JP2001276288A - ゴルフシャフト - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 シャフトとしてのＥＩ分布・強度の設計に影
響を及ぼすことなくシャフト長手方向の線密度分布を改
良したゴルフシャフトを提供する。 【解決手段】 内側層９０、中間層９１、外側層９２が
積層されて成り、前記中間層９１は３つの組糸７０、７
１、８が編み組みされて形成されているが、その内の２
方向の組糸７０、７１の配向角度は、シャフト先端〜１
２７ｍｍは±３０°で一定、１２７〜４８０ｍｍは、±
３０°から±６０°まで連続的に増加、４８０〜８２６
ｍｍは±６０°から±２０°まで連続的に減少、８２６
ｍｍ〜後端は±２０°で一定となっている。
響を及ぼすことなくシャフト長手方向の線密度分布を改
良したゴルフシャフトを提供する。 【解決手段】 内側層９０、中間層９１、外側層９２が
積層されて成り、前記中間層９１は３つの組糸７０、７
１、８が編み組みされて形成されているが、その内の２
方向の組糸７０、７１の配向角度は、シャフト先端〜１
２７ｍｍは±３０°で一定、１２７〜４８０ｍｍは、±
３０°から±６０°まで連続的に増加、４８０〜８２６
ｍｍは±６０°から±２０°まで連続的に減少、８２６
ｍｍ〜後端は±２０°で一定となっている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化プラスチ
ック製のゴルフシャフト（以下、単にシャフトと称す
る）に関するものであり、さらに詳しくは、設計された
シャフトの曲げ剛性や、強度に影響を及ぼすことなくシ
ャフト長手方向の線密度分布を改良したシャフトに関す
るものである。
ック製のゴルフシャフト（以下、単にシャフトと称す
る）に関するものであり、さらに詳しくは、設計された
シャフトの曲げ剛性や、強度に影響を及ぼすことなくシ
ャフト長手方向の線密度分布を改良したシャフトに関す
るものである。
【０００２】
【従来の技術】従来より、シャフトの外径は先端から後
端にかけて単調に増加している形状である為、シャフト
長手方向軸に対する線密度分布は、前記先端から後端に
かけてほぼ単調に増加している。こうした通常の線密度
分布に対し、振り易さを向上させる為の、線密度分布変
更の手法が数多く出願されている。
端にかけて単調に増加している形状である為、シャフト
長手方向軸に対する線密度分布は、前記先端から後端に
かけてほぼ単調に増加している。こうした通常の線密度
分布に対し、振り易さを向上させる為の、線密度分布変
更の手法が数多く出願されている。
【０００３】その手法には、例えば、特開平７−１６３
６８９号公報に見られるように、単数又は、複数のバラ
ンスウェイトを、シャフトの壁の内部表面上に接着され
る成形シートの間に部分的に配置して成形する方法や、
特許第２６２２４２８号公報に見られるように、シート
状プリプレグをシャフト成形用の形状に裁断して積層す
ることにより外径・内径を急激に変化させて部分的な膨
らみを付与する方法が用いられている。
６８９号公報に見られるように、単数又は、複数のバラ
ンスウェイトを、シャフトの壁の内部表面上に接着され
る成形シートの間に部分的に配置して成形する方法や、
特許第２６２２４２８号公報に見られるように、シート
状プリプレグをシャフト成形用の形状に裁断して積層す
ることにより外径・内径を急激に変化させて部分的な膨
らみを付与する方法が用いられている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記したこれ
らの質量体を部分的に付加したり、シート状プリプレグ
を積層する事で外径・内径を急激に変化させた構成のシ
ャフトは、良好な曲げ剛性（ＥＩ）分布を阻害し、強度
を低下させることが多い。即ち、前記質量体を部分的に
付与した構成のシャフトでは、前記質量体の比重がＣＦ
ＲＰに比べて大きく、また弾性率（Ｅ）が大きいことが
多いことから、前記質量体部分でＥＩ値が増加し、また
質量体とＣＦＲＰの継目に応力集中が生じ、強度が低下
する。
らの質量体を部分的に付加したり、シート状プリプレグ
を積層する事で外径・内径を急激に変化させた構成のシ
ャフトは、良好な曲げ剛性（ＥＩ）分布を阻害し、強度
を低下させることが多い。即ち、前記質量体を部分的に
付与した構成のシャフトでは、前記質量体の比重がＣＦ
ＲＰに比べて大きく、また弾性率（Ｅ）が大きいことが
多いことから、前記質量体部分でＥＩ値が増加し、また
質量体とＣＦＲＰの継目に応力集中が生じ、強度が低下
する。
【０００５】また、部分的に膨らみをつける方法につい
ても、円管の外径を（ｄ2）、内径を（ｄ1）としたと
き、円管の断面2次モーメント（Ｉ）は、π（ｄ2 4−ｄ1
4）／６４であることから、外径（ｄ2）を大きくする、
内径（ｄ1）を小さくする何れの方法においても、Ｅが
一様であれば、ＥＩ値が増加する。また部分的なＥＩ値
の変化量が大きいほど、同じく応力集中が生じ、強度が
