JP3662952B2 - 新規の殺ダニ活性テトラジン誘導体 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規のテトラジン誘導体及びそれらの製造方法に係わる。更に本発明は、該新規化合物を含む殺ダニ性組成物及びかかる組成物の製造及び使用にも係わる。本発明の化合物は、ダニ、それらの幼虫、特に卵に対して有効である。
【0002】
【従来の技術】
植食ダニは、農産物及び観賞植物並びに貯蔵作物に被害を与える可能性のある最も重要な害虫であり、外部寄生ダニは公衆衛生及び獣畜衛生の見地から極めて危険である。植食ダニによる被害及びそれらに対する保護の重要性は急速に高まっている。これは実質的に次の2つの理由による:
1) 被害しきい値以下のダニ個体群を保持する捕食者または寄生虫は、非選択的殺虫剤を使用することにより間引きされた;
2)世代交代が速くしかも適応性があるので、ダニの抵抗性は比較的短期間で向上する。
【0003】
問題となる有害なダニの代表的な例としては、ハダニ(Tetranychus urticae及びTetranychus cinnabarinus)、ヒゼンダニ(Psoroptes cuniculi)及び後述する他の種が挙げられる。
【0004】
ダニよる被害が増大していることから、高度に有効で特異的な殺ダニ剤の開発が注目されている。このため、種々の研究者グループによって多数のテトラジン誘導体が合成されている(公開欧州特許出願第5912号,第29657号及び248,466号、並びにハンガリー特許明細書第184,684号参照)。
【0005】
公開欧州特許出願第5912号には、幾つかの3,6−ビス(2−ハロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン及び3,6−ビス(2−ハロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジンが記載されており、ここではハロゲンは、各化合物で同じまたは異なっており、フッ素、塩素または臭素であり得る。公開欧州特許出願第29657号には多数の他の3,6−ビス(2−ハロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン及び3−(2,5−ジクロロフェニル)−6−(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジンも記載されている。これらの化合物から、公開欧州特許出願第5912号に記載の3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジンが商品名ApolloRで市販された(クロフェンテジン;Pesticide Manual 1987,p188)。クロフェンテジンは、ダニの成長形態で言うと成虫及び若幼に対しては不活性であり、選択的な殺卵性化合物である。その好ましい特性のなかでも、選択的であり(新規の作用機構による)、高度に活性であり、温血種に対して無毒性であり、長期持続作用を有し、生きた有益な生物に対して実質的に安全であることは特筆に値する[Entomophaga 36,p55−67(1991)]。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多くの利点にも係わらず、クロフェンテジンは接触作用を有するが、葉を通して吸収されず、例えば葉の背軸側表面上に存在する散布されなかったダニの卵に対しては無効であることが知られている[Pestic.Sci.18,p179−190(1987)]。
【0007】
全部の葉を完全に覆うことは、いかなる場合でも実際には保証されない。従って、隠れて生息していたりまたは安全な場所で休眠中で不動の害虫に対しては、植物中に浸透して適当な部位に移動し得る組成物しか有効でない。
【0008】
上記知見に基づき、本発明の目的は、クロフェンテジンの好ましい特性を有する一方、更に優れた葉身透過作用(translaminar effect)を有する殺卵活性殺ダニ剤を開発することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
これまでに記載されていない多数の新規のテトラジン誘導体を合成し、葉身透過性殺ダニ作用、特に殺卵作用に及ぼす分子構造の変形の影響を調査した。
【0010】
3−フェニル基のオルト位置がフッ素、塩素または臭素で置換されており、オルト’位置にフッ素または水素を含み、6−フェニル基のオルト及びオルト’の両位置がフッ素で置換されている式(I):
【0011】
【化6】
【0012】
〔式中、Xはフッ素、塩素または臭素を表わし;
Yは、フッ素または水素を表わす〕
の3,6−ジフェニル−1,2,4,5−テトラジン誘導体が実質的に新規の特性、即ち、より強力な固有の殺卵作用に加えて葉身透過活性を有することが見い出された。これは、実用用途において決定的な重要性を担う。式(I)の化合物の好ましい例は、3−(2−ブロモフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン及び3−(2−クロロフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン並びにこれらの互変異性体である。
【0013】
更に、本発明の式(I)の化合物は浸透作用をも与え、従って、それらは根を通して吸収され、芽に移動した後に作用する。
【0014】
本発明の式(I)の化合物の利点を以下にまとめて記載する(但し限定的ではない)。
【0015】
1)効率がより高いので比用量はより小さくなり、環境負荷を低減する。
【0016】
2)優れた葉身透過活性のために、散布を免れたダニ卵も死滅する。
【0017】
3)優れた経卵作用(transovarian effect)のために、摂取した雌に不稔卵ができる。
【0018】
4)浸透作用の結果、作用スペクトルに有意な拡張がもたらされ、従って使用範囲が広がる。
【0019】
5)より長期の持続作用及び経卵活性のために、最適保護回数が技術的な見地からより迅速に決定され得る。
【0020】
6)経卵作用のために、植物保護(例えば収穫後の保護)の環境保全作業を開発するのに有効である。
【0021】
式(I)の化合物またはそれらを含む組成物は、Tetranychus科に属するTetranychus urticae、Tetranychus cinnabarinus、Tetranychus viennesis、Panonychus ulmi、Byrobia及びSchizotetranychus種に対して、並びにEriophydae及びTenuipalpidae科に属する多くの種に対してそれぞれ優れた結果を与え、ダニによる被害によって危険となった全ての領域、例えば貯蔵食物の保護または公衆及び獣畜衛生において優れた結果をもって使用し得る。後者の場合、より重要な害虫としては、Boophilus、Dermacentor、Ixodes、Rhipicephalus、Psoroptes及びSarcoptes種が挙げられる。
【0022】
本発明の式(I)の化合物は、植物保護、殺虫及び家畜衛生製剤に一般に知られている方法を使用することにより組成物に変換することができ、かかる組成物は、植物、貯蔵作物、土壌または家畜に同様に施用し得る。
【0023】
かかる化合物は、例えば、ビヒクルとして適当な乳化剤を含む高沸点炭化水素(例えばキシレン)のごとき水不混和性溶剤中に可溶性であり、従って、水に添加すると、かかる組成物は自己乳化性油として挙動する。
【0024】
また、置換テトラジンは、湿潤剤及び必要によっては固体担体と混合して水溶性または水分散性の水和剤を得ることもできるし、固体担体と混合して固体生成物を製造することもできる。
【0025】
有効成分を水、湿潤剤及び懸濁剤と一緒に粉砕することにより、水性懸濁濃厚液を製造することもできる。
【0026】
界面活性剤は、イオン性、アニオン性またはカチオン性とし得る。
【0027】
