JP3606891B2 - 熱転写シート及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は乾式現像法による画像記録を可能とする熱転写シート、及びそれを用いた画像形成方法に関するものであり、特にディジタル画像信号からレーザー記録により、印刷分野におけるカラープルーフ(Direct Digital Color Proof; DDCP)、もしくはマスク画像を得るための材料、及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
グラフィックアーツ分野においては、カラー原稿からリスフィルムにより一組の色分解フィルムを出力し、それを用いて、印刷版焼き付けが行われるが、本印刷を行う前に、色分解フィルムからカラープルーフを作成し、色分解工程での誤りチェック、色補正の必要性チェック等が一般に行われている。このカラープルーフ用の材料としては、印刷物との近似性から、印刷本紙上での画像形成と共に、色材として顔料の使用が好ましいとされている。更に中間調画像の高再現性を可能にする高解像力、及び高い工程安定性と共に、近年は現像液を使用しない乾式プルーフ作成法が要望されている。また最近の印刷前工程(プリプレス分野)における電子化システムの普及に伴い、ディジタル信号から直接カラープルーフを作成する材料と記録システムに対する要求が高まっている。
【0003】
高画質のカラープルーフを得るためには、一般的には150線/インチ以上の網点画像を再現させる必要がある。そのためディジタル信号から高画質の網点を記録するために、ディジタル信号で変調可能で、且つ記録光を細く絞り込むことが可能なレーザー光を、記録ヘッドとして使用することが好ましい。そのため記録材料には、網点再現可能な高解像力と共に、レーザー光に対する高い記録感度が必要とされる。高いレーザー記録感度を有し、且つ高解像力、乾式現像可能な方法として、特表平2−501552号公報に一例が開示されている。この公報中には、画像形成照射線に対して透過性の材料から形成されており、高められた温度で液化、流動性にすることができる画像形成表面層を有する支持体:上記表面層の上に被覆されている多孔質または粒子状の画像形成性の層であり、この画像形成物質が当該画像形成物質と上記表面層との間の接着力よりも大きい凝集強度を示すものである層:を有し、上記層中の物質のうち少なくとも一種は上記照射線を吸収して、画像形成表面層の物質を液化させることができる熱エネルギーに変換するものであり:上記表面層の物質は液化された時に画像形成物質中に毛細管的流動を示すものであり、これにより画像形成表面層が冷却されると、画像形成物質の層全体が実質的に固定される熱画像形成要素を使用する方法が開示されている。
【0004】
即ち、特表平2−501552号公報に開示された画像形成方法は、画像形成照射線に対して透過性の材料からなる支持体に、上記照射線で照射された部分の画像形成層を、照射線で照射されない部分の画像形成層との接着力よりも強い接着力で結合させることにより、支持体の表面に画像を形成する方法である。この方法は、画像形成照射線としてレーザー光のような高密度エネルギー光走査により画像を記録することができる方法であるが、画像形成層に、レーザー光の吸収と熱変換の機能を持たせているために、半導体レーザ等の単一波長光源で多色画像を形成することは困難であった。
【0005】
上記特表平2−501552号公報による方法では困難な多色画像形成を可能にする方法が特開昭62−140884号公報に記載されている。この公報には、支持体上にレーザ光を吸収して熱に変換する層(光熱変換層)、色材、ワックス類などの低融点物質を含む熱溶融型画像形成層がこの順に設けられた材料を用い、レーザ光の吸収により生じた熱により画像形成層を溶融させ、受像体へ付着、転写させることにより、画像を形成する方法が開示されている。この方法によれば、画像形成層にレーザ光吸収物質を含有させる必要がないため、各種色相の画像を同一受像体へ転写することにより、色相の優れた多色画像を形成することが可能である。しかしながらこの方法では、画像形成層の受像体への転写を比較的低温で行わせる為に、色材以外にワックス等の添加剤を画像形成層に多量に含有させる必要があり、結果として画像形成層の膜厚は一般的に1μm以上の比較的大きな値となる。そのため材料の昇温に必要とされるエネルギーが大きくなり、レーザ感度の低下を招くと共に、転写時の解像力の点でも不利となり、実用化を図る上で大きな障害になっている。尚、上記特開昭62−140884号公報記載の実施例1には、画像形成層(インキ層)がワックス等の低融点物質を含まず、受像層に低融点物質を含有する例も開示されている。この場合、画像形成層の厚味を小さく出来るため、解像力の点では好ましいが、レーザの熱エネルギーを、厚い受像層まで伝熱し、加熱、溶融させる必要があるため、記録感度に大きな問題が残されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
乾式で高感度、高解像力、且つ色相に優れた高密度エネルギー光記録材料、及びそれを用いた画像形成方法を提供する。特にディジタル画像信号で変調されたレーザ光により、印刷物近似性の高いカラープルーフをダイレクトに作成するための材料、及び方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、
1.支持体上に、光熱変換物質を含む光熱変換層、発熱分解性低分子化合物を含む熱剥離層、色材を含む画像形成層がこの順に設けられて構成されており、該熱剥離層の介在により結合されている該画像形成層と光熱変換層の間の結合力が、高密度エネルギー光照射により小さくなる熱転写シートにおいて、該熱剥離層の平均膜厚が0.03〜0.3μmであり、前記発熱分解性低分子化合物はジアゾニウム化合物を含有することを特徴とする熱転写シート、及び、
2.上記1.に記載の熱転写シートを用いて、
(a)受像要素を、該画像形成層に重ね、積層する工程、
(b)高密度エネルギー光を該積層体に画像様に照射して、該熱剥離層により結合されていた該光熱変換層と画像形成層間の結合力を低下させる工程、
(c)該熱転写シートと該受像要素とを引き離し、高密度エネルギー光非照射領域の画層形成層を熱転写シート側に残し、高密度エネルギー光照射領域の画像形成層を受像要素上に転写する工程、
から成ることを特徴とする画像形成方法、もしくは、
3.上記1.に記載の熱転写シートを用いて、
(a)高密度エネルギー光を該熱転写シートに画像様に照射して、該熱剥離層により結合されていた該光熱変換層と画像形成層間の結合力を低下させる工程、
(b)受像要素を該画像形成層上に重ね、積層する工程、
(c)該熱転写シートと該受像要素とを引き離し、高密度エネルギー光非照射領域の画像形成層を熱転写シート側に残し、高密度エネルギー光照射領域の画像形成層を受像要素に転写する工程、
から成ることを特徴とする画像形成方法、
により達成された。
【0008】
以下に、本発明の好適な態様の例を示す。
【0009】
(1)支持体上に、光熱変換物質を含む光熱変換層、発熱分解性低分子化合物としてジアゾニウム化合物を含み平均膜厚が0.03〜0.3μmの熱剥離層、色材を含む画像形成層がこの順に設けられてなる熱転写シート、及び、高密度エネルギー光照射の直前に、該熱転写シートに受像要素を積層することを特徴とする上記の画像形成方法。
【0010】
(2)高密度エネルギー光照射による光熱変換層と画像形成層間の結合力の低下が、熱剥離層と光熱変換層間の結合力低下、熱剥離層と画像形成層間の結合力低下、または熱剥離層の凝集力低下の一種以上によるものであることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0011】
(3)上記熱剥離層が、上記光熱変換層材料の熱変化温度よりも低い熱変化温度の材料を含むことを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0012】
(4)上記熱剥離層の熱変化が、熱分解であることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0013】
(5)上記熱剥離層が、ポリマーを含むことを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0014】
(6)上記熱剥離層中のポリマーがニトロセルロース、及び塩素化ポリオレフィンから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0015】
(7)上記熱剥離層が、ポリマー以外に発熱分解性低分子化合物を含むことを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0016】
(8)上記発熱分解性低分子化合物がガス発生性化合物であることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0017】
(9)上記熱剥離層中の発熱分解性化合物が、280℃以下に熱分解温度を有する低分子化合物であることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0018】
(11)上記光熱変換層の熱変化が、熱分解、及び/又は融解による形状変化であることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0019】
(12)上記光熱変換層の熱変化温度が、上記熱剥離層の熱変化温度に比べ、20℃以上高いことを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0020】
