JP2589697B2 - 昇華転写型感熱記録用受像体 - Google Patents

昇華転写型感熱記録用受像体

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は昇華性染料を用いた昇華転写型感熱記録用受
像体に関する。
従来の技術 昇華性染料を用いた転写型感熱記録用受像体として、
特開昭59−133098号公報に記載のものがある。これは染
着層に染料吸着剤として超微粉末酸化物等を用いたも
の、染料分散剤として高分子物質を用いたものである。
また特開昭59−215398号公報では、熱可塑性ポリエス
テル樹脂と架橋ポリエステル樹脂とからなる被覆層また
は含浸層を設けてなる受像体が提案されている。
発明が解決しようとする問題点 昇華性染料を用いた転写型感熱記録用受像体に要求さ
れる基本性能は、染料染着性、染料転写体色材層とのア
ンチブロッキング性(加熱記録時の融着防止・剥離力低
減)、耐候性(安定な染着状態の維持)である。更に消
耗品としての製造コストの安さ等も要求される。
染料染着性・耐候性を確保するには染着層中において
昇華性染料が容易に分散しかつ安定に染着する染料染着
性樹脂(通常熱可塑性樹脂、代表的には飽和線状ポリエ
ステル樹脂、以下染着樹脂と呼ぶ)成分を多くすること
が基本となる。しかし、アンチブロッキング性の観点で
は染着樹脂単体では耐熱性・離型性が不十分であるため
に、通常、染着樹脂の他に耐熱性微粒子及び潤滑・離型
剤を加えることで耐熱性及び離型性を付与する方法、ま
たは染着樹脂の一部を架橋性樹脂成分として染着層形成
後硬化させることで耐熱性・離型性を付与する方法のふ
たつの方法が取られる。前記従来例のうち前者は第1の
方法、後者は第2の方法に属する。
第1の方法において実用上問題のないアンチブロッキ
ング性を得るには多量の耐熱性微粒子もしくは滑剤・離
型剤を必要とし、通常染着樹脂以外のこれらの成分は染
着層固形分中で50重量%以上になる。従って染料分子が
安定に染着される染着樹脂の比率が小さく、光退色性・
暗退色性とも染着樹脂比率の大きいものに比べ悪くな
り、発色感度も悪くなる。多量の微粒子は染着層の透明
性及び光沢を劣化させ、発色画像の鮮明さを損なう。特
に多量の滑剤・離型剤は画像保存時の昇華性染料の染着
層中の拡散(以下ブリード)を早め、長時間保存時に画
像のにじみが発生する。
第2の方法においては第1の方法における問題点は解
決されるが、アンチブロッキング性を高めるために架橋
密度を上げ染着層の耐熱性を上げると染料分子の拡散性
が落ち発色感度が低下する。また、硬化プロセスが必要
なため染着層形成の生産性が落ちる。
問題点を解決するための手段 水溶性もしくは水分散性染料染着性樹脂と、分子内に
無機反応基を有するシラン単量体を共重合したポリマー
とコロイダルシリカとの混合水分散液と、離型性水溶性
界面活性剤の各成分からなる系において、前記水溶性も
しくは水分散性染料染着性樹脂のガラス転移温度が50℃
以上で、染着層形成組成物中の固形分に占める染料染着
性樹脂固形分が70〜90%であるか、または、前記水溶性
もしくは水分散性染料染着性樹脂のガラス転移温度が50
℃以上で、分子内に無機反応基を有するシラン単量体を
共重合したポリマーとコロイダルシリカとの混合水分散
液における分子内に無機反応基を有するシラン単量体を
共重合したポリマーのガラス転移温度が0℃以上で、か
つ染着層形成組成物中の固形分に占める染料染着性樹脂
固形分が50〜90%である、水系染着層形成組成物を基体
上に塗工し受像体とする。
作用 染着層形成組成物のうちの成分(b)分子内に無機反
応基を有するシラン単量体を共重合したポリマー(以下
シラン系ポリマーエマルジョン)とコロイダルシリカと
の混合水分散液は、染着層形成組成物が基体上に塗工・
乾燥される際にシラン系ポリマーエマルジョン粒子表面
間あるいはシラン系ポリマーエマルジョン粒子・コロイ
ダルシリカ粒子表面間等で強固に架橋し、エマルジョン
粒子・コロイダルシリカ粒子を構成単位とした強固なネ
ットワーク構造を成分(a)染着樹脂層中に形成する。
従って染着層中の成分(b)の占める固形分比率が低く
ても十分な耐熱性を有し染着樹脂成分の高い染着層形成
