JP2002164164A - 有機el素子 - Google Patents

有機el素子

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JP2002164164A JP2000359836A JP2000359836A JP2002164164A JP 2002164164 A JP2002164164 A JP 2002164164A JP 2000359836 A JP2000359836 A JP 2000359836A JP 2000359836 A JP2000359836 A JP 2000359836A JP 2002164164 A JP2002164164 A JP 2002164164A
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/844Encapsulations

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で成膜可能であり且つピンホールの発
生を防止した保護膜を有する有機EL素子を提供する。 【解決手段】 陽極20、発光層32を含む有機層3
0、陰極40の順に積層された積層体、及び、陰極40
の間を分断する隔壁50よりなる層状物20〜50が、
基板10上に形成されており、基板10上には、層状物
20〜50の上を被覆して保護する保護膜60が形成さ
れており、この保護膜60は、層状物の最大厚さである
隔壁50の厚さ以上の厚さを有するとともに、基板10
側から順に第1の膜61、第2の膜62が積層された2
層構造となっており、第2の膜62は、第1の膜61よ
りも薄く且つ防湿機能が高いものとしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の電極とこれ
ら一対の電極間に挟まれた有機発光材料よりなる発光層
とを含む層状物、及び、層状物の上を被覆して保護する
保護膜が、基板上に形成されてなる有機EL素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、有機EL素子は、一対の電極と
これら一対の電極間に挟まれた有機発光材料よりなる発
光層とを含む層状物が、基板上に形成されてなるもので
ある。このような有機EL素子は、自己発光のため、視
認性に優れ、かつ数V〜数十Vの低電圧駆動が可能なた
め駆動回路を含めた軽量化が可能である。そこで、有機
EL素子は、薄膜型ディスプレイ、照明器具、バックラ
イト等としての活用が期待できる。
【0003】このような有機EL素子においては、作動
時の環境中の水分等によってダークスポットと呼ばれる
非発光部が形成されるという問題があった。この問題に
対して、従来より、ステンレス等よりなる缶を用いて素
子の外周を接着剤(例えば紫外線硬化型の接着剤)で封
止する方法が採用されている。
【0004】この缶封止構造の場合、封止された中空部
分には乾燥窒素を封入し、且つ、吸湿剤(酸化バリウム
等)を保持することで、外部から侵入してくる水分を吸
着するようにしている。しかしながら、この缶封止構造
の場合、金属製の封止缶の厚さが2〜3mm程度あるた
め素子全体が厚くなってしまうことや、封止に係る部材
が多く、組付工程に手間がかかり、コストが高くなると
いった問題があった。
【0005】そこで、この缶封止構造の問題を解決する
手法として、SiNからなるプラズマCVD法を用いた
保護膜がある(第46回応用物理学関係連合講演会 講
演予稿集、p.1279(1999年3月))。この方
法では、2μmの厚さのSiNからなる防湿性の保護膜
によって、基板上にて層状物を被覆して保護することに
より、水分の侵入を防ぎ、ダークスポットの発生・拡大
を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SiN
からなるプラズマCVD法を用いた保護膜では、保護膜
の形成時において、成膜速度向上のためにプラズマのパ
ワーを増加させた場合や高温で成膜した場合、基板上の
有機層が分解することによって非発光部が発生するとい
う問題がある。
【0007】そこで、低パワーで成膜する必要がある
が、低パワーで2μmの厚さのSiNからなる保護膜を
形成する場合、数時間程度の成膜時間が必要であり、生