(13)上記光熱変換層中の光熱変換材料が、カーボンブラック、及び/又はグラファイトであることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0021】
(14)上記光熱変換層中の光熱変換材料が、赤外線吸収色素であることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0022】
(15)上記光熱変換層中が、水溶性ポリマーもしくはアルコール可溶性ポリマーからなるバインダーを含有することを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0023】
(16)上記光熱変換層の平均厚さが0.05〜2μmであることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0024】
(17)上記光熱変換層の高密度エネルギー光波長での光吸収率が70%以上であることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0025】
(18)上記支持体が、高密度エネルギー光に関して透過性の材料からなることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0026】
(19)上記支持体が、ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0027】
(20)上記画像形成層が、色材とポリマーバインダーを含むことを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0028】
(21)上記画像形成層がバインダーとして、平均分子量5,000〜100,000のポリマーを含むことを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0029】
(22)上記画像形成層中の色材とバインダーの重量比が1:5〜10:1であることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0030】
(23)上記画像形成層が、色材とバインダー以外に、加塑剤を含有することを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0031】
(24)上記画像形成層の厚さが0.1〜1μmであることを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0032】
(25)上記受像要素が受像支持体、及びその上に設けられた受像層から成ることを特徴とする上記の画像形成方法。
【0033】
(26)上記受像層が、ヴィカー法(Vicat法)に よる軟化温度が80℃以下のポリマーにより形成されていることを特徴とする上記の画像形成方法。
【0034】
(27)上記受像層が、ポリマーバインダー、光重合性モノマー、光重合開始剤を含むことを特徴とする上記の画像形成方法。
【0035】
(28)上記受像支持体の厚さが、10〜400μmであることを特徴とする上記の画像形成方法。
【0036】
(29)上記高密度エネルギー光記録直前の、熱転写シートと受像体の積層が、表面温度130℃以下のヒートローラーによって行われることを特徴とする上記の画像形成方法。
【0037】
(30)高密度エネルギー光記録後、熱転写シートから引き離され、第一の色相(p)の画像が形成された受像要素上に、第二の色相(q)の熱転写シートを積層し、高密度エネルギー光記録、剥離現像の工程を繰り返して、多色画像を受像要素上に形成することを特徴とする上記の熱転写シート、及び画像形成方法。
【0038】
(31)高密度エネルギー光記録後、熱転写シートから引き離され、受像層上に画像が形成された受像要素を最終画像支持体に積層し、次いで受像要素と最終画像支持体を引き離し、画像を受像層と一体の状態で最終画像支持体に転写することを特徴とする上記の画像形成方法。
【0039】
(32)上記高密度エネルギー光がレーザー光であることを特徴とする、上記の画像形成方法。
【0040】
(33)上記高密度エネルギー光が半導体レーザー光であることを特徴とする上記の画像形成方法。
【0041】
(34)上記レーザー光を、光熱変換層上でビーム径5〜50μmに集光し、速度1m/秒以上の速度で走査・記録することを特徴とする上記の画像形成方法。
【0042】
本発明を、添付する図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の画像形成方法で使用する熱転写シートの一例の断面を模式的に示す断面図である。図1において、熱転写シート1は、支持体11の上に光熱変換層12、熱剥離層13が設けられ、更にその上に画像形成層14が設けられ構成されている。
【0043】
図2は本発明で使用する受像要素2の一例の断面を模式的に示す断面図である。図2において、受像要素2は、受像支持体21の上に受像層22が設けられて構成されている。
【0044】
図3は、熱転写シートが受像要素にラミネートされた状態を模式的に示す。11は熱転写シート支持体、12は光熱変換層、13は熱剥離層、14は画像形成層、21は受像要素支持体、22は受像層を示す。
【0045】
図4は、レーザ記録後の熱転写シートの様子の1例を模式的に示す。11は熱転写シート支持体、12は光熱変換層、13は熱剥離層、14は画像形成層、21は受像要素支持体、22は受像層を示す。また、HELは高密度エネルギー光(レーザ 光等)、14A,14Bは各々照射部、非照射部の画像形成層、14aは照射による接着力低下部分を模式的に示す。
【0046】
図5は、剥離現像時の熱転写シートの様子を模式的に示す。11は熱転写シート支持体、12は光熱変換層、13は熱剥離層、21は受像要素支持体、22は受像層を示す。また、14A,14Bは各々照射部、非照射部の画像形成層を模式的に示す。
【0047】
本発明の熱転写シートの支持体11は、光熱変換層、熱剥離層、画像形成層を機械的に支持する働きを持つ。その材質としては機械的強度が強く、耐熱性を有すると同時に有機溶剤に対する耐性の大きな材質が好ましい。また、光照射を支持体側から行う場合には、該光波長に対して支持体の光透過率が大きい必要があり、さらに光源としてレーザを使用し、10μm以下の小スポットに絞り込む場合には、支持体の複屈折率が小さいことが好ましい。支持体11の厚みについては上記の特性を有していればシート状、板状いずれでも良く、その使用目的に応じて使用される。一般的な用途としては、シート状の支持体が好適に用いられ、その際には5〜300μm、好ましくは25〜150μmの厚みが用いられる。
【0048】
支持体11の材料としては、一般的には例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などの高分子化合物を挙げることができ、特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートが、機械的強度、熱に対する寸法安定性の点で好ましい。支持体11の表面には、光熱変換層との密着性をあげるためにグロー放電処理、コロナ放電処理などの物理的な表面処理がなされていてもよい。また、図1には示されていないが、必要に応じて支持体11と光熱変換層の間に、下塗層を設けても良い。下塗層としては、支持体と光熱変換層両者の間の密着性が大きく、また後述する熱剥離層よりも耐熱性が大きな材料が好ましい。また、支持体11への熱伝導による感度低下を小さくするためには、ポリスチレン等の熱伝導率の小さな材料が好ましい。これらの条件、及び光熱変換層の塗布溶剤に対する耐性を考慮して、被膜性のあるポリマー材料中から、適宜選択される。その厚みには特に制限は無いが、通常は0.01μmから2μmが好ましい。また支持体の、光熱変換層とは反対面にも必要に応じて、例えば反射防止層塗布等、各種処理がなされていてもよい。
【0049】
本発明に用いる光熱変換層12は、レーザ光、キセノンフラッシュ等の光源から照射される高密度エネルギー光を吸収して熱エネルギーに変換する働きを有する。光源としては前述したようにレーザ、特に半導体レーザを使用することが好ましい。光熱変換層中には該高密度の光を吸収する物質が含まれる。このような物質としては、カーボンブラックの様な黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニンのような可視から近赤外域に吸収を有する大環状化合物を用いた顔料などが好ましい。また光ディスクなど高密度レーザ記録に使用される材料も一般に半導体レーザ光を強く吸収するため、本目的にも好適に使用される。有機色素がその代表的な例であり、インドレニン色素等のシアニン色素、アントラキノン系、アズレン系、フタロシアニン系等の色素、ジチオールニッケル錯体等の有機金属化合物等の色素を挙げることができる。記録感度の点からは、光熱変換層はできるだけ薄いことが好ましく、そのため照射光波長における吸光係数の大きなシアニン色素、フタロシアニン系色素などがより好ましい。
【0050】
本発明の光吸収材料としては、無機材料も使用可能である。半導体レーザ光吸収特性の点からは一般に金属材料が好ましい。金属材料を用いる場合には、例えば真空蒸着膜のような薄膜として光熱変換層を形成する場合と、上記の顔料と同様にバインダー中に分散された形で形成する二通りの方法がある。スパッタリング法等の真空薄膜法により金属を製膜すると、一般に光反射率が高くなり、レーザ記録感度の上で好ましくない。そのような場合には、一般的な方法として、異なった屈折率を有する材料(例えばカルコゲン材料)を積層して反射防止効果を持たせることが有効であり、また他の方法として、酸素ガスを導入しながら真空製膜、もしくは金属酸化物・硫化物などの無機化合物を金属と混合製膜する等の方法により、反射率を低下させることが可能である。
