JP3703802B2 - シートベルトシステム - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、シートベルトのバックルおよび/またはタングを、乗物のシート占拠者がタングをバックルに比較的容易に挿入できる位置に移動させることができる機構に関する。
【0002】
本発明による、シートベルトバックルを備えるシステムは、ピボット点の周りに、かつ第1の位置と第2の位置の間を移動可能なシートベルトバックルを有している。第1の位置において、バックルは、緊急時に乗物のシート占拠者を保護し、第2の位置において、バックルは、タングをバックルに連結するのが容易になるように、前方の、第1の位置より高い位置に位置する。タングを備えるシステムは、一実施態様においてシートベルトリトラクタに組み込まれている、伸長可能で引込み可能な半剛性の部材を有している。
【0003】
発明の詳細な説明
図1は、シートベルトの2つのリトラクタ22a,22bを有する、代表的な従来技術のシートベルトシステムを示している。第1のリトラクタ22aは、タング24に連結された腰ベルト30a用の腰ベルトリトラクタである。第2のリトラクタ22bは肩ベルト30b用の肩ベルトリトラクタである。肩ベルトはこのリトラクタからDリング型のウェブガイド32を通って延び、タング24に連結されており、あるいは腰ベルト30aの端部25に縫い付けることができる。ウェブガイド32は、乗物のシート40の外部にあってよく、または乗物のシートに組み込まれていてもよい。バックルは、通常、バケットシートの場合、シートのクッションの内側に隣接して配置され、あるいは、破線のバックル26によって示されているように、シートバックとシート底部の交差部の近くまたは交差部に配置されている。いずれの位置でも、シート占拠者がバックルおよび/またはタングを見つけ、タングをこのバックルに挿入するのには幾分不便である。
【0004】
代表的なシートベルトシステムにおいて、バックル26はケーブル、すなわち一定の長さのシートベルト29を介してアンカー28に固定されている。図1は、格納位置にあるタングを示している。タング26がバックル26から外されると、腰ベルトのリトラクタ22aが腰ベルト30aを巻き取り、タングを腰ベルトのリトラクタ22aの近くに位置させる。設置例によっては、腰ベルトのリトラクタ22aは乗物シートの外側に配置して取り付けられ、一方、他の適用では、リトラクタはシート内に配置され、タングは、収納位置にある時、シートのクッション上に位置している。タングがもはやバックルに取り付けられた状態ではなくなると、肩ベルトは肩ベルトのリトラクタ22bによって引き込まれる。設置例によっては、シートと乗物の側面の間にほとんどスペースがなく、そのため、タングを見つけてバックルの方へ引っ張るのが、シート占拠者によっては困難である場合がある。
【0005】
図2および図3は、単一型または多重型のシートベルトリトラクタを有するシートベルトシステムと共に使用できる、本発明による、シートベルトの差し出し機構100の構成を示している。図2は、バックルの差し出し機構100に加えて、シートクッション44およびシートバック42の一部を示している。シートベルトバックル差し出し機構は、ピボット運動固定点、すなわちピボット点106にピボット運動するように連結された第1の端部を有するレバー102を含んでいる。図3に示されているように、このレバーの他方の端部108は、取り付けられたプーリ、またはプーリの一部分、または溝付き縁部110aを有するプーリ110を含んでいてよい。一定の長さの半剛性のケーブル112がプーリの下側の周りで湾曲させられており、ケーブルの一方の端部114がレバー102にその下側に沿って固定されている。ケーブルの他方の端部116は、溶着や圧着のような公知の方法でバックル26に、通常、バックルフレームに固定されている。図3において、ケーブル112は溝つき縁部110aの一部の中に入れられている。ケーブル112は、1つまたは2つ以上のクリップ113またはブラケットによってプーリ110内に保持されている。1つまたは複数のクリップの配置によって、図4に示されている、ケーブル112がプーリ110から離れる退出角度Aも調節されている。望まれるならば、ケーブル112を省くことができる。例えば、レバーをL字形とし、このL字形のレバーの伸長部にバックルを固定してもよい。バックルの差し出し機構100は、レバー102を、破線で示されている収納位置から、図2に示されている作動位置へ選択的に回転させる、すなわちピボット運動させる調節機構120を含んでいる。これによって、バックル26は、破線で示されている、シートクッションとシートバックの交差部の近くの収納位置から、シート占拠者の前方横の作動位置に移動させられる。バックル差し出し機構は、シート内に配置しても、シート外に配置してもよく、バックルの配置に従う。一実施形態において、調節機構120は、図3に示されているようにウォームギア122と、ねじ付きナット124を有するウォームギア機構を含んでいる。ウォームギアは、ナットのねじ付きの穴124aに入れられており、ウォームギアが回転すると、ナットはウォームギアの長さに沿って上下に移動させられる。このナットは、端部108に開口部108aを含むプーリ110にピボット運動するように連結されている。留め具144が、開口部110aにゆるみのある状態で入れられており、ねじ山146によってねじ付きナット124に固定されている。
【0006】
ウォームギア122は、モータ130によって直接、または、例えばギアボックスを介して間接的に駆動される。図2では、モータハウジングはウォームギアに直接連結されている。モータハウジングは、ピボット連結部134のところでピボット運動するピボット端部132を含んでいる。モータが回転すると、それによって、ねじ付きナット124はピボット点、すなわちピボット端部132に近づけられまたは遠ざけられる。レバー102は、ねじ付きナット124に固定された留め具144のシャフトの周りに自由にピボット運動することができる。ナットが移動すると、レバーはナットによって一緒に動かされ、レバーはピボット点106の周りに回転させられる。レバー102の移動によって、バックル26は、シート占拠者の腰の近くの、その収納位置、すなわち操作位置から、より前方の位置に移動させられる。リミットスイッチ105が、レバーが所望の位置に達した時にモータを停止させる信号を生成するのに用いられている。
