JP2904784B2 - 画像形成方法 - Google Patents
画像形成方法Info
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- JP2904784B2 JP2904784B2 JP62007682A JP768287A JP2904784B2 JP 2904784 B2 JP2904784 B2 JP 2904784B2 JP 62007682 A JP62007682 A JP 62007682A JP 768287 A JP768287 A JP 768287A JP 2904784 B2 JP2904784 B2 JP 2904784B2
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41M—PRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
- B41M5/00—Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
- B41M5/26—Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
- B41M5/382—Contact thermal transfer or sublimation processes
- B41M5/38207—Contact thermal transfer or sublimation processes characterised by aspects not provided for in groups B41M5/385 - B41M5/395
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- Optics & Photonics (AREA)
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- Impression-Transfer Materials And Handling Thereof (AREA)
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Fax Reproducing Arrangements (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕
本発明は画像形成方法に関し、特に熱転写シートを用
いて濃度範囲の大きい画像を得るための方法に関する。 〔発明の背景〕 サーマルヘッドにより画像情報に応じて画像を得るに
は、従来、主として感熱発色紙が用いられてきた。これ
らの感熱発色紙は、基紙上に設けられた常温で無色また
は淡色のロイコ染料と顕色剤(例えばビスフェノール
A)とが加熱時に接触反応して発色画像が得られる。 ところが、上記のような感熱発色紙は、得られた画像
を長期間保存すると消色してきたり、非画像部が発色し
てきたりするという致命的な欠点がある。またカラー印
字は2色までが限界であって連続的な階調を有するカラ
ー画像を得ることは不可能であった。 一方、上記のような欠点を改良する記録方法として、
シート状基体に、顔料または染料が分散されてなる熱溶
融性ワックス層を設けた熱転写シートあるいは熱移行性
染料がバインダー中に含有された熱昇華転写層を設けた
熱昇華転写シートが近年用いられ始められている。 この熱溶解転写シートと被転写シートとを重ね合せ
て、熱転写シートの背面から加熱印字を行なうと、顔料
または染料が含まれた熱溶融性ワックス層が被熱転写シ
ート上に移行して画像が得られる。このような印字方法
によれば、感熱発色シートよりも耐久性のある画像が得
られるとともに、三原色の顔料または染料が含まれた熱
転写シートを順次印字することにより、多色画像が得ら
れる。 一方、熱昇華転写シートは、熱移行性の染料が含有さ
れたバインダー層をシート状基体上に設けて形成され、
得られた熱転写シートと被転写シートとを重ね合わせ
て、熱転写シートの背面から加熱印字を行なうと、バイ
ンダー層中の染料のみが熱昇華して被転写シート上に移
行して画像が得られる。この印字方法によっても三原色
の熱移行性染料が含まれた熱昇華転写シートを順次印字
することにより多色画像が得られる。 ところで近年、電気信号から直接カラー写真のような
連続階調を有する画像を得たいという要求が高まり種々
の試みがなされている。 これらの試みの1つとして、CRT画面上から直接銀塩
カラー写真を得る方法がある。この方法は、ランニング
コストがかさむこと、また35mmフィルムである場合には
撮影後現像処理が必要なため、即時性がないなどの欠点
がある。 さらに別の方法として、インパクトリボン方式あるい
はインクジェット方式も提案されているが、画質が悪く
画像処理が必要であり簡便には写真のような画像を得る
ことができない欠点がある。 このような欠点を解決するため、前記した熱昇華転写
シートによる記録を行なうという試みがなされている。
この熱昇華転写シートを用いる方法では、熱昇華転写層
中の熱移行性染料が、熱転写シートに加えられる熱エネ
ルギー量に応じて被転写シートに移行するという特徴が
あるため、連続的な階調を有する画像が得られかつ、テ
レビ信号から簡単かつ迅速な処理で画像情報の記録が可
能になる点で極めてすぐれたものであるが、反面、次の
様な問題点を有している。 すなわち、熱転写シートを用いた従来の方法で得られ
る画像は、その光学濃度範囲が比較的小さいという問題
がある。たとえば、通常のカラー写真の光学濃度は0〜
約4.0の範囲であるが、従来法で得られる熱転写画像濃
度範囲はすぐれたものであっても、0〜2.0の範囲であ
り、したがって、従来法で画像パターンを得る場合、濃
度2.0〜4.0の部分は圧縮してレンジを狭くしているのが
現状である。 〔発明の概要〕 本発明は上述した従来技術に伴う問題点に鑑みてなさ
れたものであり、濃度範囲の大きい熱転写画像を得るた
めの方法を提供することを目的としている。 上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成方法
は、加熱により溶融ないし昇華する染料を含有する熱転
