挙げることができる。
【0039】
本発明に用いられる前記含窒素化合物は、インキ層中に、0.1〜20重量%(好ましくは、1〜10重量%)含有されている。
また前記含窒素化合物の使用量は、通常、感熱転写シート1m2 当たり0. 001g〜2gであり、好ましくは0. 01g〜0. 5gである。
【0040】
本発明の感熱転写シートのインキ層には、熱印字の際のインキ層の支持体からの離型性及び熱感度向上の観点から種々の離型剤や軟化剤をインキ層中に20重量%以下の量で加えることも可能である。
具体的には、例えばパルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、脂肪酸誘導体、高級アルコール類、多価アルコール類のエテル等誘導体、パラフィンワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ミツロウ、木ロウ、キャンデリラワックス等のワックス類、粘度平均分子量が約1、000から10、000程度の低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフイン類、或いはオレフイン、αーオレフイン類と無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の有機酸、酢酸ビニル等との低分子量共重合体、低分子量酸化ポリオレフイン、ハロゲン化ポリオレフイン類、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等長鎖アルキル側鎖を有するメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル又はパーフロロ基を有するアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル類の単独もしくはスチレン類等のビニル系単量体との共重合体、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等の低分子量シリコーンレジン及びシリコーン変性有機物質等、更には長鎖脂肪族基を有するアンモニウム塩、ピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、或いは同様に長鎖脂肪族基を有するアニオン、ノニオン界面活性剤、パーフロロ系界面活性剤等を挙げることができる。これらは、一種あるいは二種以上選択して用いることができる。
【0041】
前記の顔料の非晶質有機高分子重合体への分散に関しては、適切な溶剤を加えてボールミルをはじめとする、塗料分野で使用される種々の分散方法が適用される。得られた分散液に、含窒素化合物、離型剤等を加え、塗料を調製し、そしてこのようにして調製した塗料を公知の方法で支持体上に塗布し、インキ層を形成することができる。
【0042】
本発明の感熱転写シートのインキ層は、層厚が0.2μm〜1.0μm(好ましくは、0.2〜0.6μm)の範囲にある。1.0μmよりも厚いインキ層の層厚では、面積階調再現性においてシャドウ部がつぶれやすかったり、ハイライト部がとびやすかったりして、結果的に階調再現性が劣ることなる。一方、層厚が0.2μm未満では、目的の濃度を出すことが難しくなる。
【0043】
本発明の感熱転写シートのインキ層は主成分が顔料と非晶質の有機高分子重合体であり、かつ従来のワックス溶融型に比べ顔料比率も高く、通常の溶融型に比べ熱転写時の粘度が102 〜103 cpsのように低くなることはなく、150℃の温度において少なくとも104 cpsよりも高い。このため、本発明の感熱転写シートを用いた感熱転写による画像形成方法は、受像シートへの熱接着性、あるいはカラー画像作成の場合はインキ層間の熱接着性を利用した薄膜剥離現像タイプの画像形成であるということもできる。このことがインキ層の薄層化の効果とあいまって、高解像力性を維持した上でシャドウ部からハイライト部に至る広い階調再現を可能にし、かつエッジシャープネスを良好にし、更に100%の画像の転写を可能にする。これにより、例えば4ポイントの小さな文字とベタ部の濃度の均一性さえも再現することができる。
【0044】
