JP2000093568A - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

ゴルフクラブシャフト

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JP2000093568A
JP2000093568A JP10263754A JP26375498A JP2000093568A JP 2000093568 A JP2000093568 A JP 2000093568A JP 10263754 A JP10263754 A JP 10263754A JP 26375498 A JP26375498 A JP 26375498A JP 2000093568 A JP2000093568 A JP 2000093568A
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shaft
prepreg sheet
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golf club
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Norio Sumitomo
教郎 住友
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴルフクラブシャフトの重量を43g以下の
軽量にし、かつ実用上十分な強度を有するようにする。 【解決手段】 繊維強化樹脂製のプリプレグシートを巻
回して成るゴルフクラブシャフトにおいて、上記プリプ
レグシートのうち、シャフト全重量の30%以上で10
0%以下を構成するプリプレグシートの厚みが0.02
mm以上0.07mm以下としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブシャ
フトに関し、詳しくは、炭素繊維等の繊維強化樹脂製の
プリプレグシートを積層したゴルフクラブシャフトにお
いて、軽量化しながら実用上十分な強度を持たせるもの
である。
【0002】
【従来の技術】ゴルフクラブシャフトを軽量にするとへ
ッドスピードを増大させて飛距離の向上を図ることがで
きるため、シャフトの軽量化が要望され、近年の繊維強
化樹脂の進歩により、シャフトの軽量化が促進され、炭
素繊維強化樹脂からなるカーボンシャフトが主流となっ
ている。繊維強化樹脂によるシャフトの製法は主に2種
類あり、その1は所謂フィラメントワインディング製法
であり、その2はシートワインディング製法である。こ
のうち後者のシートワインディング製法は、前者に比べ
て、繊維強化樹脂中における樹脂の含有比率を少なくし
て低樹脂にしやすいことから、軽量化に適している。
【0003】シートワインディング製法は、図6(A)
(B)の従来例1に示すように、プリプレグシートと呼
ばれる1方向に引き揃えられた繊維(主として、炭素繊
維が用いられる)に樹脂を含浸させたシート状の材料を
用い、テーパー付きの芯金であるマンドレル5にシャフ
ト軸線Lに対して、プリプレグシートを積層して巻き付
けている。即ち、図6(B)に示すように、シャフト軸
線に対してほぼ±45度の角度を有するアングル層のプ
リプレグシート1A、2A、シャフト軸線に対して略直
交する方向のフープ層のプリプレグシート3、シャフト
軸線に略平行なストレート層のプリプレグシート4Aを
シャフト全長に巻き付け、かつ、ヘッド取付側にストレ
ート層からなる部分補強層7を巻き付けている。その
後、加熱硬化してからマンドレル5を引き抜き、最後に
表面を研磨加工で仕上げる方法によりシャフトS6が作
製されている。
【0004】図7(A)(B)に従来例2のシャフトS
7、図8(A)(B)に従来例3のシャフトS8、図9
(A)(B)に従来例4のシャフトS9を示し、従来例
1、2、3、4は、夫々プリプレグシートの巻数、プリ
プレグシートの厚さ、及び全重量を代えて、従来例1と
同様に作製されている。
【0005】上記プリプレグシートについては、炭素繊
維の強度、弾性率、樹脂含有率、厚み等の異なる多種頚
のシート形状のプリプレグシートが市販されているた
め、作製するシャフトの重量、曲げ剛性、ねじり剛性、
強度等の各種特性を勘案し、所望の特性に適するものを
選択して用いている。
【0006】プリプレグシートを用いて作製したシャフ
トの軽量化を図る場合、従来は、樹脂含有率が少ないプ
リプレグシートと強化繊維の弾性率が高いプリプレグシ
ートを使用している。樹脂樹含有率を低くすると、強化
繊維量を変えずに樹脂を減量することで、その分が軽量
化できる。また、高弾性繊維を強化繊維としたプリプレ
グシートを用いると、少ない巻き付け量で剛性を確保で
きるため、その分が軽量化となる。シャフトの剛性を維
持して、シャフト重量を最大限軽量化しようとする場
