JP3350407B2 - ゴルフクラブシャフト及びその製造方法 - Google Patents

ゴルフクラブシャフト及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は複数の繊維強化樹
脂層を積層したゴルフクラブシャフト及びその製造方法
に関し、詳しくは、複数の繊維強化樹脂層の少なくとも
一部にシャフトの周方向の0゜≦θ<180゜の範囲に
位置する第1半周部と180゜≦θ<360゜の範囲に
位置する第2半周部とに分割し、これら双方の強化繊維
の配向方向をシャフトの軸方向に対して互いに逆方向に
傾斜させた逆方向傾斜2分割層を設けてシャフトの弾性
主軸を幾何学的主軸と異ならせたゴルフクラブシャフト
において、シャフトの異方性を損なうことなくシャフト
の強度向上をはかるものである。
【0002】
【従来の技術】本件出願人は、以前、少なくとも一部に
繊維強化樹脂等の異方性材料を用いて形成したパイプあ
るいは中実のシャフトにおいて、上記異方性材料の繊維
角度を周方向で部分的に、かつ、厚さ方向の少なくとも
一部分で異ならせると、該パイプあるいはシャフトの弾
性主軸を幾何学的主軸と相異させて任意の位置に設定す
ることが出来ることを明らかにした(特開平3−227
616号公報参照)。
【0003】図9〜17はこの内容を示している。すな
わち、図9から図12に示す繊維強化樹脂からなるパイ
プ状構造物10では、その幾何学的主軸Gと一致するよ
うに、円柱座標[(r,θ,Z)系座標]をとると、Z
およびrに関係なく、0°≦θ<180°の部分10a
では繊維Fの上記幾何学的主軸G(即ち、Z軸)に対す
る角度(繊維角度)をα1 =30°とする一方、180
°≦θ<360°の部分10bでは繊維角度をβ1 =−
30°としている。このパイプ状構造物10を図13に
示すように、一端を固定端10c、他端を自由端10d
とすると、弾性主軸Eは幾何学的主軸Gと一致せず、上
記自由端10dが点Q上に位置している。
【0004】上記の状態で弾性主軸E上にある点を通ら
ない荷重を下方に加えると、パイプ状構造物10は図1
4および図15に示すように、たわみを生じると共にね
じれが生じる。
【0005】一方、上記弾性主軸E上にある点Qを通る
ように下方に荷重を加えると、図16および図17に示
すように、たわみを生じるがねじれることはない。
【0006】そして、近時では、特願平9−14695
0号において、上記異方性シャフトをゴルフクラブシャ
フトに適用し、シャフトの弾性主軸を幾何学的主軸に対
して特定の交差角度で交差するよう設定することによ
り、クラブヘッドのトウ側がクラブヘッドのヒール側よ
り遅れぎみに打球位置に侵入してしまう癖を有する、所
謂、スライサーがスイングをした場合に、シャフトが撓
むと共にねじれて、ゴルフクラブの軌道がヘッドフェー
ス面がボールに対して正体するよう修正されるスライサ
ー用のゴルフクラブを提案した。また、同出願では、同
様に、シャフトの弾性主軸を幾何学的主軸に対して特定
の交差角度で交差するよう設定することにより、クラブ
ヘッドのヒール側がクラブヘッドのトウ側より遅れぎみ
に打球位置に侵入してしまう癖を有する、所謂、フッカ
ーがスイングをした場合に、シャフトが撓むと共にねじ
れて、ゴルフクラブの軌道がヘッドフェース面がボール
に対して正体するよう修正されるフッカー用のゴルフク
ラブを提案した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常の幾何
学的主軸と弾性主軸が一致するシャフトでは、シャフト
の全周長に対応したプリプレグを複数層巻き付けて成形
する場合、各層におけるプリプレグの繋ぎ目(強化繊維
が不連続状態にある部分)が複数の層間でシャフト周方
向の同一位置に重なってしまうと、シャフトの周方向の
特定部分の強度が大きく低下してシャフトが破損しやす
くなる。このため、通常、図8に示すように、各層のプ
リプレグ31の繋ぎ目31aをシャフトの周方向の異な
る位置に設けている。
【0008】一方、上記スライサー用やフッカー用の弾
性主軸を幾何学的主軸と異ならせたゴルフクラブシャフ
トでは、シャフトの周方向の0゜≦θ<180゜の部分
と180゜≦θ<360゜の部分に、強化繊維の配向方
向がシャフトの軸方向に対して互いに逆方向に傾斜した
半周長プリプレグを巻き付け、該2つの半周長プリプレ
グからなる一層のプリプレグを複数層巻き付けて成形す
る。よって、成形して得られたシャフトは多層にわたっ
て周方向の0゜と180゜、すなわち、第1半周部と第
