JP3566525B2 - 釣竿 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は釣竿に関し、詳細には竿管同士の継合部分を改良した釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、釣竿は、大径の竿管に対して小径の竿管を継合する構成となっており、各竿管は、強化繊維を引き揃え、これに合成樹脂を含浸した、いわゆるプリプレグを巻回することで構成されたものが一般的である。そして、各竿管は、それが用いられる個所に応じて、上記プリプレグに用いられる強化繊維の引揃方向、弾性率、および樹脂含浸量、巻回数等が設定されている。
【0003】
ところで、上記竿管は、釣竿全体として剛性が高くなるように、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグを主体として作成されるため、竿管同士が重合する継合部分は剛性が高くなってしまい、釣竿全体として、たわみのバランスが崩れてしまう。
【0004】
このため、例えば実開平2−113969号に開示されているように、継合部分(インロー継ぎ)の竿管の補強繊維を、軸長方向に対し周方向の比率を多く配分することが一般的に知られている。すなわち、軸長方向の強化繊維の比率を少なくすることで、継合部分における剛性を小さくして、釣竿全体としてたわみバランスの向上を図ることが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術によれば、継合部における両竿管の軸長方向繊維と周方向繊維の比率は改良されるが、実際に継合がなされる小径管(インロー)については何ら対策がなされていないため、継合部全体としての剛性が大きくなり、たわみにくく、又、竿管の継合部の前後に応力が集中しやすく強度低下しやすい。
【0006】
また、両竿管の継合部全長に亘って軸長方向繊維と周方向繊維の比率を変化させており、端面部付近の周方向繊維の比率が大きくなっているため、両竿管の端面位置での剛性が小さくなり、この部分のインローに応力が集中しやすく、強度低下しやすい。
【0007】
この発明は、上記課題に基づいてなされたものであり、前後の竿管の継合部における面圧分布をバランスさせることで、前後の竿管の継合個所のたわみバランスの向上、および強度の安定化、向上を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の釣竿は、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回形成してなる竿管を備え、大径竿管の端部内側に小径竿管の端部外側を継合させた継合部を有する構成であり、前記大径竿管と小径竿管の強化繊維の引揃方向を軸長方向とした本体プリプレグの軸長方向強化繊維を前記継合部の範囲内まで延長形成し、かつ前記大径竿管と小径竿管の夫々の端面から所定長さに亘って低剛性層を形成したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の釣竿は、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回形成した竿管と、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回形成し、前記竿管同士を継合させるインローとを有しており、前記竿管の強化繊維の引揃方向を軸長方向とした本体プリプレグの軸長方向強化繊維を、前記竿管とインローとの継合部となる範囲まで延長形成し、かつ前記竿管の端面から前記継合部の所定長さに亘って低剛性層を形成し、前記インローに、その端面から所定長さに亘って低剛性層を形成したことを特徴とする。
【0010】
上記のように、竿管同士の継合部もしくは、竿管とインローとの継合部分において、軸長方向強化繊維による層と低剛性層とを形成することで、継合部領域での面圧分布のバランスの向上が図れ、竿管全体としてたわみバランスの向上が図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に沿って具体的に説明する。
なお、以下に説明する実施の形態では、釣竿を構成する竿管同士の継合部分、および各竿管を構成するプリプレグの配置構成例を示し、釣竿の全体的な構成については、その図面を省略する。また、以下に説明する図面において、図1乃至図5は、本発明を振り出し式の釣竿に適用した構成を示し、図6は、インロー継ぎ式の釣竿に適用した構成を示す。
【0012】
(第1実施形態)
図1において、符号1は小径竿管を、符号11は大径竿管をそれぞれ示しており、Rで示す部分が両竿管を継合させる継合部である。各竿管は、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回することで構成されており、強化繊維を軸長方向に引き揃えたもの(軸長方向プリプレグ)、及び強化繊維を周方向に引き揃えたもの(周方向プリプレグ)を備えている。この場合、各竿管の少なくとも軸長方向プリプレグは、継合部となる範囲Rまで延長形成されている。