本発明の画像形成方法で利用する受像シートとしては、熱軟化性の合成紙やあるいは米国特許第4482625号、同第4766053号、及び同第4933258号各明細書などに記載の有機高分子重合体を含む熱接着層を設けた受像シート技術の使用が可能である。これら少なくとも有機高分子重合体を含む熱接着層を設けた受像シートの支持体としては、紙、あるいはポリエステルフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム等のプラスチックフイルム等を用いることができる。また、プルーフ用として使用する場合には、印刷本紙と同じ紙に画像を形成するためにプラスチックフィルム上に形成された転写画像を印刷本紙に再転写して画像を形成させてもよい。
【0045】
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法は、前記構成を有する感熱転写シート、及び前記のような受像シートを用いて、サーマルヘッドプリンタやレーザ光を利用して実施することができる。
まず、サーマルヘッドプリンタを利用する場合には、本発明の感熱転写シートのインキ層の上に前記のような受像シートを重ね、感熱転写シートの背面からサーマルヘッドを押し当て、印字した後、該転写シートの支持体を受像シートから剥離することにより実施され、これにより、受像シート上にその光学反射濃度が1.0以上の面積階調による転写画像を形成することができる。
また、上記のようにして得られた受像シート上の転写画像を更に、別に用意した印刷本紙となる白色支持体に重ね、この状態で加圧、加熱処理することによって、白色支持体上に再転写画像を得ることができる。これにより、その光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成される再転写画像を形成することができる。上記の画像形成方法は、具体的には、従来から感熱転写シートを用い、サーマルヘッドプリンタを利用した画像形成方法として知られている方法を利用して実施することができる。
【0046】
また、レーザ光を用いて本発明の画像形成方法を実施する場合には、上記の画像形成方法において、サーマルヘッドの代わりに、レーザ光を画像様に照射することにより実施できる。レーザ光を用いる画像形成方法としては、例えば、米国特許第5352562号明細書、及び特開平6−219052号公報などに開示されている所謂「アブレーション」を利用した画像形成方法が利用できる。この特開平6−219052号公報に記載の画像形成方法は、具体的には、支持体とインキ層(画像形成層)との間にレーザ光を吸収して熱に変換する層(光熱変換層)及びこの光熱変換層で発生した熱の作用により気体を発生させる感熱材料を含む層(感熱剥離層)を設けた感熱転写シート(あるいは光熱変換層に感熱材料が含まれる場合には、感熱剥離層の機能をも兼ね備えた光熱変換層を設けた感熱転写シート)と、インキ層の上に積層させた受像シートとを用い、レーザ光の照射により、光熱変換層の昇温による該変換層の変質、融解等によりアブレーションを起こして、感熱剥離層が一部分解して気化し、インキ層と光熱変換層との結合力が弱まり、その領域のインキ層が受像シートに転写される現象を利用するものである。
上記のアブレーション法を利用することによっても、受像シート上にその光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成される転写画像を形成することができる。また、受像シートとして、印刷本紙を用いることにより、印刷本紙上にその光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成される転写画像を形成することができる。
なお、上記の方法を利用した画像形成方法においては、レーザ光の吸収により生じた熱によりインキ層を溶融させ、その領域を受像シートへ溶融転写されることにより、受像シートの上に転写画像を形成することもできる。
【0047】
以下に、アブレーション法に利用する感熱転写シートに設けられる光熱変換層及び感熱剥離層について説明する。なお、インク層は、前記の本発明のものである。
一般に光熱変換層は、レーザ光を吸収することのできる色素(顔料など)とバインダとからなる基本構成を有する。