産性を考慮した場合、時間がかかり結果としてコストが
高くなるという問題がある。
【0008】さらに、短時間で保護膜を形成するために
は、単純に防湿性の保護膜の厚さを薄くすればよいが、
その場合、有機EL素子の基板上に存在する凹凸を覆い
きることが難しい。そのため、被覆状態の悪い凹凸部で
は、保護膜にピンホールが存在し、そのピンホールが水
分侵入の経路となり、ダークスポットの発生に至ること
になってしまう。
【0009】本発明は上記問題に鑑み、短時間で成膜可
能であり且つピンホールの発生を防止した保護膜を有す
る有機EL素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、一対の電極(20、4
0)とこれら一対の電極間に挟まれた有機発光材料より
なる発光層(32)とを含む層状物(20〜50)が、
基板(10)上に形成されてなる有機EL素子におい
て、基板上には、層状物の上を被覆して保護する保護膜
(60)が形成されており、この保護膜は、層状物の最
大厚さ以上の厚さを有するとともに、基板側から順に第
1の膜(61)、第2の膜(62)が積層された2層以
上の積層構造となっているものであり、第2の膜は、第
1の膜よりも薄く且つ防湿機能が高いものであることを
特徴としている。
【0011】それによれば、保護膜を、層状物の最大厚
さ以上の厚さを有するものとすることにより、基板上の
層状物により形成された最大の凹凸部までも良好に被覆
して平坦化することができ、保護膜のピンホール発生を
防止できる。
【0012】そして、保護膜を少なくとも2層の積層構
造とし、上層側の第2の膜を、下層側の第1の膜よりも
薄く且つ防湿機能が高いものにすることにより、主とし
て防湿の役目を担う第2の膜を比較的薄いものにできる
と共に、比較的厚い下層側の第1の膜として成膜速度の
速い材質や成膜方法を採用することにより、成膜速度の
短時間化を確保できる。
【0013】よって、本発明によれば、短時間で成膜可
能であり且つピンホールの発生を防止した保護膜を有す
る有機EL素子を提供することができる。ここで、請求
項2に記載の発明のように、保護膜(60)を、第1の
膜(61)が層状物(20〜50)の最大厚さ以上の厚
さを有するものにすることができる。
【0014】また、請求項3に記載の発明では、層状物
(20〜50)は、基板(10)上の領域を複数個の画
素に区画するために基板上に形成された隔壁(50)を
含むものであり、この隔壁の厚さが、層状物の最大厚さ
となっていることを特徴としている。請求項1または請
求項2の発明は、このような有機EL素子においても上
記した効果を発揮する。
【0015】また、請求項4に記載の発明では、保護膜
(60)の最表面層は、機械的な保護層として機能する
ようになっていることを特徴としている。それによれ
ば、後工程で機械や人間が触った場合に、保護膜に穴が
あくのを防止することができる。
【0016】また、請求項5に記載の発明では、保護膜
(60)における最も基板(10)側の層の熱膨張係数
が、基板と同一のオーダーであることを特徴としてい
る。それによれば、素子が高温で作動する場合でも、基
板や被覆している層状物とともに保護膜が同様に変形す
るため、ピンホールの発生を防止するには好ましい。
【0017】また、保護膜の全応力が小さい方が、保護
膜にクラックが発生しにくいことに着目して実験検討し
たところ、保護膜の全応力が200N/mを超えると、
その応力によってクラックが発生した。そこで、保護膜
におけるクラックの発生を防止するためには、請求項6
に記載の発明のように、保護膜(60)の全応力が20
0N/m以下であることが好ましい。
【0018】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1は、本実施形態に係る有機EL
素子の概略断面図、図2は、図1における有機EL素子
の上視平面図である。10は、可視光に対して透明性を
有する基板であり、例えば、ガラス基板より構成されて
いる。
【0020】基板10の一面上には、透明性を有する導
電膜からなる陽極20がスパッタ法等により形成されて
いる。陽極20は、例えばITO(インジウム−錫の酸
化物)やインジウム−亜鉛の酸化物等より構成すること
ができ、その膜厚は100nm〜1μm程度であり、好
ましくは150nm程度とすることができる。本例の陽
