JPH1140354A - 発光素子 - Google Patents
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Classifications
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- H10K50/11—OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
Abstract
製品寿命を長くすることができる発光素子及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 有機EL素子1を小領域に分割した発光
部6に分け、発光部6の周囲に隔壁層1eを有する非発
光隔壁部7を設ける。透明電極からなるアノード電極1
bと低仕事関数電極からなるカソード電極1dとの間に
存在するパーティクル((A)の×印)によって、電極
間が電圧の印加によってショーとし、カソード電極1c
及び被服電極1fが欠損し、ピンホール((B)の○
印)を生じる。このピンホールから、酸素或いは水分が
侵入し、カソード電極1cが酸化していき、いわゆるダ
ークスポットが生じる((C)の塗りつぶし領域)。こ
のダークスポットは、時間の経過と共に成長するが、非
発光隔壁部7の隔壁層1eによってそれ以上の成長が抑
止される。
Description
特にいわゆるダークスポットの成長を抑止することがで
きる発光素子に関する。
ネッセンス(EL)薄膜を電極で挟み込み、これらの電
極間に電圧を印加することで有機EL薄膜にキャリアを
注入することで発光させる発光素子が知られている。こ
の発光素子は、有機EL素子と呼ばれている。
成された基板上に、透明電極で形成されたアノード電
極、有機EL層、さらに低仕事関数電極で構成されたカ
ソード電極が順次形成されてなるものである。この有機
EL素子の形成プロセスにおいて、パーティクル(小さ
なゴミ、塵、不要物などをいう。以下、同じ)が存在す
ると、特に有機EL層の形成の直前の電極(アノード電
極)上に存在すると、その上に製膜する有機EL層とア
ノード電極との界面にパーティクルが存在したままとな
る。
機EL層が製膜されると次のような問題点が生じる。ま
ず、有機EL層の層厚は、通常2μm以下であるのに対
して、有機EL層にキャリアを注入するために印加する
電界の強度が通常数千V/m程度と著しく大きい。この
ため、数μmφ程度の微少なパーティクルが存在するこ
とによっても電極間ショートが生じやすくなる。この電
極間ショートによってパーティクルが存在した部分のカ
ソード電極及び有機EL層が欠損し、ピンホールが生じ
てしまう。
に酸素や水分が侵入することとなる。ところで、上記の
有機EL素子において、カソード電極は活性な低仕事関
数電極で形成されるため、容易に酸化を生じやすい。こ
うしてカソード電極が酸化されることによってカソード
電極の仕事関数が著しく増加することとなり、有機EL
層にキャリアが注入されにくくなる。これにより、有機
EL素子に、有機EL層に所定の電圧を印加しても発光
しない部分(以下、ダークスポットという)が生じてし
まう。しかも、カソード電極はピンホールを核として放
射状に酸化されていくため、ダークスポットは、最初に
発生した部分を核として、経時的に面方向に対して放射
状に成長していく。
は、有機EL素子を樹脂等の封止部材で封入するか、反
対側にさらに基板を設け、基板間にシリコンオイルを介
在させることによって、カソード電極に酸素や水分が侵
入しないようにする手法が用いられていた。しかしなが
ら、これらの封止部材やシリコンオイルによってもカソ
ード電極への酸素や水分の侵入を完全に抑止することは
できず、ダークスポットの成長と止めることができなか
った。
として複数の画素にわたって形成されている有機EL素
子では、カソード電極の酸化はピンホールが生じた画素
のみならず、隣接する画素にも拡張していくため、発光
しない画素が順次増加していった。このため、1つの画
素のみが発光しないのであればそれを無視して使用を継
続することが可能な高精細の有機EL素子でも隣接する
画素までが発光できなくなると、使用の継続は事実上で
きなくなっていた。従って、いずれにしても時間の経過
と共にダークスポットが大きくなり、有機EL素子の視