合、上記樹脂含有率が低いプリプレグシートと、高弾性
繊維のプリプレグシートが併用され用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記手
法によるシャフトの軽量化にも限界があり、シャフト重
量が45g未満、好ましくは、43g以下のシャフトを
作製すると十分な実用強度が得られず、使用中、シャフ
トの折れが発生しやすい問題があった。
【0008】本発明は上記した問題を鑑みてなされたも
のであり、折れが発生しない充分な強度を有しながら、
シャフト重量を45g未満、好ましくは、43g以下の
軽量なゴルフクラブシャフトを提供することを課題とし
ている。
【0009】
【発明を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、繊維強化樹脂製のプリプレグシートを巻
回して成るゴルフクラブシャフトにおいて、上記プリプ
レグシートのうち、シャフト全重量の30%以上で10
0%以下を構成するプリプレグシートの厚みが0.02
mm以上0.07mm以下であることを特徴とするゴル
フクラブシャフトを提供している。
【0010】上記シャフト全重量が30g以上45g以
下、好ましくは、40g以上44g以下としている。シ
ャフト全重量が45gを越えるとシャフトが重くなり、
30g未満とすると実用強度が得られにくくなる。
【0011】上記構成のように、シャフト全重量の30
%以上の重量に相当するプリプレグシートの各層の厚み
を0.07mm以下と薄くしているため、薄くした分だ
け、プリプレグシートの枚数を増加でき、強化繊維量を
増加できるため、軽量化を図りながら所要強度を保持で
きる。即ち、本発明では、プリプレグシートの薄肉化を
図ることにより、その分、多層化し、よって、軽量であ
りながら強度を有するゴルフクラブシャフトとる。
【0012】なお、厚さが0.03mmより薄いプリプ
レグシートは現在提供されていないが、提供されるよう
になれば、厚さが0.03mmより薄いものも使用可能
であるが、余り薄いプリプレグシートを多用すると、シ
ャフトの形成の際に、薄いプリプレグシートを巻く回数
が増加する。よって、これにより生産性が低下し生産コ
ストが上昇するため、厚さが0.03mm以上のプリプ
レグシートを使用するほうが好ましい。
【0013】また、厚さが0.02mm以上0.07m
m以下としたプリプレグシートの層の重量がシャフト全
重量に対して占める割合が30%未満とした場合は、シ
ャフト強度が低下する。一方、上記割合が過大になると
プリプレグシートの合計使用数が増加し、生産性の低下
よりコストが上昇するので、上記割合は90%以下、8
5%以下、さらに、50%以下とするのが好ましい。
【0014】上記プリプレグシートは、シャフトの軸線
に対して強化繊維の角度を傾斜させたアングル層、直交
させたフープ層、平行としたストレート層からなり、上
記アングル層のうちの少なくとも一層の厚みが0.02
mm以上0.07mm以下で、上記ストレート層のうち
の少なくとも一層の厚みが0.07mmより厚く0.2
5mm以下としていることが好ましい。
【0015】なお、上記アングル層のプリプレグシート
の一層或いは全層を0.07mm以上の厚さとし、他の
層のプリプレグシートを0.07mm以下としても良
い。あるいは、ストレート層のプリプレグシートの一層
か或いは全層を0.07mm以上として、他の層のプリ
プレグシートを0.07mm以下としても良い。即ち、
どの層のプリプレグシートを薄くするかは、要求される
シャフトの性能により選択され、軽量化と高強度化が両
立できれば、どの層のプリプレグシートを薄くして、積
層数を増加するか限定されない。
【0016】上記プリプレグシートからなる各アングル
層、フープ層、ストレート層はシャフト全長にわたって
巻き付けられる長さとしているが、ヘット取付側には、
部分的に巻き付ける部分補強層を備え、該部分補強層は
ストレート層としていることが好ましい。また、各プリ
プレグシートはシャフト軸線を中心として1周あるいは
整数回巻き付けても良いし、非整数回巻き(例えば、
0.5周巻)あるいは、整数回+非整数回巻(1.5周
巻き)としてもよく、最終的にシャフト軸線上の点を中
心とする断面真円形状となるように積層すればよい。
【0017】上記プリプレグシートを構成する強化繊維
としては、主として炭素繊維が用いられるが、金属繊維
(ボロン繊維、アモルファス合金繊維、ステンレス繊維
等)、ガラス繊維、アラミド繊維、シリコンカーバイド
繊維、アルミナ繊維、ポリパラフェニルベンゾビスオキ
サーゾル繊維等が用いられる。
【0018】上記強化繊維に含浸させるマトリックス樹
脂としては、エポキシ、ピスマレイミド、ポリイミド、
フェノールなどの熱硬化性樹脂、または、ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルホン
(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)、
ポリプロピレン(PP)のような熱可塑性樹脂が用いら
れる。
【0019】上記した各種の強化繊維と樹脂とを組み合
わせた繊維強化樹脂からなるプリプレグシートは、強度
とコストが両立すれば使用できるが、使用する少なくと
も一部のプリプレグシートは炭素繊維強化樹脂からなる
シートを使用することが好ましい。実際には、半分以上
あるいは全てに炭素繊維強化樹脂からなるプリプレグシ
ートを使用している。
【0020】また、上記シャフト全重量が30g以上4
5g未満であることが好ましい。上記した各種のプリプ
レグシートを使用することで、シャフト全重量が30g
以上45g未満になるように軽量化を行い、かつ、実用
上において、十分な強度も持たせることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるゴルフクラ
ブシャフトの実施形態を図面を参照して説明する。本発
明のゴルフクラブシャフトは前記したシートワインディ
ング製法で作製しており、実施形態のゴルフクラブシャ
フトは、炭素繊維を強化繊維とし、熱硬化性樹脂をマト
リックス樹脂とする繊維強化樹脂製のプリプレグシート
を積層してマンドレルに対して巻き付け、かつ、ヘッド
取付側にストレート層からなる部分補強層を巻き付け、
加熱硬化した後、マンドレルを引き抜き、最後に表面を
研磨加工で仕上げて作製している。
【0022】上記マンドレルに巻き付けるプリプレグシ
ートとして、前記従来例と同様に、シャフト軸線(マン
ドレル軸線)Lに対して炭素繊維を±45゜に傾斜配置
させるアングル層1、2、軸線Lに対して炭素繊維を9
0゜として直交配置させるフープ層3、軸線Lに対して
炭素繊維を0゜として平行配置させるストレート層4を
用いている。また、部分補強層7も軸線Lに対して炭素
繊維を0゜としている。但し、図6乃至図9に示す従来
例に対して、各層のプリプレグシートの厚さを代えると
共に、各層の巻数を代えている。
【0023】図1(A)(B)は実施例1のゴルフクラ
ブシャフトS1、図2(A)(B)は実施例2のゴルフ
クラブシャフトS2、図3(A)(B)は実施例3のゴ
ルフクラブシャフトS3、図4(A)(B)は実施例4
のゴルフクラブシャフトS4、図5(A)(B)は実施
例5のゴルフクラブシャフトS5を示す。これら実施例
1乃至実施例5は、プリプレグシートの種類および巻数
を代えているが、いずれも、シャフト全重量を30g以
上45g未満の範囲内である40g〜44gに設定して
いる。また、図示していないが実施例6(表2、3参
照)としてシャフト全重量が45gに設定しているもの
もある。
【0024】実施例および従来例の図面上において、厚
さが0.07mm以上(0.105mm)のプリプレグ
シートは図中、太実線で示している。また、各プリプレ
グシートの巻き始じめ位置と巻き終わり位置との間に隙
間をあけて、別のプリプレグシートであることを明示し
ているが、実際には、隙間なく連続させて巻きつけて積
層している。なお、巻き始めと巻き終わりが丁度突き合
う用にプリプレグシートの幅を設計しているが、現実に
は切断の誤差などで、隙間がなく、かつ、重ならずに巻
き始めと巻き終わりを突き合わせすることは難しく、多
少なりとも重なったり、隙間が空いたりする可能性があ
る。
【0025】本発明の実施例1乃至6と従来例1乃至4
に用いるプリプレグシートの種類は下記の表1に示す通
りである。
【0026】
【表1】
【0027】表1中のMR350C125S、075
S、050Sはそれぞれ三菱レイヨン(株)製、805
−S−3は東レ(株)製である。
【0028】上記MR350C125Sのプリプレグシ
ート(A)は、厚さが0.105mmで、従来例1乃至
4のストレート層4A、本発明の実施例1、2、6のス
トレート層4A、従来例1乃至4のアングル層1A、2
A、本発明の実施例3のアングル層1A、2Aに用いて
いる。上記MR350C075のプリプレグシート
(B)は、厚さが0.062mmで、本発明の実施例
1、2、4、6のアングル層1B、2B、実施例3、4
のストレート層4Bに用いている。上記MR350C0
50Cはプリプレグシート(C)は、厚さが0.050
mmで、本発明の実施例5のアングル層1C、2Cと、
ストレート層4Cに用いている。上記805−S−3の
プリプレグシート(D)は厚さが0.034mmで、本
発明の実施例1乃至6および従来例1乃至4において、
フープ層3として用いている。
【0029】上記実施例1乃至実施例6および従来例1
乃至従来例4の各ゴルフクラブシャフトの仕様を下記の
表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2において「薄肉層比率」とは、厚さ
0.07mm以下のプリプレグシート層の合計重量がシ
ャフト全休の重量に対する比率%を示している。また、
