JP2874109B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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- B41M5/50—Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像形成方法に関し、
さらに詳しくは、熱転写シートと被熱転写シートとを組
合せて、サーマルヘッドなどにより画像情報に応じた加
熱印字を行う画像形成方法に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】サーマルヘッドあるい
はレーザーなどにより画像情報に応じて画像を得るに
は、従来主として感熱発色紙が用いられてきた。この感
熱発色紙においては、基紙上に設けられた常温で無色ま
たは淡色のロイコ染料と顕色剤とが、加熱により接触さ
れて発色画像が得られる。このような顕色剤としては、
フェノール性化合物、サリチル酸亜鉛誘導体、ロジンな
どが一般的に使用されている。ところが上記のような感
熱発色紙は、得られた発色画像を長期間保存すると消色
するという致命的な欠点があり、またカラー印字は2色
までが限界であって連続的な階調を有するカラー画像を
得ることはできなかった。 【0003】一方、基紙上に、顔料が分散されてなる熱
溶融性ワックス層を設けた感熱転写紙が近年用いられ始
めた。この感熱転写紙と被転写紙とを重ね合わせ、感熱
転写紙の背面から加熱印字を行うと、顔料が含まれたワ
ックス層が被転写紙上に移行して画像が得られる。この
ような印字方法によれば、耐久性のある画像が得られる
とともに、三原色の顔料が含まれた感熱転写紙を用いて
複数回印字することにより、多色画像が得られるが、本
質的に連続的に階調を有する写真のような画像を得るこ
とはできない。 【0004】ところで、近年、電気信号から直接写真の
ような画像を得たいという要求が高まり、種々の試みが
なされている。このような試みの1つは、CRT上に画
像を映し、これを銀塩フイルムで撮影する方法である
が、銀塩フイルムがインスタントフイルムである場合に
はランニングコストが嵩むという欠点があり、また銀塩
フイルムが35mmフイルムである場合には撮影後現象
処理が必要であるため即時性がないという欠点がある。
さらに別の方法として、インパクトリボン方式あるいは
インクジェット方式も提案されているが、前者は画質が
悪いという欠点があり、後者は画像処理を必要とするた
め簡便に写真のような画像を得ることはむずかしいとい
う欠点がある。 【0005】このような欠点を解決するため、加熱によ
り移行する性質を有する昇華性分散染料層が設けられた
熱転写シートを被熱転写シートと組合せて用い、該昇華
性分散染料をコントロールしながら被熱転写シート上に
移行させて階調のある写真のような画像を得る方法が提
案されている。この方法によれば、テレビ信号から簡単
な処理で連続的な階調を有する画像が得られ、しかもそ
の際用いられる装置が複雑ではないため、注目を集めて
いる。このような方法に近い従来技術の1つとして、ポ
リエステル繊維の乾式転写捺染法は、昇華性の分散染料
などの染料を合成樹脂溶液中に分散ないし溶解させて塗
料とし、この塗料を薄葉紙などにパターン状に塗布し乾
燥させて熱転写シートとし、この熱転写シートを被熱転
写シートであるポリエステル繊維と重ね合わせて密着加
熱し、ポリエステル繊維上に分散染料を染着させて画像
を得る方法である。 【0006】ところが、上記のような熱転写シートとポ
リエステル繊維製の被熱転写シートとを重ね合わせて、
これをサーマルヘッドなどにより加熱印字しても高濃度
の発色画像を得ることはできない。その理由としては、
ポリエステル繊維布の表面平滑性が良好ではないという
ことも挙げられるが、主として次の理由によると考えら
れる。すなわち、通常の乾式転写捺染法あるいは乾湿転
写捺染法では、昇華性染料のポリエステル繊維布上への
移行は、充分に加熱時間をかけて行なわれているのに対
し、サーマルヘッドなどによる加熱は通常極めて短く、
このため該染料が充分に繊維布上に移行しないためであ
る。ちなみに、乾式転写捺染法においては、200℃で
1分間程度、加熱することにより染料の移行が達成され
るのに対し、サーマルヘッドによる加熱においては、4
00℃で数msec程度という短さである。 【0007】本発明者らは、上記の欠点を、主として被
熱転写シートの改良により達成すべく研究した結果、次
のような事実を見出した。クレーコート紙あるいは合成
紙を被熱転写シートとして用いる場合には、熱転写シー
トから移行してくる染料を充分に受容することができ
ず、したがって高濃度の発色画像は得られないという欠
点がある。 【0008】一方、低融点の合成樹脂を受容層として有
する被熱転写シートを用いると、熱転写シートに加えら
れる熱および圧力の作用によって、合成樹脂層自体が熱
接着性を帯びてしまい、熱転写シートの熱転写層は被熱
転写シート上に転写されてしまうことがあり、得られる
画像の明瞭さおよび解像性を向上させるための方法を研
究した結果、特定の構成を有する被熱転写シートを用い
ることによって上記の欠点が一挙に解決されることを見
出して本発明を完成するに至った。 【0009】本発明は、従来技術に伴う欠点を解決しよ
うとするものであって、熱移行性の分散染料が含まれた
熱転写層を有する熱転写シートと、特定の構造を有する
被熱転写シートとを組合せて用い特定の方法で画像形成
することによって、以下のような目的を達成しようとす
るものである。 【0010】a) 電気信号から直接写真のような連続
的な階調を有する発色画像を得ること。 b) 高濃度の透明性の高い発色画像を得るとともに、
長期間にわたって保存しても発色画像の消色がない鮮明
な解像度の高い画像を得ること。 以上のような目的を達成するため、本発明においては、
以下のような性質を有する受容層が設けられた被熱転写
シートを用い、この被熱転写シートは熱転写シートと組
合せて用いられる。 【0011】すなわ本発明に係る画像形成方法は、熱移
行性の染料が含まれた熱転写層を有する熱転写シート
と、合成樹脂の層からなる受容層が基材上に設けられて
なる被熱転写シートとを、前記熱転写シートの熱転写層