【0013】
図1において、間隔が広い斜線で示す部分1a,11aは、共に軸長方向プリプレグを主体(軸長方向プリプレグの巻回数が他の構成のプリプレグの巻回数よりも多いか、あるいは軸長方向プリプレグにより形成される層が、他のプリプレグによって形成される層よりも厚肉)として構成される本体層であり、間隔が狭い斜線で示す部分1c,11cは、低剛性層を示している。ここで低剛性層1c,11cは、前記本体層1a,11aよりも剛性が低い構成であれば良く、例えば周方向プリプレグ、もしくは周方向プリプレグを主体として構成することが可能である。また、本体層1a,11aの内、継合部に延長して上記低剛性層と重合する部分1b,11bを構成する層については、軸長方向プリプレグのみによって構成しても良い。
【0014】
このように、継合部となる領域Rにおいて、図に示すように各端面P1,P2から、所定の長さだけ低剛性層を形成することにより、前後竿管の継合部における面圧分布のバランスが良くなり、この結果、釣竿全体として、バランス良くしなり、調子が向上する。また、継合部の前後において応力集中が緩和され、強度低下および破損の防止が図れる。
【0015】
上記構成において、低剛性層が形成される範囲は、各端面P1,P2から、継合部Rの長さの15〜75%程度の範囲とすることが好ましく、特に、後述する試験結果からも明らかなように、それぞれの端面から50%程度とするのがより好ましい。すなわち、各低剛性層が上下で重ならないように、各端面から略50%の位置まで低剛性層を形成することで、より好ましい面圧分布が得られる。なお、このような低剛性層は、後述するように、本体層1a,11aを構成するプリプレグの端面領域を適宜カットし、この部分に、低剛性層を形成するプリプレグを配設すれば良い。また、図に示した構成において、低剛性層1c,11cの肉厚については、本体層の厚さに対して、15〜75%程度にするのが好ましいが、小径竿管、大径竿管のバランスを取る必要があることから、50%程度にするのがより好ましい。また、低剛性層を形成する部分については、軸長方向強化繊維を安定して巻く必要があることから、図に示すように、各竿管の表面側であることが好ましい。
【0016】
実際に、図1に示した構成の継合部を有する釣竿について、強度試験を行った結果を図7に示す。このグラフにおいて、横軸のカットは、継合部の長さを100とした場合において、各竿管の本体層1a,11aを各端面P1,P2からカットして、その部分に低剛性層を形成する範囲を示している。すなわち、カット0%とは、継合部において、両竿管に低剛性層を形成しない構成であり、カット100%は、継合部すべてにおいて、両竿管に図に示すような低剛性層を形成した構成である。
【0017】
このグラフから明らかなように、両竿管の各端面P1,P2から、夫々継合部の長さの略50%の範囲、すなわち、各低剛性層の範囲が上下で重なる領域が無いように、長手方向の各終端部において相互に突き当たる構成(突き当て状)とすることで(±10mm程度ずれていても良い)、最も強度の向上を図ることができた。
(第2実施形態)
図2に示すように、この実施の形態の小径竿管2および大径竿管21は、上記第1の実施形態と同様、本体層2a,21aに形成された低剛性層2c,21cの表面側に、これを延長して薄肉厚の低剛性層2d,21dを形成したものである。
【0018】
すなわち、小径竿管2の継合部領域の略全長に亘って、その表面側に低剛性層2dを延長形成することで、大きな剛性変化をなくし、応力集中が少なくなる。また、大径竿管21の継合部領域となる表面側に、低剛性層21dを延長形成することで、小径竿管と同様に応力集中が少なくなる。特に、図に示すように、各低剛性層2d,21dを、継合部の領域Rから露出(突出)するように形成することで、加工のばらつきによる継合部の長さの変化にも対応できるようになる。
【0019】
以上のように、継合部の領域(この近傍領域も含む)にそれぞれ形成する低剛性層の積層構造は、種々変形することが可能である。
(第3実施形態)
図3に示すように、この実施の形態の小径竿管3および大径竿管31は、図1に示した構成に対して、それぞれ本体層3a,31aに形成される低剛性層3c,31cの範囲を変えたものである。すなわち、小径竿管3に形成される低剛性層3cを、端面P1から継合部Rの長さの2/3程度とし、大径竿管31に形成される低剛性層31cを、端面P2から継合部Rの長さの1/3程度とし、各低剛性層を上下に重ならないように、突き当て状に構成したものである。このように、それぞれの竿管に形成される低剛性層が互いに上下で重ならない構成とする場合、それぞれの低剛性層の形成領域については、任意に設定することが可能である。
【0020】
また、この実施の形態においても、低剛性層3cと一体的に、継合部から露出するように薄肉厚の低剛性層3dを形成することで、上記同様、加工のばらつきによる継合部の長さの変化にも対応できるようになる。