【0007】
シート占拠者がシートに座っている状態でドアが閉まると、モータ130が駆動され、バックルをその前方位置、すなわち作動位置に移動させることが意図されている。バックルがこの位置にある状態では、シート占拠者は、タングをバックルに固定する操作を比較的やりやすい。バックル26および/またはタング24は、タングがバックルに連結されているかどうかを判定する、ホール効果センサと磁石のような公知の種類の検知機構またはバックルスイッチ105aの機構を有している。タングが係合させられると、信号が、通常コントローラを介してモータに送られ、それによってモータは反転させられ、図2に示されているように、バックルおよびタングを、要求された所望の位置に移動させる。
【0008】
図3において、モータ130はギアボックス136を介して間接的にウォームギアに連結されている。この実施形態において、モータとギアボックスは、ピボット連結部134にピボット端部132のところでピボット運動するように取り付けられている。
【0009】
図2aでは、バックル差し出し機構において、図2のレバー102の機能が、ピボット運動するように取り付けられた、従来技術においてベルト締付け装置とも呼ばれるプリテンショナによって置き換えられている。このプリテンショナ160は、2つの部分に分割されたハウジング162を含んでいる。第1の部分162aが、プーリ110を静止状態に、または回転可能に支持している。留め具144は、プーリの中央の開口部を通って延び、上述のようにしてねじ付きナット124に連結されている。ハウジング162の第2の部分162bは、点火された時にガスを発生可能な一定量の推進剤164を含む、公知の構成の点火装置を含んでいる。ハウジング162は、ピボット点106にピボット運動するように連結された端部104を有する管状部166に連結されている。ケーブル112の端部114はピストン168に連結されている。衝突中に、コントローラがプリテンショナ160に信号を送り、それによって、ピストンをチューブ166に押し込むガスが放出される。ピストン168がチューブに押し込まれると、ケーブル112がピストンによって一緒に動かされ、バックル26が矢印170の方向へと下方の位置へ引っ張られ、シートベルトがシート占拠者の周りに締め付けられる。ピストンは、シート占拠者によってシートベルト、ベルト、およびケーブルに荷重がかけられるのに応答してピストンがチューブから引き落とされるのを防止する歯または他の結合手段を含んでいてよい。非緊急時には、このバックル差し出し機構は図2の差し出し機構と同様に動作する。この差し出し機構は、図示されているように、プリテンショナのチューブが概ね水平な状態の休止位置から、バックルが前方に差し出される上昇位置に動く。モータは、ウォームギア、すなわち親ねじを回転させ、それによって、ねじ付きナット124が歯車に沿って上下に移動させられる。
【0010】
図4は、ケーブル112およびバックル26を支持するレバー102が、歯152を有するセクタギア150に取り付けられた、本発明の他の実施形態を示している。モータ130が、このセクタギアにそれよりも小さいピニオンギア154を介して連結されている。このモータが回転すると、バックルは、下方の位置と上方の位置の間で上下に移動する。セクタギアが所望の位置になった時にモータを停止するのにリミットスイッチ105を用いることができる。
【0011】
図4は、ケーブル112をレバー102に連結する他の方法を示しており、この場合、レバーの端部108は、レバー102の軸に対して所望の角度Aに向けられた穴108bを有している。ケーブル112は、レバーから引き抜かれるのを阻止する末端112aを含んでいる。レバーの端部は、ケーブルが穴を通って滑るのを防止するために、圧着されている。
【0012】
図4aでは、セクタギア154はプリテンショナ160に取り付けられており、モータ154はシートクッション44内の上方の位置に取り付けられている。モータの歯がセクタギアの歯に噛み合って駆動することによって、プリテンショナ160(レバー)およびバックル26は、図示の休止位置と、タングとの連結を容易にする作動位置の間で位置を変えられ、次に、タングが一旦挿入されると休止位置、すなわち係合位置に戻る。
【0013】
シート占拠者にとって比較的便利な位置にバックルを差し出すのに加えて、本発明によれば、タングをその格納位置すなわち収納位置から移動させ、シート占拠者がタングを比較的容易に見つけ、掴み、そしてそれに対応するバックルに挿入できるようにすることができる。
【0014】
図5から図11に示されている、タングの差し出し機構200は、具体的な用途に応じてバックルの差し出し機構100と組み合わせて用いることも、バックルの差し出し機構100とは独立に用いることもできる。好ましい実施形態において、タングの差し出し機構200は、タングの差し出し機構200の一部である、腰ベルトのリトラクタ22aを備える、2つのリトラクタのシートベルトシステムと共に使用される。図5は、シート40の斜視図であり、腰ベルトのリトラクタ22aの好ましい位置および向きを示している。肩ベルトのリトラクタ22bの位置も示されている。腰ベルトに固定されたタング24は、リトラクタ22aの近くの、その収納位置すなわちリトラクタ位置に示されている。リトラクタ22aが露出されている場合、タングの収納位置はリトラクタの頂部またはその近くになる。リトラクタが乗物のシート40内に設置されている場合、腰ベルトは室内装飾品、すなわちトリムの開口部を通って延びている。この場合、腰ベルトはリトラクタの巻取りばねによって引っ込められ、タングは室内装飾品、すなわちトリムに接触させられて、またはその近くに収納される。タングの実線での記載は、収納位置にあるタングを示している。
【0015】