と前記被熱転写シートの受容層とが接するように重ね合
わせ、前記被熱転写シートの基材側から画像信号に応じ
た熱エネルギーをサーマルヘッドまたはレーザ光から付
与することによって、前記被熱転写シート上の受容層に
前記熱移行性の染料による画像を形成することを特徴と
するものである。このように、被転写シート側から熱エ
ネルギーを与えることにより、画像の濃淡の階調をより
一層確実に表現することが可能となる。 【0012】 【実施例】以下、本発明を図面に示す好ましい具体例に
ついて説明する。本発明に係る被熱転写シート1は、第
1図に示すように、基材2上に受容層3を設けて構成さ
れているが、第2図に示すように受容層3単独で被熱転
写シートを構成してもよい。基材2上に受容層3を設け
る場合には、受容層3の厚さは、3〜50μm、好まし
くは5〜15μm程度である。一方、受容層3単独で被
熱転写シートを構成する場合には、受容層3の厚さは6
0〜200μm、好ましくは90μm〜150μm程度
である。 【0013】受容層3は、第3図に示すように、第1領
域4と第2領域5とからなっている。第1領域4は、−
100〜20℃、好ましくは−50〜10℃のガラス転
移温度を有するとともに、エステル結合、ウレタン結
合、アミド結合、尿素結合、C−CN結合、C−Cl結
合などの極性基を有する合成樹脂で形成されている。 【0014】一方、第2領域5は、40℃以上好ましく
は50〜150℃のガラス転移温度を有する合成樹脂で
形成されており、好ましくは第2領域を形成する合成樹
脂もまた極性基を有している。 【0015】第1領域を形成しうる合成樹脂としては、
−100〜20℃、好ましくは−50〜10℃のガラス
転移温度を有する以下のようなものが用いられうる。 【0016】(イ) エステル結合を有するもの ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアク
リレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂など。 【0017】(ロ) ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂など。 【0018】(ハ) アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂など。 【0019】(ニ) 尿素結合を有するもの 尿素樹脂など。 【0020】 (ホ) その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど。 【0021】上記のような合成樹脂に加えて、これらの
混合物あるいは共重合体なども使用しうる。 【0022】第1領域を形成する合成樹脂のガラス転移
温度が上記範囲よりも高すぎるかあるいは極性基を持た
ないと、加熱時に熱転写層から移行してくる染料を充分
に受容できなくなり、鮮明な発色画像は得られない。 【0023】第2領域を形成しうる合成樹脂としては、
40℃以上好ましくは50〜150℃のガラス転移温度
を有する以下のようなものが用いられる。 【0024】 (イ) 第1領域を形成する際に用いられた極性基を有
する上記樹脂類。 (ロ) 極性基を有さないが、40℃以上のガラス転移
温度を有する樹脂類スチレン樹脂、スチレン共重合体樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、
ゴム系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アイオノマー
樹脂、オレフィン系樹脂など。 第2領域を形成する合成樹脂のガラス転移温度が40℃
よりも低いと、一旦は得られた発色画像が経時的に退色
するため好ましくない。 【0025】上記のような樹脂で形成される第1領域お
よび第2領域は、ともに受容層の表面に露出しており、
第1領域は受容層表面の15%以上好ましくは15〜9
5%を占めている。そして第1領域は互いに独立して島
状に存在しており、この島状部のそれぞれの長手方向の
長さは0.5〜200μm、好ましくは10〜100μ
mである。さらに、第1領域は第2領域によってほとん
ど実質的に周囲を囲まれていることが望ましい。これ
は、第1領域が主として加熱時に熱転写シートから移行
してくる染料を受容し、一方第2領域が第1領域で受容
された染料の他の部分への拡散を防止する働きをしてい
るためであると考えられる。 【0026】上記のような第1領域および第2領域を有
する受容層を形成するには、次のような方法が考えられ
る。 【0027】(i) 第1領域形成用の合成樹脂と、第
2領域形成用の合成樹脂とを、互いに相溶性の悪い合成
樹脂から選択し、これらの合成樹脂を溶剤に溶解させ、
得られた溶液を基材上などに塗布させた後乾燥させて上
記の合成樹脂を互いに相分離させる。 【0028】(ii) 第1領域形成用の合成樹脂と、
第2領域形成用の合成樹脂とを充分に混練し、この混練
物を基材上などに塗布する。 【0029】(iii) 第2領域形成用の合成樹脂を
シート状物として用意し、この上に第1領域形成用の合
成樹脂塗料をオフセット法あるいはグラビア法などの印
刷法によって印刷する。 【0030】(iv) 第2領域形成用の合成樹脂をシ
ート状物として用意し、この上にシリコーンをパターン
状に上記のような印刷法によって設け、次いでこの上に
第1領域形成用の合成樹脂塗料を全面的に塗布し、シリ
コーンがパターン状に設けられた部分をはじかせる。 【0031】(v) 電子線あるいは紫外線などによっ
て架橋しうる化合物を基材上に全面的に塗布しておき、
これに電子線あるいは紫外線を照射して、たとえば格子
状に架橋させ、未架橋部を第1領域と、架橋部を第2領
域とする。 【0032】受容層を形成する際に、第1領域および第
2領域形成用の合成樹脂が溶解あるいは分散された塗料
組成物を用いる場合には、該塗料中に種々の添加剤を加
えうるが、これらの成分は、加熱時に熱転写シートから
移行してくる染料の定着を妨げないようなものから選択
されるべきである。このような添加剤としては、熱転写
シートとの離型性を高めものとして、シリコーン化合物
の硬化物たとえばエポキシ変性シリコーンオイルとアミ
ノ変性シリコーンオイルとの硬化物などが挙げられる。
