JP3662496B2 - 有機発光デバイス - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明は、有機発光デバイス(OLED)と、固有の欠陥を含む発光性有機層を有するOLEDにおける電流密度の均一性を向上させるための方法に関する。
【0002】
また、本発明は、パターン化された電極を有する有機発光デバイスにも関する。
【0003】
発明の背景
米国特許第5,247,190号または米国特許第4,539,507号に開示されているような有機発光デバイスは、今後、種々のディスプレイに利用される可能性があり、このような有機発光デバイスに対する期待は大きい。なお、前記米国特許第5,247,190号および米国特許第4,539,507号を参照することによって、その開示内容を本明細書中に盛り込んだものとする。1つの方法によれば、OLEDは、インジウム−スズ酸化物(ITO)等の透明な第1の電極(アノード)でガラスまたはプラスチックの基板を被覆することにより作製される。その後、最終層、すなわち、典型的には金属または合金からなる第2の電極(カソード)の膜に先立って、エレクトロルミネセント有機材料からなる薄膜が少なくとも1層成膜される。
【0004】
実用的なデバイスにおいては、多くの場合、エレクトロルミネセント有機材料からなる層の厚さは、実際の駆動電圧で確実に作動させるために、100nmのオーダーである。エレクトロルミネセント有機材料からなる層は、スピンコート法によって第1の電極上に成膜される。有機層の厚さと同程度の寸法を有する粒子が有機材料に混入している場合、これらの粒子自体が最終的に得られる有機層内に欠陥を発生させる。また、これらの粒子の存在によって、第1の電極層の表面上における流体有機材料の流動が阻害され、その結果、該粒子の周囲では、最終的に得られる有機層の厚さが変動してしまう。最悪の場合、有機層内でホールが形成されるに至り、このため、下部に存在する層(電極層)が該ホールを介して露呈してしまう。
【0005】
有機層内に欠陥が生じる原因としては、例えば、有機材料が本来的に膜を形成し難いことや、成膜後の有機層が物理的な損傷を受けること等が挙げられる。
【0006】
典型的な欠陥部位を図3に示す。エレクトロルミネセント有機層106は、インジウム−スズ酸化物(ITO)アノード層で被覆されたガラス基板102上にスピンコートによって成膜されている。大きな粒子107が存在することによって、該粒子107自体とピンホール111とからなる欠陥部位109が形成されている。カソード層110は、エレクトロルミネセント有機層106上に形成されている。
【0007】
図3に示すような欠陥が局所的に存在する場合には、デバイスが動作する際、大きな電流が欠陥領域に集中することになるため、電流の異常(短絡)を招く可能性がある。このことは、とりわけ、デバイスの再現性を低下させるという問題を招く。例えば、電流経路が変更されることによって誤った画素が点灯するようなことがあり、ドットマトリックスデバイスにおいては特に問題となる。
【0008】
この種の欠陥を回避するために、異物(粒子)の混入を回避する観点からクリーンルーム内で有機層の成膜を行うことや、または、大きな粒子を除去するためにスピン処理に先立って有機材料を濾過することが考えられる。しかしながら、通常のクリーンルームにおいて除去可能な粒子は、寸法が300nm以上程度のものである。また、有機材料を濾過する場合、除去される粒子は、寸法が約450nmまでのものである。これより小さい寸法の粒子を除去するためには、多大の費用が必要である。
【0009】
したがって、発光性有機材料には、成膜される有機層の厚さ程度の寸法を有する粒子が依然として混入していることが多い。このため、上記したように、最終的に得られる有機層に欠陥が生じる。さらに、そのような大きな粒子の混入を完全に排除できたとしても、例えば、有機材料は本来的に膜を形成し難いものであるため、また、成膜後の有機層に対して不慮の物理的な損傷が加えられることがあるため、製造過程において結果的に欠陥が生じることがある。
【0010】
デバイスを製造した後に欠陥粒子を除去する公知技術の1つとしては、極めて高い電流をデバイスに流し、欠陥粒子を蒸発させることによって「焼失(burn-out)」させることが知られている。しかしながら、この技術は全ての欠陥粒子に適用することができず、短絡が大きいという問題を解決するために適用することもできない。さらに、この技術は、デバイスの耐用期間内に生じる全ての問題に対して必ずしも対応できるものではない。したがって、本発明の目的は、有機発光デバイスにおける電流異常の問題を低減させることにある。
【0011】
本出願人による前記米国特許5,247,190号や、Van Slykeらの米国特許4,539,507号に開示されているような有機発光デバイス(OLED)では、少なくとも1層の有機層からの発光は、カソードとアノードとが重なっている部位でのみ行われる。したがって、電極をパターン化することだけで画素の形成とパターン化とを行うことができる。高い解像度が容易に得られる。解像度は、原則的には、カソードとアノードとの重複領域によってのみ、すなわち、カソードおよびアノードの大きさによってのみ制限される。ドットマトリックスディスプレイは、通常はカソードおよびアノードを行および列の垂直な配列として配置することによって作製され、これらの間に少なくとも1つの有機層が配置される。
【0012】
解像度が低いドットマトリックスディスプレイは、例えば、アノードとして機能するインジウム−スズ酸化物(ITO)ラインを上部に有する基板上に、有機エレクトロルミネセント層を少なくとも1層被覆することによって作製される。アノードのラインに垂直なラインの配列からなるカソードは、その少なくとも1層の有機層の反対側に設けられる。これらカソードラインは、例えば、物理的なシャドウマスクを介した蒸着処理や、スパッタリング処理により形成されたアルミニウムまたはアルミニウム基合金からなるラインである。しかしながら、シャドウマスクを使用することは、様々な理由から望ましいものではない。特に、ディスプレイが大面積でかつ/または高解像度が要求される場合には、シャドウマスクを使用することは相当に制約される。そのような場合に、この種の電極ラインの配列や、他の大面積かつ/または高解像度が得られるパターンを製造するためには、通常は、様々な形態のリソグラフィを使用する必要がある。