2半周部の境界に強化繊維の不連続部分が形成されるの
で、シャフトの周方向の0゜と180゜の部分の強度が
低下し、シャフト撓み時の径方向の曲げ強度が大きく低
下してしまうという欠点がある。また、製造工程におい
ては複数の層について半周長のプリプレグを2つ巻き付
ける作業を行うため、通常よりも製造工程時間が長くな
り、また、一層毎にプリプレグの繋ぎ目が2カ所(0゜
と180゜)できるため、製品特性のバラツキが大きく
なるという欠点がある。
【0009】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たもので、複数層のうちの少なくとも2層以上を、シャ
フトの周方向の0゜≦θ<180゜の部分と180゜≦
θ<360゜の部分に、繊維方向がシャフトの軸方向に
対して互いに逆方向に傾斜した半周長プリプレグを巻き
付けて成形してシャフトの弾性主軸を幾何学的主軸と異
ならせたゴルフクラブシャフトにおいて、曲げ強度を向
上させるとともに、作業性よく製品特性のバラツキの少
ないシャフトを製造できるようにすることを課題として
いる。
【0010】
【発明を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、請求項1で、複数の繊維強化樹脂層の積
層体であって、シャフト周方向の0゜≦θ<180゜の
範囲に位置する第1半周部と180゜≦θ<360゜の
範囲に位置する第2半周部とに分割し、該第1半周部と
第2半周部の強化繊維をシャフトの軸方向に対して互い
に逆方向に配向させた逆方向傾斜2分割層を2層以上設
けてシャフトの弾性主軸を幾何学的主軸と異ならせたゴ
ルフクラブシャフにおいて、強化繊維がシャフトの軸方
向に対してがほぼ直交して配向したフープ層を上記逆方
向傾斜2分割層の第1半周部と第2半周部の境界部に重
ねて積層したことを特徴とするゴルフクラブシャフトを
提供している。
【0011】上記構成とした場合、逆方向傾斜2分割層
の第1半周部と第2半周部の境界部に強化繊維の不連続
部分に強化繊維の配向方向がシャフトの軸方向に対して
ほぼ直交したフープ層が重なるので、上記逆方向傾斜2
分割層の強化繊維が不連続状態にある境界部を補強で
き、シャフトのスイング時の撓みとねじれによる変形挙
動を損なうことなく、シャフトの径方向の屈曲に対する
強度を大きく向上させることができる。
【0012】上記フープ層は逆方向傾斜2分割層の層数
に応じて補強に必要な数のフープ層を設ければよく、必
ずしも、全ての逆方向傾斜2分割層に対して設ける必要
はない。また、図1(A)のように、フープ層1は逆方
向傾斜2分割層2の第1半周部2aと第2半周部2bの
境界部3にその一部が重なるように設けるのであれば、
シャフト周方向の全周に対して設けてもよいし、図1
(B)のように部分的に設けてもよい。また、図1
(A)、(B)では逆方向傾斜2分割層2の内側にフー
プ層1を設けたが、図2(A)、(B)に示すように逆
方向傾斜2分割層2の外側に設けてもよい。なお、シャ
フト周方向の厚みの均一化を考えた場合、図1(A)、
図2(A)のようにシャフトの全周に対して設けるのが
好ましい。
【0013】また、フープ層1の巻き始めと巻き終わり
の位置は、特に、限定はされないが、図1及び図2に示
すように、逆方向傾斜2分割層2の0゜と180゜の第
1半周部と第2半周部の2つの境界部3(0゜と180
゜の位置)を結んだ軸Xに対して対称位置に位置づける
のがよい。これは、シャフトの0゜≦θ<180゜の部
分と180゜≦θ<360゜の部分における繊維存在量
に偏りが生じることにより予め設定したシャフトの弾性
主軸と幾何学的主軸のずれの方向及びずれ量に変動が生
じないようにするためである。
【0014】フープ層はその強化繊維の配向方向がシャ
フトの軸に対してほぼ直交する方向であり、通常、シャ
フトの軸に対して強化繊維が90゜±10゜、好ましく
は90゜±5゜の交差角度で交差するものを用いる。こ
の範囲にすると、シャフトの径方向への屈曲に対して大
きな耐性を得ることができ、シャフト撓み時の径方向の
曲げ強度を効果的に向上させることができる。なお、フ
ープ層の厚みは特に限定されないが、厚みが大きいと巻
き付け作業の作業性が低下しやすく、薄すぎると補強効
果が小さくなるので、通常、0.02〜0.1mm、好ま
しくは0.02〜0.08mm、より好ましくは0.0
2〜0.05mmのものを用いるのがよい。
【0015】また、本発明は、請求項2で、上記構成と
した請求項1のゴルフクラブシャフトを、予め上記フー