好ましい界面活性剤は例えばエトキシル化脂肪アルコールスルフェート、リグニンスルホネート、スルホン酸アルキルアリール、スルホン化ナフタレン/ホルムアルデヒド縮合物の塩、スルホン化フェノール/ホルムアルデヒド縮合物の塩、ナトリウムオレイル−N−メチルタウリド、スルホコハク酸ジアルキル、アルキルフェニルエトキシレート及び脂肪アルキルエトキシレートである。
【0028】
置換テトラジンのほかに、本発明の組成物は更に、殺虫剤、殺ダニ剤、殺卵剤、殺菌剤または殺かび剤といった他の有効成分をも含み得る。
【0029】
式(I)の有効成分を含む組成物は、ダニに感染したかまたはダニの卵もしくは幼虫が存在するもしくは発生する恐れのある任意の部位に使用することができる。本発明の組成物は例えば植物、動物または土壌に使用し得る。
【0030】
本発明の組成物を用いて処理し得る植物は、綿、タバコ、米、果樹及び穀物(例えば林檎、梨、アプリコット、桃、柑橘類、トウモロコシ、大麦もしくは小麦)、豆、サトウダイコンまたはニンジンといった種々の穀物、栽培種及び観賞植物;または温室植物及び作物、例えば、コショウ、トマト、キュウリ、メロン及びイチゴである。
【0031】
種々の用途においては、式(I)の化合物を含む組成物は種々の量で使用し得る。17〜1120g/haの量の組成物を植物に施用することができ、1〜2000ppm、好ましくは100〜1000ppm、特に35〜280g/haの濃度の有効成分を、植物に被害を及ぼす害虫を殺すために使用し得る。
【0032】
本発明の新規の式(I)の化合物は、公開欧州特許出願第5912号に詳述されているような当分野において公知の方法に従って製造し得る。
【0033】
即ち、式(I):
【0034】
【化7】
【0035】
〔式中、Xはフッ素、塩素または臭素を表わし;
Yはフッ素または水素を表わす〕
の化合物は、
a) 式(II):
【0036】
【化8】
【0037】
〔式中、X及びYは前記定義の通りであり、A及びBは開裂可能基を表わす〕の置換ビス−アジンを、式(III):
H2N−NH2 (III)
のヒドラジンまたはその水和物と反応させ、次いで、得られた式(IV):
【0038】
【化9】
【0039】
〔式中、X及びYは前記定義の通りである〕
の3,6−ジ置換−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジンを酸化するか;または、
b) 式(V):
【0040】
【化10】
【0041】
〔式中、X及びYは前記定義の通りである〕
の1,3,4−チアジアゾール誘導体を式(VII):
R2SO4 (VII)
〔式中、RはC1-4アルキル基を表わす〕
の硫酸アルキルと反応させ、次いで、得られた式(VI):
【0042】
【化11】
【0043】
〔式中、X、Y及びRは前記定義の通りである〕
のチアジアゾリウム塩を前記式(III)のヒドラジンまたはその水和物を用いて変換し、更に、得られた前記式(IV)〔ここでX及びYは前記定義の通りである〕の3,6−ジ置換−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジンを酸化するか;または、
c) 前記式(IV)〔ここでX及びYは前記定義の通りである〕の3,6−ジ置換−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン誘導体を酸化することにより製造される。
【0044】
市販生成物から式(II)及び(V)の出発化合物を製造する方法は公開欧州特許出願第5912号に記載されている。
【0045】
式(I)の化合物及び基準物質として使用する公開欧州特許出願第5912号に記載の物質の合成は、以下の非限定的な実施例に詳述する。
【0046】
別の実施例においては式(I)の化合物から組成物を製造する方法を示す。生物学的実施例においては本発明の式(I)の化合物の生物学的活性を示す。
【0047】
実施例は説明のためのものであって、全く限定的なものではない。
【0048】
【実施例】
化学的実施例
実施例1
3−(2−ブロモフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
a) N−(2−ブロモベンゾイル)−N’−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−ヒドラジン
1.1gの(2−ブロモベンゾル)ヒドラジン、3mlのジメチルホルムアミド及び0.5mlのピリジンを含む混合物に、0.94g(1.05当量)の2,6−ジフルオロベンゾイルクロリドを冷却しながら滴下して加えた。得られた懸濁液を室温で30分間撹拌し、水中に注ぎ込んだ。固体沈殿物を濾過によって分離し、乾燥し、白色結晶状の目的生成物を収量1.35gで得た。
【0049】
b)N−[クロロ−(2−ブロモフェニル)メチレン]−N’−[クロロ−(2,6−ジフルオロフェニル)メチレン]ヒドラジン
10mlの四塩化炭素中に3.95gの五塩化リンを含む溶液に、ステップa)で製造した生成物1.35gを、沸騰下に5分間かけて少しずつ加えた。反応混合物を8時間還流下に沸騰させ、過剰な溶剤及び五塩化リンを蒸発させた後、残留物を10%水酸化ナトリウム溶液中に冷却しながら注ぎ込み、次いで酢酸エチルを用いて抽出した。有機層を中性になるまで水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、純白結晶状の目的生成物0.96gを得た。
【0050】
1H−NMR(CDCl3),ppm:
7.00−7.06,2H,t,Ar(2,6−F2)の3−及び5−プロトン;
7.35−7.50,4H,m,Ar(2−Br)の4,5,6−プロトン及びAr(2,6−F2)の4−プロトン;
7.61−7.72,1H,dd,Ar(2−Br)の3−プロトン;
13C−NMR(CDCl3),ppm:
【0051】
【化12】
【0052】
c)3−(2−ブロモフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン
20mlのテトラヒドロフラン中に0.96gのN−[クロロ−(2−ブロモフェニル)メチレン]−N’−[クロロ−(2,4−ジフルオロフェニル)メチレン]−ヒドラジン〔ステップb)で製造したもの〕を含む溶液に、0.62gのヒドラジン水和物を40℃で滴下して加えた。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥し、0.62gの黄色結晶状の目的生成物を得た。
【0053】
d)3−(2−ブロモフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
2mlの氷酢酸中に0.62gの3−(2−ブロモフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン〔ステップc)で製造したもの〕を含む溶液に、水1ml中に0.26gの亜硝酸ナトリウムを含む溶液を室温で撹拌しながら加えた。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)によって追跡した。赤紫色結晶を濾過し、水で中性になるまで洗浄し、乾燥し、結晶状の目的生成物、即ち実施例1の表題化合物を0.59g得た。この粗生成物を、ガソリンとアセトンの混合液から再結晶させた。融点:168℃。
【0054】
1H−NMR(CDCl3),ppm:
7.16−7.26,2H,t,Ar(2,6−F2)の3−及び−プロトン;
7.47−7.51,1H,t,Ar(2−Br)の4−プロトン;
7.57−7.61,1H,Ar(2−Br)の5−プロトン;
7.63,1H,m,Ar(2,6−F2)の4−プロトン;
7.83,1H,d,Ar(2−Br)の3−プロトン;
8.05,1H,d,Ar(2−Br)の6−プロトン;
13C−NMR(CDCl3),ppm:
【0055】
【化13】
【0056】
実施例2
3,6−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
a)N,N’−ビス(2,6−ジフルオロベンゾイル)ヒドラジン
