JP4062237B2 - 有機el表示装置 - Google Patents

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本発明は、複数個の表示画素を有する新規な有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置に関し、さらに詳しくは、高輝度または輝度寿命を長くした表示装置に関する。
有機EL表示装置は、自己発光のため、視認性に優れ、かつ数V〜数十Vの低電圧駆動が可能であり、駆動回路を含めた軽量化が可能である。そこで薄膜型ディスプレイ、照明、バックライトとしての活用が期待できる。
複数個の表示画素を有する有機EL表示装置は、一般に、基板上に、下部電極、有機EL材料からなる発光層を含む有機層、上部電極が積層されてなる積層体を一単位とした発光領域としての表示画素が複数個形成されてなる。
具体的には、単純マトリクス型の表示画素を有するものが提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
このものは、下部電極と上部電極とは、互いに直交する方向へ延びるストライプ状にパターニングされており、これら両電極の間に挟まれた有機層が、上部電極と同一のストライプ形状にパターニングされている。
そして、上部電極および下部電極の両電極が交差して重なり合う積層体の部分が、発光部としての表示画素を形成しており、複数個の表示画素が格子状に配列された形となっている。ここで、基板上には、ストライプ状の複数本の隔壁が形成されており、この隔壁によって有機層および上部電極が画定されるとともに画定された上部電極の間が絶縁されている。
ところで、従来では、このような有機EL表示装置において、作動中などに、上部電極が隔壁に分離されている表示画素のエッジに、いわゆるダークエリアと称する非発光部が発生していた。
これは、次のように考えられる。上記特許文献1や特許文献2に記載されているように、従来では、隔壁はオーバーハング形状を有するとともに上部電極がストライプ形状になっている。
そのために、隔壁の外周の隙間としての開口部すなわち表示画素のエッジから、発光領域である表示画素の上下電極間に、水分が侵入することによって、ダークエリアが発生すると考えられている。
一方、上記特許文献2では、外部から侵入する水分のみならず、隔壁材料から発生する水分によるダークエリアを防止するようにしている。
一般に上述のように隔壁の部分では、上部電極が分断されているために、外部から侵入する水分だけが問題となるが、吸湿性の隔壁から放出される水分もダークエリア発生の原因となる。上記特許文献2では、この水分を放出させるための開口部を保護膜に形成し、隔壁を露出させるようしている。
さらに、これら侵入水分や構成部材からの放出水分を全て少なくして、ダークエリアを抑制するようにした有機EL表示装置も提案されている(特許文献3参照)。
特開平8−315981号公報 特開平10−312886号公報 国際公開第01/058221号パンフレット
ところで、従来では、上述したように、非発光部であるダークエリアの発生が議論されてきたが、本発明者らの検討によれば、輝度低下にはダークエリアのみならず、輝度の低くなる領域も寄与していることがわかった。以後、この輝度の低くなる領域を「グレーエリア」と称することにする。
図6は、従来の一般的な有機EL表示装置において、本発明者らの観察結果に基づく、表示画素におけるダークエリアおよびグレーエリアの発生状態の様子を示す概略平面図である。
この図6では、単純マトリクス型の有機EL表示装置における複数個の表示画素5が示されている。図6中の左右方向にストライプ状に延びる下部電極2と上下方向にストライプ状に延びる上部電極4とが互いに直交し、両電極2、4の重なる矩形状の部分が表示画素5として構成されている。
また、下部電極2の間および下部電極2の周縁部には、電気的絶縁性の平坦化膜6が設けられており、この平坦化膜6は、各表示画素5を区画するように格子状に形成されている。なお、図6では、識別の容易化のために便宜上、平坦化膜6には斜線ハッチングを施してある。
また、上部電極4の間には、ストライプ状の複数本の隔壁7が形成されており、この隔壁7によって、図示しない有機層および上部電極4が画定されるとともに画定された上部電極4の間が絶縁されている。なお、図6では、識別の容易化のために便宜上、隔壁7には点ハッチングを施してある。