写層が基材シート上に形成されてなる熱転写シートと被
転写シートとを重ね合わせて、加熱手段により該被転写
シート上に画像を形成する方法であって、前記被転写シ
ート上に同一の画像パターンを少なくとも2度重ねて転
写することによって濃度範囲の大きい画像を得ることを
特徴とするとしている。 〔発明の実施例〕 以下、本発明を好ましい実施例に基いて具体的に説明
する。 第1図に示すように、一般に、熱転写により画像形成
を行なう場合は、基材シート2上に熱転写層3が形成さ
れてなる熱転写シート1と、基材シート4上に受容層5
が形成された被熱転写シートを図示のように重ね合わ
せ、熱転写層3と受容層5の界面に画像情報に応じた熱
エネルギーを与えることにより、熱転写層中の染料を受
容層に移行させて画像が形成される。熱エネルギーを与
える熱源としては、サーマルヘッド7のような接触型の
点状加熱手段が好ましく用いられる。 この場合、サーマルヘッドに印加する電圧あるいはパ
ルス巾を変調することにより、与える熱エネルギーを連
続的にあるいは多段階に変化させることができる。 画像形成方法の説明に入る前に、まず、本発明で用い
る熱転写シートならびに被転写シートについて説明す
る。 熱転写シート 熱転写シートを構成する基材シート2としては、コン
デンサーペーパー、ポリエステルフィルム、ポリエチレ
ンナフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ
サルフォンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリビニル
アルコールフィルム、セロファン、アラミド(芳香族ポ
リアミド)フィルム等のプラスチックフィルムが用いら
れ、厚みとしては2〜50μm、好ましくは2〜12μmで
ある。これらプラスチックフィルムは表面が平滑である
上に機械的強度が高いので好ましく、中でもポリエステ
ルフィルム、アラミドフィルムを用いるのが望ましい。 熱転写層3は、基本的には、加熱により溶融もしくは
昇華して転移する染料とバインダーとから成っている。 染料は、好ましくは昇華性の分散染料、昇華性の油溶
性染料、もしくは昇華性の塩基性染料であり、分子量は
150〜800、好ましくは350〜700である。これら染料は昇
華温度、色相、耐候性、インキ中もしくはバインダー樹
脂中への溶解性等を考慮して選択され、例えば次のよう
なものである。 C.I.(カラーインデックスの略、以下においても同
じ)ディスパースイエロー51、同3、同54、同79、同6
0、同23、同7、同141、 C.I.ディスパースブルー24、同56、同14、同301、同3
34、同165、同19、同72、同87、同287、同154、同26、 C.I.ディスパースレッド135、同146、同59、同1、同
73、同60、同167、 C.I.ディスパースバイオレット4、同13、同36、同5
6、同31、 C.I.ソルベントバイオレット13、 C.I.ソルベントブラック3、 C.I.ソルベントグリーン3、 C.I.ソルベントイエロー56、同14、同16、同29、 C.I.ソルベントブルー70、同35、同63、同36、同50、
同49、同111、同105、同97、同11、 C.I.ソルベントレッド135、同81、同18、同25、同1
9、同23、同24、 同143、同146、同182。 熱転写層のバインダーとしては、エチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセ
ルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセル
ロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセ
タール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリド
ン、ポリエステル、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体、
ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂
が使用できる。 より好ましいバインダーの例として、上記した通常の
ビニルブチラール樹脂ではなく、分子量が60,000〜200,
000、ビニルアルコール部分の重量%がポリビニルブチ
ラール樹脂中10〜40%、好ましくは15〜30%、ガラス転
移点が60℃〜110℃、好ましくは70℃〜110℃の特殊なポ
リビニルブチラール樹脂が挙げられる。ガラス転移点が
60℃未満では、経時的に染料が凝集したり析出した現象
が生じ、一方、110℃を超える場合は染料の昇華が充分
におこらないので好ましくない。分子量が60,000未満で
はバインダーとしての結束力が不十分であり、200,000
を超えると塗布時の粘度が高くなり過ぎ、塗布に支障が
ある。ビニルアルコール部分が10%未満であると熱転写
層の経時安定性が不十分であるので、このため、染料の
凝集、析出や表面へのブリードが避けられない。逆に40
%を越えるとポリビニルアルコール部分の染料に対する
親和性のために染料の昇華を妨げて、印字濃度が低下す
る。 熱転写層中の染料とバインダーの重量比は染料/バイ
ンダーが0.3以上であることが望ましく、0.3未満では印
字濃度、熱感度が不充分である。また、染料/バインダ
ーが3.0を越えると、染料のバインダー中での保持性が
不充分になって熱転写シートの保存性が低下する。従っ
て、染料/バインダーは0.3〜3.0であることが好まし
く、より好ましくは0.55〜2.5である。更に好ましく
は、0.55〜0.15である。 染料は熱転写層のバインダー中に溶解していることが
望ましい。従来の布地用の昇華転写紙においては、染料
はバインダー中に分散しているので、染料を昇華させる
には、染料分子どうしの相互作用、および染料分子〜バ
インダー間の相互作用に打ち勝つエネルギーを与える必
要があり、必然的に高いエネルギーを必要とする結果、
熱感度が低下する。この点、染料がバインダー中に溶解
していると熱感度の点で有利である。 熱転写層は、第2図に示すように、印字したときに所
望の色相を転写できるよう、染料を選択し、必要に応じ