可能である。しかもネットワーク構造がエマルジョン粒
子・コロイダルシリカ粒子単位で形成されるので染着樹
脂自体が基本的に連続して存在し昇華性染料の染着層中
の拡散・染着が阻害されることはない。
成分(c)離型性水溶性界面活性剤は塗工・乾燥され
る際に染着層表面に偏析、配向する。従って少量で優れ
た離型効果を発揮し、しかも染着層の強固なネットワー
ク構造のため高温加熱記録時にも活性剤が染着層中に拡
散してしまい離型効果を失うといったこともない。
昇華性染料のマトリクス中の拡散速度は、マトリクス
のガラス転移温度(Tg)に大きく影響を浮け、保存温度
がマトリクスのTgを越えると染料の拡散速度が急激に増
大する。画像保存時の昇華性染料の染着層中の拡散を抑
えるという観点から、 (A)成分(a)水溶性もしくは水分散性染料染着性樹
脂のガラス転移温度が50℃以上で染着層形成組成物中の
固形分に占める染料染着性樹脂固形分を70%以上とする
ことで、成分(b)中の分子内に無機反応基を有するシ
ラン単量体を共重合したポリマーのTgが低い場合でも、
染着層中でこのシラン共重合低Tgポリマーのエマルジョ
ン粒子どうしが接する確率が充分小さくなるためにこの
シラン共重合ポリマーから低Tgポリマーエマルジョン鎖
を通しての染料拡散は充分小さく、染着層中の染料拡散
はほとんど染料染着性樹脂に依存する。従って染料染着
性樹脂のガラス転移温度を高く設定することで画像保存
時の昇華性染料の染着層中の拡散を充分低く抑えること
が出来る。また、 (B)(a)水溶性もしくは水分散性染料染着性樹脂の
ガラス転移温度が50℃以上、(b)分子内に無機反応基
を有するシラン単量体を共重合したポリマーとコロイダ
ルシリカとの混合水分散液における分子内にシラン単量
体を共重合したポリマーのガラス転移温度が0℃以上
で、かつ染着層形成組成物中の固形分に占める染料染着
性樹脂固形分を50%以上にすることで、シラン共重合ポ
リマーエマルジョン鎖の密度を小さくしかつこのシラン
共重合ポリマーエマルジョン粒子中の拡散速度を抑える
ことにより、画像保存時の昇華性染料の染着層中の拡散
を充分低く抑えることができる。
更に本発明の受像体は水媒体の染着層形成組成物を基
体上に塗工することで特に硬化プロセスを必要とせず得
られるので生産性も高い。
実施例 本発明で用いる材料について説明する。
水溶性もしくは水分散性染料染着性樹脂は、昇華性染
料が容易に分散しかつ安定に染着する樹脂で、一般的に
は熱可塑性樹脂、代表的なものとして飽和線状ポリエス
テル樹脂、エポキシ系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、ナ
イロン系樹脂等がある。
分子内に無機反応基を有するシラン単量体を共重合し
たポリマー(シラン系ポリマーエマルジョン)とコロイ
ダルシリカとの混合水分散液は、染着層中にエマルジョ
ン粒子・コロイダルシリカ粒子を構成単位とした強固な
ネットワーク構造を形成するためのもので、シラン系ポ
リマーエマルジョンの構成は特に限定されるものではな
いが、もっとも一般的なものとしてアクリル系単量体と
ビニルシラン単量体とを重合性乳化剤もしくは陰イオン
もしくは非イオン界面活性剤の存在下に乳化共重合した
ものが挙げられる。この場合コロイダルシリカは乳化重
合の際に混合しても、シラン系共重合ポリマーエマルジ
ョン生成後に配合しても良い。シラン単量体の無機反応
基としては加水分解型の−OR、−OCOR、−Cl(Rはアル
キル基等)が好適である。コロイダルシリカはコロイド
状に水に分散させた超微粒子シリカゾルで一次粒子の粒
径は5〜50mμである。シラン単量体のアクリル系単量
体全量に対する共重合比率は、アクリル系単量体100重
量部に対し1〜10重量部、コロイダルシリカの共重合体
固形分に対する配合割合は、共重合体100重量部に対し
1〜200重量部のものが好適である。具体的な共重合体
の組合せとしては、ビニルトリメトオキシシラン・アク
リル酸ブチル・メタクリル酸メチル;ビニルトリエトオ
キシシラン・アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリ
ル酸メチル・アクリル酸;ビニルメトオキシシラン・ア