また、紫外線吸収剤を添加剤として用いて、発色画像の
光による退色を防止することもできる。 【0033】上述のような被熱転写シートは、熱転写シ
ートと組合わされて使用される。代表的な熱転写シート
6は、第4図に示されるように、支持体7の片面に熱転
写層8が設けられて構成されており、この熱転写層8は
加熱された場合にその中に含まれる染料あるいは顔料が
被熱転写シート上に移行するようになっている。 【0034】支持体7は熱転写層8を保持するという役
割を有するとともに、熱転写層には熱が加えられるた
め、加熱された状態でも取扱い上支障のない程度の機械
的強度を有することが望ましい。 【0035】このような支持体7の具体例としては、コ
ンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙またはサイズ
度の高い紙あるいはプラスチックフイルムなどの可撓性
の薄層シートが挙げられる。これらのうち、コンデンサ
ーペーパー、ポリエチレンテレフタレートフイルムがよ
く用いられ、耐熱性を重視する場合にはコンデンサーペ
ーパーが主として用いられ、機械的装置により取扱い時
の破断防止性を重視する場合にはポリエチレンテレフタ
レートフイルムが主として用いられる。この支持体7の
厚みは、通常3〜50μm、好ましくは5〜15μm程
度である。 【0036】熱転写層8中には、加熱された場合には熱
転写層から抜け出して被熱転写層の受容層に移行しうる
色材が含まれている。 【0037】このような色材としては、約150〜40
0程度の比較的小さい分子量を有する分散染料、オイル
染料、ある種の塩基性染料、あるいはこれらの染料に変
化しうる中間体などが挙げられ、これらの中から、熱転
写温度、熱転写効率、色相、演色性、耐侯性などを考慮
して選択して用いられる。 【0038】上記の色材、熱転写層を形成する適宜な合
成樹脂バインダー中に分散されて、支持体7上に設けら
れる。このような合成樹脂バインダーとしては、通常、
耐熱性が高くしかも加熱された場合に起こる色材の移行
を妨げないものを選択することが好ましく、たとえば以
下のようなものが用いられる。 【0039】(i) セルロース系樹脂 エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチ
ルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロ
ースなど。 【0040】(ii) ビニル系樹脂 ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリ
アクリルアミドなど。 【0041】上記の合成樹脂バインダーのうち、耐熱性
などの点から、ポリビニルブチラール樹脂あるいはセル
ロース系樹脂が好ましい。 【0042】熱転写層8を支持体7上に設けるには、色
材および合成樹脂バインダーを溶剤あるいは稀釈剤とと
もに混練して熱転写層用塗料組成物とし、これを適宜な
印刷方法あるいは塗布方法により支持体7上に設ければ
よい。なお、必要に応じて、熱転写層用塗料組成物中に
任意の添加剤を加えてもよい。 【0043】熱転写シートは、所要の寸法に裁断した枚
葉シート状であってもよく、また連続状あるいは巻取り
状であってもよく、さらに巾の狭いテープ状であっても
よい。 【0044】支持体7上へ熱転写層8を設けるに際し
て、支持体7の表面に同一の色材が含まれた熱転写層用
塗料組成物を全面的に塗布してもよいが、場合によって
は、異なる色材をそれぞれ含む複数の熱転写層用塗料組
成物を、それぞれ支持体7の表面の異なる区域に形成し
てもよい。たとえば、第6図に示すような、黒色の熱転
写層10と赤色の熱転写層11とを支持体7上に平行に
積層した熱転写シート、あるいは第7図に示すような、
黄色の熱転写層12、赤色の熱転写層13、青色の熱転
写層14、黒色の熱転写層15を支持体上に繰り返して
設けた熱転写シートが用いられうる。このような複数の
色相の異なる熱転写層が設けられた熱転写シートを使用
することによって、一枚の熱転写シートにより多色画像
が得られるという利点が生ずる。 【0045】なお、熱転写シートに、パーフォレーショ
ンを形成したり、あるいは色相の異なる区域の位置を検
出するための見当マークなどを設けることによって、使
用時の便を図ることもできる。 【0046】上記のようにして準備された熱転写シート
および被熱転写シートは、第8図に示すごとく熱転写シ
ートの熱転写層と被熱転写シートの受容層とが接するよ
うに向かい合わせて重ね合わされ、熱転写層と受容層の
界面に画像情報に応じた熱エネルギーを与えることによ
り、熱転写層中の色材を受容層に移行させる。 【0047】熱エネルギーを与える熱源としては、サー
マルヘッドのほかにレーザー光、赤外線フラッシュ、熱
ペンなどの公知のものが使用できる。本発明において
は、熱エネルギーは、被熱転写シート側から与える。被
熱転写シート側から熱エネルギーを与える方法は、与え
る熱エネルギーを制御して画像の濃淡の階調を表現した
り、或いは色材が被熱転写シート上で拡散するのを促進
して画像の連続階調の表現をより確実化する意味で好ま
しい。 【0048】熱エネルギーを与える熱源としてサーマル
ヘッドを用いるときは、サーマルヘッドに引加する電圧
あるいはパルス巾を変調することにより、与える熱エネ
ルギーを連続的にあるいは多段階に変化させることがで
きる。 【0049】熱エネルギーを与える熱源としてレーザー
を用いるときは、レーザー光の光量や照射面積を変化さ
せることにより与える熱エネルギーを変化させることが
できる。音響光学素子を内蔵したドットジェネレーター
を用いれば網点の大小に応じた熱エネルギーを与えるこ
ともできる。なおレーザー光を用いるときは熱転写シー
トと被熱転写シートとを充分に密着させて行なうとよ
く、また、レーザー光を照射する面はレーザー光の吸収
をよくするためにたとえば黒色に着色しておくとよい。 【0050】熱エネルギーを与える熱源として赤外線フ
ラッシュランプを用いるときは、レーザー光を用いる場
合と同様に黒色などの着色層を介して行なうとよい。あ
るいは黒色などの画像の濃淡を連続的に表現したパター
ンあるいは網点パターンを用いて、これらのパターンを