プ層となるプリプレグシートに上記逆方向傾斜2分割層
の第1半周部となる第1半周長プリプレグシートと第2
半周部となる第2半周長プリプレグシートを貼り付けた
複合プリプレグシートを作成しておき、これを成形用芯
材の外周に巻き付けるようにして作製するゴルフクラブ
シャフトの製造方法を提供している。
【0016】この製造方法を用いると、2つの半周長プ
リプレグシートをシャフトの周方向における巻き付け位
置を確認しながら巻き付ける必要がないので、製造時間
を短縮できる。また、予め2つの半周長プリプレグシー
ト間の一方の繋ぎ目をフープ層となるプリプレグシート
上で作っておけるので、シャフト周方向における2つの
半周長プリプレグの繋ぎ目の位置を精度良く所定位置に
配置することができ、製品特性のバラツキを軽減するこ
とができる。なお、本製造方法の場合、フープ層となる
プリプレグシートはシャフト周方向の一周分の長さ以上
の巾を有するプリプレグシートを用いる。通常、このプ
リプレグシートの巾は上記図1(A)、図2(A)に示
すように、シャフト周方向の一周分に対応させるが、図
3に示すように、シャフト周方向の2周分に対応した巾
のプリプレグシート15を用意し、該プリプレグシート
15に2層分(2組)の逆方向傾斜2分割層のプリプレ
グシート(プリプレグシート11a、11b)、(プリ
プレグシート12a、12b)を貼り付け、これを成形
用芯材の外周に巻き付けるようにしてもい。この場合、
製造時間をより一層短縮できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図4、5は本発明のゴルフクラブシャフト
の一実施形態を示し、図4はシャフトの断面図、図5は
使用したプリプレグシートの展開図である。
【0018】該ゴルフクラブシャフト100は、図4に
示すように、図5の最上位置にあるプリプレグシート2
1から最下位置にあるプリプレグシート29bへとシャ
フトの内側から外側に順次巻き付けてシャフトに成形し
ている。プリプレグシート30はヘッド側の細径の端部
に巻かれる補強用のプリプレグシートである。プリプレ
グシート21、22、23はシャフト周方向の全周に対
して巻き付けるものであり、プリプレグシート21、2
2はそれぞれ強化繊維がシャフトの軸に対して+45
゜、−45゜で配向し、プリプレグシート23は強化繊
維がシャフト軸に対して平行(0゜)に配向している。
【0019】プリプレグシート24aと24b、プリプ
レグシート26aと26b、プリプレグシート28aと
28b、及びプリプレグシート29aと29bは、シャ
フトの半周長に対応した長さで、シャフトの軸方向に対
して強化繊維を互いに逆方向(シャフトの軸に対して+
45゜と−45゜)に傾斜して配向させた一対のプリプ
レグシートで、シャフトの周方向に両者を繋いで巻き付
けることにより一層の繊維強化層を形成している。すな
わち、これらが逆方向傾斜2分割層で、図3に示すよう
に、各層毎にシャフトの周方向の0゜≦θ<180゜の
部分と180゜≦θ<360゜の部分に、両プリプレグ
シートを巻き付けて一層としている。よって、各層毎に
シャフト周方向の0゜の位置(V点)と180゜の位置
(W点)に2つの半周長プリプレグシートの境界部(繋
ぎ目)3が形成されている。
【0020】プリプレグシート25、27は強化繊維が
シャフトの軸に対して直交して(90゜で)配向したフ
ープ層としてのプリプレグシートである。図4に示すよ
うに、上記逆方向傾斜2分割層からなるプリプレグシー
ト24aと24bの境界部(繋ぎ目)3にプリプレグシ
ート25が重ねられ、上記逆方向傾斜2分割層からなる
プリプレグシート26aと26bの境界部(繋ぎ目)3
にプリプレグシート27が重ねられている。
【0021】上記各プリプレグシートはいずれもカーボ
ン繊維からなる強化繊維にエポキシ樹脂を含浸させたも
ので、フープ層のプリプレグシート25、27は東レ
製、805−3(引張弾性率:23500kg、引張強
度:500kg、厚み0.0342mm)を用い、フー
プ層以外のプリプレグシートは東レ製、3051−12
(引張弾性率:23500kg、引張強度:360k
g、厚み0.1322mm)を用いている。
【0022】上記全てのプリプレグシートは、マンドレ
ルに図4に示す積層状態に積層後、ラッピングテープを
巻き付け、加熱硬化後、表面のラッピングテープを剥が
し、表面を研磨して、ゴルフクラブシャフト100とし
て成形している。なお、上記逆方向傾斜2分割層からな
るプリプレグシート24aと24b、及び、プリプレグ