9.05gの2,6−ジフルオロベンゾイルクロリドと水7.5ml中に2.17gの水酸化ナトリウムを含む溶液とを、水25ml中に1.25gのヒドラジン水和物を含む溶液に、撹拌し且つ氷水により冷却しながら同時に滴下して加えた。添加後、白色懸濁液を室温で2時間撹拌した。濾過後、固体生成物を水で洗浄し、氷酢酸から再結晶させ、白色結晶状の目的生成物6.3gを得た。
【0057】
【0058】
b)ビス[クロロ−(2,6−ジフルオロベンジリデン)]ヒドラジン
12.5gの五塩化リン及び25mlの四塩化炭素を含む混合液に、2gのN,N’−ビス(2,6−ジフルオロベンゾイル)ヒドラジン〔ステップa)で製造したもの〕を還流下に沸騰させながら5分間かけて少しずつ加えた。反応混合物を8時間還流下に沸騰させた後に、四塩化炭素及びオキシ塩化リンを減圧下に蒸発させた。氷冷した10%水酸化ナトリウム溶液を加えた後、残留物を酢酸エチル中に取込み、水で中性になるまで洗浄し、蒸発させた。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。溶出液としてガソリンとアセトンの10:1混合物を使用し、白色結晶状の目的生成物0.9gを得た。融点:142〜147℃。
【0059】
【0060】
【化14】
【0061】
c)3,6−ビス(2,6−フルオロベンゾイル)−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン
温度40℃の18mlのテトラヒドロフラン中に0.9gのビス[クロロ−(2,6−ジフルオロ−ベンジリデン)]ヒドラジン〔ステップb)で製造したもの〕を含む溶液に、0.59mlのヒドラジン水和物を1分間かけて滴下して加えた。濾過後、沈殿物を水で洗浄し、黄色結晶状の目的生成物0.5gを得た。
【0062】
d)3,6−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
水1ml中の亜硝酸ナトリウム0.12g溶液を氷酢酸2.5ml中の3,6−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン[先行段階c)で調製した]0.4gの懸濁液に撹拌しながら室温で滴下する。反応過程に続いて、薄層クロマトグラフィーを行う。濾過後、カルミン結晶を中性になるまで洗浄し、目標生成物0.34gを得る。この粗生成物をガソリンとアセトンの混合物から再結晶化して、実施例2の純粋な標記生成物0.251gを得る(融点:213.5℃)。
【0063】
1H−NMR(CDCl3),ppm
7.15−7.21,4H,t,芳香族環の3−および5−プロトン
7.58−7.65,2H,m,芳香族環の4−プロトン
13C−NMR(CDCl3),ppm
【0064】
【化15】
【0065】
実施例3
3−(2−クロロフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル−1,2,4,5−テトラジン
a)N−(2−クロロベンゾイル)−N′−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−ヒドラジン
出発物質として(2−ブロモベンゾイル)ヒドラジンの替わりに(2−クロロベンゾイル)ヒドラジン2gを用いる以外は、実施例1の段階a)に従い、白色の結晶として目標生成物2.03gを得る。
【0066】
1H−NMR(DMSO),ppm 7.25−7.63,7H,m,Ar
10.71,1H,s,ClNH; 10.91,1H,s,FNH
b)先行段階a)で調製された生成物を五塩化リンの四塩化炭素溶液に滴下すること以外は実施例1の段階b)に従う。得られた生成物をメタノールと酢酸エチルの混合物から再結晶化し、白色の結晶として目標生成物1.26gを得る(融点:85−92℃)。
【0067】
1H−NMR(CDCl3),ppm=6.99−7.67,7H,m,Ar
13C−NMR(CDCl3),ppm
【0068】
【化16】
【0069】
c)実施例1の段階c)に従う。粗生成物を精製せずに酸化する。
【0070】
d)実施例1に記載の方法に従う。酢酸エチルから薄紫色の生成物を再結晶化した後、実施例3の純粋な標記生成物0.7gを得る(融点:184.5℃)。
【0071】
1H−NMR(CDCl3),ppm
7.14−7.20,2H,t,Ar(2,6−F2)の3−および5−プロトン
7.51−7.66,4H,m,Ar(2−Cl)の4,5,6−プロトンおよびAr(2,6−F2)の4−プロトン
8.0−8.11,1H,dd,Ar(2−Cl)の3−プロトン
13C−NMR(CDCl3),ppm
【0072】
【化17】
【0073】
IR(KBr)νC=N=1390cm−1(N原子は芳香族複素環中である)。
【0074】
基準実施例1
3,6−ビス(2,6−クロロベンゾイル)−1,2,4,5−テトラジン
段階a)において2,6−ジフルオロベンゾイルクロリドの替わりに2−クロロベンゾイルクロリドを使用すること以外は、実施例2の段階a)、b)、c)およびd)に従う。
【0075】
このようにして、濃紫色の結晶として標記化合物0.7gを得る(融点:179−182℃)。該生成物は、ヨーロッパ公開特許出願第5912号の実施例14の目的生成物とすべての点で同一である。
【0076】
基準実施例2
3−(2−クロロフェニル)−6−(2−ブロモフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
段階a)で、2−(ブロモベンゾイル)−ヒドラジンの替わりに2−(クロロベンゾイル)ヒドラジン2g、且つ2,6−ジフルオロベンゾイルクロリドの替わりに2−ブロモベンゾイルクロリド2.7gを用いること以外は、実施例1に従う。このようにして、赤紫色の結晶として標記化合物0.6gを得る(融点:168−170℃)。該化合物は、ヨーロッパ公開特許出願第5912号の実施例17の目標生成物と全ての点で同一である。
【0077】
1H−NMR(CDCl3),ppm
8.10−8.13,1H,dd,Ar(2−Br)の6−プロトン
8.06−8.08,1H,dd,Ar(2−Cl)の6−プロトン
7.83−7.85,1H,dd,Ar(2−Br)の3−プロトン
7.46−7.61,1H,m,Ar(2−Cl)
基準実施例3
3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1−メチル−1,2,4,5−テトラジン
a)N,N′−ビス(2−クロロベンゾイル)ヒドラジン
温度計および起泡具を備えたフラスコ内に、ヒドラジン水和物0.7g(0.014モル)および水4mlを入れる。別のフラスコ中で、水酸化ナトリウム1.2g(0.03モル)を水5mlに溶解する。水酸化ナトリウム溶液および2−クロロベンゾイルクロリド5g(0.028モル)を同時に、温度が20℃未満に保たれる(水で冷却して)ような率でヒドラジン水和物溶液に加える。白色の沈殿物が出現する。さらに2時間撹拌した後、白色の沈殿物を濾過し、水で洗浄、乾燥し、酢酸から再結晶化した後、目標生成物5.04g(57%)を得る(融点:218℃)。
【0078】
b)ビス(α,2−ジクロロベンジリデン)ヒドラジン
六塩化リン10.5g(0.05モル;2.5当量)の四塩化炭素50ml沸騰溶液に、固体のN,N′−ビス(2−クロロベンゾイル)ヒドラジン3.1g(0.01モル)を滴下する。出発物質が薄層クロマトグラフィーにより消費されるまで(約5時間)沸騰還流を継続する。TLCの展開用に、ガソリンとアセトンの1:2混合物を使用する。
【0079】
得られた生成物を氷50gと水50mlの混合物中に注ぎ、次いで塩化メチレン100mlと共に撹拌する。有機層を分離して、蒸留水で洗浄、乾燥、蒸発させる。得られた粗生成物をメタノールから再結晶化して、目標化合物1.43g(41%)を得る(融点:102℃)。
【0080】
c)3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1−メチル−1,2,4,5−テトラジン
純粋エタノール11.2ml中に、硫酸メチルヒドラジン3.74g(0.026モル)、トリエチルアミン11.9ml(0.086モル)を含む懸濁液を、ビス(α,2−ジクロロベンジリデン)ヒドラジン1.12g(0.0032モル)を滴下しながら、沸騰還流させる。