図5は、タングの差し出し機構200の作動に応答してタングが収納位置から作動位置に移動するのを示すために、破線のタングも示している。腰ベルトリトラクタがシート50、およびシート占拠者に対して所定の角度で取り付けられている場合、タングの差し出し機構200は、シート占拠者55の腰の前方の、比較的便利な位置にタングを差し出すのに、タングをその収納位置から直線的に外側に移動させるだけでよい。図示のように、リトラクタ22aは水平から約40°から50°に向けられており、45°に向けるのが好ましい。リトラクタ22aは、フレーム220や、一定の長さのシートベルト、すなわち腰ベルト30aが巻かれたスプール222のような、従来のシートベルトリトラクタの多くの部品を含んでいる。リトラクタ22aは、従来と同様に、その一方の側に巻取りばね224を含み、他方の側にロック機構226を含んでいる。ロック機構226、巻取りばね224、およびスプール222は、フレームの様々な部分によって支持されている。
【0016】
図6はフレーム220を模式的に示している。このフレームは、U字形であり、側面部220a,220b、および背面部220cを含んでいる。各側面部は、スプールシャフトの、対応する側部または端部用のブッシュとして働く各開口部を有している。フレームは、フレームをシートフレームや乗物のピラーなどの取付け面に取り付けることができるようにする様々な取付け構造(不図示)を含んでいる。フレームは、各々が開口部221aを有する2つの追加の側面部220d,220e、すなわち突出部を含んでいる。側面部220d,220eは、タングの差し出し機構200のシャフト、ギア、およびモータを支持している。
【0017】
図1、図5、および図8において、腰ベルト30aは、スプール222から外に延びており、従来のようにスロット24aによってタング24に固定されている。肩ベルト30bは、タング26が移動させられた時に腰ベルト30aと肩ベルト30bの両方が移動させられるようにスロット24aによって固定されている。
【0018】
図7において、腰ベルトのリトラクタ22aは、タング差し出し機構として働く移動可能な、すなわち駆動される差し出し部材230を含んでいる。好ましい実施形態において、この差し出し部材230は、複数のミシン目、すなわちスロット232を端から端までに有する半剛性で可撓性のプラスチック製テープまたは金属製テープの形態である。差し出し部材230はスプールおよびその上に巻かれたシートベルトウェッビングと、図10におけるフレーム220の背面部220cの間に位置している。ミシン目付きテープのような差し出し部材230は、リトラクタフレームの背面部220cに接して位置している。スプールおよびシートベルトは、分かりやすくするために取り除いている。図7は、タング24をその引っ込めた位置すなわち収納位置に示している。腰ベルト30aはスロット24aによってタングに固定されている。
【0019】
差し出し部材230は、テープをリトラクタのフレーム220に対して上下に移動させるのに役立つスロット232の列を含んでいる。これによって、タングはその収納位置からその作動位置に移動させられる。腰ベルト30aが通って延びているベゼル(bezel)242、すなわち延長部、すなわち案内部が、差し出し部材230の頂部240に固定され、または差し出し部材230の一体の部分として形成されている。
【0020】
図8は、狭い楕円形のスロット242aを有する一体に形成されたベゼル242を、このスロットを通って延びている腰ベルト、およびベゼル240上に載っているタングと共に示している。リトラクタフレームは図8には示されていない。
【0021】
図7は、フレーム220によって支持され、差し出し部材230を上下に移動させる駆動機構300を示している。この駆動機構300はモータ302とシャフト304を含んでいる。このシャフトは、フレームの側面部220d,220eに回転するように支持されている。モータもフレームの側面部220eによって支持されている。各々がテープのスロット232に係合する複数の駆動歯312を有する2つの歯付きギア310a,310bがシャフトによって支持されている。テープ、すなわち差し出し部材230がフレームの背面部から離れるのを防ぐために、差し出し機構200は案内部320を含んでいる。
【0022】
図6は、案内部320の一例を示している。シートベルトの多くのリトラクタは、リトラクタフレームの頂部に取り付けられたウェブガイド322を含んでいる。ウェブガイド322は、シートベルトをリトラクタから離して案内する、シートベルト30aを入れるのに十分な大きさの開口部324を多くの場合含んでいる。図示のシートベルトガイド、すなわちウェブガイド322は背面に追加の切欠326を含んでいる。ウェブガイド322がリトラクタのフレームの所定の位置にある状態で、切欠326はフレームの背面部と共に、テープをリトラクタフレームに接した状態に保つ案内部、すなわち通路を形成している。
【0023】
図9は、テープの、他の形態の案内部320を示している。図9は、図7の頂部に類似しているが、フレーム220の一部を切って曲げることによって一体に形成された複数のタブ338を示している。各タブ338は、フレームの背面部220cから間隔をおかれており、テープが移動する時にそれを保持し案内する案内部、すなわち溝を形成している。タブは、例えばクリップ式に取り付ける、またはスナップ式に取り付ける部材によって形成することもできる。
【0024】
以下に詳しく説明する適切な条件の下で、モータ130が、歯付きギア310a,310bを回転させ、それによって、テープはリトラクタフレームの外に移動させられる。テープが移動すると、それによって、ベゼル242が一緒に移動させられ、ベゼル242によってタングが外側に、シート占拠者の前側側方へと押される。図示の実施形態において、フレームの背面部の平面、すなわち取付け面380は、乗物の中心線と交差する鉛直面に平行である。上述のように、リトラクタ22aは、水平に対して40°から50°、好ましくは45°に取り付けてもよい。テープは、半剛性であるので、延びる際に、取付け面に概ね平行に保たれる。設置例によっては、タングは、その伸長位置において、シート占拠者、すなわち鉛直な取付け面の比較的近い位置に配置するのが望ましい場合があり、あるいは比較的遠い位置に配置するのが望ましい場合がある。これは、リトラクタを取付け面に対してわずかに角度を持たせて取り付けることによって実現することができる。リトラクタの角度に応じて、タングの作動位置は、上述の鉛直な取付け面に対して比較的近くなり、または比較的遠くなる。