【0013】
所望の電気的および光出力特性を有する効率的で安定なOLEDを作製するためには、通常は、有機層と電極との各界面の設計および構成を考慮する必要がある。この界面は、電荷担体を電極から少なくとも1層の有機層に効率的に注入するために、特に重要であるからである。
【0014】
リソグラフィプロセスで電極パターンを作製する場合、特にこのようなパターンが少なくとも1層の有機層の上方にあるときには、リソグラフィプロセスは、有機層/電極界面およびその近傍を改質するとともにこれらに損傷を与える可能性が高い。したがって、OLEDディスプレイにおける画素の所望の電気的および光出力特性を維持することは困難である。リソグラフィにおけるこの種の損傷は、フォトレジスト、現像剤、エッチングプロセス(湿式および乾式の両者、ネガおよびポジ技術、エッチングおよびリフトオフ等)、または使用する溶剤に起因して起こり得る。ここで、共役重合体は、有機溶剤から成膜される場合が多いこと、そして、一般的に有機溶剤に対して可溶性であることに留意する必要がある。
【0015】
プラズマエッチング/アッシングは、フォトレジスト、すなわち、現像剤で洗浄除去されなかった残余のフォトレジストを除去するために、リソグラフィにおいて極めて頻繁に使用される。有機エレクトロルミネセント材料および電荷輸送材料は、この種の乾式エッチング/アッシングプロセスにおいて、プラズマに対して直接露呈されると、極めて迅速に損傷を受けたり、改質されたり、エッチングされたりする。
【0016】
電極パターン化プロセスが行われる際の影響から有機エレクトロルミネセント材料および電荷輸送材料を保護する1つの方法は、PCT出願されたWO97/42666号国際公開公報に開示されている。この方法においては、導電性電極層と発光性有機材料との間に、誘電体材料で構成される薄いバリア層が介装される。
【0017】
本発明者らは、種々のリソグラフィプロセスを採用しながらも、ディスプレイの電気的および光出力特性を大きく変化させることなく少なくとも1層の有機層の上方に電極を形成することを可能とするものであって、さらに、近年要求される効率、信頼性および耐久性を満足するようにデバイスを構成することができる要件を見いだした。すなわち、本発明の他の目的は、これらの要件を満足するデバイスを提供することにある。
【0018】
本発明の第1の観点によれば、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介装された有機発光層とを有し、前記第1電極および前記第2電極が前記有機発光層に電荷担体を注入するための電極である有機発光デバイスであって、
前記有機発光層に存在する導電性の欠陥を流れる電流を制限する手段を備えることを特徴とする有機発光デバイスが提供される。
【0019】
上述した「焼失」技術に対して、発光性有機層内に存在する導電性欠陥を流れる電流を制限する手段をデバイスに組み込むことにより、耐用期間内でデバイスを使用している際に、既に説明した機構によってデバイスの動作に大きな影響を与えるような電流異常が生ずることが回避される。
【0020】
この手段は、第1電極および第2電極の少なくとも一方の電極に組み込まれることが好ましい。特に、電極が、他方の電極から離間して前記有機発光層の表面に隣接する第1電極層を含む複数の層を有し、
前記第1電極層は、該有機発光デバイスの駆動電圧を大幅に増加させる程には高い抵抗ではないが、前記有機発光層に存在する前記導電性の欠陥に過度の電流が流れることを回避するには充分な高さの抵抗を有することが好ましい。
【0021】
本発明の実施形態の1つにおいては、前記第1電極層を、半導体材料と絶縁体材料との混合物、半導体材料と導電体材料との混合物、および絶縁体材料と導電体材料との混合物の群から選択された高抵抗材料で形成するようにしてもよい。
【0022】
上述した混合物の材料層を高抵抗な電極層として使用する際、混合物の各成分の割合を適切に調整するだけで、高抵抗な電極層の抵抗率を所望の値に容易に調整することができる。
【0023】
第1電極層がカソードである場合には、電子注入性能を高めるために、この第1電極層が仕事関数の低い材料を少なくとも1つ含有することが好ましい。この仕事関数は、好ましくは3.7eV未満であり、より好ましくは3.2eV未満である。
【0024】
本発明の第2の観点によれば、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介装された有機発光層とを有し、前記第1電極および前記第2電極が前記有機発光層に電荷担体を注入するための電極である有機発光デバイスであって、
さらに、前記有機層に存在する導電性の欠陥を前記第1電極または前記第2電極から電気的に絶縁する手段を有することを特徴とする有機発光デバイスが提供される。
【0025】
本発明のこの観点に係るデバイスの耐用期間内に電流異常が生じた場合であっても、その異常が長く続くようなことはない。即ち、電流異常を生じさせる原因となる有機層内の導電性欠陥は、デバイスに組み込まれた手段によって周囲の電極から速やかに絶縁される。
【0026】
この手段は、電極に組み込まれることが好ましい。そして、前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方の電極が、他方の電極から離間して前記有機発光層の表面に隣接する薄い第1電極層を含む複数の層を有し、前記薄い第1電極層の寸法および材料特性は、該第1電極層が前記有機層に存在する導電性欠陥に隣接する部位で該導電性欠陥によって生じた異常電流が流れた際に蒸散するように設定されていることが好ましい。
【0027】
本発明に係る実施形態の1つによれば、前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方の電極が不透明であり、かつ他方の電極から離間して前記有機発光層の表面に隣接する仕事関数の低い材料で形成された薄い第1電極層と、前記有機発光層から離間して前記第1電極層の表面に隣接する第2電極層とを含む複数の層を有し、前記第2電極層は、半導体材料、半導体材料と絶縁体材料との混合物、半導体材料と導電体材料との混合物、および絶縁体材料と導電体材料との混合物の群から選択された高抵抗材料からなる層である。
【0028】