低下する。また、断面2次モーメントを増加させる部分
について、別体の低弾性体を詰め込むことにより、ＥＩ
値を良好な値に調整する方法（低Ｅ×高Ｉ＝良好ＥＩ）
もあるが、この場合、部品点数の増加、作業行程の増加
などコスト高の原因となり、現実的とは言えない。
ても、円管の外径を（ｄ2）、内径を（ｄ1）としたと
き、円管の断面2次モーメント（Ｉ）は、π（ｄ2 4−ｄ1
4）／６４であることから、外径（ｄ2）を大きくする、
内径（ｄ1）を小さくする何れの方法においても、Ｅが
一様であれば、ＥＩ値が増加する。また部分的なＥＩ値
の変化量が大きいほど、同じく応力集中が生じ、強度が
低下する。また、断面2次モーメントを増加させる部分
について、別体の低弾性体を詰め込むことにより、ＥＩ
値を良好な値に調整する方法（低Ｅ×高Ｉ＝良好ＥＩ）
もあるが、この場合、部品点数の増加、作業行程の増加
などコスト高の原因となり、現実的とは言えない。
【０００６】そこで本発明は、前記課題を解決し、シャ
フトとしてのＥＩ分布・強度の設計に影響を及ぼすこと
なくシャフト長手方向の線密度分布を改良したシャフト
を提供しようとするものである。
フトとしてのＥＩ分布・強度の設計に影響を及ぼすこと
なくシャフト長手方向の線密度分布を改良したシャフト
を提供しようとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項１の発明は、強化繊維からなる組糸を編み組み
してなる組物層を積層し、マトリックス樹脂により硬化
することにより形成されるゴルフシャフトにおいて、該
ゴルフシャフトはシャフト長手方向軸に対して左右対称
の配向角度を有する組糸の配向角度を、シャフト長手方
向の位置に応じて可変とした組物層を少なくとも１層有
する構成のゴルフシャフトである。
に請求項１の発明は、強化繊維からなる組糸を編み組み
してなる組物層を積層し、マトリックス樹脂により硬化
することにより形成されるゴルフシャフトにおいて、該
ゴルフシャフトはシャフト長手方向軸に対して左右対称
の配向角度を有する組糸の配向角度を、シャフト長手方
向の位置に応じて可変とした組物層を少なくとも１層有
する構成のゴルフシャフトである。
【０００８】請求項２の発明は、請求項１のシャフトに
おいて、前記組物層は全長にわたりシャフト長手方向軸
と同じ方向の組糸と、シャフト長手方向軸に対して左右
対称の配向角度を有する組糸の配向角度がシャフト長手
方向の位置に応じて可変とした２方向の組糸とにより編
み組みされた構成を有するゴルフシャフトである。
おいて、前記組物層は全長にわたりシャフト長手方向軸
と同じ方向の組糸と、シャフト長手方向軸に対して左右
対称の配向角度を有する組糸の配向角度がシャフト長手
方向の位置に応じて可変とした２方向の組糸とにより編
み組みされた構成を有するゴルフシャフトである。
【０００９】請求項３の発明は、請求項１又は、２記載
のゴルフシャフトであって、前記シャフト長手方向軸に
対して左右対称の配向角度を有する組糸の配向角度は、
前記ゴルフシャフトの最大肉厚部分で最大となり、か
つ、前記肉厚の減少に応じて漸次小さくなる構成を有す
るゴルフシャフトである。
のゴルフシャフトであって、前記シャフト長手方向軸に
対して左右対称の配向角度を有する組糸の配向角度は、
前記ゴルフシャフトの最大肉厚部分で最大となり、か
つ、前記肉厚の減少に応じて漸次小さくなる構成を有す
るゴルフシャフトである。
【００１０】請求項４の発明は、強化繊維からなる組糸
を編み組みしてなる組物層を積層し、マトリックス樹脂
により硬化することにより形成されるゴルフシャフトに
おいて、前記組物層は、シャフト長手方向軸に対して±
６０°一定に配向させた２方向の組糸からなる組物層
と、全長にわたりシャフト長手方向軸に対して±１５°
一定に配向させた２方向の組糸からなる組物層と、全長
にわたりシャフト長手方向軸と同じ方向の組糸と、シャ
フト長手方向軸に対して左右対称に配向角度が変化する
２方向の組糸からなる組物層の少なくとも３つの層から
なる構成を有するゴルフシャフトである。
を編み組みしてなる組物層を積層し、マトリックス樹脂
により硬化することにより形成されるゴルフシャフトに
おいて、前記組物層は、シャフト長手方向軸に対して±
６０°一定に配向させた２方向の組糸からなる組物層
と、全長にわたりシャフト長手方向軸に対して±１５°
一定に配向させた２方向の組糸からなる組物層と、全長
にわたりシャフト長手方向軸と同じ方向の組糸と、シャ
フト長手方向軸に対して左右対称に配向角度が変化する
２方向の組糸からなる組物層の少なくとも３つの層から
なる構成を有するゴルフシャフトである。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して具体的に説明する。図１は、本発明の
シャフト１を有するゴルフクラブ１０を示す図である。
ゴルフクラブ１０は、前記シャフト１と該シャフト１の
先端部分２に取り付けられるヘッド４および前記シャフ
ト１の後端部分３に取り付けられるグリップ５を有す