【0051】
真空薄膜法による本発明の光熱変換層の材料としては、Sn,Bi,Te,Sb等、熱伝導率が低い金属及びその合金が挙げられる。これら金属の反射率を下げるために、上記したように屈折率の異なるカルコゲン化合物を光入射側に積層することが好ましい。また、カルコゲン化合物等の無機化合物と上記金属膜の混合は、反射率と同時に金属膜の熱伝導率を下げることができるため、特に有効である。この様な効果を有する材料としては、SnS,InS,GeS等の硫化物、In,Sn,Te,Ga等の酸化物等が挙げられる。これらの材料のうちから、光熱変換層として必要とされる耐熱性(融点、分解温度)を考慮して、適宜選択されて使用される。これらの金属と無機化合物を積層する方法としては、蒸着材料、もしくはスパッタ材料として、予め混合した材料を用いる方法がある。更に、真空槽内にこれら金属と、無機化合物の両者を仕込み、抵抗加熱等の方法によりエネルギーを与え、両者を同時に基板上に混合させながら、膜として付着させる方法がある。本発明に用いられる真空薄膜の厚みは、用いる金属、無機化合物の種類、混合比によって変わるが、総計として0.01μmから0.5μm、好ましくは0.03μmから0.1μmである。また混合比は、同様に材料の種類によって変わるが、一般に金属と無機化合物の重量比は5:1から1:3、好ましくは2:1から1:2である。
【0052】
またバインダー中に分散された金属微粒子を光吸収材として用いる代表的な例として、金属微粒子を溶液中バインダーと共に分散する方法があり、他の方法としてハロゲン化銀を用いた写真乳剤を露光・現像して得られる黒化金属膜がある。更に、ベヘン酸銀などの有機金属化合物を、溶液中またはフィルム中、還元剤と共存させながら加熱することにより、in-situで金属微粒子を析出させる方 法なども当業者に公知である。
【0053】
光吸収材料として顔料、色素等を用いる場合、これらは一般に被膜強度、即ち凝集力が小さく、一般に剥離方式で現像するためには、光熱変換層にはバインダーを含有させる必要がある。そのようなバインダーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のようなアクリル系モノマーの単独重合体又は共重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニールアルコール等のようなビニル系ポリマー及びそれらの共重合体、ポリエステル、ポリアミドのような縮合系ポリマー、ブタジエンースチレン共重合体のようなゴム系ポリマー等の熱加塑性ポリマー、アクリル酸エステル、エポキシ化合物等の光重合性、または熱重合性化合物を重合・架橋させたポリマー等が用いられる。
【0054】
このような記録方法では、高密度光照射時、一般的に光熱変換層は極めて高い温度に上昇する。その昇温による光熱変換層の変質、融解等によりアブレーション(Ablation)が起きると、剥離現像の際、光熱変換層の一部が受像体へ転写し、画像形成層の色相と混じる(混色)原因となる。そのため本発明に用いる光熱変換層の材料の熱変化温度は、後述する熱剥離層材料のそれよりも高いことが好ましい。ここで熱変化とは、その層に含まれる材料の溶融変形、熱分解を示す。光熱変換層が光吸収材とバインダーから構成される場合、バインダーの耐熱性は特に重要である。
【0055】
バインダーに必要とされる熱変化温度は、光熱変換物質の種類と混合量、熱剥離層材料の熱変化温度によっても変わるが、一般的には200℃以上、特に250℃以上の熱分解温度を有するポリマーが好ましい。この条件を満たし、且つ塗布、製膜の容易さ、上に積層する熱剥離層溶剤への耐性等の理由から、バインダーとしてはポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、ポリビニルブチラール、ナイロン等のアルコール可溶性ポリマーが好適に使用される。これら色素、顔料の光熱変換物質とバインダーの比率は重量比で1:5〜10:1、好ましくは1:3〜3:1である。この比率が小さすぎると、光熱変換層の凝集力が低下し、光熱変換物質の転写・混色を誘発しやすい。また、この比率が大きすぎると、一定の光吸収率を出すための膜厚が大きくなり、感度低下を招きやすい。
【0056】
上記顔料、色素を用いた光熱変換層の膜厚は用いる色材、バインダーの性質によって変わるが、一般的には平均0.05〜2μm、好ましくは平均0.1〜1μmであり、且つ、レーザ光波長での光吸収率が70%以上であることが好ましい。
【0057】
上記顔料、色素等の色材とバインダーを含む光熱変換層の場合、色材とバインダーの重量比が大きくなるにつれ、光熱変換層の表面のミクロな平滑性が失われる場合がある。特に顔料を用いると、顔料粒子の形状の影響を受けて、表面が凹凸状となる。更に顔料比を大きくすると、光熱変換層の膜が多孔質状となる。そのため光熱変換層の膜厚(塗布量)は、ミクロには場所により均一でない場合も生じる。しかし、本発明の目的を達成する上で重要なことは、熱剥離層が実質的に光熱変換層表面全体を覆っていることであり、熱剥離層のミクロな膜厚変動周期が、画像を形成する画素の大きさ(一般には5μm以上)以下のピッチの場合には、大きく特性を損なうことは少ない。
【0058】
この光熱変換層を支持体上に設けるには、当業者にとって公知の方法により行うことが出来る。即ち、これらの光吸収材とバインダーを有機溶剤に溶かし、ホエラー、スピンナー等の回転塗布法、グラビア、ドクターブレード等を用いたウエブ塗布法、ディップコート等の方法により塗布する。また顔料を用いる場合には、ボールミル、超音波、ペイトシェーカー等、公知の方法により行われる。溶剤としては水、アルコール、ケトン類、セロソルブアセテート類等バインダー、色剤に適した一般的な溶剤を用いることが出来る。
【0059】
本発明に用いる熱剥離層13は、高密度エネルギー光非照射状態で光熱変換層12と画像形成層14の間に介在、両者を結合させる機能を有する。また、剥離現像の際に、高密度エネルギー光照射領域の光熱変換層の一部が、受像体へ転写、混色することを防止すると共に、記録感度を向上させるための役割も果たす。即ち、光熱変換層12で吸収した熱を受けて、光熱変換層と熱剥離層の間の結合力、熱剥離層と画像形成層の間の結合力、もしくは熱剥離層の凝集力、の何れかを低下させる作用を有する層である。上記の機能を満たすには、光熱変換層の熱変化(バインダー、色材等の熱分解)が起きるより低い照射エネルギーで、上記の結合力もしくは凝集力変化が起きる必要があり、そのために本発明に用いられる熱剥離層の熱変化温度は、光熱変換層の熱変化温度よりも低く設計される。この熱変化温度を低下させることにより、熱剥離層が無い場合に比べ、混色防止と共に、低い照射エネルギーで転写が誘起され、高速記録に有利となる。本発明に用いる熱剥離層13は剥離現像時、高密度エネルギー光非照射領域の画像形成層が受像体に転写しないような適度の結合力、凝集力を有する必要がある。
【0060】
本発明の熱剥離層は、上記の条件を満たすために、発熱分解性低分子化合物としてジアゾニウム化合物を含みさらにポリマー材料を含む。その中で、比較的熱分解温度の低いポリマーを選択して使用することが好ましい。また一般のポリマー中に、熱分解性低分子化合物を添加して、熱剥離効果を付与することも可能である。本発明の熱剥離層に用いるポリマー材料としては、例えばニトロセルロースのような自己酸化性ポリマー、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンのようなハロゲン含有ポリマー、ポリイソブチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、エチルセルロース等のセルロースエステル等が用いられる。本発明の熱剥離層中で起きる熱分解反応としては、酸化、脱窒素、脱炭酸、脱ハロゲン等、結合開裂を伴う広範囲の熱反応様式が利用され、その熱分解温度は280℃以下、より好ましくは230℃以下であり、その反応が発熱的に進行する材料が好ましい。ここで熱分解温度の値はDSC(示差熱分析)法、熱 重量分析法等、通常の測定方法による。これらの方法による、熱分解温度等の熱特性値は、一般に昇温速度によって多少変化する。本発明実施例では、10℃/分の速度で評価した時、熱分解量が全量の1/2となる温度を、その材料の熱分解温度の基準とした。
【0061】
本発明の熱剥離層中に添加する熱分解性低分子化合物としては、ジアゾニウム化合物等の発熱分解性、及びガス発生性の材料が挙げられる。この場合の熱剥離層バインダーとしては、一般のポリマーを用いることが出来るが、上記の熱分解性ポリマーをバインダーとして組み合わせることは、より好ましい。その場合の熱分解性低分子化合物とバインダーポリマーの重量比は、一般に0.02:1〜3:1、特に好ましくは0.05:1〜2:1である。本発明の剥離現像時、高密度エネルギー光照射部での剥離が光熱変換層12と熱剥離層13の界面、または熱剥離層13の凝集破壊面で行われる場合には、高密度エネルギー光照射部の熱剥離層の全部、もしくは一部が受像要素に転写される。そのため、熱剥離層の着色が大きいと、受像要素上の画像の混色を起こし、好ましくない。そのため、熱剥離層が転写しても、混色が目視上、問題とならない程度に、熱剥離層は可視光に対し透過性が高いことが好ましい。具体的には、熱剥離層は可視光に対し、光吸収率が50%以下、好ましくは10%以下である。
【0062】
