JP3056707B2 - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JP3056707B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、写真や絵画のよう
に階調を要求される部分と、文字、線あるいは単色に塗
られるべき区域のように階調は要求されないが明瞭かつ
濃度の高いことが要求される部分とを、同じ熱転写シー
トを用いて、熱転写法により転写して形成することが可
能な、熱転写シートに関するものである。 【0002】 【従来の技術】昇華性の分散染料をバインダー中に分散
もしくは溶解させてある熱転写シートを、ポリエステル
樹脂を塗布した紙等の上に重ね、熱転写シート側からサ
ーマルヘッドで点状に加熱して画像を形成する方式(以
下、昇華転写方式と称する)が試みられており、このよ
うな昇華転写方式によれば、画像の濃度に応じて転写さ
れる染料の量を制御できるため、階調のある画像を形成
することが可能になる。しかしながら、昇華転写方式に
よれば、写真や絵画のように階調のある画像は充分に形
成できるが、文字や線等は不充分にしか再現できない欠
点がある。なぜならば、昇華転写方式では画像の濃度に
応じて転写される染料の量が異なるため、転写時に加熱
された区域の周囲にも熱の影響が及び、フリンジが生じ
て明瞭な文字、線の形成がされにくいし、それに、転写
される染料の量も限られるため、高濃度の再現が困難だ
からである。又、昇華転写方式では、掛け合わせてでき
る色(例えば、緑色は黄色と青色との掛け合わせででき
る。)を比較的に広い面積に適用しようとするとき、転
写される染料の量にムラがあると形成される色のムラを
生じやすいものである。 【0003】一方、ワックス等の熱溶融性バインダーを
カーボン等で着色した転写層を有する熱転写シートを使
用する熱溶融転写方式が事務機器の分野では用いられて
いる。 【0004】熱溶融転写方式では、加熱されて融点以上
に達した部分の熱転写層がバインダーごと転移するため
に、昇華転写方式で染料のみが転移するのに比べると転
移する物質の量が多く、高い均一な濃度で明瞭な転写が
できる利点があるが、原則的には転写するかしないかの
2値的なものであるから、階調のある画像の形成には向
いていない。熱溶融転写方式で階調を表現するための工
夫も種々行われてはいるが、せいぜい数段階の階調を段
階的に再現する程度で、熱溶融転写方式では階調のある
画像の形成は本来的に困難である。従って、階調のある
画像の形成と、高い均一な濃度で明瞭な文字や線の形成
とを同時に必要とする場合には、このような従来の技術
では対処ができなかった。例えば、テレビジョン画面に
おいて合成された写真調の映像と文字を同一な用紙上に
プリントしたい場合、磁気的に記録された画像と画像の
説明を同一な用紙にプリントしたい場合、もしくは印刷
の校正刷りのように1頁中に同時に存在する写真と文
字、線画を同一な用紙にプリントしたい場合などがそれ
であり、これらの場合には、昇華転写方式、熱溶融転写
方式のいずれかを利用した場合には不充分なプリントし
か得られず、希望する品質のものは得られなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明において解決す
べき問題点の1は、写真や絵画のような階調を要求され
る部分と、文字や線のように明瞭さと高濃度を要求され
る部分とを、昇華転写方式もしくは熱溶融転写方式のい
ずれかによって同時に形成することが困難であった点を
解消することであり、また、本発明において解決すべき
問題点の2は、掛け合わせてできる色を比較的に広い面
積に適用しようとするとき、転写される染料の量のムラ
により生じやすい色のムラを解消することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明においては、熱転
写シートの構成を、加熱により溶融もしくは昇華して転
移する染料を非熱転移性の樹脂バインダー中に含有し、
カラーの階調画像を得るために染料/バインダーが重量
比で0.3〜2.3の混合範囲で、イエロー、マゼン
タ、シアン色、且つ黒色を含む第1の熱転写層と、加熱
により溶融して転移するバインダーが、加熱により溶