る。
て図面を参照して具体的に説明する。図１は、本発明の
シャフト１を有するゴルフクラブ１０を示す図である。
ゴルフクラブ１０は、前記シャフト１と該シャフト１の
先端部分２に取り付けられるヘッド４および前記シャフ
ト１の後端部分３に取り付けられるグリップ５を有す
る。
【００１２】本発明の１実施例のシャフト１は、その概
略断面を示す図２に示すように、ヘッド４が取り付けら
れる先端部分２と、グリップ５が取り付けられる後端部
分３を除いてその肉厚Ｔがシャフト長手方向の位置に応
じて変化している。ゴルフクラブの振りやすさを向上さ
せる方法の一つとして、シャフトの線密度分布をシャフ
ト長手方向の位置に応じて変化させることで、シャフト
のバランスを調整することは知られている。
略断面を示す図２に示すように、ヘッド４が取り付けら
れる先端部分２と、グリップ５が取り付けられる後端部
分３を除いてその肉厚Ｔがシャフト長手方向の位置に応
じて変化している。ゴルフクラブの振りやすさを向上さ
せる方法の一つとして、シャフトの線密度分布をシャフ
ト長手方向の位置に応じて変化させることで、シャフト
のバランスを調整することは知られている。
【００１３】本実施例のシャフト１では、図３に示すよ
うに強化繊維を収束したトウに樹脂を含浸させ半硬化状
態にしたトウプリプレグからなる組糸７、８を編み組み
してなる組物層９を積層することにより形成されるもの
である。前記シャフト１のバランスを調整するための構
成として、シャフト長手方向軸６に対して配向角度を有
する組糸７の配向角度を変化させて編み組みすることで
シャフト１の肉厚Ｔを設定した組物層９を、少なくとも
１層積層することでシャフト１の線密度分布を設定する
ものである。
うに強化繊維を収束したトウに樹脂を含浸させ半硬化状
態にしたトウプリプレグからなる組糸７、８を編み組み
してなる組物層９を積層することにより形成されるもの
である。前記シャフト１のバランスを調整するための構
成として、シャフト長手方向軸６に対して配向角度を有
する組糸７の配向角度を変化させて編み組みすることで
シャフト１の肉厚Ｔを設定した組物層９を、少なくとも
１層積層することでシャフト１の線密度分布を設定する
ものである。
【００１４】前記肉厚Ｔの増減は、線密度を集中させた
い部分の肉厚に応じてシャフト長手方向軸６に対して配
向角度が変化する２方向の組糸７０、７１の配向角度を
漸次増減することにより達成される。たとえば、前記組
糸７０、７１の配向角度を大きくすれば、その部分のシ
ャフト単位長さ当りの使用繊維量も増加するのでシャフ
ト１の肉厚Ｔが増加して断面２次モーメントＩが大きく
なる。しかし、前記肉厚増加部分の組糸７０、７１の配
向角度は大きくしてあることでシャフトの長手方向軸の
弾性率（Ｅ）が小さくなり、曲げ剛性ＥＩが大きくなる
ことがない。よって、線密度を集中させる為に余計な部
品を挿入する必要がなく、更に、この間で繊維が途切れ
ることが無く、また特に応力が集中することも無いので
高い強度をそのまま維持できる。また、この時、組糸７
０、７１の配向角度が大きい部分は肉厚Ｔも増加するの
で、それに伴いシャフトの断面積も増加し、他の部品を
挿入することなく線密度を増加させることができる。
い部分の肉厚に応じてシャフト長手方向軸６に対して配
向角度が変化する２方向の組糸７０、７１の配向角度を
漸次増減することにより達成される。たとえば、前記組
糸７０、７１の配向角度を大きくすれば、その部分のシ
ャフト単位長さ当りの使用繊維量も増加するのでシャフ
ト１の肉厚Ｔが増加して断面２次モーメントＩが大きく
なる。しかし、前記肉厚増加部分の組糸７０、７１の配
向角度は大きくしてあることでシャフトの長手方向軸の
弾性率（Ｅ）が小さくなり、曲げ剛性ＥＩが大きくなる
ことがない。よって、線密度を集中させる為に余計な部
品を挿入する必要がなく、更に、この間で繊維が途切れ
ることが無く、また特に応力が集中することも無いので
高い強度をそのまま維持できる。また、この時、組糸７
０、７１の配向角度が大きい部分は肉厚Ｔも増加するの
で、それに伴いシャフトの断面積も増加し、他の部品を
挿入することなく線密度を増加させることができる。
【００１５】前記肉厚Ｔを設定する組物層９は図３の
（Ａ）、（Ｂ）に示すように、前記シャフト長手方向軸
６に対して配向角度が変化する２方向の組糸７０、７１
を編み組みして組物層９Ａを形成するほか、シャフト１
の曲げ剛性を同時に設定したい場合などには、前記組糸
７０、７１とシャフト長手方向の組糸８とを編み組みし
た組物層９Ｂとする事も出来る。
（Ａ）、（Ｂ）に示すように、前記シャフト長手方向軸
６に対して配向角度が変化する２方向の組糸７０、７１
を編み組みして組物層９Ａを形成するほか、シャフト１
の曲げ剛性を同時に設定したい場合などには、前記組糸
７０、７１とシャフト長手方向の組糸８とを編み組みし
た組物層９Ｂとする事も出来る。
【００１６】シャフト１の肉厚Ｔを大きくする方法とし
ては、外径を大きくするあるいは内径を小さくする形状