介して行なってもよく、あるいは一面の黒色などの着色
層と、前記のパターンのネガに相当するネガパターンを
組み合わせて行なってもよい。 【0051】以上のようにして熱転写層と受容層の界面
に熱エネルギーを与えると、熱転写層中の色材は与えら
れた熱エネルギーに応じた量の色材が気化あるいは溶融
し、受容層に熱移行され受容される。 【0052】以上の熱転写記録により、熱エネルギーに
応じた色材が受容層に熱転写されて、1色の画像を記録
することができるが、以上の方法を熱転写シートを取り
代えて、たとえば黄色、赤色、藍色および必要に応じて
黒色の熱転写シートを順次取り換えて、各色に応じた熱
転写を行なうことにより、各色のかけあわせからなるカ
ラー写真調のカラー画像を得ることもできる。なお、こ
のように各色の熱転写シートを用いるかわりに、第7図
に示すように予め各色に塗り分けて形成した区域を有す
る熱転写シートを用い、まず黄色の区域を用いて黄色の
分色画像を熱転写し、次に熱転写シートの赤色の区域を
用いて行ない、以下、順次に繰り返すことにより黄色、
赤色、藍色、及び必要により黒色の分色画像を熱転写す
る方法を採ると、熱転写シートの交換が不要になるとい
う利点がある。 【0053】なお、熱エネルギーを与えるのに用いる熱
源の大きさ、熱転写シートと被熱転写シートとの密着
性、熱エネルギーを適宜に調整することにより得られる
画像の品質を向上させることができる。 【0054】本発明に係る被熱転写シートは、熱転写シ
ートと組み合わせることにより、熱印字方式の各種のプ
リンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気記
録方式による写真のプリント作成、テレビジョン画面か
らのプリント作成などに利用できる。 【0055】たとえば受信したテレビジョンの一画面
を、磁気テープあるいは磁気ディスク等の記憶媒体に、
黄色、赤色、藍色、および必要に応じ黒色の各分色パタ
ーンの信号として記憶させておき、記憶された各分色パ
ターンの信号を出力させ、この信号に応じた熱エネルギ
ーをサーマルヘッド等の前記した熱源により熱転写シー
トと被熱転写シートとの重ね合わせ体に付与して、各色
毎に逐次熱転写を行なうと、テレビジョンの画面をシー
ト状のプリントとして再生できる。このようなテレビジ
ョンの画面のプリントアウトに、本発明に係る被熱転写
シートと熱転写シートの組合せ体を利用するときは、通
常、被熱転写シートとしては白色の受容層単独のもの
か、または無色透明な受容層を紙などの基材で裏打ちし
たもの、もしくは白色の受容層を紙などの基材で裏打ち
したものなどを用いると反射画像を得るのに都合がよ
い。 【0056】なお上記と同様なことはコンピュータの操
作によりCRT画面上に形成された文字、図形、記号及
び色彩等の組み合わせ、グラフィックパターンを原画と
して利用するときにも行うことができ、また、原画が絵
画、写真、印刷物などの固定画像あるいは人物、静物、
風景等の実際の物であるときは、ビデオカメラ等の適宜
な手段を媒介として用いることにより、上記と同様に行
なえる。さらに原画から各分色パターンの信号を作り出
すに際し、印刷の写真製版用に用いられる電子製版機
(カラースキャナー)を用いてもよい。
さらに詳しくは、熱転写シートと被熱転写シートとを組
合せて、サーマルヘッドなどにより画像情報に応じた加
熱印字を行う画像形成方法に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】サーマルヘッドあるい
はレーザーなどにより画像情報に応じて画像を得るに
は、従来主として感熱発色紙が用いられてきた。この感
熱発色紙においては、基紙上に設けられた常温で無色ま
たは淡色のロイコ染料と顕色剤とが、加熱により接触さ
れて発色画像が得られる。このような顕色剤としては、
フェノール性化合物、サリチル酸亜鉛誘導体、ロジンな
どが一般的に使用されている。ところが上記のような感
熱発色紙は、得られた発色画像を長期間保存すると消色
するという致命的な欠点があり、またカラー印字は2色
までが限界であって連続的な階調を有するカラー画像を
得ることはできなかった。 【0003】一方、基紙上に、顔料が分散されてなる熱
溶融性ワックス層を設けた感熱転写紙が近年用いられ始
めた。この感熱転写紙と被転写紙とを重ね合わせ、感熱
転写紙の背面から加熱印字を行うと、顔料が含まれたワ
ックス層が被転写紙上に移行して画像が得られる。この
ような印字方法によれば、耐久性のある画像が得られる
とともに、三原色の顔料が含まれた感熱転写紙を用いて
複数回印字することにより、多色画像が得られるが、本
質的に連続的に階調を有する写真のような画像を得るこ
とはできない。 【0004】ところで、近年、電気信号から直接写真の
ような画像を得たいという要求が高まり、種々の試みが
なされている。このような試みの1つは、CRT上に画
像を映し、これを銀塩フイルムで撮影する方法である
が、銀塩フイルムがインスタントフイルムである場合に
はランニングコストが嵩むという欠点があり、また銀塩
フイルムが35mmフイルムである場合には撮影後現象
処理が必要であるため即時性がないという欠点がある。
さらに別の方法として、インパクトリボン方式あるいは
インクジェット方式も提案されているが、前者は画質が
悪いという欠点があり、後者は画像処理を必要とするた
め簡便に写真のような画像を得ることはむずかしいとい
う欠点がある。 【0005】このような欠点を解決するため、加熱によ
り移行する性質を有する昇華性分散染料層が設けられた
熱転写シートを被熱転写シートと組合せて用い、該昇華
性分散染料をコントロールしながら被熱転写シート上に
移行させて階調のある写真のような画像を得る方法が提
案されている。この方法によれば、テレビ信号から簡単
な処理で連続的な階調を有する画像が得られ、しかもそ
の際用いられる装置が複雑ではないため、注目を集めて
いる。このような方法に近い従来技術の1つとして、ポ
リエステル繊維の乾式転写捺染法は、昇華性の分散染料
などの染料を合成樹脂溶液中に分散ないし溶解させて塗
料とし、この塗料を薄葉紙などにパターン状に塗布し乾
燥させて熱転写シートとし、この熱転写シートを被熱転
写シートであるポリエステル繊維と重ね合わせて密着加
熱し、ポリエステル繊維上に分散染料を染着させて画像