クリル酸ブチル・スチレン;ビニルトリアセトオキシシ
ラン・アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル等があ
る。重合性乳化剤としてはアルキルアリルスルホサクシ
ネートのアルカリ塩、ソジウム(グリセリンn−アルケ
ニルサクシノイルグリセリン)ボラート等がある。ま
た、この分子内に無機反応基を有するシラン単量体を共
重合したポリマー(シラン系ポリマーエマルジョン)の
ガラス転移温度は、製膜性を考慮して通常0℃以下に設
定されるが、共重合組成を変えることで広範囲に設定が
可能である。
離型性水溶性界面活性剤は、染着層の塗工・乾燥時に
染着層表面に偏析・配向し、加熱記録時に染料転写体状
の色材層との融着防止並びに剥離力の低減に効果を発揮
するもので、有機系界面活性剤、シリコーン系界面活性
剤、フッ素系界面活性剤等がある。特にシリコーン系界
面活性剤とフッ素系界面活性剤とは界面活性効果が高く
高温加熱時にも非常に優れた離型性を有する。シリコー
ン系界面活性剤としては疎水基にジメチルシリコーンオ
イル、親水基にポリエーテル基を有するもの等、フッ素
系界面活性剤としては疎水基にパーフルオロアルキル
基、親水基にポリエーテル基を有するもの等が一般的な
ものである。また離型性水溶性界面活性剤は、染着層形
成組成物中の全固形分に占める割合が10重量%以下で十
分に効果を発揮する。
これら染着層形成組成物中の各成分、 (a)水溶性もしくは水分散性染料染着性樹脂 (b)分子内に無機反応基を有するシラン単量体を共重
合したポリマーとコロイダルシリカとの混合水分散液 (c)離型性水溶性界面活性剤 (場合によっては他の成分、例えば紫外線吸収剤、酸化
防止剤等を含んでいても構わない)の組成比率に於て、
染着層形成組成物中の全固形分に占める染料染着性樹脂
固形分が50〜90重量%の場合に染着性(記録感度)・耐
候性・アンチブロッキング性が優れた受像体が得られ
る。染着層形成組成物中の全固形分に占める染料染着性
樹脂固形物が50重量%以下の場合には、染着層中の染料
染着性樹脂(a)量が少なくネットワーク形成成分
(b)が多くなるため、耐候性の悪化、染着性(記録感
度)の低下が大きくなる。また染着層形成組成物中の全
固形分に占める染料染着性樹脂固形分が90重量%以上に
なると、逆にネットワーク形成成分(b)が少なくなり
染着層の耐熱性が下がり記録条件によっては高温加熱時
に剥離力の増加あるいは染料転写体上の色材層との融着
が発生しやすくなる。更に前述のように、画像保存時の
昇華性染料の染着層中の拡散を抑えるために (A)(a)水溶性もしくは水分散性染料染着性樹脂の
ガラス転移温度が50℃以上で染着層形成組成物中の固形
分に占める染料染着性樹脂固形分が70〜90%、または、 (B)(a)水溶性もしくは水分散性染料染着性樹脂の
ガラス転移温度が50℃以上で、(b)分子内に無機反応
基を有するシラン単量体を共重合したポリマーとコロイ
ダルシリカとの混合水分散液における分子内に無機反応
基を有するシラン単量体を共重合したポリマーのガラス
転移温度が0℃以上で、かつ染着層形成組成物中の固形
分に占める染料染着性樹脂固形分が50〜90%とすること
で、染着性(記録感度)・耐候性・アンチブロッキング
性が優れ、かつ長時間保存時の染料のブリードに伴う画
像のにじみが少ない受像体が得られる。
更に本発明の受像体は水系媒質により染着層を塗工・
形成するため染着層のpHを任意にコントロールすること
が出来る。昇華性染料は染着層のpHにより耐候性(特に
暗退色性)が劣化するものが有り、特に染着層のpHが酸
性側のときに劣化が著しい(例えばインドアニリン系色
素)。従って水系染着層形成組成物のpHを7以上とし塗
工・乾燥しアルカリ基質の染着層を形成することで多く
の染料に対し耐候性の優れた受像体が得られる。
尚、染着層の形成は一般の水系塗工手段が使用可能
で、特別なプロセスも必要なく消耗品としての生産性に
も優れる。また、必要であれば助溶媒としてアルコール
系・セロソルブ系溶剤等を用いてよい。
基体も特に限定されず、ラミネート型合成紙、塗工型
合成紙、透明フィルム、パルプ紙等に塗工可能である。
特に水系媒質で染着層を形成するので、溶剤系媒質て塗