使用できる色素(顔料など)の例としては、カーボンブラックのような黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニンのような可視から近赤外域に吸収を有する大環状化合物の顔料、光ディスクなどの高密度レーザ記録のレーザ吸収材料として使用される有機染料(インドレニン染料等のシアニン染料、アントラキノン系染料、アズレン系色素、フタロシアニン系染料)およびジチオールニッケル錯体等の有機金属化合物色素を挙げることができる。なお、記録感度を高めるために光熱変換層はできるだけ薄いことが好ましく、そのためレーザ光波長領域において大きい吸光係数を示すシアニン系色素やフタロシアニン系色素を用いることが望ましい。
【0048】
光熱変換層のバインダの材料としては特に限定はないが、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのアクリル酸系モノマーの単独重合体または共重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールのようなビニル系ポリマー及びビニル化合物の共重合体、ポリエステル、ポリアミドのような縮合系ポリマー、ブタジェン−スチレン共重合体のようなゴム系熱可塑性ポリマー、エポキシ化合物などの光重合性または熱重合性化合物を重合・架橋させたポリマーなどを挙げることができる。
【0049】
光熱変換層が色素(染料または顔料)とバインダとからなる場合には、重量比で1:5〜10:1(色素:バインダ)とすることが好ましく、特に1:3〜3:1とすることが好ましい。バインダの量が少なすぎると、光熱変換層の凝集力が低下し、形成画像が受像シートに転写される際に、一緒に転写されやすくなり、画像の混色の原因となる。また、バインダが多すぎると、一定の光吸収率を達成するためには光熱変換層の層厚を大きくする必要があり、感度低下を招きやすい。
上記の色素とバインダとからなる光熱変換層の層厚は、一般に0.05〜2μm、好ましくは0.1〜1μmである。また、光熱変換層は光記録に用いるレーザ光の波長での光吸収率として70%以上を示すことが好ましい。
【0050】
感熱剥離層は、感熱材料が含まれてなる層である。そのような感熱材料としては、それ自身が熱により分解もしくは変質して気体を発生する化合物(ポリマーまた低分子化合物)、あるいはその材料の特性として水分などの易気化性気体を相当量吸収もしくは吸着している化合物(ポリマーまた低分子化合物)などを用いることができる。なお、それらは併用することも可能である。
熱により分解もしくは変質して気体を発生するポリマーの例としては、ニトロセルロースのような自己酸化性ポリマー、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴム、ポリ塩化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンのようなハロゲン含有ポリマー、水分などの揮発性化合物が吸着されているポリイソブチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマー、水分などの揮発性化合物が吸着されているエチルセルロースなどのセルロースエステル、水分などの揮発性化合物が吸着されているゼラチンなどの天然高分子化合物などを挙げることができる。
熱により分解もしくは変質して気体を発生する低分子化合物の例としては、ジアゾ化合物やアジド化合物のような発熱分解して気体を発生する化合物を挙げることができる。
上記のような、熱による感熱材料による分解や変質等は、280℃以下で発生することが好ましく、特に230℃以下で発生することが好ましい。
【0051】
なお、感熱剥離層で、感熱材料として低分子化合物を用いる場合には、バインダと組合せることが望ましい。その場合のバインダとしては、上記のそれ自身が熱により分解もしくは変質して気体を発生するポリマーでもよく、あるいはそのような性質を持たない通常のポリマーバインダでも良い。感熱性の低分子化合物とバインダとを併用する場合には、前者と後者の重量比で、0.02:1〜3:1、特に0.05:1〜2:1の範囲にあることが好ましい。
感熱剥離層は、光熱変換層を、そのほぼ全面にわたって被覆していることが望ましく、その厚さは一般に0.03〜1μm、特に0.05〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
【0052】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(合成例1:N−メチルステアリン酸アミド)