代替的に、電極は、複数のサブ電極からなる第1電極層を有するものであってもよい。この場合、前記サブ電極の各々が周囲のサブ電極にヒューズリンクを介して直接接続されており、特定の値を超える電流が流れると、前記ヒューズリンクが破断して前記サブ電極の各々を他のサブ電極から電気的に絶縁するようになっている。
【0029】
本発明の第2の観点における薄い第1電極層の厚さは、0.5〜10nmの範囲内であることが好ましく、5nm未満であることがより好ましい。
【0030】
本発明の第3の観点によれば、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介装された有機発光層とを有し、
前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方の電極が、高抵抗な第1電極層を含み、
該第1電極層によって前記有機発光層に本来的に存在する欠陥が被覆されるように、前記第1電極層の厚さが、前記有機発光層の厚さよりも大きいことを特徴とする有機発光デバイスが提供される。
【0031】
実施形態の1つによれば、第1電極層は、第1および第2電極の他方から離間した発光性有機層の表面に隣接して配置される。
【0032】
高抵抗な第1電極層の厚さを有機発光層に比して大きくすることにより、有機発光層に存在する各ピンホール欠陥が完全に充填される。このため、有機発光層には、上部の導電層と直接接続するような露呈した領域が残存しないようになる。
【0033】
本発明の第3の観点における高抵抗層は、好ましくは半導体材料、半導体材料と導電体材料との混合物、半導体材料と絶縁体材料との混合物、または導電体材料と絶縁体材料との混合物によって形成される。
【0034】
本発明の第4の観点によれば、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介装された有機発光層とを有し、前記第1電極および前記第2電極が前記有機発光層に電荷担体を注入するための電極である有機発光デバイスにおける電流密度の均一性を向上させる方法であって、
高抵抗な第1電極層を含む複数の電極層によって前記第1電極および前記第2電極の一方を形成する工程を有し、
前記第1電極層を、半導体材料、半導体材料と絶縁体材料との混合物、半導体材料と導電体材料との混合物、および絶縁体材料と導電体材料との混合物の群から選択された材料で形成することを特徴とする有機発光デバイスにおける電流密度の均一性を向上させる方法が提供される。
【0035】
本発明の各観点おいて、高抵抗な電極層は、アルミニウムからなる層のような導電体材料からなる層により被覆されることが好ましい。
【0036】
本発明の第1〜第4の観点によれば、高抵抗な電極層は、駆動電圧を大幅に増加させてデバイスの電力効率の低下を招く程に高くはないが、有機発光層に存在する導電性の欠陥に過度の電流が流れることを回避するには充分な高さの抵抗を有する。電極層の厚さが100〜10000nmの範囲内であれば、通常、抵抗率は1〜105Ωcmの範囲にある。
【0037】
上述した本発明の観点によれば、Ge、Si、α−Sn、Se、ZnSe、ZnS、GaAs、GaP、CdS、CdSe、MnS、MnSe、PbS、ZnO、SnO、TiO2、MnO2、およびSiC等の材料が半導体材料として適している。
【0038】
上述した本発明の観点によれば、例えば、Al2O3、SiO2、LiO、AlN、SiN、LiFおよびCsF等の絶縁性酸化物、窒化物、およびフッ化物が絶縁体材料として適している。また、本発明によれば、AlやAg等の金属が導電体材料として適している。
【0039】
また、本発明によれば、Ca、Li、Yb、LiF、CsFおよびLiO等が仕事関数の低い材料として適している。
【0040】
カソードを真空中で成膜する場合、粒径を極めて小さく維持することができる。このため、カソードを利用して発光性有機層に本来的に存在する欠陥による悪影響を回避することが特に望ましい。
【0041】
本発明の第6の観点によれば、第1電極層と、第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層との間に介装された有機発光層とを有し、
前記第1電極層、前記第2電極層および前記有機発光層の間で電荷担体の移動が可能であり、
少なくとも前記第1電極層が複数のサブ電極を有し、
前記サブ電極の各々が周囲のサブ電極にヒューズリンクを介して直接接続されており、
特定の値を超える電流が流れると、前記ヒューズリンクが破断して前記サブ電極の各々を他のサブ電極から電気的に絶縁することを特徴とする有機発光デバイスが提供される。
【0042】
本発明の第6の観点に係る好適な実施の形態では、複数のサブ電極が、行および列の規則的な配列を形成するように配置され、前記サブ電極の各々が、同一の列および行に属する隣接サブ電極にヒューズリンクを介して接続されている。
【0043】
また、サブ電極の大きさと間隔は、該有機発光デバイスの操作中に発せられた光の強度が発光領域全体に亘って連続的であると目視で感じられるように設定されていることが好ましい。
【0044】
本発明の第7の観点によれば、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介装された有機発光領域とを有し、前記第1電極および前記第2電極が電荷担体を前記有機発光領域に注入するための電極である有機発光デバイスであって、
前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方の電極が、他方の電極から離間して前記有機発光領域の表面に隣接する高抵抗な第1電極層と、前記有機発光領域から離間して前記第1電極層の表面に隣接するパターン化された導電性の第2電極層とを有し、
前記第1電極層は、前記他方の電極から離間して前記有機発光領域の表面の概ね全体を被覆し、かつ半導体材料と絶縁体材料との混合物、半導体材料と導電体材料との混合物、および絶縁体材料と導電体材料との混合物の群から選択された高抵抗材料からなる層であることを特徴とする有機発光デバイスが提供される。
【0045】
本発明の第7の観点においては、上記したように、第1電極層が、発光性有機領域の表面の概ね全体に亘って形成されている。換言すれば、第1電極層は、少なくとも、第2電極層によって占有される領域、すなわち、パターン化された第2電極層の横方向における最外端部によって形成される領域に対応する有機発光領域の表面上に形成されている。