(第4実施形態)
図4に示すように、この実施の形態の小径竿管4および大径竿管41は、夫々本体層4a,41aに形成される低剛性層4c,41cの積層構造を変形したものである。すなわち、各竿管4,41に形成される低剛性層を、端面P1,P2から、階段状に(段階的に)薄肉厚となるように肉厚変化させたものである。なお、夫々の竿管の薄肉部分については、図に示すように、上下方向において部分的に重なっていても良い。
【0021】
このように、継合部において形成される各竿管の低剛性層の形状は、種々変更することができ、図に示すように、相互に段階的に薄肉厚となる積層形状とすることで、更に面圧分布のバランスを向上することができる。
(第5実施形態)
図5に示すように、この実施の形態の小径竿管5および大径竿管51は、それぞれ本体層5a,51aに形成される低剛性層5c,51cの形成範囲を短くしたものである。すなわち、各竿管5,51に形成される低剛性層5c,51cを、夫々各端面P1,P2から継合部Rの長さの1/3程度とし、各本体層5a,51aの一部を中央領域で重ねた状態で、かつ各低剛性層を上下に重ならないように構成したものである。このように構成することで、継合長さが短い(20〜40mm)釣竿でも、たわんだときに、への字曲がりを防止することができる。
【0022】
また、この構成において、図に示すように、小径竿管5の表面側、および大径竿管51の内面側に、それぞれ継合領域Rから露出(突出)するように、各低剛性層5c,51cから延長形成される低剛性層5d,51dを形成することが好ましい。このように、小径竿管5の表面側に低剛性層5dを延長形成することで、応力集中を分散することができる。また、大径竿管51の内面側に、低剛性層51dを延長形成することでも同様の効果が得られる。特に、図に示すように、各低剛性層5d,51dを、継合部の領域Rから露出(突出)するように形成することで、加工のばらつきによる影響を少なくすることができる。
【0023】
また、図に示した構成とは逆に、各本体層に、低剛性層5c,51cを、それぞれが部分的に重なるように形成しても良い。低剛性層をこのように形成することで、継合長さが長く(40mm以上)なっても、継合部のしなりを良くすることができ、また、応力集中を緩和して強度の安定化が図れる。
(第6実施形態)
本発明は、図6に示すように、小径竿管6および大径竿管61をインロー継ぎによって接続する構成についても適用することが可能である。インロー80は、竿管と同様、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回することで構成されており、本体層と、継合領域に形成される低剛性層とを備えている。この実施の形態では、インロー80は、小径竿管6の内周と接着固定されて、大径竿管61をインローに差し込んで、両竿管を接続する構成となっており、図に示すように、符号R1で示す部分が第1継合部、符号R2で示す部分が第2継合部となる。
【0024】
第1継合部R1における小径竿管6の本体層6aの表面側には、上述した構成と同様に、端面P1から所定の範囲に亘って低剛性層6cが形成されている。また、第1継合部R1におけるインロー80の本体層80aの表面側にも、端面P3から所定の範囲に亘って低剛性層80cが形成されている。この場合、低剛性層6cは、継合部R1の長さの15〜75%の範囲に形成するのが良く、低剛性層80cは、継合部R1の長さの15〜75%の範囲に形成するのが良い。
【0025】
これと同様に、第2継合部R2における大径竿管61の本体層61aの表面側には、端面P2から所定の範囲に亘って低剛性層61cが形成されており、インロー80の本体層80aの表面側にも、端面P4から所定の範囲に亘って低剛性層80dが形成されている。この場合、低剛性層61cは、継合部R2の長さの15〜75%の範囲に形成するのが良く、低剛性層80dは、継合部R2の長さの15〜75%の範囲に形成するのが良い。
【0026】
このように、インロー継ぎの釣竿においても、インロー80と各連結される竿管6,61に、低剛性層を適宜形成することで、継合部R1,R2の面圧分布をバランス良くする構成とすることが可能である。
【0027】
なお、以上述べた図1乃至図6に示した実施形態における低剛性層の構成(積層構造、肉厚、長さ等については、任意に組み合わせることが可能である。
次に、図8乃至図10を参照して、上述したような竿管を形成する方法について説明する。
【0028】
図8は、図1に示したような大径竿管11および小径竿管1を形成するプリプレグの配置構成例を示しており、(a)は大径竿管11の構成を、(b)は小径竿管1の構成を示したものである。各竿管は、芯金Mに対して、複数枚のプリプレグを巻回した後、加熱、脱芯、研磨等、常法にしたがった工程を経て成型される。
【0029】