認性が著しく悪くなるという問題があった。
術の問題点を解消するためになされたものであり、いわ
ゆるダークスポットの成長を抑止して、長期にわたり視
認性が良好な発光素子を提供することを目的とする。
め、本発明の発光素子は、第1の電極と、この第1の電
極上に形成され、複数の閉領域を形成し、かつ非導電性
の材料によって構成された隔壁部と、この隔壁部によっ
て形成された閉領域の内部に形成され、印加された電圧
に応じて発光する発光層と、前記閉領域の内部の前記発
光層上に形成され、前記隔壁部により互いに離間された
複数の第2の電極と、を備えることを特徴とする。
存在したパーティクルによって電極間ショートが発生
し、これがためにピンホールが生じ、そこから第2の電
極が酸化し始めても、第2の電極が隔壁部により互いに
離間されているので前記閉領域を越えて他の第2の電極
まで酸化されない。このため、上記発光素子では、いわ
ゆるダークスポットの成長が抑止され、長期にわたり良
好な視認性得ることができる。
記第2の電極は、前記隔壁部の上にも形成されているも
のとしてもよい
を隔壁部により形成することにより発光層及び第2の電
極をパターニングしなくても隣接するそれらと離間して
形成することができる。また、前記複数の閉領域は、一
画素内に形成されていることを好適とする。
より分割したので、1つの閉領域を核としてダークスポ
ットが発生しても隣接する閉領域にまで及ばないのでこ
の画素は長期にわたって点灯表示することができる。
の高さが、前記発光層の高さと前記第2の電極の高さと
の和より大きいことを好適とする。このため、隔壁部で
発光層と第2の電極とを容易に分離することができる。
電極上に前記複数の第2の電極を互いに接続し、前記複
数の第2の電極材料より高仕事関数の材料を含む第3の
電極が形成すれば、隣接する複数の第2の電極を等電位
にすることができる。
て形成される複数の閉領域は、それぞれ円形、楕円形、
正六角形の少なくとも1つから選択される形状としても
よい。
えば、有機エレクトロルミネッセンス材料によって構成
されている。
は、導電性を有する透明材料によって構成されており、
前記第2の電極は、前記第1の電極より仕事関数が低い
導電性材料によって構成され、前記隔壁部は、絶縁性を
示し、それ自体が酸素及び水を放出しない材料によって
構成されていることを好適とする。
明の実施の形態について説明する。
子1の構成を示す図である。この有機EL素子1は、単
純マトリクス方式のものであり、図示するように、基板
1a上に順に形成されたアノード電極1bと、有機EL
層1dと、カソード電極1cと、被覆電極1fとからな
る。アノード電極1bは、有機EL層1dに正孔を注入
する電極であり、有機EL素子1の走査電極(或いは信
号電極)として使用され、実質的に同一幅で互いに平行
に複数形成されている。カソード電極1cは、有機EL
層1dに電子を注入する電極であり、有機EL素子1の
信号電極(或いは走査電極)として使用され、アノード
電極1bと直交し、かつ実質的に同一幅で互いに平行に
複数形成されている。被覆電極1fは、カソード電極1
cの上に形成されている。有機EL層1dの形成前に
は、隔壁層が形成され、後述する発光部と非発光隔壁部
が形成される。なお、これらの電極や各層の構成材料や
厚さについては、後に詳しく説明する。
と非発光隔壁部7の1画素5分の構成を模式的に示す図
である。図示するように、有機EL素子1の各画素5
は、マトリクス状に形成された発光部6と、この発光部
6のマトリクスの間を埋め、発光部6を閉領域とするよ
うに縦横にそれぞれ平行して設けられた非発光隔壁部7
とから構成されている。発光部6は、1辺が20μmの
正方形であり、縦横に9個ずつ合計81個形成されてい
る。発光部6の間の非発光隔壁部7の幅は、4μmであ
る。すなわち、有機EL素子1の各画素5は、220μ
mの正方形である。
について、図3(図2のX−X’断面図)を参照して説
明する。図示するように、発光部6は、基板1a上にア
ノード電極1b、有機EL層1d、カソード電極1c、
被覆電極1fが順に形成されたものである。一方、非発
光隔壁部7は、基板1a上にアノード電極1b、隔壁層
1e、有機EL層1d、カソード電極1c、被覆電極1
fが順に形成されたものである。
ックなどによって構成されており、0.5mmの厚さを
