JP2001315440A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JP2001315440A
JP2001315440A JP2000140001A JP2000140001A JP2001315440A JP 2001315440 A JP2001315440 A JP 2001315440A JP 2000140001 A JP2000140001 A JP 2000140001A JP 2000140001 A JP2000140001 A JP 2000140001A JP 2001315440 A JP2001315440 A JP 2001315440A
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JP2000140001A
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Katsusato Shishido
克吏 宍戸
Keiichi Shiokawa
恵一 塩川
Hiroshi Higashimatsu
宏 東松
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低平滑紙への転写性に優れ、高精細で地汚れ
の少ない印字画像を得ることのできる熱転写記録媒体を
提供すること。 【解決手段】 基体の一方の面に、少なくとも着色剤、
ワックス及び熱可塑性樹脂からなる熱溶融性インク層を
形成してなる熱転写記録媒体であって、該熱可塑性樹脂
のガラス転移温度(Tg)と最低造膜温度(MFT)と
が、Tg<MFTの関係にあることを特徴とする熱転写
記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写記録媒体に
関し、さらに詳しくは、低平滑紙への転写性に優れ、高
精細で地汚れの少ない印字画像を得ることのできる熱転
写記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱転写記録媒体における地汚れ
(スマッジ)を抑制する手段としては、基体の一方の面
に形成される熱転写層の最上層に、ワックス又は樹脂等
からなるオーバー層(表面層)を形成する手段が採られ
ていた。この手段には、さらに、オーバー層にインク層
を形成するもの、オーバー層にインク層と剥離層とを形
成するもの等、多様な層構成を採ることも試みられてい
る。また、インク層が樹脂を主材とする場合に、インク
層の内部又は表面に、フィラーとして球状物を存在させ
る方法も提案されている(特開昭61−032794号
公報)。さらに、インク層に用いるバインダーに、Tg
が50〜105℃で分子量が60,000以上のアクリ
ル樹脂を含有させる方法(特開平5−246148号公
報)、インク層に、MFTが41℃以上の熱溶融性樹脂
を含有させる方法(特許第2552637号)等が提案
されている。
【0003】しかしながら、オーバー層を設けた熱転写
記録媒体において、オーバー層とインク層からなる2層
系の場合は、インク層における熱感度、基体との接着
性、画像耐スミア性等をすべて確立させることはきわめ
て困難なものであった。剥離層を設ける場合は、剥離層
が本来、熱感度と接着性、画像耐スミア性とが背反する
ものであることから、高品質の印字画像は得やすいもの
の、層構成が増加することによるコストアップにつなが
り、実用上、簡便な用途には採用され難いものであっ
た。増える また、インク層が樹脂を主材とするもの又は樹脂とワッ
クスからなるものにおいては、低平滑紙への転写性、高
精細性、さらには地汚れも満足すべき改良までには至っ
たいないものであった。すなわち、樹脂が多量であれ
ば、低平滑紙への転写性、高精細性が低下し、ワックス
が多量であれば、地汚れが増大するのである。
【0004】ところで、樹脂を使用した場合、樹脂には
MFTが存在するが、一般的には、MFTはTgとほぼ
同じ温度であり、MFTを支配する最大因子はTgとな
るものである。また、可塑剤等を用いてMFTを下げる
ことも、一般的に採用されている。MFTが低い程、そ
れを越える温度において成膜されやすくなるということ
は知られている。ただし、この場合、例えば、30℃の
環境下で保管されたとき、印字画像品質が変化するおそ
れがある。一方、MFTが高過ぎると、乾燥時に他の材
料(例えば、ワックス)に影響が及んでしまうという不
都合を招く。Tgが低過ぎると、画像堅牢性、耐ブロッ
キング性が劣化し、高過ぎると、画像転写性が低下する
こととなる。Tgに対し、MFTが低いものは、軟かい
膜となり、地汚れや耐スミア性に対して有用なものとは
言えないものである。さらに、フィラーを添加する場合
においても、低平滑紙への転写性、受容紙との密着性が
悪化し、耐スミア性を損なうことがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の現状を克服し、低平滑紙への転写性に優れ、高精
細で地汚れの少ない印字画像を得ることのできる熱転写
記録媒体を提供することをその課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、インク層に用いられる熱可塑性樹脂
に着目し鋭意検討を重ねた結果、ガラス転移温度と最低
造膜温度とが特定の関係にある熱可塑性樹脂を用いるこ
とによって、低平滑紙への転写性に優れ、高精細で地汚
れの少ない印字画像を得ることのできる熱転写記録媒体
となるということを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに到った。すなわち、本発明によれば、基体
の一方の面に、少なくとも着色剤、ワックス及び熱可塑
性樹脂からなる熱溶融性インク層を形成してなる熱転写
記録媒体であって、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度
(Tg)と最低造膜温度(MFT)とが、Tg<MFT
の関係にあることを特徴とする熱転写記録媒体が提供さ
れる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、基体の一方の面に、少
なくとも着色剤、ワックス及び熱可塑性樹脂からなる熱