融、または昇華しない着色剤により着色されている第2
の転写層とをシート基材の同一面上に有すると共に、該
シート基材の他の面にポリビニルブチラール樹脂とイソ
シアネートとの反応物から成る耐熱スリップ層を有し、
該ポリビニルブチラール樹脂が、分子量が60,000
〜200,000で、ガラス転移点が60〜110℃で
あり、かつ、ビニルアルコール部分が15〜40重量%
のものであり、かつ、昇華性転写層と熱溶融性転写層と
は別々のサーマルヘッドにより熱を与えられるものであ
って、熱溶融性転写層用サーマルヘッドは昇華性転写層
用サーマルヘッドより高精細のものが使用されるもので
ある構成とすることにより、上記の問題点を解決できた
ものである。 【0007】 【実施例】以下に、本発明を図面を参照して詳細に説明
する。図1は、本発明の熱転写シートの好ましい実施例
を示すものであり、熱転写シート1は、シート状基材の
2の片面に、黄色(転写された後の色を意味するものと
し、図1中Yで示す、以下も同様)、赤色(M)、青色
(C)の三色の昇華性転写層3と黒色(Bk)の熱溶融
性転写層4とを順に繰り返していて、例えば、この図1
の熱転写シート1を用いることにより、昇華性転写層3
の部分により黄色、赤色、青色の三色のかけ合わせによ
るカラーの階調のある画面が得られ、又、溶融性転写層
4により、高濃度で均一な黒色の文字や線が得られる。
図2は、図1のものに加えて、黒色(Bk)の昇華性転
写層を有した熱転写シートの例を示しているものであ
り、図1のものを使用したときにくらべて、黒色を使用
することによりシャドゥ部が適度に強調されていて、か
つ階調のある画像が得られ、又、溶融性転写層4によ
り、図1の熱転写シートを使用したときと同様に高濃度
で均一な黒色の文字や線が得られる。図1、図2の例で
熱溶融性転写層を黒色(Bk)の熱溶融性転写層とした
のは、通常、文字や線を黒色で表現することが多いから
であり、文字や線を黒色以外の色で表現したいときは、
当然、他の色であってよい。図3は、4色の昇華性転写
層と黒色(Bk)および特色として緑色(Gr)の熱溶
融性転写層を繰り返して有する熱転写シートを示すもの
である。この熱転写シートを使用することにより、図4
に示すように、まず、昇華性転写層3の部分により階調
のある画像11を周囲が四角形の形状となるように形成
し、画像11の周囲に緑色(Gr)の熱溶融性転写層を
使用して枠13を形成し、別に黒色(Bk)の熱溶融性
転写層を使用して枠の外に文字や線の印刷12をする等
ができる。 【0008】本発明の熱転写シートにおいて、昇華性転
写層としては、通常であれば、黄色(Y)、赤色
(M)、青色(C)の3色もしくは必要があれば更に黒
色(Bk)を加えた4色の昇華性転写層を有するものが
推奨されるが、色の数は3色や4色に限定されず、特色
等を伴った5色以上であってもよいし、1色もしくは2
色であってもよい。 【0009】又、本発明の熱転写シートにおいて、熱溶
融性転写層としては、通常であれば黒色(Bk)の1色
のみでも文字や線の表現には充分であるが、黒色(B
k)を特色に替えて設けてもよいし、黒色と特色を両方
設けてもよい。特色の色数は希望があれば増やすことが
できる。あるいは、熱溶融性転写層として黄色(Y)、
赤色(M)、青色(C)の3色もしくは更に黒色(B
k)を加えたもの4色の熱溶融性転写層とするか、これ
ら3色もしくは4色に特色を加えてもよい。本発明の熱
転写シートにおいて、昇華性転写層および熱溶融性転写
層の各型の熱転写層を設ける順序は、主に転写の順序に
従って決めればよく、又、昇華性転写層が複数の色から
なっているときに、昇華性転写層の間に熱溶融性転写層
が並ぶように配列してもよい。各色を重ねて逐次転写す
る際のトラブルを避ける意味では、転写に必要な熱エネ
ルギーの大きいものから順に配列しておくとよい。結
局、本発明の熱転写シートは、図1〜図3の例に限定さ
れることなく、昇華性転写層と熱溶融性転写層の2種類
の型の熱転写層の両方を同一の熱転写シート上に備えさ
せることにより、それぞれの型の熱転写層の特性を活か
した転写を可能にするものであり、それぞれの型の熱転
写層をどの色にするかは、任意に決めることができる。 【0010】本発明における熱転写シートの各部分を形
成する材料および熱転写シートの製造方法を次に示す。 (シート状基材)本発明におけるシート状基材2として