有する。アノード電極1bは、発光部6及び非発光隔壁
部7とも一体に形成されたものであり、透明のITO
(Indium Tin Oxide)等によって構成され、250nm
の層厚を有する。
光隔壁部7にのみ格子状に連続して形成されており、S
iO2、SiNx等の絶縁性を有し、かつ酸素或いは水分
によって酸化されず、それ自体酸素及び水を放出しない
材料からなる。隔壁層1eの層厚は、500nmであ
る。
壁部7の両方に後述するように同一プロセスで形成され
るものであり、アノード電極1b或いは隔壁層1e側に
形成された正孔輸送層と、カソード電極1c側に形成さ
れた電子輸送性発光層とからなる。有機EL層1dの層
厚は、正孔輸送層及び電子輸送性発光層との両方を合わ
せて、100nmである。
なる。
2からなる。
し、電極間を電流が流れて正孔と電子とが再結合するこ
とによって励起されたエネルギーを電子輸送性発光層が
吸収することによって発光する。この有機EL層1d
は、電子輸送性発光層としてBebq2を用いているこ
とにより、アノード電極1bを介して基板1a側に緑色
の光を発するものである。
により発光部6と非発光隔壁部7との間で断裂し、各発
光部6のカソード電極1cは、隣接する発光部6のカソ
ード電極1cと不連続に構成される。カソード電極1c
は、後述するように発光部6と非発光部12の両方に同
一プロセスで形成されるものであり、有機EL層1dの
電子輸送性発光層に電子が注入されやすくするようにM
gまたはMg合金等の低仕事関数の導電性材料から構成
されており、200nmの層厚を有する。
と非発光部12の両方に同一プロセスで形成されるもの
であり、Al等の導電性に極めて影響のなるような酸化
が起こりにくい高仕事関数の導電性材料によって構成さ
れ、隣接する発光部6に跨って連続的にカソード電極1
cを覆うように形成されている。この被覆電極1fによ
って酸化されやすいMgまたはMg合金等の導電性材料
から構成されたカソード電極1cの酸化を防ぐものであ
る。被覆電極1fは、1000nmの層厚を有する。
L素子1は、樹脂等で構成された封止部材によって封止
されるか、或いは被覆電極1f側にもう1枚基板が設け
られ、両基板の間にシリコンオイルが封入される。これ
により、酸素や水分の侵入を防いでいる。
について、図4(A)〜図4(E)を参照して、説明す
る。なお、これらの図は、図2のX−X断面となる部分
を示すものであり、図3に示した部分に対応するもので
ある。
50nmの層厚となるまでITOの薄膜を堆積させる。
そして、堆積させたITOのうちの不要部分、すなわち
複数を平行に形成するアノード電極1bとなる部分以外
の部分をフォトリソグラフィー法により取り除く。これ
により、基板1a上に走査電極となるアノード電極1b
を形成する(工程(A))。
成した基板1aの上にCVD(Chemical Vapor Deposit
ion)法で500nmの層厚となるまでSiO2を堆積さ
せる。そして、堆積させたSiO2のうちの不要部分、
すなわち発光部6となる部分以外の部分をフォトリソグ
ラフィー法により取り除く。これにより、アノード電極
1bが形成された基板1aの上に非発光隔壁部7に設け
られる隔壁層1eが形成される(工程(B))。
及び隔壁層1eを形成した基板1aの上に、50nmの
層厚となるまで正孔輸送層材料であるα−NPDを真空
蒸着する。さらに、α−NPDの真空蒸着が終了した
後、50nmの層厚となるまで電子輸送性発光層材料で
あるBebq2を真空蒸着する。これにより、発光部6
及び非発光隔壁部7の双方に100nmの層厚の有機E
L層1dが不連続的に形成される(工程(C))。
ド電極1cに対応する領域の窓を設けたメタルマスクを
所定の位置に合わせて、200nmの層厚となるまでM
gを真空蒸着する。カソード電極1cは、隔壁層1eに
より発光部6と非発光隔壁部7との間で断裂し、各発光
部6のカソード電極1cは、隣接する発光部6のカソー
ド電極1cと不連続である。こうしてメタルマスクの窓
の部分にMgが真空蒸着され、工程(C)で形成された
有機EL層1d上に信号電極となる互いに平行に複数設
けられたカソード電極1cが形成される(工程
(D))。
タルマスクを位置合わせしたまま、1000nmの層厚
となるまでAlを真空蒸着する。こうして、メタルマス
クの窓の部分にAlが真空蒸着され、工程(D)で形成