メチルアミン15. 5部、アセトン500ccを氷冷下で攪拌し、その中にステアロイルクロリド60. 0部をゆっくり滴下した。滴下中の温度は、20℃を越えないように滴下速度を調整した。さらにトリエチルアミン20. 2部を滴下した。この際も滴下中の温度が20℃を越えないように滴下速度を調整した。滴下終了後、室温で3時間反応させた。次に反応液を水に注ぎ、得られた結晶を濾取し、酢酸エチル/メタノール混合溶媒で再結晶して、N−メチルステアリン酸アミド(アミド化合物No.1)の白色結晶を得た(融点78℃)。
【0053】
(合成例2)
実施例1のアミンとハロゲン化アシルの組み合わせを変更して、表3に示すようにアミド化合物No. 2〜No. 10を得た。
【0054】
【表3】
表3:合成したアミド化合物
────────────────────────────────────
アミド化合物 R1 R2 R3 融点 (℃)
────────────────────────────────────
No.1 n−C17H35 CH3 H 78
No.2 n−C17H35 C2 H5 H 68
No.3 n−C17H35 n−C4 H9 H 67
No.4 n−C17H35 n−C6 H13 H 67
No.5 n−C17H35 n−C8 H17 H 73
No.6 n−C17H35 C2H4OC2H4OH H 59
No.7 n−C17H35 CH3 CH3 34
No.8 n−C17H35 C2 H5 C2 H5 30以下
No.9 CH3(CH2)5CH(OH)(CH2)10 C2 H4 OH H 105
No.10 CH3(CH2)5CH(OH)(CH2)10 H H 110
────────────────────────────────────
R1 、R2 及びR3 は、それぞれ一般式(I)のR1 、R2 及びR3 に対応する。
【0055】
(感熱転写シートの作成)
それぞれ下記の組成を有する三種類のインキ層用顔料・非晶質有機高分子重合体分散液A、B、およびCを調製した。
【0056】
上記のA、B、Cの分散液の各々10重量部に対して、前記で合成したアミド化合物No. 3を0. 24重量部、そしてn−プロピルアルコール60重量部を加え塗布液A、B、Cとし、裏面に離型処理された厚み5μmのポリエステルフィルム(帝人(株)製)に回転塗布機(ホワイラー)を使用して、乾燥層厚が、塗布液Aが0. 36μm、塗布液Bが0. 38μm、そして塗布液Cが0. 42μmになるようにそれぞれ塗布し、シアン感熱転写シート、マゼンタ感熱転写シート、そしてイエロー感熱転写シートをそれぞれ作成した。
使用したシアン顔料の粒度(粒径)分布を図1に、マゼンタ顔料の粒度分布を図2に、そしてイエロー顔料の粒度分布を図3に示す。
【0057】
(受像シートの作成)
下記の組成を有する受像第一層形成用の塗布液及び受像第二層形成用の塗布液を調製した。
【0058】
【0059】
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム支持体の上に、回転塗布機を使用して上記の受像第一層形成用塗布液を300rpmで塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥した。得られた受像第一層の層厚は20μmであった。
さらに受像第一層の上に、回転塗布機を使用して受像第二層用塗布液を200rpmで塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥した。得られた受像第二層の層厚は2μmであった。
【0060】
まず、シアン感熱転写シートと受像シートとを重ね合せ、副走査分割法によるサーマルヘッド記録装置により感熱印字した。この原理は75μm×50μmのヘッドを50μm方向に、微小送り3μmピッチでオンオフすることにより、面積階調のみの多段階記録を行う方式である。次いで、シアン感熱転写シートのポリエステルフィルム(支持体)を剥離し、受像シート上に面積階調のみよりなる画像を形成させた。次にマゼンタ感熱転写シートを、シアン画像が形成されている受像シートの上に重ね合せ、位置を合わせて同様に印字し、該マゼンタ転写シートのポリエステルフィルムを剥離することにより、受像シート上にマゼンタ画像を形成した。さらに同様にしてマゼンタ画像の上に、イエロー画像を形成させ、受像シート上に面積階調のみよりなるカラー画像(フルカラー画像)を形成した。