て、染料の異なる2以上の熱転写層を一つの熱転写シー
トに並べて形成されていてもよい。例えば、分色信号に
応じて各色の印字をくり返して天然色写真のような画像
を形成するときは、印字したときの色相がシアン(3
a)、マゼンタ(3b)、イエロー(3c)の各色であるこ
とが望ましく、このような色相を与える染料を含有する
3つの熱転写層を並べる。或いは、シアン、マゼンタ、
イエローに加えてさらにブラックの色相を与える染料を
含有する熱転写層を追加してもよい。なお、これら熱転
写層の形成の際にいずれかの熱転写層の形成と同時に位
置検出用のマークを設けると、熱転写層検出とは別のイ
ンキや、印刷工程を要しないので好ましい。 また、ステッキングの防止や走行性能の向上を目的と
して、基材シートの熱転写層が設けられていない方の面
に、耐熱層や耐熱スリップ層を設けることが好ましい。
このような構成については、たとえば本出願人に係る特
願昭61−104189号明細書等に記載されている。 更に、帯電防止層等の付加的な層を設けることもでき
る。 被転写シート 第1図に示すように、本発明の方法で使用する被転写
シート6は、基材シート4上に受容層5が形成されてな
る。 基材シート4としては、合成紙(ポリオレフィン
系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート
紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又
はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合
成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポリオレ
フィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボネート
等の各種のプラスチックのフィルムもしくはシートが使
用できる。このうちの合成紙はその表面に、熱伝導率
の低い(換言すれば断熱性の高い)ミクロヴォイド層を
有しているので好ましい。又、上記〜の任意の組み
合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例
として、セルロース繊維と合成紙、あるいは、セルロー
ス繊維紙とプラスチックフィルムもしくはシートとの積
層体が挙げられる。このうちセルロース繊維紙と合成紙
との積層体は、合成紙が有する熱的な不安定さ(伸縮な
ど)をセルロース繊維紙が補ない、合成紙が有する低熱
伝導率による印字熱感度の高さを発揮できてよい、又、
この組み合わせにおいて積層体表裏のバランスをとるた
め、合成紙〜セルロース繊維紙〜合成紙の三層積層体を
用いるのがよく、印字によるカールを少なくできる。 上記のような積層体に用いる合成紙としては、通常被
熱転写シートの合成紙基材として用いうる合成紙であれ
ばいかなるものをも使用できるが、特に微細空孔を含有
する紙状層を設けた合成紙(例えば、市販品の合成紙ユ
ボ:王子油化合成紙製)が望ましい。上記紙状層におけ
る微細空孔は、例えば、合成樹脂を微細充填含有状態で
延伸することにより形成することができる。上記微細空
孔を含有する紙状層を設けた合成紙を用いて構成した被
熱転写シートは、熱転写により画像を形成した場合、画
像濃度が高く、画像のバラツキも生じないという効果が
ある。これは、微細空孔により断熱効果があり、熱エネ
ルギー効率が良いことと、微細空孔によるクッション性
の良さが、上記合成紙上に設けられ、画像が形成される
受容層に寄与するものと思われる。又、上記微細空孔を
含有する紙状層を直接、セルロース紙繊維などの芯材の
表面に設けることも可能である。 上記積層体におけるセルロース繊維紙以外にプラスチ
ックフィルムを使用することもでき、更に、上記セルロ
ース繊維紙とプラスチックフィルムをラミネートしたも
のも使用することができる。 合成紙とセルロース繊維紙との貼着方法としては、例
えば、従来公知の接着剤を用いた貼着、押出ラミネート
法を用いた貼着、熱接着による貼着等が挙げられ、また
合成紙とプラスチックフィルムとの貼着方法としてはプ
ラスチックフィルムの形成を同時に兼ねたラミネート
法、カレンダー法等による貼着等が挙げられる。上記貼
着手段は合成紙の貼着するものの材質等に応じて適宜選
択される。上記接着剤の具体例としては、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のエマルジョン接
着剤、カルボキシル基を含むポリエステル等の水溶性接
着剤等が挙げられ、またラミネート用の接着剤として
は、ポリウレタン系、アクリル系等の有機溶剤溶液タイ
プ等の接着剤が挙げられる。 また、基材シートは透明であっても不透明であっても
よい。透明の場合は、たとえばOHP用の透過原稿として
用いることができる。 受容層5は、たとえば、飽和ポリエステルと塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体との混合樹脂、ポリスチレンお
よび(または)スチレンと他のモノマーとの共重合体な
どにより構成することができる。更に、受容層中には、
白色度を向上させて転写画像の鮮明度を高めるために、
酸化チタンなどの白色顔料を添加してもよい。また、転
写画像の耐光性を高めるために、紫外線吸収剤および
(または)光安定化剤を添加することもできる。更にま
た、転写後の熱転写シートとの離型性を向上させるため
に、受容層中にポリエチレンワックス、界面活性剤、シ
リコーンオイルなどの離型剤を含有させることもでき
る。 上記の他の態様として、基材シートと受容層の間に、
画像品質を高めるための中間層を設けることもでき、更
に基材シートの裏面側には、滑性層や帯電防止層を設け
ることができる。これら各層の構成の詳細については、
たとえば本出願人に係る、特願昭60−39934号、同60−1
92620号明細書に開示されている。 画像形成方法 本発明においては、上記のような熱転写シートと被転
写シートを重ね合わせて加熱印字手段により該被転写シ
ート上に画像を形成するに際して、被転写シート上に同
一の画像パターンを少なくとも2度重ねて転写すること
によって濃度範囲の大きい画像を得ることを特徴として