【0046】
「パターン化された電極層」という用語は、複数の電極要素を含む層を意味する。各電極要素は、下部の高抵抗な第1電極層を介して互いに接続されている。このパターン化された電極層は、好ましくは、別個の要素が平行な行や列として規則的に配列されたものであり、各要素は、下部の高抵抗な第1電極層を介して互いに接続されている。
【0047】
本発明の第7の観点においては、高抵抗な第1電極層の抵抗は、デバイスを駆動するために必要な電圧を大幅に増加させる程には高くはないが、パターン化された第2電極層の各電極間において大きな電流の漏れが発生するためには充分な高さである。
【0048】
絶縁体材料と半導体材料との物理的混合物、または半導体材料と導電体材料との物理的混合物、または導電体材料と絶縁体材料との物理的混合物からなる材料をバリア層として使用すると、混合物中の各材料の割合を適切に変更することにより、個々のデバイスの条件に合わせて層の抵抗率を容易に調整することができるという大きな利点がある。
【0049】
本発明の第7の観点においては、高抵抗な第1電極層は、導電体と絶縁体との物理的混合物、または、半導体との物理的混合物から構成されることが好ましい。このうち、導電体と絶縁体との物理的混合物の方が好適である。導電体材料を混合物に含めることによって層の導電率が増加する。したがって、デバイスを駆動するために必要な電圧を大幅に増加させることなく、高抵抗な第1電極の厚さを増加させることができる。このように、第1電極層の厚さを大幅に増加させることができるので、下部の有機層がエッチング処理やアッシング処理による影響を受け難くなる。すなわち、現代のクリーンルームによる良好な衛生環境下においても下部の有機膜に本来的に存在する欠陥(異物粒子やピンホール等)に起因して発生してしまう悪影響を補償することができる。このような欠陥による問題を克服することによって、デバイス内で所望しない低抵抗の経路が形成することが大幅に低減される。厚いバリア層によって下部の有機層に対する保護性能が高められるので、周囲の水分や酸素等の反応性物質が侵入して有機材料層と反応することを防止することができ、結局、発光しない黒点が形成されることを防止することができる。
【0050】
限定されるものではないが、Ge、Si、α−Sn、Se、ZnSe、ZnS、GaAs、GaP、CdS、CdSe、MnS、MnSe、PbS、ZnO、SnO、TiO2、MnO2およびSiC等の材料が半導体材料として適している。
【0051】
限定されるものではないが、酸化物、窒化物およびフッ化物のようなハロゲン化物等が絶縁体材料として適している。絶縁体材料としては、Al2O3、SiO2、LiO2、AlN、SiN、LiFおよびCsFの群から選択されたものが好適である。
【0052】
限定されるものではないが、AlまたはAg等の金属が導電体材料として適している。
【0053】
本発明の第7の観点に係わる実施の形態によれば、第1電極層はデバイスのカソードを構成するものであり、かつ該カソードの電子注入性能が高められるように、Li、Ca、またはCsのような仕事関数の低い元素を少なくとも1つ含有する。仕事関数は、好ましくは、3.7eV以下であり、さらに好ましくは、3.0eVである。特に、電極層がLiまたはCaを含有するものであると好適である。第1電極層は、好ましくはLi/Al、Ca/Ge、Li/Si、Ca/ZnO、LiF/ZnSeおよびCsF/ZnSの群から選択される混合物により構成される。
【0054】
本発明の第7の観点に係る代替的な実施の形態においては、第1電極層はデバイスのアノードを構成するものであり、かつ該アノードの正孔注入性能が高められるように、仕事関数の高い元素を少なくとも1つ含有する。仕事関数は、好ましくは、4.5eVより大きく、さらに好ましくは、5.0eVより大きい。この代替的な実施の形態においては、第1電極層は、Au、Pd、Agおよびインジウム−スズ酸化物(ITO)の群から選択される材料で形成することが好ましい。
【0055】
第1電極層の厚さは、好ましくは0.5〜1.0μmの範囲内であり、この第1電極層は、102〜105Ωcmの範囲の抵抗率ρを有する材料により形成される。
【0056】
本発明の第8の観点によれば、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介装された有機発光領域とを有し、前記第1電極および前記第2電極が電荷担体を前記有機発光領域に注入するための電極である有機発光デバイスであって、
前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方の電極が、他方の電極から離間して前記有機発光領域の表面に隣接する高抵抗な第1電極層を含む複数層からなり、かつ前記有機発光領域から離間して前記第1電極層の表面に隣接するパターン化された導電性の第2電極層とを有し、
前記第1電極層が、前記他方の電極から離間して前記有機発光領域の表面の概ね全体を被覆し、
前記有機発光領域に存在する欠陥によって生ずる影響を前記第1電極層によって補償するために、該第1電極層の厚さが前記有機発光領域の厚さよりも大きくなっていることを特徴とする有機発光デバイスが提供される。
【0057】
本発明の第8の観点においては、第1電極層の厚さは、0.5〜1μmの範囲内であることが好ましい。また、この第1の電極層は、半導体材料、半導体材料と絶縁体との混合物、半導体材料と導電体材料との混合物、絶縁体材料と導電体材料との混合物の群から選択された材料で形成されることが好ましい。
【0058】
本発明の第9の観点によれば、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介装された有機発光領域とを有し、前記第1電極および前記第2電極が電荷担体を前記有機発光層に注入する有機発光デバイスにおける第1電極および第2電極の少なくとも一方の電極を形成する方法であって、
高抵抗な第1電極層を他方の電極から離間して前記有機発光領域の表面の概ね全体に亘って形成する工程と、
前記有機発光領域から離間して前記第1電極層の表面上にパターン化された導電性の第2電極層を形成する工程とを有し、
前記第1電極層を、半導体材料、半導体材料と絶縁体材料との混合物、半導体材料と導電体材料との混合物、および絶縁体材料と導電体材料との混合物の群から選択された材料で形成することを特徴とする電極形成方法が提供される。
