JP4222222B2 - シートベルトのプリテンショナ装置 - Google Patents
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Description
車両の正面衝突及び/又は側面衝突を検知するために、車両の前部及び/又は側部には加速度センサが装備されている。加速度センサのタイプに特別の制約はない。加速度センサの検知信号に基づき、ECUが衝突の危険性を判定する。ECUは衝突の危険が高いと判定したときは、エアバッグ装置、シートベルト装置及びプリテンショナ装置に駆動信号を送る。エアバッグ装置及びシートベルト装置としては公知のものが使用できる。
<プリテンショナ装置>
プリテンショナ装置(「プリクラッシュ装置」と言うこともある)は、車両の衝突危険時にシートベルトのたるみを除くものであり、少なくとも除去部材、モータ及び張力検知手段を含み、更にロック手段を含むことができる。
(イ)たるみ除去部材は乗員が装着したシートベルトのたるみを除去するもので、シートベルトの先端部(アンカに相当する部分)/又はシートベルトの中間部(スルータング又はバックルに相当する部分)に下向きの引っ張り力を加える。例えば、車両に回転可能に取り付けられた巻取り部材から成り、先端部から延びた一方引張り部材及び中間部から延びた他方引張り部材をこの巻取り部材に巻き取れば良い。
(ロ)モータはたるみ除去部材を正方向及び逆方向に駆動するもので、その作動は加速度センサから衝突信号を入力されるECUにより制御される。衝突信号の発生と同時又はその後速やかに回転し、たるみ除去部材を正転させ、たるみを除去してシートベルトを乗員に密着させる。
(ハ)張力検知手段は、モータの正転時即ちたるみ除去時に、シートベルトの張力(テンション)を検知するもので、例えばシートベルトに貼り付けたセンサから成る。検知される張力が所定値に達したときその旨がECUに知らされ、これに基づきECUはモータへの電力供給を停止する。
(ニ)更に、モータへの電力供給停止時、モータ又はたるみ除去部材の逆転を阻止するロック部材を含むことができる。ロック部材は例えば、モータのハウジングに軸方向に取り付けられ、前進したときロータの一部に係合可能とすれば良い。張力が所定値に達したとき、ECUからの指令により作動しロック装置に至り、所定時間経過後非ロック位置に戻る。
(構成)
(イ)システム全体
図1に車両の乗員保護システム全体を示す。乗員保護システムはエアバッグ装置、シートベルト装置及びプリテンショナ装置を含む。これらを作動させるために、車両の前部左側に加速度センサ10Lが、前部右側に加速度センサ10Rがそれぞれ配置されている。運転席Aの前方のハンドル内に左側フロントエアバッグ12Lが配置され、助手席Bの前方のインパネに右側フロントエアバッグ12Rが配置されている。
(ロ)シートベルト装置
シートSの前面視である図2に示すように、シートベルト装置30Lは、シートベルト(ウェビング)31、リトラクタ33、アンカ35、スルータング36及びバックル37を含む。このうちリトラクタ33はシートベルト31を引き込むとともに、車体が衝撃を受けたとき引出しをロックするもので、アンカ35はシートベルト31の先端を支持するものである。スルータング36は、シートベルト31の途中に摺動自在に挿通されて肩ベルト部32aと腰ベルト部32bとに分け、バックル37に着脱可能となっている。シートベルト31の上にセンサ40取り付けられ、その張力を検知している。
(ハ)プリテンショナ装置
シートSの背面視である図3に示すように、プリテンショナ装置45Lはセンサ40と、第1組の案内部材46、移動部材47及びベルト48と、第2組の案内部材51、移動部材52及びベルト53と、巻取り部材55と、モータ57とを含む。詳述すると、シートベルト31に取り付けられたセンサ40が張力を検知して、検知結果をECU20に送る。シートSの一側において、円筒状の案内部材が47、ブラケット49により車体に固定され、案内部材47内に移動部材46が挿入されている。移動部材46の上端にバックル37が結合され、下端に引張りベルト48の一端部が結合されている。
(作用)
次に、この実施例の作用を説明する。
(イ)衝突の検知
図2においてシートSに座った乗員はシートベルト31を装着しており、その肩ベルト部32a及び腰ベルト部32bが乗員Mの肩、胸及び腰をシートに拘束している。この状態で、車両がX方向(図1参照)に衝突し、図5(a)に示すように、加速度センサ10L及び16L等が車両の衝突の危険を検知したときは、その旨の信号をECU20に送り、ECU20からエアバッグ14L及びプリテンショナ装置45Lにその旨の信号が送られる。エアバッグ14Lはスクイブにより展開される。
(ロ)プリテンショナ装置の作動
図5(b)に示すように、加速度センサ10L及び16L等が衝突を検知すると同時に、プリテンショナ装置45Lのモータ57が巻取り部材55を一方向に回転させ、引張りベルト48及び53を巻き取る。このときロックピン66は非係合位置にありモータ57の回転を妨げない。巻取り部材55の回転により、移動部材46及び51を介してバックル37及びアンカ35が下方へ引き込まれる。
(効果)
この実施例によれば、以下の効果が得られる。 第1に、衝突の危険があるときはプリテンショナ装置45Lがシートベルト31のたるみを除き、乗員MはシートSにしっかり拘束される。即ち、シートSの両側において、シートベルト31に結合された移動部材46及び51が案内部材47及び52内を移動し、シートベルト31が乗員Mに密着する。その結果、乗員MはしっかりシートSに拘束され、前方への移動が阻止され、重大事故から保護される。
15:ECU 30:シートベルト装置
31:シートベルト 35:アンカ
36:スルータング 40:センサ
46,51:移動部材 48,53:引張り部材
55:たるみ除去部材 57:モータ
63:ロータ 66:ロックピン
Claims (2)
- シートベルトのたるみを除くためにシートベルトの一部に結合された引張り部材を回転により巻き取り、該一部を下方に引っ張る巻取り部材から成るたるみ除去部材と、
加速度センサにより車両の衝突が検知されたとき、前記たるみ除去部材を駆動するモータと、
前記モータを駆動するときシートベルトの張力を検知する張力検知手段と、
前記モータへの電力供給を停止したとき、該モータ又は前記たるみ除去部材の回転を機械的にロックするロック手段と、
から成り、前記張力検知手段により検知されるシートベルトの張力が所定値になったとき、ECUが前記モータへの電力供給を停止するとともに、前記ロック手段は、前記モータへの電力供給の停止時の直前に、前記モータ又は前記たるみ除去部材をロックすることを特徴とするシートベルトのプリテンショナ装置。 - 前記ロック手段は、それが前記モータをロックするものであるとき、前記モータのハウジングに軸方向に取り付けられ、前進時に前記モータのロータの一部に係合可能なロックピンから成る請求項1に記載のプリテンショナ装置。
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