とすることが出来るが、前記何れの場合でも、線密度を
部分的に集中させる為に、断面積を増加させる部分は組
糸７０、７１の配向角度を大きくすることにより、シャ
フトの長手方向軸の弾性率（Ｅ）を小さくすることがで
き、そのシャフトに設計されたＥＩの分布に悪影響を及
ぼすことがない。
ては、外径を大きくするあるいは内径を小さくする形状
とすることが出来るが、前記何れの場合でも、線密度を
部分的に集中させる為に、断面積を増加させる部分は組
糸７０、７１の配向角度を大きくすることにより、シャ
フトの長手方向軸の弾性率（Ｅ）を小さくすることがで
き、そのシャフトに設計されたＥＩの分布に悪影響を及
ぼすことがない。
【００１７】
【実施例】本発明に係るゴルフシャフトの実施例につい
て説明する。本実施例において、組糸７、８を編み組み
して形成した複数の組物層９を積層して、全長９６４ｍ
ｍのシャフト１を形成した。図５はその概略説明図を表
し、図６はこの場合の線密度分布を表すグラフであり、
図７は同じくＥＩ分布を表すグラフである。
て説明する。本実施例において、組糸７、８を編み組み
して形成した複数の組物層９を積層して、全長９６４ｍ
ｍのシャフト１を形成した。図５はその概略説明図を表
し、図６はこの場合の線密度分布を表すグラフであり、
図７は同じくＥＩ分布を表すグラフである。
【００１８】このシャフト１は、シャフト１の内径を形
成する内側層９０、外側層９２及び、その中間に位置す
る中間層９１の少なくとも３層から形成されている。具
体的には、前記内側層９０は、トウプリプレグ（弾性率
２４０ＧＰａ・密度１．８ｇ／ｃｍ3・繊度８００ｇ／
ｋｍの炭素繊維を１２０００本収束してトウをなし、エ
ポキシ樹脂を含浸させた）からなる組糸７を、全長にわ
たりシャフト長手方向軸６に対して±６０°（トウプリ
プレグ４本づつ）一定となるように配向させた２方向の
組糸７２、７３で編み組みされた組物層で形成されてい
る。
成する内側層９０、外側層９２及び、その中間に位置す
る中間層９１の少なくとも３層から形成されている。具
体的には、前記内側層９０は、トウプリプレグ（弾性率
２４０ＧＰａ・密度１．８ｇ／ｃｍ3・繊度８００ｇ／
ｋｍの炭素繊維を１２０００本収束してトウをなし、エ
ポキシ樹脂を含浸させた）からなる組糸７を、全長にわ
たりシャフト長手方向軸６に対して±６０°（トウプリ
プレグ４本づつ）一定となるように配向させた２方向の
組糸７２、７３で編み組みされた組物層で形成されてい
る。
【００１９】前記外側層９２は、全長にわたりシャフト
長手方向軸６に対して±１５°（トウプリプレグ８本づ
つ）一定となるように配向させた２方向の組糸７４、７
５で編み組みされた組物層で形成されている。
長手方向軸６に対して±１５°（トウプリプレグ８本づ
つ）一定となるように配向させた２方向の組糸７４、７
５で編み組みされた組物層で形成されている。
【００２０】前記中間層９１は、全長にわたり０°一定
のシャフト長手方向軸６と同じ方向の組糸８（トウプリ
プレグ８本）と、シャフト長手方向軸６に対する配向角
度が、シャフト長手方向の位置によって変化する２方向
の組糸７０、７１（トウプリプレグ±１０本づつ）の３
種類の配向角度を有する組糸が編み組みさた組物層で形
成されている。
のシャフト長手方向軸６と同じ方向の組糸８（トウプリ
プレグ８本）と、シャフト長手方向軸６に対する配向角
度が、シャフト長手方向の位置によって変化する２方向
の組糸７０、７１（トウプリプレグ±１０本づつ）の３
種類の配向角度を有する組糸が編み組みさた組物層で形
成されている。
【００２１】前記中間層９１は３種類の配向角度を有す
る組糸７０、７１、８が編み組みされて形成されている
が、その内の２方向の組糸７０、７１の配向角度は、シ
ャフト先端〜１２７ｍｍはシャフト長手方向軸６に対し
±３０°で一定であり、１２７〜４８０ｍｍは、同じく
±３０°から±６０°まで連続的に増加し、４８０〜８
２６ｍｍは同じく±６０°から±２０°まで連続的に減
少し、８２６ｍｍ〜後端は同じく±２０°で一定となっ
ている。
る組糸７０、７１、８が編み組みされて形成されている
が、その内の２方向の組糸７０、７１の配向角度は、シ
ャフト先端〜１２７ｍｍはシャフト長手方向軸６に対し
±３０°で一定であり、１２７〜４８０ｍｍは、同じく
±３０°から±６０°まで連続的に増加し、４８０〜８
２６ｍｍは同じく±６０°から±２０°まで連続的に減
少し、８２６ｍｍ〜後端は同じく±２０°で一定となっ
ている。
【００２２】前記内側層９０は、構成する２方向の組糸
７２、７３の配向角度が比較的大きく設定したため、円
管圧縮に対する抵抗が強く、破壊強度向上に寄与してい
る。前記外側層９２は、構成する２方向の組糸７４、７
５の配向角度が比較的小さく設定した為、シャフト１の
撓みによって生じる表面の引張り・圧縮力に対する抵抗
が強く、同じく破壊強度向上に寄与している。そして、
前記中間層９１は、シャフト１の肉厚・断面２次モーメ
ントの変化に対応する役割をしている。すなわち、図２