そして、図6では、表示画素5のエッジに、非発光部であるダークエリアD1が発生している。このダークエリアD1は、上述した発生原因に基づいて、表示画素5のエッジのうちの隔壁7側の部位すなわち上部電極4が隔壁7によって電気的に分離された部位から、発生している。
一方、図6に示されるように、グレーエリアG1は、上部電極4のうち表示画素5のエッジのうち隔壁7がない方の部位、すなわち上部電極4のうち表示画素5間にわたって電気的に分離されていない部位に、顕著に発生することがわかった。
また、隔壁7側に発生するダークエリアD1は、数μmで成長が止まるのに対して、グレーエリアG1は、数十μm以上成長することがわかった。特に、有機EL表示装置を高温で作動させたときに進行が早く、グレーエリアG1の発生が起こると、輝度半減時間が20%程度低下することがわかった。
つまり、本発明者らの検討によれば、グレーエリアG1を抑制することが、輝度寿命を長くすることに対して非常に効果があることがわかった。
さらに、本発明者らは、このグレーエリアG1について、検討を進めた結果、グレーエリアG1の原因は、たとえば、上部電極4や有機層の下部の構成部分である平坦化膜6や基板等に付着している表面水分の影響であることがわかった。
この表面水分と称しているのは、平坦化膜6や基板等の非常に微量な水分量を示している。考察の経緯としては、吸水している水分を200℃以上の温度で脱水処理したが、グレーエリアG1は発生した。また、上記脱水処理の加熱温度は同じものであるが、脱水処理後の基板の搬送を乾燥窒素雰囲気にて実施したところ、グレーエリアG1は発生しなかった。
以上のことから、脱水処理工程や乾燥窒素雰囲気での搬送を実施すれば、グレーエリアG1の発生は抑制可能なことがわかったが、次のような不具合も発生した。すなわち、脱水処理工程におけるガラス基板の割れや、乾燥窒素雰囲気での搬送工程における異物付着による上下電極の短絡によるライン欠陥などである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数個の表示画素を有する有機EL表示装置において、製造中に水分を除去する工程を追加することなく、有機EL表示装置中の水分を適切に除去してグレーエリアの抑制を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基板(1)上に、下部電極(2)、有機EL材料からなる発光層を含む有機層(3)、上部電極(4)が積層されてなる積層体を一単位とした発光領域としての表示画素(5)が複数個形成され、該有機層(3)の劣化が防止されるように該基板上を封止してなる有機EL表示装置において、下部電極(2)は所定形状にパターニングされたものとし、基板(1)上における下部電極(2)の間に、電気的絶縁性の樹脂材料からなる平坦化膜(6)を設け、基板(1)上の非発光領域であって、上部電極(4)のうち表示画素(5)間にわたって電気的に分離されていない部位に位置する平坦化膜(6)の上に、基板(1)側から上部電極(4)よりも上方に突出するとともに当該突出方向に向かって広がるオーバーハング形状の突出部材(9)を形成し、さらに当該平坦化膜(6)の上に、突出部材(9)の外周の隙間としての開口部(8)を、上部電極(4)の表面から平坦化膜(6)に到達するように、部分的に形成したことを特徴としている。
それによれば、このようにオーバーハング形状の突出部材(9)を用いること
により、適切な開口部(8)の形成が可能となり、上部電極(4)の下部の構成部分に付着している水分、すなわち平坦化膜(6)に付着している水分を、開口部(8)を介して上部電極(4)の表面上へ放出させることができる。つまり、本発明では、従来、水分を閉じこめていた上部電極に、当該水分の抜け道を形成することができる。
よって、本発明によれば、製造中に水分を除去する工程を追加することなく、有機EL表示装置中の水分を適切に除去してグレーエリアの抑制を実現することができる。
さらに、請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の有機EL表示装置において、前記基板(1)上には、前記有機層(3)および前記上部電極(4)を画定するとともに、画定された前記上部電極(4)の間を電気的に絶縁する隔壁(7)が形成されており、前記突出部材(9)は、前記隔壁(7)と同一材料からなるものであることを特徴としている。