極20は、厚さ150nmのITOとしている。
【0021】陽極20の上には、正孔輸送性の有機材料
よりなる正孔輸送層31、有機発光材料(例えば蛍光色
素を電子輸送性または正孔輸送性の有機材料にドープし
たもの)よりなる発光層32、電子輸送性の有機材料よ
りなる電子輸送層33が、順次積層形成されている。本
実施形態では、これら積層された各層31〜33によ
り、発光部としての有機層30が構成されている。
【0022】本例では、正孔輸送層31は、α−NPD
(α−ナフチル・フェニル・ベンゼン)とし、発光層3
2は、電子輸送性のAlq(トリス(8−キノリール)
アルミニウム)に蛍光色素としてのクマリンを1%添加
した電子輸送性の発光層とし、電子輸送層33はAlq
としている。各層31〜33は真空蒸着法により形成で
きる。そして、有機層30の全膜厚は0.1μm程度と
している。
【0023】なお、有機層30は、正孔輸送層31、発
光層32、電子輸送層33の積層構成に限定されるもの
ではなく、正孔注入層や電子注入層が存在していても良
い。また、発光層は電子輸送性でも正孔輸送性でも良
い。さらには、発光部としての有機層30は公知の構成
も採用可能である。
【0024】また、電子輸送層33の上には、陰極40
が形成されている。陰極40としては、AlやMg−A
g等の金属材料等を採用することができる。本例では、
陰極40は、電子注入性を高めるために電子輸送層33
側にLiF(フッ化リチウム)、このLiFの上にアル
ミニウムが成膜された2層構造としている。
【0025】このように、本実施形態では、一対の電極
20、40と、これら一対の電極20、40間に挟まれ
た正孔輸送層31、発光層32、電子輸送層33とが、
基板10上に形成されている。
【0026】ここで、有機EL素子においては、両電極
20、40の重なり合う部分が、表示部としての画素を
構成する。本例では、図1及び図2に示す様に、陽極2
0及び陰極40は共に複数本のものがストライプ状に平
面的に配列しており、陽極20及び陰極40は互いに直
交して対向している。そのため、図示しないが、複数個
の画素が格子状に配列した形となっている。
【0027】そして、隣り合う個々の陰極40の間に
は、樹脂よりなる隔壁50が形成されており、個々の陰
極40を分断している。つまり、隔壁50は、基板10
上の領域を複数個の画素に区画するために形成されたも
のと言える。ここで、隔壁50は、陰極40を成膜する
際のマスクの役目を担うものであり、隔壁50により、
隣り合う画素の陰極40が分断され、電気的にも分離さ
れる。
【0028】このように、本実施形態では、基板10上
には、一対の電極20、40、有機層30、及び隔壁5
0よりなる層状物が形成されている。そして、隔壁50
の厚さ(高さ)は、上記した陰極40の分断機能を発揮
するために陰極40の高さ以上となっている。そのた
め、基板10上における層状物20〜50の最大厚さ
は、隔壁50の厚さであり、本例では約2μmである。
【0029】また、基板10上には、層状物20〜50
の上を被覆して保護するための保護膜60が形成されて
いる。この保護膜60は、層状物20〜50の最大厚さ
以上の厚さ(本例では隔壁50の厚さ約2μm)を有す
るとともに、基板10側から順に第1の膜61、第2の
膜62が積層された2層構造となっている。そして、第
2の膜62は、第1の膜61よりも薄く且つ防湿機能が
高いものである。
【0030】ここで、比較的厚い第1の膜61は、主と
して基板10上の凹凸を平坦化する役目を担うもので、
例えば、気相重合により形成されたパリレン、有機材料
からなるフラン等のプラズマ重合膜、SiO2等のスパ
ッタ膜など、μmオーダーの膜を短時間で形成できる方
法及び材質を採用することができる。
【0031】一方、比較的薄い第2の膜62は、主とし
て非被覆物の防水の役目を担うもので、例えば、Al2
3やTiO2等の防湿性の膜よりなるものとでき、その
形成方法としては、ALE(アトミックレイヤーエピタ
キシー)法、スパッタ法、CVD法(化学蒸着法)等を
採用することができる。
【0032】本例の保護膜60では、第1の膜61を、
気相重合によって隔壁50の厚さ(層状物の最大厚さと
同程度の厚さ(約2μm)に形成されたパリレンよりな
るものとし、第2の膜62を、ALE法によって約0.