【0025】
差し出し機構200は、タングが差し出された後、モータを停止させるための様々なセンサまたはスイッチを含むことができる。例えば、モータは、それが所定の回転数だけ回転した後に停止させることができる。単にモータの回転を数えることによって、タングをその作動位置へ移動させることができる。テープを外に約13〜20cm移動させることが想定される。あるいは、モータ230は、モータの速度が既知であると仮定して、テープを新しい位置に位置させるように一定時間動作させてもよい。モータの回転数を測定するか、または時間を計測する代わりに、テープ上の突起のような構造物によって作動させられるマイクロスイッチまたはリミットスイッチをリトラクタに設けてもよい。この突起によって、マイクロスイッチは状態を変えられ、それによって、モータは、テープが外側に移動した後、停止させられる。テープをその収納位置に引っ込める時にテープの引き込みを適切な位置で停止させるのに他のマイクロスイッチを用いることができる。
【0026】
テープ、ベゼル、およびタングが作動位置にある状態で、シート占拠者は、タング24を掴み、タングをその作動位置から離し、腰ベルトのリトラクタ22aからも離す方向に引っ張り、タングをシートベルトのバックルに挿入する。タングが移動させられると、一定量のウェッビングがスプールから引き出される。タングの差し出し機構200は、テープを引っ込ませ、その収納位置に戻す機構360を含んでいる。これは、例えば、タングがバックルに係合させられるまでテープをその作動位置に保つことによって行うことができる。バックルは、タングがバックルに入っているのを示す信号を生成するバックルスイッチ105aを含むことができる。この信号は、テープのモータ302を反転させてテープをその収納位置に戻すのに用いることもできる。あるいは、好ましい実施形態では、タングがバックルに挿入されるのを待つのではなく、タングが、差し出し機構、すなわち頂部240の作動位置によって定められた、タングの作動位置から移動させられたら直ぐに、テープ240を引き込み始める。
【0027】
図10は、リトラクタ22aの断面図であり、スプール222上に巻かれた腰ベルト30aを示している。図示のように、テープ240は、タングをその作動位置すなわち差し出された位置まで既に延ばしている。ベゼル242は、延ばされており、タングをリトラクタから離れる方向へ移動させている。この機構は、スプールの周りに巻かれたウェッビングのロール上に位置するように付勢されたフィーラアーム364を有する、リトラクタに取り付けられたマイクロスイッチ362を含んでいる。タングがその作動位置にある状態でスプール上に残るウェッビングの量は事前に決めておくことができる。タングがこの作動位置から離れる方向に移動させられると、ロールからウェッビングがさらに引き出され、それによって、スプール上のウェッビングのロールの直径が小さくなる。マイクロスイッチ362およびそのレバー、すなわちフィーラアーム364は、ウェッビングのロールの直径がさらに小さくなったときに状態が変わる(オンまたはオフになる)ように構成されている。この機構360によって生成された信号は、モータ302を反転させるのに用いられ、それによって、テープおよびベゼルはその収納位置に移動させられる。
【0028】
図10は、下部の細長いテープ案内機構370を有する、本発明の他の実施形態を示している。このテープ案内機構370は、リトラクタのフレームから離れる方向に過渡的に湾曲した管状のハウジング372を有している。壁370a,370bを有する管状のハウジング372は、テープ240が通って延びる矩形の開口部374を有している。上述のように、幾つかの設置例において、テープ240は作動位置へと13〜22cmだけ延びる。テープを収納した状態では、大量のテープがリトラクタの下方に延びる。延びている一定の長さのこのテープは、ハウジング372によって、乗物の、参照番号40で示されているシートの下方のような所望の方向に向けられる。ハウジング372は、先端を切られていてもよく、または、テープが管状のハウジングによって常に包まれるようにするのに十分な長さであってもよい。壁370aは、リトラクタフレームの延長部によって形成してもよい。
【0029】
図12はシートの背面図である。設置例によっては、リトラクタ22aは、上述の取付け面に平行に取り付けることが不可能である場合がある。図12は、リトラクタ22aがシートクッション44のかなり下方にある他の取付け構成を示している。この構成を実現するために、図10のリトラクタを軸370の周りに回転させ、それによってフレーム220を取付け面の外に移動させ、次に、リトラクタをさらにクッション内にスライドらせるか、またはさらにクッションの下方にスライドらせる。モータ302を作動させてテープおよびタングを上述のように移動させた場合、タングは、シートクッションの側面から離れ、シート占拠者から離れて移動する。
【0030】
図13は、図10に示されている多くの部品を示し、取付け面380に対してかなりの角度に動かされ、また、シートクッション44内に配置されたリトラクタも示している。上部のテープガイド390がリトラクタのフレーム220から延びている。このテープガイドは、中空であり、シートベルトとテープ240の両方を入れるのに十分な幅を有している。テープガイド390は、テープが、取付け面380に対して概ね平行に、または設定可能な角度でクッションから出るように、湾曲しており、十分な長さを有している。図14は、テープガイド390が前方に向かって約45°に傾斜するように延びているのを示している。モータ302を作動させると、タング、ベゼル、およびテープは、テープガイド390の出口端部から真っ直ぐに出て、図10の差し出し機構によって実現される向きに位置させられる。テープ240は、このガイドの壁290a,290b内にある。