及び図６に示すように、前記組糸７０、７１の配向角度
が最大角度（±６０°）となる位置（４８０ｍｍ）にお
いてシャフト１の中間層９１の肉厚も最大となり、それ
に伴ってシャフト１の肉厚Ｔも最大となっている。
７２、７３の配向角度が比較的大きく設定したため、円
管圧縮に対する抵抗が強く、破壊強度向上に寄与してい
る。前記外側層９２は、構成する２方向の組糸７４、７
５の配向角度が比較的小さく設定した為、シャフト１の
撓みによって生じる表面の引張り・圧縮力に対する抵抗
が強く、同じく破壊強度向上に寄与している。そして、
前記中間層９１は、シャフト１の肉厚・断面２次モーメ
ントの変化に対応する役割をしている。すなわち、図２
及び図６に示すように、前記組糸７０、７１の配向角度
が最大角度（±６０°）となる位置（４８０ｍｍ）にお
いてシャフト１の中間層９１の肉厚も最大となり、それ
に伴ってシャフト１の肉厚Ｔも最大となっている。
【００２３】その結果、肉厚Ｔを厚くしている４８０ｍ
ｍ位置は、シャフト１を構成している繊維を途中で切る
こと無く、連続的な構造でありながら重くすることが可
能になり、従来のバランスを調整するために別の部品を
導入したり、研磨等により肉厚を調整するといった方法
に比して強度の低下が無い。
ｍ位置は、シャフト１を構成している繊維を途中で切る
こと無く、連続的な構造でありながら重くすることが可
能になり、従来のバランスを調整するために別の部品を
導入したり、研磨等により肉厚を調整するといった方法
に比して強度の低下が無い。
【００２４】また、図７からも分かるように、同じく４
８０ｍｍ位置は、断面２次モーメントＩが大きいにもか
かわらず、前記組糸の配向角度を大きくしているため縦
弾性率Ｅが小さくなり、結果的に曲げ剛性ＥＩは多く変
化しない。よって、設計通りのＥＩ特性を有するシャフ
トとなる。（図２：逆に４８０ｍｍ位置がやわらかくな
っている）
８０ｍｍ位置は、断面２次モーメントＩが大きいにもか
かわらず、前記組糸の配向角度を大きくしているため縦
弾性率Ｅが小さくなり、結果的に曲げ剛性ＥＩは多く変
化しない。よって、設計通りのＥＩ特性を有するシャフ
トとなる。（図２：逆に４８０ｍｍ位置がやわらかくな
っている）
【００２５】本実施例の場合のように、内側層９０、外
側層９２及びその中間に位置する中間層９１から形成さ
れる場合は、前記中間層９１は、全長にわたり０°一定
の長手方向の組糸８と、シャフト長手方向軸６に対する
配向角度が、シャフト長手方向の位置によって変化する
２方向の組糸７０、７１の３つの組糸を編み組みした組
物層９Ｂを積層すれば、シャフト１の曲げ剛性にも寄与
する組物層とすることができ、積層数を少なくした軽量
のシャフトとすることが出来る。外側層９２の一部は、
仕上げの際に研磨によって削り取られるので、曲げ剛性
に影響を及ぼす長手方向の組糸８はシャフトの曲げ剛性
のバラツキの原因になるため使いづらく、内側層９０に
は円管圧縮に対する応力負担が大きくなり、シャフト長
手方向の伸び縮みに対する応力負担が小さくなるので、
長手方向の組糸８は配設する効果があまり期待できない
ためである。
側層９２及びその中間に位置する中間層９１から形成さ
れる場合は、前記中間層９１は、全長にわたり０°一定
の長手方向の組糸８と、シャフト長手方向軸６に対する
配向角度が、シャフト長手方向の位置によって変化する
２方向の組糸７０、７１の３つの組糸を編み組みした組
物層９Ｂを積層すれば、シャフト１の曲げ剛性にも寄与
する組物層とすることができ、積層数を少なくした軽量
のシャフトとすることが出来る。外側層９２の一部は、
仕上げの際に研磨によって削り取られるので、曲げ剛性
に影響を及ぼす長手方向の組糸８はシャフトの曲げ剛性
のバラツキの原因になるため使いづらく、内側層９０に
は円管圧縮に対する応力負担が大きくなり、シャフト長
手方向の伸び縮みに対する応力負担が小さくなるので、
長手方向の組糸８は配設する効果があまり期待できない
ためである。
【００２６】シャフトの肉厚Ｔを変化させることにより
シャフト長手方向の線密度分布を設定するには、図４の
（Ａ）〜（Ｃ）に示すように、外側に膨らむ場合、内側
に膨らむ場合、その両方があり得る。また、膨らみが狭
い範囲の場合、広い範囲の場合、膨らみの形状が、滑ら
かな曲線の場合、角張った場合などがあり、本発明の構
成によれば、いずれの形状変化にも対応できる。さら
に、膨らみは無いが、内径または外径の変化率を漸増又
は漸減させることで、シャフトの肉厚を漸増又は漸減さ
せることも可能である。
シャフト長手方向の線密度分布を設定するには、図４の
（Ａ）〜（Ｃ）に示すように、外側に膨らむ場合、内側
に膨らむ場合、その両方があり得る。また、膨らみが狭
い範囲の場合、広い範囲の場合、膨らみの形状が、滑ら
かな曲線の場合、角張った場合などがあり、本発明の構
成によれば、いずれの形状変化にも対応できる。さら
に、膨らみは無いが、内径または外径の変化率を漸増又
は漸減させることで、シャフトの肉厚を漸増又は漸減さ
せることも可能である。