溶融性インク層を形成してなる熱転写記録媒体である。
基体としては、公知の耐熱性を有する材料、例えば、ポ
リエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロー
ス、ナイロン、ポリイミド等のプラスチックフィルム、
セロハン、硫酸紙、コンデンサー紙等が挙げられる。基
体の厚さは、熱感度、機械的強度を考慮して、2〜15
μm程度であることが望ましい。また、基体のサーマル
ヘッドと接触する表面に、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
メラミン樹脂、ニトロセルロース等からなる耐熱保護層
を設けることにより、基体の耐熱性をさらに向上させる
こともできる。
【0008】着色剤としては、通常使用される有機又は
無機の染料又は顔料を使用することができる。充分な着
色濃度を有し、光、熱、湿度等によって退色しないもの
が望ましい。例えば、カーボンブラック、二酸化チタ
ン、ベンガラ、レーキレッドC、フタロシアニンブル
ー、フタロシアニングリーン、ベンジシンイエロー、直
接染料、油性染料、塩基性染料等の顔料や染料が挙げら
れる。
【0009】ワックスとしては、蜜ろう、鯨ろう、木ろ
う、米ぬかろう、カルナウバワックス、キャンデリラワ
ックス、モンタンワックス等の天然ワックス、パラフィ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワッ
クス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス、ポ
リエチレンワックス等の合成ワックス、マルガリン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、フロイン酸、ベヘニン酸等の高級飽和脂肪酸、ステ
アリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級飽和一
価アルコール、ソルビタンの脂肪酸エステル等の高級エ
ステル、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高
級脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0010】熱可塑性樹脂としては、エステルガム、ロ
ジンマレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、水添ロジ
ン等のロジン誘導体、フェノール系樹脂、テルペン系樹
脂、キシレン系樹脂、石油系樹脂、芳香族系炭化水素樹
脂、アイオノマー樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂等が挙
げられる。より好ましいものとしては、アクリル系樹脂
を挙げることができる。アクリル系樹脂は、アクリル
酸、メタクリル酸等の一塩基性カルボン酸又はそのエス
テルと、少なくとも1種の共重合し得るモノマーとの乳
化重合によって得られる。カルボン酸モノマーとして
は、アクリル酸又はメタクリル酸のメチル、エチル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、
オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、ヒ
ドロキシエチル、ヒドロキシプロピルエステル等が挙げ
られる。また、共重合し得るモノマーとしては、酢酸ビ
ニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、無水マレイン酸、
無水フマル酸、スチレン、2−メチルスチレン、クロル
スチレン、アクリロニトリル、ビニルトルエン、N−メ
チロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルア
ミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキ
シメタクリルアミド、ビニルピリジン、N−ビニルピロ
リドン等が挙げられる。さらに、ジエン系コポリマーも
好ましく、ブタジエン、イソブレン、イソブチレン、ク
ロロブレン等のジエン系モノマーと上記共重合し得るモ
ノマーとの乳化重合物、例えば、ブタジエン−スチレ
ン、ブタジエン−スチレン−ビニルピリジン、ブタジエ
ン−アクリロニトリル、クロロブレン−スチレン、クロ
ロブレン−アクリロニトリル等のコポリマーを挙げるこ
ともできる。また、より好ましいポリマーとして、エチ
レン共重合体があり、例えば、エチレン−酢酸ビニル、
エチレン−アクリル酸エチル、エチレン−メタクリル酸
メチル、エチレン−アクリル酸イソブチル、エチレン−
アクリル酸、エチレン−ビニルアルコール、エチレン−
塩化ビニル、エチレン−アクリル酸金属塩等の共重合体
が挙げられる。その外、熱可塑性樹脂としては、ウレタ
ン系重合体、エステル系重合体も用いることができる。
【0011】熱溶融性インク層に対するこれら着色剤、
ワックス、熱可塑性樹脂の使用量としては、重量基準で
着色剤が、通常は、5〜30%、好ましくは、10〜2
0%、ワックスが、通常は、50〜90%、好ましく
は、50〜75%、熱可塑性樹脂が、通常は、10〜4
0%、好ましくは、15〜30%である。ここにおい
て、ワックスと熱可塑性樹脂との使用比率は、重量比で
90/10〜50/50であることが好ましい。また、
熱溶融性インク層の厚さは、1〜3μmが適切である。
【0012】本発明は、このように、基体の一方の面
に、少なくとも着色剤、ワックス及び熱可塑性樹脂から
なる熱溶融性インク層を形成してなる熱転写記録媒体で
あって、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)と最
低造膜温度(MFT)とが、Tg<MFTの関係にある
ことを特徴とする熱転写記録媒体である。
【0013】ここに、ガラス転移温度(Tg)とは、熱
可塑性樹脂を加熱したときにガラス状の硬い状態からゴ
ム状の軟らかい状態に変わる温度を言う。また、最低造
膜温度(MFT)とは、ある狭い温度域を境に、その温
度以上では透明な皮膜が得られ、その透明皮膜が得られ
る最低温度を言う。本発明は、このガラス転移温度(T