【0081】
反応混合物を撹拌しながらさらに2時間沸騰還流させる。酢酸エチルで生成物を取り上げた後、水で洗浄、乾燥、蒸発させる。展開系としてガソリンとアセトンの1:2混合物を用いてTLC分析を行う。得られた、重さ0.90gの粗生成物を、溶離剤としてガソリンとアセトンの3:1混合物を用いてカラムクロマトグラフィーにかけて精製する。かくして、目標化合物0.48g(48%)を得る。該化合物は、ヨーロッパ公開特許出願第5912号の実施例1に記載の生成物と完全に一致する。
【0082】
1H−NMR(DMSO+D2O),ppm
9.00,1H,s,NH
7.37−7.58,8H,m,Arプロトン
2.68−2.71,3H,s,Me
基準実施例4
3−(2−クロロフェニル)−6−(2−ブロモフェニル)−1,2−ジヒドロ−1−(または−2−)−メチル−1,2,4,5−テトラジン
a)N−(2−クロロベンゾイル)−N′−(2−ボロモベンゾイル)ヒドラジン
(2−クロロベンゾイル)ヒドラジン2gのジメチルホルムアミド2mlおよびピリジン1ml溶液にo−ブロモベンゾイルクロリド2.7gを冷却下に滴下する。得られた懸濁液を室温でさらに30分撹拌し、次いで水中に注ぐ。白色結晶沈降物を濾過、乾燥して、白色結晶として目標化合物2.95gを得る。
【0083】
b)基準実施例3の段階b)に従う。クロマトグラフィーにより粗生成物を精製した後で、基準実施例4の標記化合物0.57gを得る。該化合物は、ヨーロッパ公開特許出願第5912号の実施例13に記載の化合物と完全に一致する。
【0084】
1H−NMR(CDCl3),ppm
7.26−7.65,9H,m,芳香族プロトンおよびNH
3.00,3H,s,Me
基準実施例5
3−(2−クロロフェニル)−6−(2,6−ジクロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
N−(2−クロロベンゾイル)−N′−(2,6−ジクロロベンゾイル)テトラジン
段階a)で、(2−ブロモベンゾイル)ヒドラジンの替わりに(2−クロロベンゾイル)ヒドラジン1gを、2,6−ジフルオロベンゾイルクロリドの替わりに2,6−ジクロロベンゾイルクロリド1.47gを用いて、実施例1を繰り返し、薄紫色の結晶108mgを得る(融点:88℃)。
【0085】
1H−NMR
7.49−7.66,6H,m,芳香族プロトン
8.11−8.14,1H,d,芳香族プロトン
調剤実施例1
湿潤性粉末
それぞれ、10、20または50%の湿潤性粉末組成物を、湿潤および分散剤5%並びに組成物の重量について計算されたそれぞれ85、75または45%のカオリンを用いて、それぞれ実施例1、2または3に記載の活性成分から調製する。
【0086】
調剤実施例2
懸濁濃厚物
それぞれ実施例1、2または3に記載のそれぞれ10、20または50%の活性成分、並びに0.2〜2%のキサンタンゴム、組成物の重量について計算された5〜10%の界面活性剤および水を含む水性懸濁液濃厚物を調製する。有用な界面活性物質は、スルホン酸リグニン、エトキシ化硫酸脂肪アルコールスルフェート、スルホン酸アルキルアリール、スルホン化フェノールホルムアルデヒド縮合物の塩、エトキシ化クエン酸のアルカリ金属塩、エトキシ化酒石酸、エトキシ化クエン酸/酒石酸;クエン酸/酒石酸のトリエチルアミン塩、ナトリウムオレオイル−N−メチルタウリド、ジアルキルスルホスクシネート、アルキルフェニルエトキシレートまたは脂肪アルコールエトキシレートである。
【0087】
調剤実施例3
乳化性濃厚物
それぞれ実施例1、2または3に記載のそれぞれ5、10または20重量パーセントの活性成分、および組成物について計算された1〜5重量パーセントの量の調剤実施例2に定義の界面活性剤のいずれか、並びに溶媒として組成物の重量を100%までに補充する量の脂肪族若しくは芳香族炭化水素の混合物を含む乳化性濃厚物を調製する。
【0088】
生物学的実施例1
活性化合物を用いたクモダニ(Tetranychus urticae)に関する液浸殺卵試験
4匹の成体の雌のクモダニ(Tetranychus urticae WHO感受性株)を、マメ科の若葉から切り取った15mmサイズの各円形葉片上に置いた。26〜28℃で24時間産卵を継続させた後で、雌を取り除き、葉片上に置かれた卵を数えた。
【0089】
適切な濃度の活性化合物を含む溶液(補溶媒として試験溶液中5%を超えない量のアセトンを用いて)中に円形葉片を浸漬処理し、液浸を5秒間継続させた。処理後、円形葉片を乾燥濾紙上で乾燥させ、次いで、未処理の対照卵が孵化するまでペトリ皿の湿った濾紙上に26〜28℃の温度で保持し、孵化率を測定した。各濃度について少なくとも3種の比較物を用いて各実験を4回繰り返した。各濃度について得られた有効性値は、少なくとも250個のダニの卵で行われた処理の平均値を示している。
【0090】
下記の式を用い、アボット法に従って、補正死亡率を計算した:
結果を百分率で下記に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
生物学的実施例2
活性化合物を用いたクモダニ(Tetranychus urticae)に関する葉芯透過殺卵試験
7日齢のマメ科植物の葉の右側を、マメの葉が試験溶液10mlを含む20ml容量のガラスシリンダーの口に置かれ、反転した位置で5秒間露出されるように処理した。次いで、葉をガラスシリンダーから取り下げ、ペトリ皿中の湿った、多層ペーパーワッディング上に置いた。ペトリ皿を、26〜28℃の範囲の温度、1600ルクスの輝度下に、16:8の割合の明/暗サイクル、60〜70%の相対湿度含量で放置した。24時間後、直径15mmの円形葉片を処理された表面から切り取り、未処理の側面上で産卵を行わせ、次いで生物学的実施例1に記載のように実験を継続した。
【0093】
結果を百分率で表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】
生物学的実施例3
活性化合物を用いたクモダニ(Tetranychus urticae)に関する経卵試験
各投与量の成体の雌のダニ(Tetranychus urticae)を、生物学的実施例1に記載のように処理したマメの葉の円形葉片上に置き、48時間ダニを飼育した。次いで、未処理の円形葉片上で7時間ダニに産卵させ、成体を取り除き、卵を数えた。未処理の対照卵が孵化するまで、円形葉片をペトリ皿の湿った濾紙の上に26〜28℃の範囲の温度で放置し、孵化率を測定した。
【0096】
各濃度について少なくとも3種の比較物で各実験を4回繰り返した。各濃度について得られた有効性値は、少なくとも120個のダニの卵で行われた処理の平均値である。
【0097】
結果を百分率で表3に示す。
【0098】
【表3】
【0099】
生物学的実施例4
組成物を用いたクモダニ(Tetranychus urticae)に関する殺卵試験
調剤実施例1に従い実施例2の化合物から調製した200SC調剤の殺卵有効性を、生物学的実施例1に記載のように試験した。結果を表4に示す。濃度は活性化合物に関連する。
【0100】
【表4】
【0101】
生物学的実施例5
組成物を用いたクモダニ(Tetranychus urticae)に関する葉芯透過殺卵試験
調剤実施例2に従い実施例3の化合物から調製された200SC調剤の葉芯透過有効性を生物学的実施例2に記載のように試験した。結果を表5に示す。
【0102】
【表5】
【0103】
生物学的実施例6
ヒゼンダニ(Psoroptes cuniculi)に関する殺卵有効性
感染ラビットの耳のか皮から50〜100個のヒゼンダニ卵を含む小片を分離し、適切な試験溶液に浸漬し、34℃で48時間培養した。(このときの未処理対照の孵化率は90%を超えた。)(試験溶液中、1%未満の濃度で)補溶媒としてエトキシエタノールを用いた。
【0104】
48時間後、孵化しなかった卵を数え、処理の有効性を対照の百分率で表した。実施例3に記載の活性化合物および獣医学医療観点から見て重要な数種の抗寄生虫組成物の有効性を百分率で表6に示す。
【0105】