【0059】
本発明の第10の観点によれば、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介装された有機発光領域とを有し、前記第1電極および前記第2電極が前記有機発光領域に電荷担体を注入するための電極である有機発光デバイスであって、
前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方の電極が、他方の電極から離間して前記有機発光領域の表面に隣接する絶縁体材料で形成された第1電極層と、前記有機発光領域から離間して前記第1電極層の表面に隣接する高抵抗な第2電極層と、前記第1電極層から離間して前記第2電極層の表面に隣接するパターン化された導電性の第3電極層とを有し、
前記第1電極層および第2電極層が、前記他方の電極から離間して前記有機発光領域の表面の概ね全体を被覆し、
前記第2電極層は、半導体材料、半導体材料と絶縁体材料との混合物、半導体材料と導電体材料との混合物、および絶縁体材料と導電体材料との混合物の群から選択された高抵抗材料で形成されていることを特徴とする有機発光デバイスが提供される。
【0060】
本発明の第10の観点によれば、「パターン化された電極層」という用語は、複数の電極要素を含む層を意味する。各電極要素は、下部の層を介して互いに接続されている。このパターン化された電極層は、下部の高抵抗な第2電極層を介して各要素が互いに接続されていることが好ましい。
【0061】
上部の高抵抗な電極層に加え、絶縁体材料からなる薄層を有機発光領域に隣接させて設けることにより、さらに、以下の効果が得られる。カソードの場合は仕事関数の低い元素を含有する材料を使用することにより、アノードの場合は仕事関数の高い元素を含有する材料を使用することにより、電極と有機発光領域との界面での電荷注入性能がさらに向上する。この際、デバイスの駆動電圧が大幅に増加したり第1電極層および第2電極層の機能が全体に損なわれたりすることはなく、しかも、その一方で、横方向の電流の漏れ(クロストーク)が防止されるとともに、下部の有機領域が保護される。
【0062】
本発明の第10の観点においては、第1電極層は、誘電体酸化物、窒化物、またはフッ化物のようなハロゲン化物の層で形成されることが好ましい。また、LiO、LiFおよびCsFがカソードとして特に適している。
【0063】
本発明の第7〜第10の各観点によれば、有機発光領域は、例えば、発光性重合体のような有機発光材料の単一の層で形成してもよく、さらに、発光層または電荷注入層や電荷輸送層として機能する1以上の有機層を含んでいてもよい。
【0064】
好ましい実施の形態の説明
以下、本発明につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0065】
図1に、本発明の第1実施形態に係るOLEDを示す。
【0066】
厚さ1.1mmのガラス基板2は、15Ω/sq.のシート抵抗を有する厚さ150nmのインジウム−スズ酸化物(ITO)層4で被覆されている。図1には示していないが、このITO層4は、例えば、標準的なフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスによって、一連の平行なストリップを形成するようにパターン化されている。ポリスチレンスルホン酸でドープされたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT:PSS)からなる層6は、アノード層4上にスピンコートされた後に150℃の熱処理で水が除去され、厚さ50nmの層として設けられたものである。その後、ポリ(2,7−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン)−(1,4−フェニレン−((1,4−フェニレン−((4−secブチルフェニル)イミノ)−1,4−フェニレン))(TFB)でドープされた95%ポリ(2,7−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン)(5BTF8)と5%ポリ(2,7−(9,9ジ−n−オクチルフルオレン)−3,6−(ベンゾチアゾール)との融合物のような発光性高分子からなる層8を、PEDT:PSS層6上にスピン処理し、厚さ75nmとする。その後、発光性高分子層8の上にカソード層10を形成する。
【0067】
標準的な真空熱蒸着技術は、エネルギが比較的低い方法であり、下部の発光性高分子層に対する損傷を最小限に留めることができるということから、カソード層を成膜させる方法として採用されている。下部の有機層が損傷する懸念がない場合は、スパッタリングが望ましい。スパッタリングは、標準的な成膜技術であるからである。スパッタリングの場合、放電ガスとしては、ネオンが好適である。
【0068】
この場合、カソード層10は、Alとともに共蒸着されたLiFの層である。このカソード層10は、下部の有機層の全表面、ひいては該有機層内のあらゆる欠陥を確実に被覆するように、厚さ0.5〜1μmで成膜されている。アルミニウムからなる層12をこの層の上方に成膜させ、厚さ0.5μmとする。このアルミニウムの最上層12は、例えば、蒸着によって成膜することができる。図1には示していないが、LiF−Alカソード層10とアルミニウムの最上層12からなるカソードは、一連の平行なアノードストリップに対して直交する方向に延在する一連の平行なストリップとしての形態でパターン化することもできる。これにより、一連のカソードおよびアノードストリップのそれぞれが重なり合う点に、画素の規則的な配列が形成される。
【0069】
LiFは2つの機能を有する。まず、LiFは仕事関数が低い材料であるので、発光性有機層への電子の注入を促進する。また、LiFは絶縁体であるので、層に高抵抗率をもたらす。
【0070】
高抵抗率であるLiF/Al層における導電は、浸透(percolation)機構によって生じる。
【0071】
LiF−Al層10におけるLiFおよびAlの相対的な割合は、所望の抵抗率に応じて決定される。所望の抵抗率自体は、下部に存在する発光性有機層8内に存在する欠陥の数および領域により決定される。適切な抵抗率を決定する方法を、図2を参照して以下に説明する。なお、図2に示されるOLEDが有する発光性有機層18には、OLEDにおける電流異常の主要な原因であるピンホール欠陥30が複数個存在している。