それによれば、表示画素(5)間にて上部電極(4)を電気的に区画する隔壁(7)と、突出部材(9)とを同一材料によって同時に形成することができ、工程の簡略化を図ることができる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5に記載の有機EL表示装置において、前記開口部(8)の孔形状が円弧であることを特徴としている。
開口部(8)の孔形状は、多角形状でもよいが、その場合、開口部(8)の孔にはエッジ部が存在し、通電時においてそのエッジ部へ電流が集中しやすくなる。そのため、開口部(8)の孔形状においては急激な形状変化はない方がよい。
その点、本発明のように、開口部(8)の孔形状を円弧とすれば、開口部(8)にエッジ部が存在しないため、上記した電流集中を防止することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。また、各断面図において、膜厚は実際のものよりもデフォルメしてある。
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置S1の概略平面図、図1(b)は、図1(a)中のA−A線に沿った概略断面図である。また、図2(a)は図1(a)中のB−B線に沿った概略断面図、図2(b)は図1(a)中のC−C線に沿った概略断面図である。
なお、図1(a)では、識別の容易化のために便宜上、平坦化膜6に斜線ハッチングを施し、隔壁7および突出部材9に点ハッチングを施してあるが、これらは断面を示すものではない。
本有機EL表示装置S1は、上部電極4の電気的な分離用の隔壁7を有する単純マトリックス構造を有するもので、透明なガラス基板または樹脂基板等の可視光に対して透明性を有した基板からなる基板1を備える。
この基板1の上には、下部電極としての陽極2、有機EL材料からなる発光層を含む有機層3、上部電極としての陰極4を順次積層してなる積層体(有機EL層)が形成されている。
本実施形態における上記積層体の配置形態は、次のようである。陽極2および陰極4はそれぞれ複数本設けられ、複数本の陽極2と複数本の陰極4とは互いに直交する方向へ延びるストライプ状に配置されている(図1参照)。また、両電極2、4の間に挟まれた有機層3は、陰極4と同一のストライプ形状にパターニングされている。
そして、陽極2と陰極4とが交差して重なり合う積層体の部分を一単位として、発光領域としての表示画素5が形成されており、本例では、図1に示されるように、基板1の中央部から周辺部にわたって複数個の画素(つまり積層体)5が格子状に配列された形となっている。
ここで、図1および図2に示されるように、陽極2のストライプの間の部位と有機層3および陰極4のストライプの間の部位とには、電気絶縁性の絶縁膜からなる画素分離層としての平坦化膜6が形成されている。
この平坦化膜6は、各表示画素5を区画するように格子状に形成されている。つまり、平坦膜6の位置する領域は、各表示画素5間の発光しない非発光領域として構成されている。
また、平坦化膜6のうち有機層3および陰極4のストライプの間に位置する部分の上には、複数本の隔壁7がストライプ状に形成されている。その結果、陰極4のストライプ方向に沿って形成された隔壁7により、各積層体すなわち各表示画素5が区画され分離されている。
具体的には、この隔壁7によって、有機層3および陰極4がストライプ状に画定されるとともに、隣り合う陰極4の間が絶縁されている。また、この隔壁7は、基板1上において、基板1側から陰極4よりも上方に突出するとともに当該突出方向に向かって広がるオーバーハング形状をなしている。
このように、隔壁7の断面形状を、図1や図2に示されるように、基板1側から上方に向かって広がる逆テーパ形状とすることは、有機層3および陰極4の成膜工程においてこれら有機層3および陰極4を適切に画定するためである。
ここで、基板1およびこの基板1の上に形成された上記各層2〜7の材質等について述べる。
まず、陽極2は、スパッタ法等にて成膜されホトリソグラフ技術を用いてパターニングされたITO(インジウムとスズの酸化物)やインジウムー亜鉛の酸化物等からなる透明導電膜である。その膜厚は、100nm〜1μm程度であり、好ましくは150nm程度である。
また、有機層3は、真空蒸着法にて成膜されたもので、図示しないが、たとえば、陽極2側から順に、正孔輸送性有機材料からなる正孔輸送層、正孔輸送性有機材料や電子輸送性有機材料に蛍光色素をドープした有機EL材料からなる発光層、電子輸送性有機材料からなる電子輸送層が積層されてなるものである。