いる。 したがって、本発明の画像形成方法においては、下記
の様な態様をとることができる。なお、本発明におい
て、「濃度」とは、画像に投射した光の強さと、画像か
ら反射もしくは画像を透過した光との比の対数を基準と
し、濃度範囲とは、最大濃度と最小濃度との差を意味す
る。 (イ)同一の画像パターンであって同一の濃度範囲の画
像を少なくとも2度重ねて転写する方法。 この方法によれば、たとえば、濃度範囲0〜2.0の画
像パターンを2度重ねることによって濃度範囲0〜4.0
の転写画像を得ることができる。 (ロ)転写する画像パターンのうち、高濃度域のみにつ
いて部分的に画像パターンの複数転写を行なう方法。 この方法によれば、たとえば濃度2.0以上の高濃度が
必要な部分のみを複数転写することによって全体として
大きな濃度範囲を有する画像を迅速に形成することがで
きる。 (ハ)転写する画像パターンのうち、高濃度域の画像パ
ターン部のみを一定濃度の画像パターンで転写する工程
を含む方法。 この方法によれば、たとえば、画像中の輪郭、影の部
分等の濃度2.0以上の部分のみを一度固定濃度(たとえ
ば2.0)で転写しておき、更にその他の部分をも含めて
再度0〜2.0の濃度範囲の画像パターンを転写して0〜
4.0の濃度域を有する画像を形成することができる。 この方法も上記(ロ)の方法と同様、画像形成の迅速
化を図る上で有利である。 (ニ)サーマルヘッドのドットを少なくとも部分的に重
なるように印字することにより、複数回転写を行なう方
法。 (ホ)同一の画像パターンで転写された被転写シートを
少なくとも2枚以上重ねて一体化する方法。 (ヘ)1枚の被転写シートの両面に、転写像が重なるよ
うにして同一の画像パターンを転写する方法。 上記の様な方法を用いて、濃度域の広い画像を得るこ
とができる。また、第2図に示すような熱転写シートを
用いることによってカラー写真調のカラー転写画像を得
ることもできる。すなわち、上記本発明の方法を適用す
るに際して、第2図に示すような予め各色に塗り分けて
形成した区域を有する熱転写シートを用い、まず黄色の
区域を用いて黄色の分色画像を熱転写し、次に熱転写シ
ートの赤色の区域を用いて行ない、以下、順次に繰り返
すことにより黄色、赤色、藍色、及び必要により黒色の
分色画像を熱転写する方法を採ると、熱転写シートの交
換が不要になるという利点がある。 なお、熱エネルギーを与えるのに用いる熱源の大き
さ、熱転写シートと被熱転写シートとの密着性、熱エネ
ルギーを適宜に調整することにより得られる画像の品質
を向上させることができる。 上記の様な熱転写シートと被熱転写シートとを組み合
わせることにより、熱印字方式の各種のプリンターを用
いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気記録方式による
写真のプリント作成、テレビジョン画面からのプリント
作成などに利用できる。 たとえば受信したテレビジョンの一画面を、磁気テー
プあるいは磁気ディスク等の記憶媒体に、黄色、赤色、
藍色、および必要に応じて黒色の各分色パターンの信号
として記憶させておき、記憶された各分色パターンの信
号を出力させ、この信号に応じた熱エネルギーをサーマ
ルヘッド等の熱源により熱転写シートと被熱転写シート
との重ね合わせ体に付与して、各色毎に逐次熱転写を行
なうと、テレビジョンの画面をシート状のプリントとし
て迅速に再生することができる。このようなテレビジョ
ンの画面のプリントアウトに、被熱転写シートと熱転写
シートの組合せ体を利用するときは通常、被熱転写シー
トとしては白色の受容層単独のものか、または無色透明
な受容層を紙などの基材で裏打ちしたもの、もしくは白
色の受容層を紙など基材で裏打ちしたものなどを用いる
と反射画像を得るのに都合がよい。 なお上記と同様なことはコンピュータの操作によりCR
T画面上に形成された文字、図形、記号及び色彩等の組
み合わせ、グラフィックパターンを原画として利用する
ときにも行うことができ、また、原画が絵画、写真、印
刷物などの固定画像あるいは人物、静物、風景等の実際
の物であるときは、ビデオカメラ等の適宜な手段を媒介
として用いることにより、上記と同様に行なえる。さら
に原画から各分色パターンの信号を作り出すに際し、印
刷の写真製版用に用いられる電子製版機(カラースキャ
ナー)を用いてもよい。 また、本発明の方法で使用する熱転写シートとして
は、各色について染料濃度の異なる熱転写層が区分けし
て設けられたものを用いてもよい。 また、同一画像の複数回転写においては、2回目の転
写によって、1回目に既に転写されている染料が受容層
から離脱する場合がある。したがって、このような染料
の離脱を防止するためには、2回目の熱転写を1回目よ
りも低いエネルギーで行なうことが好ましい。このよう
な熱転写を行なうために用いる熱転写シートとしては、
各色について昇華温度の異なる染料を含有する熱転写層
が区分けして設けられたものを用いることが好ましい。 さらに本発明で用いる熱転写シートにおいては、各色
の区分け面積を転写方法に応じて適宜変えたものを用い
ることもできる。 本発明の方法によれば、画像の濃度範囲が広がる他に
も、次の様な作用効果を得ることができる。 (イ)複数回転写を行なうことによって、1回目の転写
画像における未発色の染料を、2回目の転写によって完
全に染着させることができるので、鮮明でしかも耐退色
性にもすぐれた画像を得ることができる。 (ロ)黒色の画像品質が一層向上する。すなわち、通
常、黒色は赤,青、黄の3原色の混色によって形成され
ているが、一般にこの黒色の調整は濃度範囲が広くなる
に従って困難となり、たとえば赤色の濃度が高くなりす
ぎたりする場合がある。本発明の方法によれば、黒色の
同一画像パターンを複数回転写により形成することによ
って、上記のような3原色の配合を最適状態に調整する
ことができるので、鮮明かつ均質な黒色を得ることがで
きる。 用途 本発明は上記の様な作用効果を有しているので、特に
以下の様な用途に好適である。 (イ)医療の分野においてサーモグラフやCTスキャン等
の診断画像を得たい場合、画像情報の精度の高度化が特
に要求されるが、本発明によれば鮮明かつ濃度範囲の大
きい画像を得ることができるのでこのような用途に好適