【0061】
次に、カラー画像が形成された上記受像シートを、アート紙と重ね合せ、4. 5kg/cm2 の圧力、130℃、4m/秒のスピードで熱ローラーを通したのち、受像シートのポリエステルフィルムを剥がし取って、転写インク画像を載せた受像第二層をアート紙上に残し、カラー画像を得た。
得られたカラー画像は、リス原稿から作成したケミカルプルーフ(カラーアート、富士写真フィルム(株)製)とカラー画像の近似性が非常に良好であった。なお、得られたカラー画像における各単色の反射濃度は下記の通りであった。
光学濃度(ベタ部)
シアン 1. 53
マゼンタ 1. 43
イエロー 1. 58
また転写された4ポイントの文字の濃度をミクロデンシトメーターで測定したが、ベタ部の濃度と同様に高い光学濃度を示した。そして、階調再現性について評価したところ、5〜95%が再現され、ゴミによる欠陥もなくドット形状も良好であった。更に紙の凹凸に追随した画像表面がマット化され、表面光沢が印刷物に非常に近似した画像であることが判明した。この評価結果を表4に示す。
【0062】
[実施例2]
実施例1の各感熱転写シートの作成で使用したアミド化合物No. 3の代わりに、先に合成した化合物No. 7を用いた以外は同様にして、感熱転写シート作成した。
得られた感熱転写シートと実施例1と同様にして作成した受像シートを使用して、実施例1と同様にしてカラー画像を形成した。得られたカラー画像を更に上記実施例1と同様にアート紙上に再転写し、同様な方法で画像の評価を行った。なお、各単色の反射濃度は、上記実施例1の場合と変わらなかった。評価結果を表4に示す。
【0063】
[実施例3]
実施例1の各感熱転写シートの作成で使用したアミド化合物No. 3の代わりに、先に合成した化合物No. 9を用いた以外は同様にして、感熱転写シート作成した。
得られた感熱転写シートと実施例1と同様にして作成した受像シートを使用して、実施例1と同様にしてカラー画像を形成した。得られたカラー画像を更に上記実施例1と同様にアート紙上に再転写し、同様な方法で画像の評価を行った。なお、各単色の反射濃度は、上記実施例1の場合と変わらなかった。評価結果を表4に示す。
【0064】
[実施例4]
実施例1の各感熱転写シートの作成で使用したアミド化合物No. 3の代わりに、先に合成した化合物No. 10を用いた以外は同様にして、感熱転写シート作成した。
得られた感熱転写シートと実施例1と同様にして作成した受像シートを使用して、実施例1と同様にしてカラー画像を形成した。得られたカラー画像を更に上記実施例1と同様にアート紙上に再転写し、同様な方法で画像の評価を行った。なお、各単色の反射濃度は、上記実施例1の場合と変わらなかった。評価結果を表4に示す。
【0065】
[比較例1]
実施例1の感熱転写シートの作成において、本発明のアミド化合物No. 3を用いなかった以外は実施例1と同様にして、感熱転写シートを作成した。
得られた感熱転写シートと実施例1と同様にして作成した受像シートを使用して、実施例1と同様にしてカラー画像を形成した。得られたカラー画像を更に上記実施例1と同様にアート紙上に再転写し、同様な方法で画像の評価を行った。なお、各単色の反射濃度は、上記実施例1の場合と変わらなかった。評価結果を表4に示す。
【0066】
【表4】
【0067】
評価は、以下のような相対評価で行った。すなわち、比較例1のサンプルを用いて得られたカラー画像を基準(DD)に、以下の基準で評価した。
AA:比較例1に比べ、ドット形状 階調再現性、そして印刷物近似性共に非常に良好である。
BB:比較例1に比べ、ドット形状 階調再現性、そして印刷物近似性共に良好である。
【0068】
上記の表4の結果より、本発明の化合物No. 3〜10をインキ層に導入した感熱転写シートでは、良好なドット形状と階調再現性が得られることが判る。また印刷近似性も非常に良好である。
【0069】
[実施例5]
実施例1の感熱転写シートの作成において、アミド化合物の代わりに、下記の表5に示す含窒素化合物を表5に記載の添加量で使用した以外は、実施例1と同様にして感熱転写シート(サンプル1〜5)をそれぞれ作成した。但し、サンプル1と4そして5は、それぞれ参考例である。
【0070】
【表5】
【0071】
[カラー画像の形成及び評価]
得られた各感熱転写シートと、前記実施例1と同様にして作成した受像シートとを使用して、同様に受像シート上にカラー画像(転写画像)を形成した。