また、陰極4は、Al等の金属材料等を蒸着したものからなる。また、平坦化膜6は、感光性ポリイミド等の電気絶縁性の樹脂材料からなり、隔壁7はネガ型の感光性樹脂レジスト材料等からなる。
また、図示しないが、本有機EL表示装置S1においては、基板1の上を金属やガラス等の封止板で被覆することにより、大気中の水分等にて当該装置S1中の有機層3が劣化するのを防止するようにしている。
本実施形態では、このような有機EL表示装置S1において、上記グレーエリアの発生を防止するために、次のような独自の構成を採用している。
すなわち、図1、図2に示されるように、個々の表示画素5の間に位置する非発光領域において、表示画素5のエッジのうち隔壁7がない方の陰極(上部電極)4の部位すなわち陰極4のうち表示画素5間にわたって電気的に分離されていない部位に、開口部8が部分的に形成されている。
この開口部8は、少なくとも上部電極である陰極4の厚さ方向に貫通する孔であればよいが、特に、図示例では、開口部8は、陰極4の表面からその下の平坦化膜6に到達するように、形成されている。
また、本例では、この開口部8は、突出部材9を用いて形成されている。すなわち、突出部材9は、基板1上において基板1側から陰極4よりも上方に突出するとともに当該突出方向に向かって広がるオーバーハング形状をなすものである。
つまり、本例では、突出部材9は隔壁7と同一形状をなすものであり、開口部8は、突出部材9の外周の隙間として構成されている。また、ここで、突出部材9は隔壁7と同一材料からなることが好ましい。
次に、上記した有機EL表示装置S1の製造方法について、具体例を挙げながら説明する。
まず、ガラス基板からなる基板1上の所定位置に陽極2を形成する(陽極形成工程)。たとえば、ITOをスパッタ法等で成膜し、通常のホトリソグラフィ法でパターニングすることで、150nm程度の厚さの透明電極としての陽極2を形成する。
次に、表示画素5の間となる部分において基板1の上および陽極2の上に、上記平坦化膜6を形成する(平坦化膜形成工程)。たとえば、感光性ポリイミド等の樹脂(レジスト)をスピンコートにより基板1の全面上に成膜し、これを焼成した後、露光、現像することにより、平坦化膜6を形成する。
さらに、平坦化膜6の上に、有機層3および陰極4を分断するための隔壁7および上記開口部8を形成するため突出部材9を、ホトリソグラフィ法で同時に形成する(隔壁および突出部材形成工程)。
たとえば、基板1の全面上に隔壁7および突出部材9となるネガ型の感光性樹脂レジストをスピンコートし、これを焼成した後、露光、現像することにより、隔壁7および突出部材9を同時に形成する。
具体的には、隔壁7と突出部材9のパターンを有する同一のマスクを用いることにより、ホトリソグラフィ法にて容易に同時形成することができる。なお、隔壁7および突出部材9は、別個に形成してもよいが、同一材料とすることで同時に形成すれば、工程の簡略化が図れる。
次に、陽極2の上に有機層3を真空蒸着法等にて成膜して積層する(有機層成膜工程)。たとえば、陽極2の上に正孔輸送層(主材料)として、αーナフチル・フェニル・ベンゼンを40nm蒸着する。次に、アルミキノリノール(Alq3)にジメチルキナクリドンを1%添加した発光層を40nm形成する。さらに、電子輸送層となるAlq3を20nm形成する。
これら有機層を形成した後、電子注入層であるLiF(フッ化リチウム)等をたとえば0.5nm成膜し、その上に、陰極4を真空蒸着法等にて成膜して積層する(陰極成膜工程)。たとえば、陰極4としてAl(アルミニウム)を100nmの厚さで成膜することができる。
これにより、基板1上において、隔壁7および突出部材9を除いた部位に位置する陽極2および基板1の上に、有機層3および陰極4がストライプ状に積層される。こうして、上記した格子状の表示画素5が形成され、また、突出部材9の外周に開口部8が形成される。
なお、上記図1および上記図2に示されるように、実際には、このような成膜方法により、隔壁7および突出部材9の上端面にも、有機層3および陰極4と同様の膜が積層される。
さらに、上記封止板を用意し、基板1の周辺部上にてシール剤等を介して、基板1と封止板とを貼り合わせる(封止工程)。このようにして、上記有機EL表示装置S1ができあがる。