は、プラスチックフィルムとして、ポリエステル、ポリ
プロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロ
ース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
ナイロン(ポリアミド)、芳香族ポリアミド(アラミ
ド)、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩酸ゴム、ア
イオノマーなど、又、紙類として、コンデンサー紙、パ
ラフィン紙、あるいは、この他に、不織布などが使用で
きる。これらのうち、プラスチックフィルムは表面が平
滑である上に機械的な強度が高いので好ましく、中でも
ポリエステルフィルム、アラミドフィルムを使用するの
が望ましい。シート状基材の厚みは、2〜50μm、好
ましくは2〜12μmである。 【0011】(昇華性転写層)昇華性転写層3は加熱に
より溶融もしくは昇華して転移する染料を非熱転移性の
バインダー中に含有しているものである。染料は、好ま
しくは昇華性の分散染料、昇華性の油溶性染料、もしく
は昇華性の塩基性染料であり、分子量は150〜80
0、好ましくは350〜700である。染料としては、
昇華して転移するもの以外でも、加熱により溶融して転
移するものも使用できる。これら染料は昇華温度、色
相、耐候性、インキ中もしくはバインダー樹脂中への溶
解性などを考慮して選択され、例えば次のようなもので
ある。 【0012】C.I.(ケミカルインデックスの略、以
下においても同じ)ディスパースイエロー51、同3、
同54、同79、同60、同23、同7、同141、
C.I.ディスパースブルー24、同56、同14、同
301、同334、同165、同19、同72、同8
7、同287、同154、同26、C.I.ディスパー
スレッド135、同146、同59、同1、同73、同
60、同167、C.I.ディスパースバイオレット
4、同13、同36、同56、同31、C.I.ソルベ
ントバイオレット13、C.I.ソルベントブラック
3、C.I.ソルベントグリーン3、C.I.ソルベン
トイエロー56、同14、同16、同29、C.I.ソ
ルベントブルー70、同35、同63、同36、同5
0、同49、同111、同105、同97、同11、
C.I.ソルベントレッド135、同81、同18、同
25、同19、同23、同24、同143、同146、
同182。 【0013】熱転写層のバインダーとしては、染料の転
移に必要な熱量を与えても、自身は転移しないものを使
用する。たとえば、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロ
ース、酢酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピ
ロリドン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリ
ルアミド等のビニル系樹脂が使用できる。 【0014】より好ましいバインダーの例として、上記
した通常のポリビニルブチラール樹脂ではなく、分子量
が60,000〜200,000、ビニルアルコール部
分の重量%がポリビニルブチラール樹脂中10〜40
%、好ましくは15〜30%、ガラス転移点が60℃〜
110℃、好ましくは70℃〜110℃の特殊なポリビ
ニルブチラール樹脂が挙げられる。分子量が60,00
0未満ではバインダーとしての結束力が不充分であり、
200,000を越えると塗布時の粘度が高くなり過
ぎ、塗布に支障がある。ビニルアルコール部分が10%
未満であると熱転写層の経時安定性が不充分であるの
で、このため、染料の凝集、析出や表面へのブリードが
避けられない。逆に40%を越えるとポリビニルアルコ
ール部分の染料に対する親和性のために染料の昇華を妨
げて、印字濃度が低下する。 【0015】熱転写層中での染料とバインダーとの重量
比は染料/バインダーが0.3以上であることが望まし
く、0.3未満では印字濃度、熱感度が不充分である。
又、染料/バインダーが2.3を越える染料のバインダ
ー中での保持性が不充分になって熱転写シートの保存性
が低下する。従って、染料/バインダーは0.3〜2.