【0031】
図15は、湾曲させられ大きくされたウェブガイドとみなすことができる、変形例の、上部のテープガイド392を示している。すなわち、図6における、ウェブガイド230の、開口部324およびスロット、すなわち切欠326を形成する部分、すなわち壁394,296が、図15の細長い湾曲したテープガイド292を形成するように、上向きに延ばされている。この場合、テープ240は、図15に示されているように壁396の外面上に支持されている。シートベルトは、今や細長くなった開口部、すなわち溝236内に位置している。
【0032】
本発明では、センサおよびスイッチを含む複数の制御機器によって生成される複数の制御信号が、タングおよび/またはバックルを選択的に差し出し、引っ込めるのに用いられる。図18において、制御機器には、動力オンまたは動力オフの信号を生成するイグニションスイッチ400と、腰ベルトが腰ベルトのリトラクタ22aから少なくとも引き出されているのを示す信号を生成する、上述のマイクロスイッチ362のようなシートベルトセンサ402と、シート占拠者が自分のシートに適切に座っている旨の信号を生成する少なくとも1つの重量センサ404と、ドアが開いているか、それとも閉じているかを示す信号を生成するドアスイッチ406と、タング24がバックル26に係合しているのを示す信号を生成するバックルスイッチ105aと、様々なリミットスイッチ105が含まれている。各出力信号は、バックル用のモータ130および/またはタング用のモータ302を制御する信号を生成するコントローラ420によって受信される。レバー102およびテープ240の位置を検知する機器を含む他のセンサおよびリミットスイッチの信号も、コントローラ420によって受信することができる。
【0033】
図16および図17では、タング差し出し機構の機能とシートベルトリトラクタ22aの機能が分離されている。タングの差し出し機構200aは、テープ240を支持するタブ338を備えた薄いプレート432を有するフレーム430、すなわちブラケットを含んでいる。フレーム430は、所望の角度および位置でシートフレームに固定されている。テープは、持ち上げられた時にタング24を持ち上げ、リトラクタ22aのスプール222からウェッビングを引き出すベゼル242を含んでいる。このベゼルは、それがシートの頂部に平行に位置するように、テープに対して一定の角度を有しているのが示されている。この差し出し機構200aは、図13に示されているような、下部のテープ案内機構370を含むことができる。図17における下部のテープ案内機構370aは、タブ338を備える弧状のシート、すなわちプレート440を含んでいる。
【0034】
タング差し出し機構およびバックル差し出し機構を、シート占拠者がタングを掴み、それをバックルに挿入するのがより容易になるように、適切な時に差し出し、すなわち上昇・下降させるのが、制御システムの基本的な動作である。具体的な乗物に応じて、一方の差し出し機構を使用しても、両方の差し出し機構を使用してもよい。
【0035】
図18に模式的に示されているように、制御システム20は、1つの重量センサ400または一連の重量センサを用いることによって、シート占拠者がシートクッション上にいつ座ったかを監視し、すなわち判定する。タングの差し出し機構200およびタングは、収納位置から前方位置、すなわち作動位置に移動させられ、および/またはバックルの差し出し機構100およびバックルを収納位置から相応の前方位置すなわち作動位置に移動させる。タング24がバックルに挿入されロックされた後、それが、ホール効果スイッチ、リードスイッチ、または機械的なスイッチを含む公知の様々なバックルスイッチ105によって検知されると、制御システムは、タングがロックされたバックルを含むバックル差し出し機構を収納位置に移動させ、一方、タング差し出し機構も収納する。このシステムがプリテンショナ160を含んでいる場合、プリテンショナは、少なくとも、バックルおよびタングが収納位置に移動するまで停止させられる。
【0036】
より完全なシステムにおいて、シート占拠者が座っているかどうかの単なる監視は、座っているシート占拠者が乗物を運転する意思がなく、したがって、タング差し出し機構およびバックル差し出し機構を作動させる必要がない場合があるので、タングおよび/またはバックルをそれらの作動位置に差し出す目安とするのに不十分であると考えられる。より複雑なこのシステムでは、ドアスイッチ406によってなどして、乗物の隣接するドアが閉じているかどうかの情報が獲得され、ドアが閉じているという情報を組み合わせた、座っているシート占拠者の組み合わされたパラメータが、タングとバックルの両方を差し出すための制御パラメータとして用いられる。
【0037】
より高度なシステムでは、シート占拠者が乗物のドアをいつ開けるかが検知され、このシステムは、シート占拠者がタングをバックルから外し、乗物から出るのを容易にする作動位置にバックルを差し出すことによって応答する。したがって、より高度なこのシステムは、ドアスイッチの状態のあらゆる変化の情報を獲得し、バックルおよびロックされたタングを作動状態にする。
【0038】
シート占拠者の、乗物から出るという、ありうる意思は、乗物のエンジンが停止させられたかどうかによって示されることがある。エンジンの状態は、イグニションスイッチ400の状態の情報を獲得することによって検知することができる。バックルおよびタングを差し出し、引っ込めるために乗物の他のパラメータを検知してもよい。例えば、タングがバックルに挿入された時にのみバックルの差し出し機構100を引っ込めるのではなく、バックル差し出し機構を引っ込めるのを、変速装置検知センサ408によって検出して、乗物の変速装置のギアが入れられるまで遅らせてもよい。
【0039】
以下に、タングおよびバックルの位置を制御する制御アルゴリズムについて詳しく説明する。
【0040】