本発明の熱剥離層は、実質的に光熱変換層の全面を被覆する必要がある。そのため一定以上の量の熱剥離層材料を光熱変換層上に設ける必要がある。熱剥離層の平均厚さ(塗布量)は、0.03〜0.3μmである。平均膜厚が0.03μm未満の場合、記録感度が著しく低下すると共に、光熱変換層の一部が転写し、混色が発生する。また、0.3μmを越えると高速での記録感度が著しく低下する。ここで、前述した顔料等の色材とバインダーから成る熱剥離層の場合、顔料比が大きくなると、層表面が凹凸となり、更には多孔質状の膜構造となる。その場合、光熱変換層上に塗布、乾燥された熱剥離層膜厚は、著しく光熱変換層の膜構造の影響を受ける。そのため本発明に好適な上記熱剥離層の厚みは、ミクロな膜厚変動を平均化した値を用いている。この熱剥離層を光熱変換層上に設けるには、光熱変換層と同様の、当業者に公知の方法、溶剤を用いて塗布することが出来る。
【0063】
本発明の画像形成層14の材料としては、上記の作用機構及び熱剥離層の性質に合わせて、適宜選択される。一般的には、画像を可視化するために色素、顔料などの色材、及びバインダーの混合物が好適に用いられる。色材としては、顔料または染料が使用される。顔料は一般に有機顔料と無機顔料に大別され、前者は塗膜の透明性、後者は一般に隠蔽性に優れる特性を有する。印刷色校正用に使用する場合には、印刷インキに使用されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと一致もしくは近い色調の有機顔料が好適に使用される。この他金属粉、蛍光顔料等もその目的に応じて用いられる。好適に使用される顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系などのスレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、イソインドリノン系等が挙げられる。顔料は代表的には有機溶媒、もしくは水系分散媒の中に有機結合剤と共に分散される。この顔料は対応する画像の色と画質を再現する程度までに粉砕される。一般的に平均粒径1μm以下、特に0.5μm以下 が、高い解像力を得る上で好ましい。
【0064】
次の例は、この技術分野で公知の多くの顔料及び染料の内の若干例であるが、本発明に使用できる顔料もしくは染料はこれらに限定されるものではない(C.I.はカラーインデックスを意味する)。
ビクトリアピュアブルー(C.I.42593)、
オーラミンO(C.I.41000)、
カチロンブリリアントフラビン(C.I.ベーシック13)、
ローダミン6GCP(C.I.45160)、
ローダミンB(C.I.45170)、
サフラニンOK70:100(C.I.50240)、
エリオグラウシンX(C.I.42080)、
ファーストブラックHB(C.I.26150)、
No.1201リオノールイエロー(C.I.21090)、
リオノールイエローGRO(C.I.21090)、
シムラーファーストイエロー8GF(C.I.21105)、
ベンジジンイエロー4Tー564D(C.I.21095)、
シムラファーストレッド4015(C.I.12355)、
リオノールレッド7B4401(C.I.15850)、
ファーストゲンブルーーTGRーL(C.I.74160)、
リオノールブルーSM(C.I.26150)、
三菱カーボンブラックMA−100、
三菱カーボンブラック#40。
【0065】
これらの顔料以外に、チバガイギー(株)等から製造、販売されているポリマーキャリヤー中に微粒子顔料を分散させた加工顔料、例えばミクロリスイエロー4GA、ミクロリスイエロー2R−A(C.I.21108)、ミクロリスイエローMX−A(C.I.21100)、ミクロリスブルー4G−A(C.I.74160)、ミクロリスレッド3R−A、ミクロリスレッド2C−A、ミクロリスレッド2BーA、ミクロリスブラックC−A等も使用される。
【0066】
画像形成層14は、その被膜性と脆さ、及び熱剥離層13との間の結合力を制御するために少なくとも一種の結合剤を含む。また結合剤は上記塗膜のレオロジカルな性質を制御すると共に、分散系の顔料を安定させるためにも使用される。代表的には顔料と結合剤または結合剤の一部が、所望の粒径が得られるまでミルの中で粉砕される。粉砕されたペーストを溶媒または溶媒混合物によって希釈して、所望の粘度の分散物を得る。画像状照射部、及び非照射部に対応して画像形成層14を選択的に転写し、高画質の画像を得るために、本発明に用いる画像形成層塗膜のせん断破壊力及び伸びは共に小さいことが好ましい。そのために画像形成層に適した結合剤中の少なくとも一種は、剥離現像温度において脆性であることが好ましい。この観点から、少なくとも結合剤の一種は、ガラス転移温度Tgを有するポリマーの場合には、Tgが少なくとも室温以上であることが好ましい。
【0067】
さらに結合剤ポリマーの分子量が小さすぎると、画像形成層14を加圧、加熱下、受像層にラミネートする際に、結合剤が軟化、もしくは融解を起こし易く、本来接着して欲しくない非照射部感光層との粘着性が増大し、解像力低下を招きやすい。そのため結合剤ポリマーとしては、平均分子量が5,000〜100,000、特に10,000〜30,000が好ましい。この層に適した結合剤は熱可塑性樹脂またはその混合物であり、混合物の場合、二種以上の樹脂が相溶状態にあっても、非相溶状態のいずれであってもよい。具体的に好ましいポリマーの例は、メチルセルロース、エチルセルロース、三酢酸セルロースのようなセルロース誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のようなアクリル系モノマーの単独重合体又は共重合体等がある。更には、ポリビニルブチラール、ポリブニルフォルマール等のビニル系ポリマー、スチレン系ポリマー等も使用可能である。
【0068】
好ましい実施態様において顔料と結合剤の混合比は、顔料と結合剤の組み合わせによって異なるが、一般的には顔料:結合剤比は1:5〜10:1(重量比)であり、特に1:3〜3:1が好ましい。またレーザ記録感度を向上させるために、画像形成層のバインダーとして熱剥離層バインダーとして記載した熱分解性ポリマーの使用、もしくは上記バインダー中への混合、添加等も好ましい。
【0069】
このようにして形成された画像形成層14は、顔料および結合剤ともに脆く、一色のみの高画質を得る上では良好な性能を有するが、受像体上に既に形成されている画像の上に、別の色相の画像を記録、転写・接着し多色化させる場合、強い加圧もしくは加熱条件が必要となり、記録装置が複雑、高価になりやすい。そのような場合、画像形成層に加塑剤を添加して、被膜の接着性、凝集力の制御を行うことも出来る。
【0070】
即ち、可塑剤は、異なった色相の画像形成層14同士の接着力を向上させ、受像要素への転写を促進するために添加される。使用される材料は、色材、結合剤との組み合わせにより適宜選択される。低分子可塑剤の例としては、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジーnーオクチル(DnOP)、フタル酸ジ(2ーエチルヘキシル)(DOP)、フタル酸ジノニル(DNP)、フタル酸ジラウリル(DLP)、フタル酸ブチルラウリル(BLP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジ(2ーエチルヘキシル)(DOA),セバシン酸ジ(2ーエチルヘキシル)(DOS)等の脂肪族二塩基酸エステル、リン酸トリクレジル(TCP),リン酸トリ(2ーエチルヘキシル)(TOF)等のリン酸トリエステル類、ポリエチレングリコールエステル等のポリオールエステル類、エポキシ脂肪酸エステルのようなエポキシ化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
上記の一般的な可塑剤の他に、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,2,4ーブタントリオールトリメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ジペンタエリトリットーポリアクリレートのようなアクリル酸エステル類も、結合剤の種類によって好適に使用される。これらの可塑剤は単独で、また二種以上を混合して使用してもよい。またこれらの可塑剤に、ポリ塩化パラフィンのような二次可塑剤(補助可塑剤)を配合して使用してもよい。添加される可塑剤の量は、顔料および結合剤との組み合わせによって異なるが、一般的には(顔料と結合剤の総量):可塑剤の重量比が100:1〜1:2、好ましくは100:2〜1:1である。
【0072】
上に記載した成分に加えて、画像形成層14は界面活性剤、増粘剤、分散安定剤、接着促進剤、その他の添加剤を含むこともできる。画像形成層の乾燥膜厚は、目的とする用途によるが、一般的に5μmを越えることはない。好ましくは0.1μm〜2μmであり、更に好ましくは0.1〜1μmである。
【0073】
図1には示されていないが、本発明の画像形成層の表面には、取り扱い時の傷防止、保存時の膜面同士の接着などをふせぐために、必要に応じてカバーフィルムが設けられていてもよい。これらの目的のためのカバーフィルムの材料は一般的には例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの高分子化合物を挙げることができる。カバーフィルムの厚さは一般的には5〜400μm、特に10〜100μmであることが好ましい。これらのカバーフィルムの画像形成層と接触する面には、カバーフィルムの接着性を制御するために、各種表面処理がなされてもよい。
【0074】