【表6】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規のテトラジン誘導体及びそれらの製造方法に係わる。更に本発明は、該新規化合物を含む殺ダニ性組成物及びかかる組成物の製造及び使用にも係わる。本発明の化合物は、ダニ、それらの幼虫、特に卵に対して有効である。
【0002】
【従来の技術】
植食ダニは、農産物及び観賞植物並びに貯蔵作物に被害を与える可能性のある最も重要な害虫であり、外部寄生ダニは公衆衛生及び獣畜衛生の見地から極めて危険である。植食ダニによる被害及びそれらに対する保護の重要性は急速に高まっている。これは実質的に次の2つの理由による:
1) 被害しきい値以下のダニ個体群を保持する捕食者または寄生虫は、非選択的殺虫剤を使用することにより間引きされた;
2)世代交代が速くしかも適応性があるので、ダニの抵抗性は比較的短期間で向上する。
【0003】
問題となる有害なダニの代表的な例としては、ハダニ(Tetranychus urticae及びTetranychus cinnabarinus)、ヒゼンダニ(Psoroptes cuniculi)及び後述する他の種が挙げられる。
【0004】
ダニよる被害が増大していることから、高度に有効で特異的な殺ダニ剤の開発が注目されている。このため、種々の研究者グループによって多数のテトラジン誘導体が合成されている(公開欧州特許出願第5912号,第29657号及び248,466号、並びにハンガリー特許明細書第184,684号参照)。
【0005】
公開欧州特許出願第5912号には、幾つかの3,6−ビス(2−ハロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン及び3,6−ビス(2−ハロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジンが記載されており、ここではハロゲンは、各化合物で同じまたは異なっており、フッ素、塩素または臭素であり得る。公開欧州特許出願第29657号には多数の他の3,6−ビス(2−ハロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン及び3−(2,5−ジクロロフェニル)−6−(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジンも記載されている。これらの化合物から、公開欧州特許出願第5912号に記載の3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジンが商品名ApolloRで市販された(クロフェンテジン;Pesticide Manual 1987,p188)。クロフェンテジンは、ダニの成長形態で言うと成虫及び若幼に対しては不活性であり、選択的な殺卵性化合物である。その好ましい特性のなかでも、選択的であり(新規の作用機構による)、高度に活性であり、温血種に対して無毒性であり、長期持続作用を有し、生きた有益な生物に対して実質的に安全であることは特筆に値する[Entomophaga 36,p55−67(1991)]。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多くの利点にも係わらず、クロフェンテジンは接触作用を有するが、葉を通して吸収されず、例えば葉の背軸側表面上に存在する散布されなかったダニの卵に対しては無効であることが知られている[Pestic.Sci.18,p179−190(1987)]。
【0007】
全部の葉を完全に覆うことは、いかなる場合でも実際には保証されない。従って、隠れて生息していたりまたは安全な場所で休眠中で不動の害虫に対しては、植物中に浸透して適当な部位に移動し得る組成物しか有効でない。
【0008】
上記知見に基づき、本発明の目的は、クロフェンテジンの好ましい特性を有する一方、更に優れた葉身透過作用(translaminar effect)を有する殺卵活性殺ダニ剤を開発することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
これまでに記載されていない多数の新規のテトラジン誘導体を合成し、葉身透過性殺ダニ作用、特に殺卵作用に及ぼす分子構造の変形の影響を調査した。
【0010】
3−フェニル基のオルト位置がフッ素、塩素または臭素で置換されており、オルト’位置にフッ素または水素を含み、6−フェニル基のオルト及びオルト’の両位置がフッ素で置換されている式(I):
【0011】
【化6】
【0012】
〔式中、Xはフッ素、塩素または臭素を表わし;
Yは、フッ素または水素を表わす〕
の3,6−ジフェニル−1,2,4,5−テトラジン誘導体が実質的に新規の特性、即ち、より強力な固有の殺卵作用に加えて葉身透過活性を有することが見い出された。これは、実用用途において決定的な重要性を担う。式(I)の化合物の好ましい例は、3−(2−ブロモフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン及び3−(2−クロロフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン並びにこれらの互変異性体である。
【0013】
更に、本発明の式(I)の化合物は浸透作用をも与え、従って、それらは根を通して吸収され、芽に移動した後に作用する。
【0014】
本発明の式(I)の化合物の利点を以下にまとめて記載する(但し限定的ではない)。
【0015】
1)効率がより高いので比用量はより小さくなり、環境負荷を低減する。
【0016】
2)優れた葉身透過活性のために、散布を免れたダニ卵も死滅する。
【0017】
3)優れた経卵作用(transovarian effect)のために、摂取した雌に不稔卵ができる。
【0018】
4)浸透作用の結果、作用スペクトルに有意な拡張がもたらされ、従って使用範囲が広がる。
【0019】
5)より長期の持続作用及び経卵活性のために、最適保護回数が技術的な見地からより迅速に決定され得る。
【0020】
6)経卵作用のために、植物保護(例えば収穫後の保護)の環境保全作業を開発するのに有効である。
【0021】
式(I)の化合物またはそれらを含む組成物は、Tetranychus科に属するTetranychus urticae、Tetranychus cinnabarinus、Tetranychus viennesis、Panonychus ulmi、Byrobia及びSchizotetranychus種に対して、並びにEriophydae及びTenuipalpidae科に属する多くの種に対してそれぞれ優れた結果を与え、ダニによる被害によって危険となった全ての領域、例えば貯蔵食物の保護または公衆及び獣畜衛生において優れた結果をもって使用し得る。後者の場合、より重要な害虫としては、Boophilus、Dermacentor、Ixodes、Rhipicephalus、Psoroptes及びSarcoptes種が挙げられる。
【0022】
本発明の式(I)の化合物は、植物保護、殺虫及び家畜衛生製剤に一般に知られている方法を使用することにより組成物に変換することができ、かかる組成物は、植物、貯蔵作物、土壌または家畜に同様に施用し得る。
【0023】
かかる化合物は、例えば、ビヒクルとして適当な乳化剤を含む高沸点炭化水素(例えばキシレン)のごとき水不混和性溶剤中に可溶性であり、従って、水に添加すると、かかる組成物は自己乳化性油として挙動する。
【0024】
また、置換テトラジンは、湿潤剤及び必要によっては固体担体と混合して水溶性または水分散性の水和剤を得ることもできるし、固体担体と混合して固体生成物を製造することもできる。
【0025】
有効成分を水、湿潤剤及び懸濁剤と一緒に粉砕することにより、水性懸濁濃厚液を製造することもできる。
【0026】
界面活性剤は、イオン性、アニオン性またはカチオン性とし得る。
【0027】
好ましい界面活性剤は例えばエトキシル化脂肪アルコールスルフェート、リグニンスルホネート、スルホン酸アルキルアリール、スルホン化ナフタレン/ホルムアルデヒド縮合物の塩、スルホン化フェノール/ホルムアルデヒド縮合物の塩、ナトリウムオレイル−N−メチルタウリド、スルホコハク酸ジアルキル、アルキルフェニルエトキシレート及び脂肪アルキルエトキシレートである。