次に、23℃、60%RHの雰囲気下で、カラー画像が形成された受像シートをアート紙と重ね合せ、4.5kg/cm2 の圧力、125℃、450mm/秒のスピードで熱ローラを通した後、受像シートのポリエステルフィルムを剥がし取り、転写インク画像が載った受像第二層をアート紙上に転写することにより、カラー画像(再転写画像)を得た。
なお、得られた各単色のアート紙上での光学反射濃度は、上記実施例1の場合とほぼ変わらなかった。
得られたカラー画像について、個々のドット品質(形状、バラツキ)について10人の視覚評価による相対比較を行った。但し、評価は、前記比較例1のサンプルを用いて得られたカラー画像を標準(DD)に、以下の基準で行なった。
AA:比較例1に比べ、ドット品質は非常に良好である。
BB:比較例1に比べ、ドット品質は良好である。
CC:比較例1に比べ、ドット品質は若干に良い。
結果を表6に示す。
【0072】
【表6】
【0073】
上記表6の結果から、本発明の感熱転写シートのインキ層への含窒素化合物の添加により、転写画像のドット品質が改良されることがわかる。
【0074】
[カラー画像の形成及び評価]
前記で作成した各感熱転写シート(サンプル1〜5)と、前記実施例1と同様にして作成した受像シートとを使用して、同様にカラー画像を形成した。
次に、カラー画像が形成された受像シートを印刷本紙に重ねてカラー画像を印刷本紙に再転写する際に、前記の評価とは、転写環境、印刷本紙の種類を変えることにより、それぞれの条件における再転写画像を得た。得られた転写画像について、カラー画像の未転写部分、印刷本紙からの画像の浮きと剥がれとについて10人による視覚評価を行った。なお、評価は前記比較例1のサンプルを用い、得られたカラー画像を標準(DD)に、以下の基準で行なった。
評価基準は以下の通りである。
AA:比較例1に比べ、浮き、剥がれもなく非常に良好である。
BB:比較例1に比べ、浮き、剥がれもなく良好である。
CC:一部に未転写部分が生じたところもあるが、比較例1に比べ、良好である。
結果を表7に示す。
【0075】
【表7】
【0076】
上記表7の結果から、本発明の感熱転写シートのインキ層への含窒素化合物の添加により、転写環境、印刷本紙の材質に影響なく、良好な再転写画像を得ることができることがわかる。
【0077】
[実施例6]
以下に記載する転写シート材料を用い、画像形成層(インキ層)に含有させる含窒素化合物を下記の表8に示す化合物に変えながら作成することによって、種々の画像記録転写シート(感熱転写シート:サンプル6〜14。ただし、サンプル10と13そして14は、それぞれ参考例である)を作成した。また、これに対する受像シートを下記のようにして作成し、画像記録転写シートの画像形成層の上に、受像シートの受像層側を重ね、積層体をそれぞれ作成した。そして、この積層体に、下記の方法でレーザ光を照射し、受像シート上に転写画像を形成した。
なお、比較サンプルとして、画像形成層に含窒素化合物を含まないもの(比較サンプル1)を用意し、同様な方法で画像形成を行った。
【0078】
(1)転写シート(感熱転写シート)の作成
1)光熱変換層形成用塗布液の調製
下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合して光熱変換層形成用塗布液を調製した。
【0079】
塗布液組成
下記の式の赤外線吸収性シアンニン色素 0.3g
【0080】
【化7】
【0081】
【0082】
2)支持体表面への光熱変換層形成
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の表面上に、スチレン・ブタジエン共重合体下塗層(厚さ0.5μm)とゼラチン下塗層(厚さ0.1μm)とをこの順に形成して支持体を作成した。次に、この支持体の下塗層の上に上記の光熱変換層形成用塗布液を回転塗布機(ホワイラー)を用いて塗布した後、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、該支持体上に光熱変換層(厚さ0.2μm:触針式膜厚計による測定値、波長830nmでの吸光度1.4)を形成した。
【0083】
3)感熱剥離層形成用塗布液の調製
下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合して感熱剥離層形成用塗布液を調製した。