本発明の光熱変換層、熱剥離層、画像形成層等の膜厚測定は、通常の触針式による方法以外に、走査型電子顕微鏡、トンネル顕微鏡、レーザ顕微鏡等の顕微鏡観察による方法、及びESCA、FT-IR等の物理的表面解析方法、更には、各層を溶剤で溶解した後の化学分析法等の方法によっても良い。前述したように、光熱変換層としてカーボンブラック等の微粒子を分散した層を用いる場合には、その表面が分散粒子の形状の影響を受けて凹凸になる場合がある。そのような層の上に熱剥離層、更には画像形成層を設けると、下地の凹凸の影響を受けて上層の膜厚は必ずしも均一とはならない。後述するように、本発明の実施例で、熱転写シート上の光熱変換層、画像形成層の各平均膜厚を、走査型電子顕微鏡による断面観察で測定した。また、熱転写シート作成に用いる塗布液と同一組成の塗布液を、平滑表面を有するポリエステルフィルムに、熱転写シート作成時と同じ条件で塗布、乾燥し、膜厚を触針式膜厚計で測定した。両者の値はほぼ等しかった。この結果から、本発明においては、平滑ポリエステルフィルム上の測定膜厚を、熱転写シートの対応する各層の平均膜厚(塗布量)とした。
【0075】
図2は本発明で使用する受像要素2の一例の断面を模式的に示す断面図である。図2において、受像要素21は、受像支持体21の上に受像層22が設けられて構成されている。尚、図示はしていないが、受像支持体が受像要素を兼ねた構成の受像要素も、必要に応じて可能である。受像支持体21はフィルム状もしくは板状のものであれば特に限定されず、どのような物質から作ったものであってもよい。受像支持体21の材料としては、一般的には例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンーアクリロニトリル共重合体などの高分子化合物を挙げることができ、特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートが、水、熱に対する寸法安定性の点で好ましい。また受像支持体21の厚さは、フィルム状の場合一般的には10〜400μm、特に25〜200μmであることが好ましい。また、用途によっては、受像支持体21としてガラス、金属板等も使用することは可能である。図2には図示されていないが、受像支持体21の表面には、受像層22との密着性をあげるために下塗層の積層もしくは物理的な表面処理がなされていてもよい。下塗層としては被膜性のあるポリマー材料から、支持体及び受像層両者との密着性等を考慮して適宜選択される。その厚みには特に制限は無いが、通常は0.01μmから2μmが好ましい。密着性をあげる手段として、支持体表面のグロー放電処理、コロナ放電処理などの物理的処理も、特に好ましい。受像層22としては、画像形成層を受容する上で、ビカー(Vicat)法による軟化温度が約80℃より低いポリマー層が好ましい。その例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル−エチレン共重合体等が挙げられる。また、これら以外のポリマーに加塑剤を加えた材料も同様に用いられる。また本発明の受像層23は、必要に応じて印刷本紙に転写するための、適度のレリース性を得るために、特開昭59ー97140号公報に記載されている光重合性材料からなることが好ましい。
【0076】
本発明に好適な光重合性受像層は
a)付加重合によって光重合体を形成しうる多官能ビニル又はビニリデン化合物の少なくとも一種、
b)有機重合体結合剤、
c)光重合開始剤、
及び必要に応じて熱重合禁止剤等の添加剤、を含有する。
【0077】
本発明に使用出来る適当なビニルまたはビニリデン化合物は、例えばポリオールの不飽和エステル、特にアクリル酸又はメタクリル酸のエステル、例えばエチレングリコールジアクリレート、グリセリントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3ープロパンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,2,4ーブタントリオールトリメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリトリットジメタクリレート、ペンタエリトリットトリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレート、ペンタエリトリットジアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ジペンタエリトリットーポリアクリレート、1,3ープロパンジオールージアクリレート、1,5ーペンタンジオールージメタクリレート、200〜400の分子量を有するポリエチレングリコールのビスアクリレート及びビスーメタクリレート及び類似の化合物、不飽和アミド、特にそのアルキレン鎖が炭素原子によって開かれていてもよいα,ωージアミンを有するアクリル酸及びメタクリル酸の不飽和アミド及びエチレンビスーメタクリルアミドである。
【0078】
更に、例えば多価アルコールと多価の有機酸のエステルと、アクリル酸またはメタクリル酸との縮合によるポリエステルアクリレートも使用しうるが、これらに限定されるものではない。有機重合体結合剤(バインダー)(b)は、熱可塑性樹脂またはその混合物であり、その例としてはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のようなアクリル系モノマーの単独重合体又は共重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニールアルコール等のようなビニル系ポリマー及びそれらの共重合体、ポリエステル、ポリアミドのような縮合系ポリマー、ブタジエンースチレン共重合体のようなゴム系ポリマーなどが挙げられる。これらの中で、各種アクリル系モノマーの共重合体は、広い範囲で軟化点等の熱的性質を制御することが容易であり、また光重合性モノマーとの相溶性が良好であり好ましい。 これらのポリマーは、10,000〜2,000,000の平均分子量を有する。ここで、光重合性モノマーと有機重合体結合剤の混合比は、使用されるモノマー化合物と結合剤の組み合わせによって異なるが、一般的にはモノマー:結合剤比が0.1:1.0〜2.0:1.0(重量比)が好ましい。
【0079】
光重合開始剤としては、近紫外部に吸収、活性を有し、可視部に吸収が無い、もしくは小さな化合物である必要がある。このような例としてベンゾフェノン、ミヒラーケトン[4,4’−ビスー(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビスー(ジメエルアミノ)ベンゾフェノン、4ーメトキシー4’ージメチルアミノベンゾフェノン、2ーエチルアントラキノン、フェノントラキノン、及びその他の芳香族ケトンのような芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェチルエーテルのようなベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン及びその他のベンゾイン類、並びに2ー(Oークロロフェニル)ー4,5ージフェニルイミダゾール二量体、2ー(Oークロロフェニル)ー4,5ー(mーメトキシフェニル)イミダゾール二量体等が挙げられる。
【0080】
ここで、光重合性モノマーと、有機重合体結合剤の混合比は使用されるモノマー化合物と結合剤の組み合わせによって適正比は異なるが、一般的にはモノマー:結合剤比が0.1:1.0〜2.0:1.0(重量比)が好ましい。光開始剤の添加量はモノマー化合物に対して0.01〜20重量%が好ましい。
【0081】
受像層22の膜厚は、画像形成後の4色の色像を受容するために変形される必要があるが、そのための十分な厚さが最低あれば良い。光重合性物質の適正な塗布膜厚は、色像の膜厚によって異なるが、1〜50μmが好適である。図2には記載されていないが、本発明の受像層22は必要に応じて、二層構成であっても良い。特に、印刷本紙等の永久支持体に画像を転写する際、二層のうち上層を画像と共に転写し、下層(支持体側)を受像支持体に残留させる方法が特開昭61ー189535号、特開平2ー244146、同2ー244147号、同2ー244148号公報に詳細に記載されている。これらの公報に記載されている方法は、印刷物との近似性、その他の点から好ましく、本発明の受像体要素として好適に使用される。
【0082】
レーザー記録により、サープリント法でカラープルーフを作成するためのプロセスの一例を以下、順を追って説明する。
1)記録ドラム上に、受像層を外側にして受像要素を、真空引き等により密着、固定する。
2)熱転写シートの画像形成層14を、受像要素の受像層22と接しながら、加圧(必要に応じ加熱)ローラにより、受像要素と熱転写シートを積層する(図3)。
3)高密度エネルギー光(レーザ光)HELを、熱転写シート支持体11側から、光熱変換層12上に適当なビーム径で集光する。記録ドラムを一定速度で回転し、また記録ヘッドをドラムに対し、平行方向に一定速度で移動させ、回転走査方向と直交する方向に同期を取りつつ、色分解された画像信号で変調したレーザービームを走査、記録する(図4)。
4)レーザー記録された熱転写シートを、受像要素から引き離し、剥離現像を行う(図5)。現像後の熱転写シートは、記録ドラムから除去される。
5)次いで、第二の色相の熱転写シートが、上記第一の色相の画像が形成された受像要素にラミネートされる。
6)第一の画像の位置にあわせて、レーザビーム及びドラムの位置合わせを行い、上記3)、4)の工程が繰り返され、第一の画像の上に、第二の色相の画像が形成される。
7)順次、第3、及び必要に応じて第4の色相の分解画像が、同一の受像要素上にレーザー記録される。
8)4色の分解画像が転写された受像要素を記録ドラムから離す。次いで、画像が転写している受像層を、白色紙上に重ね、加熱加圧下で熱ラミネーターを通過させ、白色紙と接着させる。