「重量/層数」で、重量とはプリプレグシート層の重量
を示し、層数とは1枚のプリプレグシート層を巻数を示
し、例えば「1.7*2」とは、1枚のプリプレグシー
トで1.7周巻き、これを2回行っていることを示す。
表2に示すように、実施例及び従来例の全てにおいて、
フープ層およびストレート層を整数巻きしているが、ア
ングル層に関しては、非整数回きの場合と整数巻き場合
とがある。また、ストレート層の重量は、研磨後の重量
であり、研磨量によって重量を調整している。
【0032】表2に示すように、従来例1乃至4は薄肉
化率が10%以下である。従来例3と4はシャフト重量
が45g未満の43gと40gであるが、薄肉化率は夫
々9.3%と10.0%である。一方、本発明の実施例
1乃至実施例6では、薄肉化率を30%以上(37.2
%〜85%)としている。また、シャフト重量を実施例
6以外は40g〜44gとして、従来の強度的に問題の
ない従来例1、2よりも軽量としている。
【0033】表2および図面に示すように、実施例1と
実施例2では、アングル層に厚さ0.07mm以下の
0.062mmのプリプレグシート1B、2Bを用いて
シャフト重量を夫々44gと43gとしている。実施例
3ではアングル層は0.07mm以上の0.105mm
のプリプレグシート1A、2Aを用いているが、ストレ
ート層は厚さ0.062mmのプリプレグシート4Bを
用いて、シャフト重量を43gとしている。実施例4は
アングル層に厚さ0.062mmのプリプレグシート1
B、2Bを用い、かつ、ストレート層も厚さ0.062
mmのプリプレグシート4Bを用いて、シャフト重量を
40gとしている。実施例5はアングル層に厚さ0.0
50mmのプリプレグシート1C、2Cを用い、かつ、
ストレート層も厚さ0.050mmのプリプレグシート
4Cを用いて、シャフト重量を40gとしている。実施
例6はアングル層に厚さ0.062mmのプリプレグシ
ートを用い、ストレート層は0.105mmのプリプレ
グシートを用い、シャフト重量を45gとしている。
【0034】上記実施例1乃至実施例6および比較例1
乃至比較例4のゴルフクラブシャフトの強度を測定する
ため、3点曲げ破壊強度試験及びスイングロボットによ
るクラブ耐久試験を行った。3点曲げ破壊強度とは、製
品安全協会が定めるSG式の破壊強度であり、またクラ
ブ耐久試験は、各シャフトにW#1のヘッド及びグリッ
プを取り付け、ヘッドスピード45m/sにて3000
発打球する試験であり、実際にクラブとして使用する場
合の実用強度を確認するための試験である。
【0035】測定点はシャフトの細経端から90mm
(T点)、175mm(A点)、525mm(B点)の
各位置と、太径端から175mm(C点)の4箇所につ
いて行った。支持点のスパンをT点測定時のみ150m
mとし、A〜C点測定時は300mmとした。測定はシ
ャフトをアングル層(逆方向傾斜二分割層)のプリプレ
グシートの境界部(繋ぎ目)の位置(シャフト周方向0
゜の位置)が上を向くように支持して測定する一方、更
にシャフトを軸を中心に90゜回転させてプリプレグシ
ートの境界(繋ぎ目)の位置(シャフト周方向の0゜の
位置)を水平方向に向けて支持して測定した。その測定
結果を下記の表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】表3に示すように従来例1乃至4は、それ
ぞれ、薄肉層比率が10%以下の従来構造のシャフトで
あり、シャフト全重量が45g以上であればクラブ耐久
試験に合格し、実用強度を有することが確認されたが、
シャフト重量が43g以下と軽量化した場合、クラブ耐
久試験にてシャフト折れが発生し、実用強度が不足する
ことが確認できた。これに対して、実施例1乃至6で
は、薄肉層比率が30%以上となっており、シャフト重
量が43g、あるいは40gの場合でも、クラブの耐久
試験に合格し、実用強度を有していることが確認でき
た。
【0038】具休的には、実施例2と従来例3の比較で
は、シャフト重量は43gで共通であるが、従来例3は
クラブ耐久試験にて折れが発生しているのに対し実施例
2は同試験で合格しており、また3点曲げ強度も実施例
2のほうが高くなっていた。上記の現象は実施例4と従
来例4および実施例5と実施例4との比較においても全
く同様の内容となっていた。
【0039】また、実施例5は、実施例4よりも更に薄
肉のプリプレグシート材料を使用しているが、実施例5
のほうが3点曲げ強度が高くなっていた。この点から、
シャフト重量が同重量であれば、薄肉にして多層巻きに
すると強度が向上することが確認できた。上記の現象は
シャフト重量が45gと同重量である実施例6と従来例
2においても確認でき、両者は共に合格となっている
が、実施例6は薄肉層比率40%で、従来例2が薄肉層
比率8.8%となっており、実施例6の強度は従来例2
の強度を全ての点で上回っている。