【0072】
発光性有機層18は、第1のカソード層20とガラス基板12上に被覆されたITOアノード層14との間に介装されている。第1のカソード層は、アルミニウムからなる層22で被覆されている。
【0073】
例えば、発光性有機層18がピンホール欠陥を全く含まず、駆動電圧が3Vであるときにデバイスの電流密度(j)が1mA/cm2であると仮定する。
【0074】
ピンホール欠陥の存在に起因する電流密度は、発光性有機層内にピンホールが存在しない場合に測定される電流密度に対して、その割合がかなり小さいことが望ましい。例えば、第1のカソード層の抵抗は、欠陥に起因する電流密度が、発光性有機層内にピンホールが存在しない場合に測定される電流密度のせいぜい1%となるぐらいに高いことが好ましい。
【0075】
ピンホール欠陥を介する電流密度は、次のようにして計算することができる。
【0076】
j(def)=NVA/ρt
式中、Nは欠陥の密度(単位面積当たり)、Aはそれぞれの欠陥の平均面積、Vは駆動電圧、ρはカソード層の抵抗率、tは第1のカソード層20の厚さである。
【0077】
ここで、第1のカソード層20の厚さを0.5μmとし、面積1μm2当たり100の欠陥があるものと仮定する。
【0078】
この場合、上記した3Vの駆動電圧において、欠陥に起因する電流密度は約60/ρ mA/cm2となる。
【0079】
この電流密度が、ピンホール欠陥が存在しない場合に測定される電流密度(この電流密度は、上記したように1mA/cm2と想定される)の1%以下となるためには、第1のカソード層の材料の抵抗率は、約6000Ωcm以上であることが必要である。
【0080】
厚さが0.5μmでかつ抵抗率が6000Ωcmである材料により構成される第1のカソード層に印加される電圧の降下は、電流密度が1mA/cm2である場合、わずか約0.3mVである。したがって、この層の電力効率に対する影響は無視し得る程度であり、その一方で、OLEDが動作する際の電流密度の均一性が向上する。
【0081】
発光性有機層内の粒子欠陥の存在は、その効果がピンホール欠陥の場合と比較して無視し得ることから、重要視されていなかった。しかしながら、そのような欠陥の影響が無視し得ない程度に大きい場合は、上記の点に照らして、高抵抗のカソード層について適切な抵抗率を決定する際、このような粒子欠陥の影響を考慮しなければならないことは、当業者に明らかであろう。
【0082】
以下、図1に示す種類のデバイスにおいて、高抵抗層がなく、低抵抗のカソードとアノードとが直接的に接続してしまう欠陥領域を有する場合につき、高抵抗層の抵抗率の最適な値を計算する方法を示す。膜は、効率を高めるために最適化されている。
【0083】
光度L0(Cd/m2)を有し、I0(mA/cm2)の電流密度およびV0(ボルト)の電圧で動作する欠陥のないデバイスは、次の発光効率η0(lm/W)を有する。
【0084】
【数1】
【0085】
ここで、全面積に対する割合として求められた欠陥面積がDであり、これらの欠陥の面積抵抗率がRD(kΩcm2)であるデバイスに欠陥を導入すると仮定すると、同一の電圧では、デバイス全体を通過する平均の電流密度は次のようになる。
【0086】
【数2】
【0087】
欠陥領域が光を全く発しないと仮定すると、欠陥のある発光性有機層により放射される光は、次のようにして求められる。
【0088】
【数3】
【0089】
ここで、面積抵抗率RH(kΩcm2)を有する高抵抗のカソード層を導入すると、欠陥のない領域を介して流れるI0を得るためには、デバイスに印加される電圧を次のように増加させる必要がある。
【0090】
【数4】
【0091】
このデバイスを介して流れる平均電流密度は、式(2)から次のようになる。
【0092】
【数5】
【0093】
よって、新たな効率ηは、式(3)、式(4)および式(5)を組み合わせることにより次のように与えられる。
【0094】
【数6】
【0095】
一般に、欠陥の領域が問題である場合は、これらは高抵抗の層と比較して極めて低抵抗となる。すなわち、次のようになる。
【0096】
【数7】
【0097】
よって、効率は次のようになる。
【0098】
【数8】
【0099】
これをRHについて微分して最大効率を求めると、次のようになる。
【0100】
【数9】
【0101】
特定の動作点(I0およびV0によって決定される)での効率を最大とするような高抵抗層の値は、微小な欠陥面積の平方根に依存する。
【0102】
高抵抗層の最適な抵抗率は、該高抵抗層の厚さに依存して変化する。換言すれば、短絡を発生させる欠陥の寸法および形状に応じて決定される。また、該高抵抗層を成膜する方法によっても変化する。全表面に亘って適切な被覆が施されるような成膜方法である場合、高抵抗層の厚さはどのようなものであってもよい。しかしながら、成膜方法が固定された供給源から固定されたターゲットへの蒸着のような直線的な方法(line of sight method)である場合、一般的には、厚さを欠陥の大きさよりも大きなものとする必要がある。高抵抗層の厚さをtH(cm)とすれば、最適な抵抗率ρHは次のようになる。
【0103】
【数10】
【0104】
このように、高抵抗層の厚さおよび抵抗率の最適値は、欠陥領域の大きさ、欠陥の性状、成膜方法、およびデバイスの動作点に明らかに依存する。
【0105】
図4は、本発明の他の実施形態に係る有機発光デバイスの断面図である。基板202、アノード層204、有機層206、208は、上記第1実施形態に係る有機発光デバイスと同一である。カルシウムからなる厚さ5nmの薄層209は、有機層208の表面に形成されている。この層209は、好ましくは真空蒸着によって形成される。ケイ素からなる厚さ0.5μmの層210は、高抵抗層としてカルシウム薄層209の上に形成され、アルミニウムからなる厚さ0.5μmの層212は、ケイ素層210の上方に形成されている。
【0106】
高抵抗層と発光性有機層との間に導電体材料(この場合はカルシウム)の薄層を介装することは、該導電体材料がヒューズとして効果的に作用することから有利である。薄い導体層の一部に、該一部の下部の有機層内の欠陥によって異常に高い電流に供された場合は、該一部が蒸散する。これにより導電欠陥を介して電流が流れることが阻止されるので、デバイスの性能が向上する。製造が終了した後にデバイスを介して高電流を流すことにより、導電欠陥を絶縁状態にすることができる。