である。 (ロ)印刷の校正(カラー校正)を転写画像で行なうこ
とが可能となる。通常、カラー校正においては、印刷画
像と同程度の濃度範囲の校正用画像が必要であり、従来
はこの校正刷りのための製版が必要であったが、本発明
によれば、このような製版工程は要せずして濃度範囲の
大きい(たとえば0〜4)校正用画像を迅速かつ簡易に
得ることができる。 (ハ)OHP用等の透過原稿にも好適である。このような
透過原稿は、通常の転写画像よりも更に高い印字濃度が
要求されるが、本発明の方法によれば、濃度(透過濃
度)範囲の大きい透過原稿を得ることができる。
いて濃度範囲の大きい画像を得るための方法に関する。 〔発明の背景〕 サーマルヘッドにより画像情報に応じて画像を得るに
は、従来、主として感熱発色紙が用いられてきた。これ
らの感熱発色紙は、基紙上に設けられた常温で無色また
は淡色のロイコ染料と顕色剤(例えばビスフェノール
A)とが加熱時に接触反応して発色画像が得られる。 ところが、上記のような感熱発色紙は、得られた画像
を長期間保存すると消色してきたり、非画像部が発色し
てきたりするという致命的な欠点がある。またカラー印
字は2色までが限界であって連続的な階調を有するカラ
ー画像を得ることは不可能であった。 一方、上記のような欠点を改良する記録方法として、
シート状基体に、顔料または染料が分散されてなる熱溶
融性ワックス層を設けた熱転写シートあるいは熱移行性
染料がバインダー中に含有された熱昇華転写層を設けた
熱昇華転写シートが近年用いられ始められている。 この熱溶解転写シートと被転写シートとを重ね合せ
て、熱転写シートの背面から加熱印字を行なうと、顔料
または染料が含まれた熱溶融性ワックス層が被熱転写シ
ート上に移行して画像が得られる。このような印字方法
によれば、感熱発色シートよりも耐久性のある画像が得
られるとともに、三原色の顔料または染料が含まれた熱
転写シートを順次印字することにより、多色画像が得ら
れる。 一方、熱昇華転写シートは、熱移行性の染料が含有さ
れたバインダー層をシート状基体上に設けて形成され、
得られた熱転写シートと被転写シートとを重ね合わせ
て、熱転写シートの背面から加熱印字を行なうと、バイ
ンダー層中の染料のみが熱昇華して被転写シート上に移
行して画像が得られる。この印字方法によっても三原色
の熱移行性染料が含まれた熱昇華転写シートを順次印字
することにより多色画像が得られる。 ところで近年、電気信号から直接カラー写真のような
連続階調を有する画像を得たいという要求が高まり種々
の試みがなされている。 これらの試みの1つとして、CRT画面上から直接銀塩
カラー写真を得る方法がある。この方法は、ランニング
コストがかさむこと、また35mmフィルムである場合には
撮影後現像処理が必要なため、即時性がないなどの欠点
がある。 さらに別の方法として、インパクトリボン方式あるい
はインクジェット方式も提案されているが、画質が悪く
画像処理が必要であり簡便には写真のような画像を得る
ことができない欠点がある。 このような欠点を解決するため、前記した熱昇華転写
シートによる記録を行なうという試みがなされている。
この熱昇華転写シートを用いる方法では、熱昇華転写層
中の熱移行性染料が、熱転写シートに加えられる熱エネ
ルギー量に応じて被転写シートに移行するという特徴が
あるため、連続的な階調を有する画像が得られかつ、テ
レビ信号から簡単かつ迅速な処理で画像情報の記録が可
能になる点で極めてすぐれたものであるが、反面、次の
様な問題点を有している。 すなわち、熱転写シートを用いた従来の方法で得られ
る画像は、その光学濃度範囲が比較的小さいという問題
がある。たとえば、通常のカラー写真の光学濃度は0〜
約4.0の範囲であるが、従来法で得られる熱転写画像濃
度範囲はすぐれたものであっても、0〜2.0の範囲であ
り、したがって、従来法で画像パターンを得る場合、濃
度2.0〜4.0の部分は圧縮してレンジを狭くしているのが
現状である。 〔発明の概要〕 本発明は上述した従来技術に伴う問題点に鑑みてなさ
れたものであり、濃度範囲の大きい熱転写画像を得るた
めの方法を提供することを目的としている。 上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成方法
は、加熱により溶融ないし昇華する染料を含有する熱転
写層が基材シート上に形成されてなる熱転写シートと被
転写シートとを重ね合わせて、加熱手段により該被転写
シート上に画像を形成する方法であって、前記被転写シ
ート上に同一の画像パターンを少なくとも2度重ねて転
写することによって濃度範囲の大きい画像を得ることを
特徴とするとしている。 〔発明の実施例〕 以下、本発明を好ましい実施例に基いて具体的に説明
する。 第1図に示すように、一般に、熱転写により画像形成
を行なう場合は、基材シート2上に熱転写層3が形成さ
れてなる熱転写シート1と、基材シート4上に受容層5
が形成された被熱転写シートを図示のように重ね合わ
せ、熱転写層3と受容層5の界面に画像情報に応じた熱
エネルギーを与えることにより、熱転写層中の染料を受
容層に移行させて画像が形成される。熱エネルギーを与
える熱源としては、サーマルヘッド7のような接触型の
点状加熱手段が好ましく用いられる。 この場合、サーマルヘッドに印加する電圧あるいはパ
ルス巾を変調することにより、与える熱エネルギーを連
続的にあるいは多段階に変化させることができる。 画像形成方法の説明に入る前に、まず、本発明で用い
る熱転写シートならびに被転写シートについて説明す
る。 熱転写シート 熱転写シートを構成する基材シート2としては、コン
デンサーペーパー、ポリエステルフィルム、ポリエチレ
ンナフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ
サルフォンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリビニル
アルコールフィルム、セロファン、アラミド(芳香族ポ
リアミド)フィルム等のプラスチックフィルムが用いら
れ、厚みとしては2〜50μm、好ましくは2〜12μmで
ある。これらプラスチックフィルムは表面が平滑である
上に機械的強度が高いので好ましく、中でもポリエステ