シート26aと26bは、それぞれ、予めフープ層であ
るプリプレグシート25、27の一主面に貼り付け、こ
の状態でマンドレルへの巻き付けを行っている。
【0023】一方、上記実施形態のゴルフクラブシャフ
トとは別に、比較例のゴルフクラブシャフトを作製し
た。図6、7は比較例1のゴルフクラブシャフトを示
し、図6はシャフトの断面図、図7は使用したプリプレ
グシートの展開図である。これらの図において、図4、
5と同一符号は同一または相当する部分を示している。
【0024】本比較例1のゴルフクラブシャフト200
は、上記フープ層のプリプレグシート25、27を用い
ない以外は、基本的に上記実施形態のゴルフクラブシャ
フトと同様の構成からなっている。すなわち、図6に示
すように、図7の最上位置にあるプリプレグシート21
から最下位置にあるプリプレグシート29bへとシャフ
トの内側から外側に順次巻き付けて成形している。ここ
で逆方向傾斜2分割層であるプリプレグシート24aと
24b、プリプレグシート26aと26b、プリプレグ
シート28aと28b、及びプリプレグシート29aと
29bは、全て巻付け作業時に、その都度、シャフトの
周方向の0゜≦θ<180゜の部分と180゜≦θ<3
60゜の部分に対応させて巻き付けている。
【0025】更に、上記比較例1のゴルフクラブシャフ
ト200とは別の比較例2のゴルフクラブシャフトを作
製した。このゴルフクラブシャフトはフープ層であるプ
リプレグシート25、27の代わりに、シャフトの全周
長に対応した長さで、強化繊維(カーボン繊維)の配向
方向がシャフトの軸方向と平行なプリプレグシートを用
い、他は実施形態のゴルフクラブシャフトと同様にして
作製した。
【0026】以上の実施形態のゴルフクラブシャフト及
び比較例1、2のゴルフクラブシャフトの成形工程で、
逆方向傾斜2分割層からなる2つのプリプレグシートを
予めフープ層のプリプレグシートに貼り付けてマンドレ
ルに巻付けた場合と、逆方向傾斜2分割層からなる2つ
のプリプレグシートを個別にマンドレルに巻付け場合の
巻付け時間を測定したところ、フープ層のプリプレグシ
ートに貼り付けた場合、巻付け時間は平均4.4分で、
個別に巻き付けた場合のそれ(5.2分)よりも0.8
分短縮していた。
【0027】また、上記作製した実施形態のゴルフクラ
ブシャフトと比較例1、2のゴルフクラブシャフトにつ
いて製品安全協会の標準法に準処するSGC式3点曲げ
破壊強度試験を行った。測定点はシャフトの細径端から
90mm(T点),175mm(A点),525mm
(B点)の各位置と、太径端から175mm(C点)の
4か所について行った。支持点のスパンをT点測定時の
み150mmとし、A〜C点測定時は300mmとし
た。測定は、シャフトを逆方向傾斜2分割層からなるプ
リプレグシートの境界部(繋ぎ目)の位置(シャフト周
方向の0゜の位置)が上を向くように支持して測定する
一方、更にシャフトを軸を中心に90゜回転させてプリ
プレグシートの境界部(繋ぎ目)の位置(シャフト周方
向の0゜の位置)を水平方向に向けて支持して測定し
た。この測定結果が下記表1である。表中、数値の単位
はkgである。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示すように、実施形態のクラブシャ
フトは、いずれの測定点(T点、A〜C点)において
も、0゜方向と90゜方向の曲強度が比較例1及び比較
例2のそれよりも大きく向上している。よって、強化繊
維がシャフトの軸方向に対してがほぼ直交して配向した
フープ層を逆方向傾斜2分割層の境界部(繋ぎ目)に重
ねている実施形態のクラブシャフトでは、径方向の屈曲
に対する強度が大きく向上していることを確認できた。
【0030】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に係わるゴルフクラブシャフトでは、強化繊維がシャフ
トの軸方向に対してほぼ直交して配向したフープ層を逆
方向傾斜2分割層の第1半周部と第2半周部の強化繊維
が不連続状態にある境界部に重ねた構成としているた
め、該境界部を補強でき、シャフトの径方向の曲げ強度
を高めることができる。よって、シャフトの折れの発生
を低減できる。
【0031】また、フープ層となるプリプレグシートに
逆方向傾斜2分割層となる2つの半周長プリプレグシー
トを貼り付け、この複合プリプレグシートを巻き付ける
ようにしているため、逆方向傾斜2分割層となる2つの
半周長プリプレグシートの巻付け作業の作業性性が向上