【0107】
上記した形態においては、高抵抗のカソードを有するデバイスを例示して説明したが、例えば、最初にガラス基板上にカソードを形成し、スピンコートによって発光性有機材料層をカソード上に成膜させ、最後に発光性有機層上にアノードを形成することによりOLEDを製造する場合、アノードの抵抗を高くすればよい。この場合、高抵抗な電極層が仕事関数の高い材料からなるものであるか、または、高抵抗な電極層と発光性有機層との間に仕事関数が高い薄層を介装することが好ましい。
【0108】
図5に、本発明の第5の観点に係る発光ディスプレイで使用するための本発明の第6の観点に係る発光デバイスが示されている。このデバイスは、バックライトとしての使用を意図したものである。該デバイスは、ガラス基板302と、ガラス基板302上に成膜されたアノード層304と、アノード層304上に成膜された有機正孔輸送層306と、正孔輸送層306上に成膜されたエレクトロルミネセント高分子層308と、エレクトロルミネセント高分子層308上に続いて成膜された金属カソード層310とからなる。図6に、カソード層304のパターン形状を説明するために、ガラス基板上に成膜されたアノード層の概略平面図を示す。この場合、パターンは、平行な行および列の配列を形成するように配置された小さいサブ電極320が規則的に2次元的に配列されたものである。同一平面上にあるサブ電極のそれぞれは、正孔輸送層306の下部の異なる部分に形成されている。これらサブ電極の面積寸法およびサブ電極同士の間隔は、デバイスから発せられた光を見る視聴者が、通常の目視条件下では検知することができない程に小さい。同一の行および列に属するサブ電極320のうち、直接隣接するもの同士は、ヒューズリンク322によってそれぞれ接続されている。各ヒューズリンクの材料および寸法は、通常の動作条件下ではヒューズリンクに印加される電圧が殆ど降下することはないが、著しい高電流(例えば、カソードとサブ電極との間に位置する有機層内の欠陥によって生じることがある)が供給された場合、これが過熱して切断されるような範囲に設定される。これによりバックライトの残余の部分から欠陥部位が絶縁され、その結果、デバイスの性能が向上する。
【0109】
アノードのサブ電極およびヒューズリンクは、例えば、インジウム−スズ酸化物(ITO)により作製することができる。サブ電極およびヒューズリンクによって形成されるパターン化された配列は、例えば、最初にガラス基板上にITOからなる連続層を成膜した後、例えば、フォトリソグラフィ法を使用して連続層を選択的にエッチングし、パターン化された配列を形成することによって設けることができる。また、サブ電極およびヒューズリンクは、異なる材料で作製するようにしてもよい。
【0110】
カソードは、上記したアノードと同様に、ヒューズリンクによって接続されたサブ電極により、付加的にまたは代替的に形成するようにしてもよい。しかしながら、上記のように、比較的損傷を受け易い有機層の上方にカソード層が成膜される種類のデバイスにおいては、通常は、下部の有機層に対して過度の損傷を与えないよう、注意を払う必要がある。このような理由から、パターン化されたカソード層は、エッチング法によるよりもむしろ、シャドウマスクを介しての成膜法によって形成することが好ましい。
【0111】
本発明の他の実施形態に係る発光有機デバイスを図7に示す。この形態では、厚さ1.1mmのガラス基板402は、15Ω/sq.のシート抵抗および150nmの厚さを有するインジウム−スズ酸化物(ITO)404で被覆されている。このITOの被覆404をパターン化し、標準的なフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを使用して一連の平行な行を形成する。その後、ポリエチレンスルホン酸でドープされたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT/PSS)からなる層406は、ITO/ガラス基板上にスピンコートした後、150℃で焼成処理して水を除去して、厚さ50nmの層406として形成されたものである。その後、同様にスピンコートにより、PEDT/PSSの層406上に発光性高分子の層408を成膜する。この層は、ポリ(2,7−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−(1,4−フェニレン−((1,4−フェニレン−((4−secブチルフェニル)イミノ)−1,4−フェニレン))(TFB)でドープされた95%のポリ(2,7−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン)(5BTF8)および5%のポリ(2,7−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン)−3,6−(ベンゾチアゾール)の融合物の層とすることができ、75nmの厚さを有する。その後、真空チャンバ内でAlとともにLiFの共蒸着を行うことにより、発光性高分子の層408上にLiF/Al融合物の層410を成膜し、発光性高分子の層408上にオーミックコンタクトを形成する。LiF/Al融合物の層410は、発光性高分子の層408の表面上のあらゆる欠陥を覆うのに充分な厚さで成膜される。クラス100のクリーンルームでデバイスを作製する場合は、厚さを0.5〜1μmとすればよい。その後、LiF/Alの層410の上部に、アルミニウムからなる厚さ0.5μmの層412を成膜した後、従来のフォトリソグラフィ技術を使用してパターン化し、ITOの一連の平行な行に対して直交する方向に延在する一連の規則的に離間した平行な列を形成する。これにより、一連のITOの行とAlの列とが空間的に互いに重なった画素の規則的なマトリックスが形成される。
【0112】
LiF/Alの物理的融合物は、浸透メカニズムにより導電を行う等方性の導体であり、この場合、融合物の抵抗率は、LiF/Al融合物中のAlの相対的な割合によって決定される。LiF/Al融合物中のLiFおよびAlの相対的な割合は、層の所望の抵抗率に従って決定される。勿論、所望の抵抗率は、要求される層の厚さによって変動する。層の厚さは、基本的には、駆動電圧を大幅に増加させる程高くはないが(駆動電圧が高いと、デバイスの電力効率が低減してしまう)、その一方で、隣接する行間のクロストークを差し支えのない程度まで確実に低減させる程に高くなるように選定される。このため、所望の抵抗率は、アルミニウム列の数および間隔(これは所望の解像度に応じて決定される)、それぞれの列が隣接する列に対して順に駆動される電圧、デバイスを動作させるべき電流密度のような幾つかの因子に応じて決定される。