【００２７】前記した何れの形状の場合でも、最大肉厚
部分でシャフト長手方向に対する配向角度を最大にし
て、前記肉厚の減少に応じて漸次、前記配向角度を小さ
くした２方向の組糸、あるいは、前記２方向の組糸と長
手方向の組糸の３軸とからなる組物層が少なくとも１層
あることが必要である。
部分でシャフト長手方向に対する配向角度を最大にし
て、前記肉厚の減少に応じて漸次、前記配向角度を小さ
くした２方向の組糸、あるいは、前記２方向の組糸と長
手方向の組糸の３軸とからなる組物層が少なくとも１層
あることが必要である。
【００２８】なおこの場合の最大・最小肉厚を設定する
範囲は、本実施例ではシャフトの長さ方向の中央部近傍
としたが、これに限定されるものではなく、ゴルフクラ
ブのバランス設計によりシャフト長手方向のいずれの位
置であっても実施可能であるが、補強部材が入ることが
多いヘッド４を取り付ける先端部分２やグリップ５を取
り付ける後端部分３にあたる、全長のそれぞれ約１割程
度の範囲については除外することが好ましい。
範囲は、本実施例ではシャフトの長さ方向の中央部近傍
としたが、これに限定されるものではなく、ゴルフクラ
ブのバランス設計によりシャフト長手方向のいずれの位
置であっても実施可能であるが、補強部材が入ることが
多いヘッド４を取り付ける先端部分２やグリップ５を取
り付ける後端部分３にあたる、全長のそれぞれ約１割程
度の範囲については除外することが好ましい。
【００２９】
【発明の効果】以上のように、本発明はトウプリプレグ
からなる組糸の配向角度を漸次増減してシャフトの肉厚
を変化させシャフトの線密度分布を設定するものであ
り、シャフトの曲げ剛性に悪影響を及ぼすことなくシャ
フトのバランス調整ができる。更に、組糸の線密度は一
定であるため、配向角度を調整することのみによって、
シャフトの肉厚を決定することができ、設計の自由度が
飛躍的の向上するといった効果を奏する。また、その
時、前記肉厚の変化は長手方向に対して配向角度が変化
する２方向の組糸が編組みされた組物層を積層すること
で形成されるため、繊維が途切れることが無く、シャフ
トの強度が低下しない。さらに、肉厚を大きくするため
に他の部品を入れること無く、連続的な構造を維持でき
るため滑らかなＥＩ分布とすることができ応力が集中す
ることも無い。
からなる組糸の配向角度を漸次増減してシャフトの肉厚
を変化させシャフトの線密度分布を設定するものであ
り、シャフトの曲げ剛性に悪影響を及ぼすことなくシャ
フトのバランス調整ができる。更に、組糸の線密度は一
定であるため、配向角度を調整することのみによって、
シャフトの肉厚を決定することができ、設計の自由度が
飛躍的の向上するといった効果を奏する。また、その
時、前記肉厚の変化は長手方向に対して配向角度が変化
する２方向の組糸が編組みされた組物層を積層すること
で形成されるため、繊維が途切れることが無く、シャフ
トの強度が低下しない。さらに、肉厚を大きくするため
に他の部品を入れること無く、連続的な構造を維持でき
るため滑らかなＥＩ分布とすることができ応力が集中す
ることも無い。
【図１】本発明のシャフトを有するゴルフクラブを示す
図である。
図である。
【図２】本発明の実施例のシャフトの概略断面を示す図
である。
である。
【図３】本発明の組物層の構成を説明する図。
【図４】本発明のシャフトの断面形状のその他の実施
例。
例。
【図５】実施例のシャフトの積層構成を説明する図。
【図６】実施例のシャフトの線密度分布を表すグラフで
ある。
ある。
【図７】実施例のシャフトのＥＩ分布を表すグラフであ
る。
る。
１ シャフト ２ 先端部分 ３ 後端部分 ４ ヘッド ５ グリップ ６ シャフト長手方向軸 ７ 組糸 ８ 組糸 ９ 組物層 ９Ａ 組物層 ９Ｂ 組物層 １０ ゴルフクラブ ７０ 組糸 ７１ 組糸 ７２ 組糸 ７３ 組糸 ７４ 組糸 ７５ 組糸 ９０ 内側層 ９１ 中間層 ９２ 外側層
Claims (4)
- 【請求項１】 強化繊維からなる組糸を編み組みしてな
る組物層を積層し、マトリックス樹脂により硬化するこ
とにより形成されるゴルフシャフトにおいて、該ゴルフ
シャフトはシャフト長手方向軸に対して左右対称の配向
角度を有する組糸の配向角度を、シャフト長手方向の位
置に応じて可変とした組物層を少なくとも１層有するこ
とを特徴とするゴルフシャフト。 - 【請求項２】 前記組物層は全長にわたりシャフト長手
方向軸と同じ方向の組糸と、シャフト長手方向軸に対し
て左右対称の配向角度を有する組糸の配向角度がシャフ
ト長手方向の位置に応じて可変とした２方向の組糸とに
より編み組みされていることを特徴とする請求項１記載
のゴルフシャフト。 - 【請求項３】 前記シャフト長手方向軸に対して左右対
称の配向角度を有する組糸の配向角度は、前記ゴルフシ
ャフトの最大肉厚部分で最大となり、かつ、前記肉厚の
減少に応じて漸次小さくなることを特徴とする請求項１
又は、２記載のゴルフシャフト。 - 【請求項４】 強化繊維からなる組糸を編み組みしてな