9)受像層が光重合性の場合には、受像要素の透明な支持体を通して全面に紫外線露光を与え、受像層を光硬化させる。
10)受像支持体を剥離することによって、白色紙上に光硬化受像層と共に、転写された4色画像が得られる。
【0083】
上に述べたプロセスは、記録前に熱転写シートを受像要素にラミネートしているが、必要に応じて記録後、熱転写シートを受像要素にラミネートしても良い。
【0084】
前述したように本発明の記録原理は、光熱変換層12で吸収・変換された熱エネルギーを熱剥離層に伝熱し、熱剥離層13の熱変化(熱分解等)により、結合力または凝集力を低下させることによる。一般に熱溶融型転写材料の場合、前述した如く、記録時の熱により画像形成層及び/または受像層が軟化、溶融し、受像体との結合力が増し、剥離により転写される。そのため熱溶融型転写材料の場合、記録時、画像形成層と受像体が接触している必要があるのに対し、本発明では、記録後も接着力が低下した状態が維持されるため、記録後に受像体をラミネート、剥離しても、大きな感度の低下がなく現像される。
【0085】
本発明の熱転写シートと受像要素のラミネートは、一般に加圧ローラによって行われるが、ローラを加圧と同時に加熱しながら、ラミネートすることも好ましい。加熱条件は、各材料の熱機械的性質(熱膨張率等)により制約を受ける。またローラの加熱温度が高く、且つレーザ光焦点位置に近い位置にあると、ローラによる空気加熱、対流が生じ、細く絞ったレーザスポットの形状等に悪影響を与える。これらの制約から、加熱ローラの温度は130℃以下、特に好ましくは100℃以下である。
【0086】
レーザー記録の段階は、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムネオンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ等のガスレーザ、YAGレーザなどの固体レーザ、半導体レーザなどの他に、色素レーザ、エキシマーレーザなどから直接出射された光、もしくはこれらの出射光を二次高調波素子を通して、半分の波長に変換した光等で行なわれる。熱転写シートの感光波長、感度、必要とされる記録速度に応じて、これらのレーザから適宜選択されるが、これらの中で半導体レーザが価格、出力パワー、大きさ、変調のしやすさ等の点から、最も好ましい。画像信号によるレーザ光の変調は、例えばアルゴンイオンレーザの場合には外部変調器にビームを通し、また半導体レーザの場合には、レーザーに注入する電流を信号により制御(直接変調)する等、公知の方法により行なわれる。光熱変換層上で集光されるレーザスポットの大きさ、及び走査速度は、画像に必要とされる解像力、材料の記録感度等に応じて設定される。印刷用途の場合、一般に高い解像力が必要であり、ビームスポットは小さい方が画質的に好ましいが、一方で焦点深度が小さくなり、機械的な制御が困難になる。また、走査速度が小さすぎると、熱転写シート支持体等への熱伝導による熱損失が大きくなり、エネルギー効率が低下すると共に、記録時間が長くなり好ましくない。以上から、本発明の記録条件は、光熱変換層上でのビーム径が5〜50μm、特に好ましくは6〜30μm、走査速度は1m/秒以上、好ましくは3m/秒以上である。以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0087】
【実施例】
参考例1
(1)熱転写シートの作成
【0088】
Figure 0003606891
上記の成分を、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)を使用して2時間分散処理して母液を調製した。
【0089】
Figure 0003606891
上記の成分をスターラーで撹拌下に混合して、光熱変換層用塗布液を調製した。
【0090】
(iii)支持体の準備
−光熱変換層の塗布−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートの上に、下塗り層として、スチレン−ブタジエン共重合体(厚さ0.5μm)、ゼラチン(厚さ0.1μm)をこの順に設けたフィルムを、熱転写シート用支持体 として準備した。この支持体の上に、上記光熱変換層用塗布液を、回転塗布機(ホエラー)を使用して1分間塗布し、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、光熱変換層(触針式膜厚計による膜厚:0.3μm、波長488nmでの 光吸収率90%)を作成した。同じ試料を、走査型電子顕微鏡により断面観察したところ、平均膜厚は0.3μmであった。
【0091】
(b)熱剥離層の積層
(i)塗布液の調製
ニトロセルロース(ダイセル株式会社製、タイプ RS1/2) 1重量部
メチルエチルケトン 100重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20重量部
上記の成分をスターラーで撹拌下に混合して、熱剥離層塗布液を調製した。
【0092】
(ii)熱剥離層の塗布と膜厚測定
上記熱転写シート用支持体に設けた光熱変換層の表面に、上記熱剥離層用塗布液を、回転塗布機(ホエラー)を使用して1分間塗布し、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥した。また、上記熱剥離層塗布液を用い、平滑な表面を有するポリエステルフィルム上に同条件で塗布乾燥した。触針式膜厚計でその時の膜厚を測定したところ0.1μmであった。
【0093】
Figure 0003606891
上記の成分を、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)を使用して2時間分散処理して母液を調製した。
【0094】
Figure 0003606891
上記の成分をスターラーで撹拌下に混合して、マゼンタ用画像形成層塗布液を調製した。
【0095】
(iii)マゼンタ用画像形成層塗布液の塗布、膜厚の測定
上記熱転写シート用支持体に設けた熱剥離層の表面に、上記画像形成層用塗布液を、回転塗布機(ホエラー)を使用して1分間塗布し、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、マクベス濃度計での光学濃度は0.7の画像形成層を積層し、熱転写シートを作成した。上記画像形成層用塗布液を同条件でポリエステルフィルム(100μm厚)に塗布、乾燥し、膜厚を測定したところ0.3μmであった。走査型電子顕微鏡により、熱転写シートのマゼンタ画像形成層の膜厚を、断面観察法により測定したところ、平均はほぼ0.3μmであった。
【0096】
(2)受像要素の作成
(a)受像層用塗布液の調製
次に受像層用塗布液として下記を調製した。
【0097】
(i)受像第一層塗布液
ポリ塩化ビニル 9重量部
(日本ゼオン(株)製、商品名 ゼオン25)
界面活性剤 0.1重料部
(大日本インキ(株)製、商品名メガファックF−177P)
メチルエチルケトン 130重量部
トルエン 35重量部
シクロヘキサノン 20重量部
ディメチルフォルムアミド 20重量部
【0098】
Figure 0003606891
【0099】
(b)受像層の塗布
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを支持体として、回転塗布機(ホエラー)を使用して上記受像第一層塗布液を塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥した。得られた第一層の膜厚は1μmであった。この第一層の上に、第二層用塗布液を用いて同様の方法により塗布し、乾燥膜厚26μmの受像第二層を積層し、受像要素を得た。
【0100】
(3)積層体の作成
上記のようにして作成した熱転写シートと受像要素を、表面温度70℃、圧力4.5kg/cm2のヒートローラに速度200cm/分の速度で通し、図3に示すように、受像層と画像形成層とが実質的に均一に接触するように積層体を作成した。ここで圧力は、富士写真フィルム株式会社製の圧力測定用感圧発色材料(プレスケール)を用い、室温のローラを通して測定した。
【0101】
(4)上記のようにして得られた積層体を、熱転写シート支持体がレーザ光入射面、受像要素支持体が回転ドラム面と接するように、真空吸着用のサクション穴の開いた回転ドラムに巻き付け、真空引き、固定した。波長488nmのアルゴンレーザ光を、光熱変換層上で10μmのスポット状に集光し、回転ドラムの回転方向(主走査方向)に対し直角方向に移動(副走査)しつつ、下記の条件でレーザ記録を行なった。
レーザパワー 32mW
主走査速度 4m/秒
副走査ピッチ(1回転当たりの副走査量) 20μm
【0102】
(5)記録後、上記積層体をドラムから取り外し、受像要素と熱転写シートを手により、引き離したところ、レーザ照射部のみの画像形成層が受像層に転写していることが、明瞭に観察された。更に、光学顕微鏡により転写画像を観察したところ、光熱変換層中のカーボンブラックの転写も観察されず、記録線幅5μmを示していた。
【0103】
(6)熱分解温度の測定
上記ニトロセルロース、ポリビニルアルコールの熱特性を熱重量分析法により測定した(昇温速度 10℃/分)。ニトロセルロースは約165℃で発熱分解を開始し、193℃で約半減し、207℃でほぼ全量熱分解した。ポリビニルアルコールは約210℃から分解開始し、270℃で約半減した。尚ポリビニルブチラールは、65℃前後に軟化温度は有するものの、300℃前後まで、大きな分解は認められなかった。
【0104】
(7)光熱変換層の膜構造
上記光熱変換層の表面及び断面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、顔料粒子の影響を受けた明瞭な表面凹凸と共に、多孔質状の構造が観察された。また、熱剥離層塗布後においても、その表面は顔料粒子の影響を受けた凹凸を有することが観察された。