し、シャフトの製造時間を従来よりも短縮する。また、
プリプレグシート上で2つの半周長プリプレグシート間
を繋いでおくので、シャフト周方向における逆方向傾斜
2分割層の境界部の位置を所定位置に精度良く配置する
ことができ、製品特性のバラツキを軽減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)(B)は本発明のゴルフクラブシャフ
トのフープ層の積層構成の一具体例を示す概念図であ
る。
【図2】 (A)(B)は本発明のゴルフクラブシャフ
トのフープ層の積層構成の他の具体例を示す概念図であ
る。
【図3】 本発明のゴルフクラブシャフトのフープ層の
積層構成の他の具体例を示す概念図である。
【図4】 本発明のゴルフクラブシャフトの一実施形態
の断面図である。
【図5】 図4のゴルフクラブシャフトに使用したプリ
プレグシートの展開図である。
【図6】 比較例のゴルフクラブシャフトの断面図であ
る。
【図7】 図6のゴルフクラブシャフトに使用したプリ
プレグシートの展開図である。
【図8】 従来のゴルフクラブシャフトのプリプレグシ
ートの積層構成をし示す概念図である。
【図9】 本発明の原理を説明するためのパイプ状構造
物を示す概略斜視図部である。
【図10】 図9のパイプ状構造物の断面図である。
【図11】 図9のパイプ状構造物の繊維角度を示す概
略図である。
【図12】 図9のパイプ状構造物の繊維角度を示す概
略図である。
【図13】 パイプの変形挙動を示す概略図である。
【図14】 パイプの変形挙動を示す概略図である。
【図15】 パイプの変形挙動を示す概略図である。
【図16】 パイプの変形挙動を示す概略図である。
【図17】 パイプの変形挙動を示す概略図である。
【符号の説明】
1 フープ層 2 逆方向傾斜2分割層 2a 第1半周部 2b 第2半周部 3 境界部 21、22、23、 プリプレグシート 24a、24b、26a、26b、28a、28b、2
9a、29b 半周長プリプレグシート 25、27 フープ層用プリプレグシート 30 終端固定用プリプレグシート 100 ゴルフクラブシャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 5/26 B29L 31:52 // B29L 31:52 B29C 67/14 B C (56)参考文献 特開 平9−140839(JP,A) 特開 平8−131588(JP,A) 特開 平5−177020(JP,A) 特開 平9−266966(JP,A) 特開 平10−291265(JP,A) 特開 平10−71220(JP,A) 特開 平10−85373(JP,A) 特開 平11−70197(JP,A) 特開 平8−98907(JP,A) 特開 平10−328338(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A63B 53/10 B29C 70/16 B32B 1/08 B32B 5/00 B32B 5/12 B32B 5/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の繊維強化樹脂層の積層体であっ
    て、シャフト周方向の0゜≦θ<180゜の範囲に位置
    する第1半周部と180゜≦θ<360゜の範囲に位置
    する第2半周部とに分割し、該第1半周部と第2半周部
    の強化繊維をシャフトの軸方向に対して互いに逆方向に
    配向させた逆方向傾斜2分割層を2層以上設けてシャフ
    トの弾性主軸を幾何学的主軸と異ならせたゴルフクラブ
    シャフにおいて、 強化繊維がシャフトの軸方向に対してがほぼ直交して配
    向したフープ層を上記逆方向傾斜2分割層の第1半周部
    と第2半周部の境界部に重ねて積層したことを特徴とす
    るゴルフクラブシャフト。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のゴルフクラブシャフト
    の製造方法であって、 予め上記フープ層となるプリプレグシートに上記逆方向
    傾斜2分割層の第1半周部となる第1半周長プリプレグ
    シートと第2半周部となる第2半周長プリプレグシート
    を貼り付けた複合プリプレグシートを作成しておき、こ
    れを成形用芯材の外周に巻き付けるようにしたことを特
    徴とするゴルフクラブシャフトの製造方法。
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