を得る方法である。 【0006】ところが、上記のような熱転写シートとポ
リエステル繊維製の被熱転写シートとを重ね合わせて、
これをサーマルヘッドなどにより加熱印字しても高濃度
の発色画像を得ることはできない。その理由としては、
ポリエステル繊維布の表面平滑性が良好ではないという
ことも挙げられるが、主として次の理由によると考えら
れる。すなわち、通常の乾式転写捺染法あるいは乾湿転
写捺染法では、昇華性染料のポリエステル繊維布上への
移行は、充分に加熱時間をかけて行なわれているのに対
し、サーマルヘッドなどによる加熱は通常極めて短く、
このため該染料が充分に繊維布上に移行しないためであ
る。ちなみに、乾式転写捺染法においては、200℃で
1分間程度、加熱することにより染料の移行が達成され
るのに対し、サーマルヘッドによる加熱においては、4
00℃で数msec程度という短さである。 【0007】本発明者らは、上記の欠点を、主として被
熱転写シートの改良により達成すべく研究した結果、次
のような事実を見出した。クレーコート紙あるいは合成
紙を被熱転写シートとして用いる場合には、熱転写シー
トから移行してくる染料を充分に受容することができ
ず、したがって高濃度の発色画像は得られないという欠
点がある。 【0008】一方、低融点の合成樹脂を受容層として有
する被熱転写シートを用いると、熱転写シートに加えら
れる熱および圧力の作用によって、合成樹脂層自体が熱
接着性を帯びてしまい、熱転写シートの熱転写層は被熱
転写シート上に転写されてしまうことがあり、得られる
画像の明瞭さおよび解像性を向上させるための方法を研
究した結果、特定の構成を有する被熱転写シートを用い
ることによって上記の欠点が一挙に解決されることを見
出して本発明を完成するに至った。 【0009】本発明は、従来技術に伴う欠点を解決しよ
うとするものであって、熱移行性の分散染料が含まれた
熱転写層を有する熱転写シートと、特定の構造を有する
被熱転写シートとを組合せて用い特定の方法で画像形成
することによって、以下のような目的を達成しようとす
るものである。 【0010】a) 電気信号から直接写真のような連続
的な階調を有する発色画像を得ること。 b) 高濃度の透明性の高い発色画像を得るとともに、
長期間にわたって保存しても発色画像の消色がない鮮明
な解像度の高い画像を得ること。 以上のような目的を達成するため、本発明においては、
以下のような性質を有する受容層が設けられた被熱転写
シートを用い、この被熱転写シートは熱転写シートと組
合せて用いられる。 【0011】すなわ本発明に係る画像形成方法は、熱移
行性の染料が含まれた熱転写層を有する熱転写シート
と、合成樹脂の層からなる受容層が基材上に設けられて
なる被熱転写シートとを、前記熱転写シートの熱転写層
と前記被熱転写シートの受容層とが接するように重ね合
わせ、前記被熱転写シートの基材側から画像信号に応じ
た熱エネルギーをサーマルヘッドまたはレーザ光から付
与することによって、前記被熱転写シート上の受容層に
前記熱移行性の染料による画像を形成することを特徴と
するものである。このように、被転写シート側から熱エ
ネルギーを与えることにより、画像の濃淡の階調をより
一層確実に表現することが可能となる。 【0012】 【実施例】以下、本発明を図面に示す好ましい具体例に
ついて説明する。本発明に係る被熱転写シート1は、第
1図に示すように、基材2上に受容層3を設けて構成さ
れているが、第2図に示すように受容層3単独で被熱転
写シートを構成してもよい。基材2上に受容層3を設け
る場合には、受容層3の厚さは、3〜50μm、好まし
くは5〜15μm程度である。一方、受容層3単独で被
熱転写シートを構成する場合には、受容層3の厚さは6
0〜200μm、好ましくは90μm〜150μm程度
である。 【0013】受容層3は、第3図に示すように、第1領
域4と第2領域5とからなっている。第1領域4は、−
100〜20℃、好ましくは−50〜10℃のガラス転
移温度を有するとともに、エステル結合、ウレタン結
合、アミド結合、尿素結合、C−CN結合、C−Cl結
合などの極性基を有する合成樹脂で形成されている。 【0014】一方、第2領域5は、40℃以上好ましく
は50〜150℃のガラス転移温度を有する合成樹脂で
形成されており、好ましくは第2領域を形成する合成樹
脂もまた極性基を有している。 【0015】第1領域を形成しうる合成樹脂としては、
−100〜20℃、好ましくは−50〜10℃のガラス
転移温度を有する以下のようなものが用いられうる。 【0016】(イ) エステル結合を有するもの ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアク
リレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂など。 【0017】(ロ) ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂など。 【0018】(ハ) アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂など。 【0019】(ニ) 尿素結合を有するもの 尿素樹脂など。 【0020】 (ホ) その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど。 【0021】上記のような合成樹脂に加えて、これらの
混合物あるいは共重合体なども使用しうる。 【0022】第1領域を形成する合成樹脂のガラス転移
温度が上記範囲よりも高すぎるかあるいは極性基を持た
ないと、加熱時に熱転写層から移行してくる染料を充分
に受容できなくなり、鮮明な発色画像は得られない。 【0023】第2領域を形成しうる合成樹脂としては、
40℃以上好ましくは50〜150℃のガラス転移温度
を有する以下のようなものが用いられる。 【0024】 (イ) 第1領域を形成する際に用いられた極性基を有
する上記樹脂類。 (ロ) 極性基を有さないが、40℃以上のガラス転移
温度を有する樹脂類スチレン樹脂、スチレン共重合体樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、