【0105】
参考例2
参考例1で用いたレーザ記録用ドラム上に、焦点位置調整用スペーサとして、100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り付け、更にその上に参考例1で用いた熱転写シートを、支持体がレーザ入射面となるように重ねた。次いで、参考例1と同様の条件でレーザ記録を行った後、熱転写シートをスペーサ用ポリエチレンテレフタレートフィルムから取り外した。取り外した後のスペーサフィルムには、画像形成層の転写は観察されなかった。次に、記録済みの熱転写シートを、参考例1と同じ受像要素に重ね、参考例1と同じ条件でヒートローラを通し積層した後、熱転写シートを受像要素から剥離した。レーザ照射部のみの画像形成層が受像層に転写していることが、明瞭に観察され、更に、光学顕微鏡により転写画像を観察したところ、光熱変換層中のカーボンブラックの転写も観察されず、記録線幅6μmを示していた。レーザ照射以後、剥離まで5分程度の時間経過があったにも拘わらず、良好な記録感度を示していることから、画像形成層の融解による受像要素との接着力増加が画像形成の支配要因ではなく、レーザ照射による結合力の低下が支配的な要因と判断された。
【0106】
参考例3
参考例1の熱転写シートを用い、参考例2と同様の方法により、レーザ記録を行った。冷却後、粘着テープ(日東電気工業株式会社製、ニットーポリエステルテープ No.31B)を、記録面に室温にて指で圧着ながらラミネートした。すぐに剥離したところ、粘着テープ上に画像が形成されており、その記録線幅は7μmであった。
【0107】
比較例1
熱剥離層を塗布しない点を除き、参考例1と同様の方法により比較試料を作成した。熱剥離層の無いこの熱転写シートを、参考例1と同様の方法により受像要素に積層、レーザ記録した所、剥離現像後の受像要素には、転写画像が観察されなかった。
【0108】
参考例4〜8、比較例2〜3
(1)熱転写シートの作成
(a)光熱変換層の作成
参考例1と同条件で7枚の光熱変換層を作成した。
【0109】
(b)熱剥離層の作成
ニトロセルロースの濃度を8水準変えた下記の組成の塗布液を作成した。
Figure 0003606891
上記の成分をスターラーで撹拌下に混合して、熱剥離層塗布液を調製した。この塗布液を用い、上記光熱変換層上に、回転塗布機(120rpm)で1分間塗布し、100℃2分間乾燥し、平均膜厚が0.02μmから2μmまでの熱剥離層を設けた。
【0110】
(c)画像形成層の積層
参考例1と同様の方法、条件により、上記各熱剥離層上に、マゼンタの画像形成層を形成した。
【0111】
(2)レーザ記録特性の評価
上記熱転写シートを参考例1と同じ受像要素に重ね、ヒートローラを通して積層した後、レーザ記録、剥離現像を行った。光学顕微鏡により、受像要素上に転写された画線の線幅、及び光熱変換層中のカーボンブラックの転写(混色)の有無を評価した。結果を表1に示す。
【0112】
【表1】
Figure 0003606891
【0113】
熱剥離層の厚味が0.02μmでは感度が低く(細い記録線幅)、またカーボンブラック転写による混色が観察された。熱剥離層の膜厚を0.03μ以上にすると、混色が減少すると共に、感度も向上するが、0.3μmを越えると感度が急減することがわかった。
【0114】
参考例
Figure 0003606891
上記の成分を、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)を使用して2時間分散処理して母液を調製した。
【0116】
Figure 0003606891
上記の成分をスターラーで撹拌下に混合して、黒色マスク用画像形成層塗布液を調製した。
【0117】
(iii)黒色マスク用画像形成層塗布液の塗布
上記熱転写シート用支持体に設けた熱剥離層の表面に、上記画像形成層用塗布液を、回転塗布機(ホエラー)を使用して1分間塗布し、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、膜厚0.6μ m(マクベス濃度計での紫外濃度は3.1)の画像形成層を積層し、熱転写シートを作成した。
【0118】
Figure 0003606891
【0119】
(b)受像層の塗布
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートの上に、密着性向上用下塗りとして、スチレン−ブタジエン共重合体(厚さ0.5μm)、ゼラチン(厚さ0.1μm)をこの順に設けたフィルムを支持体として、回転塗布機(ホエラー)を使用して上記受像層塗布液を塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥し、受像層膜厚26μmの受像要素を得た。
【0120】
(3)積層体の作成
上記熱転写シートと受像要素を、参考例1の方法により加熱ローラに通しラミネート、積層体を作成した。
【0121】
(4)レーザ記録特性、及びマスク画像特性の評価
上記積層体を、参考例1と同様の方法によりレーザ記録、剥離現像を行った。次いで、グラフィックアーツ用紫外線照射プリンター(大日本スクリーン製造株式会社製、タイプPA−607)により、真空引きしながら現像後の受像要素に紫外線照射を行った。光学顕微鏡により、受像要素上に転写された画線の線幅を測定したところ、3μmであった。また、画線部、非画線部共に、耐傷性も優れ、更に、画像部の紫外光学濃度は3以上あり、また波長350〜450nmでの非画像部の光学濃度は0.05と、光学的コントラストも大きく、印刷版焼き付け用等のマスク画像として優れた性能を示した。
【0122】
参考例10
(1)熱転写シートの作成
(a)光熱変換層の作成
参考例1と同様の支持体と塗布液を用い、 参考例1と同様の方法により、光熱変換層を作成した。
【0123】
(b)熱剥離層の作成
(i)塗布液の調製
塩素化ポリエチレン(山陽国策パルプ株式会社製、スーパークロン 907 HA) 1重量部
トルエン 100重量部
上記の成分をスターラーで撹拌下に混合して、熱剥離層用塗布液を調製した。
【0124】
(ii)熱剥離層の積層
参考例1と同様の方法により、上記熱剥離層の塗布液を調製、上記光熱変換層の上に塗布、平均膜厚0.1μmの熱剥離層を積層した。
【0125】
(c)画像形成層の作成
参考例1と同様の方法により、画像形成層用塗布液を調製、上記熱剥離層の上に塗布、積層し、熱転写シートを作成した。
【0126】
(2)レーザ記録特性の評価
参考例1で用いた受像要素を、上記受像要素と重ね、参考例1と同様の方法により、加熱ローラを通し、次いでレーザ記録、剥離現像を行った。受像要素上に転写された画像は、レーザ光吸収材による混色もなく、また記録線幅は3μmを示していた。
【0127】
比較例4
(1)熱転写シートの作成
(a)光熱変換層及び熱剥離層の作成
参考例1と同条件で光熱変換層、及びその上に熱剥離層を積層した。
【0128】
Figure 0003606891
上記の成分を、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)を使用して2時間分散処理して母液を調製した。
【0129】
Figure 0003606891
上記の成分をスターラーで撹拌下に混合して、黒色用画像形成層塗布液を調製した。
【0130】
(iii)黒色画像形成層塗布液の塗布
上記熱転写シート用支持体に設けた熱剥離層の表面に、上記画像形成層用塗布液を、回転塗布機(ホエラー)を使用して1分間塗布し、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、膜厚2.1μmの画像形成層を積層し、熱転写シートを作成した。
【0131】
(2)レーザ記録特性の評価
参考例1で用いた受像要素を、上記熱転写シートと重ね、参考例1と同様の方法により、加熱ローラを通し、次いでレーザ記録(走査速度は1m/秒)、剥離現像を行った。得られた画像は、解像力が極めて悪く、また感度も低いものであった。
【0132】
実施例1
(1)熱転写シートの作成
(a)光熱変換層の作成
参考例1と同様の支持体と塗布液を用い、参考例1と同様の方法により、光熱変換層を作成した。
【0133】
Figure 0003606891
【0134】
【化1】
Figure 0003606891
【0135】
メチルエチルケトン 100重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20重量部
上記の成分をスターラーで撹拌下に混合して、熱剥離層用塗布液を調製した。
【0136】
(ii)熱剥離層の積層
参考例1と同様の方法により、上記熱剥離層の塗布液を調製、上記光熱変換層の上に塗布、積層した。参考例1と同様に膜厚を評価したところ、0.1μmであった。
【0137】
(c)画像形成層の作成
参考例1と同様の方法により、画像形成層用塗布液を調製、 上記熱剥離層の上に塗布、積層し、熱転写シートを作成した。
【0138】
(2)レーザ記録特性の評価
参考例3と同様の方法によりレーザ記録を行い、次いで粘着テープの積層、剥離現像を行った。受像要素上に転写された画像は、レーザ光吸収材による混色もなく良好であり、記録線幅は9μmを示し、熱剥離層中へのジアゾニウム化合物添加が無い場合(参考例3)に比べ、約30%の感度上昇が認められた。
【0139】
参考例11
(a)光熱変換層、及び熱剥離層の作成
参考例1と同様の方法により、支持体上に光熱変換層、熱剥離層をこの順に設けた。
【0140】
(b)各色画像形成層塗布液用母液の調製
(i)シアン