1μmの厚さに形成されたAl23としている。
【0033】かかる有機EL素子の製造方法の一例につ
いて、概略的に述べておく。まず、ガラス基板10上
に、スパッタ法等を用いてパターニングされたITOよ
りなる陽極20を形成する。次に、隔壁50を形成す
る。まず、基板10上の全面に隔壁50となるネガ型の
光感光性樹脂(レジスト)をスピンコートし、隔壁50
となる部分以外に光照射する。
【0034】その後、現像材料を用いて、隔壁50以外
の部分の光感光性樹脂を溶解し除去する。このとき、上
述したような、隔壁50における陰極40を形成する際
のマスクとしての機能を十分に発揮させるために、隔壁
50の先端側に向かって逆テーパ形状になるようにオー
バーエッチングする。次に、正孔輸送層31、発光層3
2、電子輸送層33を真空蒸着法により形成し、さら
に、陰極40を成膜する。
【0035】次に、上述したように、気相重合によって
約2μmの厚さのパリレンよりなる第1の膜61を形成
し、ALE法によって約0.1μmの厚さのAl23
りなる第2の膜62を形成する。こうして、保護膜60
が完成し、図1に示す有機EL素子が完成する。
【0036】かかる有機EL素子においては、対向する
陽極20と陰極40との間に直流電流(駆動電流)を印
加することにより、陽極20から正孔輸送層31を介し
て発光層32へ正孔を注入する一方、陰極40から電子
輸送層33を介して発光層32へ電子が注入される。
【0037】すると、発光層32の内部にて電子と正孔
とが再結合し、励起子を生成する。発光層32内の蛍光
色素は、この励起子のエネルギーを授受し、固体状態の
蛍光ピーク波長に応じた発光色(本例のAlqにクマリ
ンを1%ドープした発光層では緑色)にて発光し、基板
10側からの発光として視認される。本例では、10V
の駆動電流で5000cd/m2の高輝度な緑色発光が
得られた。
【0038】ところで、本実施形態によれば、保護膜6
0を、層状物20〜50の最大厚さ以上の厚さを有する
ものとすることにより、基板10上の層状物20〜50
により形成された最大の凹凸部までも良好に被覆して平
坦化することができ、保護膜60のピンホール発生を防
止できる。
【0039】そして、保護膜60における上層側の第2
の膜62を、下層側の第1の膜61よりも薄く且つ防湿
機能が高いものにすることにより、主として防湿の役目
を担う第2の膜62を比較的薄いものにできると共に、
比較的厚い下層側の第1の膜61として成膜速度の速い
材質や成膜方法を採用することにより、成膜速度の短時
間化を確保できる。
【0040】ちなみに、上記した本例の保護膜60(厚
さ約2.1μm)の形成では、約1時間程度の成膜時間
であり、従来のSiNからなるプラズマCVD法を用い
た保護膜(厚さ約2μm)を適切なパワーにて形成した
ときの成膜時間(約3時間)に比べて、成膜時間を大幅
に短縮できた。
【0041】よって、本実施形態によれば、短時間で成
膜可能であり且つピンホールの発生を防止した保護膜を
有する有機EL素子を提供することができる。そして、
水分の侵入が極力抑制され、ダークスポットを防止した
有機EL素子を実現することができる。
【0042】なお、本例では、保護膜60において、第
1の膜(パリレン)61の厚さを、層状物20〜50の
最大厚さ(隔壁の厚さ、約2μm)と同程度としたが、
同等以上あるいは同等以下でもよい。しかし、第1の膜
61は、主として平坦化の役目を担うため、第1の膜6
1の厚さは、層状物20〜50の最大厚さ以上とする方
が、平坦性向上のためには好ましいと考える。
【0043】また、本実施形態においては、保護膜60
における最も基板10側の層(本例ではパリレンよりな
る第1の膜61)の熱膨張係数が、基板(本例ではガラ
ス)10と同一のオーダーであることが好ましい。この
ようにすれば、有機EL素子が高温で作動する場合で
も、基板10や被覆している層状物20〜50とともに
保護膜60が同様に変形するため、ピンホールの発生を
防止しやすい。
【0044】また、本実施形態においては、保護膜60
の全応力が200N/m以下であることが好ましい。こ
れは、本発明者等の検討によれば、保護膜の全応力が2
00N/mを超えると、その応力によってクラックが発
生した実験事実があり、このことから言えることであ
る。
【0045】なお、保護膜は2層以外に、3層以上でも
よい。例えば、第1の膜を2層以上とし、その上に第2
の膜を積層してもよい。さらに、上記実施形態におい
て、第2の膜62の上に、機械的な保護を行う機械的保
護層を形成して3層以上の保護膜60の構成としてもよ
い。この場合、保護膜60の最表面層は、機械的な保護
層として機能し、後工程で機械や人間が触った場合に、
保護膜60に穴があくのを防止することができる。
【0046】このような最表面層が機械的な保護層であ
る保護膜60の具体例を、本実施形態の変形例として次
に示しておく。図3は、第1の変形例であり、図1に示
した保護膜60において、第2の膜62の上に更に、樹
脂からなる膜厚が0.1mmから1mm程度の第3の膜
63を形成し、この最表面層である第3の膜63が機械
的な保護層として機能するものである。その材質として
は、シリコン系のシール材や、粘着剤付のプラスチック
フィルム等でも良い。
【0047】図4は第2の変形例であり、図1に示した