る組物層を積層し、マトリックス樹脂により硬化するこ
とにより形成されるゴルフシャフトにおいて、前記組物
層は、シャフト長手方向軸に対して±６０°一定に配向
させた２方向の組糸からなる組物層と、全長にわたりシ
ャフト長手方向軸に対して±１５°一定に配向させた２
方向の組糸からなる組物層と、全長にわたりシャフト長
手方向軸と同じ方向の組糸と、シャフト長手方向軸に対
して左右対称に配向角度が変化する２方向の組糸からな
る組物層の少なくとも３つの層からなることを特徴とす
るゴルフシャフト。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000099150A JP2001276288A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | ゴルフシャフト |
| US09/705,249 US6485376B1 (en) | 2000-03-31 | 2000-11-02 | Golf club shaft |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000099150A JP2001276288A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | ゴルフシャフト |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001276288A true JP2001276288A (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=18613540
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000099150A Pending JP2001276288A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | ゴルフシャフト |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6485376B1 (ja) |
| JP (1) | JP2001276288A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7037212B2 (en) | 2003-03-31 | 2006-05-02 | Mizuno Corporation | Fiber reinforced plastic golf shaft |
| JP2014033831A (ja) * | 2012-08-09 | 2014-02-24 | Nhk Spring Co Ltd | ゴルフ・シャフト |
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| US7479069B2 (en) * | 2004-11-24 | 2009-01-20 | Michael H. L. Cheng | Insert for altering the stiffness of a golf club shaft |
| US7500921B2 (en) | 2006-04-13 | 2009-03-10 | Cheng Michael H L | Golf club shaft insert assembly |
| US7427240B2 (en) * | 2006-06-28 | 2008-09-23 | Sri Sports Limited | Shaft for golf clubs and golf club |
| US7524248B2 (en) * | 2006-09-19 | 2009-04-28 | Sri Sports Limited | Shaft for golf clubs and golf club |
| US7494423B2 (en) * | 2007-01-25 | 2009-02-24 | Cheng Michael H L | Golf club shaft insert assemblies, insert assembly systems and apparatus for use with same |
| US7614963B2 (en) * | 2007-01-25 | 2009-11-10 | Cheng Michael H L | Golf club shaft insert assemblies, insert assembly systems and apparatus for use with same |
| US7955187B2 (en) * | 2008-12-23 | 2011-06-07 | Acushnet Company | Swingweight adjusted golf club shaft |