ゴム系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アイオノマー
樹脂、オレフィン系樹脂など。 第2領域を形成する合成樹脂のガラス転移温度が40℃
よりも低いと、一旦は得られた発色画像が経時的に退色
するため好ましくない。 【0025】上記のような樹脂で形成される第1領域お
よび第2領域は、ともに受容層の表面に露出しており、
第1領域は受容層表面の15%以上好ましくは15〜9
5%を占めている。そして第1領域は互いに独立して島
状に存在しており、この島状部のそれぞれの長手方向の
長さは0.5〜200μm、好ましくは10〜100μ
mである。さらに、第1領域は第2領域によってほとん
ど実質的に周囲を囲まれていることが望ましい。これ
は、第1領域が主として加熱時に熱転写シートから移行
してくる染料を受容し、一方第2領域が第1領域で受容
された染料の他の部分への拡散を防止する働きをしてい
るためであると考えられる。 【0026】上記のような第1領域および第2領域を有
する受容層を形成するには、次のような方法が考えられ
る。 【0027】(i) 第1領域形成用の合成樹脂と、第
2領域形成用の合成樹脂とを、互いに相溶性の悪い合成
樹脂から選択し、これらの合成樹脂を溶剤に溶解させ、
得られた溶液を基材上などに塗布させた後乾燥させて上
記の合成樹脂を互いに相分離させる。 【0028】(ii) 第1領域形成用の合成樹脂と、
第2領域形成用の合成樹脂とを充分に混練し、この混練
物を基材上などに塗布する。 【0029】(iii) 第2領域形成用の合成樹脂を
シート状物として用意し、この上に第1領域形成用の合
成樹脂塗料をオフセット法あるいはグラビア法などの印
刷法によって印刷する。 【0030】(iv) 第2領域形成用の合成樹脂をシ
ート状物として用意し、この上にシリコーンをパターン
状に上記のような印刷法によって設け、次いでこの上に
第1領域形成用の合成樹脂塗料を全面的に塗布し、シリ
コーンがパターン状に設けられた部分をはじかせる。 【0031】(v) 電子線あるいは紫外線などによっ
て架橋しうる化合物を基材上に全面的に塗布しておき、
これに電子線あるいは紫外線を照射して、たとえば格子
状に架橋させ、未架橋部を第1領域と、架橋部を第2領
域とする。 【0032】受容層を形成する際に、第1領域および第
2領域形成用の合成樹脂が溶解あるいは分散された塗料
組成物を用いる場合には、該塗料中に種々の添加剤を加
えうるが、これらの成分は、加熱時に熱転写シートから
移行してくる染料の定着を妨げないようなものから選択
されるべきである。このような添加剤としては、熱転写
シートとの離型性を高めものとして、シリコーン化合物
の硬化物たとえばエポキシ変性シリコーンオイルとアミ
ノ変性シリコーンオイルとの硬化物などが挙げられる。
また、紫外線吸収剤を添加剤として用いて、発色画像の
光による退色を防止することもできる。 【0033】上述のような被熱転写シートは、熱転写シ
ートと組合わされて使用される。代表的な熱転写シート
6は、第4図に示されるように、支持体7の片面に熱転
写層8が設けられて構成されており、この熱転写層8は
加熱された場合にその中に含まれる染料あるいは顔料が
被熱転写シート上に移行するようになっている。 【0034】支持体7は熱転写層8を保持するという役
割を有するとともに、熱転写層には熱が加えられるた
め、加熱された状態でも取扱い上支障のない程度の機械
的強度を有することが望ましい。 【0035】このような支持体7の具体例としては、コ
ンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙またはサイズ
度の高い紙あるいはプラスチックフイルムなどの可撓性
の薄層シートが挙げられる。これらのうち、コンデンサ
ーペーパー、ポリエチレンテレフタレートフイルムがよ
く用いられ、耐熱性を重視する場合にはコンデンサーペ
ーパーが主として用いられ、機械的装置により取扱い時
の破断防止性を重視する場合にはポリエチレンテレフタ
レートフイルムが主として用いられる。この支持体7の
厚みは、通常3〜50μm、好ましくは5〜15μm程
度である。 【0036】熱転写層8中には、加熱された場合には熱
転写層から抜け出して被熱転写層の受容層に移行しうる
色材が含まれている。 【0037】このような色材としては、約150〜40
0程度の比較的小さい分子量を有する分散染料、オイル
染料、ある種の塩基性染料、あるいはこれらの染料に変
化しうる中間体などが挙げられ、これらの中から、熱転
写温度、熱転写効率、色相、演色性、耐侯性などを考慮
して選択して用いられる。 【0038】上記の色材、熱転写層を形成する適宜な合
成樹脂バインダー中に分散されて、支持体7上に設けら
れる。このような合成樹脂バインダーとしては、通常、
耐熱性が高くしかも加熱された場合に起こる色材の移行
を妨げないものを選択することが好ましく、たとえば以
下のようなものが用いられる。 【0039】(i) セルロース系樹脂 エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチ
ルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロ
ースなど。 【0040】(ii) ビニル系樹脂 ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリ
アクリルアミドなど。 【0041】上記の合成樹脂バインダーのうち、耐熱性
などの点から、ポリビニルブチラール樹脂あるいはセル
ロース系樹脂が好ましい。 【0042】熱転写層8を支持体7上に設けるには、色
材および合成樹脂バインダーを溶剤あるいは稀釈剤とと
もに混練して熱転写層用塗料組成物とし、これを適宜な
印刷方法あるいは塗布方法により支持体7上に設ければ
よい。なお、必要に応じて、熱転写層用塗料組成物中に
任意の添加剤を加えてもよい。 【0043】熱転写シートは、所要の寸法に裁断した枚
葉シート状であってもよく、また連続状あるいは巻取り
状であってもよく、さらに巾の狭いテープ状であっても
よい。 【0044】支持体7上へ熱転写層8を設けるに際し
て、支持体7の表面に同一の色材が含まれた熱転写層用
塗料組成物を全面的に塗布してもよいが、場合によって