ルフィルム、アラミドフィルムを用いるのが望ましい。 熱転写層3は、基本的には、加熱により溶融もしくは
昇華して転移する染料とバインダーとから成っている。 染料は、好ましくは昇華性の分散染料、昇華性の油溶
性染料、もしくは昇華性の塩基性染料であり、分子量は
150〜800、好ましくは350〜700である。これら染料は昇
華温度、色相、耐候性、インキ中もしくはバインダー樹
脂中への溶解性等を考慮して選択され、例えば次のよう
なものである。 C.I.(カラーインデックスの略、以下においても同
じ)ディスパースイエロー51、同3、同54、同79、同6
0、同23、同7、同141、 C.I.ディスパースブルー24、同56、同14、同301、同3
34、同165、同19、同72、同87、同287、同154、同26、 C.I.ディスパースレッド135、同146、同59、同1、同
73、同60、同167、 C.I.ディスパースバイオレット4、同13、同36、同5
6、同31、 C.I.ソルベントバイオレット13、 C.I.ソルベントブラック3、 C.I.ソルベントグリーン3、 C.I.ソルベントイエロー56、同14、同16、同29、 C.I.ソルベントブルー70、同35、同63、同36、同50、
同49、同111、同105、同97、同11、 C.I.ソルベントレッド135、同81、同18、同25、同1
9、同23、同24、 同143、同146、同182。 熱転写層のバインダーとしては、エチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセ
ルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセル
ロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセ
タール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリド
ン、ポリエステル、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体、
ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂
が使用できる。 より好ましいバインダーの例として、上記した通常の
ビニルブチラール樹脂ではなく、分子量が60,000〜200,
000、ビニルアルコール部分の重量%がポリビニルブチ
ラール樹脂中10〜40%、好ましくは15〜30%、ガラス転
移点が60℃〜110℃、好ましくは70℃〜110℃の特殊なポ
リビニルブチラール樹脂が挙げられる。ガラス転移点が
60℃未満では、経時的に染料が凝集したり析出した現象
が生じ、一方、110℃を超える場合は染料の昇華が充分
におこらないので好ましくない。分子量が60,000未満で
はバインダーとしての結束力が不十分であり、200,000
を超えると塗布時の粘度が高くなり過ぎ、塗布に支障が
ある。ビニルアルコール部分が10%未満であると熱転写
層の経時安定性が不十分であるので、このため、染料の
凝集、析出や表面へのブリードが避けられない。逆に40
%を越えるとポリビニルアルコール部分の染料に対する
親和性のために染料の昇華を妨げて、印字濃度が低下す
る。 熱転写層中の染料とバインダーの重量比は染料/バイ
ンダーが0.3以上であることが望ましく、0.3未満では印
字濃度、熱感度が不充分である。また、染料/バインダ
ーが3.0を越えると、染料のバインダー中での保持性が
不充分になって熱転写シートの保存性が低下する。従っ
て、染料/バインダーは0.3〜3.0であることが好まし
く、より好ましくは0.55〜2.5である。更に好ましく
は、0.55〜0.15である。 染料は熱転写層のバインダー中に溶解していることが
望ましい。従来の布地用の昇華転写紙においては、染料
はバインダー中に分散しているので、染料を昇華させる
には、染料分子どうしの相互作用、および染料分子〜バ
インダー間の相互作用に打ち勝つエネルギーを与える必
要があり、必然的に高いエネルギーを必要とする結果、
熱感度が低下する。この点、染料がバインダー中に溶解
していると熱感度の点で有利である。 熱転写層は、第2図に示すように、印字したときに所
望の色相を転写できるよう、染料を選択し、必要に応じ
て、染料の異なる2以上の熱転写層を一つの熱転写シー
トに並べて形成されていてもよい。例えば、分色信号に
応じて各色の印字をくり返して天然色写真のような画像
を形成するときは、印字したときの色相がシアン(3
a)、マゼンタ(3b)、イエロー(3c)の各色であるこ
とが望ましく、このような色相を与える染料を含有する
3つの熱転写層を並べる。或いは、シアン、マゼンタ、
イエローに加えてさらにブラックの色相を与える染料を
含有する熱転写層を追加してもよい。なお、これら熱転
写層の形成の際にいずれかの熱転写層の形成と同時に位
置検出用のマークを設けると、熱転写層検出とは別のイ
ンキや、印刷工程を要しないので好ましい。 また、ステッキングの防止や走行性能の向上を目的と
して、基材シートの熱転写層が設けられていない方の面
に、耐熱層や耐熱スリップ層を設けることが好ましい。
このような構成については、たとえば本出願人に係る特
願昭61−104189号明細書等に記載されている。 更に、帯電防止層等の付加的な層を設けることもでき
る。 被転写シート 第1図に示すように、本発明の方法で使用する被転写
シート6は、基材シート4上に受容層5が形成されてな
る。 基材シート4としては、合成紙(ポリオレフィン
系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート
紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又
はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合
成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポリオレ
フィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボネート
等の各種のプラスチックのフィルムもしくはシートが使