ところで、本実施形態によれば、基板1上に、下部電極としての陽極2、有機EL材料からなる発光層を含む有機層3、上部電極としての陰極4が積層されてなる積層体を一単位とした発光領域としての表示画素5が複数個形成されてなる有機EL表示装置S1において、非発光領域において陰極4のうち表示画素5間にわたって電気的に分離されていない部位に、開口部8が部分的に形成されていることを主たる特徴とする有機EL表示装置S1が提供される。
それによれば、陰極4の下部の構成部分に付着している水分を、開口部8を介して陰極4の表面上へ蒸発させる等により放出させることができる。つまり、本実施形態の有機EL表示装置S1では、従来、水分を閉じこめていた上部電極としての陰極4に、当該水分の抜け道を形成することができる。
また、開口部8は、陰極4のうち表示画素5間にわたって電気的に分離されていない部位にて、当該部位の全体ではなく部分的に形成されているから、開口部8によって陰極4の電気的導通が遮断されることはない。
よって、本実施形態の有機EL表示装置S1によれば、製造中に水分を除去する工程を追加することなく、有機EL表示装置中の水分を適切に除去してグレーエリアの抑制を実現することができる。
また、上記図1および図2に示される例では、陽極2はストライプ形状にパターニングされたものであり、基板1上における陽極2の間には、電気的絶縁性の平坦化膜6が設けられており、開口部8は、陰極4の表面から平坦化膜6に到達するように、形成されている。
それによれば、陰極4の下部の構成部分である平坦化膜6に付着している水分を、開口部8を介して適切に放出させることができる。
また、上記図1および図2に示される例では、基板1上には、基板1側から陰極4よりも上方に突出するとともに当該突出方向に向かって広がるオーバーハング形状の突出部材9が形成されており、開口部8は、突出部材9の外周の隙間として構成されることで、本実施形態の開口部8が適切に形成されている。
特に、基板1上には、有機層3および陰極4を画定するとともに画定された陰極4の間を電気的に絶縁する隔壁7が形成されているが、突出部材9を、隔壁7と同一材料からなるものとすることにより、隔壁7と突出部材9とを同時に形成することができ、工程の簡略化を図ることができる。
ここで、図3は、本実施形態の開口部8によるグレーエリアを抑制することの具体的な効果を示す図である。
図3では、上述した本実施形態の製造方法における具体例の有機EL表示装置S1を80℃にて作動耐久を行った場合において、開口部8の有無によるグレーエリアの発生状況と、輝度低下の相関を示している。
図3では、横軸に耐久時間(単位:時間)、縦軸に相対輝度(任意単位)を示し、開口部8を有する本実施形態の有機EL表示装置S1を黒四角プロット、開口部を形成しない従来の有機EL表示装置(比較例)を白丸プロットで示してある。
開口部8を有する本実施形態の有機EL表示装置S1では、グレーエリアの発生はみられず、開口部を形成しない従来の有機EL表示装置(比較例)では、上記図6に示されるように、グレーエリアの発生がみられた。
そして、図3に示されるように、グレーエリアが発生しなかった本実施形態では、グレーエリアが発生した比較例に比べて、耐久時間に対する輝度低下の度合が小さく、輝度低下に効果があることが明らかとなった。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置S2の概略平面図である。なお、図4においても、識別の容易化のために便宜上、平坦化膜6にハッチングを施してあるが、これは断面を示すものではない。
上記第1実施形態では、開口部8の孔形状が楕円であったが(上記図1(a)参照)、それ以外にも、開口部8の孔形状は、図4に示されるように四角形であってもよい。本実施形態の場合も、グレーエリア抑制に効果があることは上記実施形態と同様である。
なお、開口部8の孔形状は、突出部材9の径方向断面を楕円とするか四角形とするかにより規定することができる。
また、開口部8の孔形状は、図4に示されるように、四角形等の多角形状でもよいが、その場合、開口部8の孔にはエッジ部が存在し、通電時においてそのエッジ部へ電流が集中しやすくなる。そのため、開口部8の孔形状においては、急激な形状変化はない方が好ましい。
その点、上記図1に示されるように、開口部8の孔形状を円弧とすれば、開口部8にエッジ部が存在しないため、上記した電流集中を防止することができ、好ましい。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置S3の概略平面図である。なお、図5においても、識別の容易化のために便宜上、平坦化膜6にハッチングを施してあるが、これは断面を示すものではない。