3であることが好ましく、より好ましくは0.55〜
1.5である。 【0016】染料は熱転写層のバインダー中に溶解して
いることが望ましい。従来の布地用の昇華転写紙におい
ては、染料はバインダー中に分散しているので、染料分
子どうしの相互作用に打ちかつエネルギーを与える必要
があり、必然的に高いエネルギーを必要とする結果、熱
感度が低下する。この点、染料がバインダー中に溶解し
ていると熱感度の点で有利である。 【0017】染料およびバインダーは、所定の比になる
よう溶剤と共に混練して、望ましくは溶剤中に溶解して
インキ組成物とし、公知の印刷方法もしくは塗布方法に
より、シート状基材上に印刷もしくは塗布して形成され
る。 【0018】(熱溶融性転写層)熱溶融性転写層4は、
加熱により溶融するバインダーと着色剤とからなってい
る。バインダーとしてはワックス、乾性油、樹脂、鉱物
油、セルロースおよびゴムの誘導体など、およびこれら
の混合物が用いられる。バインダーのワックスとして
は、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワック
ス、パラフィンワックスが好ましく用いられ、この他に
も、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポ
リエチレンおよび一部の変形ワックス、脂肪酸エステ
ル、アミド、木ろう、蜜ろう、鯨ろう、いぼたろう、羊
毛ろう、セラックワックス、カンデリラワックス、ペト
ロラタムなど、種々のワックスを用いることができる。 【0019】バインダーの樹脂としては、例えば、EV
A,EEA,ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコー
ル、塩化ビニリデン樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルフォル
マール、ポリビニルブチラール、アセチルセルロース、
ニトロセルロース、酢酸ビニル樹脂、ポリイソブチレ
ン、又は、ポリアセタールなどを用いることができる。 【0020】着色剤としては、有機または無機の顔料も
しくは染料のうち、記録材料として良好な特性を有する
もの、たとえば、充分な着色濃度を有していて、光、
熱、温度によって変褪色しないものが好ましい。着色剤
は熱溶融性転写層のバインダーを着色する目的で使用さ
れるから、加熱により溶融するものや昇華するものは好
ましくない。 【0021】熱溶融型転写層は上記のバインダーおよび
着色剤を溶融して混合するなどの方法により熱溶融性イ
ンキとし、シート状基材の上にホットメルトコートのほ
か、通常の印刷又はコーティング方式、具体的にはホッ
トラッカーコート、グラビアコート、グラビアリバース
コート、ロールコート、グラビア印刷、バーコートなど
の方法により塗布することができ、厚みは通常、0.1
〜30μ、好ましくは1〜20μである。 【0022】(その他の構成)熱転写シートには、背面
より印字するときにサーマルヘッドの熱によるスティッ
キングを防止し、滑りをよくする意味で、シート状基材
の熱転写層を設けない側に処理を施すのがよい。 【0023】たとえば、(1)ポリビニルブチラール樹
脂とイソシアネートとの反応生成物、(2)リン酸エス
テルのアルカリ金属塩またはアルカリ土金属塩、およ
び、(3)充填剤、を主体とする耐熱スリップ層を設け
るのがよい。ポリビニルブチラール樹脂としては、分子
量が60,000〜200,000程度で、ガラス転移
点が60〜110℃であるもの、又、イソシアネートと
の反応サイトが多い観点からビニルアルコール部分の重
量%が15〜40%のものがよい。 【0024】リン酸エステルのアルカリ金属塩またはア
ルカリ土金属塩としては東邦化学製のガファックRD7
20などが用いられ、ポリビニルブチラール樹脂に対し
て1〜50重量%好ましくは10〜40重量%程度用い
るとよい。 【0025】耐熱スリップ層は、下層に耐熱層を伴うこ
とが望ましく、加熱により硬化し得る合成樹脂とその硬
化剤の組合せ、例えば、ポリビニルブチラールと多価イ
ソシアネート、アクリルポリオールと多価イソシアネー
ト、酢酸セルロースとチタンキレート剤、もしくはポリ
エステルと有機チタン化合物などの組合せを塗布により
設けるとよい。 【0026】熱転写シートには、又、昇華性転写層と熱
溶融性転写層の塗り分けの境界、同一の型の熱転写層に
おける各色の境界もしくはそれぞれの色をサーマルプリ
ンターが検出し得るようにする目的で、シート状基材の
端や各転写層の間等に可視光、紫外光、赤外線などの光
による光学的、磁気的、もしくは電気的等の方法で検出
可能なマークを設けるのが良い。 【0027】(熱転写シートの利用法)本発明の熱転写
シートは、昇華性転写層のみを有する熱転写シートを用
いるときと同様に、ポリエステル樹脂等を合成紙等に塗
布してある受像シートと重ねて、熱転写シートの背面側
より、サーマルヘッドを用い、画像又は文字もしくは線
など像情報に応じた熱エネルギーを印加して、受像紙の