【0028】
置換テトラジンのほかに、本発明の組成物は更に、殺虫剤、殺ダニ剤、殺卵剤、殺菌剤または殺かび剤といった他の有効成分をも含み得る。
【0029】
式(I)の有効成分を含む組成物は、ダニに感染したかまたはダニの卵もしくは幼虫が存在するもしくは発生する恐れのある任意の部位に使用することができる。本発明の組成物は例えば植物、動物または土壌に使用し得る。
【0030】
本発明の組成物を用いて処理し得る植物は、綿、タバコ、米、果樹及び穀物(例えば林檎、梨、アプリコット、桃、柑橘類、トウモロコシ、大麦もしくは小麦)、豆、サトウダイコンまたはニンジンといった種々の穀物、栽培種及び観賞植物;または温室植物及び作物、例えば、コショウ、トマト、キュウリ、メロン及びイチゴである。
【0031】
種々の用途においては、式(I)の化合物を含む組成物は種々の量で使用し得る。17〜1120g/haの量の組成物を植物に施用することができ、1〜2000ppm、好ましくは100〜1000ppm、特に35〜280g/haの濃度の有効成分を、植物に被害を及ぼす害虫を殺すために使用し得る。
【0032】
本発明の新規の式(I)の化合物は、公開欧州特許出願第5912号に詳述されているような当分野において公知の方法に従って製造し得る。
【0033】
即ち、式(I):
【0034】
【化7】
【0035】
〔式中、Xはフッ素、塩素または臭素を表わし;
Yはフッ素または水素を表わす〕
の化合物は、
a) 式(II):
【0036】
【化8】
【0037】
〔式中、X及びYは前記定義の通りであり、A及びBは開裂可能基を表わす〕の置換ビス−アジンを、式(III):
H2N−NH2 (III)
のヒドラジンまたはその水和物と反応させ、次いで、得られた式(IV):
【0038】
【化9】
【0039】
〔式中、X及びYは前記定義の通りである〕
の3,6−ジ置換−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジンを酸化するか;または、
b) 式(V):
【0040】
【化10】
【0041】
〔式中、X及びYは前記定義の通りである〕
の1,3,4−チアジアゾール誘導体を式(VII):
R2SO4 (VII)
〔式中、RはC1-4アルキル基を表わす〕
の硫酸アルキルと反応させ、次いで、得られた式(VI):
【0042】
【化11】
【0043】
〔式中、X、Y及びRは前記定義の通りである〕
のチアジアゾリウム塩を前記式(III)のヒドラジンまたはその水和物を用いて変換し、更に、得られた前記式(IV)〔ここでX及びYは前記定義の通りである〕の3,6−ジ置換−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジンを酸化するか;または、
c) 前記式(IV)〔ここでX及びYは前記定義の通りである〕の3,6−ジ置換−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン誘導体を酸化することにより製造される。
【0044】
市販生成物から式(II)及び(V)の出発化合物を製造する方法は公開欧州特許出願第5912号に記載されている。
【0045】
式(I)の化合物及び基準物質として使用する公開欧州特許出願第5912号に記載の物質の合成は、以下の非限定的な実施例に詳述する。
【0046】
別の実施例においては式(I)の化合物から組成物を製造する方法を示す。生物学的実施例においては本発明の式(I)の化合物の生物学的活性を示す。
【0047】
実施例は説明のためのものであって、全く限定的なものではない。
【0048】
【実施例】
化学的実施例
実施例1
3−(2−ブロモフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
a) N−(2−ブロモベンゾイル)−N’−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−ヒドラジン
1.1gの(2−ブロモベンゾル)ヒドラジン、3mlのジメチルホルムアミド及び0.5mlのピリジンを含む混合物に、0.94g(1.05当量)の2,6−ジフルオロベンゾイルクロリドを冷却しながら滴下して加えた。得られた懸濁液を室温で30分間撹拌し、水中に注ぎ込んだ。固体沈殿物を濾過によって分離し、乾燥し、白色結晶状の目的生成物を収量1.35gで得た。
【0049】
b)N−[クロロ−(2−ブロモフェニル)メチレン]−N’−[クロロ−(2,6−ジフルオロフェニル)メチレン]ヒドラジン
10mlの四塩化炭素中に3.95gの五塩化リンを含む溶液に、ステップa)で製造した生成物1.35gを、沸騰下に5分間かけて少しずつ加えた。反応混合物を8時間還流下に沸騰させ、過剰な溶剤及び五塩化リンを蒸発させた後、残留物を10%水酸化ナトリウム溶液中に冷却しながら注ぎ込み、次いで酢酸エチルを用いて抽出した。有機層を中性になるまで水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、純白結晶状の目的生成物0.96gを得た。
【0050】
1H−NMR(CDCl3),ppm:
7.00−7.06,2H,t,Ar(2,6−F2)の3−及び5−プロトン;
7.35−7.50,4H,m,Ar(2−Br)の4,5,6−プロトン及びAr(2,6−F2)の4−プロトン;
7.61−7.72,1H,dd,Ar(2−Br)の3−プロトン;
13C−NMR(CDCl3),ppm:
【0051】
【化12】
【0052】
c)3−(2−ブロモフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン
20mlのテトラヒドロフラン中に0.96gのN−[クロロ−(2−ブロモフェニル)メチレン]−N’−[クロロ−(2,4−ジフルオロフェニル)メチレン]−ヒドラジン〔ステップb)で製造したもの〕を含む溶液に、0.62gのヒドラジン水和物を40℃で滴下して加えた。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥し、0.62gの黄色結晶状の目的生成物を得た。
【0053】
d)3−(2−ブロモフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
2mlの氷酢酸中に0.62gの3−(2−ブロモフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン〔ステップc)で製造したもの〕を含む溶液に、水1ml中に0.26gの亜硝酸ナトリウムを含む溶液を室温で撹拌しながら加えた。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)によって追跡した。赤紫色結晶を濾過し、水で中性になるまで洗浄し、乾燥し、結晶状の目的生成物、即ち実施例1の表題化合物を0.59g得た。この粗生成物を、ガソリンとアセトンの混合液から再結晶させた。融点:168℃。
【0054】
1H−NMR(CDCl3),ppm:
7.16−7.26,2H,t,Ar(2,6−F2)の3−及び−プロトン;
7.47−7.51,1H,t,Ar(2−Br)の4−プロトン;
7.57−7.61,1H,Ar(2−Br)の5−プロトン;
7.63,1H,m,Ar(2,6−F2)の4−プロトン;
7.83,1H,d,Ar(2−Br)の3−プロトン;
8.05,1H,d,Ar(2−Br)の6−プロトン;
13C−NMR(CDCl3),ppm:
【0055】
【化13】
【0056】
実施例2
3,6−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
a)N,N’−ビス(2,6−ジフルオロベンゾイル)ヒドラジン