大径竿管11の本体層11aは、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ15aに、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ15bを裏打ちして構成された第1プリプレグ15と、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ16aに、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ16bを裏打ちして構成された第2プリプレグ16とを備えている。この場合、第2プリプレグ16の先端側は、低剛性層を形成するために、所定長さだけカットされている。なお、このように、本体層が複数のプリプレグによって構成され、各プリプレグの強化繊維の弾性率が異なる場合は、高弾性側のプリプレグをカットして、高強度側のプリプレグを残すのが良い。そして、上記カットした部分に対応して、低剛性層11cが形成されるように、周方向に強化繊維を引き揃え、所定長さを有するプリプレグ17を巻回する。
【0030】
同様に、小径竿管1の本体層1aは、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ5aに、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ5bを裏打ちして構成された第1プリプレグ5と、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ6aに、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ6bを裏打ちして構成された第2プリプレグ6とを備えている。この場合、第2プリプレグ6の基端側は、低剛性層を形成するために、所定長さだけカットされている。また、上記大径竿管の構成と同様、カットするプリプレグは高弾性側とし、高強度側のプリプレグを残すのが良い。
【0031】
そして、上記カットした部分に対応して、低剛性層1cが形成されるように、所定長さを有するプリプレグ7を巻回する。この場合、プリプレグ7についても強化繊維を周方向に引き揃えた構成となっており、低剛性層は周方向繊維層によって構成される。
【0032】
なお、上記のような構成以外にも、低剛性層は、周方向繊維層を主体とした構成としても良く、層を形成した場合に、本体層よりも高強度で、低弾性となるようなプリプレグを用いれば良い。また、プリプレグ7,17の肉厚、巻回数を適宜設定することで、低剛性層の肉厚を任意に変えることができる。
【0033】
図9は、図4に示したような大径竿管41を形成するプリプレグの配置構成例を示したものである。図4に示したように、大径竿管の本体層は階段状に形成され、この部分に低剛性層41cが配設された構成となっており、以下のようなプリプレグを用いることで構成することが可能である。
【0034】
大径竿管41の本体層41aは、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ45aに、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ45bを裏打ちして構成された本体プリプレグ45によって構成されている。この本体プリプレグ45の先端側は、図に示すように階段状にカットされており、先端に行くにしたがって段階的に薄肉厚となるように構成されている。そして、このカットした部分に対応して、低剛性層41cを形成すべく、周方向に強化繊維を引き揃え、所定長さを有するプリプレグ47を巻回する。この結果、階段状にカットされた第1プリプレグ45の構成により、竿管の先端側に形成される低剛性層は先端側が厚肉で、基端側に向けて階段状に薄肉化する構成となる。もちろんこの構成においても、プリプレグ47は、周方向繊維を主体とした構成としても良い。プリプレグ47は、層を形成した場合に、本体層よりも高強度(低弾性)となるようなものを用いるのが良い。
【0035】
図10は、大径竿管の別の構成を成型するためのプリプレグの配置構成例を示す図である。
大径竿管を構成する本体層は、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ95aに、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ95bを裏打ちして構成された第1プリプレグ95と、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ96aに、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ96bを裏打ちして構成された第2プリプレグ96とを備えている。
【0036】