保護膜60において、第2の膜62の上に更に、積層構
造を有する機械的な保護層を形成するものである。図示
例では、機械的な保護層64は下層64a、上層64b
の2層である。
【0048】具体的には、この保護層64は、上層64
bとして厚さ1mm程度のプラスチックや金属の板を用
い、下層64aとして接着剤を用いる。この接着剤とし
ては、100℃程度で硬化するもの、紫外線(UV)で
硬化するもの、及び2液硬化性のもの等が使用可能であ
る。
【0049】なお、本実施形態において、図1に示す様
な保護膜60を形成する際、図3に示す第3の膜63を
形成する際、または、図4に示す保護層64を形成する
際に、有機層30のガラス転移温度Tgに30℃程度を
加えた温度以下(例えば80℃〜150℃)の温度を加
えることが好ましい。
【0050】この温度処理によって、有機層中の分子配
置を整え、輝度の長期安定性を維持しやすくなる(長寿
命効果)。通常、Tgを超えると有機膜が劣化するとも
言われているが、本発明者等の検討では、保護膜60を
形成するような数時間以内のプロセスにおいては、(T
g+30)℃程度以下の温度であれば、劣化しないこと
を見出している。
【0051】さらに、上記長寿命効果を発現させる上
で、より高温にするほど、有機層中の分子配置を短時間
に整えることができるという、本発明者等の実験確認も
行っており、その点からも、この高温処理の必要性は大
きい。
【0052】なお、上記実施形態では、隔壁50の厚さ
が基板10上の最大厚さとなっているが、隔壁の無い構
成であっても良いことは勿論である。その場合、基板1
0上の層状物の中で最大の段差を持つ凹凸部(例えば図
1における陰極間の段差部)が、上記最大厚さとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る有機EL素子の概略断
面図である。
【図2】図1における有機EL素子の上視平面図であ
る。
【図3】上記実施形態の第1の変形例を示す概略断面図
である。
【図4】上記実施形態の第2の変形例を示す概略断面図
である。
【符号の説明】
20…陽極、30…有機層、31…正孔輸送層、32…
発光層、33…電子輸送層、40…陰極、50…隔壁、
60…保護膜、61…第1の膜、62…第2の膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺 亮之介 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 竹中 博 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB13 AB18 BA06 BB01 CA01 CB01 DA00 DB03 EA04 EB00 FA01 FA02 FA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極(20、40)とこれら一対
    の電極間に挟まれた有機発光材料よりなる発光層(3
    2)とを含む層状物(20〜50)が、基板(10)上
    に形成されてなる有機EL素子において、 前記基板上には、前記層状物の上を被覆して保護する保
    護膜(60)が形成されており、 この保護膜は、前記層状物の最大厚さ以上の厚さを有す
    るとともに、前記基板側から順に第1の膜(61)、第
    2の膜(62)が積層された2層以上の積層構造となっ
    ているものであり、 前記第2の膜は、前記第1の膜よりも薄く且つ防湿機能
    が高いものであることを特徴とする有機EL素子。
  2. 【請求項2】 前記保護膜(60)において、前記第1
    の膜(61)が前記層状物(20〜50)の最大厚さ以
    上の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の有
    機EL素子。
  3. 【請求項3】 前記層状物(20〜50)は、前記基板
    (10)上の領域を複数個の画素に区画するために前記
    基板上に形成された隔壁(50)を含むものであり、 この隔壁の厚さが、前記層状物の最大厚さとなっている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素
    子。
  4. 【請求項4】 前記保護膜(60)の最表面層は、機械
    的な保護層として機能するようになっていることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の有機E
    L素子。
  5. 【請求項5】 前記保護膜(60)における最も前記基
    板(10)側の層の熱膨張係数が、前記基板と同一のオ
    ーダーであることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れか1つに記載の有機EL素子。
  6. 【請求項6】 前記保護膜(60)の全応力が、200
    N/m以下であることを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれか1つに記載の有機EL素子。
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