は、異なる色材をそれぞれ含む複数の熱転写層用塗料組
成物を、それぞれ支持体7の表面の異なる区域に形成し
てもよい。たとえば、第6図に示すような、黒色の熱転
写層10と赤色の熱転写層11とを支持体7上に平行に
積層した熱転写シート、あるいは第7図に示すような、
黄色の熱転写層12、赤色の熱転写層13、青色の熱転
写層14、黒色の熱転写層15を支持体上に繰り返して
設けた熱転写シートが用いられうる。このような複数の
色相の異なる熱転写層が設けられた熱転写シートを使用
することによって、一枚の熱転写シートにより多色画像
が得られるという利点が生ずる。 【0045】なお、熱転写シートに、パーフォレーショ
ンを形成したり、あるいは色相の異なる区域の位置を検
出するための見当マークなどを設けることによって、使
用時の便を図ることもできる。 【0046】上記のようにして準備された熱転写シート
および被熱転写シートは、第8図に示すごとく熱転写シ
ートの熱転写層と被熱転写シートの受容層とが接するよ
うに向かい合わせて重ね合わされ、熱転写層と受容層の
界面に画像情報に応じた熱エネルギーを与えることによ
り、熱転写層中の色材を受容層に移行させる。 【0047】熱エネルギーを与える熱源としては、サー
マルヘッドのほかにレーザー光、赤外線フラッシュ、熱
ペンなどの公知のものが使用できる。本発明において
は、熱エネルギーは、被熱転写シート側から与える。被
熱転写シート側から熱エネルギーを与える方法は、与え
る熱エネルギーを制御して画像の濃淡の階調を表現した
り、或いは色材が被熱転写シート上で拡散するのを促進
して画像の連続階調の表現をより確実化する意味で好ま
しい。 【0048】熱エネルギーを与える熱源としてサーマル
ヘッドを用いるときは、サーマルヘッドに引加する電圧
あるいはパルス巾を変調することにより、与える熱エネ
ルギーを連続的にあるいは多段階に変化させることがで
きる。 【0049】熱エネルギーを与える熱源としてレーザー
を用いるときは、レーザー光の光量や照射面積を変化さ
せることにより与える熱エネルギーを変化させることが
できる。音響光学素子を内蔵したドットジェネレーター
を用いれば網点の大小に応じた熱エネルギーを与えるこ
ともできる。なおレーザー光を用いるときは熱転写シー
トと被熱転写シートとを充分に密着させて行なうとよ
く、また、レーザー光を照射する面はレーザー光の吸収
をよくするためにたとえば黒色に着色しておくとよい。 【0050】熱エネルギーを与える熱源として赤外線フ
ラッシュランプを用いるときは、レーザー光を用いる場
合と同様に黒色などの着色層を介して行なうとよい。あ
るいは黒色などの画像の濃淡を連続的に表現したパター
ンあるいは網点パターンを用いて、これらのパターンを
介して行なってもよく、あるいは一面の黒色などの着色
層と、前記のパターンのネガに相当するネガパターンを
組み合わせて行なってもよい。 【0051】以上のようにして熱転写層と受容層の界面
に熱エネルギーを与えると、熱転写層中の色材は与えら
れた熱エネルギーに応じた量の色材が気化あるいは溶融
し、受容層に熱移行され受容される。 【0052】以上の熱転写記録により、熱エネルギーに
応じた色材が受容層に熱転写されて、1色の画像を記録
することができるが、以上の方法を熱転写シートを取り
代えて、たとえば黄色、赤色、藍色および必要に応じて
黒色の熱転写シートを順次取り換えて、各色に応じた熱
転写を行なうことにより、各色のかけあわせからなるカ
ラー写真調のカラー画像を得ることもできる。なお、こ
のように各色の熱転写シートを用いるかわりに、第7図
に示すように予め各色に塗り分けて形成した区域を有す
る熱転写シートを用い、まず黄色の区域を用いて黄色の
分色画像を熱転写し、次に熱転写シートの赤色の区域を
用いて行ない、以下、順次に繰り返すことにより黄色、
赤色、藍色、及び必要により黒色の分色画像を熱転写す
る方法を採ると、熱転写シートの交換が不要になるとい
う利点がある。 【0053】なお、熱エネルギーを与えるのに用いる熱
源の大きさ、熱転写シートと被熱転写シートとの密着
性、熱エネルギーを適宜に調整することにより得られる
画像の品質を向上させることができる。 【0054】本発明に係る被熱転写シートは、熱転写シ
ートと組み合わせることにより、熱印字方式の各種のプ
リンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気記
録方式による写真のプリント作成、テレビジョン画面か
らのプリント作成などに利用できる。 【0055】たとえば受信したテレビジョンの一画面
を、磁気テープあるいは磁気ディスク等の記憶媒体に、
黄色、赤色、藍色、および必要に応じ黒色の各分色パタ
ーンの信号として記憶させておき、記憶された各分色パ
ターンの信号を出力させ、この信号に応じた熱エネルギ
ーをサーマルヘッド等の前記した熱源により熱転写シー
トと被熱転写シートとの重ね合わせ体に付与して、各色
毎に逐次熱転写を行なうと、テレビジョンの画面をシー
ト状のプリントとして再生できる。このようなテレビジ
ョンの画面のプリントアウトに、本発明に係る被熱転写
シートと熱転写シートの組合せ体を利用するときは、通
常、被熱転写シートとしては白色の受容層単独のもの
か、または無色透明な受容層を紙などの基材で裏打ちし
たもの、もしくは白色の受容層を紙などの基材で裏打ち
したものなどを用いると反射画像を得るのに都合がよ
い。 【0056】なお上記と同様なことはコンピュータの操
作によりCRT画面上に形成された文字、図形、記号及
び色彩等の組み合わせ、グラフィックパターンを原画と
して利用するときにも行うことができ、また、原画が絵
画、写真、印刷物などの固定画像あるいは人物、静物、
風景等の実際の物であるときは、ビデオカメラ等の適宜
な手段を媒介として用いることにより、上記と同様に行
なえる。さらに原画から各分色パターンの信号を作り出
すに際し、印刷の写真製版用に用いられる電子製版機
(カラースキャナー)を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る被熱転写シートの断面図。
【図2】本発明に係る被熱転写シートの断面図。
【図3】受容層表面の模式拡大図。
【図4】被熱転写シートと組み合されて用いられる熱転