されたカソード電極1cの上に発光部6と非発光隔壁部
7とを跨いで連続的に被覆電極1fが形成される(工程
(E))。
スポットの成長の過程について、図5(A)〜図5
(D)を参照して、説明する。これらの図において、上
段は発光部6と非発光隔壁部7とを模式的に平面図で示
すものであり、下段はそれぞれ上段の図のA−A’断面
図、B−B’断面図、C−C’断面図、D−D’断面図
である。
図の中央の発光部6のアノード電極1bとカソード電極
1cとの間に、製造プロセス上の問題によってパーティ
クルPが存在したとする。このようなパーティクルPが
存在することになった有機EL素子1の画素5の有機E
L層1dにキャリアを注入するためには、アノード電極
1bとカソード電極1cとの間に電圧を印加し、例え
ば、5000V/m程度の電界を印加する必要がある。
1cとの間にこのように強度が強い電界を印加すると、
パーティクルPが導電性であった場合、パーティクルP
が存在する部分でアノード電極1bとカソード電極1c
との間がショートする。このショートによって生じたエ
ネルギーによって、図5(B)の下段の断面図に示すよ
うにカソード電極1c、被覆電極1f(及び有機EL層
1d)が欠損し、上段の平面図に○印で示すピンホール
が生じる。また、パーティクルは、導電性、非導電性で
あるに関わらず、アノード電極1bの形成後から被覆電
極1fの形成までの間に発生することがある。このパー
ティクルの立体的障害により、有機EL層1dにピンホ
ールが生じ、ピンホールを介してアノード電極1bとカ
ソード電極1cとの間がショートし、被覆電極1fが欠
損し、ピンホールを発生することもある。
ールから酸素或いは水分が侵入し、図5(C)に黒く塗
りつぶして示すように、このピンホールを中心として時
間の経過と共に発光部6のカソード電極1cが順次酸化
していき、発光部6にダークスポットが拡散的に広がっ
ていく。黒色部は少なくともその厚さ方向の一部が酸化
していることにより、電子注入性が著しく損なわれたカ
ソード電極1cのダークスポットに対応する部分であ
る。
1cの酸化された部分、すなわち発光部6のダークスポ
ットが成長していくが、このダークスポットの成長は、
図5(D)に示すように、非発光隔壁部7の隔壁層1e
によって抑止され、隣接する発光部6に広がっていかな
い。すなわち、ダークスポットは発光部6のカソード電
極1cが連続して成膜されている領域までは成長する
が、非発光隔壁部7の隔壁層1eの段差により隣接する
発光部6のカソード電極1cは不連続となっているので
酸化されない。従って、ダークスポットの成長は、1つ
の発光部6で抑えられる。
最大でも400μm2以下に抑えられ、周囲の非発光隔
壁部7を含めても連続して発光しない部分の面積は、7
84μm2以下となる。発光しない部分の面積は、この
程度であれば、目視してもそれを認識することができな
い。また、1つの画素5において、発光する光量も、ダ
ークスポットが生じても、ダークスポットが生じない場
合の80/81としかならないので、目視によって認識
することができない程度である。従って、実用上は、何
らの差し支えとなることがない。
機EL素子1では、パーティクルの存在などによって有
機EL層1dに発生したピンホールから電極間がショー
トして低仕事関数のカソード電極1cが露出し、そこか
らカソード電極1cが酸化されても、その酸化は非発光
隔壁部7(隔壁層1e)によって止められる。従って、
いわゆるダークスポットの成長は、パーティクルが存在
した発光部6のみで済むこととなる。従って、ダークス
ポットが生じても、その画素5の発光の差は、目視では
ほとんど識別できず、実用上何らの問題も生じない。こ
のため、有機EL素子1の長期にわたり良好な視認性を
維持することができる。
は、隣接する画素において被覆電極1fが連続して形成
されているが、1つの画素においてピンホールが生じて
ダークスポットが発生しても、その影響が隣接する画素
に及ぶことがない。
各画素5の発光部6の形状は、正方形であったが、本発
明はこれに限られない。例えば、図6に示すように、発
光部6’を円形(楕円形でも可)とした構造とし、発光
部6’の周囲に非発光隔壁部7’を設けることによって
角部に生じる応力集中等による欠陥の発生を回避するこ
とができる。
六角形としてハニカム構造とし、発光部6’の周囲に非