9.05gの2,6−ジフルオロベンゾイルクロリドと水7.5ml中に2.17gの水酸化ナトリウムを含む溶液とを、水25ml中に1.25gのヒドラジン水和物を含む溶液に、撹拌し且つ氷水により冷却しながら同時に滴下して加えた。添加後、白色懸濁液を室温で2時間撹拌した。濾過後、固体生成物を水で洗浄し、氷酢酸から再結晶させ、白色結晶状の目的生成物6.3gを得た。
【0057】
【0058】
b)ビス[クロロ−(2,6−ジフルオロベンジリデン)]ヒドラジン
12.5gの五塩化リン及び25mlの四塩化炭素を含む混合液に、2gのN,N’−ビス(2,6−ジフルオロベンゾイル)ヒドラジン〔ステップa)で製造したもの〕を還流下に沸騰させながら5分間かけて少しずつ加えた。反応混合物を8時間還流下に沸騰させた後に、四塩化炭素及びオキシ塩化リンを減圧下に蒸発させた。氷冷した10%水酸化ナトリウム溶液を加えた後、残留物を酢酸エチル中に取込み、水で中性になるまで洗浄し、蒸発させた。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。溶出液としてガソリンとアセトンの10:1混合物を使用し、白色結晶状の目的生成物0.9gを得た。融点:142〜147℃。
【0059】
【0060】
【化14】
【0061】
c)3,6−ビス(2,6−フルオロベンゾイル)−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン
温度40℃の18mlのテトラヒドロフラン中に0.9gのビス[クロロ−(2,6−ジフルオロ−ベンジリデン)]ヒドラジン〔ステップb)で製造したもの〕を含む溶液に、0.59mlのヒドラジン水和物を1分間かけて滴下して加えた。濾過後、沈殿物を水で洗浄し、黄色結晶状の目的生成物0.5gを得た。
【0062】
d)3,6−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
水1ml中の亜硝酸ナトリウム0.12g溶液を氷酢酸2.5ml中の3,6−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン[先行段階c)で調製した]0.4gの懸濁液に撹拌しながら室温で滴下する。反応過程に続いて、薄層クロマトグラフィーを行う。濾過後、カルミン結晶を中性になるまで洗浄し、目標生成物0.34gを得る。この粗生成物をガソリンとアセトンの混合物から再結晶化して、実施例2の純粋な標記生成物0.251gを得る(融点:213.5℃)。
【0063】
1H−NMR(CDCl3),ppm
7.15−7.21,4H,t,芳香族環の3−および5−プロトン
7.58−7.65,2H,m,芳香族環の4−プロトン
13C−NMR(CDCl3),ppm
【0064】
【化15】
【0065】
実施例3
3−(2−クロロフェニル)−6−(2,6−ジフルオロフェニル−1,2,4,5−テトラジン
a)N−(2−クロロベンゾイル)−N′−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−ヒドラジン
出発物質として(2−ブロモベンゾイル)ヒドラジンの替わりに(2−クロロベンゾイル)ヒドラジン2gを用いる以外は、実施例1の段階a)に従い、白色の結晶として目標生成物2.03gを得る。
【0066】
1H−NMR(DMSO),ppm 7.25−7.63,7H,m,Ar
10.71,1H,s,ClNH; 10.91,1H,s,FNH
b)先行段階a)で調製された生成物を五塩化リンの四塩化炭素溶液に滴下すること以外は実施例1の段階b)に従う。得られた生成物をメタノールと酢酸エチルの混合物から再結晶化し、白色の結晶として目標生成物1.26gを得る(融点:85−92℃)。
【0067】
1H−NMR(CDCl3),ppm=6.99−7.67,7H,m,Ar
13C−NMR(CDCl3),ppm
【0068】
【化16】
【0069】
c)実施例1の段階c)に従う。粗生成物を精製せずに酸化する。
【0070】
d)実施例1に記載の方法に従う。酢酸エチルから薄紫色の生成物を再結晶化した後、実施例3の純粋な標記生成物0.7gを得る(融点:184.5℃)。
【0071】
1H−NMR(CDCl3),ppm
7.14−7.20,2H,t,Ar(2,6−F2)の3−および5−プロトン
7.51−7.66,4H,m,Ar(2−Cl)の4,5,6−プロトンおよびAr(2,6−F2)の4−プロトン
8.0−8.11,1H,dd,Ar(2−Cl)の3−プロトン
13C−NMR(CDCl3),ppm
【0072】
【化17】
【0073】
IR(KBr)νC=N=1390cm−1(N原子は芳香族複素環中である)。
【0074】
基準実施例1
3,6−ビス(2,6−クロロベンゾイル)−1,2,4,5−テトラジン
段階a)において2,6−ジフルオロベンゾイルクロリドの替わりに2−クロロベンゾイルクロリドを使用すること以外は、実施例2の段階a)、b)、c)およびd)に従う。
【0075】
このようにして、濃紫色の結晶として標記化合物0.7gを得る(融点:179−182℃)。該生成物は、ヨーロッパ公開特許出願第5912号の実施例14の目的生成物とすべての点で同一である。
【0076】
基準実施例2
3−(2−クロロフェニル)−6−(2−ブロモフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
段階a)で、2−(ブロモベンゾイル)−ヒドラジンの替わりに2−(クロロベンゾイル)ヒドラジン2g、且つ2,6−ジフルオロベンゾイルクロリドの替わりに2−ブロモベンゾイルクロリド2.7gを用いること以外は、実施例1に従う。このようにして、赤紫色の結晶として標記化合物0.6gを得る(融点:168−170℃)。該化合物は、ヨーロッパ公開特許出願第5912号の実施例17の目標生成物と全ての点で同一である。
【0077】
1H−NMR(CDCl3),ppm
8.10−8.13,1H,dd,Ar(2−Br)の6−プロトン
8.06−8.08,1H,dd,Ar(2−Cl)の6−プロトン
7.83−7.85,1H,dd,Ar(2−Br)の3−プロトン
7.46−7.61,1H,m,Ar(2−Cl)
基準実施例3
3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1−メチル−1,2,4,5−テトラジン
a)N,N′−ビス(2−クロロベンゾイル)ヒドラジン
温度計および起泡具を備えたフラスコ内に、ヒドラジン水和物0.7g(0.014モル)および水4mlを入れる。別のフラスコ中で、水酸化ナトリウム1.2g(0.03モル)を水5mlに溶解する。水酸化ナトリウム溶液および2−クロロベンゾイルクロリド5g(0.028モル)を同時に、温度が20℃未満に保たれる(水で冷却して)ような率でヒドラジン水和物溶液に加える。白色の沈殿物が出現する。さらに2時間撹拌した後、白色の沈殿物を濾過し、水で洗浄、乾燥し、酢酸から再結晶化した後、目標生成物5.04g(57%)を得る(融点:218℃)。
【0078】
b)ビス(α,2−ジクロロベンジリデン)ヒドラジン
六塩化リン10.5g(0.05モル;2.5当量)の四塩化炭素50ml沸騰溶液に、固体のN,N′−ビス(2−クロロベンゾイル)ヒドラジン3.1g(0.01モル)を滴下する。出発物質が薄層クロマトグラフィーにより消費されるまで(約5時間)沸騰還流を継続する。TLCの展開用に、ガソリンとアセトンの1:2混合物を使用する。
【0079】
得られた生成物を氷50gと水50mlの混合物中に注ぎ、次いで塩化メチレン100mlと共に撹拌する。有機層を分離して、蒸留水で洗浄、乾燥、蒸発させる。得られた粗生成物をメタノールから再結晶化して、目標化合物1.43g(41%)を得る(融点:102℃)。
【0080】
c)3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2−ジヒドロ−1−メチル−1,2,4,5−テトラジン
純粋エタノール11.2ml中に、硫酸メチルヒドラジン3.74g(0.026モル)、トリエチルアミン11.9ml(0.086モル)を含む懸濁液を、ビス(α,2−ジクロロベンジリデン)ヒドラジン1.12g(0.0032モル)を滴下しながら、沸騰還流させる。
【0081】