g)と最低造膜温度(MFT)とが、Tg<MFTの関
係にあることを特徴とする熱可塑性樹脂を用いるもので
ある。より詳しくは、Tgが20〜50℃であり、MF
Tが30〜70℃である熱可塑性樹脂が用いられ、さら
には、TgとMFTとの差が、10℃以上である熱可塑
性樹脂が好ましく用いられる。
【0014】また、本発明においては、熱溶融性インク
層が、ワックスを主材とする剥離層を介し形成されてい
ることが好ましい。この剥離層は、融点又は軟化点が7
0〜120℃のワックスを主材としているものである。
剥離層は、熱印加特に基体と熱転写層間の剥離性をよく
するために設ける層であって、そのため、サーマルヘッ
ドによる熱印加で溶融して低粘度液体になるような成分
で構成するのが望ましく、また、加熱部分と非加熱部分
の界面近傍で、層が容易に切れるように層成分を調整す
ることが望ましい。剥離層に用いられるワックスとして
は、上記熱溶融性インク層に用いられるワックスを挙げ
ることができる。
【0015】剥離層に弾力性を付与し、熱転写記録媒体
と熱転写体との密着性を向上させるために、剥離層に、
イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレン
ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム等のゴム類を添加する
ことができる。また、剥離層の脱落防止のために、接着
性の強い樹脂類を添加することも可能であり、このよう
な樹脂類としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエ
チレン−エチルアクリレート共重合体等が好ましく使用
される。
【0016】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明するが、これら実施例によって本発明はなんら限
定されるものではない。なお、「部」とあるのは、重量
基準である。 実施例1〜2及び比較例1〜4 表1に示す成分(その使用量も示す)からなる熱溶融性
インク層及びカルナバワックス100部からなる剥離層
を、基体であるポリエステルフィルムに形成して熱転写
記録媒体を作製した。
【表1】 この熱転写記録媒体について、以下の方法により評価テ
ストを行なった。なお、受容紙(被転写紙)は、軽量コ
ート紙(Bekk平滑度500秒)と裏面にのり付処理
されたラベル状のキャストコート(Bekk平滑度30
00秒)を使用し、下記条件で印字テストを行った。 〔印字条件〕 サーマルヘッド密度:8dot/mm(薄膜ヘッドタイ
プ) プラテン圧:3kg/cm 印字スピード:200mm/sec 印加エネルギー:20mj/mm2
【0017】1.ラフ紙印字品質について 軽量コート紙を被転写紙として用い、印加エネルギー2
0mj/mm2下での転写画像を次の基準で評価した。 ○:ボイド、カスレが無い。 △:ややボイド、カスレがある。 ×:ボイド、カスレが多い。 2.解像性について キャストコートを被転写紙として用い、印加エネルギー
20mj/mm2・下での転写画像を次の基準で評価し
た。 ○:シリアルバーコード(code39N:W=1:
3)ANSIグレードランクC以上。 △:シリアルバーコード(code39N:W=1:
3)ANSIグレードランクD以上。 ×:シリアルバーコード(code39N:W=1:
3)ANSIグレードランクF以下。 3.スマッジについて 得られたサンプルを軽量コート紙へ連続10枚印字し、
地汚れ(スマッジ)を視認した。 ○:スマッジなし。 △:1〜5枚にスマッジ発生。 ×:6枚〜全てにスマッジ発生。 結果を表2に示す。
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、低平滑紙への転写性に
優れ、高精細で地汚れの少ない印字画像を得ることので
きる熱転写記録媒体が提供され、熱転写記録媒体の設
計、作製分野に寄与するところききわめて大きいもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東松 宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H111 AA12 AA17 AA26 AA33 BA03 BA07 BA53 BA54 BA61 BA63 BA71 BA78 CA23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の一方の面に、少なくとも着色剤、
    ワックス及び熱可塑性樹脂からなる熱溶融性インク層を
    形成してなる熱転写記録媒体であって、該熱可塑性樹脂
    のガラス転移温度(Tg)と最低造膜温度(MFT)と
    が、Tg<MFTの関係にあることを特徴とする熱転写
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 該Tgが20〜50℃であり、該MFT
    が30〜70℃である請求項1に記載の熱転写記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 該Tgと該MFTとの差が、10℃以上
    である請求項1又は2に記載の熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 該ワックスと該熱可塑性樹脂との使用比
    率が、重量比で90/10〜50/50である請求項1
    〜3のいずれかに記載の熱転写記録媒体。
  5. 【請求項5】 該熱溶融性インク層が、ワックスを主材
    とする剥離層を介して形成されたものである請求項1〜
    4のいずれかに記載の熱転写記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3620573A1 (en) * 2018-09-10 2020-03-11 Mitsubishi Paper Mills Limited Transfer paper
JP2020041248A (ja) * 2018-09-10 2020-03-19 三菱製紙株式会社 転写用紙

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