【0113】
標準的なバックライトLEDは、典型的には1mA/cm2の比較的低電流密度で駆動されるが、ドットマトリックスディスプレイLEDの作動電流密度は、多くの場合、これよりも高い。この理由は、例えば、パッシブマトリックスデバイスでは、行が順に駆動されるためである。典型的には、より高い電流密度は、順に駆動される行の数が乗算された非パルス電流密度(バックライトデバイスとして使用されると仮定した場合では、デバイスが作動する際の電流密度)に相当する。したがって、100の行を有するデバイスは、典型的には100mA/cm2の電流密度で作動される。
【0114】
層が0.5μmの厚さを有すると仮定した場合、駆動電圧を0.1Vを超えて増加させないためには、LiF/Al融合物の抵抗率を、2×104Ωcmまでとすればよい。駆動電圧が1Vまで増加しても差し支えのない場合は、LiF/Al融合物の抵抗率を、2×105Ωcmまでとすればよい。それぞれ1mmのピッチ、0.5mmの間隔、および50mmの長さを有する列および行を形成して上部に存在するアルミニウム層およびITOアノード層をそれぞれパターン化したデバイスにおいて、0.5μmの厚さおよび2×105Ωcmの抵抗率を有する層を使用する場合、列が10Vで駆動され、駆動される列の両側に隣接する列は接地されているのであれば、単一の画素のみを点灯させたときのデバイスを介する電流が250μAであるのに対して、駆動される列の両側に隣接する列への漏れ電流は、わずかに0.5μAである。
【0115】
また、上記した形態では、アルミニウム層と発光性有機層との間の高抵抗層は、仕事関数の低い元素を含有するために発光性高分子への電子の注入を促進する材料であるLiFを含むので、デバイスの性能が向上するという利点も有する。
【0116】
本発明のさらに別の実施形態に係る有機発光デバイスを図8に示す。図8に示すデバイスは、基板、アノード、および有機層に関しては図7に示すものと同一であり、同一の構成要素には同一の参照符号を付して示すものとする。図8に示すデバイスは、カソードの構成に関して図7に示すデバイスと相違する。カソードは、約5nmの厚さを有するフッ化リチウムの層414からなる。この層414は、従来の成膜技術のいずれによっても成膜させることができるが、下部の有機層に与える損傷を最小とするために、熱蒸着法によって成膜することが好ましい。このフッ化リチウムの薄層414の上方に、フッ化リチウムとアルミニウムとの物理的融合物の層のような半導体材料の層416を、0.5〜1μmの範囲の厚さで成膜させる。次に、フッ化リチウム/アルミニウム融合物の層416の上方に、アルミニウムの層412を0.5μmの厚さに成膜させてオーミックコンタクトを形成する。次に、従来のパターン化技術を使用して、このアルミニウムの層412をパターン化し、一連のアノードの行に対して直交する方向に延在する一連の平行な列を形成する。フッ化リチウム/アルミニウム融合物の比較的厚い層16により、下部の有機層がパターン化プロセスから確実に保護されるようになる。アルミニウム/フッ化リチウム融合物層416の抵抗率は、デバイスの動作電圧を支障のある程度までは上昇させず、その一方で、隣接するカソード列間における横方向の電流漏れ(クロストーク)が回避されるような範囲内とする。発光性有機領域に隣接してフッ化リチウム薄層414を設けることにより、カソードから発光性有機領域への電子の注入が促進される。
【0117】
図7および図8に示す実施形態は、パターン化されたカソードを備える高抵抗な電極層を示すものであるが、最初にガラス基板上にパターン化したカソードを形成し、有機材料層を1層以上カソード上に成膜し、最後に有機材料層の上方にアノードを形成することによりOLEDを形成するようにしても、パターン化されたアノードとともにパターン化されたカソードを使用することができる。この場合、発光性有機領域に隣接する電極層は、アノードから発光性有機領域内への正の電荷担体(正孔)の注入を促進するために、仕事関数の高い元素を少なくとも1つ含有するものであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るOLEDの断面図である。
【図2】 本発明の1つの観点の原理を説明するためのOLEDの断面図である。
【図3】 スピンコートの際、有機材料の粒子が混入したことによって生じた典型的な欠陥部位を有するOLEDの断面図である。
【図4】 本発明の他の実施形態に係るOLEDの断面図である。
【図5】 本発明の他の実施形態に係る発光デバイスの概略図である。
【図6】 図5に示すデバイスのアノード層の部分の概略平面図である。
【図7】 本発明のまた他の実施形態に係るデバイスの断面図である。
【図8】 本発明のさらにまた他の実施形態に係るデバイスの断面図である。
Claims (3)
- 一端部に配置された第1電極と、他端部に配置された複数のサブ電極と、前記第1電極と前記サブ電極との間に介装された有機発光層とを有し、且つ前記第1電極と前記有機発光層の間、および前記サブ電極と前記有機発光層の間で電荷担体の移動が可能であり、
前記サブ電極の各々が周囲のサブ電極にヒューズリンクを介して直接接続されており、
特定の値を超える電流が流れると、前記ヒューズリンクが破断して前記サブ電極の各々を他のサブ電極から電気的に絶縁することを特徴とする有機発光デバイス。 - 請求項1記載の有機発光デバイスにおいて、前記複数のサブ電極が、行および列の規則的な配列を形成するように配置され、前記サブ電極の各々が、同一の列および行に属する隣接サブ電極にヒューズリンクを介して接続されていることを特徴とする有機発光デバイス。
- 請求項1又は2記載の有機発光デバイスにおいて、前記サブ電極の大きさと間隔が、該有機発光デバイスの操作中に発せられた光の強度が発光領域全体に亘って連続的であると目視で感じられるように設定されていることを特徴とする有機発光デバイス。
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