1.重量センサ404、ドアスイッチ406、イグニションスイッチ400、ウェブセンサ(スイッチ)、すなわちマイクロスイッチ362、バックルセンサ(スイッチ)105、および変速装置の状態、すなわち変速装置検知センサ408を含む制御機器から情報を獲得する。
【0041】
2.シート占拠者が自分のシートに適切に座っているかどうかを判定する。重量センサの出力を監視し、シート占拠者がシートに適切に座っているかどうかを判定する。シート占拠者が座っており、ドアが閉じている場合、バックルの差し出し機構をその収納位置からその作動位置に移動させ、タングの差し出し機構をその収納位置からその作動位置に移動させる制御信号を生成する。これらの信号は、バックル差し出し機構のモータに、バックル差し出し機構をその作動位置に回転させ、タング差し出し機構のモータに、テープをリトラクタフレームから離れる方向へ移動させ、それによってタングを持ち上げさせる。
【0042】
2a.シート占拠者がドアを開けたかどうかを判定する。これは、シート占拠者が乗物から離れることを望んでいることを示している。この状況が、シート占拠者がタングをバックルに挿入する前に生じた場合、乗物から容易に出られるようにタングおよびバックルをそれぞれの収納位置に移動させる信号を生成する。
【0043】
3.タングがその作動位置にある状態で、シート占拠者がタングをタング差し出し機構から引き離し始めたかどうかを判定する。シート占拠者がタングをリトラクタから一旦引き離し始めたら、ウェブスイッチ、すなわちマイクロスイッチ362の状態を用いて、タング差し出し機構のモータにテープをその収納位置に戻させる制御信号を生成する。
【0044】
4.シート占拠者が、腰ベルトを十分に引き出し、タングをバックルに係合させたかどうかを判定する。バックルスイッチ105、すなわちバックルセンサを監視して、タングがバックルに係合させられたかどうかを判定し、バックルスイッチの信号に応答して、バックル差し出し機構のモータにバックルおよびそれに係合するタングをその収納位置に移動させる。
【0045】
4a.シート占拠者が乗物の、隣接するドアを開けたかどうかを判定する。タングがバックルに入れられた状態で、シート占拠者がその後、例えば、乗物から出るため、または何かの情報を得るため、または他の何かの理由で、隣接するドアを開ける状況があり得る。ドアスイッチ406の状態を監視してドアが開いた状態を判定し、シート占拠者がタングをバックルから外し乗物から出るのを見越してバックルの差し出し機構をその作動状態に上昇させる。バックルスイッチの状態を検知することによってタングがバックルから外されていないのを判定し、ドアスイッチの状態を検知することによって、タングをバックルから外すことなくドアがその後閉じられたかどうかを判定し、バックル差し出し機構をその収納位置に戻す。シート占拠者がタングをバックルから外した場合、それをバックルスイッチの状態によって検知して、バックル差し出し機構をそのモータを作動させることによってその収納位置に戻す。
【0046】
5.イグニションスイッチが作動状態、すなわちオン状態であるかどうかを判定する。イグニションスイッチの状態を監視する。このステップでは、イグニションスイッチの状態によってバックル差し出し機構またはタング差し出し機構の状態が変更されることはなく、すなわち、バックル差し出し機構またはタング差し出し機構がそれらの収納位置にある場合、これらの差し出し機構は収納位置のままにされ、あるいはタングがまだバックルに係合させられていないと仮定すると、差し出し機構はそれらそれぞれの作動位置のままにされる。
【0047】
6.イグニションスイッチがオフにされたかどうかを判定する。イグニションスイッチの状態を監視し、イグニションスイッチがオフ状態に戻されたかどうかを確認する。バックル差し出し機構がその収納位置にある場合、タングがバックルに係合していることが、バックルスイッチの状態によって検知されたと仮定すると、イグニションスイッチが戻されたら、バックル差し出し機構のモータにバックル差し出し機構をその作動位置に移動させる。
【0048】
6a.タングがバックルから外されたかどうかを判定する。バックルスイッチの状態を監視し、タングがバックルに入っているかどうかを判定する。タングがバックルから外された場合、バックル差し出し機構はその収納位置に移動させられる。
【0049】
6b.タングがバックルに入ったままの状態で、イグニションスイッチが戻されたかどうかを再び判定する。イグニションスイッチの状態を監視し、イグニションスイッチがそのオン状態になったかどうかを確認する。バックル差し出し機構は再びその収納位置に移動させられる。
【0050】
図19a〜19gは、バックルの差し出し機構100およびタングの差し出し機構200のモータ130,302を制御するためにコントローラ420で実行される処理ステップ、すなわちロジックを示している。以下の説明では、制御システム20は、上述のものよりも精巧な重量センサ404を含んでいると仮定する。例えば、重量センサ404は3つの検知素子404a,404b,404cを含んでいてよい。検知素子404aおよび404bは、シートクッション内に設置された重量検知素子であり、一方、検知素子404cはシートバック内に位置する重量検知素子または力検知素子である。3つ全てのセンサが、しきい値よりも大きな信号、力、または重量を示す場合、このことは、シート占拠者がシートに適切に座っていることを示している。この処理はブロック500で始まり、次に、コントローラは、各重量センサ404a,404b,404cの出力信号W0,W1,W2を読み込み、これらの信号がそれぞれの設定可能なしきい値Th0、Th1、Th2を超えているかどうかを判定するように指示される。1つ、2つ、3つ、またはそれよりも多くの重量センサを以下の処理に使用することができる。3つ全てのセンサがそれらそれぞれのしきい値を超える信号を発生しているのが判定された場合(判定ブロック502)、コントローラは、ドアスイッチの状態の情報を獲得し(ブロック504)、ブロック506において、ドアが開いているか、それとも閉じているかを判定する。ドアが閉じている場合、図19bに引き続き示されているように、コントローラ420は、ブロック508によって示されているようにバックルスイッチ105の状態を読み込む。その後、コントローラは、判定ブロック510に示されているように、バックルスイッチ105が閉じているかどうか、すなわち、タング24がバックル26に入っている、すなわちNOロジック状態であるのか、またはバックルが開いている、すなわちYESロジック状態であるのかを判定する。その後、コントローラは、ブロック512において、モータ105,304に信号を送信することによって差し出し機構を上昇状態、すなわち作動状態へと動かす。