前記第1プリプレグ95は、図に示すように、継合部となる先端側において、幅方向に略半分で長手方向に所定長さだけカットされている。また、第2プリプレグ96は、継合部となる先端側において、所定長さだけ(上記第1プリプレグ95のカット長さと同じ長さだけ)カットされている。そして、第1プリプレグ95および第2プリプレグ96がカットされた領域に対応して、低剛性層が形成されるように、所定長さを有し、強化繊維を周方向に引き揃えたプリプレグ97が巻回される。この場合、第1プリプレグ95が、図に示すように、幅方向においてもカットされているため、プリプレグ97によって形成される低剛性層は、図8に示した構成よりも厚肉となる。なお、この構成においても、プリプレグ97は、強化繊維を周方向に引き揃えた構成となっており、低剛性層は周方向繊維層によって形成されるが、この構成以外にも、周方向繊維層を主体とした構成にしても良い。プリプレグ97は、層を形成した場合に、本体層よりも高強度(低弾性)となるようなものを用いるのが良い。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上記した構成において、竿管やインローを構成するプリプレグの枚数、樹脂含浸量、肉厚、巻回数、用いられる強化繊維の方向、繊維量、弾性率等の構成は、上述した諸条件が満足される範囲内で種々変形することが可能である。なお、図には示さないが、各竿管の低剛性層の先端外周となる位置に、周方向の強化繊維を増量しておくことにより、各竿管端部での口割れを防止することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、竿管同士の継合部において、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグによる層と低剛性層とが形成されるため、継合部における面圧分布のバランスが良くなる。このため、釣竿全体としてバランス良くしなり、調子の良い釣竿が得られる。また、継合部の前後に応力が集中することを防止でき、継合部における強度の安定化向上、および破損の防止が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す継合部領域の部分断面部。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す継合部領域の部分断面部。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す継合部領域の部分断面部。
【図4】本発明の第4の実施の形態を示す継合部領域の部分断面部。
【図5】本発明の第5の実施の形態を示す継合部領域の部分断面部。
【図6】本発明の第6の実施の形態を示す継合部領域の部分断面部。
【図7】図1に示した構成において、各竿管の本体層のカット長さを変えた状態での強度分布を示すグラフ。
【図8】図1に示したような大径竿管および小径竿管を形成するプリプレグの配置構成例を示しており、(a)は大径竿管の構成を、(b)は小径竿管の構成を示した図。
【図9】図4に示したような大径竿管を形成するプリプレグの配置構成例を示す図。
【図10】別の構成の大径竿管を形成するプリプレグの配置構成例を示す図。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6 小径竿管
11,21,31,41,51,61 大径竿管
1c,2c,3c,4c,5c,6c 低剛性層
11c,21c,31c,41c,51c,61c 低剛性層
Claims (4)
- 強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回形成してなる竿管を備え、大径竿管の端部内側に、小径竿管の端部外側を継合させた継合部を有する釣竿において、
前記大径竿管と小径竿管の強化繊維の引揃方向を軸長方向とした本体プリプレグの軸長方向強化繊維を前記継合部の範囲内まで延長形成し、かつ前記大径竿管と小径竿管の夫々の端面から所定長さに亘って低剛性層を形成したことを特徴とする釣竿。 - 前記所定長さは、前記継合部の長さの15〜75%であることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
- 強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回形成した竿管と、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回形成し、前記竿管同士を継合させるインローとを有する釣竿において、
前記竿管の強化繊維の引揃方向を軸長方向とした本体プリプレグの軸長方向強化繊維を、前記竿管とインローとの継合部となる範囲まで延長形成し、かつ前記竿管の端面から前記継合部の所定長さに亘って低剛性層を形成し、
前記インローに、その端面から所定長さに亘って低剛性層を形成したことを特徴とする釣竿。 - 前記所定長さは、前記継合部の長さの15〜75%であることを特徴とする請求項3に記載の釣竿。
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JPH11215936A (ja) | 1999-08-10 |
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