上記第1実施形態では、開口部8は、突出部材9を用い、この突出部材9の外周の隙間として構成されていた。
それに対して、本実施形態では、開口部8は、陰極4のうち表示画素5間にわたって電気的に分離されていない部位を、除去加工することにより形成されたものとしている。たとえば、陰極4の形成において、エッチング等により陰極4の一部を除去することで開口部8を形成することができる。
また、上記第1実施形態に示した製造方法において、陰極4までを形成した後、上記封止工程の前に、非発光領域において陰極4に対して針(プローブ)を用いて、開口部8を設けることも可能である。
さらに、別の除去加工として、レーザを用いて陰極4を飛散させる方法もある。この場合、プロセス上、封止工程の前後どちらでも構わないが、飛散する電極材料をパネルから除去できるという点で、封止工程の前に行う方が好ましい。
(他の実施形態)
なお、上記した各実施形態における開口部の構成は、上部電極の電気的な分離用の隔壁を有する単純マトリックス構造のみならず、上部電極を隔壁で区画せずにベタで形成するアクティブマトリックス駆動の有機EL表示装置にも同様に適用可能である。
なお、この場合、表示画素の4辺の非発光領域において上部電極のうち表示画素間にわたって電気的に分離されていない部位が、存在する。ここで、特に、表示画素の4辺において、その一部に上記突出部材を形成すれば、表示画素の4方に突出部材が形成されるため、マスクと基板間のギャップを均一に保つ効果が向上する。
(a)は、本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置の概略平面図、(b)は、(a)中のA−A線に沿った概略断面図である。 (a)は図1(a)中のB−B線に沿った概略断面図、(b)は図1(a)中のC−C線に沿った概略断面図である。 開口部によるグレーエリア抑制の具体的効果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置の概略平面図である。 本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置の概略平面図である。 従来の一般的な有機EL表示装置において、表示画素におけるダークエリアとグレーエリアの発生状態の様子を示す平面図である。
符号の説明
1…基板、2…下部電極としての陽極、3…有機層、4…上部電極としての陰極、
5…表示画素、6…平坦化膜、7…隔壁、8…開口部、9…突出部材。

Claims (3)

  1. 基板(1)上に、下部電極(2)、有機EL材料からなる発光層を含む有機層(3)、上部電極(4)が積層されてなる積層体を一単位とした発光領域としての表示画素(5)が複数個形成され、該有機層(3)の劣化が防止されるように該基板上を封止してなる有機EL表示装置において、
    前記下部電極(2)は所定形状にパターニングされたものであり、
    前記基板(1)上における前記下部電極(2)の間には、電気的絶縁性の樹脂材料からなる平坦化膜(6)が設けられており、
    前記基板(1)上の非発光領域であって、前記上部電極(4)のうち前記表示画素(5)間にわたって電気的に分離されていない部位に位置する前記平坦化膜(6)の上には、前記基板(1)側から前記上部電極(4)よりも上方に突出するとともに当該突出方向に向かって広がるオーバーハング形状の突出部材(9)が形成されており、
    さらに、前記突出部材(9)の外周の隙間としての開口部(8)が、前記上部電極(4)の表面から前記平坦化膜(6)に到達するように、部分的に形成されていることを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 前記基板(1)上には、前記有機層(3)および前記上部電極(4)を画定するとともに画定された前記上部電極(4)の間を電気的に絶縁する隔壁(7)が形成されており、
    前記突出部材(9)は、前記隔壁(7)と同一材料からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 前記開口部(8)の孔形状が円弧であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL表示装置。
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