【0084】
【0085】
4)光熱変換層表面への感熱剥離層形成
上記の支持体上に設けた光熱変換層の表面に、上記塗布液をホワイラーを用いて塗布したのち、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、該支持体上に感熱剥離層(厚さ0.1μm:同一の塗布液を同一条件で硬質シート平面に塗布し、同一条件で乾燥して得た層を触針式膜厚計によって測定した値)を形成した。
【0086】
5)マゼンタ画像形成層形成用塗布液の調製
下記の各成分をペイントシェーカー(東洋精機(株)製)で二時間分散処理して、マゼンタ顔料分散母液を調製した。そして得られた分散母液をn−プロピルアルコールで希釈し、粒子径測定器(レーザ光散乱方式)で測定したところ、顔料の粒度分布は、粒子の70重量%以上が、180〜300nmの範囲にあった。
【0087】
下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合して、マゼンタ画像形成層形成用塗布液を調製した。
【0088】
6)感熱剥離層表面へのマゼンタ画像形成層形成
前記の感熱剥離層の表面に、上記塗布液をホエラーを用いて塗布したのち、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、感熱剥離層の上にマゼンタ画像形成層(厚さ0.3μm:同一の塗布液を同一条件で硬質シート平面に塗布し、同一条件で乾燥して得た層を触針式膜厚計によって測定した値)を形成した。得られた画像形成層の光学濃度は、0.7(グリーンフィルタ、マクべス濃度計での測定値)であった。
以上の工程により、支持体の上に、光熱変換層表面、感熱剥離層、そして表面に多数分散したステアリン酸アミドの結晶を有するマゼンタ画像形成層が、この順に積層された画像記録転写シートを作成した。
【0089】
(2)受像シートの作成
1)第一受像層形成用塗布液の調製
下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合して第一受像層形成用塗布液を調製した。
【0090】
【0091】
2)支持体表面への第一受像層形成
支持体(厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の一方の表面上に上記の塗布液をホワイラーを用いて塗布した後、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、該支持体上に第一受像層(厚さ1μm)を形成した。
【0092】
3)第二受像層形成用塗布液の調製
下記の各成分をスターラーで撹拌下に混合して第二受像層形成用塗布液を調製した。
【0093】
4)第一受像層表面への第二受像層形成
支持体上の第一受像層の表面上に上記の塗布液をホワイラーを用いて塗布した後、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、該支持体上に第一受像層(厚さ26μm)を形成した。
以上の工程により、支持体の上に、二層の受像層が積層された受像シートを作成した。
【0094】
(3)画像形成用積層体の作成
上記のようにして作成した画像記録転写シートと受像シートとをそれぞれ室温で一日放置したのち、画像記録転写シートのマゼンタ画像形成層の上に、受像シートの受像層側を重ね、この状態で、表面温度70℃、圧力4.5kg/cm2 のヒートローラに速度200cm/秒で通して、それらを一体化し、積層体を作成した。なお、画像記録転写シートと受像シートとがヒートローラを通過する際にそれぞれのシートが到達する温度を熱電対で測定したところ、約50℃であった。
【0095】
(4)画像形成用積層体の画像記録形成装置への装着
上記で得られた積層体を室温で約10分間放置して充分に冷却した。次いで、この積層体を、真空吸着用のサクション穴が設けられた回転ドラムに、受像シート面側がドラム表面に接するようにして積層体を巻き付け、ドラム内部を真空にすることによって、積層体をドラム表面に固定した。
【0096】
(5)画像形成用積層体への画像記録
上記のドラムを回転させ、ドラム上の画像形成用積層体の表面に外側から波長830nmの半導体レーザ光を、光熱変換層の表面で径が7μmのスポットとなるように集光し、回転ドラムの回転方向(主走査方向)に対して直角方向に移動させながら(副走査)、積層体へのレーザ画像(画線)記録を行なった。レーザ照射条件は次の通りである。