樹脂塗布面の画像と、文字及び/又は線などを形成する
ことができる。 【0028】例えば、画像や線に関しては、印刷製版で
用いられるカラースキャナー(色分解機)の出力信号を
利用する。文字に関してはカラースキャナーによっても
よいが、好ましくは写真植字機の出力信号を利用する。 【0029】これらのタイプの異なる2種以上の情報に
関する信号は、個々にサーマルプリンターに出力しても
よく、あるいは必要に応じ、両者を合成しておいてから
出力してもよい。 【0030】又、レイアウトスキャナーを使用すること
により、画像、線、文字等の情報を集合させた集合情報
に関する出力信号を利用することもできる。 【0031】プリンターのサーマルヘッドとしては、昇
華転写シート用のサーマルヘッドのみを利用し、ただ
し、熱溶融性転写層を転写させるときは印加エネルギー
を一定にして印字してもよいし、あるいは、昇華転写用
のサーマルヘッドと、熱溶融型転写用のサーマルヘッド
を準備し、昇華性転写層と熱溶融性転写層とに別々のヘ
ッドから熱を与えてもよい。別々のサーマルヘッドを使
用するときは、熱溶融型転写シート用のヘッドとして、
昇華転写シート用のサーマルヘッドよりも高精細のもの
を使用し、昇華転写用のサーマルヘッドのみを使用する
場合にくらべて文字や線の質を高めることもできる。 【0032】 【発明の効果】本発明の熱転写シートは昇華性転写層と
熱溶融性転写層のように、異なるタイプの転写層を有し
ているので、印加する熱量に応じて染料の転移量が変化
し得る昇華性転写層を使用しているので階調のある画像
が形成できるうえ、一定の熱量を得てはじめて着色され
たバインダーが転写し得る熱溶融性転写層により高濃度
で明瞭な文字や線を形成することができる。又、場合に
よっては色相が一定で隠蔽性のある特色のベタ部分を形
成することもできるので、画像と、文字および/または
線を共に有する記録物(ハードコピー)をそれぞれが良
好な品質を発揮した状態で得ることができる。さらに、
昇華性転写層の染料/バインダーが0.3〜2.3の混
合範囲であることにより、染料画像の印字濃度が高く、
印字における熱感度が高く、且つ保存性が良好な転写シ
ートを得ることができる。さらに、昇華性転写層にイエ
ロー、マゼンタ、シアン色に加えて、黒色を用いること
により、シャドウ部が適度に強調され、階調再現性がよ
り高くなり、より高品質なカラー階調画像が得られる。 【0033】従って、絵葉書を作成するときのように写
真や絵と文字を同一用紙上に形成したい場合には写真や
絵の階調が充分に再現され、文字も明瞭に形成でき、
又、印刷の校正刷りの代替として昇華転写方式を用いる
ときには、実際の印刷に極めて近似したプリントを得る
ことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の熱転写シートの断面図 【図2】 本発明の熱転写シートの断面図 【図3】 本発明の熱転写シートの断面図 【図4】 転写の例を示す平面図 【符号の説明】 1…熱転写シート、2…シート状基材、3…昇華性転写
層、4…熱溶融性転写層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−106679(JP,A) 特開 昭61−14992(JP,A) 特開 昭61−14993(JP,A) 特開 昭62−179975(JP,A) 特開 昭56−21895(JP,A) 特開 昭60−83874(JP,A) 特開 昭60−64895(JP,A) 特開 昭58−158272(JP,A) 特開 昭60−161191(JP,A) 実開 昭62−111860(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.加熱により溶融もしくは昇華して転移する染料を非
    熱転移性の樹脂バインダー中に含有し、カラーの階調画
    像を得るために染料/バインダーが重量比で0.3〜
    2.3の混合範囲で、イエロー、マゼンタ、シアン色、
    且つ黒色を含む第1の熱転写層と、加熱により溶融して
    転移するバインダーが、加熱により溶融、または昇華し
    ない着色剤により着色されている第2の転写層とをシー
    ト基材の同一面上に有すると共に、該シート基材の他の
    面にポリビニルブチラール樹脂とイソシアネートとの反
    応物から成る耐熱スリップ層を有し、該ポリビニルブチ
    ラール樹脂が、分子量が60,000〜200,000
    で、ガラス転移点が60〜110℃であり、かつ、ビニ
    ルアルコール部分が15〜40重量%のものであり、か
    つ、昇華性転写層と熱溶融性転写層とは別々のサーマル
    ヘッドにより熱を与えられるものであって、熱溶融性転
    写層用サーマルヘッドは昇華性転写層用サーマルヘッド
    より高精細のものが使用されるものであることを特徴と
    する熱転写シート。
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