発光隔壁部7”を設けることによって、最密充填構造を
維持しつつ、発光部6”の非発光隔壁部7”に対する割
合を最大にすることができる。
おいて、アノード電極、カソード電極、被覆電極、有機
EL層及び隔壁層を積層する構造及びその製造プロセス
は、上記の実施の形態で示したもの(図3及び図4)と
同一である。
が20μmの正方形であり、その面積は400μm2で
あった。また、非発光隔壁部7の幅は、4μmであっ
た。しかしながら、これらの面積及び幅は、上記のもの
に限るものではない。但し、一般に、発光部6の面積を
10000μm2以下、非発光隔壁部7の幅を50μm
以下とすることによって、1つの発光部6で生じたダー
クスポット及び非発光隔壁部7の存在が目視では識別で
きないものとなる。
の厚さは250nm、カソード電極1cの厚さは200
nm、有機EL層1dの厚さは100nm、隔壁層1e
の厚さは500nm、被覆電極1fの厚さは1000n
mとしていた。しかしながら、これらの厚さは、発光部
6のカソード電極1cと非発光隔壁部7のカソード電極
1cとが接触しないように、隔壁層1eの厚さをカソー
ド電極1cの厚さよりも厚くし、隔壁層1eの段差によ
り被覆電極1fが不連続にならないようにすれば任意の
厚さにすることができる。
後、有機EL層1dを全体に形成していた。このため、
隔壁層1eの上にも有機EL層1dが形成されることと
なっていた。しかしながら、例えば、フォトリソグラフ
ィフィー法を使用することによって、隔壁層1eの上に
有機EL層を形成しないようにしてもよい。但し、この
場合は、発光部6のカソード電極1cと非発光隔壁部7
のカソード電極1cとが接触しないように、隔壁層1e
の厚さをカソード電極1cの厚さと有機EL層1dとの
和よりも厚くする必要がある。
リクス方式の有機EL素子1の各画素5に適用した場合
について説明したが、アクティブマトリクス方式の有機
EL素子の各画素にも適用することもできる。以下、こ
の発明に係るアクティブ駆動型電界発光表示装置の詳細
を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
の駆動回路図である。同図に示すように、電界発光素子
としての有機EL素子101が、X−Yマトリクス状に
配置されたそれぞれの画素領域に形成されている。これ
らの画素領域は、複数の走査ラインXと複数の信号ライ
ンYとがそれぞれ交差する部分に形成されている。1つ
の画素領域には、走査ラインXおよび信号ラインYに接
続された選択トランジスタQ1と、この選択トランジス
タQ1に接続されたキャパシタCp1及びゲートが接続
された駆動トランジスタQ2とが設けられている。この
駆動トランジスタQ2は、有機EL素子101の一方の
電極(図ではアノード電極)に接続されている。そし
て、選択トランジスタQ1が走査ラインXからの選択信
号により選択され、且つ信号ラインYより駆動信号が出
力されると駆動トランジスタQ2がオン状態になるよう
に設定されている。なお、駆動トランジスタQ2は、オ
フ状態では有機EL素子101に比べて充分高抵抗で、
オン状態では有機EL素子101に比べて無視できるほ
ど充分低抵抗となるようにその特性が設定されている。
装置の更に具体的な構成を、図9および図10を用いて
説明する。図9は、本実施形態における電界発光表示装
置の1画素部分を示す平面図である。図10は、図9の
E−E’断面図である。図中100は電界発光表示装置
を示している。
ガラス或いは樹脂フィルムからなる基板102の上に例
えばアルミニウム(Al)でなるゲートメタル膜がパタ
ーニングされてなる、所定方向(X方向)に沿って平行
かつ等間隔をなす複数の走査ライン103と、この走査
ライン103に一体的な、選択トランジスタQ1のゲー
ト電極103Aと、駆動トランジスタQ2のゲート電極
103Bと、が形成されている。なお、これらゲート電
極103A、103Bおよび走査ライン103の表面に
は、陽極酸化膜104が形成されている。また、これら
走査ライン103、ゲート電極103A、103Bおよ
び基板102の上には、窒化シリコンでなるゲート絶縁
膜105が形成されている。さらに、ゲート電極103
A、103Bの上方のゲート絶縁膜105A、105B
の上にはそれぞれ、アモルファスシリコン又はポリシリ