ポリビニルブチラール(電気化学工業株式会社製、デンカブチラール#2000−L)の20重量%溶液(溶媒:n−プロパノール) 63重量部
色剤(シアン顔料、東洋インキ株式会社製、No700−ブル−10FG CY -Blue、C.I.Pigment Blue 15:4 ) 12重量部
分散助剤(ICI株式会社製、ソ ルスパースS−20、000) 0.8重量部
分散助剤(ICI株式会社製、ソルスパースS−12、000) 0.2重量部
n-プロピルアルコール 60重量部
ガラスビーズ 100重量部
【0141】
Figure 0003606891
【0142】
Figure 0003606891
上記の成分を、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)を使用して2時間分散処理して各色母液を調製した。
【0143】
(c)塗布液の調製
シアン、ブラックについては参考例1と同様の方法により塗布液を調製した。イエローについては、下記の組成の塗布液を調製した。
Figure 0003606891
上記の成分をスターラーで撹拌下に混合して、イエロー用画像形成層塗布液を調製した。
【0144】
(d)各色画像形成層塗布液の塗布・熱転写シートの作成
上記熱転写シート用支持体に設けた熱剥離層の表面に、上記シアン、イエロー、及びブラック画像形成層用塗布液を、参考例1と同様の方法により塗布、乾燥し、それぞれの色に対応する熱転写シートを作成した。シアン、イエロー、及びブラック画像形成層の各々の膜厚は、0.3μm、0.6μm、0.3μmであり、またそれ ぞれに対応する光学濃度は各々0.6、0.7、0.8(マクベス濃度計)であった。
【0145】
(e)多色画像の記録
参考例1で用いた受像要素の上に、上記ブラック熱転写シートを重ね、参考例1と同様の方法により、積層体を作成した。次いで、参考例1と同様な方法でレーザ記録を実施した。この時のレーザ光は、カラー原稿を色分解した後の、黒色画像信号で変調して照射された。記録、剥離現像された受像要素の黒色画像の上に、上記シアン熱転写シートを重ね、上記と同様の方法により積層、シアン画像記録、現像を繰り返した。次に、参考例1で用いたマゼンタ熱転写層、上記イエロー熱転写層についても、この順に上記積層、記録、現像を繰り返したところ、受像要素上に、良好なカラー画像が得られた。
【0146】
(f)印刷本紙への転写
上記受像要素に形成されたカラー画像をアート紙に重ね、グラフィックアーツ用プリンター(大日本スクリーン製造株式会社製、タイプP−607)を用いて、真空引きしながら受像要素側から紫外線照射を3分間行った。次いで、アート紙と受像要素を引き離したところ、受像第一層と受像第二層の間で剥離が行われ、受像第二層と共に、カラー画像がアート紙に転写した。受像第二層は光硬化しているため、良好な耐傷性による保護層としての機能も備えていた。
【0147】
参考例12
(1)熱転写シートの作成
(a)光熱変換層の作成
下記の光熱変換層用塗布液を調製した。
赤外線吸収性シアニン色素(構造式 B) 0.3重量部
【0148】
【化2】
Figure 0003606891
【0149】
Figure 0003606891
参考例1で用いた熱転写シート用支持体を用い、参考例1と同様の方法により上記光熱変換層用塗布液を塗布、乾燥し、膜厚0. 3μmの光熱変換層を得た。分光光度計により830nmにおける吸光度を測定したところ、1.4の値を示した。
【0150】
(b)熱剥離層、画像形成層の積層
参考例1と同様の方法により熱剥離層、画像形成層各々の塗布液を調液し、上記光熱変換層の上に塗布、乾燥し、マゼンタの熱転写シートを作成した。
【0151】
(2)半導体レーザ記録特性の評価
上記熱転写シートの画像形成層側から、下記の条件で半導体レーザ光を照射し、記録テストを行った。
半導体レーザ波長 ;830nm光熱変換層上でのビーム径;10μm膜面上のレーザパワー ;21mWレーザ照射時間 ;5μ秒
【0152】
(3)受像要素の積層、剥離現像
参考例1で用いた受像要素を、上記記録済みの熱転写シートに重ね、参考例1と同条件でヒートローラに通し積層し、次いで剥離現像を行った。剥離後の受像要素側に、レーザ照射部のマゼンタ画像が転写されていた。顕微鏡で観察したところ、赤外吸収色素による混色が無く、コントラストの大きな直径8μmの円形画像を示していた。
【0153】
【発明の効果】
本発明の熱転写シート及び画像形成方法は、任意の色材による良好な色相の画像を高解像度で、乾式法により容易に形成できるという顕著な効果を奏する材料及び方法である。本発明においては、使用する熱転写シートの光熱変換層と、画像形成層を機能分離することにより、任意の色相の画像を形成できると共に、両層の間に熱剥離層を設けることにより、光熱変換層中のレーザ光吸収材の転写、画像の変色(混色)を防ぐことが出来る。更には、熱剥離層として熱分解温度の低い材料を用いるため、著しく記録感度を向上させるという効果を有する。また、画像形成層の膜厚を小さくすることが出来るため、極めて高い解像力を示すという効果も奏することが出来る。本発明の熱転写シート及び画像形成方法は、ダイレクト・ディジタル・カラー・プルーフの製造に利用すると特に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写シートの一例の断面を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の画像形成方法に使用する受像要素の一例の断面を、模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の熱転写シートと、画像形成に使用する受像要素の積層状態を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の熱転写シートが、レーザ記録された状態(潜像)を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の熱転写シートが、レーザ記録された後、剥離現像されている状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 熱転写シート
11 熱転写シート支持体
12 光熱変換層
13 熱剥離層
14 画像形成層
2 受像要素
21 受像支持体
22 受像層
HEL 高密度エネルギー光(レーザ光等)
14A 高密度エネルギー光照射部分の画像形成層
14b 高密度エネルギー光非照射部分の画像形成層
14a 高密度エネルギー光照射部の接着力低下部分

Claims (9)

  1. 支持体上に、光熱変換物質を含む光熱変換層、発熱分解性低分子化合物を含む熱剥離層、色材を含む画像形成層がこの順に設けられて構成されており、該熱剥離層の介在により結合されている該画像形成層と光熱変換層の間の結合力が、高密度エネルギー光照射により小さくなる熱転写シートにおいて、該熱剥離層の平均膜厚が0.03〜0.3μmであり、前記発熱分解性低分子化合物はジアゾニウム化合物を含有することを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記熱剥離層が、前記光熱変換層の熱変化温度よりも低い熱変化温度の材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記熱剥離層の熱変化が、熱分解であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記熱剥離層が、ポリマーを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱転写シート。
  5. 前記熱剥離層中のポリマーがニトロセルロース、及び塩素化ポリオレフィンから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載の熱転写シート。
  6. 前記光熱変換層の熱変化温度が、前記熱剥離層の熱変化温度に比べ、20℃以上高いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱転写シート。
  7. 前記画像形成層の厚さが0 . 1〜1μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱転写シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱転写シートを用いて、
    (a)受像要素を、該画像形成層に重ね、積層する工程、
    (b)高密度エネルギー光を該積層体に画像様に照射して、該熱剥離層により結合されていた該光熱変換層と画像形成層間の結合力を低下させる工程、
    (c)該熱転写シートと該受像要素とを引き離し、高密度エネルギー光非照射領域の画像形成層を熱転写シート側に残し、高密度エネルギー光照射領域の画像形成層を受像要素上に転写する工程、
    から成ることを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱転写シートを用いて、
    (a)高密度エネルギー光を該熱転写シートに画像様に照射して、該熱剥離層により結合されていた該光熱変換層と画像形成層間の結合力を低下させる工程、
    (b)受像要素を該画像形成層上に重ね、積層する工程、
    (c)該熱転写シートと該受像要素とを引き離し、高密度エネルギー光非照射領域の画像形成層を熱転写シート側に残し、高密度エネルギー光照射領域の画像形成層を受像要素に転写する工程、
    から成ることを特徴とする画像形成方法。
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