工した層(例えば白色層塗工型合成紙の白色顔料層)上
にも問題なく塗工が可能である。
以下具体的実施例を挙げて説明を加える。
(比較例1) 基体(商品名:ユポ、王子油化合成紙(株)製)上
に、 飽和線状ポリエステル樹脂分散液(固形分34重量%)
(商品名:バイロナールMD−1200、東洋紡績(株)製、
Tg約67℃): 32重量部 低分子量ポリエチレンワックス分散液(固形分20重量
%)(商品名:パーマリンPN、三洋化成工業(株)
製): 54重量部 コロイダルシリカ(固形分40重量%)(商品名:スノー
テックス40、日産化学工業(株)製)): 14重量部 からなる混合水分散液を塗工膜厚が約5μmになるよう
ワイヤーバーで塗工し十分に乾燥し受像体とした。
(実施例1) 基体(商品名:ユポ、王子油化合成紙(株)製)上
に、 飽和線状ポリエステル樹脂分散液(固形分25重量%)
(商品名:バイロナールMD−1200、東洋紡績(株)製、
固形分34重量%を水/エタノール=1/1(重量)で希釈
したもの): 82.6重量部 シラン系ポリマー・コロイダルシリカ複合エマルジョン
(固形分43%、ポリマー/コロイダルシリカ=70/30
(重量)、ポリマーTg約−17℃)(商品名:モビニール
8020、ヘキスト合成(株)製): 16.0重量部 シリコーン系界面活性剤(商品名:NUCシリコーンL−72
0、日本ユニカー(株)製): 1.4重量部 からなる混合水分散液で塗工膜厚が約5μmになるよう
ワイヤーバーで塗工し十分に乾燥し受像体とした。
(実施例2) 実施例1におけるシリコーン系界面活性剤の代わり
に、フッ素系界面活性剤(商品名:メガファックF−14
4D、大日本インキ化学(株)製):1.4重量部を用いて実
施例1と同様に受像体を形成した。
(実施例3) 実施例1におけるシリコーン系界面活性剤の代わり
に、界面活性剤(商品名:PEG−6000S、三洋化成工業
(株)製):1.4重量部を用いて実施例1と同様に受像体
を形成した。
(比較例2) 実施例1における、飽和線状ポリエステル樹脂分散
液:82.6重量部を62.3重量部に、シラン系ポリマー・コ
ロイダルシリカ複合エマルジョン:16.0重量部を36.2重
量部にかえ、実施例1と同様に受像体を形成した。
(比較例3) 実施例1における、飽和線状ポリエステル樹脂分散
液:82.6重量部を95.6重量部に、シラン系ポリマー・コ
ロイダルシリカ複合エマルジョン:16.0重量部を2.8重量
部にかえ、実施例1と同様に受像体を形成した。
(比較例4) 実施例1におけるシラン系ポリマー・コロイダルシリ
カ複合エマルジョンで使用されているコロイダルシリカ
(アルカリ性)の代わりに酸性のコロイダルシリカを使
用したシラン系ポリマー・コロイダルシリカ複合エマル
ジョン(固形分、ポリマー/コロイダルシリカ重量比は
同一)を用いて、実施例1と同様に受像体を形成した。
尚実施例1で用いた混合水分散塗工液のpHは約8〜9、
本比較例4で用いた混合水分散塗工液のpHは約5〜6で
あった。
(比較例5) 実施例1における飽和線状ポリエステル樹脂分散液:8
2.6重量部を73.0重量部に、シラン系ポリマー・コロイ
ダルシリカ複合エマルジョン:16.0重量部を25.5重量部
にかえ、実施例1と同様に受像体を形成した。
(実施例4) 比較例5におけるシラン系ポリマー・コロイダルシリ
カ複合エマルジョン中のシラン系ポリマーのTgを、−17
℃から0℃にかえ、比較例5と同様に受像体を形成し
た。
(実施例5) 比較例5におけるシラン系ポリマー・コロイダルシリ
カ複合エマルジョン中のシラン系ポリマーのTgを、−17
℃から30℃にかえ、比較例5と同様に受像体を形成し
た。
(実施例6) 実施例1におけるシラン系ポリマー・コロイダルシリ
カ複合エマルジョン中のシラン系ポリマーのTgを、−17
℃から30℃にかえ、実施例5と同様に受像体を形成し
た。
染料転写体は次のものを準備した。
転写基体は、厚さ6μmのPETフィルムの裏面に、エ
ポキシアクリレート樹脂(粘度150ポイズ);12重量部、
ネオペンチルグリコールジアクリレート;3重量部、2−
ヒドロキシ−2−メチルプロプオフェノン;0.75重量
部、ホワイトカーボン(カープレーックスFPS−1);3.