レーザパワー:110mW
主走査速度:10m/秒
副走査ピッチ(1回転当りの副走査量):5μm
【0097】
(6)転写画像の形成
上記のレーザ画像記録を行なった積層体をドラムから取り外し、受像シートと画像記録転写シートとを手で引きはがしたところ、画像(画線)形成層のレーザ照射部のみが記録線幅5.0μmで転写シートから受像シートに転写された。
(7)再転写画像の形成
上記のようにして、カラー画像が形成された受像シートをアート紙と重ね、前記実施例1と同様な方法でアート紙上に再転写カラー画像を形成した。
【0098】
[レーザ光を用いた画像形成による画像評価]
以上のようにして得られた各種のカラー再転写画像について前記実施例1と同様な方法でドット形状、階調再現性、及び印刷物近似性について評価した。
なお、得られた各単色のアート紙上での光学反射濃度は、上記実施例1の場合とほぼ同様な値であった。
その結果を表8に示す。
【0099】
【表8】
【0100】
上記表8の結果から、画像形成層に含窒素化合物を含有させた本発明に従う感熱転写シートを用いることにより、レーザ光を用いる画像形成を実施した場合でも良好なドット形状であり、階調再現性に優れた画像であり、また印刷物近似性に優れた転写画像を得ることができることが明らかである。
【0101】
【発明の効果】
本発明の含窒素化合物を含有する感熱転写シートを用いることにより、面積階調のみで、画像のエッジシャープネスも含めたドット形状が良好で、階調再現性に優れ、印刷物近似性に優れた転写画像を得ることができる。また得られた転写画像を更に印刷本紙に再転写する際においても転写環境、印刷本紙の材質に比較的影響されることなく、良好な転写操作が実現できる。従って、カラープルーフ用途などに有利な良好な再転写画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたシアン顔料の粒度分布を示すグラフである。グラフの横軸は粒子径(μm)を、そして左縦軸は各粒径の粒子の%、そして右縦軸は累積%を示す。
【図2】実施例1で用いたマゼンタ顔料の粒度分布を示すグラフである。グラフの表示方法は図1と同じである。
【図3】実施例1で用いたイエロー顔料の粒度分布を示すグラフである。グラフの表示方法は図1と同じである。
Claims (5)
- 顔料30〜70重量%そして軟化点が40〜150℃の温度範囲にある非晶質有機高分子重合体25〜65重量%を含む層厚が0.2〜1.0μmの範囲にあるインキ層を有する感熱転写シートであって、該インキ層中の顔料の70重量%以上のものの粒径が0.1〜1.0μmの範囲にあり、さらに0.1〜20重量%の下記の一般式のいずれかで表わされるアミド化合物もしくは第四級アンモニウム塩を含むことを特徴とする感熱転写シート:
- インキ層の層厚が0.2〜0.6μmの範囲にある請求項1に記載の感熱転写シート。
- 請求項1に記載の感熱転写シートのインキ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シートの背面からサーマルヘッドを押し当て、受像シート上に面積階調で構成される画像を転写し、次いで、該受像シート上の転写画像を、別に用意した白色支持体の上に再転写して、該白色支持体上に光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成された転写画像を形成することからなる画像形成方法。
- 請求項1に記載の感熱転写シートのインキ層の上に受像シートを重ね、感熱転写シートの背面からデジタル信号により変調されたレーザービームを照射し、受像シート上に光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成される転写画像を形成することからなる画像形成方法。
- 請求項1に記載の感熱転写シートのインキ層の上に受像シートを重ね 、感熱転写シートの背面からデジタル信号により変調されたレーザービームを照射し、アブレーション法により、受像シート上に光学反射濃度が1.0以上の面積階調で構成される転写画像を形成することからなる画像形成方法。
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