用できる。このうちの合成紙はその表面に、熱伝導率
の低い(換言すれば断熱性の高い)ミクロヴォイド層を
有しているので好ましい。又、上記〜の任意の組み
合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例
として、セルロース繊維と合成紙、あるいは、セルロー
ス繊維紙とプラスチックフィルムもしくはシートとの積
層体が挙げられる。このうちセルロース繊維紙と合成紙
との積層体は、合成紙が有する熱的な不安定さ(伸縮な
ど)をセルロース繊維紙が補ない、合成紙が有する低熱
伝導率による印字熱感度の高さを発揮できてよい、又、
この組み合わせにおいて積層体表裏のバランスをとるた
め、合成紙〜セルロース繊維紙〜合成紙の三層積層体を
用いるのがよく、印字によるカールを少なくできる。 上記のような積層体に用いる合成紙としては、通常被
熱転写シートの合成紙基材として用いうる合成紙であれ
ばいかなるものをも使用できるが、特に微細空孔を含有
する紙状層を設けた合成紙(例えば、市販品の合成紙ユ
ボ:王子油化合成紙製)が望ましい。上記紙状層におけ
る微細空孔は、例えば、合成樹脂を微細充填含有状態で
延伸することにより形成することができる。上記微細空
孔を含有する紙状層を設けた合成紙を用いて構成した被
熱転写シートは、熱転写により画像を形成した場合、画
像濃度が高く、画像のバラツキも生じないという効果が
ある。これは、微細空孔により断熱効果があり、熱エネ
ルギー効率が良いことと、微細空孔によるクッション性
の良さが、上記合成紙上に設けられ、画像が形成される
受容層に寄与するものと思われる。又、上記微細空孔を
含有する紙状層を直接、セルロース紙繊維などの芯材の
表面に設けることも可能である。 上記積層体におけるセルロース繊維紙以外にプラスチ
ックフィルムを使用することもでき、更に、上記セルロ
ース繊維紙とプラスチックフィルムをラミネートしたも
のも使用することができる。 合成紙とセルロース繊維紙との貼着方法としては、例
えば、従来公知の接着剤を用いた貼着、押出ラミネート
法を用いた貼着、熱接着による貼着等が挙げられ、また
合成紙とプラスチックフィルムとの貼着方法としてはプ
ラスチックフィルムの形成を同時に兼ねたラミネート
法、カレンダー法等による貼着等が挙げられる。上記貼
着手段は合成紙の貼着するものの材質等に応じて適宜選
択される。上記接着剤の具体例としては、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のエマルジョン接
着剤、カルボキシル基を含むポリエステル等の水溶性接
着剤等が挙げられ、またラミネート用の接着剤として
は、ポリウレタン系、アクリル系等の有機溶剤溶液タイ
プ等の接着剤が挙げられる。 また、基材シートは透明であっても不透明であっても
よい。透明の場合は、たとえばOHP用の透過原稿として
用いることができる。 受容層5は、たとえば、飽和ポリエステルと塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体との混合樹脂、ポリスチレンお
よび(または)スチレンと他のモノマーとの共重合体な
どにより構成することができる。更に、受容層中には、
白色度を向上させて転写画像の鮮明度を高めるために、
酸化チタンなどの白色顔料を添加してもよい。また、転
写画像の耐光性を高めるために、紫外線吸収剤および
(または)光安定化剤を添加することもできる。更にま
た、転写後の熱転写シートとの離型性を向上させるため
に、受容層中にポリエチレンワックス、界面活性剤、シ
リコーンオイルなどの離型剤を含有させることもでき
る。 上記の他の態様として、基材シートと受容層の間に、
画像品質を高めるための中間層を設けることもでき、更
に基材シートの裏面側には、滑性層や帯電防止層を設け
ることができる。これら各層の構成の詳細については、
たとえば本出願人に係る、特願昭60−39934号、同60−1
92620号明細書に開示されている。 画像形成方法 本発明においては、上記のような熱転写シートと被転
写シートを重ね合わせて加熱印字手段により該被転写シ
ート上に画像を形成するに際して、被転写シート上に同
一の画像パターンを少なくとも2度重ねて転写すること
によって濃度範囲の大きい画像を得ることを特徴として
いる。 したがって、本発明の画像形成方法においては、下記
の様な態様をとることができる。なお、本発明におい
て、「濃度」とは、画像に投射した光の強さと、画像か
ら反射もしくは画像を透過した光との比の対数を基準と
し、濃度範囲とは、最大濃度と最小濃度との差を意味す
る。 (イ)同一の画像パターンであって同一の濃度範囲の画
像を少なくとも2度重ねて転写する方法。 この方法によれば、たとえば、濃度範囲0〜2.0の画
像パターンを2度重ねることによって濃度範囲0〜4.0
の転写画像を得ることができる。 (ロ)転写する画像パターンのうち、高濃度域のみにつ
いて部分的に画像パターンの複数転写を行なう方法。 この方法によれば、たとえば濃度2.0以上の高濃度が
必要な部分のみを複数転写することによって全体として
大きな濃度範囲を有する画像を迅速に形成することがで
きる。 (ハ)転写する画像パターンのうち、高濃度域の画像パ
ターン部のみを一定濃度の画像パターンで転写する工程
を含む方法。 この方法によれば、たとえば、画像中の輪郭、影の部
分等の濃度2.0以上の部分のみを一度固定濃度(たとえ
ば2.0)で転写しておき、更にその他の部分をも含めて
再度0〜2.0の濃度範囲の画像パターンを転写して0〜
4.0の濃度域を有する画像を形成することができる。 この方法も上記(ロ)の方法と同様、画像形成の迅速
化を図る上で有利である。 (ニ)サーマルヘッドのドットを少なくとも部分的に重
なるように印字することにより、複数回転写を行なう方
法。 (ホ)同一の画像パターンで転写された被転写シートを
少なくとも2枚以上重ねて一体化する方法。 (ヘ)1枚の被転写シートの両面に、転写像が重なるよ
うにして同一の画像パターンを転写する方法。 上記の様な方法を用いて、濃度域の広い画像を得るこ
とができる。また、第2図に示すような熱転写シートを
用いることによってカラー写真調のカラー転写画像を得