コンでなる半導体層106A、106Bがパターン形成
されている。また、それぞれの半導体層106A、10
6Bの中央には、チャネル幅方向に沿って形成されたブ
ロッキング層107A、107Bが形成されている。そ
して、半導体層106Aの上には、ブロッキング層10
7A上でソース側とドレイン側とに分離されたオーミッ
ク層108A、108Aが形成されている。さらに、選
択トランジスタQ1においては、ドレイン側のオーミツ
ク層108Aに横層されて接続する信号ライン109A
と、ソース側のオーミック層108Aに積層されて接続
するソース電極109Bとが形成されている。
うに、駆動トランジスタQ2のゲート電極103Bに対
して、ゲート絶縁膜105に閉口したコンタクトホール
110を介して接続されている。駆動トランジスタQ2
においては、ソース側のオーミック層108Bに積層さ
れて接続するGND線111と、一端がドレイン側のオ
ーミック層108Bに積層されて接続し、且つ他端が有
機EL素子101の後記するアノード電極114に接続
するドレイン電極112が形成されている。また、ゲー
ト電極103Bとゲート絶縁膜105とGND線11と
でキャパシタCp1が構成される。
る。まず、上註した選択トランジスタQ1、駆動トラン
ジスタQ2およびゲート絶縁膜105の上に、電界発光
表示装置100の発光表示領域全域にあって、層間絶縁
膜113が堆積されている。そして、上記した駆動トラ
ンジスタQ2のドレイン電極112の端部上の層間絶縁
膜113にコンタクトホール113Aが形成されてい
る。なお、本実施形態では、駆動トランジスタQ2のド
レイン電極112の端部は、1画素領域の略中央に位置
するように設定されている。そして、層間絶縁膜113
の上に、可視光に対し透過性を示す、例えばITOでな
るアノード電極114が略1画素領域全域に亙って矩形
状に形成されている。すなわち、アノード電極114
は、相隣接する信号ライン109A、109Aと相隣接
する走査ライン103、103とで囲まれる領域(1画
素領域)を略覆うように形成されている。このため、選
択トランジスタQ1と駆動トランジスタQ2とは、アノ
ード電極114で全面的に覆われている。
発光隔壁部122とが形成されている。発光部121の
アノード電極114上には、有機EL層115が、隣接
する発光部121の有機EL層115と離間して形成さ
れている。そして、発光部121の有機EL層115上
にはMg又はMg合金等の低仕事関数の導電性材料から
なるカソード電極116が形成されている。非発光隔壁
部122のアノード電極114上には、SiO2等の絶
縁性材料からなる隔壁層117が、1画素全域にわたっ
て発光部121を囲むように格子状に連続して形成され
ている。隔壁層117の上には、発光部121と一括し
て形成された有機EL層115、カソード電極116が
順次積層して設けられている。発光部121のカソード
電極116と非発光隔壁部122のカソード電極116
上には、Alからなる被覆電極118が両部121,1
22を跨って形成されている。被覆電極118は基板全
面に形成されてもよく、各走査ラインXに沿った行方向
の有機EL素子101のカソード電極116上を跨るよ
うに形成されてもよい。この場合、被覆電極118は、
図8に示す行コモンラインZに接続することになる。
1つの発光部121のカソード電極116の酸化により
発生した場合、1つの発光部121の面積を超えて成長
しないので、長期にわたり極めて視認性が良好であり、
また、有機EL素子はその有機EL層が薄いほど印加電
圧に対する輝度が高くなる傾向があるが、有機EL層の
ピンホールの発生を解消するために有機EL層を層厚を
厚くしたりする必要がないので低電圧で高い輝度で発光
することができる。
表示を行う有機EL素子について説明したが、本発明
は、セグメント表示を行う有機EL素子の各セグメント
や、ピクト表示を行う有機EL素子の各ピクトについて
も適用することができる。携帯電話やPHS等の表示部
のバックライトとして用いる全面発光型の有機EL素子
にも適用することができる。
は、α−NPDからなる正孔輸送層とBebq2からな
る電子輸送性発光層の2層構造で、有機EL素子1は、
緑色の単色光を発光するものとしていた。しかしなが
ら、有機EL層1dは、正孔輸送層、発光層及び電子輸
送層からなる3層構造のものとしてもよい。また、使用