0重量部、シリコーンオイル;0.15重量部、界面活性剤
(L7500,日本ユニカー(株));0.3重量部、酢酸エチ
ル;100重量部からなる塗工液をワイヤーバーで塗布、熱
風乾燥後、高圧水銀灯で硬化させたものを用いた。
色材層は、ポリスルホン4重量部、インドアニリン系
昇華性染料12重量部とともにモノクロルベンゼンに溶解
後塗工染料重量が約0.3g/m2となるようにワイヤーバー
で転写基体表面に塗工し転写体を形成した。
昇華性染料I: まず、実施例1〜3、比較例1〜4の受像体染着層面
と染料転写体色材層面とを重ね下記の記録条件でサーマ
ルヘッドを用いて熱転写記録を行い、記録特性(記録濃
度・剥離性)並びに記録画像の耐候性(光退色・暗退
色)を調べた結果を第1表に示す。
主走査、副走査線密度:4ドット/mm 記録速度: 33.3ms/ライン 記録電力: 0.7W/dot 記録パルス幅: 0〜8ms 尚、△Eはキセノン光(2.0×108J/m2)照射後の色差
の値(CIE、L*a*b*表色系)、△Dは60℃・60%R
Hで100H放置後の記録濃度の減少率(△E、△Dとも記
録パルス幅8msにおける値)、重量比率は染着層形成組
成物中の全固形分に占める染料染着性樹脂固形分の重量
比率(%)を表す。
次に実施例1・4〜6、比較例2・5の受像体染着層
面と染料転写体色材層面とを重ね下記の記録条件でサー
マルヘッドを用いて熱転写記録を行い、記録した画像サ
ンプルを60℃、60%RH雰囲気中に300H放置し、画像のに
じみの加速試験を行った結果を第2表に示す。
主走査、副走査線密度:4ドット/mm 記録速度: 33.3ms/ライン 記録電力: 0.7W/dot 記録パルス幅: 8ms 記録パターン: 一線置きラインパターン 尚、加速試験による画像のにじみの評価は、1線置き
ラインパターンの横断方向にマイクロデンシトメータで
反射濃度分布を取り、ライン部と非ライン部の初期の濃
度差に対する300H後の濃度差(表中()内)が50%以上
ある場合を○、30%以下の場合を×とした。
発明の効果 本発明によれば、色材層とのアンチブロッキング性が
高く、染料発色性・耐候性が優れ、長時間保存時の染料
のブリードに伴う画像のにじみが少なく、かつ生産性の
優れた受像体が得られる。
フロントページの続き (72)発明者 田口 信義 門真市大字門真1006番地 松下電器産業 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−212394(JP,A) 特開 昭61−244589(JP,A) 特開 昭61−199997(JP,A) 特開 昭61−144394(JP,A) 特開 昭62−101495(JP,A) 特開 昭61−258792(JP,A) 特開 昭61−102293(JP,A) 特開 昭62−48596(JP,A) 特開 昭60−25793(JP,A) 特開 昭60−236794(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性もしくは水分散性染料染着性樹脂
    と、分子内に無機反応基を有するシラン単量体を共重合
    したポリマーとコロイダルシリカとの混合水分散液と、
    離型性水溶性界面活性剤の各成分からなる系において、
    前記水溶性もしくは水分散性染料染着性樹脂のガラス転
    移温度が50℃以上で、染着層形成組成物中の固形分に占
    める染料染着性樹脂固形分が70〜90%であるか、また
    は、前記水溶性もしくは水分散性染料染着性樹脂のガラ
    ス転移温度が50℃以上で、分子内に無機反応基を有する
    シラン単量体を共重合したポリマーとコロイダルシリカ
    との混合水分散液における分子内に無機反応基を有する
    シラン単量体を共重合したポリマーのガラス転移温度が
    0℃以上で、かつ染着層形成組成物中の固形分に占める
    染料染着性樹脂固形分が50〜90%である、水系染着層形
    成組成物を基体上に塗工してなる昇華転写型感熱記録用
    受像体。
  2. 【請求項2】離型性水溶性界面活性剤がシリコーン系界
    面活性剤であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の昇華転写型感熱記録用受像体。
  3. 【請求項3】離型性水溶性界面活性剤がフッ素系界面活
    性剤であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の昇華転写型感熱記録用受像体。
  4. 【請求項4】水系染着層形成組成物のpHが7以上である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の昇華転写
    型感熱記録用受像体。
JP62160011A 1987-06-26 1987-06-26 昇華転写型感熱記録用受像体 Expired - Fee Related JP2589697B2 (ja)

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