【0040】薄肉多層構造により強度が向上する理由に
ついては、更に詳細な確認を要するが、その原因のーつ
として、巻き始め及び巻き終わり部分の段差減少の効果
が考えられる。即ち、前述したように、プリプレグシー
トの始めと巻き終わりが丁度突き合う用に設計されてい
るが、実際上は重なったり、隙間が空いたりする可能性
がある。この場合、薄肉であれば段差や隙間が小さくな
るので、その分強度が向上すると考えられる。また、非
整数巻きする場合では、巻き始め、巻き終わりに必ず段
差ができるわけであるが、薄肉にすると、この段差が小
さくなるので、巻き乱れが減少し、円周に対して均一化
されるという要因もあると考えられる。
【0041】さらに、同じく非整数巻きする場合、薄肉
多層構造にするほど、円周方向に関して肉厚の均一化が
図られるので、強度が向上した可能性もあると考えられ
る。この点は、特に実施例2と実施例3の比較において
示唆される。つまり、実施例2は非整数回、巻回された
アングル層のみを薄肉していおり、一方、実施例3は、
整数回、巻回されたストレート層のみを薄肉している。
両者を比較すると、実施例2は実施例3よりも薄肉層比
率が低いにもかかわらず、3点曲げ強度が高くなってい
る。つまり、非整数部分を薄肉したこといよる円周方向
均一化の効果により、強度が向上した可能性があると考
えている。
【0042】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、シートワインディング製法により、プリプレ
グシートを積層して巻き付けて作製されるゴルフクラブ
シャフトにおいて、0.07mm以下の厚みの薄いプリ
プレグシートを用い、厚みを薄くした分だけ多層化する
ことにより、45g未満、好ましくは、43gの軽量シ
ャフトにおいて強度を十分に確保することができ、軽量
で強度を有するゴルフクラブシャフトを提供することが
できる。また、シャフト重量が同重量であれば、より強
度の向上したゴルフクラブシャフトを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は実施例1の概略断面模式図、(B)
は実施例1のゴルフクラブシャフトを構成するプリプレ
グシートの展開図である。
【図2】 (A)は実施例2の概略断面模式図、(B)
は実施例2のゴルフクラブシャフトを構成するプリプレ
グシートの展開図である。
【図3】 (A)は実施例3の概略断面模式図、(B)
は実施例3のゴルフクラブシャフトを構成するプリプレ
グシートの展開図である。
【図4】 (A)は実施例4の概略断面模式図、(B)
は実施例4のゴルフクラブシャフトを構成するプリプレ
グシートの展開図である。
【図5】 (A)は実施例5の概略断面模式図、(B)
は実施例5のゴルフクラブシャフトを構成するプリプレ
グシートの展開図である。
【図6】 (A)は従来例1の概略断面模式図、(B)
は従来例1のゴルフクラブシャフトを構成するプリプレ
グシートの展開図である。
【図7】 (A)は従来例2の概略断面模式図、(B)
は従来例2のゴルフクラブシャフトを構成するプリプレ
グシートの展開図である。
【図8】 (A)は従来例3の概略断面模式図、(B)
は従来例3のゴルフクラブシャフトを構成するプリプレ
グシートの展開図である。
【図9】 (A)は従来例4の概略断面模式図、(B)
は従来例4のゴルフクラブシャフトを構成するプリプレ
グシートの展開図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、2A,2B、2C アングル層 3 フープ層 4A、4B、4C ストレート層 S1〜S9 シャフト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化樹脂製のプリプレグシートを巻
    回して成るゴルフクラブシャフトにおいて、上記プリプ
    レグシートのうち、シャフト全重量の30%以上で10
    0%以下を構成するプリプレグシートの厚みが0.02
    mm以上0.07mm以下であることを特徴とするゴル
    フクラブシャフト。
  2. 【請求項2】 上記プリプレグシートは、シャフトの軸
    線に対して強化繊維の角度を傾斜させたアングル層、直
    交させたフープ層、平行としたストレート層からなり、
    上記アングル層のうちの少なくとも一層の厚みが0.0
    2mm以上0.07mm以下で、上記ストレート層のう
    ちの少なくとも一層の厚みが0.07mmより厚く0.
    25mm以下である請求項1に記載のゴルフクラブシャ
    フト。
  3. 【請求項3】 上記シャフト全重量が30g以上45g
    未満である請求項1または請求項2に記載ゴルフクラブ
    シャフト。
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