ることもできる。すなわち、上記本発明の方法を適用す
るに際して、第2図に示すような予め各色に塗り分けて
形成した区域を有する熱転写シートを用い、まず黄色の
区域を用いて黄色の分色画像を熱転写し、次に熱転写シ
ートの赤色の区域を用いて行ない、以下、順次に繰り返
すことにより黄色、赤色、藍色、及び必要により黒色の
分色画像を熱転写する方法を採ると、熱転写シートの交
換が不要になるという利点がある。 なお、熱エネルギーを与えるのに用いる熱源の大き
さ、熱転写シートと被熱転写シートとの密着性、熱エネ
ルギーを適宜に調整することにより得られる画像の品質
を向上させることができる。 上記の様な熱転写シートと被熱転写シートとを組み合
わせることにより、熱印字方式の各種のプリンターを用
いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気記録方式による
写真のプリント作成、テレビジョン画面からのプリント
作成などに利用できる。 たとえば受信したテレビジョンの一画面を、磁気テー
プあるいは磁気ディスク等の記憶媒体に、黄色、赤色、
藍色、および必要に応じて黒色の各分色パターンの信号
として記憶させておき、記憶された各分色パターンの信
号を出力させ、この信号に応じた熱エネルギーをサーマ
ルヘッド等の熱源により熱転写シートと被熱転写シート
との重ね合わせ体に付与して、各色毎に逐次熱転写を行
なうと、テレビジョンの画面をシート状のプリントとし
て迅速に再生することができる。このようなテレビジョ
ンの画面のプリントアウトに、被熱転写シートと熱転写
シートの組合せ体を利用するときは通常、被熱転写シー
トとしては白色の受容層単独のものか、または無色透明
な受容層を紙などの基材で裏打ちしたもの、もしくは白
色の受容層を紙など基材で裏打ちしたものなどを用いる
と反射画像を得るのに都合がよい。 なお上記と同様なことはコンピュータの操作によりCR
T画面上に形成された文字、図形、記号及び色彩等の組
み合わせ、グラフィックパターンを原画として利用する
ときにも行うことができ、また、原画が絵画、写真、印
刷物などの固定画像あるいは人物、静物、風景等の実際
の物であるときは、ビデオカメラ等の適宜な手段を媒介
として用いることにより、上記と同様に行なえる。さら
に原画から各分色パターンの信号を作り出すに際し、印
刷の写真製版用に用いられる電子製版機(カラースキャ
ナー)を用いてもよい。 また、本発明の方法で使用する熱転写シートとして
は、各色について染料濃度の異なる熱転写層が区分けし
て設けられたものを用いてもよい。 また、同一画像の複数回転写においては、2回目の転
写によって、1回目に既に転写されている染料が受容層
から離脱する場合がある。したがって、このような染料
の離脱を防止するためには、2回目の熱転写を1回目よ
りも低いエネルギーで行なうことが好ましい。このよう
な熱転写を行なうために用いる熱転写シートとしては、
各色について昇華温度の異なる染料を含有する熱転写層
が区分けして設けられたものを用いることが好ましい。 さらに本発明で用いる熱転写シートにおいては、各色
の区分け面積を転写方法に応じて適宜変えたものを用い
ることもできる。 本発明の方法によれば、画像の濃度範囲が広がる他に
も、次の様な作用効果を得ることができる。 (イ)複数回転写を行なうことによって、1回目の転写
画像における未発色の染料を、2回目の転写によって完
全に染着させることができるので、鮮明でしかも耐退色
性にもすぐれた画像を得ることができる。 (ロ)黒色の画像品質が一層向上する。すなわち、通
常、黒色は赤,青、黄の3原色の混色によって形成され
ているが、一般にこの黒色の調整は濃度範囲が広くなる
に従って困難となり、たとえば赤色の濃度が高くなりす
ぎたりする場合がある。本発明の方法によれば、黒色の
同一画像パターンを複数回転写により形成することによ
って、上記のような3原色の配合を最適状態に調整する
ことができるので、鮮明かつ均質な黒色を得ることがで
きる。 用途 本発明は上記の様な作用効果を有しているので、特に
以下の様な用途に好適である。 (イ)医療の分野においてサーモグラフやCTスキャン等
の診断画像を得たい場合、画像情報の精度の高度化が特
に要求されるが、本発明によれば鮮明かつ濃度範囲の大
きい画像を得ることができるのでこのような用途に好適
である。 (ロ)印刷の校正(カラー校正)を転写画像で行なうこ
とが可能となる。通常、カラー校正においては、印刷画
像と同程度の濃度範囲の校正用画像が必要であり、従来
はこの校正刷りのための製版が必要であったが、本発明
によれば、このような製版工程は要せずして濃度範囲の
大きい(たとえば0〜4)校正用画像を迅速かつ簡易に
得ることができる。 (ハ)OHP用等の透過原稿にも好適である。このような
透過原稿は、通常の転写画像よりも更に高い印字濃度が
要求されるが、本発明の方法によれば、濃度(透過濃
度)範囲の大きい透過原稿を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の画像形成方法を説明する断面図、第2
図は本発明で用いる熱転写シートの斜視図である。 2,4…基材シート、3…熱転写層、5…受容層。
図は本発明で用いる熱転写シートの斜視図である。 2,4…基材シート、3…熱転写層、5…受容層。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.加熱により昇華する染料を含有する熱転写層が基材
シート上に形成されてなる熱転写シートと、染料画像受
容層が他の基材シート上に形成されてなる被転写シート
とを重ね合わせて、加熱手段により該被転写シート上に
画像を形成する方法であって、前記転写シートの前記染
料画像受容層に同一の画像パターンであって同一の濃度
範囲の画像を少なくとも2度重ねて転写することによっ
て濃度範囲の大きい画像を得ることを特徴とする、画像
形成方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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-
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