反応混合物を撹拌しながらさらに2時間沸騰還流させる。酢酸エチルで生成物を取り上げた後、水で洗浄、乾燥、蒸発させる。展開系としてガソリンとアセトンの1:2混合物を用いてTLC分析を行う。得られた、重さ0.90gの粗生成物を、溶離剤としてガソリンとアセトンの3:1混合物を用いてカラムクロマトグラフィーにかけて精製する。かくして、目標化合物0.48g(48%)を得る。該化合物は、ヨーロッパ公開特許出願第5912号の実施例1に記載の生成物と完全に一致する。
【0082】
1H−NMR(DMSO+D2O),ppm
9.00,1H,s,NH
7.37−7.58,8H,m,Arプロトン
2.68−2.71,3H,s,Me
基準実施例4
3−(2−クロロフェニル)−6−(2−ブロモフェニル)−1,2−ジヒドロ−1−(または−2−)−メチル−1,2,4,5−テトラジン
a)N−(2−クロロベンゾイル)−N′−(2−ボロモベンゾイル)ヒドラジン
(2−クロロベンゾイル)ヒドラジン2gのジメチルホルムアミド2mlおよびピリジン1ml溶液にo−ブロモベンゾイルクロリド2.7gを冷却下に滴下する。得られた懸濁液を室温でさらに30分撹拌し、次いで水中に注ぐ。白色結晶沈降物を濾過、乾燥して、白色結晶として目標化合物2.95gを得る。
【0083】
b)基準実施例3の段階b)に従う。クロマトグラフィーにより粗生成物を精製した後で、基準実施例4の標記化合物0.57gを得る。該化合物は、ヨーロッパ公開特許出願第5912号の実施例13に記載の化合物と完全に一致する。
【0084】
1H−NMR(CDCl3),ppm
7.26−7.65,9H,m,芳香族プロトンおよびNH
3.00,3H,s,Me
基準実施例5
3−(2−クロロフェニル)−6−(2,6−ジクロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン
N−(2−クロロベンゾイル)−N′−(2,6−ジクロロベンゾイル)テトラジン
段階a)で、(2−ブロモベンゾイル)ヒドラジンの替わりに(2−クロロベンゾイル)ヒドラジン1gを、2,6−ジフルオロベンゾイルクロリドの替わりに2,6−ジクロロベンゾイルクロリド1.47gを用いて、実施例1を繰り返し、薄紫色の結晶108mgを得る(融点:88℃)。
【0085】
1H−NMR
7.49−7.66,6H,m,芳香族プロトン
8.11−8.14,1H,d,芳香族プロトン
調剤実施例1
湿潤性粉末
それぞれ、10、20または50%の湿潤性粉末組成物を、湿潤および分散剤5%並びに組成物の重量について計算されたそれぞれ85、75または45%のカオリンを用いて、それぞれ実施例1、2または3に記載の活性成分から調製する。
【0086】
調剤実施例2
懸濁濃厚物
それぞれ実施例1、2または3に記載のそれぞれ10、20または50%の活性成分、並びに0.2〜2%のキサンタンゴム、組成物の重量について計算された5〜10%の界面活性剤および水を含む水性懸濁液濃厚物を調製する。有用な界面活性物質は、スルホン酸リグニン、エトキシ化硫酸脂肪アルコールスルフェート、スルホン酸アルキルアリール、スルホン化フェノールホルムアルデヒド縮合物の塩、エトキシ化クエン酸のアルカリ金属塩、エトキシ化酒石酸、エトキシ化クエン酸/酒石酸;クエン酸/酒石酸のトリエチルアミン塩、ナトリウムオレオイル−N−メチルタウリド、ジアルキルスルホスクシネート、アルキルフェニルエトキシレートまたは脂肪アルコールエトキシレートである。
【0087】
調剤実施例3
乳化性濃厚物
それぞれ実施例1、2または3に記載のそれぞれ5、10または20重量パーセントの活性成分、および組成物について計算された1〜5重量パーセントの量の調剤実施例2に定義の界面活性剤のいずれか、並びに溶媒として組成物の重量を100%までに補充する量の脂肪族若しくは芳香族炭化水素の混合物を含む乳化性濃厚物を調製する。
【0088】
生物学的実施例1
活性化合物を用いたクモダニ(Tetranychus urticae)に関する液浸殺卵試験
4匹の成体の雌のクモダニ(Tetranychus urticae WHO感受性株)を、マメ科の若葉から切り取った15mmサイズの各円形葉片上に置いた。26〜28℃で24時間産卵を継続させた後で、雌を取り除き、葉片上に置かれた卵を数えた。
【0089】
適切な濃度の活性化合物を含む溶液(補溶媒として試験溶液中5%を超えない量のアセトンを用いて)中に円形葉片を浸漬処理し、液浸を5秒間継続させた。処理後、円形葉片を乾燥濾紙上で乾燥させ、次いで、未処理の対照卵が孵化するまでペトリ皿の湿った濾紙上に26〜28℃の温度で保持し、孵化率を測定した。各濃度について少なくとも3種の比較物を用いて各実験を4回繰り返した。各濃度について得られた有効性値は、少なくとも250個のダニの卵で行われた処理の平均値を示している。
【0090】
下記の式を用い、アボット法に従って、補正死亡率を計算した:
結果を百分率で下記に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
生物学的実施例2
活性化合物を用いたクモダニ(Tetranychus urticae)に関する葉芯透過殺卵試験
7日齢のマメ科植物の葉の右側を、マメの葉が試験溶液10mlを含む20ml容量のガラスシリンダーの口に置かれ、反転した位置で5秒間露出されるように処理した。次いで、葉をガラスシリンダーから取り下げ、ペトリ皿中の湿った、多層ペーパーワッディング上に置いた。ペトリ皿を、26〜28℃の範囲の温度、1600ルクスの輝度下に、16:8の割合の明/暗サイクル、60〜70%の相対湿度含量で放置した。24時間後、直径15mmの円形葉片を処理された表面から切り取り、未処理の側面上で産卵を行わせ、次いで生物学的実施例1に記載のように実験を継続した。
【0093】
結果を百分率で表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】
生物学的実施例3
活性化合物を用いたクモダニ(Tetranychus urticae)に関する経卵試験
各投与量の成体の雌のダニ(Tetranychus urticae)を、生物学的実施例1に記載のように処理したマメの葉の円形葉片上に置き、48時間ダニを飼育した。次いで、未処理の円形葉片上で7時間ダニに産卵させ、成体を取り除き、卵を数えた。未処理の対照卵が孵化するまで、円形葉片をペトリ皿の湿った濾紙の上に26〜28℃の範囲の温度で放置し、孵化率を測定した。
【0096】
各濃度について少なくとも3種の比較物で各実験を4回繰り返した。各濃度について得られた有効性値は、少なくとも120個のダニの卵で行われた処理の平均値である。
【0097】
結果を百分率で表3に示す。
【0098】
【表3】
【0099】
生物学的実施例4
組成物を用いたクモダニ(Tetranychus urticae)に関する殺卵試験
調剤実施例1に従い実施例2の化合物から調製した200SC調剤の殺卵有効性を、生物学的実施例1に記載のように試験した。結果を表4に示す。濃度は活性化合物に関連する。
【0100】
【表4】
【0101】
生物学的実施例5
組成物を用いたクモダニ(Tetranychus urticae)に関する葉芯透過殺卵試験
調剤実施例2に従い実施例3の化合物から調製された200SC調剤の葉芯透過有効性を生物学的実施例2に記載のように試験した。結果を表5に示す。
【0102】
【表5】
【0103】
生物学的実施例6
ヒゼンダニ(Psoroptes cuniculi)に関する殺卵有効性
感染ラビットの耳のか皮から50〜100個のヒゼンダニ卵を含む小片を分離し、適切な試験溶液に浸漬し、34℃で48時間培養した。(このときの未処理対照の孵化率は90%を超えた。)(試験溶液中、1%未満の濃度で)補溶媒としてエトキシエタノールを用いた。
【0104】
48時間後、孵化しなかった卵を数え、処理の有効性を対照の百分率で表した。実施例3に記載の活性化合物および獣医学医療観点から見て重要な数種の抗寄生虫組成物の有効性を百分率で表6に示す。
【0105】
【表6】
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