| US11471736B2 (en) | 2016-03-04 | 2022-10-18 | Bauer Hockey, Llc | 3D braiding materials and 3D braiding methods for sporting implements |
| US10213666B1 (en) | 2018-01-31 | 2019-02-26 | Breakthrough Golf Technology Llc | Golf shaft |
| US10857433B2 (en) | 2018-01-31 | 2020-12-08 | Breakthrough Golf Technology, Llc | Golf shaft system and golf shaft |
| EP4012084A3 (en) * | 2020-10-20 | 2022-09-07 | Bauer Hockey Ltd. | 3d braided material and method of making same |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS519938A (ja) * | 1974-07-12 | 1976-01-27 | Hitachi Chemical Co Ltd | |
| US4157181A (en) * | 1976-05-07 | 1979-06-05 | Fansteel Inc. | Graphite fiber tapered shafts |
| JPH07102236B2 (ja) | 1990-02-16 | 1995-11-08 | ソマール株式会社 | ゴルフクラブシャフト及びその製造方法 |
| US5182779A (en) * | 1990-04-05 | 1993-01-26 | Ltv Aerospace And Defense Company | Device, system and process for detecting tensile loads on a rope having an optical fiber incorporated therein |
| US5326099A (en) * | 1991-12-26 | 1994-07-05 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Golf club |
| JPH06278216A (ja) | 1993-03-26 | 1994-10-04 | Hitachi Chem Co Ltd | ゴルフシャフト、釣り竿等の管状体の製造方法 |
| FR2704764A1 (fr) | 1993-05-03 | 1994-11-10 | Taylor Made Golf Co | Manche pour club de golf et procédé de fabrication. |
| US5551691A (en) * | 1995-06-07 | 1996-09-03 | Somar Corporation | Golf club shaft |
| US5700533A (en) * | 1995-10-05 | 1997-12-23 | You; Chin-San | Fiber Braid Material |
| JP3807772B2 (ja) | 1996-03-22 | 2006-08-09 | 美津濃株式会社 | 繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフト |
| JPH11342233A (ja) | 1998-03-31 | 1999-12-14 | Mizuno Corp | 炭素繊維強化プラスチックス製ゴルフシャフト |
-
2000
- 2000-03-31 JP JP2000099150A patent/JP2001276288A/ja active Pending
- 2000-11-02 US US09/705,249 patent/US6485376B1/en not_active Expired - Fee Related
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| US7037212B2 (en) | 2003-03-31 | 2006-05-02 | Mizuno Corporation | Fiber reinforced plastic golf shaft |
| JP2014033831A (ja) * | 2012-08-09 | 2014-02-24 | Nhk Spring Co Ltd | ゴルフ・シャフト |
Also Published As
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|---|---|
| US6485376B1 (en) | 2002-11-26 |
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