【0051】
上述のように、コントローラ420は、シート占拠者の動きの予想を試み、シート占拠者が乗物から出ることを意図しているかどうかを判定する。コントローラは、ブロック514でドアスイッチ406の情報を再び獲得し、ブロック516において、ドアが開いているか、それとも閉じているかを判定する。ブロック516において、ドアが閉じたままであるのが判定された場合、コントローラは、ブロック519において、マイクロスイッチ362の状態の情報を獲得し、ブロック520において、ウェッビングがシートベルトリトラクタからさらに引き出されたかどうかを判定する。ブロック516の判定が、ドアが閉じていないことを示している場合、シート占拠者が乗物から出ようとしているところであると推定されるため、コントローラは、ブロック522において、タング差し出し機構とベルト差し出し機構の両方をそれらの収納位置に戻し、プロセスはブロック500へと最初に戻される。ブロック520に戻ると、コントローラは、タングがその作動位置から移動させられたと判定した場合、ブロック524において、タングの差し出し機構200または200a、すなわちテープ240をその収納位置に移動させる、モータ304への信号を生成する。この時点で、コントローラは、タングがその作動位置から引き出されたと推定し、タングがバックルに入れられているかどうかを判定する(ブロック526)。コントローラは、ブロック528において、バックルスイッチが閉じられているかどうかを判定する。その後、コントローラはブロック530において、モータ130に、バックルの差し出し機構100をその収納位置に引っ込ませ、すなわち移動させる指令を出し、バックルおよびタングをシート占拠者保護位置にする。この時点で、シートベルトはシート占拠者の周りにしっかり締め付けされ、乗物の運転準備が完了する。
【0052】
続いて図19cを参照すると、コントローラは、ブロック532において、イグニションスイッチの状態の情報を獲得し、イグニションがオンである場合(ブロック534)、プロセスは、ブロック536によって示された中間状態に移行する。この状態には、後述するように、シートベルトが外されている場合にも移行する。イグニションがオフである場合、プロセスは中間状態538に進み、その結果、プロセッサは、イグニションスイッチがオンであった、すなわち、エンジンが作動していたと仮定し、ブロック540において、シートベルトの状態の情報を獲得し、ブロック542において判定して、シート占拠者がタングをバックルから外したかどうかを確認する。その後、タングがまだバックルに係合しており、かつエンジンが停止しているのが事前に判定されている場合、コントローラはブロック544,546において、ドアが開いているかどうかの情報を獲得する。ドアが開いている、すなわちNOロジック状態の場合、プロセスは、図19dに続いている中間ステップ548へと続き、コントローラは、シート占拠者が乗物から出ることを望んでいると予想し、バックル差し出し機構を上位置すなわち作動位置に移動させ(ブロック550)、それによってシート占拠者がタングをバックルからより容易に外せるようにする。続いて、バックルスイッチ105の状態が読み込まれ(ブロック552)、タングがバックルから外されている場合(ブロック554)、すなわち、バックルが開いている場合、コントローラは、バックルの差し出し機構100を下状態すなわち収納状態へと再び移動させる。この時点では、ドアは開いており、イグニションはオフであり、両方の差し出し機構は共に収納状態である。その後、ロジックは536の状態に戻る。ブロック554の結果が、バックルおよびタングが組み合わされたままであるのを示している場合、コントローラは、ブロック556において、ドアの状態の情報を再び獲得し、ブロック558において、ドアが開いているか、それとも閉じているかを判定する。ドアが開かれている場合、ロジックはブロック552に戻る。ドアが閉じられている場合、コントローラは、バックル差し出し機構を下状態すなわち収納状態に再び移動させ、それによって、バックル差し出し機構は下方に移動させられ、バックルおよびまだロックされているタングが、シート占拠者の周りのそれらの運転位置に移動させられる。その後、ロジックは、図19cにも示されている中間状態560に続き、再びイグニションの状態の判定が行われる。
【0053】
図19eおよびロジックの中間ステップ536を参照する。その後、ドアスイッチの情報が再び読み込まれ(ブロック562)、ドアが開いている、すなわちNO論理状態の場合(ブロック564)、バックル差し出し機構は下方へ移動させられ、プロセスは、開始状態であるブロック500へと最初に戻される。ドアが閉じている場合、ブロック566においてシートベルトスイッチ105の状態の情報が再び獲得される。ブロック570の時点で、シートベルトが閉じられたままであり、イグニションがオンである場合、バックル差し出し機構は、バックルおよびタングがシート占拠者の周りにある状態で収納位置のままにされ、ロジックは中間状態572へと続く。シートベルトが外されている、すなわちNOロジック状態の場合、ブロック574,576において、イグニションがオンであるかどうかの判定が行われる。シートベルトが外されており、イグニションがオンになっている場合、バックル差し出し機構は、ブロック578において、上位置に移動させられる。イグニションがオフになっている場合、バックル差し出し機構は、ブロック580において、下位置に移動させられ、ロジックは536の状態に戻る。
【0054】