写シートの断面図。 【図5】被熱転写シートと組み合されて用いられる熱転
写シートの断面図。 【図6】被熱転写シートと組み合されて用いられる熱転
写シートの断面図。 【図7】被熱転写シートと組み合されて用いられる熱転
写シートの断面図。 【図8】被熱転写シートと熱転写シートとを組み合せて
使用する際の概略図。 【図9】本発明に係る被熱転写シートと熱転写シートと
を組合せたものにサーマルヘッドにより加熱する際のサ
ーマルヘッドへの電圧印加時間と得られる高発色濃度記
録部の光学反射濃度との関係を示す図。 【符号の説明】 1 被熱転写シート 2 基材 3 受容層 4 第1領域 5 第2領域 6 熱転写シート 7 支持体 8 熱転写層 9 滑性層
写シートの断面図。 【図5】被熱転写シートと組み合されて用いられる熱転
写シートの断面図。 【図6】被熱転写シートと組み合されて用いられる熱転
写シートの断面図。 【図7】被熱転写シートと組み合されて用いられる熱転
写シートの断面図。 【図8】被熱転写シートと熱転写シートとを組み合せて
使用する際の概略図。 【図9】本発明に係る被熱転写シートと熱転写シートと
を組合せたものにサーマルヘッドにより加熱する際のサ
ーマルヘッドへの電圧印加時間と得られる高発色濃度記
録部の光学反射濃度との関係を示す図。 【符号の説明】 1 被熱転写シート 2 基材 3 受容層 4 第1領域 5 第2領域 6 熱転写シート 7 支持体 8 熱転写層 9 滑性層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭48−24811(JP,A)
特開 昭54−119006(JP,A)
特開 昭54−46608(JP,A)
特開 昭54−65622(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.熱移行性の染料が含まれた熱転写層であって、三原
色の熱転写層を有する熱転写シートと、合成樹脂の層か
らなる受容層が基材上に設けられてなる被熱転写シート
とを、前記熱転写シートの熱転写層と前記被熱転写シー
トの受容層とが接するように重ね合わせ、 前記被熱転写シートの基材側から画像信号に応じた熱エ
ネルギーをサーマルヘッドまたはレーザー光から付与す
ることによって、前記被熱転写シート上の受容層に前記
熱移行性の染料による階調性のカラー画像を形成するこ
とを特徴とする、画像形成方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58135627A JPS6025793A (ja) | 1983-07-25 | 1983-07-25 | 被熱転写シ−ト |
JP5178298A JP2874109B2 (ja) | 1983-07-25 | 1993-07-19 | 画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58135627A JPS6025793A (ja) | 1983-07-25 | 1983-07-25 | 被熱転写シ−ト |
JP5178298A JP2874109B2 (ja) | 1983-07-25 | 1993-07-19 | 画像形成方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58135627A Division JPS6025793A (ja) | 1983-07-25 | 1983-07-25 | 被熱転写シ−ト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0664200A JPH0664200A (ja) | 1994-03-08 |
JP2874109B2 true JP2874109B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=26469436
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58135627A Granted JPS6025793A (ja) | 1983-07-25 | 1983-07-25 | 被熱転写シ−ト |
JP5178298A Expired - Lifetime JP2874109B2 (ja) | 1983-07-25 | 1993-07-19 | 画像形成方法 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58135627A Granted JPS6025793A (ja) | 1983-07-25 | 1983-07-25 | 被熱転写シ−ト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JPS6025793A (ja) |
Families Citing this family (40)
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JPS61211092A (ja) * | 1985-03-15 | 1986-09-19 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 転写型感熱記録用受像体 |
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JPH0717107B2 (ja) * | 1985-05-23 | 1995-03-01 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シ−ト |
JPH0714665B2 (ja) * | 1985-06-10 | 1995-02-22 | 大日本印刷株式会社 | 被熱転写シ−ト |
JP2548909B2 (ja) * | 1985-08-31 | 1996-10-30 | 大日本印刷株式会社 | 滑性を付与した被熱転写シ−ト |
JP2622675B2 (ja) * | 1985-10-24 | 1997-06-18 | 大日本印刷株式会社 | 被熱転写シート |
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