する有機EL材料も上記のものに限るものではなく、他
の材料を使用して他の色を発色できるようにしてもよ
い。さらには、例えば、赤、緑、青のそれぞれの波長成
分の光を発する有機EL層を所定の順序で形成して、マ
ルチカラーまたはフルカラー表示を行うものとしてもよ
い。
以下とすることによって、本発明の発光素子において最
大限ダークスポットが拡大しても、目視では識別できな
いものとなる。また、隔壁部の幅を50μm以下とする
ことによって、隔壁部の存在が目視では識別できないも
のとなる。
し、分割される発光領域のレイアウトを再密充填構造と
することによって、応力の集中に起因する欠陥の発生を
回避することができる。さらに、閉領域の形状を正六角
形とすることによって、再密充填構造を維持しつつ、隔
壁部に対する発光領域の面積の割合を最大にすることが
でき、明るい表示を得ることができる。
方式の発光素子に適用することによって、1つの画素に
生じたダークスポットが他の画素の領域にまで広がっ
て、他の画素の表示に影響することがない。
では、隔壁部によって閉領域を形成することによって、
ピンホールが生じてもこの閉領域内で第2の電極の酸化
の進行が抑止される。このため、発光素子において、い
わゆるダークスポットの成長が抑止され、長期間にわた
って良好な視認性を維持することができる。
す図である。
に示す図である。
工程を示す図である。
るダークスポットの成長の過程を説明する図である。
素分の構成を模式的に示す図である。
素分の構成を模式的に示す図である。
の等価回路の構成を示す図である。
に示す図である。
ード電極、1c・・・カソード電極、1d・・・有機EL層、
1e・・・隔壁層、1f・・・被覆電極、5・・・画素、6、
6’、6”・・・発光部、7、7’、7”・・・非発光隔壁部
Claims (8)
- 【請求項1】第1の電極と、 この第1の電極上に形成され、複数の閉領域を形成し、
かつ非導電性の材料によって構成された隔壁部と、 この隔壁部によって形成された閉領域の内部に形成さ
れ、印加された電圧に応じて発光する発光層と、 前記閉領域の内部の前記発光層上に形成され、前記隔壁
部により互いに離間された複数の第2の電極と、 を備えることを特徴とする発光素子。 - 【請求項2】前記発光層及び前記第2の電極は、前記隔
壁部の上にも形成されている、 ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。 - 【請求項3】前記複数の閉領域は、一画素内に形成され
ている、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子。 - 【請求項4】前記隔壁部は、その高さが前記発光層の高
さと前記第2の電極の高さとの和より大きい、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
の発光素子。 - 【請求項5】前記複数の第2の電極上に前記複数の第2
の電極を互いに接続し、前記複数の第2の電極材料より
高仕事関数の材料を含む第3の電極が形成されている、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
の発光素子。 - 【請求項6】前記隔壁部によって形成される複数の閉領
域は、それぞれ円形、楕円形、正六角形の少なくとも1
つから選択される形状である、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
の発光素子。 - 【請求項7】前記発光層は、有機エレクトロルミネッセ
ンス材料によって構成されている、 ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載
の発光素子。 - 【請求項8】前記第1の電極は、導電性を有する透明材
料によって構成されており、 前記第2の電極は、前記第1の電極より仕事関数が低い
導電性材料によって構成されており、 前記隔壁部は、絶縁性を示し、それ自体が酸素及び水を
放出しない材料によって構成されている、 ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載
の発光素子。
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