シートベルトが、タングがバックルに入った状態で閉じられている場合、図19fのブロック582,584において、イグニションの状態が読み込まれる。イグニションがオフである場合、バックル差し出し機構は、ブロック586において上位置に移動させられ、次に、ドアの状態の情報が、ブロック588,590において獲得される。ドアが閉じられたままである場合、ブロック592,594において、コントローラはバックルスイッチ105の情報を再び獲得し、タングがバックルに挿入されている、すなわちYESロジック状態であるかどうか、またはタングが取り外されている、すなわちNOロジック状態であるかどうかを判定する。タングがバックルから取り外されている場合、コントローラは、ブロック596において、バックルの差し出し機構500をその下状態に移動させ、またはその状態を確保し、ロジックは中間状態598へと続く。タングがバックルに入っている場合、コントローラは、ブロック600,602において、イグニションの状態の情報を再び獲得する。イグニションがオンである場合、コントローラは、ブロック604において、バックルの差し出し機構100をその下位置にする指令を出す。
【0055】
図19gにおいて、ドアの状態の情報がブロック606,608で再び獲得される。ドアが開いている場合、ロジックは開始ブロック100に戻る。ドアが閉じられている場合、シートベルトの状態がブロック610,612において判定される。タングがまだシートベルトバックルに入っている場合、プロセスは572の状態に戻る。タングがバックルから外されている場合、イグニションの状態がブロック614,616において再び判定される。イグニションがオンである場合、ロジックは598のロジック状態に戻り、イグニションがオフである場合、プロセスは536のロジック状態に戻る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2つのリトラクタを有する、従来技術のシートベルトシステムを示す図である。
【図2】 シートベルトバックル差し出し機構の第1の実施形態を示す図である。
【図2a】 図2に示されている実施形態の変形例を示す図である。
【図3】 バックル差し出し機構の側面図である。
【図4】 シートベルトバックル差し出し機構の第2の実施形態を示す図である。
【図4a】 図4に示されている実施形態の変形例を示す図である。
【図5】 シートの斜視図であり、腰ベルトリトラクタの位置を示す図である。
【図6】 シートベルトリトラクタフレームの斜視図である。
【図7】 シートベルトリトラクタを示す図である。
【図8】 タング差し出し機構の側面図である。
【図9】 テープを案内する他の方法を示す図である。
【図10】 タング差し出し機構の断面図であり、また、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図11】 図10の11−11線での断面図である。
【図12】 本発明の他の実施形態を示す図である。
【図13】 本発明の他の実施形態を示す図である。
【図14】 本発明の他の実施形態を示す図である。
【図15】 テープガイドを示す図である。
【図16】 本発明の他の実施形態を示す図である。
【図17】 本発明の他の実施形態を示す図である。
【図18】 制御システムを模式的に示す図である。
【図19a】 制御アルゴリズムを示す図である。
【図19b】 制御アルゴリズムを示す図である。
【図19c】 制御アルゴリズムを示す図である。
【図19d】 制御アルゴリズムを示す図である。
【図19e】 制御アルゴリズムを示す図である。
【図19f】 制御アルゴリズムを示す図である。
【図19g】 制御アルゴリズムを示す図である。

Claims (5)

  1. シートベルトのタング(24)と、ピボット点(106)の周りに移動可能な、シートベルトのバックル(26)であって、第1の位置と第2の位置の間を移動可能であり、前記第1の位置で、前記バックルは、緊急時にシート占拠者を保護する位置に位置し、前記第2の位置で、前記バックルは、前記タング(24)を前記バックルに連結するのが容易になるように、前方の、前記第1の位置よりも高い位置に位置するバックルと、前記バックルを前記第1の位置と前記第2の位置の間で移動させる手段と、を有し、前記バックルを前記第1の位置と前記第2の位置の間で移動させる前記手段は、前記バックル(26)を前記ピボット点(106)に連結するレバー(102)と、ねじ付きナット(124)が周りに取り付けられた第1の端部、およびアンカー(132)に回転可能に取り付けられた第2の端部を有するウォームギア(122)を備える調節手段(120)と、を有し、前記ウォームギアは、ピボット手段(110)にピボット運動可能に取り付けられた、前記ウォームギアが回転した時に該ウォームギア上を移動可能な前記ねじ付きナット(124)に入れられており、前記ピボット手段(110)は、前記レバーの、前記バックル(26)の近くの一方の端部に取り付けられている、シートベルトシステム。
  2. 前記ウォームギア(112)を回転させるモータ(130)をさらに有している、請求項に記載のシートベルトシステム。
  3. シートベルトの前記タング(24)は、前記タングを収納位置と作動位置の間で移動させる手段(200)によって前記収納位置と前記作動位置の間を移動可能である、請求項1に記載のシートベルトシステム。
  4. シートベルトの前記タング(24)を移動させる前記手段は、シートベルトの前記タングに連結され、シートベルトの前記タングから分離可能である、前記タングの差し出し機構(200)を含んでおり、前記タングの前記差し出し機構は、前記タングを前記作動位置に差し出すように移動可能であり、かつシートベルトの前記タングが前記タングの前記差し出し機構から分離した時に収納位置に移動可能である、請求項に記載のシートベルトシステム。
  5. 前記タングの前記差し出し機構(200)は移動可能なテープ(230)を有している、請求項に記載のシートベルトシステム。
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